(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】事例分析支援システム、事例分析支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/34 20190101AFI20221213BHJP
【FI】
G06F16/34
(21)【出願番号】P 2018052887
(22)【出願日】2018-03-20
【審査請求日】2021-02-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】古濱 寛
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-022313(JP,A)
【文献】特開2008-027256(JP,A)
【文献】特開2012-146202(JP,A)
【文献】国際公開第2006/033159(WO,A1)
【文献】特開2002-133051(JP,A)
【文献】国際公開第2017/031302(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出来事に関する第1事象を示す情報である第1事象情報と、前記第1事象の発生源を示す情報である第1事象発生源情報と、前記第1事象と第2事象との間を関係付ける情報である関係情報とを含む第1事例情報を取得する取得部と、
時間経過を示す第1軸と事象の発生源を示す第2軸とからなる時系列図に、前記取得部が取得した前記第1事例情報に含まれる前記第1事象発生源情報と、前記第1事象の発生と前記第2事象の発生との前後関係に基づいて、前記第1事象情報を配置する配置部と、
前記関係情報に基づいて、前記第1事象情報と前記第2事象を示す情報である第2事象情報との間を線分で接続する処理部と
を備え、
前記関係情報には、前記出来事の事象の流れにおいて、事象情報が最終の事象情報である場合には最終であることを示す情報が含まれ、前記事象情報が推定された事象情報である場合には推定されたことを示す情報が含まれ、前記事象情報が不明点を有する事象情報である場合には不明点を有することを示す情報が含まれ、前記事象情報が他の事象情報との関係で矛盾する事象情報である場合には矛盾することを示す情報が含まれ
、
前記処理部は、配置された前記第1事象情報の背景の色を、前記第1事象情報が最終の事象情報である場合、前記第1事象情報が推定された事象情報である場合、前記第1事象情報が不明点を有する事象情報である場合及び前記第1事象情報が他の事象情報との関係で矛盾する事象情報である場合の各々に対応する色にする、事例分析支援システム。
【請求項2】
前記第1事例情報は、前記第1事象が発生した時間を示す情報である事象発生時間情報を含み、
前記配置部は、前記第1事例情報に含まれる前記事象発生時間情報に基づいて、前記時系列図に、前記第1事象情報を配置する、請求項1に記載の事例分析支援システム。
【請求項3】
前記配置部は、線分で接続された二つの事象情報の間に、前記第1事象情報を配置する場合に、二つの前記事象情報を接続する線分を切断し、切断した線分の各々に接続された二つの事象情報の間に、前記第1事象情報を配置し、
前記処理部は、切断した線分の各々を、前記第1事象情報に接続する、請求項1又は請求項2に記載の事例分析支援システム。
【請求項4】
他の事象情報に接続されていない事象情報がある場合に警告を行う警告部
をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の事例分析支援システム。
【請求項5】
前記第1事例情報は、前記第1事象が、前記出来事に関して、最終の事象であるか否かを示す情報を含み、
前記警告部は、前記時系列図が承認され、且つ前記出来事に関して、最終となる事象情報が示されていない場合に警告を行う、請求項4に記載の事例分析支援システム。
【請求項6】
前記取得部は、端末装置が送信した第1事例情報を取得する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の事例分析支援システム。
【請求項7】
出来事に関する第1事象を示す情報である第1事象情報と、前記第1事象の発生源を示す情報である第1事象発生源情報と、前記第1事象と第2事象との間を関係付ける情報である関係情報とを含む第1事例情報を取得するステップと、
時間経過を示す第1軸と事象の発生源を示す第2軸とからなる時系列図に、前記取得するステップで取得した前記第1事例情報に含まれる前記第1事象発生源情報と、前記第1事象の発生と前記第2事象の発生との前後関係に基づいて、前記第1事象情報を配置するステップと、
前記関係情報に基づいて、前記第1事象情報と前記第2事象を示す情報である第2事象情報との間を線分で接続するステップと
を有し、
前記関係情報には、前記出来事の事象の流れにおいて、事象情報が最終の事象情報である場合には最終であることを示す情報が含まれ、前記事象情報が推定された事象情報である場合には推定されたことを示す情報が含まれ、前記事象情報が不明点を有する事象情報である場合には不明点を有することを示す情報が含まれ、前記事象情報が他の事象情報との関係で矛盾する事象情報である場合には矛盾することを示す情報が含まれ
、
配置された前記第1事象情報の背景の色を、前記第1事象情報が最終の事象情報である場合、前記第1事象情報が推定された事象情報である場合、前記第1事象情報が不明点を有する事象情報である場合及び前記第1事象情報が他の事象情報との関係で矛盾する事象情報である場合の各々に対応する色にする、コンピュータが実行する事例分析支援方法。
【請求項8】
コンピュータに、
出来事に関する第1事象を示す情報である第1事象情報と、前記第1事象の発生源を示す情報である第1事象発生源情報と、前記第1事象と第2事象との間を関係付ける情報である関係情報とを含む第1事例情報を取得するステップと、
時間経過を示す第1軸と事象の発生源を示す第2軸とからなる時系列図に、前記取得するステップで取得した前記第1事例情報に含まれる前記第1事象発生源情報と、前記第1事象の発生と前記第2事象の発生との前後関係に基づいて、前記第1事象情報を配置するステップと、
前記関係情報に基づいて、前記第1事象情報と前記第2事象を示す情報である第2事象情報との間を線分で接続するステップと
を実行させ、
前記関係情報には、前記出来事の事象の流れにおいて、事象情報が最終の事象情報である場合には最終であることを示す情報が含まれ、前記事象情報が推定された事象情報である場合には推定されたことを示す情報が含まれ、前記事象情報が不明点を有する事象情報である場合には不明点を有することを示す情報が含まれ、前記事象情報が他の事象情報との関係で矛盾する事象情報である場合には矛盾することを示す情報が含まれ
、
配置された前記第1事象情報の背景の色を、前記第1事象情報が最終の事象情報である場合、前記第1事象情報が推定された事象情報である場合、前記第1事象情報が不明点を有する事象情報である場合及び前記第1事象情報が他の事象情報との関係で矛盾する事象情報である場合の各々に対応する色にするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、事例分析支援システム、事例分析支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現場作業における災害事例の分析では、「何が起きたのか」などの出来事(事象)を明らかにすることが重要である。「何が起きたのか」などの事象を明らかにする手法の一つとして、時系列図が使用されている。時系列図は、横軸に、設備名、登場人物などの事象の発生源を記載し、縦軸に、時間を記載し、横軸と縦軸とで指定される位置(発生源と時間とが交差する位置)に、個々の事象を、その事象の流れがわかるように矢印で結びながら簡潔に記載することで作成される。これまで、グループ作業や見える化の効果もあることから、模造紙に、事象が記載された付箋紙を貼るなどの作業環境で、事象の分析が進められていた。
時系列図では、事象を正しく理解するために、(1)情報を広く収集し、(2)わかりやすく時系列に整理し、(3)確認された事実と、確認された事実ではない推定事項や未確認情報とを区別し、(4)推定事項や不明点、矛盾点などを調査・確認する、ことが大事なポイントとなる。
【0003】
事象を分析する技術に関して、正確かつ迅速にヒューマンエラーの分析等を行なう技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、人為的な誤りであるヒューマンエラーの発生する種々の要因を分類し、個々の分類された要因に対して、当該要因を生じさせる関連要因を関係付けるリンク先情報を付して格納するヒューマンエラー要因データベースを記憶する記憶手段と、ヒューマンエラー要因データベースの要因をユーザが選択手段で選択可能に表示する表示手段と、選択された要因に対する関連要因をヒューマンエラー要因データベースにもとづいて検索する検索手段とを備える。事故、不具合が発生した場合のヒューマンエラーの原因分析において、ユーザが選択手段で選択した要因に対して、検索手段はリンク先情報にもとづいてヒューマンエラー要因データベースを参照して関連要因を検索し、検索された関連要因を表示手段によって表示し、ユーザが選択手段によって関連要因中から該当する関連要因を選択可能なように当該関連要因を表示手段に表示し、選択手段による選択により、次々と連鎖的に関連要因を遡及検索および選択可能とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
事象の流れを正しく分析するには、以下の問題があった。
(1)漏れなく情報を収集するには参加者の想起を活性化させる情報が必要である。
(2)付箋などの物理的な紙媒体を時系列に整理するのは手間がかかる。
(3)未確認から確認、矛盾点から解明などの情報の確認状況の変化の反映は物理的には困難である。
(4)推定事項、不明点、矛盾点を効率的に調査・確認する手段がない。
本発明は、前述した点に鑑みてなされたものであり、その目的は、出来事に関する事象の流れを明らかにすることを支援できる事例分析支援システム、事例分析支援方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、出来事に関する第1事象を示す情報である第1事象情報と、前記第1事象の発生源を示す情報である第1事象発生源情報と、前記第1事象と第2事象との間を関係付ける情報である関係情報とを含む第1事例情報を取得する取得部と、時間を示す第1軸と事象の発生源を示す第2軸とからなる時系列図に、前記取得部が取得した前記第1事例情報に含まれる前記第1事象発生源情報と、前記第1事象の発生と前記第2事象の発生との前後関係に基づいて、前記第1事象情報を配置する配置部と、前記関係情報に基づいて、前記第1事象情報と前記第2事象を示す情報である第2事象情報との間を線分で接続する処理部とを備え、前記関係情報には、前記出来事の事象の流れにおいて、事象情報が最終の事象情報である場合には最終であることを示す情報が含まれ、前記事象情報が推定された事象情報である場合には推定されたことを示す情報が含まれ、前記事象情報が不明点を有する事象情報である場合には不明点を有することを示す情報が含まれ、前記事象情報が他の事象情報との関係で矛盾する事象情報である場合には矛盾することを示す情報が含まれ、前記処理部は、配置された前記第1事象情報の背景の色を、前記第1事象情報が最終の事象情報である場合、前記第1事象情報が推定された事象情報である場合、前記第1事象情報が不明点を有する事象情報である場合及び前記第1事象情報が他の事象情報との関係で矛盾する事象情報である場合の各々に対応する色にする、事例分析支援システムである。
本発明の一態様の事例分析支援システムにおいて、前記第1事例情報は、前記第1事象が発生した時間を示す情報である事象発生時間情報を含み、前記配置部は、前記第1事例情報に含まれる前記事象発生時間情報に基づいて、前記時系列図に、前記第1事象情報を配置する。
本発明の一態様の事例分析支援システムにおいて、前記配置部は、線分で接続された二つの事象情報の間に、前記第1事象情報を配置する場合に、二つの前記事象情報を接続する線分を切断し、切断した線分の各々に接続された二つの事象情報の間に、前記第1事象情報を配置し、前記処理部は、切断した線分の各々を、前記第1事象情報に接続する。
本発明の一態様の事例分析支援システムにおいて、他の事象情報に接続されていない事象情報がある場合に警告を行う警告部をさらに備える。
本発明の一態様の事例分析支援システムにおいて、前記第1事例情報は、前記第1事象が、前記出来事に関して、最終の事象であるか否かを示す情報を含み、前記警告部は、前記時系列図が承認され、且つ前記出来事に関して、最終となる事象情報が示されていない場合に警告を行う。
本発明の一態様の事例分析支援システムにおいて、前記取得部は、端末装置が送信した第1事例情報を取得する。
本発明の一態様は、出来事に関する第1事象を示す情報である第1事象情報と、前記第1事象の発生源を示す情報である第1事象発生源情報と、前記第1事象と第2事象との間を関係付ける情報である関係情報とを含む第1事例情報を取得するステップと、時間を示す第1軸と事象の発生源を示す第2軸とからなる時系列図に、前記取得するステップで取得した前記第1事例情報に含まれる前記第1事象発生源情報と、前記第1事象の発生と前記第2事象の発生との前後関係に基づいて、前記第1事象情報を配置するステップと、前記関係情報に基づいて、前記第1事象情報と前記第2事象を示す情報である第2事象情報との間を線分で接続するステップとを有し、前記関係情報には、前記出来事の事象の流れにおいて、事象情報が最終の事象情報である場合には最終であることを示す情報が含まれ、前記事象情報が推定された事象情報である場合には推定されたことを示す情報が含まれ、前記事象情報が不明点を有する事象情報である場合には不明点を有することを示す情報が含まれ、前記事象情報が他の事象情報との関係で矛盾する事象情報である場合には矛盾することを示す情報が含まれ、配置された前記第1事象情報の背景の色を、前記第1事象情報が最終の事象情報である場合、前記第1事象情報が推定された事象情報である場合、前記第1事象情報が不明点を有する事象情報である場合及び前記第1事象情報が他の事象情報との関係で矛盾する事象情報である場合の各々に対応する色にする、コンピュータが実行する事例分析支援方法である。
本発明の一態様は、コンピュータに、出来事に関する第1事象を示す情報である第1事象情報と、前記第1事象の発生源を示す情報である第1事象発生源情報と、前記第1事象と第2事象との間を関係付ける情報である関係情報とを含む第1事例情報を取得するステップと、時間を示す第1軸と事象の発生源を示す第2軸とからなる時系列図に、前記取得するステップで取得した前記第1事例情報に含まれる前記第1事象発生源情報と、前記第1事象の発生と前記第2事象の発生との前後関係に基づいて、前記第1事象情報を配置するステップと、前記関係情報に基づいて、前記第1事象情報と前記第2事象を示す情報である第2事象情報との間を線分で接続するステップとを実行させ、前記関係情報には、前記出来事の事象の流れにおいて、事象情報が最終の事象情報である場合には最終であることを示す情報が含まれ、前記事象情報が推定された事象情報である場合には推定されたことを示す情報が含まれ、前記事象情報が不明点を有する事象情報である場合には不明点を有することを示す情報が含まれ、前記事象情報が他の事象情報との関係で矛盾する事象情報である場合には矛盾することを示す情報が含まれ、配置された前記第1事象情報の背景の色を、前記第1事象情報が最終の事象情報である場合、前記第1事象情報が推定された事象情報である場合、前記第1事象情報が不明点を有する事象情報である場合及び前記第1事象情報が他の事象情報との関係で矛盾する事象情報である場合の各々に対応する色にするプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、出来事に関する事象の流れを明らかにすることを支援できる事例分析支援システム、事例分析支援方法およびプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態の事例分析支援システムの一例を示す図である。
【
図2】本実施形態の事例分析支援システムを構成する事例分析支援装置と、端末装置とを説明するための図である。
【
図3】本実施形態の事例分析支援装置が作成する時系列図の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態の事例分析支援装置の処理の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態の事例分析支援装置の処理の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態の事例分析支援装置の動作の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態の事例分析支援システムの動作の一例(その1)を示すシーケンスチャートである。
【
図8】本実施形態の事例分析支援システムの動作の一例(その2)を示すシーケンスチャートである。
【
図9】本実施形態の事例分析支援システムの動作の一例(その3)を示すシーケンスチャートである。
【
図10】本実施形態の事例分析支援システムの動作の一例(その4)を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本実施形態の事例分析支援システム、事例分析支援方法を、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0010】
(実施形態)
(事例分析支援システム)
図1は、本実施形態の事例分析支援システムの一例を示す図である。
本実施形態の事例分析支援システム10は、事例分析支援装置100と、端末装置200-1~端末装置200-nとを備える。事例分析支援装置100と、端末装置200-1~端末装置200-nとの間は、インターネットなどのネットワーク50を介して接続される。本実施形態では、事例分析支援装置100とネットワーク50との間は有線接続され、端末装置200-1~端末装置200-nとネットワーク50との間は無線接続される場合について説明を続ける。
以下、端末装置200-1~端末装置200-nのうち、任意の端末装置を端末装置200と記載する。
【0011】
ユーザは、端末装置200を操作することによって、出来事に関して、事象を示す情報と、発生源を示す情報と、事象が発生した時間を示す情報と、その事象と他の事象との間を関係付ける情報とを入力する。
ここで、本実施形態で使用する出来事の一例を、以下に示す。
出来事の一例は、
「検針作業中、転倒骨折
・発生日時:平成15年7月22日(火)の午前11時頃
・天候:くもり
・発生店所:江ヶ崎支社
・被災者:検針員A 女性55歳 経験年数15年7カ月
・傷害の状況:右腕骨折 全治2ヶ月程度」である。
また、出来事の発生状況を以下に示す。
出来事の発生状況の一例は、
「被災者は、当日の検針作業100枚と応援分50枚とを持ち、午前7時30分頃自宅を出発し、8時頃から検針作業を開始した。被災者は、11時頃、当該のお客さま宅の検針に伺った。ロープでつながれた犬が犬小屋にいたため、被災者は、お客さまに犬の確保をお願いし、検針作業を行った。
検針作業終了後、お客さまが検針票の受け取りを希望されたため、被災者が、玄関でお客さまに検針票を渡そうとしたところ、犬が走りよって来て、被災者に跳びかかりそうになった。
被災者は、驚いて避けようとしたところ、段差部分でバランスを崩して転倒し、右手をついた際に腕を骨折した。
被災者は、転倒直後は痛みがあまり強くなかったため、打撲程度と思い、そのまま検針作業を続けたが、痛みが強くなってきたため、11時30分頃、自宅近くの医者に行った。そして骨折と診断された。」である。
出来事の一例は検針作業中に転倒骨折したことであり、事象の一例は犬を避けようとして転倒し右手をついたことであり、事象の発生源の一例は検針員であり、事象が発生した時間の一例は11時である。
以下、出来事に関する事象を示す情報を事象情報といい、その事象の発生源を示す情報を事象発生源情報といい、その事象が発生した時間を示す情報を事象発生時間情報といい、事象と他の事象との間を関係付ける情報を関係情報という。ここで、事象発生時間情報には、その事象が発生した時間を示す情報の代わりに、又はその事象が発生した時間を示す情報とともに、他の事象との前後関係を示す情報が含まれることもある。また、関係情報には、出来事の事象の流れにおいて、その事象情報が最終の事象情報である場合には最終であることを示す情報が含まれ、その事象情報が推定された事象情報である場合には推定されたことを示す情報が含まれ、その事象情報が不明点を有する事象情報である場合には不明点を有することを示す情報が含まれ、その事象情報が他の事象情報との関係で矛盾する事象情報である場合には矛盾することを示す情報が含まれる。
端末装置200は、ユーザが入力した情報に応じて、事象情報と、事象発生源情報と、事象発生時間情報と、関係情報とを含む事例情報を作成する。端末装置200は、事例分析支援装置100を宛先とし、作成した事例情報を含む事例通知情報を作成し、作成した事例通知情報を、事例分析支援装置100へ送信する。
【0012】
事例分析支援装置100は、端末装置200が送信した事例通知情報を受信し、受信した事例通知情報に基づいて、時系列図を作成する。具体的には、事例分析支援装置100は、事象の発生源を示すX軸と、時間を示すY軸とからなる時系列図に、受信した事例通知情報に含まれる事象発生源情報と事象発生時間情報とによって指定される位置に、事象情報を配置する。事例分析支援装置100は、関係情報に基づいて、配置した事象情報と、既に配置されている他の事象との間を線分で接続する。事例分析支援装置100は、時系列図に配置した事象情報と既に配置された他の事象との間を線分で接続した後、端末装置200を宛先とし、作成した時系列図を示す情報を含む時系列図通知情報を作成し、作成した時系列図通知情報を端末装置200へ送信する。
【0013】
以下、事例分析支援システム10を構成する事例分析支援装置100と、端末装置200とについて、順次説明する。
図2は、本実施形態の事例分析支援システムを構成する事例分析支援装置と、端末装置とを説明するための図である。
(事例分析支援装置)
事例分析支援装置100は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。
事例分析支援装置100は、例えば、通信部110と、記憶部120と、情報処理部130と、各構成要素を
図2に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン150とを備える。
通信部110は、通信モジュールによって実現される。通信部110はネットワーク50を介して、外部の通信装置と通信する。通信部110は、有線LANで通信してもよい。また、事例分析支援装置100とネットワーク50とが無線で接続される場合には、通信部110は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの通信方式で通信してもよい。
通信部110は、端末装置200が送信した事例通知情報を受信し、受信した事例通知情報を情報処理部130へ出力する。また、通信部110は、出力した事例通知情報に対して、情報処理部130が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報を、端末装置200へ送信する。通信部110は、端末装置200が送信した継続情報を受信し、受信した継続情報を情報処理部130へ出力する。ここで、継続情報は、端末装置200のユーザが、時系列図の作成の継続の意思表示をしたことを示す情報である。通信部110は、端末装置200が送信した承認情報を受信し、受信した承認情報を情報処理部130へ出力する。ここで、承認情報は、端末装置200のユーザが、時系列図を承認し、時系列図の作成を継続しない意思表示をしたことを示す情報である。
【0014】
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。記憶部120の一部または全部は、事例分析支援装置100の一部として設けられる場合に代えて、NAS(Network Attached Storage)や外部のストレージサーバなど、事例分析支援装置100のプロセッサがネットワーク50を介してアクセス可能な外部装置により実現されてもよい。記憶部120には、情報処理部130により実行されるプログラム121と、アプリ122とが記憶される。
【0015】
アプリ122は、事例分析支援装置100に、端末装置200が送信した事例通知情報を受信させ、受信させた事例通知情報に基づいて、時系列図を作成させる。アプリ122は、事例分析支援装置100に、作成させた時系列図を示す情報を含む時系列図通知情報を、端末装置200へ送信させる。
【0016】
情報処理部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが記憶部120に格納されたプログラム121やアプリ122を実行することにより実現される機能部(以下「ソフトウェア機能部」という)である。なお、情報処理部130の全部または一部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
情報処理部130は、例えば、取得部131と、配置部132と、処理部133と、警告部134と、作成部135とを備える。
【0017】
取得部131は、通信部110が出力した事例通知情報を取得し、取得した事例通知情報を、配置部132へ出力する。また、取得部131は、通信部110が出力した継続情報を取得し、取得した継続情報を、警告部134へ出力する。また、取得部131は、通信部110が出力した承認情報を取得し、取得した承認情報を、警告部134へ出力する。
【0018】
配置部132は、取得部131が出力した事例通知情報を取得し、取得した事例通知情報に基づいて、事象の発生源を示す第1軸と、時間経過を示す第2軸とからなる時系列図を作成する。
図3は、本実施形態の事例分析支援装置が作成する時系列図の一例を示す図である。
図3に示される例では、X軸は事象発生源情報を示し、検針員Aと、お客様Bと、犬とが示されている。また、Y軸は時間を示し、7/22と、11:30とが示されている。
配置部132は、取得した事例通知情報に含まれる事象情報と、事象発生源情報と、事象発生時間情報とに基づいて、X軸にその事象発生源情報が既に示されている場合には、その事象発生源情報と、事象発生時間情報によって示される他の事象との前後関係と時間とのいずれか一方又は両方とによって指定される位置に、事象情報を配置する。
また、配置部132は、X軸にその事象発生源情報がない場合には、その事象発生源情報をX軸に配置し、配置した事象発生源情報と、事象発生時間情報によって示される他の事象との前後関係と時間とのいずれか一方又は両方とによって指定される位置に、事象情報を配置する。
ただし、配置部132は、事象情報を配置する場合に、その事象情報が、線分で接続された既に配置されている二つの事象情報の間に配置することになる場合には、線分を切断し、切断した線分の各々に接続された既に配置されている二つの事象情報を離し、既に配置されている離した二つの事象情報の間に、その事象情報を配置する。
また、配置部132は、事象情報を配置する場合に、既に同じ事象情報が、時系列図に配置されている場合には、既に配置されている事象情報を、新たな事象情報に置き換える。
配置部132は、時系列図に、事例通知情報に含まれる事象情報の配置が終了した場合、事象情報と関係情報とを、処理部133へ出力する。
図2に戻り、説明を続ける。
処理部133は、配置部132が出力した事象情報と関係情報とを取得し、取得した事象情報と関係情報とに基づいて、関係情報によって示される既に配置されている事象情報との関係に基づいて、配置した事象情報と既に配置されていた事象情報とを接続する。
また、処理部133は、関係情報に、最終であることを示す情報が含まれる場合には、配置した事象情報の背景の色を予め設定される最終の事象情報に対応する色にする。また、処理部133は、関係情報に、推定であることを示す情報が含まれる場合には、配置した事象情報の背景の色を予め設定される推定の事象情報に対応する色にする。また、処理部133は、関係情報に、不明点を有することを示す情報が含まれる場合には、配置した事象情報の背景の色を予め設定される不明点を有する事象情報に対応する色にする。また、処理部133は、関係情報に、矛盾することを示す情報が含まれる場合には、配置した事象情報の背景の色を予め設定される矛盾する事象情報に対応する色にする。
処理部133は、配置した事象情報と既に配置されていた事象情報との接続が終了し、事象情報の背景の色を、事象情報に応じた色にした後に、その結果得られた時系列図を示す情報を作成部135へ出力する。
【0019】
図4は、本実施形態の事例分析支援装置の処理の一例を示す図である。
図4は、事例分析支援装置100が作成する時系列図の一例を示す。
図4に示される例では、事例分析支援装置100は、事象情報F01~事象情報F04が配置されている時系列図に、新たに事象情報F05を配置する。ここで、事象情報F01の事象は「玄関で検針票を渡そうとする」であり、事象情報F02の事象は「犬を避けようとして転倒し右手をついた」であり、事象情報F03の事象は「打撲程度と思い、その後も作業を続けた」であり、事象情報F04の事象は「右腕を骨折と診断された」である。
また、事例通知情報には、事象情報として事象情報F05「痛みが強くなり、自宅近くの病院へ行く」と、事象発生源情報として「検針員A」と、事象発生時間情報として「11時30分、事象情報F03と事象情報F04との間」と、関係情報として「事象情報F03と事象情報F04と接続される」が含まれている。
配置部132は、事例通知情報に含まれる事象発生源情報と事象発生時間情報とに基づいて、事象情報F03~事象情報F04の各々と、事象情報F05との前後関係から、事象情報F03と事象情報F04との間に、事象情報F05を配置する。ここで、配置部132は、事象情報F03と事象情報F04とが線分で接続されているため、事象情報F03と事象情報F04とを接続する線分を切断し、切断した線分の各々に接続されている事象情報F03と事象情報F04とを離し、離した事象情報F03と事象情報F04との間に、事象情報F05を配置する。さらに、事象情報F05が発生した時間は、11時30分であるため、Y軸に11:30を配置する。事例分析支援装置100を使用することによって、模造紙に事象が記載された付箋紙を貼ることで時系列図を作成する場合と比較して、事象情報の挿入を容易にできる。
配置部132は、時系列図に、事例通知情報に含まれる事象情報F05の配置が終了した場合、作成した時系列図を示す情報と事象情報(ここでは、事象情報F05)と関係情報(ここでは、事象情報F05が、事象情報F03と事象情報F04と接続されることを示す情報)とを、処理部133へ出力する。
【0020】
処理部133は、配置部132が出力した時系列図を示す情報と事象情報と関係情報とを取得し、取得した時系列図を示す情報と事象情報と関係情報とに基づいて、配置した事象情報F05と、既に配置されている事象情報F03と事象情報F04との各々を接続する。
処理部133は、配置した事象情報F05と、既に配置されている事象情報F03~事象情報F04の各々との接続が終了した後、処理によって得られた時系列図を示す情報を作成部135へ出力する。
図2に戻り説明を続ける。
【0021】
警告部134は、取得部131が出力した承認情報と継続情報とのいずれか一方又は両方を取得する。警告部134は、承認情報のみを取得した場合、取得した承認情報に基づいて、時系列図に配置されている事象情報のうち、他の事象情報に接続されていない事象情報があるか否かを判定する。また、警告部134は、他の事象情報に接続されていない事象情報があると判定した場合、接続されていない事象情報があることを警告するメッセージ(以下「警告メッセージ」という)を作成し、作成した警告メッセージを、時系列図に配置する。ここで、警告部134は、他の事象情報に接続されていない事象情報の近傍に、作成した警告メッセージを配置してもよい。
また、警告部134は、最終の事例情報に対応する色で示されている事象情報があるか否かを判定する。警告部134は、最終の事例情報に対応する色で示されている事象情報がない場合、最終の事例情報がないことを示す警告メッセージを作成し、作成した警告メッセージを、時系列図に配置する。ここで、警告部134は、時系列図の最も下の事象情報、つまり時系列図で最も時間が新しい事象情報の近傍に、作成した警告メッセージを配置してもよい。
【0022】
警告部134は、他の事象情報に接続されていない事象情報がある場合には、他の事象情報に接続されていない事象情報があることを示す警告メッセージを配置した時系列図を示す情報を作成部135へ出力する。また、警告部134は、最終の事例情報がない場合、最終の事例情報がないことを示す警告メッセージを配置した時系列図を示す情報を作成部135へ出力する。
また、警告部134は、他の事象情報に接続されていない事象情報があり、且つ最終の事例情報がない場合には、接続されていない事象情報があることを示す警告メッセージを配置し、且つ最終の事例情報がないことを示す警告メッセージを配置した時系列図を示す情報を作成部135へ出力する。
また、警告部134は、他の事象情報に接続されていない事象情報がなく、且つ最終の事例情報がある場合には、警告するメッセージを配置することなく時系列図を示す情報を作成部135へ出力する。
また、警告部134は、継続情報を取得した場合には、待機する。その後、端末装置200が、事象通知情報を送信するためである。
【0023】
図5は、本実施形態の事例分析支援装置の処理の一例を示す図である。
図5は、事例分析支援装置100が作成する時系列図の一例を示す。
図5に示される例では、
図4の右図に示した時系列図のX軸に事象発生源情報「お客様B」と、「犬」とが新たに配置されている。事例分析支援装置100を使用することによって、模造紙に事象が記載された付箋紙を貼ることで時系列図を作成する場合と比較して、事象発生源情報の追加を容易にできる。
さらに、
図5に示される例では、事象発生源情報「お客様B」と事象情報F01より前の事象発生時間とによって指定される位置に、事象情報F06が配置されている。事象情報F06の事象は「検針票の受け取りを希望」である。また、事象情報F01と事象情報F06とが接続されている。
さらに、
図5に示される例では、事象発生源情報「犬」と事象情報F01と事象情報F02との間の事象発生時間とによって指定される位置に、事象情報F07が配置される。
事例分析支援装置100は、
図5に示される時系列図を示す情報を含む時系列図通知情報を、端末装置200へ送信する。端末装置200は、事例分析支援装置100が送信した時系列通知情報を受信し、受信した時系列通知情報に含まれる時系列図を示す情報を処理(画像処理)することによって、時系列図と継続釦B01と承認釦B02とを表示する。
端末装置200のユーザは、時系列図とともに表示された継続釦B01又は承認釦B02を押すことができる。継続釦B01を押すことによって、ユーザは、新たに事例情報を作成し、作成した事例情報を含む事例通知情報を送信できる。このように構成することによって、時系列図に、事象情報を追加できる。また、継続釦B01を押すことによって、ユーザは、事例分析支援装置100へ、時系列図に、他の事象情報に接続されていない事象情報があるか否かの確認や、最終となる事例情報が示されているか否かの確認を依頼することができる。
ここでは、ユーザが承認釦B02を押した場合について説明を続ける。この場合、端末装置200は、承認情報を作成し、作成した承認情報を、事例分析支援装置100へ送信する。
事例分析支援装置100の警告部134は、その承認情報を取得し、取得した承認情報に応じて、時系列図に配置されている事象情報のうち、他の事象情報に接続されていない事象情報があるか否か、最終の事例情報があるか否かを判定する。ここでは、警告部134は、事例情報F07は他の事例情報に接続されていないため、他の時系列情報に接続されていない事象情報があると判定する。また、警告部134は、最終の事例情報に対応する色で示されていり事象情報がないため最終の事例情報がないと判定する。警告部134は、時系列図に、接続されていない事象情報があることを示す警告メッセージと、最終の事例情報がないことを示す警告メッセージとを配置し、二つの警告メッセージを配置した時系列図を示す情報を作成部135へ出力する。
【0024】
図6は、本実施形態の事例分析支援装置の動作の一例を示す図である。
図6は、事例分析支援装置100が作成する時系列図の一例を示す。
図6に示される例では、時系列図に、警告メッセージが配置されている。具体的には、警告部134は、事象情報F07が他の事例情報に接続されていないため、事象情報F07の近傍に矢印付きのテキストボックスを配置し、配置したテキストボックスに「接続されていない事象情報があります。」と表示する。
さらに、警告部134は、時系列図に、最終の事象情報がないため、時系列図で最も時間が新しい事象情報の近傍に、テキストボックスを配置し、配置したテキストボックスに「最終となる事象情報がありません。」と表示する。
図2に戻り、説明を続ける。
【0025】
作成部135は、処理部133又は警告部134が出力した時系列図を示す情報を取得し、取得した時系列図を示す情報を含み、端末装置200を宛先とする時系列図通知情報を作成し、作成した時系列図通知情報を、通信部110へ出力する。ここで、作成部135が取得する時系列図を示す情報は、接続されていない事象情報があることを示す警告メッセージを配置した時系列図を示す情報と、最終の事例情報がないことを示す警告メッセージを配置した時系列図を示す情報と、接続されていない事象情報があることを示す警告メッセージと最終の事象情報がないことを示す警告メッセージとを配置した時系列図を示す情報と、警告メッセージを配置していない時系列図を示す情報とのいずれかである。
【0026】
(端末装置)
端末装置200は、PC、ノートPC、タブレット端末、スマートフォンなどによって実現される。
端末装置200は、通信部210と、記憶部220と、情報処理部230と、操作部260と、表示部270と、各構成要素を
図2に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン250とを備える。
通信部210は、通信モジュールによって実現される。通信部210はネットワーク50を介して、外部の通信装置と通信する。通信部210は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの通信方式で、通信してもよい。また、端末装置200とネットワーク50とが有線接続される場合には、通信部210は、有線LANで通信してもよい。
具体的には、通信部210は、情報処理部230が出力した事例通知情報を取得し、取得した事例通知情報を、事例分析支援装置100へ送信する。また、通信部210は、事例分析支援装置100が送信した時系列図通知情報を受信し、受信した時系列通知情報を、情報処理部230へ出力する。また、通信部210は情報処理部230が出力した継続情報を取得し、取得した継続情報を、事例分析支援装置100へ送信する。また、通信部210は情報処理部230が出力した承認情報を取得し、取得した承認情報を、事例分析支援装置100へ送信する。
【0027】
記憶部220は、例えば、RAM、ROM、HDD、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。記憶部220の一部または全部は、端末装置200の一部として設けられる場合に代えて、NASや外部のストレージサーバなど、端末装置200のプロセッサがネットワーク50を介してアクセス可能な外部装置により実現されてもよい。記憶部220には、情報処理部230により実行されるプログラム221と、アプリ222とが記憶される。
アプリ222は、端末装置200に、ユーザが操作することによって入力された事象情報と、事象発生源情報と、事象発生時間情報と、関係情報とを含む事例情報を作成させる。アプリ222は、宛先を事例分析支援装置100とし、作成させた事例情報を含む事例通知情報を作成させ、作成させた事例通知情報を、事例分析支援装置100へ送信させる。また、アプリ222は、端末装置200に、事例分析支援装置100が送信した時系列図通知情報を受信させ、受信させた時系列図通知情報に含まれる時系列図を示す情報を処理(画像処理)させることによって、時系列図と継続釦B01と承認釦B02とを表示させる。また、アプリ222は、時系列図とともに表示させた継続釦B01が押された場合に、継続情報を作成させ、作成させた継続情報を、事例分析支援装置100へ送信させる。また、アプリ222は、時系列図とともに表示させた承認釦B02が押された場合に、承認情報を作成させ、作成させた承認情報を、事例分析支援装置100へ送信させる。
【0028】
操作部260は、入力デバイスを備え、ユーザの操作を受け付ける。この入力デバイスには、キーボード等の文字情報を入力するデバイス、マウス、タッチパネル等のポインティングデバイス、ボタン、ダイヤル、ジョイスティック、タッチセンサ、タッチパッド等が含まれる。
表示部270は、CPUなどのプロセッサによって制御され、画像、GUI(Graphical User Interface)などを表示する。この一例では、操作部260は、タッチパネルである。
【0029】
情報処理部230は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部220に格納されたプログラム221とアプリ222とを実行することにより実現されるソフトウェア機能部である。なお、情報処理部230の全部または一部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
情報処理部230は、例えば、取得部231と、処理部233と、作成部235とを備える。
取得部231は、通信部210が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報を、処理部233へ出力する。
処理部233は、取得部231が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報に含まれる時系列図を示す情報を処理することによって、表示部270に、時系列図と継続釦B01と承認釦B02とを表示させる。
作成部235は、ユーザが操作部260に対して、事象情報と事象発生源情報と事象発生時間情報と関係情報とを入力する操作を行った場合に、事象情報と事象発生源情報と事象発生時間情報と関係情報とを含み、事例分析支援装置100を宛先とする事例通知情報を作成し、作成した事例通知情報を、通信部210へ出力する。
また、作成部235は、表示部270に表示されている継続釦B01が押された場合に、継続情報を作成し、作成した継続情報を、通信部210へ出力する。また、作成部235は、表示部270に表示されている承認釦B02が押された場合に、承認情報を作成し、作成した承認情報を、通信部210へ出力する。
【0030】
(事例分析支援システムの動作)
図7~
図10を参照して、本実施形態の事例分析支援システムの動作の一例について、説明する。ここでは、端末装置200-1のユーザと、端末装置200-2のユーザと、端末装置200-3のユーザとの間で、事例分析を行う場合の処理を示す。
図7は、本実施形態の事例分析支援システムの動作の一例(その1)を示すシーケンスチャートである。
(ステップS1)
端末装置200-1のユーザは、端末装置200-1の操作部260を操作することによって、事象情報と事象発生源情報と事象発生時間情報と関係情報とを入力する。端末装置200-1の作成部235は、操作部260が入力した事象情報と事象発生源情報と事象発生時間情報と関係情報とを含む事例情報を作成し、事例分析支援装置100を宛先とし、作成した事例情報を含む事例通知情報を作成する。作成部235は、作成した事例通知情報を、通信部210へ出力する。
(ステップS2)
端末装置200-1の通信部210は、作成部235が出力した事例通知情報を取得し、取得した事例通知情報を、事例分析支援装置100へ送信する。
(ステップS3)
事例分析支援装置100の通信部110は、端末装置200-1が送信した事例通知情報を受信し、受信した事例通知情報を情報処理部130へ出力する。情報処理部130の取得部131は、通信部110が出力した事例通知情報を取得する。
(ステップS4)
事例分析支援装置100の取得部131は、取得した事例通知情報に含まれる事象情報と、事象発生源情報と、事象発生時間情報とに基づいて、X軸にその事象発生源情報が既にある場合には、その事象発生源情報と事象発生時間情報によって示される時間とによって指定される位置に、事象情報を配置する。配置部132は、X軸にその事象発生源情報がない場合には、その事象発生源情報をX軸に配置し、配置した位置と事象発生時間情報によって示される時間とによって指定される位置に、事象情報を配置する。ただし、配置部132は、事象情報を配置する場合に、その事象情報が、線分で接続された二つの事象情報の間に配置することになる場合には、線分を切断し、切断した線分の各々に接続された二つの事象情報を離し、離した二つの事象情報の間に、その事象情報を配置する。配置部132は、時系列図に、その事象情報を配置した後に、作成した時系列図を示す情報と事象情報と関係情報とを、処理部133へ出力する。
【0031】
(ステップS5)
事例分析支援装置100の処理部133は、配置部132が出力した時系列図を示す情報と事象情報と関係情報とを取得し、取得した時系列図を示す情報と事象情報と関係情報とに基づいて、配置した事象情報と既に配置されていた事象情報とを接続する。また、処理部133は、関係情報に、最終であることを示す情報が含まれる場合には、配置した事象情報の背景の色を予め設定される最終の事象情報に対応する色にする。また、処理部133は、関係情報に、推定であることを示す情報が含まれる場合には、配置した事象情報の背景の色を予め設定される推定の事象情報に対応する色にする。また、処理部133は、関係情報に、不明点を有することを示す情報が含まれる場合には、配置した事象情報の背景の色を予め設定される不明点を有する事象情報に対応する色にする。また、処理部133は、関係情報に、矛盾することを示す情報が含まれる場合には、配置した事象情報の背景の色を予め設定される矛盾する事象情報に対応する色にする。ここでは、関係情報に、最終であることを示す情報と推定であることを示す情報と不明であることを示す情報と矛盾であることを示す情報とのいずれの情報も含まれていない場合について説明を続ける。処理部133は、配置した事象情報と既に配置されていた事象情報との接続が終了した後に、処理によって得られた時系列図を示す情報を作成部135へ出力する。
(ステップS6)
事例分析支援装置100の作成部135は、処理部133が出力した時系列図を示す情報を取得し、取得した時系列図を示す情報を含み、端末装置200-1~端末装置200-3の各々を宛先とする時系列図通知情報を作成し、作成した時系列図通知情報を、通信部110へ出力する。通信部110は、情報処理部130が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報を送信する。
【0032】
(ステップS7)
端末装置200-1の通信部210は、事例分析支援装置100が送信した時系列図通知情報を受信し、受信した時系列図通知情報を、情報処理部230へ出力する。端末装置200-1の取得部231は、通信部210が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報を、処理部233へ出力する。処理部233は、取得部231が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報に含まれる時系列図を示す情報を処理することによって、表示部270に、時系列図を表示させる。
(ステップS8)
端末装置200-2の通信部210は、事例分析支援装置100が送信した時系列図通知情報を受信し、受信した時系列図通知情報を、情報処理部230へ出力する。端末装置200-2の取得部231は、通信部210が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報を、処理部233へ出力する。処理部233は、取得部231が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報に含まれる時系列図を示す情報を処理することによって、表示部270に、時系列図を表示させる。
(ステップS9)
端末装置200-3の通信部210は、事例分析支援装置100が送信した時系列図通知情報を受信し、受信した時系列図通知情報を、情報処理部230へ出力する。端末装置200-3の取得部231は、通信部210が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報を、処理部233へ出力する。処理部233は、取得部231が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報に含まれる時系列図を示す情報を処理することによって、表示部270に、時系列図を表示させる。
【0033】
図8は、本実施形態の事例分析支援システムの動作の一例(その2)を示すシーケンスチャートである。
(ステップS10)
端末装置200-1のユーザは、表示部270が表示している時系列図を参照し、時系列図を承認し、時系列図の作成を継続しない意思表示をするために、承認釦B02を押す操作を行う。操作部260は、情報処理部230に、承認を示す情報を出力する。端末装置200-1の作成部235は、操作部260が出力した承認を示す情報を取得し、取得した承認を示す情報に基づいて、事例分析支援装置100を宛先とする承認情報を作成し、作成した承認情報を、通信部210へ出力する。通信部210は、作成部235が出力した承認情報を、事例分析支援装置100へ送信する。
(ステップS11)
端末装置200-2のユーザは、表示部270が表示している時系列図を参照し、時系列図の作成を継続する意思表示をするために、継続釦B01を押す操作を行う。操作部260は、情報処理部230に、継続を示す情報を出力する。端末装置200-1の作成部235は、操作部260が出力した継続を示す情報を取得し、取得した継続を示す情報に基づいて、事例分析支援装置100を宛先とする継続情報を作成し、作成した継続情報を、通信部210へ出力する。通信部210は、作成部235が出力した継続情報を、事例分析支援装置100へ送信する。
(ステップS12)
端末装置200-3のユーザは、表示部270が表示している時系列図を参照し、時系列図を承認し、時系列図の作成を継続しない意思表示をするために、承認釦B02を押す操作を行う。操作部260は、情報処理部230に、承認を示す情報を出力する。端末装置200-3の作成部235は、操作部260が出力した承認を示す情報を取得し、取得した承認を示す情報に基づいて、事例分析支援装置100を宛先とする承認情報を作成し、作成した承認情報を、通信部210へ出力する。通信部210は、作成部235が出力した承認情報を、事例分析支援装置100へ送信する。
【0034】
(ステップS13)
端末装置200-2のユーザは、端末装置200-2の操作部260を操作することによって、事象情報と事象発生源情報と事象発生時間情報と関係情報とを入力する。端末装置200-2の作成部235は、操作部260が入力した事象情報と事象発生源情報と事象発生時間情報と関係情報とを含む事例情報を作成し、事例分析支援装置100を宛先とし、作成した事例情報を含む事例通知情報を作成する。作成部235は、作成した事例通知情報を、通信部210へ出力する。
(ステップS14)
端末装置200-2の通信部210は、作成部235が出力した事例通知情報を取得し、取得した事例通知情報を、事例分析支援装置100へ送信する。
(ステップS15)
事例分析支援装置100の通信部110は、端末装置200-2が送信した事例通知情報を受信し、受信した事例通知情報を情報処理部130へ出力する。情報処理部130の取得部131は、通信部110が出力した事例通知情報を取得する。
(ステップS16)
事例分析支援装置100の取得部131は、取得した事例通知情報に含まれる事象情報と、事象発生源情報と、事象発生時間情報とに基づいて、X軸にその事象発生源情報が既にある場合には、その事象発生源情報と事象発生時間情報によって示される時間とによって指定される位置に、事象情報を配置する。配置部132は、X軸にその事象発生源情報がない場合には、その事象発生源情報をX軸に配置し、配置した位置と事象発生時間情報によって示される時間とによって指定される位置に、事象情報を配置する。ただし、配置部132は、事象情報を配置する場合に、その事象情報が、線分で接続された二つの事象情報の間に配置することになる場合には、線分を切断し、切断した線分の各々に接続された二つの事象情報を離し、離した二つの事象情報の間に、その事象情報を配置する。配置部132は、時系列図に、その事象情報を配置した後に、作成した時系列図を示す情報と事象情報と関係情報とを、処理部133へ出力する。
【0035】
(ステップS17)
事例分析支援装置100の処理部133は、配置部132が出力した時系列図を示す情報と事象情報と関係情報とを取得し、取得した時系列図を示す情報と事象情報と関係情報とに基づいて、配置した事象情報と既に配置されていた事象情報とを接続する。また、処理部133は、関係情報に、最終であることを示す情報が含まれる場合には、配置した事象情報の背景の色を予め設定される最終の事象情報に対応する色にする。また、処理部133は、関係情報に、推定であることを示す情報が含まれる場合には、配置した事象情報の背景の色を予め設定される推定の事象情報に対応する色にする。また、処理部133は、関係情報に、不明点を有することを示す情報が含まれる場合には、配置した事象情報の背景の色を予め設定される不明点を有する事象情報に対応する色にする。また、処理部133は、関係情報に、矛盾することを示す情報が含まれる場合には、配置した事象情報の背景の色を予め設定される矛盾する事象情報に対応する色にする。ここでは、関係情報に、最終であることを示す情報と推定であることを示す情報と不明であることを示す情報と矛盾であることを示す情報とのいずれの情報も含まれていない場合について説明を続ける。処理部133は、配置した事象情報と既に配置されていた事象情報との接続が終了した後に、処理によって得られた時系列図を示す情報を作成部135へ出力する。
(ステップS18)
事例分析支援装置100の作成部135は、処理部133が出力した時系列図を示す情報を取得し、取得した時系列図を示す情報を含み、端末装置200-1~端末装置200-3の各々を宛先とする時系列図通知情報を作成し、作成した時系列図通知情報を、通信部110へ出力する。通信部110は、情報処理部130が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報を送信する。
【0036】
(ステップS19)
端末装置200-1の通信部210は、事例分析支援装置100が送信した時系列図通知情報を受信し、受信した時系列図通知情報を、情報処理部230へ出力する。端末装置200-1の取得部231は、通信部210が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報を、処理部233へ出力する。処理部233は、取得部231が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報に含まれる時系列図を示す情報を処理することによって、表示部270に、時系列図を表示させる。
(ステップS20)
端末装置200-2の通信部210は、事例分析支援装置100が送信した時系列図通知情報を受信し、受信した時系列図通知情報を、情報処理部230へ出力する。端末装置200-2の取得部231は、通信部210が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報を、処理部233へ出力する。処理部233は、取得部231が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報に含まれる時系列図を示す情報を処理することによって、表示部270に、時系列図を表示させる。
(ステップS21)
端末装置200-3の通信部210は、事例分析支援装置100が送信した時系列図通知情報を受信し、受信した時系列図通知情報を、情報処理部230へ出力する。端末装置200-3の取得部231は、通信部210が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報を、処理部233へ出力する。処理部233は、取得部231が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報に含まれる時系列図を示す情報を処理することによって、表示部270に、時系列図を表示させる。
【0037】
図9は、実施形態の事例分析支援システムの動作の一例(その3)を示すシーケンスチャートである。
(ステップS22)
端末装置200-1のユーザは、表示部270が表示している時系列図を参照し、時系列図を承認し、時系列図の作成を継続しない意思表示をするために、承認釦B02を押す操作を行う。操作部260は、情報処理部230に、承認を示す情報を出力する。端末装置200-1の作成部235は、操作部260が出力した承認を示す情報を取得し、取得した承認を示す情報に基づいて、事例分析支援装置100を宛先とする承認情報を作成し、作成した承認情報を、通信部210へ出力する。通信部210は、作成部235が出力した承認情報を、事例分析支援装置100へ送信する。
(ステップS23)
端末装置200-2のユーザは、表示部270が表示している時系列図を参照し、時系列図を承認し、時系列図の作成を継続しない意思表示をするために、承認釦B02を押す操作を行う。操作部260は、情報処理部230に、承認を示す情報を出力する。端末装置200-2の作成部235は、操作部260が出力した承認を示す情報を取得し、取得した承認を示す情報に基づいて、事例分析支援装置100を宛先とする承認情報を作成し、作成した承認情報を、通信部210へ出力する。通信部210は、作成部235が出力した承認情報を、事例分析支援装置100へ送信する。
(ステップS24)
端末装置200-3のユーザは、表示部270が表示している時系列図を参照し、時系列図を承認し、時系列図の作成を継続しない意思表示をするために、承認釦B02を押す操作を行う。操作部260は、情報処理部230に、承認を示す情報を出力する。端末装置200-3の作成部235は、操作部260が出力した承認を示す情報を取得し、取得した承認を示す情報に基づいて、事例分析支援装置100を宛先とする承認情報を作成し、作成した承認情報を、通信部210へ出力する。通信部210は、作成部235が出力した承認情報を、事例分析支援装置100へ送信する。
【0038】
(ステップS25)
事例分析支援装置100の通信部110は、端末装置200-1~端末装置200-3の各々が送信した承認情報を受信し、受信した承認情報を、情報処理部130へ出力する。取得部131は、通信部110が出力した承認情報を取得し、取得した承認情報を、警告部134へ出力する。警告部134は、取得部131が出力した承認情報を取得する。警告部134は、所定の時間が経過するまでに継続情報を取得した場合、事例分析の参加者の中に、時系列図の作成を継続したい参加者がいると判定する。警告部134は、所定の時間が経過しても継続情報を取得しない場合、事例分析の全ての参加者が承認したと判定する。時系列図の作成を継続したい参加者がいると判定した場合、警告部134は、待機する。ここでは、警告部134が、所定の時間が経過しても継続情報を取得しない場合について説明を続ける。警告部134は、時系列図に配置されている事象情報のうち、他の事象情報に接続されていない事象情報があるか否か、最終の事例情報に対応する色で示されている事象情報があるか否かを判定する。警告部134は、他の事象情報に接続されていない事象情報がある場合、又は、最終の事例情報に対応する色で示されている事象情報がない場合、警告ありと判定する。また、警告部134は、他の事象情報に接続されていない事象情報がなく、且つ最終の事例情報に対応する色で示されている事象情報がある場合、警告なしと判定する。警告部134は、警告なしと判定した場合、終了する。
(ステップS26)
警告ありと判定した場合、警告部134は、他の事象情報に接続されていない事象情報がある場合には、接続されていない事象情報があることを示す警告メッセージを配置した時系列図を示す情報を作成部135へ出力する。また、警告部134は、最終の事例情報に対応する色で示されている事象情報がない場合、最終の事例情報がないことを示す警告メッセージを配置した時系列図を示す情報を作成部135へ出力する。また、警告部134は、他の事象情報に接続されていない事象情報があり、且つ最終の事例情報に対応する色で示されている事象情報がない場合には、接続されていない事象情報があることを示す警告メッセージと、最終の事例情報がないことを示す警告メッセージとを配置した時系列図を示す情報を作成部135へ出力する。ここでは、警告部134は、他の事象情報に接続されていない事象情報があり、接続されていない事象情報があることを示す警告メッセージを配置した時系列図を示す情報を作成部135へ出力した場合について、説明を続ける。
作成部135は、警告部134が出力した時系列図を示す情報を取得し、取得した時系列図を示す情報を含み、端末装置200-1~端末装置200-3の各々を宛先とする時系列図通知情報を作成し、作成した時系列図通知情報を、通信部110へ出力する。
(ステップS27)
通信部110は、作成部135が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報を、端末装置200-1~端末装置200-3の各々へ送信する。
【0039】
(ステップS28)
端末装置200-1の通信部210は、事例分析支援装置100が送信した時系列図通知情報を受信し、受信した時系列図通知情報を、情報処理部230へ出力する。端末装置200-1の取得部231は、通信部210が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報を、処理部233へ出力する。処理部233は、取得部231が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報に含まれる時系列図を示す情報を処理することによって、表示部270に、時系列図を表示させる。
(ステップS29)
端末装置200-2の通信部210は、事例分析支援装置100が送信した時系列図通知情報を受信し、受信した時系列図通知情報を、情報処理部230へ出力する。端末装置200-2の取得部231は、通信部210が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報を、処理部233へ出力する。処理部233は、取得部231が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報に含まれる時系列図を示す情報を処理することによって、表示部270に、時系列図を表示させる。
(ステップS30)
端末装置200-3の通信部210は、事例分析支援装置100が送信した時系列図通知情報を受信し、受信した時系列図通知情報を、情報処理部230へ出力する。端末装置200-3の取得部231は、通信部210が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報を、処理部233へ出力する。処理部233は、取得部231が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報に含まれる時系列図を示す情報を処理することによって、表示部270に、時系列図を表示させる。
(ステップS31)
端末装置200-2のユーザは、時系列図を参照し、警告メッセージによって、他の事象情報に接続されていないと指摘されている事象情報は、自分が入力したものであると判断する。端末装置200-2のユーザは、端末装置200-2の操作部260を操作することによって、他の事象情報に接続されていないと指摘されている事象情報と事象発生源情報と事象発生時間情報と関係情報とを入力する。端末装置200-2の作成部235は、操作部260が入力した事象情報と事象発生源情報と事象発生時間情報と関係情報とを含む事例情報を作成し、事例分析支援装置100を宛先とし、作成した事例情報を含む事例通知情報を作成する。作成部235は、作成した事例通知情報を、通信部210へ出力する。
(ステップS32)
端末装置200-2の通信部210は、作成部235が出力した事例通知情報を取得し、取得した事例通知情報を、事例分析支援装置100へ送信する。
【0040】
図10は、実施形態の事例分析支援システムの動作の一例(その4)を示すシーケンスチャートである。
(ステップS33)
事例分析支援装置100の通信部110は、端末装置200-2が送信した事例通知情報を受信し、受信した事例通知情報を情報処理部130へ出力する。情報処理部130の取得部131は、通信部110が出力した事例通知情報を取得する。
(ステップS34)
事例分析支援装置100の取得部131は、取得した事例通知情報に含まれる事象情報と、事象発生源情報と、事象発生時間情報とに基づいて、X軸にその事象発生源情報が既にあるので、その事象発生源情報と事象発生時間情報によって示される時間とによって指定される位置に、事象情報を配置する。ここでは、警告メッセージで他の事象情報に接続されていないと指摘された事象情報を、事例通知情報に含まれる事例情報に置き換える。配置部132は、警告メッセージで、他の事象情報に接続されていないと指摘された事象情報を、事例通知情報に含まれる事例情報に置き換えた後に、作成した時系列図を示す情報と事象情報と関係情報とを、処理部133へ出力する。
(ステップS35)
事例分析支援装置100の処理部133は、配置部132が出力した時系列図を示す情報と事象情報と関係情報とを取得し、取得した時系列図を示す情報と事象情報と関係情報とに基づいて、配置した事象情報と既に配置されていた事象情報とを接続する。ここでは、処理部133は、置き換えた事象情報と既に配置されていた事象情報とを接続する。また、処理部133は、関係情報に、最終であることを示す情報が含まれる場合には、配置した事象情報の背景の色を予め設定される最終の事象情報に対応する色にする。また、処理部133は、関係情報に、推定であることを示す情報が含まれる場合には、配置した事象情報の背景の色を予め設定される推定の事象情報に対応する色にする。また、処理部133は、関係情報に、不明点を有することを示す情報が含まれる場合には、配置した事象情報の背景の色を予め設定される不明点を有する事象情報に対応する色にする。また、処理部133は、関係情報に、矛盾することを示す情報が含まれる場合には、配置した事象情報の背景の色を予め設定される矛盾する事象情報に対応する色にする。ここでは、関係情報に、最終であることを示す情報と推定であることを示す情報と不明であることを示す情報と矛盾であることを示す情報とのいずれの情報も含まれていない場合について説明を続ける。処理部133は、配置した事象情報と既に配置されていた事象情報との接続が終了した後に、処理によって得られた時系列図を示す情報を作成部135へ出力する。
【0041】
(ステップS36)
事例分析支援装置100の作成部135は、処理部133が出力した時系列図を示す情報を取得し、取得した時系列図を示す情報を含み、端末装置200-1~端末装置200-3の各々を宛先とする時系列図通知情報を作成し、作成した時系列図通知情報を、通信部110へ出力する。通信部110は、情報処理部130が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報を送信する。
(ステップS37)
端末装置200-1の通信部210は、事例分析支援装置100が送信した時系列図通知情報を受信し、受信した時系列図通知情報を、情報処理部230へ出力する。端末装置200-1の取得部231は、通信部210が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報を、処理部233へ出力する。処理部233は、取得部231が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報に含まれる時系列図を示す情報を処理することによって、表示部270に、時系列図を表示させる。
(ステップS38)
端末装置200-2の通信部210は、事例分析支援装置100が送信した時系列図通知情報を受信し、受信した時系列図通知情報を、情報処理部230へ出力する。端末装置200-2の取得部231は、通信部210が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報を、処理部233へ出力する。処理部233は、取得部231が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報に含まれる時系列図を示す情報を処理することによって、表示部270に、時系列図を表示させる。
(ステップS39)
端末装置200-3の通信部210は、事例分析支援装置100が送信した時系列図通知情報を受信し、受信した時系列図通知情報を、情報処理部230へ出力する。端末装置200-3の取得部231は、通信部210が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報を、処理部233へ出力する。処理部233は、取得部231が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報に含まれる時系列図を示す情報を処理することによって、表示部270に、時系列図を表示させる。
【0042】
(ステップS40)
端末装置200-1のユーザは、表示部270が表示している時系列図を参照し、時系列図を承認し、時系列図の作成を継続しない意思表示をするために、承認釦B02を押す操作を行う。操作部260は、情報処理部230に、承認を示す情報を出力する。端末装置200-1の作成部235は、操作部260が出力した承認を示す情報を取得し、取得した承認を示す情報に基づいて、事例分析支援装置100を宛先とする承認情報を作成し、作成した承認情報を、通信部210へ出力する。通信部210は、作成部235が出力した承認情報を、事例分析支援装置100へ送信する。
(ステップS41)
端末装置200-2のユーザは、表示部270が表示している時系列図を参照し、時系列図を承認し、時系列図の作成を継続しない意思表示をするために、承認釦B02を押す操作を行う。操作部260は、情報処理部230に、承認を示す情報を出力する。端末装置200-2の作成部235は、操作部260が出力した承認を示す情報を取得し、取得した承認を示す情報に基づいて、事例分析支援装置100を宛先とする承認情報を作成し、作成した承認情報を、通信部210へ出力する。通信部210は、作成部235が出力した承認情報を、事例分析支援装置100へ送信する。
(ステップS42)
端末装置200-3のユーザは、表示部270が表示している時系列図を参照し、時系列図を承認し、時系列図の作成を継続しない意思表示をするために、承認釦B02を押す操作を行う。操作部260は、情報処理部230に、承認を示す情報を出力する。端末装置200-3の作成部235は、操作部260が出力した承認を示す情報を取得し、取得した承認を示す情報に基づいて、事例分析支援装置100を宛先とする承認情報を作成し、作成した承認情報を、通信部210へ出力する。通信部210は、作成部235が出力した承認情報を、事例分析支援装置100へ送信する。
【0043】
(ステップS43)
事例分析支援装置100の通信部110は、端末装置200-1~端末装置200-3の各々が送信した承認情報を受信し、受信した承認情報を、情報処理部130へ出力する。取得部131は、通信部110が出力した承認情報を取得し、取得した承認情報を取得する。警告部134は、所定の時間が経過するまでに継続情報を取得した場合、事例分析の参加者の中に、時系列図の作成を継続したい参加者がいると判定する。警告部134は、所定の時間が経過しても継続情報を取得しない場合、事例分析の全ての参加者が承認したと判定する。ここでは、端末装置200-1~端末装置200-3が、承認情報を送信しているため、警告部134は、継続情報を取得しない。警告部134は、時系列図に配置されている事象情報のうち、他の事象情報に接続されていない事象情報があるか否か、最終の事例情報に対応する色で示されている事例情報があるか否かを判定する。警告部134は、他の事象情報に接続されていない事象情報がある場合、又は、最終の事例情報に対応する色で示されている事象情報がない場合、警告ありと判定する。また、警告部134は、他の事象情報に接続されていない事象情報がなく、且つ最終の事例情報に対応する色で示されている事象情報がある場合、警告なしと判定する。警告部134は、警告なしと判定した場合、終了する。
【0044】
(ステップS44)
警告ありと判定した場合、警告部134は、他の事象情報に接続されていない事象情報がある場合には、接続されていない事象情報があることを示す警告メッセージを配置した時系列図を示す情報を作成部135へ出力する。また、警告部134は、最終の事例情報に対応する色で示されている事例情報がない場合、最終の事例情報がないことを示す警告メッセージを配置した時系列図を示す情報を作成部135へ出力する。また、警告部134は、他の事象情報に接続されていない事象情報があり、且つ最終の事例情報に対応する色で示されている事象情報がない場合には、接続されていない事象情報があることを示す警告メッセージと、最終の事例情報がないことを示す警告メッセージとを配置した時系列図を示す情報を作成部135へ出力する。ここでは、警告部134は、他の事象情報に接続されていない事象情報があり、接続されていない事象情報があることを示す警告メッセージを配置した時系列図を示す情報を作成部135へ出力した場合について、説明を続ける。
作成部135は、警告部134が出力した時系列図を示す情報を取得し、取得した時系列図を示す情報を含み、端末装置200-1~端末装置200-3の各々を宛先とする時系列図通知情報を作成し、作成した時系列図通知情報を、通信部110へ出力する。
(ステップS45)
通信部110は、作成部135が出力した時系列図通知情報を取得し、取得した時系列図通知情報を、端末装置200-1~端末装置200-3の各々へ送信する。
以降、前述したステップS28~S43までの処理が繰り返される。
図7~
図10に示したシーケンスチャートにおいて、ステップS7~S9の各々の順序、ステップS19~S21の各々の順序、ステップS28~S30の各々の順序、ステップS37~S39の各々の順序は、入れ替えてもよい。
【0045】
前述した実施形態では、事例分析支援システム10が、事例分析支援装置100と、端末装置200とを備える場合について説明したが、この限りでない。例えば、事例分析支援システム10が、事例分析支援装置100を備えるようにしてもよい。この場合、事例分析支援装置100は、操作部と、表示部とを備え、ユーザは、操作部を操作することによって、事例情報を入力する。
前述した実施形態では、警告部134が、所定の時間が経過するまでに継続情報を取得した場合に、事例分析の参加者の中に時系列図の作成を継続したい参加者がいると判定し、所定の時間が経過しても継続情報を取得しない場合に、事例分析の全ての参加者が承認したと判定する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、端末装置200から事例分析支援装置100に、参加者の人数を示す情報を通知する。警告部134は、受信した継続情報と承認情報とのいずれか一方又は両方の数が参加者の人数と一致した時点で、継続情報を受信していない場合に、事例分析の全ての参加者が承認したと判定し、継続情報を受信した場合に、事例分析の参加者の中に、時系列図の作成を継続したい参加者がいると判定してもよい。このように構成することによって、所定の時間が経過するのを待つことなく時系列図の作成を継続するか否かを判定できる。
前述した実施形態において、事例分析支援装置100の記憶部120に過去事例を複数記憶した過去事例DBを記憶し、取得部131は、端末装置200が送信した事例通知情報に含まれる事象情報に基づいて、過去事例DBから類似する過去事例を取得し、取得した過去事例を、時系列図通知情報に含めて、端末装置200へ送信するようにしてもよい。このように構成することによって、エラーを引き起こさせた要因は、直接的な事象だけではなく計画段階や、職場環境・風土に起因する場合もある。このため、過去の類似事件の事象情報の時系列に基づいて、出来事に関する事象の流れを検討できる。また、参加者は、過去事例を参考にできるため、想起を活性化できる。
前述した実施形態において、事例分析支援装置100の記憶部120にマニュアルや、仕様書を記憶した文書DBを記憶し、取得部131は、端末装置200が送信した事例通知情報に含まれる事象情報に基づいて、文書例DBからマニュアルや仕様書の関連箇所を取得し、取得した関連箇所を示す情報を、時系列図通知情報に含めて、端末装置200へ送信するようにしてもよい。このように構成することによって、参加者は、マニュアルや仕様書を参考にできるため、想起を活性化できる。
【0046】
本実施形態の事例分析支援システムによれば、事例分析支援装置100は、複数のユーザの各々が使用する端末装置200が送信した事例通知情報に含まれる事例情報に基づいて、時系列図を作成する。事例分析支援装置100は、端末装置200が送信した事例情報に基づいて、事象情報の追加や、事象情報の入れ替えや、事象情報への色の付加を行うことによって、時系列図を作成し、作成した時系列図を示す情報を含む時系列図通知情報を、端末装置200へ送信できる。端末装置200は、事例分析支援装置100が送信した時系列図通知情報に含まれる時系列図を示す情報を処理することによって、時系列図を表示できる。このため、端末装置200を使用するユーザは、端末装置200が表示している時系列図を参照し、事例分析を行うことができる。時系列図には、関連する事象情報は線分で接続され、最終の事象情報と、推定の事象情報と、不明点を有する事象情報と、矛盾する事象情報との各々に、異なる色が付されている。このため、ユーザは、事象情報の状況を確認できる。
また、最終の事象情報に対応する色で示されている事象情報がない場合には、警告メッセージを表示する。このように構成することによって、時系列分析の後段で実施する背後要因分析において、最終の事象情報で示される「最終的な被害」が時系列図に表されないことを防止できる。
【0047】
<構成例>
一構成例として、事例分析支援システムは、取得部と、配置部と、処理部とを備える。取得部は、出来事に関する第1事象を示す情報である第1事象情報と、第1事象の発生源を示す情報である第1事象発生源情報と、第1事象と第2事象との間を関係付ける情報である関係情報とを含む第1事例情報を取得する。配置部は、時間経過を示す第1軸(実施形態では、「Y軸」)と事象の発生源を示す第2軸(実施形態では、「X軸」)とからなる時系列図に、取得部が取得した第1事例情報に含まれる第1事象発生源情報と、第1事象の発生と第2事象の発生との前後関係に基づいて、第1事象情報を配置する。処理部は、関係情報に基づいて、第1事象情報と第2事象を示す情報である第2事象情報との間を線分で接続する。
【0048】
一構成例として、事例分析支援システムにおいて、第1事例情報は、第1事象が発生した時間を示す情報である事象発生時間情報を含み、配置部は、第1事例情報に含まれる事象発生時間情報に基づいて、時系列図に、第1事象情報を配置する。
一構成例として、事例分析支援システムにおいて、配置部は、線分で接続された二つの事象情報の間に、第1事象情報を配置する場合に、二つの事象情報を接続する線分を切断し、切断した線分の各々に接続された二つの事象情報の間に、第1事象情報を配置し、処理部は、切断した線分の各々を、第1事象情報に接続する。
【0049】
一構成例として、事例分析支援システムにおいて、他の事象情報に接続されていない事象情報がある場合に警告を行う警告部をさらに備える。
一構成例として、事例分析支援システムにおいて、第1事例情報は、第1事象が、出来事に関して、最終の事象であるか否かを示す情報を含み、警告部は、時系列図が承認され、且つ出来事に関して、最終となる事象情報が示されていない場合に警告を行う。
一構成例として、事例分析支援システムは、取得部は、端末装置が送信した第1事例情報を取得する。
【0050】
一構成例として、コンピュータが実行する事例分析支援方法は、取得するステップと、配置するステップと、接続するステップとを有する。取得するステップでは、出来事に関する第1事象を示す情報である第1事象情報と、第1事象の発生源を示す情報である第1事象発生源情報と、第1事象と第2事象との間を関係付ける情報である関係情報とを含む第1事例情報を取得する。配置するステップでは、時間経過を示す第1軸と事象の発生源を示す第2軸とからなる時系列図に、取得するステップで取得した第1事例情報に含まれる第1事象発生源情報と、第1事象の発生と第2事象の発生との前後関係に基づいて、第1事象情報を配置する。接続するステップでは、関係情報に基づいて、第1事象情報と第2事象を示す情報である第2事象情報との間を線分で接続する。
【0051】
一構成例として、プログラムは、コンピュータに、取得するステップと、配置するステップと、接続するステップとを実行させる。取得するステップでは、出来事に関する第1事象を示す情報である第1事象情報と、第1事象の発生源を示す情報である第1事象発生源情報と、第1事象と第2事象との間を関係付ける情報である関係情報とを含む第1事例情報を取得する。配置するステップでは、時間経過を示す第1軸と事象の発生源を示す第2軸とからなる時系列図に、取得するステップで取得した第1事例情報に含まれる第1事象発生源情報と、第1事象の発生と第2事象の発生との前後関係に基づいて、第1事象情報を配置する。接続するステップでは、関係情報に基づいて、第1事象情報と第2事象を示す情報である第2事象情報との間を線分で接続する。
【0052】
以上、実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組合せを行うことができる。これら実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0053】
なお、上述した事例分析支援装置100、端末装置200は、コンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、各機能ブロックの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、CPUが実行することで実現してもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器などのハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROMなどの可搬媒体のことをいう。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置を含む。
【0054】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、短時間の間、動的にプログラムを保持するものを含んでいてもよい。短時間の間、動的にプログラムを保持するものは、例えば、インターネットなどのネットワークや電話回線などの通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線である。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。また、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上記プログラムは、プログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。プログラマブルロジックデバイスは、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)である。
【0055】
なお、上述の事例分析支援装置100、端末装置200は内部にコンピュータを有している。そして、上述した電柱移設イメージ表示装置の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどをいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0056】
10…事例分析支援システム、50…ネットワーク、100…事例分析支援装置、110…通信部、120…記憶部、121…プログラム、122…アプリ、130…情報処理部、131…取得部、132…配置部、133…処理部、134…警告部、135…作成部、150…バスライン、200、200-1、200-2、200-3、・・・、200-n…端末装置、210…通信部、220…記憶部、221…プログラム、222…アプリ、230…情報処理部、231…取得部、233…処理部、235…作成部、250…バスライン、260…操作部、270…表示部