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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】磁気センサ
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/02 20060101AFI20221213BHJP
   G01R 33/09 20060101ALI20221213BHJP
   H01L 43/08 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
G01R33/02 V
G01R33/09
H01L43/08 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018050414
(22)【出願日】2018-03-19
(65)【公開番号】P2019163935
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2021-01-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115738
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲頭 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100121681
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 和文
(72)【発明者】
【氏名】大川 秀一
【審査官】青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-170028(JP,A)
【文献】特開2014-006127(JP,A)
【文献】国際公開第2017/204151(WO,A1)
【文献】特開2017-166924(JP,A)
【文献】特開2010-107320(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0022192(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 33/02
G01R 33/09
H01L 43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に配列された第1及び第2の感磁素子が形成された素子形成面を有するセンサ基板と、
軟磁性材料からなるブロックからなり、前記素子形成面に対して垂直な第2の方向から見て、前記第1の感磁素子と前記第2の感磁素子の間に配置された外部磁性体と、を備え、
前記外部磁性体は、前記第2の方向に突出するアスペクト比が1以上である円柱部と、前記素子形成面を覆い、前記第1の方向における幅が前記円柱部よりも広い幅広部とを含み、
前記円柱部は、前記幅広部から前記第2の方向に突出しており、
前記幅広部は、前記第1又は第2の感磁素子に沿って、前記第1及び第2の方向と直交する第3の方向に延在するエッジ部と、前記円柱部との境界である境界部とを有し、
前記幅広部の前記第1及び第2の方向における断面において、前記エッジ部と前記境界部を結ぶ外縁に角部が設けられていないことを特徴とする磁気センサ。
【請求項2】
前記素子形成面と平行な前記円柱部の断面は、真円であることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
【請求項3】
前記素子形成面と平行な前記円柱部の断面は、楕円であることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
【請求項4】
前記外縁が一直線であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁気センサ。
【請求項5】
前記外縁が凹型の円弧状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁気センサ。
【請求項6】
前記外縁が凸型の円弧状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁気センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁気センサに関し、特に、感磁素子が形成されたセンサ基板と外部磁性体とを備えた磁気センサに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気センサには、感磁素子が形成されたセンサ基板の他に、感磁素子に磁束を集めるための外部磁性体が用いられることがある。例えば、特許文献1に記載された磁気センサは、センサ基板の素子形成面に2つの感磁素子が形成されており、平面視でこれら2つの感磁素子間に外部磁性体が配置されている。特許文献1の外部磁性体は、素子形成面に対して垂直な方向に突出する形状を有するとともに、素子形成面と平行な断面が八角形または角部が面取りされた四角形である。これにより、外部磁性体の断面が単純な四角形である場合と比べて、感磁素子により多くの磁束が印加されることから、磁束の検出感度を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-170028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された磁気センサは、外部磁性体の角部や面取り部に磁界が集中し、集磁された磁束が角部や面取り部から漏洩するおそれがあった。
【0005】
したがって、本発明は、外部磁性体によって集磁した磁束の漏洩を低減することが可能な磁気センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による磁気センサは、第1の方向に配列された第1及び第2の感磁素子が形成された素子形成面を有するセンサ基板と、素子形成面に対して垂直な第2の方向から見て、第1の感磁素子と第2の感磁素子の間に配置された外部磁性体とを備え、外部磁性体は、第2の方向に突出する円柱部を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、外部磁性体が円柱状であることから、外部磁性体によって集磁した磁束が角部から漏洩することがない。このため、より高い検出感度を得ることが可能となる。
【0008】
本発明において、素子形成面と平行な円柱部の断面は、真円であっても構わないし、楕円であっても構わない。これらのいずれにおいても、漏洩磁束を低減することが可能となる。
【0009】
本発明において、外部磁性体は、素子形成面を覆い、第1の方向における幅が円柱部よりも広い幅広部をさらに含み、円柱部は、幅広部から第2の方向に突出していても構わない。これによれば、外部磁性体によって集磁した磁束が感磁素子の近傍でより大きく曲げられ、感磁素子の近傍における磁束の水平成分が増大することから、磁束の検出感度を高めることができる。
【0010】
本発明において、幅広部は、第1又は第2の感磁素子に沿って、第1及び第2の方向と直交する第3の方向に延在するエッジ部と、円柱部との境界である境界部とを有し、幅広部の第1及び第2の方向における断面において、エッジ部と境界部を結ぶ外縁に角部が設けられていなくても構わない。これによれば、外部磁性体によって集磁した磁束が幅広部から漏洩しにくいことから、より高い検出感度を得ることが可能となる。
【0011】
本発明において、外縁は一直線であっても構わないし、凹型の円弧状であっても構わないし、凸型の円弧状であっても構わない。これらのいずれの形状においても、幅広部からの磁束の漏洩を低減することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
このように、本発明によれば、外部磁性体によって集磁した磁束の漏洩を低減することが可能となる。その結果、より高い検出感度を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の第1の実施形態による磁気センサ10Aの外観を示す略斜視図である。
図2図2は、磁気センサ10Aの略上面図である。
図3図3は、感磁素子R1,R2の接続関係を説明するための回路図である。
図4図4は、比較例による外部磁性体30a,30b,30cのxy断面図である。
図5図5は、本発明の第2の実施形態による磁気センサ10Bの外観を示す略斜視図である。
図6図6は、磁気センサ10Bの略上面図である。
図7図7は、本発明の第3の実施形態による磁気センサ10Cの外観を示す略斜視図である。
図8図8は、磁気センサ10Cの略上面図である。
図9図9は、本発明の第4の実施形態による磁気センサ10Dの外観を示す略斜視図である。
図10図10は、磁気センサ10Dの略上面図である。
図11図11は、図10に示すA-A線に沿った略断面図である。
図12図12は、外部磁性体30Dの形状を説明するための部分的なxz断面図である。
図13図13は、本発明の第5の実施形態による磁気センサ10Eのxz断面図である。
図14図14は、本発明の第6の実施形態による磁気センサ10Fのxz断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0015】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態による磁気センサ10Aの外観を示す略斜視図である。また、図2は磁気センサ10Aの略上面図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、本実施形態による磁気センサ10Aは、センサ基板20と、センサ基板20に付加された外部磁性体30Aとを備えている。センサ基板20はチップ部品であり、xy平面を構成する素子形成面20aには、感磁素子R1,R2が形成されている。センサ基板20の作製方法としては、集合基板に多数のセンサ基板20を同時に形成し、これらを分離することによって多数個取りする方法が一般的であるが、本発明がこれに限定されるものではなく、個々のセンサ基板20を別個に作製しても構わない。
【0017】
感磁素子R1,R2は、磁束密度によって物理特性の変化する素子であれば特に限定されないが、磁界の向きに応じて電気抵抗が変化する磁気抵抗素子であることが好ましい。本実施形態においては、感磁素子R1,R2の感磁方向(固定磁化方向)は、図2の矢印Pが示す方向(x方向におけるプラス側)に揃えられている。
【0018】
素子形成面20aのx方向における略中央部には、円柱状の外部磁性体30Aが配置されている。外部磁性体30Aは、フェライトなど透磁率の高い軟磁性材料からなるブロックであり、接着剤などを用いてセンサ基板20に接着されていても構わないし、センサ基板20とともに図示しない他の基板に搭載され、センサ基板20との相対的な位置関係が固定されているものであっても構わない。外部磁性体30Aの高さについては特に限定されないが、アスペクト比が1未満である円盤状は除外される。つまり、本発明が規定する「円柱」とは、アスペクト比が1以上である形状を指す。
【0019】
外部磁性体30Aは、z方向から見て、感磁素子R1と感磁素子R2の間に配置される。これにより、外部磁性体30Aによって集磁された磁束φは、左右にほぼ均等に分配される。この時、磁束φの一部が感磁素子R1,R2を通過するため、感磁素子R1と感磁素子R2には、互いに逆方向の磁束が与えられることになる。上述の通り、感磁素子R1,R2の磁化固定方向は、矢印Pが示すxプラス方向に揃えられていることから、磁束のx方向における成分に対して感度を持つことになる
【0020】
図3は、感磁素子R1,R2の接続関係を説明するための回路図である。
【0021】
図3に示すように、感磁素子R1,R2は、電源電位Vddとグランド電位GNDの間に直列に接続され、感磁素子R1,R2の接続点は端子電極40に接続される。このようなハーフブリッジ接続により、端子電極40に現れる電位Vを参照することにより、磁束密度に応じた感磁素子R1,R2の電気抵抗の変化を高感度に検出することが可能となる。
【0022】
具体的には、感磁素子R1,R2が同一の磁化固定方向を有していることから、外部磁性体30Aの左側に位置する感磁素子R1の抵抗変化量と、外部磁性体30Aの右側に位置する感磁素子R2の抵抗変化量との間には差が生じる。この差は、図3に示したハーフブリッジ回路によって増幅され、端子電極40に現れる。したがって、端子電極40に現れる電位Vの差を検出することによって、磁束密度を測定することが可能となる。
【0023】
しかも、本実施形態においては、外部磁性体30Aが円柱状であり、そのxy断面が真円であることから、外部磁性体30Aに取り込まれた磁束の漏洩が少ない。
【0024】
図4は、比較例による外部磁性体30a,30b,30cのxy断面図である。
【0025】
図4(a)に示すように、外部磁性体30aのxy断面が四角形である場合、直角である角部Eaが存在することから、外部磁性体30aに取り込まれた磁束の一部が角部Eaから漏洩してしまう。また、図4(b)に示すように、外部磁性体30bのxy断面が八角形である場合、角部Ebが鈍角となることから磁界の集中は緩和されるものの、やはり磁束の一部が角部Ebから漏洩する。さらに、図4(c)に示すように、外部磁性体30cのxy断面が四角形であり、その角部Ecが面取りされている場合には、磁界の集中はより緩和されるものの、それでも磁束の一部が角部Ecから漏洩する。
【0026】
これに対し、本実施形態においては、外部磁性体30Aが円柱状であり、そのxy断面が真円であることから、外部磁性体30Aに取り込まれた磁束の漏洩が少なく、より多くの磁束を感磁素子R1,R2に印加することが可能となる。その結果、より高い検出感度を得ることが可能となる。
【0027】
<第2の実施形態>
図5は、本発明の第2の実施形態による磁気センサ10Bの外観を示す略斜視図である。また、図6は磁気センサ10Bの略上面図である。
【0028】
図5及び図6に示すように、本実施形態による磁気センサ10Bは、外部磁性体30Aの代わりに外部磁性体30Bが用いられている点において、第1の実施形態による磁気センサ10Aと相違している。その他の構成は、第1の実施形態による磁気センサ10Aと同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0029】
外部磁性体30Bは、xy断面が真円ではなく楕円であり、長軸方向に感磁素子R1,R2が配置されている。これにより、外部磁性体30Bに取り込まれた磁束が効率よく感磁素子R1,R2に印加されることから、より高い検出感度を得ることが可能となる。しかも、第1の実施形態と同様、外部磁性体30Bが円柱状であることから、外部磁性体30Bに取り込まれた磁束の漏洩も少ない。
【0030】
<第3の実施形態>
図7は、本発明の第3の実施形態による磁気センサ10Cの外観を示す略斜視図である。また、図8は磁気センサ10Cの略上面図である。
【0031】
図7及び図8に示すように、本実施形態による磁気センサ10Cは、4つの感磁素子R1~R4を備えるとともに、外部磁性体30Aの代わりに円柱状である2つの外部磁性体30C,30Cが用いられている点において、第1の実施形態による磁気センサ10Aと相違している。その他の構成は、第1の実施形態による磁気センサ10Aと同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0032】
感磁素子R1~R4の感磁方向(固定磁化方向)は、図8の矢印Pが示す方向(x方向におけるプラス側)に全て揃えられている。そして、外部磁性体30Cは感磁素子R1と感磁素子R4の間に配置され、外部磁性体30Cは感磁素子R2と感磁素子R3の間に配置される。感磁素子R1~R4はフルブリッジ接続され、これにより、磁界強度に応じた信号レベルの変化がより大きくなる。そして、本実施形態においては、感磁素子R1,R4に磁束を印加する外部磁性体30Cと、感磁素子R2,R3に磁束を印加する外部磁性体30Cを別個に設けていることから、感磁素子R1~R4に磁束をより集中させることが可能となる。
【0033】
尚、図7及び図8に示す例では、外部磁性体30C,30Cのxy断面がいずれも真円であるが、楕円であっても構わない。
【0034】
<第4の実施形態>
図9は、本発明の第4の実施形態による磁気センサ10Dの外観を示す略斜視図である。また、図10は磁気センサ10Dの略上面図であり、図11図10に示すA-A線に沿った略断面図である。
【0035】
図9図11に示すように、本実施形態による磁気センサ10Dは、外部磁性体30C,30Cの代わりに1つの外部磁性体30Dが用いられている点において、第3の実施形態による磁気センサ10Cと相違している。その他の構成は、第3の実施形態による磁気センサ10Cと同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、感磁素子R1~R4は、保護膜21で覆われている。
【0036】
図12は、外部磁性体30Dの形状を説明するための部分的なxz断面図である。
【0037】
図12に示すように、本実施形態において使用する外部磁性体30Dは、素子形成面20aを覆う幅広部31Dと、幅広部31Dからz方向に突出する円柱部32Dを含んでいる。幅広部31Dは、素子形成面20aに対してz方向に近づくほどx方向における幅が拡大するテーパー形状を有しており、そのx方向における最大幅はW1である。これに対し、円柱部32Dのx方向における幅W2は一定であり、幅広部31Dのx方向における幅W1よりも狭い。このような形状を有していることから、外部磁性体30Dの円柱部32Dによって集磁されたz方向の磁束φは、幅広部31Dによって水平方向に曲げられ、x方向成分が増大する。これにより、感磁素子R1~R4にx方向成分の磁束がより多く印加されることから、検出感度が高められる。本実施形態においては、円柱部32Dのxy断面が楕円であるが、真円であっても構わない。
【0038】
さらに、外部磁性体30Dのxz断面は、幅広部31Dの先端であるエッジ部E1と、幅広部31Dと円柱部32Dの境界である境界部E2を有し、エッジ部E1と境界部E2を結ぶ外縁Lに角部が設けられておらず、一直線である。ここで、エッジ部E1とは、感磁素子R1~R4に沿ってy方向に延在する先端部であり、そのxz断面は鋭角であることから、エッジ部E1に磁界が集中し、多くの磁束がここから放出される。そして、エッジ部E1は、素子形成面20aの直上に位置し、感磁素子R1~R4との距離が非常に近いことから、エッジ部E1から放出される磁束のx方向成分が感磁素子R1~R4に効率よく印加される。
【0039】
しかも、エッジ部E1と境界部E2を結ぶ外縁Lが一直線であり、角部が設けられていないことから、外部磁性体30Dに取り込まれた磁束の漏洩が低減される。その結果、より多くの磁束が感磁素子R1~R4に印加されるため、より高い検出感度を得ることが可能となる。
【0040】
<第5の実施形態>
図13は、本発明の第5の実施形態による磁気センサ10Eのxz断面図である。
【0041】
図13に示すように、本実施形態による磁気センサ10Eは、外部磁性体30Dの代わりに外部磁性体30Eが用いられている点において、第4の実施形態による磁気センサ10Dと相違している。その他の構成は、第4の実施形態による磁気センサ10Dと同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0042】
本実施形態において使用する外部磁性体30Eは、外部磁性体30Dと同様、素子形成面20aを覆う幅広部31Eと、幅広部31Eからz方向に突出する円柱部32Eを含んでいる。そして、幅広部31Eは、素子形成面20aに対してz方向に近づくほどx方向における幅が拡大するとともに、その拡大量が増加する形状を有している。つまり、エッジ部E1と境界部E2を結ぶ外縁Lが凹型の円弧状であり、角部が設けられていない。このような形状を有する外部磁性体30Eを用いた場合であっても、第4の実施形態による磁気センサ10Dと同様の効果を得ることができるとともに、エッジ部E1がより鋭角となることから、感磁素子R1~R4に印加される磁束のx方向成分をより大きくすることが可能となる。
【0043】
<第6の実施形態>
図14は、本発明の第6の実施形態による磁気センサ10Fのxz断面図である。
【0044】
図14に示すように、本実施形態による磁気センサ10Fは、外部磁性体30Dの代わりに外部磁性体30Fが用いられている点において、第4の実施形態による磁気センサ10Dと相違している。その他の構成は、第4の実施形態による磁気センサ10Dと同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0045】
本実施形態において使用する外部磁性体30Fは、外部磁性体30Dと同様、素子形成面20aを覆う幅広部31Fと、幅広部31Fからz方向に突出する円柱部32Fを含んでいる。そして、幅広部31Fは、素子形成面20aに対してz方向に近づくほどx方向における幅が拡大するとともに、その拡大量が減少する形状を有している。つまり、エッジ部E1と境界部E2を結ぶ外縁Lが凸型の円弧状であり、角部が設けられていない。このような形状を有する外部磁性体30Fを用いた場合であっても、第4の実施形態による磁気センサ10Dと同様の効果を得ることができるとともに、エッジ部E1の角度が緩和されることから、外部磁性体30Fの機械的強度を高めることが可能となる。
【0046】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0047】
10A,10B,10C,10D,10E,10F 磁気センサ
20 センサ基板
20a 素子形成面
21 保護膜
30A,30B,30C,30C,30D,30E,30F,30a,30b,30c 外部磁性体
31D,31E,31F 幅広部
32D,32E,32F 円柱部
40 端子電極
E1 エッジ部
E2 境界部
Ea,Eb,Ec 角部
L 外縁
R1~R4 感磁素子
φ 磁束
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14