IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】電池残量計測回路及びセンサノード
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/3832 20190101AFI20221213BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20221213BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
G01R31/3832
H01M10/48 P
H02J7/00 M
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018031224
(22)【出願日】2018-02-23
(65)【公開番号】P2019060838
(43)【公開日】2019-04-18
【審査請求日】2020-11-10
(31)【優先権主張番号】P 2017184029
(32)【優先日】2017-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 健一
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】特許第6792155(JP,B2)
【文献】特開2009-140457(JP,A)
【文献】特開2009-183067(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0235121(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/36-31/396
H01M 10/48
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池に流れる電流の積算量を計測する積算量計測部と、
前記電流を変化させるセンシング動作を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記センシング動作が発生する回数を計測する回数計測部と、
時間を計測する時間計測部と、
前記積算量計測部による前記積算量の計測の停止後において、前記回数計測部により計測される前記回数と、前記時間計測部により計測される時間とを用いて、前記電池の残量を算出する残量算出部とを備え、
前記センシング動作は、センサにより検知されたデータを外部に送信するセンサ処理部の動作であり、
前記残量算出部は、前記積算量計測部による前記積算量の計測の停止前に、前記センシング動作が1回発生する当たりに前記電池から放電される電荷と、前記電池から常に流れ出るベース電流とを算出する、電池残量計測回路。
【請求項2】
前記残量算出部は、前記ベース電流と前記ベース電流が流れ始めてからの経過期間との積と、前記電荷と前記センシング動作が前記経過期間に発生する合計回数との積との和を、前記電池の容量から減算することにより、前記電池の残量を算出する、請求項1に記載の電池残量計測回路。
【請求項3】
前記残量算出部は、前記積算量計測部により各計測期間に計測される前記積算量と、前記回数計測部により前記各計測期間に計測される前記回数と、前記時間計測部により計測される前記各計測期間とを用いて、前記ベース電流と前記電荷とを算出する、請求項1又は2に記載の電池残量計測回路。
【請求項4】
前記積算量計測部は、前記積算量の計測停止中に所定のイベントが発生することにより、前記積算量の計測を再開し、
前記残量算出部は、前記ベース電流と前記電荷とを再算出して更新する、請求項1から3のいずれか一項に記載の電池残量計測回路。
【請求項5】
前記検出部は、前記電流の上昇に基づいて、前記センシング動作の発生を検出する電流変化検出部であり、
前記回数計測部は、前記電流変化検出部の検出結果に基づいて、前記回数を計測する、請求項1から4のいずれか一項に記載の電池残量計測回路。
【請求項6】
電池に流れる電流の積算量を計測する積算量計測部と、
前記電流を変化させる第1動作を検出し、且つ、前記第1動作とは異なる、前記電流を変化させる第2動作を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記第1動作が発生する第1回数を計測し、且つ、前記検出部により検出された前記第2動作が発生する第2回数を計測する回数計測部と、
時間を計測する時間計測部と、
前記積算量計測部による前記積算量の計測の停止後において、前記回数計測部により計測される前記第1回数と、前記回数計測部により計測される前記第2回数と、前記時間計測部により計測される時間とを用いて、前記電池の残量を算出する残量算出部とを備え、
前記第1動作及び前記第2動作は、センサにより検知されたデータを外部に送信するセンサ処理部の動作であり、
前記第1動作は、前記センサにより検出されたデータを外部に送信するセンシング動作であり、
前記第2動作は、前記センシング動作とは異なる動作であり、
前記残量算出部は、前記積算量計測部による前記積算量の計測の停止前に、前記第1動作が1回発生する当たりに前記電池から放電される第1電荷と、前記第2動作が1回発生する当たりに前記電池から放電される第2電荷と、前記電池から常に流れ出るベース電流とを算出する、電池残量計測回路。
【請求項7】
前記残量算出部は、前記ベース電流と前記ベース電流が流れ始めてからの経過期間との積と、前記第1電荷と前記第1動作が前記経過期間に発生する合計回数との積と、前記第2電荷と前記第2動作が前記経過期間に発生する合計回数との積との和を、前記電池の容量から減算することにより、前記電池の残量を算出する、請求項6に記載の電池残量計測回路。
【請求項8】
前記残量算出部は、前記積算量計測部により各計測期間に計測される前記積算量と、前記回数計測部により前記各計測期間に計測される前記第1回数と、前記回数計測部により前記各計測期間に計測される前記第2回数と、前記時間計測部により計測される前記各計測期間とを用いて、前記ベース電流と、前記第1電荷と、前記第2電荷とを算出する、請求項6又は7に記載の電池残量計測回路。
【請求項9】
前記積算量計測部は、前記積算量の計測停止中に所定のイベントが発生することにより、前記積算量の計測を再開し、
前記残量算出部は、前記ベース電流と、前記第1電荷と、前記第2電荷とを再算出して更新する、請求項6から8のいずれか一項に記載の電池残量計測回路。
【請求項10】
前記検出部は、前記電流の上昇に基づいて、前記第1動作及び前記第2動作の発生を検出する電流変化検出部であり、
前記回数計測部は、前記電流変化検出部の検出結果に基づいて、前記第1回数及び前記第2回数を計測する、請求項6から9のいずれか一項に記載の電池残量計測回路。
【請求項11】
前記電流が変化し続ける時間の長さの違いに基づいて、前記第1動作と前記第2動作とを判別する、請求項6から9のいずれか一項に記載の電池残量計測回路。
【請求項12】
前記所定のイベントは、定期的に又は温度変化により発生する、請求項4又は9に記載の電池残量計測回路。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の電池残量計測回路と、
前記センサ処理部と、を備える、機器。
【請求項14】
請求項1から5のいずれか一項に記載の電池残量計測回路と、
電池と、
センサと、
前記センサより検知されたデータをセンサノード外部に送信する前記センシング動作を前記電池からの電力を使用して行う前記センサ処理部と、を備える、センサノード。
【請求項15】
電池に流れる電流の積算量を計測する積算量計測部と、
前記電流を変化させる動作を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記動作が発生している発生時間を計測するカウント部と、
時間を計測する時間計測部と、
前記積算量計測部による前記積算量の計測の停止後において、前記カウント部により計測される前記発生時間と、前記時間計測部により計測される時間とを用いて、前記電池の残量を算出する残量算出部とを備え、
前記動作は、センサにより検知されたデータを外部に送信するセンサ処理部の動作であり、
前記残量算出部は、前記積算量計測部による前記積算量の計測の停止前に、前記電池から常に流れ出るベース電流と、前記動作の動作電流とを算出する、電池残量計測回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池残量計測回路及びセンサノードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電池から出力される電流を積算することによって、電池の残量を算出する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-183067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池に流れる電流の積算量を計測する積算量計測部(例えば、クーロンカウンタ)の消費電流は、比較的大きいため、積算量計測部を常時動作させるのではなく間欠的に動作させることで、積算量の計測に使用される消費電力を抑制する場合がある。例えば、ある所定の時間帯だけ積算量計測部を動作させ、その時間帯において計測された積算量に基づいて、その時間帯に流れる平均電流が算出される。そして、積算量計測部を停止させている期間もその平均電流が流れ続けると仮定して、全体の電流積算量が予測される。
【0005】
しかしながら、積算量計測部を停止させている期間に電池に実際に流れる電流が平均電流に対して大きく変動すると、予測された全体の電流積算量の誤差が大きくなるため、電池残量の算出精度が低下するおそれがある。
【0006】
そこで、本開示では、電池残量の算出精度を向上させた電池残量計測回路及びセンサノードが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様では、
電池に流れる電流の積算量を計測する積算量計測部と、
前記電流を変化させるセンシング動作を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記センシング動作が発生する回数を計測する回数計測部と、
時間を計測する時間計測部と、
前記積算量計測部による前記積算量の計測の停止後において、前記回数計測部により計測される前記回数と、前記時間計測部により計測される時間とを用いて、前記電池の残量を算出する残量算出部とを備え、
前記センシング動作は、センサにより検知されたデータを外部に送信するセンサ処理部の動作であり、
前記残量算出部は、前記積算量計測部による前記積算量の計測の停止前に、前記センシング動作が1回発生する当たりに前記電池から放電される電荷と、前記電池から常に流れ出るベース電流とを算出する、電池残量計測回路が提供される。
【0008】
本開示の他の一態様では、
電池に流れる電流の積算量を計測する積算量計測部と、
前記電流を変化させる第1動作を検出し、且つ、前記第1動作とは異なる、前記電流を変化させる第2動作を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記第1動作が発生する第1回数を計測し、且つ、前記検出部により検出された前記第2動作が発生する第2回数を計測する回数計測部と、
時間を計測する時間計測部と、
前記積算量計測部による前記積算量の計測の停止後において、前記回数計測部により計測される前記第1回数と、前記回数計測部により計測される前記第2回数と、前記時間計測部により計測される時間とを用いて、前記電池の残量を算出する残量算出部とを備え、
前記第1動作及び前記第2動作は、センサにより検知されたデータを外部に送信するセンサ処理部の動作であり、
前記第1動作は、前記センサにより検出されたデータを外部に送信するセンシング動作であり、
前記第2動作は、前記センシング動作とは異なる動作であり、
前記残量算出部は、前記積算量計測部による前記積算量の計測の停止前に、前記第1動作が1回発生する当たりに前記電池から放電される第1電荷と、前記第2動作が1回発生する当たりに前記電池から放電される第2電荷と、前記電池から常に流れ出るベース電流とを算出する、電池残量計測回路が提供される。
【0009】
本開示の他の一態様では、
電池に流れる電流の積算量を計測する積算量計測部と、
前記電流を変化させる動作を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記動作が発生している発生時間を計測するカウント部と、
時間を計測する時間計測部と、
前記積算量計測部による前記積算量の計測の停止後において、前記カウント部により計測される前記発生時間と、前記時間計測部により計測される時間とを用いて、前記電池の残量を算出する残量算出部とを備え、
前記動作は、センサにより検知されたデータを外部に送信するセンサ処理部の動作であり、
前記残量算出部は、前記積算量計測部による前記積算量の計測の停止前に、前記電池から常に流れ出るベース電流と、前記動作の動作電流とを算出する、電池残量計測回路が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、電池残量の算出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】情報収集システムの構成の一例を示す図である。
図2】一比較形態におけるセンサノードの構成の一例を示す図である。
図3】クーロンカウンタの構成の一例を示す図である。
図4】電流波形の一例を示す図である。
図5】一比較形態における電池残量計測回路の動作の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態におけるセンサノードの構成の一例を示す図である。
図7】コントローラの機能的な構成の一例を示す図である。
図8】電流波形と電流変化検出信号との関係の一例を示す図である。
図9】CとIの関係の一例を示す図である。
図10】電池残量の算出アルゴリズムの一具体例を示す図である。
図11】CとIを算出及び保存する動作の一例を示すフローチャートである。
図12】電池残量計測回路の第1の動作例を示すフローチャートである。
図13】電池残量計測回路の第1の動作例を示すタイムチャートである。
図14】電池残量計測回路の第2の動作例を示すフローチャートである。
図15】電池残量計測回路の第2の動作例を示すタイムチャートである。
図16】第2の実施形態におけるセンサノードの構成の一例を示す図である。
図17】電流変化検出部の第1の構成例を示す図である。
図18】電流変化検出部の第1の構成例での各動作波形の一例を示す図である。
図19】電流変化検出部の第2の構成例を示す図である。
図20】電流変化検出部の第2の構成例での各動作波形の一例を示す図である。
図21】第3の実施形態におけるセンサノードの構成の一例を示す図である。
図22】センサノードの動作波形の一例を示す図である。
図23】電流波形と電流変化検出信号との関係の第2の具体例を示す図である。
図24】電池残量の算出アルゴリズムの第2の具体例を示す図である。
図25】C,C,C,Iを算出及び保存する動作の一例を示すフローチャートである。
図26】tと判断する一例を示す図である。
図27】電池残量計測回路の第3の動作例を示すタイムチャートである。
図28】電池残量計測回路の第4の動作例を示すタイムチャートである。
図29】電池残量計測回路の第4の動作例を示すフローチャートである。
図30】電流波形と電流変化検出信号との関係の第3の具体例を示す図である。
図31】電池残量の算出アルゴリズムの第3の具体例を示す図である。
図32】IとIを算出及び保存する動作の一例を示すフローチャートである。
図33】電池残量計測回路の第5の動作例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態を図面に従って説明する。
【0013】
図1は、一実施形態における情報収集システムの構成の一例を示す図である。図1に示される情報収集システム1000は、複数のセンサノード4と、少なくも一つのゲートウェイ5と、少なくとも一つの管理サーバ7とを備える。
【0014】
複数のセンサノード4を分散配置することによって、或るエリア内で各センサノード4によって検知された観測データ(例えば、温度のような環境データなど)を収集することが可能となる。センサノード4は、外部電源の確保が困難な配置場所では、センサノード4毎に搭載された電池から供給される電力で駆動される。そのような電池駆動のセンサノード4では、運用管理面において、電池の充電時期や交換時期を高い精度で知るため、電池残量を高精度に計測することが重要である。
【0015】
例えば下水道氾濫検知システムでは、下水道の水位をセンシングするセンサノード4は、各マンホールの直下に設置されるため、電源線を引いてくることが非常に困難な場合がある。そのため、センサノード4は電池駆動で動作する。また、電池交換作業のコストが大きいため、できるだけ電池寿命を延ばすことが好ましい。そのため、データ取得の不要な時間帯ではセンシング動作を停止させて不要な消費電力を抑制し、必要な時間帯だけセンシング動作を実行させるといった間欠的な動作制御が行われる。
【0016】
更に、水位のような環境データを収集する環境センシングシステムにおいては、運用継続性が重要である。いつのまにかセンサノード4の電池残量が底をついて、データの取得ができない状態が続くと、システム全体として著しい信頼性の低下を招くことにつながる。ゆえに、一次電池駆動のセンサノード4の場合は電池交換時期を、リチウムイオン電池のような二次電池駆動のセンサノード4の場合は充電時期を高い精度で知ることが重要である。つまり、電池残量を高精度に計測することが重要である。
【0017】
管理サーバ7は、複数のセンサノード4のそれぞれから収集した情報を処理する処理装置の一例である。管理サーバ7は、各センサノード4で測定された電池残量を各センサノード4からゲートウェイ5及びネットワーク6を介して収集し、各センサノード4から収集した電池残量を用いて、各センサノード4の電池の残量を管理する。これによって、センサノード4が広範囲に分散していても、管理サーバ7は、各センサノード4の電池の残量の時間的変化をモニタリングするなどの遠隔管理を行うことができる。管理サーバ7は、例えば、各センサノード4から離れた場所に設置されたクラウドサーバである。
【0018】
センサノード4が検知する観測データの具体例として、温度、湿度、降水量、水位、電圧、電流、電力、電力量、圧力、通信量、光度、照度、加速度、音、歪みなどが挙げられる。観測データは、これらに限られない。
【0019】
なお、管理サーバ7は、センサノード4が検知した観測データ及びセンサノード4に搭載された電池の残量データを、ゲートウェイ5を介さずに、センサノード4から直接収集してもよい。また、ゲートウェイ5が、複数のセンサノード4のそれぞれから収集した情報を処理する処理装置として機能してもよい。例えば、ゲートウェイ5が各センサノード4の電池の残量を管理してもよい。
【0020】
管理サーバ7は、センサノード4のそれぞれから収集した残量データに応じて、センサノード4のそれぞれから情報を収集する頻度(言い換えれば、センサノード4のそれぞれが情報を送信する頻度)を変更する。センサノード4は、情報の送信に自身に搭載された電池の電力を使用する。したがって、管理サーバ7は、センサノード4のそれぞれから情報を収集する頻度を変更することによって、センサノード4のそれぞれの電池残量を遠隔調整できる。管理サーバ7は、例えば、観測データや残量データなどのデータの送信をセンサノード4に対して要求するデータ送信要求信号を送信し、データ送信要求信号を送信する頻度を変更することで、センサノードのそれぞれから情報を収集する頻度を変更できる。
【0021】
例えば、管理サーバ7は、各センサノード4の電池残量が同一地域内で揃うように、センサノード4が情報を送信する頻度を地域ごとに変更する。これにより、例えば、各センサノード4の電池残量の枯渇時期が同一地域内で揃うため、センサノード4の充電又は交換を地域ごとに一斉に行うことができ、運用管理コストが低減する。図1には、地域8A,8B,8Cのそれぞれに、複数のセンサノード4とゲートウェイ5が配置されている形態が示されている。
【0022】
例えば、管理サーバ7は、同一地域内において、電池残量データが基準値よりも少ないセンサノード4から観測データを収集する頻度を、電池残量データが当該基準値よりも多いセンサノード4から観測データを収集する頻度よりも下げる。あるいは、管理サーバ7は、同一地域内において、電池残量データが基準値よりも多いセンサノード4から観測データを収集する頻度を、電池残量データが当該基準値よりも少ないセンサノード4から観測データを収集する頻度よりも上げる。
【0023】
管理サーバ7は、データ送信要求信号をネットワーク6を介して各地域内のゲートウェイ5に送信する。各地域内のゲートウェイ5は、自身と同一地域内のセンサノード4のそれぞれから情報を取得し、取得した情報をネットワーク6を介して管理サーバ7にアップロードする。
【0024】
なお、センサノード4とゲートウェイ5との間の情報の送受は、近距離無線通信で行われるが、有線通信で行われてもよい。また、ゲートウェイ5とネットワーク6との間の情報の送受は、有線通信で行われるが、無線通信で行われてもよい。また、各センサネットワークを管理するゲートウェイ5に管理サーバ7の管理機能の一部を持たせて、情報収集システム1000を分散型の管理システムとしてもよい。
【0025】
次に、センサノードの構成について説明する。まず、本実施形態におけるセンサノードと比較するため、一比較形態におけるセンサノードの構成について説明する。
【0026】
図2は、一比較形態におけるセンサノードの構成の一例を示す図である。図2に示されるセンサノード10は、電池12を電源とする機器である。
【0027】
センサノード10は、電池12と、DCDC(Direct Current-Direct Current)コンバータ14と、電池残量計測回路30と、センサ処理部15と、アンテナ19とを備えるセンサデバイスである。
【0028】
電池12は、一次電池でも、充放電可能な二次電池でもよい。一次電池の具体例として、乾電池が挙げられる。二次電池の具体例として、リチウムイオン電池やリチウムポリマ電池などが挙げられる。
【0029】
DCDCコンバータ14は、電池12の直流の電力を昇圧または降圧変換し、昇圧または降圧変換した直流の電力をセンサ処理部15及び電池残量計測回路30に供給する。DCDCコンバータ14は、センサ処理部15内の各回路及び電池残量計測回路30の各回路のうち、一部の回路には、降圧変換した直流の電力を供給し、残りの回路には、昇圧変換した直流の電力を供給してもよい。例えば、3ボルトの電池12に対し、MCU(Micro Controller Unit)17は動作電圧として2.5ボルトを必要とし、センサ16は動作電圧として5ボルトを必要とする場合、MCU17には降圧変換した直流の電力を供給し、センサ16には昇圧変換した直流の電力を供給する。例えば、MCU17、センサ16及びRF(Radio Filter)部18がそれぞれ異なる電圧で動作する場合、DCDCコンバータ14は、電池12の電池電圧が入力される一つの入力部に対して、それぞれ異なる電圧を出力する3つの変換出力部を有する。
【0030】
電池残量計測回路30は、電池12の残量を計測する。電池12の残量の計測についての詳細は後述する。
【0031】
センサ処理部15は、センサ16により検知された観測データをセンサノード外部に送信するセンシング動作を行う。センサ処理部15は、電池12からDCDCコンバータ14を介して供給される電力を使用して、センシング動作を行う。センサ処理部15は、例えば、センサ16と、MCU(Micro Controller Unit)17と、RF(Radio Filter)部18とを有する。
【0032】
センサ16は、温度等の所定の観測データを検知する。MCU17は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含み、演算等の処理を行う。RF部18は、変調処理及び復調処理を行う。
【0033】
MCU17は、センサ16によって検知された観測データを取得する。MCU17は、アンテナ19で受信した観測データ送信要求信号がRF部18を介して入力されると、センサ16から取得した観測データをRF部18を介してアンテナ19から送信するセンシング動作を行う処理部である。したがって、センサノードから離れた場所に設置された管理サーバ7は、観測データ送信要求信号を送信することによって、各エリアに配置されたセンサノードによって検知された観測データを収集できる。
【0034】
MCU17は、アンテナ19で受信した残量データ送信要求信号がRF部18を介して入力されると、電池残量計測回路30が計測した電池12の残量データをRF部18を介してアンテナ19から送信する。したがって、センサノードから離れた場所に設置された管理サーバ7は、残量データ送信要求信号を送信することによって、各エリアに配置されたセンサノードに搭載された電池12の残量データを収集できる。電池残量計測回路30又はMCU17は、計測された電池12の残量に基づいて電池12の充電時期又は交換時期を算出してもよい。MCU17は、電池12の充電時期又は交換時期を知らせる信号や当該時期が近づいている又は過ぎていることを知らせる信号をアンテナ19から送信してもよい。
【0035】
電池残量計測回路30は、電池12の残量を計測する。電池残量計測回路30は、例えば、抵抗11と、クーロンカウンタ13と、タイマ26と、コントローラ28と、メモリ29と、スイッチ23とを備える。なお、各図面中に記載の“CC”は、クーロンカウンタの略語を表す。
【0036】
電池12に接続される電流経路22に電流計測用の抵抗11が直列に挿入されている。クーロンカウンタ13は、抵抗11の両端に発生する電位差ΔVを計測することによって、電池12に流れる電流I(言い換えれば、電流経路22に流れる電流)を測定する(I=ΔV/R)。Rは、抵抗11の抵抗値を表す。
【0037】
図3は、クーロンカウンタの構成の一例を示す図である。図4は、抵抗11に流れる電流Iの波形の一例を示す図である。クーロンカウンタ13は、電池に流れる電流の積算量を計測する積算量計測部の一例である。クーロンカウンタ13は、例えば、アンプ25と、ADC(Analog to Digital Converter)27と、積算回路24とを有する。電位差ΔVは、非常に微小な電位差として発生するケースが多いので、電位差ΔVを増幅するアンプ25が用いられる。アンプ25で増幅された電位差ΔVは、ADC27によりアナログ値からデジタル値へ変換され、積算回路24によって時間積分される。これにより、電池12に流れる電流Iは、タイマ26によって計測された期間、積分され、電流Iの積算量(電流積算量C)が算出される。タイマ26は、時間を計測する時間計測部の一例である。
【0038】
コントローラ28(図2参照)は、電池12の容量Cbatから電流積算量Cの総計(合計電流積算量Ctotal)を減算することで、電池12の残量Crを算出できる(Cr=Cbat-Ctotal)。
【0039】
しかしながら、クーロンカウンタ13の消費電流は、比較的大きな電流(例えば、100μA程度)になる。そのため、クーロンカウンタ13を常時動作させるのではなく間欠的に動作させることで、電流積算量Cの計測に使用される消費電流を抑制する措置が取られることがある。
【0040】
例えば、図5の(A)に示されるように、ある所定の時間帯だけクーロンカウンタ13を動作させる。その時間帯において計測された電流積算量(クーロンカウント量Cm)と、その時間帯の長さ(カウント時間Tm)とから、平均電流Iav(=Cm/Tm)が算出される。クーロンカウンタ13を停止させている期間もその平均電流Iavが流れ続けるという前提の下、コントローラ28は、合計稼働時間Ttotalにおける全体の合計電流積算量Ctotalを算出する(Ctotal=Iav×Ttotal)。
【0041】
しかしながら、情報収集システム1000においては、上述の通り、状況の変化に応じて観測データの収集頻度が動的に変更されるケースがある。例えば、上掲の下水道氾濫検知システムにおいては、ウェブ上の天気予報の情報を得て、氾濫リスクの低い晴天時は観測データ取得頻度を下げて省電力化し、逆に氾濫リスクの高くなる雨天時は観測データ取得頻度を上げるといった制御がなされる。
【0042】
そのため、図5の(A)の手法では、クーロンカウンタ13の停止期間中にセンサ処理動作(センシング動作)の間隔又は頻度が変更された場合、算出された平均電流Iavの値と実際の平均電流の値とが大きく異なってくる。したがって、合計電流積算量Ctotalの算出精度が悪化し、電池12の残量の算出精度が低下するおそれがある。これに対し、電池12の残量の算出精度を向上させるため、図5の(B)の手法のように、クーロンカウンタ13を常時動作させると、合計電流積算量Ctotalの計測に使用される消費電流が増大してしまう。このように、一比較形態におけるセンサノードでは、電池残量の算出精度の向上と消費電流の低減との間にトレードオフが生じてしまう。
【0043】
そこで、電池残量の算出精度を向上させるため、図6に示される本実施形態におけるセンサノード100は、電流Iを変化させるセンシング動作の発生を検出する電流変化検出部21を有する電池残量計測回路33を備える。センサノード100は、電池残量計測回路33とセンサ処理部15とを少なくとも有する制御回路101を備える。なお、図6のセンサノード100の構成のうち図2のセンサノード10と同じ構成についての説明は、上述の説明を援用することで省略する。
【0044】
電流変化検出部21は、例えば、センシング動作の発生に伴って変化する電流Iを検出する度に、電流変化検出信号を出力する。コントローラ28は、図7に示されるように、この電流変化検出信号が出力される回数をカウントするためのカウント部31と、カウント部31によるカウント値を用いて、電池12の残量を算出する残量算出部32とを有する。
【0045】
図7は、コントローラの機能的な構成の一例を示す図である。カウント部31は、電流Iを変化させるセンシング動作が発生する回数を計測する回数計測部の一例である。カウント部31は、例えば、複数のフリップフロップが直列に接続された構成を有する。
【0046】
例えば、図8に示されるように、センシング動作(センサ処理動作)が発生する度に、電流Iは増大するので、センサノード100の消費電流も増大する。電流変化検出部21は、電流Iの所定の上昇を検知することによって、センシング動作の発生を検出したことを表すパルス状の電流変化検出信号を出力する。カウント部31は、パルス状の電流変化検出信号をカウントすることで、電流Iを変化させるセンシング動作が発生する回数(センシング動作回数)をカウントする。
【0047】
残量算出部32(図7参照)は、クーロンカウンタ13により計測期間Tに計測される電流積算量と、カウント部31により計測期間Tに計測されるセンシング動作回数と、タイマ26により計測される計測期間Tとを用いて、電池12の残量を算出する。
【0048】
残量算出部32の機能は、例えば、残量算出処理プログラムに従ってCPUが動作することにより実現される。残量算出処理プログラムは、電池12の残量を算出する処理をCPU(Central Processing Unit)に実行させる手順を規定する。コントローラ28は、例えば、CPUと、残量算出処理プログラムを記憶するプログラム保存メモリとを備えるマイクロコンピュータである。
【0049】
残量算出部32は、カウント部31により計測期間Tに計測されるセンシング動作回数を取得するので、クーロンカウンタ13により電流積算量が計測される計測期間Tに、センシング動作による電流消費が何回発生したのかを認識できる。したがって、残量算出部32は、カウント部31により計測期間Tに計測されるセンシング動作回数に応じて生ずる電流消費量を加味して、電池12の残量を算出できる。よって、電池12の残量の算出精度を向上させることができる。
【0050】
図9は、センシング動作が1回発生する当たりに電池12から放電される電荷CAと、電池12から常に流れ出るベース電流IBとの関係の一例を示す波形図である。上述の通り、必要な時だけ間欠的にセンシング動作をセンサノードに実行させる場合、センサノードの消費電流を低減することができる。この場合、クーロンカウンタにより計測される電流積算量Cは、センシング動作回数に依拠する成分(センシング動作が1回発生する当たりに電池12から放電される電荷CA)と、時間に依拠する成分(電池12から常に流れ出るベース電流IB)とに分離される。
【0051】
これらの電荷CA及びベース電流IBは、未知のパラメータである。しかしながら、未知の電荷CA及びベース電流IBを推定することができれば、残量算出部32は、その推定後にクーロンカウンタ13を停止させても、
Ctotal=IB×Ttotal+CA×Ntotal ・・・(11)
Cr=Cbat-Ctotal ・・・(12)
という関係式に従って、電池12の残量Crを算出できる。式(11)において、Ttotalは、センサノードの合計稼働時間(すなわち、ベース電流IBが流れ始めてからの経過期間)を表し、Ntotalは、合計センシング動作回数(センシング動作が合計稼働時間Ttotalに発生する合計回数)を表す。Ttotalは、タイマ26により計測され、Ntotalは、カウント部31により計測される。式(12)において、Cbatは、電池12の容量を表し、Ctotalは、合計稼働時間Ttotalにおける合計電流積算量を表す。
【0052】
このように、電荷CA及びベース電流IBを推定できれば、残量算出部32は、電荷CA及びベース電流IBの推定後にクーロンカウンタ13の電流積算量の計測が停止しても、タイマ26及びカウント部31の各計測値を用いて、電池12の残量を算出できる。クーロンカウンタ13の電流積算量の計測を停止させることで、クーロンカウンタ13で消費される電力が削減されるので、センサノードの消費電流を削減することができる。
【0053】
図10は、電池残量の算出アルゴリズムの一具体例を示す図である。図10は、クーロンカウンタ13により計測される電流積算量等を用いて、未知の電荷CA及びベース電流IBを推定する具体例を示す。
【0054】
残量算出部32は、クーロンカウンタ13の動作中、複数の計測期間(T0,T1・・・)に分けて電流積算量(C0,C1・・・)をクーロンカウンタ13から取得し、各計測期間に生じたセンシング動作回数(N0,N1・・・)をカウント部31から取得する。また、残量算出部32は、複数の期間(T0,T1・・・)をタイマ26から取得する。残量算出部32は、電流積算量(C0,C1・・・)、センシング動作回数(N0,N1・・・)及び計測期間(T0,T1・・・)を用いて、未知の電荷CA及びベース電流IBを導出する。
【0055】
基本的には、未知数がCA,IBの2つのため、図10のように、残量算出部32は、クーロンカウンタ13による電流積算量の計測値を2回に分けて取得する(C0,C1)。残量算出部32は、C0,C1のそれぞれに要した計測時間をT0,T1としてタイマ26から取得する。残量算出部32は、それぞれの計測期間(T0,T1)におけるセンシング動作回数(N0,N1)をカウント部31から取得する。
【0056】
各計測期間において、次の2つの式が成り立つ。
【0057】
IB×T0+CA×N0=C0 ・・・(13)
IB×T1+CA×N1=C1 ・・・(14)
式(13)は、計測された電流積算量C0が、常時流れるベース電流IBと計測期間T0との積である電流積算量IB×T0と、センシング動作1回あたりに消費する電荷CAとその動作回数N0との積である電流積算量CA×N0との和で決まることを意味する。式(14)についても同様である。
【0058】
前述したようにC0,C1,T0,T1,N0,N1は計測結果から得られるので、残量算出部32は、式(13)と式(14)とによる二元一次連立方程式を解くことによって、未知数であるCA,IBを算出できる。
【0059】
CA,IBが算出されると、先述したように、残量算出部32は、
Ctotal=IB×Ttotal+CA×Ntotal ・・・(11)
Cr=Cbat-Ctotal ・・・(12)
という関係式に従って、電池12の残量Crを算出できる。CA,IBが算出されると、クーロンカウンタ13によって計測される電流積算量は、式(11)(12)による電池残量の算出処理には使用されないため、クーロンカウンタ13を停止することができる。
【0060】
クーロンカウンタ13の停止後でも、タイマ26とカウント部31とは常時動作させることで、残量算出部32は、式(11)(12)に従って、電池12の残量Crを継続的に算出できる。つまり、クーロンカウンタ13の停止後にセンシング動作の実行間隔が変更されても、カウント部31によってセンシング動作回数を正確にカウントすることができるため、電池残量の算出精度は高いまま維持することができる。
【0061】
なお、追加された電流変化検出部21の分だけ消費電流は、増加する。しかしながら、センサ処理部15が動作したかどうかの情報を取得するだけの簡単な回路構成(例えば、後述の図17,19参照)で電流変化検出部21を実現することができる。よって、消費電流の増加量は、クーロンカウンタ13の停止による消費電流の減少量に比べて、極めて少ない。
【0062】
このように、本実施形態によれば、電池残量の算出精度と消費電流の低減とを両立させることができる。
【0063】
図11は、電荷CA及びベース電流IBを算出し保存する処理の一例を示すフローチャートである。なお、フローチャートにおいて、“y”は、YES(肯定)を表し、“n”は、NO(否定)を表す。
【0064】
ステップS11にて、残量算出部32は、電池12からの電力供給によりパワーオンリセットが解除されると、スイッチ23(図6参照)をオンさせる。スイッチ23は、クーロンカウンタ13に流れる電源電流が通る経路に直列に挿入されている。スイッチ23がオンとなることで、クーロンカウンタ13の動作が開始する。
【0065】
ステップS13にて、残量算出部32は、変数jを0に初期設定する。
【0066】
ステップS15にて、残量算出部32は、計測時間Tjが経過したか否かを判断する。残量算出部32は、計測時間Tjが経過していない場合、センシング動作回数Njをカウント部31から取得する(ステップS19)。カウント部31は、計測時間Tjが経過するまでに、センシング動作の発生に伴う電流Iの変化が検出される度に、センシング動作回数Njをインクリメントする(ステップS17)。
【0067】
一方、残量算出部32は、計測時間Tjが経過したとステップS15にて判断した場合、クーロンカウンタ13により計測時間Tjに計測される電流積算量Cjをクーロンカウンタ13から取得し、メモリ29(図6参照)に保存する(ステップS21)。
【0068】
残量算出部32は、jが0よりも大きいか否かを判断し(ステップS23)、jが0よりも大きくない場合、jをインクリメントして(ステップS27)、ステップS15の処理を再度行う。一方、残量算出部32は、jが0よりも大きいと判断した場合、計測時間Tjでのセンシング動作回数Njが計測時間Tj-1でのセンシング動作回数Nj-1と異なるか否かを判断する(ステップS25)。
【0069】
残量算出部32は、NjがNj-1と異ならない場合(同じ場合)、jをインクリメントして(ステップS27)、ステップS15の処理を再度行う。一方、残量算出部32は、NjがNj-1と異なる場合、式(1)の連立方程式を解くことによって、電荷CA及びベース電流IBを算出する(ステップS29)。計測期間Tj(jは0以上の整数)がそれぞれ一定である場合、センシング動作回数Nに違いのあるデータが計測されない限り、式(1)の連立方程式を解くことができない。したがって、センシング動作回数Nに違いのあるデータが計測されるまで(つまり、ステップS25においてYesと判断されるまで)、センシング動作回数Nの計測が続けられる。
【0070】
ステップS31にて、残量算出部32は、ステップS29で算出された電荷CA及びベース電流IBをメモリ29に保存する。ステップS33にて、残量算出部32は、電荷CA及びベース電流IBをメモリ29に保存した後、スイッチ23をオフさせる。スイッチ23がオフとなることで、クーロンカウンタ13の動作が停止する。
【0071】
図12は、電池残量計測回路の第1の動作例を示すフローチャートである。第1の動作例では、残量算出部32は、センサノードの稼働開始時に一度CA,IBを算出して保存した後に、クーロンカウンタ13を停止させる。クーロンカウンタ13の停止後、残量算出部32は、センサ処理部15のMCU17からの残量データ要求がある度に、保存したCA,IBを使ってCtotal,Crを算出し、その算出結果をMCU17へ送信する。
【0072】
ステップS41は、図11に示されるフローを表す。ステップS43にて、残量算出部32は、MCU17からの残量データ要求があるか否かを判断する。残量算出部32は、残量データ要求がない場合、合計センシング動作回数Ntotalをカウント部31から取得する(ステップS47)。カウント部31は、残量データ要求があるまでに、センシング動作の発生に伴う電流Iの変化が検出される度に、合計センシング動作回数Ntotalをインクリメントする(ステップS45)。
【0073】
一方、残量算出部32は、残量データ要求があるとステップS43にて判断した場合、式(2)に従って電池12の残量Crを算出し(ステップS49)、その算出結果をMCU17に送信する(ステップS51)。
【0074】
図13は、電池残量計測回路の第1の動作例を示すタイムチャートである。残量算出部32は、センサノードの稼働開始時に一度CA,IBを算出して保存した後、クーロンカウンタ13を停止させる。カウント部31は、合計センシング動作回数Ntotalを常時カウントし続け、タイマ26は、合計稼働時間Ttotalを常時カウントし続けている。残量算出部32は、MCU17からの残量データ要求が入ったタイミングで、そのタイミングでのNtotal,Ttotalを用いて式(2)によって電池12の残量Crを算出し、その算出結果である残量CrをMCUへ送信する。
【0075】
図12,13に示される第1の動作例では、センサノードの稼働開始時に一度CA,IBが算出して保存され、その保存されたCA,IBを使って電池残量の算出が続いている。しかしなら、実際には環境の変化によってCA,IBは変動していくケースが多い。そのため、所定のイベントが発生することによって、残量算出部32は、CA,IBを再算出して更新する例が考えられる。所定のイベントは、例えば、定期的に又は温度変化により発生する。図14~16には、CA,IBを再算出して更新する例が示されている。
【0076】
図14は、電池残量計測回路の第2の動作例を示すフローチャートである。図15は、電池残量計測回路の第2の動作例を示すタイムチャートである。第2の動作例では、更新指示が入った時点から、停止中のクーロンカウンタ13の動作を再開させ、図11のCA,IB算出保存フローを動かしてCA,IBを更新する。更新後は、その更新値を使って電池残量を算出する。第2の動作例は、センサノードの稼働開始時だけでなく、更新指示が入った時にも、図11のCA,IB算出保存フローを動かす点で、第1の動作例と異なる。
【0077】
ステップS61にて、残量算出部32は、合計電流積算量Ctotalをリセットする。ステップS63にて、残量算出部32は、合計センシング動作回数Ntotal及び合計稼働時間Ttotalをリセットする。
【0078】
ステップS71にて、残量算出部32は、図11のCA,IB保存算出フローを実行する。
【0079】
ステップS73にて、残量算出部32は、MCU17からの残量データ要求があるか否かを判断する。残量算出部32は、残量データ要求が無ければ、MCU17からの更新指示があるか否かを判断する(ステップS74)。残量算出部32は、更新指示がない場合、合計センシング動作回数Ntotalをカウント部31から取得する(ステップS77)。カウント部31は、更新指示があるまでに、センシング動作の発生に伴う電流Iの変化が検出される度に、合計センシング動作回数Ntotalをインクリメントする(ステップS75)。
【0080】
一方、残量算出部32は、更新指示があるとステップS73にて判断した場合、式(3)に従って合計電流積算量Ctotalの中途データを算出し、その算出した中途データをメモリ29に一時的に保存する(ステップS66)。
【0081】
つまり、残量算出部32は、ステップS74にてi+1番目の更新指示が入った場合、CA_i+1,IB_i+1を算出する前に、i番目の電荷及びベース電流のデータ(CA_i,IB_i)を使った合計電流積算量Ctotal_iを算出する。そして、残量算出部32は、算出したCtotal_iをi-1番目までのCtotalに合算する。その後、残量算出部32は、Ttotal,NtotalをステップS63にてリセットして、i+1番目の算出フローに入る。変数iは、0以上の整数を表す。
【0082】
一方、残量算出部32は、残量データ要求があるとステップS73にて判断した場合、式(4)の式(7)に従って、その時点でのCA_i,IB_i,Ttotal,Ntotalを使ってCtotal_iを算出する。残量算出部32は、算出したCtotal_iをそれまでのCtotalに式(8)により合算して、残量Crを式(9)により算出する(ステップS79)。ステップS81にて、残量算出部32は、その算出結果の残量CrをMCU17に送信する。
【0083】
なお、図15には、クーロンカウンタの動作期間と停止期間しか示されていないが、タイムチャート全体では、クーロンカウンタの動作/停止以外の部分は、図13と同様である。
【0084】
更新指示については、タイマ26を使って定期的に発生させてもよいし、所定の温度変化量が生じたことによって発生させてもよい。図16は、温度変化をトリガにして更新指示が発生する第2の実施形態におけるセンサノード200の構成例を示す。センサノード200は、電池残量計測回路33Aとセンサ処理部15とを少なくとも有する制御回路201を備える。電池残量計測回路33は、周期温度を計測する温度センサ20を備える。
【0085】
ベース電流IBは、温度変化によって大きく変動する。そのため、温度変化によるIBの変動量によって電池残量の算出精度に支障をきたさないレベルで更新指示が出される。温度センサ20によって計測された温度の変化量が所定量を超えると、CA,IBの更新指示が発生する。
【0086】
図17は、電流変化検出部の第1の構成例を示す図である。図18は、電流変化検出部の第1の構成例での各動作波形の一例を示す図である。図17の電流変化検出部21は、容量41と抵抗42との直列回路により形成されるハイパスフィルタと、コンパレータ43とを備える。センシング動作の発生によって電流Iは増加するので、抵抗11での電圧降下量が動的に増大し、抵抗11に対して下流の計測ポイントでの計測電圧Vsは減少する。計測電圧Vsが急減すると、アナログ電圧Vpが急減するので、コンパレータ43は、アナログ電圧Vpの急減をセンシング動作の発生として検出する。コンパレータ43は、センシング動作の発生を検出すると、デジタル信号としてのハイレベルのパルス信号Voを出力する。電流変化検出部は、このような簡単な構成で実現可能であるので、常時動作させても1μA程度の消費電流に抑えられる。
【0087】
図19は、電流変化検出部の第2の構成例を示す図である。図20は、電流変化検出部の第2の構成例での各動作波形の一例を示す図である。図19の電流変化検出部21は、抵抗44と抵抗45との直列回路により形成される基準電圧生成回路と、コンパレータ46とを備える。電池電圧Vbatよりも低い基準電圧Vrefが、電池電圧Vbatを抵抗44,45による分圧によって生成される。電流Iの大小によって変動する計測電圧Vsが、基準電圧Vrefよりも降下した時にセンシング動作したとみなして、コンパレータ46は、ハイレベルのパルス信号Voを出力する。一方、計測電圧VsがVrefよりも高くなった時にスタンバイ状態に戻ったとみなして、コンパレータ46は、ローレベルのパルス信号Voを出力する。抵抗分圧によって基準電圧Vrefを生成する回路が電流を常時消費するが、その消費電流値は1μA以下程度に抑えられる。
【0088】
図21は、第3の実施形態におけるセンサノードの構成の一例を示す図である。図6の第1の実施形態では、センサ処理動作するタイミングを検知するために、電流変化検出部21が設けられている。これに対し、図21の第3の実施形態におけるセンサノード300は、センシング動作の発生を表す動作情報をセンサ処理部15のMCU17から受信することが可能な構成を有する。MCU17は、センシング動作を行うたびに、動作情報を電池残量計測回路33Bに送信する。センサノード300は、電池残量計測回路33Bとセンサ処理部15とを少なくとも有する制御回路301を備える。コントローラ28内のカウント部31は、動作情報をカウントすることで、センシング動作が発生する回数を計測できる。この場合、第1の実施形態における電流変化検出部21は不要となり、MCU17からの動作情報に基づいて、カウント部31は、センシング動作回数をカウントすればよい。それ以外の構成については、上述の実施形態と同じであり、第3の実施形態でも同様の効果が得られる。
【0089】
ところで、センサノードは、センサ処理動作(センシング動作)を単純に繰り返すだけでなく、センサ処理動作とは異なる少なくとも一つの別の動作を行うことがある。例えば図22に示されるように、センサノードは、ゲートウェイとの通信が切れた際に再び通信を確保するための動作(再接続動作)や、通信状態を維持するために、センサ処理動作とは独立にキープアライブと呼ばれる無線通信動作を行うこともある。これらの動作は、センサ処理動作とは、動作時の消費電流値が異なり、異なる電荷量を消費するので、上述のように動作1回あたりの電荷量を単純にCAと定義してしまうと、大きな計測誤差が発生することが考えられる。次に、これらの動作を区別して電池残量を算出する第2の残量算出方法について説明する。
【0090】
図23には、センサ処理動作、無線通信動作及び再接続動作のそれぞれが1回発生する当たりに電池12から放電される消費電荷量をCA,CB,CCのように別々に定義する方法が示されている。電池12から常に流れ出るベース電流IBと合わせて、未知数は、合計4種類になるが、四元連立方程式を立てて解けば、4つの未知数であるCA,CB,CC,IBを算出できる。
【0091】
それぞれの動作は、例えば、電流を変化させる動作が発生している時間(電流変化を検出している時間)の長さの違いに基づいて判別可能である。例えば、再接続動作は数10秒単位、センサ処理動作は1秒単位、無線通信動作は数10ミリ秒単位であるため、電流変化を検出している時間の長さによって各動作を容易に判別できる。
【0092】
例えば、図6等に示した上述の電流変化検出部21は、各動作の発生に伴って変化する電流Iの変化開始時刻と変化終了時刻とを取得できるように構成されている。再接続動作における変化開始時刻と変化終了時刻との時刻差をtC,センサ処理動作における変化開始時刻と変化終了時刻との時刻差をtA,無線通信動作における変化開始時刻と変化終了時刻との時刻差をtBとする(図23参照)。例えば、tCはtAよりも大きく、tAはtBよりも大きいという関係がある。カウント部31は、電流変化検出部21から出力されるパルス状の電流変化検出信号(図19,20参照)の長さの違いに基づいて、センサ処理動作と無線通信動作と再接続動作とのうちどの動作が発生しているのかを判別する。そして、カウント部31は、各動作が発生する回数(各動作回数)をカウントする。カウント部31は、複数のカウンタ(NA,NB,NC)を動作別に備え、動作の判別後に、判別した動作に対応するカウンタをインクリメントしていけばよい。
【0093】
そして、4つの未知数であるCA,CB,CC,IBが算出されれば、残量算出部32は、
Ctotal=IB×Ttotal+CA×NAtotal+CB×NBtotal+CC×NCtotal ・・・(21)
Cr=Cbat-Ctotal ・・・(22)
という関係式に従って、電池12の残量Crを算出できる。式(21)において、Ttotalは、センサノードの合計稼働時間(すなわち、ベース電流IBが流れ始めてからの経過期間)を表し、NAtotalは、合計センシング動作回数(センシング動作が合計稼働時間Ttotalに発生する合計回数)を表す。NBtotalは、合計無線通信動作回数(無線通信動作が合計稼働時間Ttotalに発生する合計回数)を表し、NCtotalは、合計再接続動作回数(再接続動作が合計稼働時間Ttotalに発生する合計回数)を表す。Ttotalは、タイマ26により計測され、NAtotal,NBtotal,NCtotalは、カウント部31内の各カウンタにより計測される。式(22)において、Cbatは、電池12の容量を表し、Ctotalは、合計稼働時間Ttotalにおける合計電流積算量を表す。
【0094】
このように、センサノードの動作状態の違いを判別しながら電池残量を算出できるようになるため、より高い計測精度が確保できるようになる。また、動作状態の種類が増えても、基本的には定義する未知数が増えるだけであり、その分、用意する連立方程式の元数を増やしていけばよいため、拡張容易性が高い。
【0095】
また、コントローラ28は、電流変化を検出している時間の長さの違いに基づいて、センサノードの動作状態の違いを判別できる。よって、コントローラ28は、再接続動作の発生を表す動作情報をMCU17から取得しなくても、再接続動作の発生期間にクーロンカウンタ13を動かして再接続動作により生ずる電流積算量を計測でき、その計測値を電池残量の算出に利用できる。同様に、コントローラ28は、無線通信動作の発生を表す動作情報をMCU17から取得しなくても、無線通信動作の発生期間にクーロンカウンタ13を動かして無線通信動作により生ずる電流積算量を計測でき、その計測値を電池残量の算出に利用できる。
【0096】
また、上述の残量算出方法と同様、CA,CB,CC,IBを推定できれば、残量算出部32は、CA,CB,CC,IBの推定後にクーロンカウンタ13の電流積算量の計測が停止しても、タイマ26及びカウント部31の各計測値を用いて、電池12の残量を算出できる。クーロンカウンタ13の電流積算量の計測を停止させることで、クーロンカウンタ13で消費される電力が削減されるので、センサノードの消費電流を削減することができる。
【0097】
図24は、クーロンカウンタの計測値から、4つの未知数CA,CB,CC,IBを算出する具体例を示す。
【0098】
基本的には、図10に示した上述の考え方と同様であり、未知数がCA,CB,CC,IBの4つのため、図24のように、残量算出部32は、クーロンカウンタ13の動作中、クーロンカウンタ13による電流積算量の計測値を少なくとも4回に分けて取得する(C0,C1,C2,C3)。残量算出部32は、C0,C1,C2,C3のそれぞれに要した計測時間T0,T1,T2,T3をタイマ26から取得する。残量算出部32は、それぞれの計測期間T0,T1,T2,T3における各動作モード(再接続動作、センサ処理動作、無線通信動作)の動作回数をカウント部31から取得する。それぞれの計測期間T0,T1,T2,T3における各動作モードの動作回数とは、期間T0でのNA0,NB0,NC0、期間T1でのNA1,NB1,NC1、期間T2でのNA2,NB2,NC2、期間T3でのNA3,NB3,NC3である。
【0099】
各計測期間において、次の4つの式が成り立つ。
【0100】
IB×T0+CA×NA0+CB×NB0+CC×NC0=C0 ・・・(23)
IB×T1+CA×NA1+CB×NB1+CC×NC1=C1 ・・・(24)
IB×T2+CA×NA2+CB×NB2+CC×NC2=C2 ・・・(25)
IB×T3+CA×NA3+CB×NB3+CC×NC3=C3 ・・・(26)
式(23)は、計測された電流積算量C0が、電流積算量IB×T0と、電流積算量CA×NA0と、電流積算量CB×NB0と、電流積算量CC×NC0との和で決まることを意味する。式(24)~(26)についても同様である。
【0101】
前述したようにCj,Tj,NAj,NBj,NCjは計測結果から得られるので(j=0,1,2,3)、残量算出部32は、式(23)~式(26)による四元一次連立方程式を解くことによって、未知数であるCA,CB,CC,IBを算出できる。
【0102】
CA,CB,CC,IBが算出されると、先述したように、残量算出部32は、
Ctotal=IB×Ttotal+CA×NAtotal+CB×NBtotal+CC×NCtotal ・・・(21)
Cr=Cbat-Ctotal ・・・(22)
という関係式に従って、電池12の残量Crを算出できる。CA,CB,CC,IBが算出されると、クーロンカウンタ13によって計測される電流積算量は、式(21)(22)による電池残量の算出処理には使用されないため、クーロンカウンタ13を停止することができる。
【0103】
クーロンカウンタ13の停止後でも、タイマ26とカウント部31とは常時動作させることで、残量算出部32は、式(21)(22)に従って、電池12の残量Crを継続的に算出できる。つまり、クーロンカウンタ13の停止後にセンシング動作等の各動作の実行間隔が変更されても、カウント部31によって各動作の動作回数を正確にカウントすることができるため、電池残量の算出精度は高いまま維持することができる。
【0104】
図25は、CA,CB,CC,IBを算出し保存する処理の一例を示すフローチャートである。基本的には図11に示した考え方と同様である。図25では、3つの動作状態を判別してカウントする各Nカウント部(NA,NB,NC)が新たに加わり、4元連立方程式から4つの未知数を解くための変更が加えられている。
【0105】
ステップS111にて、残量算出部32は、電池12からの電力供給によりパワーオンリセットが解除されると、スイッチ23(図6参照)をオンさせる。スイッチ23は、クーロンカウンタ13に流れる電源電流が通る経路に直列に挿入されている。スイッチ23がオンとなることで、クーロンカウンタ13の動作が開始する。
【0106】
ステップS113にて、残量算出部32は、変数jを0に初期設定する。
【0107】
ステップS115にて、残量算出部32は、計測時間Tjが経過したか否かを判断する。残量算出部32は、計測時間Tjが経過していない場合、各動作の動作回数NAj,NBj,NCjをカウント部31から取得する(ステップS119)。カウント部31は、計測時間Tjが経過するまでに、各動作の発生に伴う電流Iの変化が検出される度に、各動作の動作回数NAj,NBj,NCjをインクリメントする(ステップS117)。
【0108】
ステップS119において3つの動作状態を判別するには、図26のように、電流変化検出時間txの長さ(例えば、電流変化検出部21から出力されるパルス状の電流変化検出信号の長さ)を判別するための2つの時間基準(tab,tac)を設ける。カウント部31は、txとtab,tacの大小関係を比較することで、3つの動作状態を判別できる。例えば、カウント部31は、txがtac以上の場合、再接続動作の動作回数NCjを一つインクリメントする。カウント部31は、txがtab以上tac未満の場合、センシング動作の動作回数NAjを一つインクリメントする。カウント部31は、txがtab未満の場合、無線通信動作の動作回数NBjを一つインクリメントする。この例では、3つの動作状態を判別する例であるが、時間基準を増やしていけば、3つ以上の動作状態を判別できるようになるため、拡張容易性は高い。
【0109】
図25において、残量算出部32は、計測時間Tjが経過したとステップS115にて判断した場合、クーロンカウンタ13により計測時間Tjに計測される電流積算量Cjをクーロンカウンタ13から取得し、メモリ29(図6参照)に保存する(ステップS121)。
【0110】
残量算出部32は、jが2よりも大きいか否かを判断し(ステップS123)、jが2よりも大きくない場合、jをインクリメントして(ステップS127)、ステップS115の処理を再度行う。ステップS124は、方程式が4つ以上揃うのを待つための処理である。一方、残量算出部32は、jが2よりも大きいと判断した場合(つまり、jが3以上となり、方程式が4つ以上揃った場合)、式(11)の連立方程式を解くことによって、CA,CB,CC,IBを算出する(ステップS129)。
【0111】
ステップS129,S130において、残量算出部32は、連立方程式を解けない場合は、解けるデータが揃うまで、測定を続ける。ステップS130での不定条件は、例えば、算出したCA,CB,CC,IBのうち、少なくとも1つが0以下の値を取る場合や、物理的に有り得ない値である場合などである。
【0112】
ステップS131にて、残量算出部32は、ステップS129で算出されたCA,CB,CC,IBをメモリ29に保存する。ステップS133にて、残量算出部32は、CA,CB,CC,IBをメモリ29に保存した後、スイッチ23をオフさせる。スイッチ23がオフとなることで、クーロンカウンタ13の動作が停止する。
【0113】
図27は、電池残量計測回路の第3の動作例を示すタイムチャートである。残量算出部32は、センサノードの稼働開始時に一度CA,CB,CC,IB図25に従って算出して保存した後、クーロンカウンタ13を停止させる。カウント部31は、合計動作回数(NAtotal,NBtotal,NCtotal)を常時カウントし続け、タイマ26は、合計稼働時間Ttotalを常時カウントし続けている。残量算出部32は、MCU17からの残量データ要求が入ったタイミングで、そのタイミングでのNAtotal,NBtotal,NCtotal,Ttotalを用いて式(21)(22)によって電池12の残量Crを算出し、その算出結果である残量CrをMCUへ送信する。
【0114】
図25,27に示される第3の動作例では、センサノードの稼働開始時に一度CA,CB,CC,IBが算出して保存され、その保存されたCA,CB,CC,IBを使って電池残量の算出が続いている。しかしなら、実際には環境の変化によってCA,CB,CC,IBは変動していくケースが多い。そのため、所定のイベントが発生することによって、残量算出部32は、CA,CB,CC,IBを再算出して更新する例が考えられる。所定のイベントは、例えば、定期的に又は温度変化により発生する。図28,29には、CA,CB,CC,IBを再算出して更新する例(第4の動作例)が示されている。
【0115】
図28,29の第4の動作例では、更新指示が入った時点から、停止中のクーロンカウンタ13の動作を再開させ、図25のCA,CB,CC,IB算出保存フローを動かしてCA,CB,CC,IBを更新する。更新後は、その更新値を使って電池残量を算出する。第4の動作例は、センサノードの稼働開始時だけでなく、更新指示が入った時にも、図25のCA,CB,CC,IB算出保存フローを動かす点で、第3の動作例と異なる。
【0116】
ステップS161にて、残量算出部32は、合計電流積算量Ctotalをリセットする。ステップS163にて、残量算出部32は、各合計動作回数NAtotal,NBtotal,NCtotal及び合計稼働時間Ttotalをリセットする。
【0117】
ステップS171にて、残量算出部32は、図25のCA,CB,CC,IB保存算出フローを実行する。
【0118】
ステップS173にて、残量算出部32は、MCU17からの残量データ要求があるか否かを判断する。残量算出部32は、残量データ要求が無ければ、MCU17からの更新指示があるか否かを判断する(ステップS174)。残量算出部32は、更新指示がない場合、各合計動作回数NAtotal,NBtotal,NCtotalをカウント部31から取得する(ステップS177)。カウント部31は、更新指示があるまでに、各動作の発生に伴う電流Iの変化が検出される度に、各合計動作回数NAtotal,NBtotal,NCtotalのうち電流Iを変化させた動作の合計動作回数をインクリメントする(ステップS175)。
【0119】
一方、残量算出部32は、更新指示があるとステップS173にて判断した場合、式(13)に従って合計電流積算量Ctotalの中途データを算出し、その算出した中途データをメモリ29に一時的に保存する(ステップS166)。
【0120】
つまり、残量算出部32は、ステップS174にてi+1番目の更新指示が入った場合、CA_i+1,CB_i+1, CC_i+1,IB_i+1を算出する前に、i番目の電荷及びベース電流のデータ(CA_i,CB_i,CC_i,IB_i)を使った合計電流積算量Ctotal_iを算出する。そして、残量算出部32は、算出したCtotal_iをi-1番目までのCtotalに合算する。その後、残量算出部32は、Ttotal,NAtotal,NBtotal,NCtotalをステップS163にてリセットして、i+1番目の算出フローに入る。変数iは、0以上の整数を表す。
【0121】
一方、残量算出部32は、残量データ要求があるとステップS173にて判断した場合、式(14)に従って、その時点でのCA_i,CB_i,CC_i,Ttotal,NAtotal,NBtotal,NCtotalを使ってCtotal_iを算出する。残量算出部32は、式(14)により、算出したCtotal_iをそれまでのCtotalに合算して、残量Crを算出する(ステップS179)。ステップS181にて、残量算出部32は、その算出結果の残量CrをMCU17に送信する。
【0122】
なお、図28には、クーロンカウンタの動作期間と停止期間しか示されていないが、タイムチャート全体では、クーロンカウンタの動作/停止以外の部分は、図27と同様である。
【0123】
ところで、図23~29は、複数の動作状態における消費電荷量(CA,CB,CC)を定義し、各動作状態を判別した上で、各動作回数をカウントして(NA,NB,NC)、電池残量を算出する例である。しかし、動作状態の判別をせずに、図30のように各動作の動作電流を一律に未知数IAという形で近似してしまっても、残量算出の精度がさほど損なわれない場合もある。
【0124】
この場合、電流Iを変化させる各動作が発生する回数を計測するのではなく、電流Iを変化させる動作が発生している時間を計測して、残量算出を行ってもよい。電流Iを変化させる動作が発生している時間は、例えば、電流変化検出部21から出力されるパルス状の電流変化検出信号の長さに基づいてカウント部31により計測可能である。各動作の動作電流を一律に未知数IAで近似すると、再接続動作、センサ処理動作及び無線通信動作それぞれの動作1回あたりの消費電荷量CA,CB,CCは、
CA=IA×tA, CB=IA×tB, CC=IA×tC
のように近似できる。カウント部31は、電流変化を検出しているトータル時間ttotalを動作時間としてカウントすれば、
Ctotal=IB×Ttotal+IA×ttotal ・・・(31)
Cr=Cbat-Ctotal ・・・(32)
と表現できる。Ttotalは、センサノードの合計稼働時間(すなわち、ベース電流IBが流れ始めてからの経過期間)を表す。ttotalは、電流Iを変化させる全動作の合計動作時間(各動作が合計稼働時間Ttotalに動作する時間の合計)を表す。このように、各動作の消費電流値を同じIAとすることで、動作状態の種類の多い少ないに関わらず、未知数はIA,IBの2つに絞られるので、算出アルゴリズムの簡単化が可能である。また、各動作の消費電流値を同じIAとすることで動作状態の判別が不要となる。よって、コントローラ28は、再接続動作等の発生を表す動作情報をMCU17から取得しなくても、電流Iを変化させる動作により生ずる電流積算量を計測でき、その計測値を電池残量の算出に利用できる。
【0125】
基本的には、図10,24に示した上述の考え方と同様であり、未知数がIA,IBの2つのため、図31のように、残量算出部32は、クーロンカウンタ13の動作中、クーロンカウンタ13による電流積算量の計測値を少なくとも2回に分けて取得する(C0,C1)。残量算出部32は、C0,C1のそれぞれに要した計測時間T0,T1をタイマ26から取得する。残量算出部32は、それぞれの計測期間T0,T1における電流変化の合計検出時間の計測値(t0,t1)をカウント部31から取得する。
【0126】
各計測期間において、次の2つの式が成り立つ。
【0127】
IB×T0+IA×t0=C0 ・・・(33)
IB×T1+IA×t1=C1 ・・・(34)
式(33)は、計測された電流積算量C0が、電流積算量IB×T0と、電流積算量IA×t0との和で決まることを意味する。式(34)についても同様である。
【0128】
前述したようにCj,Tj,tjは計測結果から得られるので(j=0,1)、残量算出部32は、式(33)と式(34)による二元一次連立方程式を解くことによって、未知数であるIA, IBを算出できる。
【0129】
IA,IBが算出されると、先述したように、残量算出部32は、
Ctotal=IB×Ttotal+IA×ttotal ・・・(31)
Cr=Cbat-Ctotal ・・・(32)
という関係式に従って、電池12の残量Crを算出できる。IA,IBが算出されると、クーロンカウンタ13によって計測される電流積算量は、式(31)(32)による電池残量の算出処理には使用されないため、クーロンカウンタ13を停止することができる。
【0130】
クーロンカウンタ13の停止後でも、タイマ26と電流変化検出部21とは常時動作させることで、残量算出部32は、式(31)(32)に従って、電池12の残量Crを継続的に算出できる。つまり、クーロンカウンタ13の停止後にセンシング動作等の各動作の実行間隔が変更されても、カウント部31によって全動作の合計動作時間を正確にカウントすることができるため、電池残量の算出精度は高いまま維持することができる。
【0131】
図32は、IA,IBを算出し保存する処理の一例を示すフローチャートである。基本的には図11,25に示した考え方と同様である。未知数はIA,IBの2つに絞られるので、図25に比べて算出アルゴリズムの簡単化が可能である。
【0132】
ステップS211にて、残量算出部32は、電池12からの電力供給によりパワーオンリセットが解除されると、スイッチ23(図6参照)をオンさせる。スイッチ23は、クーロンカウンタ13に流れる電源電流が通る経路に直列に挿入されている。スイッチ23がオンとなることで、クーロンカウンタ13の動作が開始する。
【0133】
ステップS215にて、残量算出部32は、計測時間T0が経過したか否かを判断する。残量算出部32は、計測時間T0が経過していない場合、電流Iを変化させる動作が発生している時間t0をカウント部31から取得する(ステップS219)。カウント部31は、計測時間T0が経過するまでに、各動作の発生に伴う電流Iの変化が検出される度に、電流Iを変化させる動作が発生している時間t0をカウントする(ステップS217)。
【0134】
残量算出部32は、計測時間T0が経過したとステップS215にて判断した場合、クーロンカウンタ13により計測時間T0に計測される電流積算量C0をクーロンカウンタ13から取得し、メモリ29(図6参照)に保存する(ステップS243)。
【0135】
ステップS245にて、残量算出部32は、計測時間T1が経過したか否かを判断する。残量算出部32は、計測時間T1が経過していない場合、電流Iを変化させる動作が発生している時間t1をカウント部31から取得する(ステップS249)。カウント部31は、計測時間T1が経過するまでに、各動作の発生に伴う電流Iの変化が検出される度に、電流Iを変化させる動作が発生している時間t1をカウントする(ステップS247)。
【0136】
残量算出部32は、計測時間T1が経過したとステップS245にて判断した場合、クーロンカウンタ13により計測時間T1に計測される電流積算量C1をクーロンカウンタ13から取得し、メモリ29(図6参照)に保存する(ステップS221)。
【0137】
ステップS229にて、残量算出部32は、式(21)の連立方程式を解くことによって、IA, IBを算出する。
【0138】
ステップS231にて、残量算出部32は、ステップS229で算出されたIA,IBをメモリ29に保存する。ステップS233にて、残量算出部32は、IA,IBをメモリ29に保存した後、スイッチ23をオフさせる。スイッチ23がオフとなることで、クーロンカウンタ13の動作が停止する。
【0139】
図33は、電池残量計測回路の第5の動作例を示すタイムチャートである。残量算出部32は、センサノードの稼働開始時に一度IA,IB図32に従って算出して保存した後、クーロンカウンタ13を停止させる。カウント部31は、電流Iを変化させる全動作の合計動作時間ttotalを常時カウントし続け、タイマ26は、合計稼働時間Ttotalを常時カウントし続けている。残量算出部32は、MCU17からの残量データ要求が入ったタイミングで、そのタイミングでのttotal,Ttotalを用いて式(31)(32)によって電池12の残量Crを算出し、その算出結果である残量CrをMCUへ送信する。
【0140】
したがって、上述の各実施形態によれば、電池残量の算出精度の向上と、クーロンカウンタ13を停止させることによる消費電流の低減とを実現することができる。例えば、クーロンカウンタを常時動作させるセンサノードでは、センサ処理部の平均消費電流が約200μAであるのに対し、常時動作するクーロンカウンタは約80μAも消費するため、合計消費電流が280μAとなる。本実施形態によれば、電池残量の計測精度を維持しつつ、クーロンカウンタの消費電流を約6μAに低減できる。つまり、センサノードの消費電流を280μAから206μAに約36%低減することができる。
【0141】
以上、電池残量計測回路、制御回路及びセンサノードを実施形態により説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
【0142】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
電池に流れる電流の積算量を計測する積算量計測部と、
前記電流を変化させるセンシング動作が発生する回数を計測する回数計測部と、
時間を計測する時間計測部と、
前記積算量計測部により計測期間に計測される前記積算量と、前記回数計測部により前記計測期間に計測される前記回数と、前記時間計測部により計測される前記計測期間とを用いて、前記電池の残量を算出する残量算出部とを備える、電池残量計測回路。
(付記2)
前記残量算出部は、前記電池から常に流れ出るベース電流と前記センシング動作が1回発生する当たりに前記電池から放電される電荷とを更に用いて、前記電池の残量を算出する、付記1に記載の電池残量計測回路。
(付記3)
前記残量算出部は、前記ベース電流と前記ベース電流が流れ始めてからの経過期間との積と、前記電荷と前記センシング動作が前記経過期間に発生する合計回数との積との和を、前記電池の容量から減算することにより、前記電池の残量を算出する、付記2に記載の電池残量計測回路。
(付記4)
前記残量算出部は、前記積算量計測部により各計測期間に計測される前記積算量と、前記回数計測部により前記各計測期間に計測される前記回数と、前記時間計測部により計測される前記各計測期間とを用いて、前記ベース電流と前記電荷とを算出する、付記2又は3に記載の電池残量計測回路。
(付記5)
前記積算量計測部は、前記ベース電流と前記電荷とが算出された後、前記積算量の計測を停止する、付記4に記載の電池残量計測回路。
(付記6)
前記積算量計測部は、前記積算量の計測停止中に所定のイベントが発生することにより、前記積算量の計測を再開し、
前記残量算出部は、前記ベース電流と前記電荷とを再算出して更新する、付記5に記載の電池残量計測回路。
(付記7)
前記電流の上昇に基づいて、前記センシング動作の発生を検出する電流変化検出部を更に備え、
前記回数計測部は、前記電流変化検出部の検出結果に基づいて、前記回数を計測する、付記1から6のいずれか一項に記載の電池残量計測回路。
(付記8)
前記回数計測部は、前記センシング動作が発生する回数とは別に、前記電流を変化させる少なくとも一つの別の動作が発生する回数も計測し、
前記残量算出部は、前記回数計測部により前記計測期間に計測される前記別の動作の発生回数を更に用いて、前記電池の残量を算出する、付記1に記載の電池残量計測回路。
(付記9)
前記残量算出部は、前記電池から常に流れ出るベース電流と、前記センシング動作が1回発生する当たりに前記電池から放電される電荷と、前記別の動作が1回発生する当たりに前記電池から放電される電荷とを更に用いて、前記電池の残量を算出する、付記8に記載の電池残量計測回路。
(付記10)
前記残量算出部は、前記ベース電流と前記ベース電流が流れ始めてからの経過期間との積と、前記センシング動作が1回発生する当たりに前記電池から放電される電荷と前記センシング動作が前記経過期間に発生する合計回数との積と、前記別の動作が1回発生する当たりに前記電池から放電される電荷と前記別の動作が前記経過期間に発生する合計回数との積との和を、前記電池の容量から減算することにより、前記電池の残量を算出する、付記9に記載の電池残量計測回路。
(付記11)
前記残量算出部は、前記積算量計測部により各計測期間に計測される前記積算量と、前記回数計測部により前記各計測期間に計測される前記センシング動作の発生回数と、前記回数計測部により前記各計測期間に計測される前記別の動作の発生回数と、前記時間計測部により計測される前記各計測期間とを用いて、前記ベース電流と、前記センシング動作が1回発生する当たりに前記電池から放電される電荷と、前記別の動作が1回発生する当たりに前記電池から放電される電荷とを算出する、付記9又は10に記載の電池残量計測回路。
(付記12)
前記積算量計測部は、前記ベース電流と、前記センシング動作が1回発生する当たりに前記電池から放電される電荷と、前記別の動作が1回発生する当たりに前記電池から放電される電荷とが算出された後、前記積算量の計測を停止する、付記11に記載の電池残量計測回路。
(付記13)
前記積算量計測部は、前記積算量の計測停止中に所定のイベントが発生することにより、前記積算量の計測を再開し、
前記残量算出部は、前記ベース電流と、前記センシング動作が1回発生する当たりに前記電池から放電される電荷と、前記別の動作が1回発生する当たりに前記電池から放電される電荷とを再算出して更新する、付記12に記載の電池残量計測回路。
(付記14)
前記電流の上昇に基づいて、前記センシング動作及び前記別の動作の発生を検出する電流変化検出部を更に備え、
前記回数計測部は、前記電流変化検出部の検出結果に基づいて、前記センシング動作及び前記別の動作の発生回数を計測する、付記8から13のいずれか一項に記載の電池残量計測回路。
(付記15)
前記電流を変化させる動作が発生している時間の長さの違いに基づいて、前記センシング動作と前記別の動作とを判別する、付記8から14のいずれか一項に記載の電池残量計測回路。
(付記16)
前記所定のイベントは、定期的に又は温度変化により発生する、付記6又は13に記載の電池残量計測回路。
(付記17)
電池に流れる電流の積算量を計測する積算量計測部と、
前記電流を変化させるセンシング動作を行う処理部と、
前記センシング動作が発生する回数を計測する回数計測部と、
時間を計測する時間計測部と、
前記積算量計測部により計測期間に計測される前記積算量と、前記回数計測部により前記計測期間に計測される前記回数と、前記時間計測部により計測される前記計測期間とを用いて、前記電池の残量を算出する残量算出部とを備える、制御回路。
(付記18)
電池と、
センサと、
前記センサより検知されたデータをセンサノード外部に送信するセンシング動作を前記電池からの電力を使用して行うセンサ処理部と、
前記電池に流れる電流の積算量を計測する積算量計測部と、
前記センシング動作が発生する回数を計測する回数計測部と、
時間を計測する時間計測部と、
前記積算量計測部により計測期間に計測される前記積算量と、前記回数計測部により前記計測期間に計測される前記回数と、前記時間計測部により計測される前記計測期間とを用いて、前記電池の残量を算出する残量算出部とを備える、センサノード。
(付記19)
複数のセンサノードと、前記センサノードのそれぞれから収集した情報を処理する処理装置とを備え、
前記センサノードは、それぞれ、
電池と、
センサと、
前記センサより検知されたデータをセンサノード外部に送信するセンシング動作を前記電池からの電力を使用して行うセンサ処理部と、
前記電池に流れる電流の積算量を計測する積算量計測部と、
前記センシング動作が発生する回数を計測する回数計測部と、
時間を計測する時間計測部と、
前記積算量計測部により計測期間に計測される前記積算量と、前記回数計測部により前記計測期間に計測される前記回数と、前記時間計測部により計測される前記計測期間とを用いて、前記電池の残量を算出する残量算出部とを備える、情報収集システム。
(付記20)
電池に流れる電流の積算量を計測する積算量計測部と、
前記電流を変化させる動作が発生している発生時間を計測するカウント部と、
時間を計測する時間計測部と、
前記積算量計測部により計測期間に計測される前記積算量と、前記カウント部により前記計測期間に計測される前記発生時間と、前記時間計測部により計測される前記計測期間とを用いて、前記電池の残量を算出する残量算出部とを備える、電池残量計測回路。
【符号の説明】
【0143】
4 センサノード
5 ゲートウェイ
7 管理サーバ
10,100,200,300 センサノード
13 クーロンカウンタ
20 温度センサ
21 電流変化検出部
23 スイッチ
30,33,33A,33B 電池残量計測回路
31 カウント部
32 残量算出部
101,201,301 制御回路
1000 情報収集システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33