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特許7192260電子機器、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】電子機器、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01S 19/34 20100101AFI20221213BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
G01S19/34
G01C21/26 P
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018117713
(22)【出願日】2018-06-21
(65)【公開番号】P2019219308
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】北村 繁樹
【審査官】山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-077147(JP,A)
【文献】特開2012-108001(JP,A)
【文献】特開2011-164089(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0244686(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0122493(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0175772(US,A1)
【文献】特開2011-076542(JP,A)
【文献】特開2001-094916(JP,A)
【文献】特開2008-131301(JP,A)
【文献】堀 克弥 他,ナビゲーションシステム,ソニー公開技報集,日本,ソニー(株)知的財産部,1997年01月27日,1997 Vol.6 No.1,97-0012(1)~97-0012(2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00-19/55
G01C21/00-21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の動作状態では作動せず、前記第1の動作状態とは異なる第2の動作状態では作動する第1のCPUと、
前記第1の動作状態及び前記第2の動作状態において作動し、前記第1の動作状態における第1のタイミングと、前記第2の動作状態における第2のタイミングと、を取得する第2のCPUと、
記憶手段と、
計時手段と、
第1の表示部と、
前記第1の表示部の上に積層される透過型の第2の表示部と、を備え、
前記第2のCPUは、前記第1の動作状態において、時刻情報を含む自機器の位置情報を取得するよう制御するとともに、取得した前記第1のタイミングでの前記計時手段により計測された時刻を記憶するよう前記記憶手段を制御し、前記第2の動作状態において、取得した前記第2のタイミングにおける前記自機器の位置情報を取得するよう制御
前記第1のCPUは、前記第2の動作状態において、前記第2のCPUにより取得された前記第1のタイミングでの前記自機器の位置情報に基づいて、前記第1の表示部に表示される地図に対してマーカーを付加するよう制御する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1のCPUは、前記第1の動作状態では停止状態又はスリープ状態にあることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1の表示部は、前記第1の動作状態では停止状態又はスリープ状態にあり、かつ前記第2の動作状態では表示状態にあり、
前記第2の表示部は、前記第1の動作状態及び前記第2の動作状態で表示状態にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1のCPUは、前記第2の動作状態において、前記第1の動作状態で前記記憶手段により記憶された前記第1のタイミングでの前記計時手段により計測された時刻と、前記第2のCPUにより取得された前記自機器の位置情報に含まれる時刻情報と、を照合することにより、前記地図に、前記第1のタイミングでの前記自機器の位置情報に基づくマーカーを付加することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1のCPU及び前記第2のCPUは、前記第1の表示部が停止状態にある第3の動作状態において作動し、
前記第1のCPUは、前記第1の動作状態で前記記憶手段により記憶された前記第1のタイミングでの前記計時手段により計測された時刻と、前記第2のCPUにより取得された前記自機器の位置情報に含まれる時刻情報と、を照合することを特徴とする請求項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第2のCPUは、ユーザの操作に基づいて、前記第1のタイミングと前記第2のタイミングを取得することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
第1の動作状態では作動せず、前記第1の動作状態とは異なる第2の動作状態では作動する第1のCPUと、
前記第1の動作状態及び前記第2の動作状態において作動し、前記第1の動作状態における第1のタイミングと、前記第2の動作状態における第2のタイミングと、を取得する第2のCPUと、
記憶手段と、
計時手段と、
第1の表示部と、
前記第1の表示部の上に積層される透過型の第2の表示部と、
を備えた電子機器が行う情報処理方法であって、
前記電子機器の前記第2のCPUは、前記第1の動作状態において、時刻情報を含む前記電子機器の位置情報を取得するよう制御するとともに、取得した前記第1のタイミングでの前記計時手段により計測された時刻を記憶するよう前記記憶手段を制御し、前記第2の動作状態において、取得した前記第2のタイミングにおける前記電子機器の位置情報を取得するよう制御
前記電子機器の前記第1のCPUは、前記第2の動作状態において、前記第2のCPUにより取得された前記第1のタイミングでの前記電子機器の位置情報に基づいて、前記第1の表示部に表示される地図に対してマーカーを付加するよう制御する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
第1の動作状態では作動せず、前記第1の動作状態とは異なる第2の動作状態では作動する第1のCPUと、
前記第1の動作状態及び前記第2の動作状態において作動し、前記第1の動作状態における第1のタイミングと、前記第2の動作状態における第2のタイミングと、を取得する第2のCPUと、
記憶手段と、
計時手段と、
第1の表示部と、
前記第1の表示部の上に積層される透過型の第2の表示部と、
を備えた電子機器の
前記第2のCPUに、前記第1の動作状態において、時刻情報を含む前記電子機器の位置情報を取得するよう制御するとともに、取得した前記第1のタイミングでの前記計時手段により計測された時刻を記憶するよう前記記憶手段を制御し、前記第2の動作状態において、取得した前記第2のタイミングにおける前記電子機器の位置情報を取得するよう制御する第2の制御機能を実現させ
前記第1のCPUに、前記第2の動作状態において、前記第2のCPUにより取得された前記第1のタイミングでの前記電子機器の位置情報に基づいて、前記第1の表示部に表示される地図に対してマーカーを付加するよう制御する第1の制御機能を実現させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機、スマートフォン、及びナビゲーション端末等の電子機器の分野において、位置情報を利用した製品やサービスが提供されている。例えば、特許文献1には、GPS(Global Positioning System)に準拠した受信機により、所定のタイミングで位置情報を取得し、取得した位置情報と、端末が備える時計回路部からの日時情報とを対応付けて記録する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-134066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、位置情報を記録するために、その都度、位置情報と時計回路部からの日時情報との対応付けを行うという制御は、消費電力の増大を招く。つまり、このような制御は、省電力化の観点から好ましくない。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、位置情報の記録に伴う電力消費を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の電子機器は、
第1の動作状態では作動せず、前記第1の動作状態とは異なる第2の動作状態では作動する第1のCPUと、
前記第1の動作状態及び前記第2の動作状態において作動し、前記第1の動作状態における第1のタイミングと、前記第2の動作状態における第2のタイミングと、を取得する第2のCPUと、
記憶手段と、
計時手段と、
第1の表示部と、
前記第1の表示部の上に積層される透過型の第2の表示部と、を備え、
前記第2のCPUは、前記第1の動作状態において、時刻情報を含む自機器の位置情報を取得するよう制御するとともに、取得した前記第1のタイミングでの前記計時手段により計測された時刻を記憶するよう前記記憶手段を制御し、前記第2の動作状態において、取得した前記第2のタイミングにおける前記自機器の位置情報を取得するよう制御
前記第1のCPUは、前記第2の動作状態において、前記第2のCPUにより取得された前記第1のタイミングでの前記自機器の位置情報に基づいて、前記第1の表示部に表示される地図に対してマーカーを付加するよう制御する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、位置情報の記録に伴う電力消費を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態である電子機器の概略図である。
図2】電子機器のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3A】電子機器の表示領域を示す模式図である。
図3B図3AにおけるX-X’断面を示す模式図である。
図4図2の電子機器の機能的構成のうち、マーカー付加処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
図5】マーカー付加処理によりマーカーが付加された地図表示の一例を示す模式図である。
図6図4の機能的構成を有する図1の電子機器が実行するマーカー付加処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
[外観構成]
図1は、本発明の一実施形態である電子機器1の外観構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の電子機器1は、腕時計型の装置(例えば、スマートウォッチ)として構成されている。また、電子機器1は、第1の表示部17及び第2の表示部28(詳細は共に後述)を備えており、第1の表示部17の上に第2の表示部28が積層された構成となっている。
【0010】
また、この第2の表示部28は、透過型の表示部であり、第1の表示部17の表示領域が視認可能になるような透過表示あるいは半透過表示を行うことができる。
このため、電子機器1においては、第1の表示部17の少なくとも一部を透過表示あるいは半透過表示とすることにより、第1の表示部17の表示と第2の表示部28の表示とを重ね合わせて表示することが可能となっている。
【0011】
[電子機器1の概略]
図1のような構成において、電子機器1は、マーカー付加処理を行う。ここで、マーカー付加処理とは、電子機器1の位置情報を取得し、取得した位置情報を示すマーカーを地図上に付加する一連の処理である。このマーカー付加処理では、2つの動作状態を切り替えることにより、位置情報の記録に伴う電力消費を抑制する。
【0012】
具体的に、電子機器1は、第1の動作状態では、マーカーを付加するタイミングとなった場合に、マーカーを付加することなく、このタイミングを示す時刻を記憶する。また、電子機器1は、第2の動作状態に遷移した場合に、第1の動作状態時に記憶したタイミングを示す時刻と、位置情報の履歴に含まれる時刻とを照合することにより、マーカーを付加するタイミングに対応する位置情報を特定する。そして、電子機器1は、この特定した位置情報を示すマーカーを地図上に付加する。これにより、その都度、位置情報とRTC部26(時計回路部)からの日時情報との対応付けを行う必要がなくなる。また、第1の動作状態において、マーカーを付加する機能を起動させる必要や、マーカーを付加するための操作画面等を表示する必要がなくなる。
従って、電子機器1によれば、位置情報の記録に伴う電力消費を抑制することができる、という効果を奏する。
【0013】
[ハードウェア構成]
図2は、電子機器1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、電子機器1は、第1のCPU(Central Processin Unit)11と、第1のROM(Read Only Memory)12と、第1のRAM(Random Access Memory)13と、第1の記憶部14と、ドライブ15と、第1の入力部16と、第1の表示部17と、第2のCPU21と、第2のROM22と、第2のRAM23と、第2の記憶部24と、センサ部25と、RTC(Real Time Clock)部26と、第2の入力部27と、第2の表示部28と、ブルートゥース(登録商標)アンテナ31と、ブルートゥースモジュール32と、無線LAN(Local Area Network)アンテナ33と、無線LANモジュール34と、GPSアンテナ41と、GPSモジュール42と、を備えている。
【0014】
電子機器1は、第1のCPU11と、第2のCPU21の制御によって機能する。
具体的に、第1のCPU11は、オペレーティングシステム(OS:Operating System)と、OSの管理下で実行される各種プログラムとに基づいて各種演算処理を行い、演算処理の結果に基づいた各種の処理を実行することにより、電子機器1におけるスマートフォンに類する機能を実現する。本実施形態において、第1のCPU11は、上述した第2の動作状態において、マーカー付加処理の一部として、マーカーを地図上に付加する処理等を行う。
【0015】
また、第1のCPU11は、ブルートゥースモジュール32あるいは無線LANモジュール34を介して受信した電子メールの着信や気象情報に関するメッセージ等を第1の表示部17に表示させたりする。また、第1のCPU11は、第1の入力部16を介して入力される音声を認識したり、その他、スマートフォンに類する機能として実装された各種機能に係る処理を行ったりする。本実施形態において、第1のCPU11は、例えば、Android(登録商標)等の汎用のOSに基づいて演算処理を行う。
【0016】
第2のCPU21は、組み込みプログラム等の、特定のプログラムに基づいて各種演算処理を行い、演算処理の結果に基づいた処理を実行することにより、第2の表示部28に対する表示の指示を行ったり、各種センサの検出結果を取得したり、その他、腕時計の機能として実装された各種機能に係る処理を行ったりする。本実施形態において、第2のCPU21は、上述した第1の動作状態において、マーカー付加処理の一部として、マーカーを付加するタイミングを取得し、このタイミングを示す時刻を記憶する処理等を行う。
【0017】
また、第2のCPU21は、RTC部26から入力された時刻信号を基準として、時刻を計算したり、時刻、曜日あるいは日付等を第2の表示部28に表示させたりする。また、第2のCPU21は、この計算した時刻、曜日あるいは日付等を第1のCPU11に通知したりする。なお、第2のCPU21は、時刻の計算において、GPSモジュール42から取得したGPS情報に含まれる時刻情報に基づいた時刻の補正を行うようにしてもよい。
【0018】
第2のCPU21が実行する特定のプログラムの処理(時刻の計算等)は、第1のCPU11が実行するOSの処理に比べて単純な動作であることから処理負荷が小さく、低消費電力で実行可能である。そのため、第2のCPU21に要求されるハードウェアのスペックは、第1のCPU11に比べて低いもので足りる。
従って、腕時計の機能や、上述したマーカー付加処理の第1の動作状態における処理のための機能のみが要求される際は、第2のCPU21を動作させる一方で、第1のCPU11の機能の大部分を停止させ、いわゆるスリープ状態とすることにより、電子機器1全体の消費電力を低減させることができる。従って、上述したように、電子機器1によれば、位置情報の記録に伴う電力消費を抑制することができる。これにより、電子機器1を、電子機器1内に内蔵するバッテリ(図示を省略する。)にて長時間駆動させることもできる。
【0019】
第1のROM12は、第1のCPU11からデータの読み出しが可能であり、第1のCPU11が実行する種々のプログラムや初期設定データを格納する。例えば、第1のROM12は、第1のCPU11が実行するOSのプログラムやOSの管理下で実行される各種プログラムと、マーカー付加処理を行うための機能を実現するためのプログラムとを格納する。
【0020】
第1のRAM13は、第1のCPU11からデータの読み出し及び書き込みが可能であり、第1のCPU11に作業用のメモリ空間を提供し、作業用の一時データを記憶する。例えば、第1のRAM13は、第1のCPU11がOS等を実行する際のシステム領域やワークエリアを提供したりする。
【0021】
第1の記憶部14は、第1のCPU11からデータの読み出し及び書き込みが可能な不揮発性のメモリであり、例えば、フラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)である。第1の記憶部14には、第1のCPU11にて制御にて実現されるスマートフォンに類する各種機能において生成された各種データ(各種設定内容のデータ等)が記憶される。
【0022】
ドライブ15には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア100が適宜装着される。リムーバブルメディア100は、第1のCPU11からデータの読み出し及び書き込みが可能であり、各種センサによって検出されたデータ等の各種データを記憶することができる。
【0023】
第1の入力部16は、各種ボタンで構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。また、第1の入力部16は、音声を電気信号に変換するマイクを更に備え、入力された音声(操作のための音声コマンド等)を示す信号を第1のCPU11に出力する。
第1の表示部17は、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Electro-Luminescence)によって構成され、第1のCPU11の制御に従って、各種情報を表示画面に表示する。
【0024】
ブルートゥースアンテナ31は、ブルートゥースの規格に基づく電磁波を送受信するアンテナであり、例えばモノポールアンテナ等によって構成される。ブルートゥースアンテナ31は、ブルートゥースモジュール32から入力された無線通信の電気信号を電磁波として送信したり、受信した電磁波を電気信号に変換してブルートゥースモジュール32に出力したりする。
ブルートゥースモジュール32は、第1のCPU11の指示に従って、ブルートゥースアンテナ31を介して他の装置に信号を送信する。また、ブルートゥースモジュール32は、他の装置から送信された信号を受信し、受信した信号が示す情報を第1のCPU11に出力する。
【0025】
無線LANアンテナ33は、無線LANモジュール34によって利用される無線通信に対応した周波数の電波を受信可能なアンテナであり、例えばループアンテナやロッドアンテナによって構成される。無線LANアンテナ33は、無線LANモジュール34から入力された無線通信の電気信号を電磁波として送信したり、受信した電磁波を電気信号に変換して無線LANモジュール34に出力したりする。
無線LANモジュール34は、第1のCPU11の指示に従って、無線LANアンテナ33を介して他の装置に信号を送信する。また、無線LANモジュール34は、他の装置から送信された信号を受信し、受信した信号が示す情報を第1のCPU11に出力する。
【0026】
第1のRAM13は、第1のCPU11からデータの読み出し及び書き込みが可能であり、第1のCPU11に作業用のメモリ空間を提供し、作業用の一時データを記憶する。例えば、第1のRAM13は、第1のCPU11がOS等を実行する際のシステム領域やワークエリアを提供したりする。
【0027】
第2のROM22は、第2のCPU21からデータの読み出しが可能であり、第2のCPU21が実行する特定のプログラムや初期設定データを格納する。例えば、第2のROM22は、腕時計の機能を実現する組み込み用プログラムと、マーカー付加処理を行うための機能を実現するためのプログラムとを格納する。
【0028】
第2のRAM23は、第2のCPU21からデータの読み出し及び書き込みが可能であり、第2のCPU21に作業用のメモリ空間を提供し、作業用の一時データを記憶する。例えば、第2のRAM23は、第2のCPU21が組み込みプログラム等を実行する際の記憶領域を提供したりする。
【0029】
第2の記憶部24は、第2のCPU21からデータの読み出し及び書き込みが可能な不揮発性のメモリであり、例えば、フラッシュメモリやEEPROMである。第2の記憶部24には、腕時計の機能等において生成された各種データ(各種設定内容のデータ等)が記憶される。
【0030】
センサ部25は、種々の情報を測定する複数のセンサの集合である。センサ部25は、例えば、脈拍センサ、地磁気センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、及び照度センサを含む。
脈拍センサは、電子機器1の裏面側(ユーザの腕に面する側)に設置され、電子機器1が装着されたユーザの脈拍を検出し、検出した脈拍を示す情報を第2のCPU21に出力する。
地磁気センサは、地磁気の方向を検出し、検出した地磁気の方向を示す情報を第2のCPU21に出力する。
【0031】
加速度センサは、電子機器1における3軸方向の加速度を検出し、検出した加速度を示す情報を第2のCPU21に出力する。
ジャイロセンサは、電子機器1における3軸方向の角速度を検出し、検出した角速度を示す情報を第2のCPU21に出力する。
照度センサは、例えば、第1の表示部17の裏面側の所定箇所や、電子機器1のベゼル部分の所定箇所等に設置され、電子機器1の表示領域における明るさ(照度)を検出し、検出した明るさを示す情報を第2のCPU21に出力する。
【0032】
第2のCPU21は、これら各種センサによって検出された情報を、必要に応じて第1のCPU11に対して出力する。第1のCPU11は、これら各種センサによって検出された情報を、例えばスマートフォンに類する機能により利用する。例えば、第1のCPU11は、照度センサが検出した明るさに基づいて、第1の表示部17の表示画面の輝度を調整する。
【0033】
RTC部26は、時刻を計測し、計測した時刻を示す時刻信号を第2のCPU21に対して出力する。
【0034】
第2の入力部27は、各種ボタンで構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。
【0035】
第2の表示部28は、部分的にまたは全体的に光を透過可能なPN(Polymer Network)液晶ディスプレイから構成され、第2のCPU21の制御に従って、各種情報を表示画面に表示(ここではセグメント表示)する。
【0036】
第2の表示部28と第1の表示部17の位置関係について、図3A及び図3Bを参照して説明をする。
図3Aは、電子機器1の表示領域における照度センサ29の設置形態を示す模式図である。また、図3Bは、図3AにおけるX-X’断面を示す模式図である。
【0037】
図3Aに示すように、第1の表示部17の表示領域と、第2の表示部28の表示領域は、重畳して配置される。
また、図3Bに示すように、電子機器1の表示領域は、表面側からカバーガラスCG、第2の表示部28、第1の表示部17、黒色シートBS、メイン基板MBの順に積層された断面構造を有している。これらのうち、黒色シートBSは、第2の表示部28及び第1の表示部17を透過して視認した場合の発色を調整する部材であり、本実施形態では、黒色が視認される構成となっている。また、メイン基板MBには、図2を参照して説明した各ハードウェアが配置されると共に、各ハードウェア間を接続する信号線が配設される。
【0038】
本実施形態において、第2の表示部28であるPN液晶ディスプレイは、図3Bに示すように、上述した第1の表示部17である有機ELディスプレイの表示画面上に積層されている。このPN液晶ディスプレイは、電位が掛けられていない部位では液晶分子が不規則に並び、光を反射するようになっている。つまり、この電位が掛けられていない部位において、PN液晶ディスプレイによる表示がなされることとなる。
【0039】
一方、電位が掛けられた部位では、液晶分子が表示画面に対して垂直に整列するので、光を透過可能となっている。つまり、この電位が掛けられた部位では、上述の有機ELディスプレイからの光を透過可能となるので、当該PN液晶ディスプレイを介して当該有機ELディスプレイによる表示を視認することができる。即ち、電子機器1の表示領域では、第1の表示部17による表示に第2の表示部28による表示を重ね合わせた状態で表示することができるようになっている。
【0040】
なお、図3Bに示すように、第1の表示部17及び第2の表示部28の表示方向は、各表示部からカバーガラスに向かう方向である。これは、図3Aにおける紙面の裏から表に向かう方向に相当する。
【0041】
図2に戻り、GPSアンテナ41は、GPSにおける衛星から発信される電波を受信して電気信号に変換し、変換した電気信号をGPSモジュール42に出力する。
GPSモジュール42は、GPSアンテナ41から入力された電気信号に基づいて、GPSによって示される電子機器1の現在位置(例えば、緯度、経度、及び高度により特定される現在位置)及びGPSによって示される現在時刻を検出する。以下では、このGPSによって示される、電子機器1の現在位置と現在時刻とを含んだ情報を「GPS情報」と称する。また、GPSモジュール42は、検出したGPS情報を第2のCPU21に出力する。
【0042】
[機能的構成]
次に、電子機器1の機能的構成について説明する。
図4は、図2の電子機器1の機能的構成のうち、マーカー付加処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
マーカー付加処理とは、上述したように、電子機器1の位置情報を取得し、取得した位置情報を示すマーカーを地図上に付加する一連の処理である。
【0043】
マーカー付加処理が実行される場合、図4に示すように、第1のCPU11において、第1のプログラム処理部111と、マーカー付加部112とが機能する。また、マーカー付加処理が実行される場合、図4に示すように、第2のCPU21において、第2のプログラム処理部211と、GPS情報取得部212と、タイミング取得部213とが機能する。
また、第2の記憶部24の一領域には、GPS情報241と、マーキング時刻情報242とが記憶される。
【0044】
[動作状態]
ここで、これら機能ブロックの動作の前提として、上述したように電子機器1は、「第1の動作状態」と「第2の動作状態」の何れかの動作状態で動作する。
第1の動作状態では、第2のCPU21は動作する一方で、第1のCPU11は停止状態(あるいは一部の機能のみを残して、他の機能を停止したスリープ状態)となる。従って、第1の動作状態では、第2のCPU21における各機能ブロック(第2のプログラム処理部211、GPS情報取得部212、及びタイミング取得部213)は機能するが、第1のCPU11における各機能ブロック(第1のプログラム処理部111、及びマーカー付加部112)は機能しない。また、第1の動作状態では、第1の表示部17も停止状態(あるいは一部の機能のみを残して、他の機能を停止したスリープ状態)となる。そのため、第1の動作状態では、第2の表示部28に時計を表示する処理を行うことができるとともに、第2の動作状態よりも電力消費を抑制することができる。
【0045】
一方で、第2の動作状態では、第2のCPU21と第1のCPU11の双方や、第1の表示部17が動作する。従って、第2の動作状態では、第2のCPU21における各機能ブロックと、1のCPU11における各機能ブロックとの双方が機能する。そのため、第2の動作状態では、スマートフォンに類する機能を実現する処理や、地図上にマーカーを付加する処理を行うことができる。
【0046】
電子機器1は、所定の遷移条件に基づいて、第1の動作状態から第2の動作状態へ遷移あるいは、第2の動作状態から第1の動作状態への遷移を行う。この所定の遷移条件は、電子機器1の用途等に応じて任意に設定することができる。例えば、電子機器1は、電源が投入されて起動した場合に、所定の遷移条件が満たされたと判定して、第1の動作状態へ遷移する。そして、電子機器1は、第2の表示部28に時計を表示する処理を行うことにより時計として機能する。
【0047】
また、電子機器1は、その後、例えば、第2の入力部27によりユーザから所定の操作を受け付けた場合や、所定の時刻となった場合や、センサ部25が所定の測定値を検出した場合等に、所定の遷移条件が満たされたと判定して、第2の動作状態へ遷移する。そして、スマートフォンに類する機能を実現することにより、スマートウォッチとして機能する。
【0048】
更に、電子機器1は、その後、例えば、第1の入力部16や第2の入力部27によりユーザから所定の操作を受け付けた場合や、所定時間ユーザからの一切の操作を受け付けなかった場合や、第2の動作状態になってから所定時間が経過した場合等に、所定の遷移条件が満たされたと判定して、再度第1の動作状態へ遷移する。
【0049】
電子機器1は、このようにして第1の動作状態と、第2の動作状態とを切り替えながら動作を継続する。また、電子機器1は、第1の動作状態及び第2の動作状態のそれぞれにおいて、以下に説明する各機能ブロックを機能させることにより、マーカー付加処理を実現する。
【0050】
[機能ブロック]
第1のプログラム処理部111は、第1のプログラムに基づいた各種演算処理を行い、演算処理の結果に基づいて各種ハードウェアを制御することにより、スマートフォンに類する機能を実現する。第1のプログラムは、上述した汎用のOSである。第1のプログラム処理部111は、第2の動作状態において、動作を継続する。
【0051】
マーカー付加部112は、マーカー付加処理において、地図上にマーカーを付加する。マーカー付加部112は、後述のタイミング取得部213から、マーカーを付加すべき位置を示すGPS情報を取得する。また、マーカー付加部112は、マーカーを付加する対象となる地図情報を、第1のROM12、第1の記憶部14、及びドライブ15に装着されたリムーバブルメディア100等から読み込むことにより取得する。あるいは、マーカー付加部112は、無線LANモジュール34等を介した通信により、サーバー等から地図情報を取得する。
そして、マーカー付加部112は、このようにして取得した地図情報により示される地図上の、タイミング取得部213から取得したGPS情報に対応する位置に対して、マーカーを付加する。
【0052】
この地図情報により示される地図の表現形式等に限定はなく、任意の表現形式の地図であってよい。例えば、平面で示される地図であってもよく、地形の高度の情報、環境の情報や、店舗や施設等の情報が付加されたものであってもよい。また、地図は、予め用意された画像データ及びテキストデータや、リアルタイムに生成されるCG(Computer Graphics)や、あるいはこれらの組み合わせによって表現される。また、これらに対する拡大や縮小等の画像処理を伴うようにして表現されてもよい。
更に、地図上に付加されるマーカーは、例えば、アイコンにより表現されるが、これ以外のデータによりマーカーを表現するようにしてもよい。
【0053】
マーカー付加部112は、マーカーを付加した地図を、第1の表示部17に表示する。ユーザは、この表示を参照することにより、マーカーが付加された位置を視覚的に把握することができる。なお、マーカー付加部112によりマーカーが付加された地図の表示例については、図5を参照して後述する。
【0054】
第2のプログラム処理部211は、第1のプログラムとは異なるプログラムに基づいた各種演算処理を行い、演算処理の結果に基づいて各種ハードウェアを制御することにより、腕時計の機能を実現する。第2のプログラムは、上述した組み込みプログラムである。第2のプログラム処理部211は、電子機器1の電源投入に伴い起動し、動作状態に関わらず動作を継続する。
【0055】
GPS情報取得部212は、GPSモジュール42が検出したGPS情報を、GPSモジュール42から取得する。そして、GPS情報取得部212は、取得したGPS情報を、GPS情報241として第2の記憶部24に記憶させる。GPSモジュール42によるGPS情報の検出、GPS情報取得部212によるGPS情報の取得、及び第2の記憶部24によるGPS情報241の記憶は、第1の動作状態及び第2の動作状態の双方において、所定の周期で継続的に行われる。すなわち、GPS情報241は、電子機器1の現在位置の履歴(ログ)となる。
【0056】
タイミング取得部213は、現在位置がマーカーを付加するべき位置であることを示す所定のタイミング(以下、「マーキングタイミング」と称する。)を取得する。また、以下の説明では、特に、第1の動作状態におけるマーキングタイミングを特定して呼ぶ場合には「第1のマーキングタイミング」と称する。また、特に、第2の動作状態におけるマーキングタイミングを特定して呼ぶ場合には「第2のマーキングタイミング」と称する。タイミング取得部213は、例えば、第2の入力部27によりユーザからマーキングタイミングを示す所定の操作(以下、「マーキング操作」と称する。)を受け付けた場合に、マーキングタイミングを取得する。以下の説明では、特に、第1の動作状態におけるマーキング操作を特定して呼ぶ場合には「第1のマーキング操作」と称する。また、特に、第2の動作状態におけるマーキング操作を特定して呼ぶ場合には「第2のマーキング操作」と称する。また、タイミング取得部213は、例えば、マーキングタイミングを示す所定の周期(以下、「マーキング周期」と称する。)が到来するとマーキングタイミングを取得する。なお、マーキング周期の長さは特に限定されず、任意の長さであってよい。例えば、マーキング周期の長さは10分であってもよい。
このマーキングタイミングの取得は、第1の動作状態及び第2の動作状態の双方において行われる。
【0057】
また、タイミング取得部213は、マーキングタイミングの取得後に、マーキングタイミングにおける電子機器1の現在位置を示すGPS情報を取得する。このGPS情報の取得のための処理は、第1の動作状態と、第2の動作状態とで異なる。
【0058】
具体的にタイミング取得部213は、第1の動作状態において、第1のマーキングタイミングを取得すると、この第1のマーキングタイミングを取得した時刻を示す時刻情報(以下、「マーキング時刻情報」と称する。)をRTC部26からの入力に基づいて取得する。そして、タイミング取得部213は、取得したマーキング時刻情報を、マーキング時刻情報242として第2の記憶部24に記憶させる。
【0059】
一方で、タイミング取得部213は、第2の動作状態において、第2のマーキングタイミングを取得すると、この第2のマーキングタイミングの時点でのGPS情報をマーカー付加部112に対して出力する。
また、タイミング取得部213は、第2の動作状態において、第2の記憶部24が記憶している、GPS情報241が示す時刻と、マーキング時刻情報242が示す時刻とを照合する処理も行う。そして、タイミング取得部213は、マーキング時刻情報242が示す時刻と、一致した時刻を示すGPS情報241を、第1のマーキングタイミングの時点でのGPS情報をマーカー付加部112に対して出力する。
【0060】
上述したマーカー付加部112は、このようにして、タイミング取得部213から出力されたGPS情報を取得し、地図上の、このGPS情報に対応する位置に対して、マーカーを付加する。
これにより、本実施形態では、第2の動作状態にてマーカー付加部112が機能すると、第1の動作状態での第1のマーキングタイミングのマーカーと、第2の動作状態での第2のマーキングタイミングのマーカーとの双方が、地図上に付加される。この場合に、第1の動作状態では、第1のCPU11や第1の表示部17を停止状態やスリープ状態とできることから、位置情報の記録に伴う電力消費を抑制することができる。
【0061】
[表示例]
マーカー付加部112により第1の表示部17に表示される、マーカーを付加した地図表示の一例の例について、図5を参照して説明をする。
図5に示すように、地図表示には、例えば、森53や、登山道54のような地図としての情報が含まれる。そして、マーカー付加部112は、上述したように、タイミング取得部213から出力されたGPS情報を取得し、地図上の、このGPS情報に対応する位置に対して、マーカーを付加する。例えば、電子機器1が第1の動作状態にある場合に、ユーザが、図中のマーカー52aに対応する位置で、第1のマーキング操作を行ったとする。この場合、タイミング取得部213は、第1のマーキングタイミングを取得し、マーキング時刻情報をRTC部26からの入力に基づいて取得する。
【0062】
そして、タイミング取得部213は、取得したマーキング時刻情報を、マーキング時刻情報242として第2の記憶部24に記憶させる。すなわち、タイミング取得部213は、ユーザが図中のマーカー52aに対応する位置を移動した時点での時刻情報を、マーキング時刻情報242として第2の記憶部24に記憶させる。
その後、電子機器1が第2の動作状態に遷移すると、タイミング取得部213は、上述した時刻を照合する処理を行う。これにより、タイミング取得部213は、図中のマーカー52aに対応するGPS情報を取得し、このGPS情報をマーカー付加部112に対して出力する。
【0063】
上述したマーカー付加部112は、このようにして、タイミング取得部213から出力されたGPS情報を取得し、地図上の、このGPS情報に対応する位置に対して、マーカーを付加する。これにより、図中のマーカー52aの表示は実現される。なお、ユーザが図中のマーカー52bに対応する位置を移動した場合に、例えば、マーキング周期が到来したとする。この場合にも、上述したマーカー52aと同様にして、図中のマーカー52bの表示が実現される。また、タイミング取得部213は、マーカー52aやマーカー52bに対応するGPS情報とは別途に、GPS情報241として記憶されている各GPS情報を、マーカー付加部112に対して通知するようにしてもよい。そして、マーカー付加部112が、この各GPS情報に基づいて、ユーザの移動経路を特定し、図中の移動経路51のような表示を更に行うようにしてもよい。
このような表示を参照することにより、ユーザは、マーカーが付加された位置を視覚的に把握することができる。
【0064】
[動作]
図6は、図4の機能的構成を有する図1の電子機器1が実行するマーカー付加処理の流れを説明するフローチャートである。
マーカー付加処理は、例えば、電子機器1への電源投入とともに開始される。
【0065】
ステップS11において、電子機器1は、第1の動作状態に遷移する。すなわち、第1のCPU11の第1のプログラム処理部111は、停止状態又はスリープ状態となり、第2のCPU21の第2のプログラム処理部211は、作動状態となり動作を開始する。
【0066】
ステップS12において、タイミング取得部213は、第1のマーキング操作を受け付けたか否かを判定する。第1のマーキング操作を受け付けた場合は、ステップS12においてYesと判定され、処理はステップS13に進む。一方で、第1のマーキング操作を受け付けていない場合は、ステップS12においてNoと判定され、処理はステップS14に進む。
【0067】
ステップS13において、タイミング取得部213は第1のマーキングタイミングにおける時刻情報であるマーキング時刻情報242を、第2の記憶部24に記憶させる。
ステップS14において、タイミング取得部213は、マーキング周期が到来したか否かを判定する。マーキング周期が到来した場合は、ステップS14においてYesと判定され、処理はステップS15に進む。一方で、マーキング周期が到来していない場合は、ステップS14においてNoと判定され、処理はステップS16に進む。
【0068】
ステップS15において、タイミング取得部213は第1のマーキングタイミングにおける時刻情報であるマーキング時刻情報242を、第2の記憶部24に記憶させる。
ステップS16において、第2のプログラム処理部211は、第2の動作状態に遷移するための遷移条件が満たされたか否かを判定する。遷移条件が満たされた場合は、ステップS16においてYesと判定され、処理はステップS17に進む。遷移条件が満たされていない場合は、ステップS16においてNoと判定され、処理は再度ステップS12から繰り返される。
【0069】
ステップS17において、電子機器1は、第2の動作状態に遷移する。すなわち、第1のCPU11の第1のプログラム処理部111は、作動状態となり動作を開始する。また、第2のCPU21の第2のプログラム処理部211は、作動状態のまま動作を継続する。
【0070】
ステップS18において、タイミング取得部213は、第2の記憶部24が記憶している、GPS情報241が示す時刻と、マーキング時刻情報242が示す時刻とを照合する処理を行う。タイミング取得部213は、マーキング時刻情報242が示す時刻と、一致した時刻を示すGPS情報241を、第1のマーキングタイミングの時点でのGPS情報をマーカー付加部112に対して出力する。
【0071】
ステップS19において、マーカー付加部112は、ステップS18にてタイミング取得部213から出力されたGPS情報を取得し、地図上の、このGPS情報に対応する位置に対して、マーカーを付加する。また、マーカー付加部112は、このマーカーが付加された地図を、第1の表示部17に表示する。
【0072】
ステップS20において、タイミング取得部213は、第2のマーキング操作を受け付けたか否かを判定する。第2のマーキング操作を受け付けた場合は、ステップS20においてYesと判定され、タイミング取得部213は、第2のマーキングタイミングの時点でのGPS情報をマーカー付加部112に対して出力し、処理はステップS21に進む。一方で、第2のマーキング操作を受け付けていない場合は、ステップS20においてNoと判定され、タイミング取得部213によるGPS情報の出力は行われることなく、処理はステップS22に進む。
【0073】
ステップS21において、マーカー付加部112は、ステップS20にてタイミング取得部213から出力されたGPS情報を取得し、地図上の、このGPS情報に対応する位置に対して、マーカーを付加する。また、マーカー付加部112は、このマーカーが付加された地図を、第1の表示部17に表示する。
【0074】
ステップS22において、タイミング取得部213は、マーキング周期が到来したか否かを判定する。マーキング周期が到来した場合は、ステップS22においてYesと判定され、タイミング取得部213は、第2のマーキングタイミングの時点でのGPS情報をマーカー付加部112に対して出力し、処理はステップS23に進む。一方で、マーキング周期が到来していない場合は、ステップS22においてNoと判定され、タイミング取得部213によるGPS情報の出力は行われることなく、処理はステップS24に進む。
【0075】
ステップS23において、マーカー付加部112は、ステップS22にてタイミング取得部213から出力されたGPS情報を取得し、地図上の、このGPS情報に対応する位置に対して、マーカーを付加する。また、マーカー付加部112は、このマーカーが付加された地図を、第1の表示部17に表示する。
【0076】
ステップS24において、第2のプログラム処理部211は、第1の動作状態に遷移するための遷移条件が満たされたか否かを判定する。遷移条件が満たされた場合は、ステップS24においてYesと判定され、処理は再度ステップS11に戻る。そして、ステップS11において、再度第1の動作状態に遷移する。すなわち、第1のCPU11の第1のプログラム処理部111は、停止状態又はスリープ状態となり動作を終了する。また、第2のCPU21の第2のプログラム処理部211は、作動状態のまま動作を継続する。一方で、遷移条件が満たされていない場合は、ステップS24においてNoと判定され、処理はステップS25に進む。
【0077】
ステップS25において、第2のプログラム処理部211は、マーカー付加処理の終了条件が満たされたか否かを判定する。ここで、マーカー付加処理の終了条件は任意に定めることができるが、例えば、ユーザから電源オフの操作を受け付けたことや、電子機器1を駆動させるためのバッテリの残量が所定量以下となったことを、マーカー付加処理の終了条件とすることができる。マーカー付加処理の終了条件が満たされない場合は、ステップS25においてNoと判定され、処理は再度ステップS20に戻る。一方で、マーカー付加処理の終了条件が満たされた場合は、ステップS25においてYesと判定され、マーカー付加処理は終了する。
【0078】
以上説明したマーカー付加処理により、電子機器1においては、第1の動作状態時には、その都度、位置情報とRTC部26(時計回路部)からの日時情報との対応付けを行う必要がなくなる。また、マーカーを付加する機能を起動させる必要や、マーカーを付加するための操作画面等を表示する必要がなくなる。従って、電子機器1によれば、位置情報の記録に伴う電力消費を抑制することができる。
【0079】
また、以上説明したマーカー付加処理により、ユーザの操作性を向上させることができる。この点、一般的な技術では、例えば、ランニング中に息の上がった地点のような、単に目印として残しておきたい場所にマーカーを付加する場合であっても、ユーザは、その都度、マーカーを付加するための操作画面を参照してマーカーの位置を指定する等の操作する必要があった。これに対して、以上説明したマーカー付加処理によれば、ユーザは、画面表示を参照しながらの煩雑な操作を要することなく、例えば、第2の入力部27を押下する等の簡便な操作でマーカーを付加することができる。
【0080】
[変形例]
次に、上述した実施形態を変形した、いくつかの変形例について説明する。ただし、以下に説明する変形例は、あくまで例示であり、本実施形態を適用可能な変形例を限定するものではない。
【0081】
[変形例1]
上述の実施形態では、電子機器1の位置を測位するためにGPSを用いていたが、これに限らず、他の全地球測位システムを利用して電子機器1の位置を測位するようにしてもよい。例えば、GLONASSや、Galileo等の全地球測位システムを利用して電子機器1の位置を測位するようにしてもよい。また、GPSを含んだ各全地球測位システムを用いる場合に、準天頂衛星システム(QZSS:Quasi-Zenith Satellite System)により測位位置の補正等を行うようにしてもよい。
【0082】
[変形例2]
電子機器1が、上述した実施形態とは異なるハードウェアを更に備えていてもよい。例えば、第2の表示部28の上に、タッチパネルを設けるようにしてもよい。これにより、電子機器1においては、第1の表示部17の表示に第2の表示部28の表示を重ね合わせて表示することが可能であると共に、表示内容にタッチ操作することが可能となる。
この場合、タッチパネルは、第2の表示部28の表示画面上に設けられた静電容量方式または抵抗膜式等のタッチパネルにより実現できる。このタッチパネルは、操作面に対するユーザのタッチ操作位置と操作内容とを検出して当該操作に応じた信号を発生させて、入力信号として第1のCPU11に出力する。
【0083】
[変形例3]
マーカー付加部112が付加するマーカーに複数の種類を設けるようにしてもよい。そして、例えば、マーキング操作が行われた場合に付加されるマーカーと、マーキング周期が到来した場合に付加されるマーカーとを異なる種類としてもよい。また、他にも、例えば、マーキング種類の操作に応じて、付加されるマーカーの種類を異ならせるようにしてもよい。例えば、第2の入力部27に含まれる第1のボタンを押下する操作と、第2の入力部27に含まれる第2のボタンを押下する操作と、各ボタンを長押しする操作と、でそれぞれ付加されるマーカーの種類を異ならせるようにしてもよい。
【0084】
[変形例4]
タイミング取得部213は、マーキング操作やマーキング周期の到来以外のタイミングで、マーキングタイミングを取得するようにしてもよい。例えば、ユーザが所定の動作を行ったことにより、センサ部25に含まれる何れかのセンサの測定値が、所定の値を超えたような場合にマーキングタイミングを取得するようにしてもよい。
【0085】
[変形例5]
上述の実施形態では、第1のCPU11が停止状態又はスリープ状態にある場合を、第1の動作状態としており、第1のCPU11が作動した状態を、第2の動作状態としていた。これに限らず、他の条件で、第1の動作状態と第2の動作状態とを切り分けるようにしてもよい。例えば、第1のCPU11が作動していてもマーカー付加部112が機能していない場合には、第1の状態とし、第1のCPU11が作動していて、且つ、マーカー付加部112が機能した場合には、第2の状態とするようにしてもよい。
【0086】
[変形例6]
上述の実施形態では、第2の動作状態となった場合に、タイミング取得部213が、GPS情報241とマーキング時刻情報242の照合を行っていた。これに限らず、例えば、タイミング取得部213は、GPS情報241とマーキング時刻情報242を全てマーカー付加部112に出力するようにし、マーカー付加部112において照合を行うようにしてもよい。
【0087】
[変形例7]
上述の実施形態では、第1の動作状態において第1のマーキングタイミングを取得した場合に、タイミング取得部213が、マーキング時刻情報242のみを第2の記憶部24に記憶させていた。これに限らず、第1の動作状態において第1のマーキングタイミングを取得した場合に、タイミング取得部213が、第1のマーキングタイミングにおけるGPS情報241を特定して、第2の記憶部24に記憶させるようにしてもよい。これにより、第2の動作状態になった場合に、照合を行う処理を省略することができる。
【0088】
[変形例8]
上述の実施形態では、図5に示すように、ステップS17において、第2の動作状態に遷移した場合に、ステップS18において、タイミング取得部213は、第2の記憶部24が記憶している、GPS情報241が示す時刻と、マーキング時刻情報242が示す時刻とを照合する処理を行っていた。すなわち、第2の動作状態において、時刻の照合処理を行っていた。これに限らず、他のタイミングで時刻の照合処理が行われてもよい。
例えば、第2の動作状態とは異なる第3の動作状態が存在する場合に、この第3の動作状態において、時刻の照合処理を行うようにしてもよい。第3の動作状態は、例えば、第1のCPU11は起動しているが、第1の表示部17による表示機能を停止している状態や、他にも例えば、ブルートゥースモジュール32や無線LANモジュール34による通信機能を停止している状態である。
また他にも、例えば、第1の動作状態において、所定の周期で、周期的に照合処理を行うようにしてもよい。このようにした場合であっても、その都度、照合処理を行う場合よりも、電力消費を抑制することができる。
【0089】
以上のように構成される電子機器1は、GPS情報取得部212と、タイミング取得部213と、第2の記憶部24と、RTC部26と、第1のCPU11及び第2のCPU21と、を備える。
GPS情報取得部212は、時刻情報を含む電子機器1の位置情報を取得する。
タイミング取得部213は、第1の動作状態における第1のタイミングと、第1の動作状態とは異なる第2の動作状態における第2のタイミングとを取得する。
第1のCPU11及び第2のCPU21は、第1の動作状態において、時刻情報を含む電子機器1の位置情報を取得するようGPS情報取得部212を制御するとともに、タイミング取得部213により取得された第1のタイミングでのRTC部26により計測された時刻を記憶するよう第2の記憶部24を制御し、第2の動作状態において、タイミング取得部213により取得された第2のタイミングにおける電子機器1の位置情報を取得するようGPS情報取得部212を制御する。
これにより、第1の動作状態時には、その都度、位置情報とRTC部26(時計回路部)からの日時情報との対応付けを行う必要がなくなる。また、マーカーを付加する機能を起動させる必要や、マーカーを付加するための操作画面等を表示する必要がなくなる。従って、電子機器1によれば、位置情報の記録に伴う電力消費を抑制することができる。
【0090】
第1のCPU11及び第2のCPU21は、第1の動作状態とは異なる動作状態において、第1の動作状態で第2の記憶部24により記憶された第1のタイミングでのRTC部26により計測された時刻と、GPS情報取得部212により取得された電子機器1の位置情報に含まれる時刻情報とを照合することにより、電子機器1の位置情報を取得する。
これにより、第1の動作状態とは異なる動作状態となった場合に、位置情報の記録を行うことができる。
【0091】
電子機器1は、マーカー付加部112を更に備える。
第2の動作状態において、第1のCPU11及び第2のCPU21により取得された電子機器1の位置情報に基づいて、第1の表示部17における表示に対してマーカーを付加する。
これにより、第2の動作状態時には、取得された電子機器1の位置情報に基づいて、マーカーを付加することができる。
【0092】
第1の動作状態は、電子機器1のオペレーティングシステムがオフの状態であり、
第2の動作状態は、電子機器1のオペレーティングシステムがオンの状態である。
これにより、第1の動作状態時には、オペレーティングシステムによる電力消費を抑制できる一方で、第2の動作状態時はオペレーティングシステムが必要な処理を実行することができる。
【0093】
第1の動作状態は、電子機器1の少なくとも第1の表示部17がオフの状態であり、
第2の動作状態は、電子機器1の少なくとも第1の表示部17がオンの状態である。
これにより、第1の動作状態時には、第1の表示部17による電力消費を抑制できる一方で、第2の動作状態時は第1の表示部17が必要な表示を行う。
【0094】
タイミング取得部213は、ユーザの操作に基づいて、第1のタイミングと第2のタイミングを取得する。
これにより、ユーザの所望のタイミングを、マーカーを付加すべきタイミングとすることができる。
【0095】
なお、本発明は、上述の実施形態及びその変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0096】
また、上述の実施形態及びその変形例では、本発明が適用される電子機器1は、腕時計型の装置(スマートウォッチ等)を例として説明したが、特にこれに限定されない。
例えば、本発明は、電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、据え置き型のパーソナルコンピュータ、ノート型のパーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話機、ポータブルゲーム機、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、複合機等に適用可能である。
【0097】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が電子機器1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図4の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
本実施形態及びその変形例における機能的構成は、演算処理を実行するプロセッサによって実現され、本実施形態及びその変形例に用いることが可能なプロセッサには、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるもの他、これら各種処理装置と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられたものを含む。
【0098】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0099】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図2のリムーバブルメディア100により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア100は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、または光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu-ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図2の第1のROM12及び第2のROM22や、図2の第1の記憶部14や第2の記憶部24に含まれる半導体メモリ等で構成される。
【0100】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0101】
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、この実施形態及びその変形例は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態及びその変形例を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。この実施形態及びその変形例や、その変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0102】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
電子機器において、
時刻情報を含む前記電子機器の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
第1の動作状態における第1のタイミングと、前記第1の動作状態とは異なる第2の動作状態における第2のタイミングとを取得するタイミング取得手段と、
記憶手段と、
計時手段と、
前記第1の動作状態において、前記時刻情報を含む前記電子機器の位置情報を取得するよう前記位置情報取得手段を制御するとともに、前記タイミング取得手段により取得された前記第1のタイミングでの前記計時手段により計測された時刻を記憶するよう前記記憶手段を制御し、前記第2の動作状態において、前記タイミング取得手段により取得された前記第2のタイミングにおける前記電子機器の位置情報を取得するよう前記位置情報取得手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
[付記2]
前記制御手段は、前記第1の動作状態とは異なる動作状態において、前記第1の動作状態で前記記憶手段により記憶された前記第1のタイミングでの前記計時手段により計測された時刻と、前記位置情報取得手段により取得された前記電子機器の位置情報に含まれる時刻情報とを照合することにより、前記電子機器の位置情報を取得することを特徴とする付記1に記載の電子機器。
[付記3]
前記第2の動作状態において、前記制御手段により取得された前記電子機器の位置情報に基づいて、表示手段における表示に対してマーカーを付加する付加手段を更に備えることを特徴とする付記1又は2に記載の電子機器。
[付記4]
前記第1の動作状態は、前記電子機器のオペレーティングシステムがオフの状態であり、
前記第2の動作状態は、前記電子機器のオペレーティングシステムがオンの状態であることを特徴とする付記1から3のいずれか一項に記載の電子機器。
[付記5]
前記第1の動作状態は、前記表示手段がオフの状態であり、
前記第2の動作状態は、前記表示手段がオンの状態であることを特徴とする付記1から3のいずれか一項に記載の電子機器。
[付記6]
前記タイミング取得手段は、ユーザの操作に基づいて、前記第1のタイミングと前記第2のタイミングを取得することを特徴とする付記1から4のいずれか一項に記載の電子機器。
[付記7]
時刻情報を含む電子機器の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
第1の動作状態における第1のタイミングと、前記第1の動作状態とは異なる第2の動作状態における第2のタイミングとを取得するタイミング取得手段と、
記憶手段と、
計時手段と、
を備えた前記電子機器が行う情報処理方法であって、
前記第1の動作状態において、前記時刻情報を含む前記電子機器の位置情報を取得するよう前記位置情報取得手段を制御するとともに、前記タイミング取得手段により取得された前記第1のタイミングでの前記計時手段により計測された時刻を記憶するよう前記記憶手段を制御し、前記第2の動作状態において、前記タイミング取得手段により取得された前記第2のタイミングにおける前記電子機器の位置情報を取得するよう前記位置情報取得手段を制御する制御ステップ、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
[付記8]
時刻情報を含む電子機器の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
第1の動作状態における第1のタイミングと、前記第1の動作状態とは異なる第2の動作状態における第2のタイミングを取得するタイミング取得手段と、
記憶手段と、
計時手段と、
を備えた前記電子機器に、
前記第1の動作状態において、前記時刻情報を含む前記電子機器の位置情報を取得するよう前記位置情報取得手段を制御するとともに、前記タイミング取得手段により取得された前記第1のタイミングでの前記計時手段により計測された時刻を記憶するよう前記記憶手段を制御し、前記第2の動作状態において、前記タイミング取得手段により取得された前記第2のタイミングにおける前記電子機器の位置情報を取得するよう前記位置情報取得手段を制御する制御機能、
を実現させることを特徴とする情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0103】
1・・・電子機器,11・・・第1のCPU,12・・・第1のROM,13・・・第1のRAM,14・・・第1の記憶部,15・・・ドライブ,16・・・第1の入力部,17・・・第1の表示部,21・・・第2のCPU,22・・・第2のROM,23・・第2のRAM,24・・・第2の記憶部,25・・・センサ部,26・・・RTC部,27・・・第2の入力部,28・・・第2の表示部,31・・・ブルートゥース用アンテナ,32・・・ブルートゥースモジュール,33・・・無線LANアンテナ,34・・・無線LANモジュール,41・・・GPSアンテナ,42・・・GPSモジュール,100・・・リムーバブルメディア,111・・・第1のプログラム処理部,112・・・マーカー付加部,211・・・第2のプログラム処理部,212・・・GPS情報取得部,213・・・タイミング取得部,241・・・GPS情報,242・・・マーキング時刻情報,CG・・・カバーガラス,BS・・・黒色シート,MB・・・メイン基板
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6