(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】現像装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20221213BHJP
G03G 15/09 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
G03G15/08 321B
G03G15/08 366
G03G15/09
(21)【出願番号】P 2018141240
(22)【出願日】2018-07-27
【審査請求日】2021-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】酒向 潔
(72)【発明者】
【氏名】國分 瑛梨子
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-197290(JP,A)
【文献】実開平03-043667(JP,U)
【文献】特開2009-145610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 15/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性キャリアを含む現像剤を撹拌しつつ搬送する撹拌搬送手段と、
前記撹拌搬送手段の搬送路において前記現像剤の濃度を検知する濃度検知手段と、
前記撹拌搬送手段に設けられ、前記濃度検知手段と対向する前記搬送路に両極性の磁極が露出して前記現像剤を磁力により吸着する吸着手段と、
を備え、
前記撹拌搬送手段は、前記濃度検知手段と対向する位置に
前記撹拌搬送手段の周方向に沿って搬送することで滞留させる平板状の滞留手段を有し、
前記吸着手段は、当該吸着手段の両極性の磁極のうち、一方の極性の磁極が形成された面の一部を覆うように前記滞留手段に接着されている現像装置。
【請求項2】
前記吸着手段は、前記撹拌搬送手段の軸方向に沿った両端部が前記滞留手段より内側に位置している
請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記滞留手段は、前記撹拌搬送手段の軸方向に沿った中央部が凹んだ凹部を有し、前記吸着手段は、前記滞留手段の凹部において前記両極性の磁極が前記搬送路に露出する
請求項1に記載の現像装置。
【請求項4】
前記滞留手段は、前記濃度検知手段の前記撹拌搬送手段の軸方向に沿った中心が、前記撹拌搬送手段の前記凹部内に位置するよう配置される
請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記滞留手段は、前記濃度検知手段の前記撹拌搬送手段の軸方向に沿った中心と、前記凹部の前記撹拌搬送手段の軸方向に沿った中心とが一致するよう配置される
請求項4に記載の現像装置。
【請求項6】
磁性キャリアを含む現像剤を撹拌しつつ搬送する撹拌搬送手段と、
前記撹拌搬送手段の搬送路において前記現像剤の濃度を検知する濃度検知手段と、
前記撹拌搬送手段に設けられ、前記濃度検知手段と対向する前記搬送路に両極性の磁極が露出して前記現像剤を磁力により吸着する吸着手段と、
を備え、
前記撹拌搬送手段は、その一部が前記吸着手段よりも前記撹拌搬送手段の半径方向に沿った外側に向けて突出した突出部を有し、
前記吸着手段は、
前記撹拌搬送手段の前記突出部に保持されている現像装置。
【請求項7】
前記突出部は、前記撹拌搬送手段の軸方向に沿った長さが前記吸着手段よりも短く設定されている
請求項6に記載の現像装置。
【請求項8】
静電潜像を保持する像保持手段と、
前記像保持手段の静電潜像を現像する現像手段と、
を備え、
前記現像手段として、
請求項1乃至7のいずれかに記載の現像装置を用いた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、現像装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現像装置には、撹拌搬送手段によって搬送される現像剤の濃度を検知する濃度検知手段を備えたものがある。かかる現像装置において、濃度検知手段による現像剤濃度の検知精度を向上させる技術としては、例えば、特許文献1乃至3等に開示されたものが既に提案されている。
【0003】
特許文献1は、トナー粒子と磁性粒子とを含有する現像剤の混合比を検出する磁気式トナー濃度センサと,軸回りの回転により前記磁気式トナー濃度センサの検出面上の現像剤を撹拌する撹拌手段と,前記撹拌手段とともに回転しつつ磁気ブラシ作用により前記磁気式トナー濃度センサの検出面を摺擦する清掃用磁石とを有する磁気式トナー濃度センサ付現像装置において,前記清掃用磁石による前記磁気式トナー濃度センサの磁化状態に起因する出力変動を抑制して混合比の検出を行うように構成したものである。
【0004】
特許文献2は、現像剤の密度変動による透磁率変動を抑制するため、非磁性トナー及び磁性キャリアを含む二成分の現像剤を撹拌しつつ搬送する撹拌搬送部材の第1パドル及び第2パドルの形状を工夫するように構成したものである。
【0005】
特許文献3は、現像剤に半径方向外方への搬送力を作用させない非作用部を有し、搬送部材の検出手段に対応した領域に現像剤を滞留させる滞留部材を備えるように構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平10-268623号公報
【文献】特開2017-116778号公報
【文献】特開2017-138505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の目的は、現像剤を磁力により吸着する吸着手段の一方の極性の磁極のみが濃度検知手段と対向する搬送路に露出する場合に比較して、現像剤濃度の検知精度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載された発明は、磁性キャリアを含む現像剤を撹拌しつつ搬送する撹拌搬送手段と、
前記撹拌搬送手段の搬送路において前記現像剤の濃度を検知する濃度検知手段と、
前記撹拌搬送手段に設けられ、前記濃度検知手段と対向する前記搬送路に両極性の磁極が露出して前記現像剤を磁力により吸着する吸着手段と、
を備え、
前記撹拌搬送手段は、前記濃度検知手段と対向する位置に前記撹拌搬送手段の周方向に沿って搬送することで滞留させる平板状の滞留手段を有し、
前記吸着手段は、当該吸着手段の両極性の磁極のうち、一方の極性の磁極が形成された面の一部を覆うように前記滞留手段に接着されている現像装置である。
【0010】
請求項2に記載された発明は、前記吸着手段は、前記撹拌搬送手段の軸方向に沿った両端部が前記滞留手段より内側に位置している請求項1に記載の現像装置である。
【0011】
請求項3に記載された発明は、前記滞留手段は、前記撹拌搬送手段の軸方向に沿った中央部が凹んだ凹部を有し、前記吸着手段は、前記滞留手段の凹部において前記両極性の磁極が前記搬送路に露出する請求項1に記載の現像装置である。
【0012】
請求項4に記載された発明は、前記滞留手段は、前記濃度検知手段の前記撹拌搬送手段の軸方向に沿った中心が、前記撹拌搬送手段の前記凹部内に位置するよう配置される請求項3に記載の現像装置である。
【0013】
請求項5に記載された発明は、前記滞留手段は、前記濃度検知手段の前記撹拌搬送手段の軸方向に沿った中心と、前記凹部の前記撹拌搬送手段の軸方向に沿った中心とが一致するよう配置される請求項4に記載の現像装置である。
【0014】
請求項6に記載された発明は、磁性キャリアを含む現像剤を撹拌しつつ搬送する撹拌搬送手段と、
前記撹拌搬送手段の搬送路において前記現像剤の濃度を検知する濃度検知手段と、
前記撹拌搬送手段に設けられ、前記濃度検知手段と対向する前記搬送路に両極性の磁極が露出して前記現像剤を磁力により吸着する吸着手段と、
を備え、
前記撹拌搬送手段は、その一部が前記吸着手段よりも前記撹拌搬送手段の半径方向に沿った外側に向けて突出した突出部を有し、
前記吸着手段は、前記撹拌搬送手段の前記突出部に保持されている現像装置である。
【0015】
請求項7に記載された発明は、前記突出部は、前記撹拌搬送手段の軸方向に沿った長さが前記吸着手段よりも短く設定されている請求項6に記載の現像装置である。
【0022】
請求項8に記載された発明は、静電潜像を保持する像保持手段と、
前記像保持手段の静電潜像を現像する現像手段と、
を備え、
前記現像手段として、請求項1乃至7のいずれかに記載の現像装置を用いた画像形成装置である。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載された発明によれば、現像剤を磁力により吸着する吸着手段の一方の極性の磁極のみが濃度検知手段と対向する搬送路に露出する場合に比較して、現像剤濃度の検知精度を向上させることができる。
請求項1に記載された発明によれば、吸着手段が、当該吸着手段の両極性の磁極のうち、一方の極性の磁極が形成された面の一部が滞留手段によって覆われているので、吸着手段に不要な現像剤が付着するのを回避することができる。
【0025】
請求項2に記載された発明によれば、吸着手段は、撹拌搬送手段の軸方向に沿った両端部が滞留手段より内側に位置していない場合に比較して、吸着手段の軸方向に沿った両端部に現像剤が付着することによる誤検知の発生を抑制することができる。
【0026】
請求項3に記載された発明によれば、吸着手段は、滞留手段の凹部において両極性の磁極を搬送路に露出させない場合に比較して、吸着手段が滞留手段から離脱するのを防止することができる。
【0027】
請求項4に記載された発明によれば、滞留手段は、濃度検知手段の撹拌搬送手段の軸方向に沿った中心が、撹拌搬送手段の凹部内に位置しない場合に比較して、現像剤濃度の検知精度を向上させることができる。
【0028】
請求項5に記載された発明によれば、滞留手段は、濃度検知手段の撹拌搬送手段の軸方向に沿った中心と、凹部の撹拌搬送手段の軸方向に沿った中心とが一致しない場合に比較して、現像剤濃度の検知精度を更に向上させることができる。
【0029】
請求項6に記載された発明によれば、吸着手段は、滞留手段の突出部に保持されていない場合に比較して、吸着手段の撹拌搬送手段の半径方向に沿った外側の端部を滞留手段の突出部によって確実に保持することができる。
【0030】
請求項7に記載された発明によれば、突出部は、撹拌搬送手段の軸方向に沿った長さが吸着手段よりも長く設定されている場合に比較して、吸着手段に多くの現像剤を吸着させることができる。
【0037】
請求項8に記載された発明によれば、現像手段として、請求項1乃至7のいずれかに記載の現像装置を用いない場合に比較して、現像剤濃度の検知精度を向上させることができ、現像剤濃度の検知精度が低いことに起因して不具合が発生するのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】この発明の実施の形態1に係る現像装置を適用した画像形成装置を示す概略構成図である。
【
図2】この発明の実施の形態1に係る画像形成装置のプロセスカートリッジを示す構成図である。
【
図3】この発明の実施の形態1に係る現像装置を示す断面構成図である。
【
図4】この発明の実施の形態1に係る現像装置を示す断面構成図である。
【
図9】この発明の実施の形態1に係る現像装置の要部を示す拡大断面図である。
【
図10】比較例に係る現像装置の要部を示す構成図である。
【
図11】実験例1及び比較例1,2の結果を示すグラフである。
【
図12】従来の現像装置の要部を示す断面構成図である。
【
図15】この発明の実施の形態1に係る現像装置の変形例の要部を示す構成図である。
【
図16】この発明の実施の形態2に係る現像装置の要部を示す構成図である。
【
図17】この発明の
参考実施の形態1に係る現像装置の要部を示す構成図である。
【
図18】この発明の
参考実施の形態2に係る現像装置の要部を示す斜視構成図である。
【
図19】この発明の
参考実施の形態3に係る現像装置の要部を示す構成図である。
【
図20】この発明の
参考実施の形態4に係る現像装置の要部を示す斜視構成図である。
【
図21】この発明の
参考実施の形態5に係る現像装置の要部を示す斜視構成図である。
【
図22】この発明の
参考実施の形態6に係る現像装置の要部を示す斜視構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0040】
[実施の形態1]
図1及び
図2は、実施の形態1に係る現像装置を適用した画像形成装置を示すものである。
図1はその画像形成装置の全体の概略を示し、
図2はその画像形成装置における要部(画像形成ユニット)を拡大して示している。なお、図中、矢印Xは水平方向に沿った奥行方向を、Yは鉛直方向を、Zは水平方向に沿った幅方向をそれぞれ示している。
【0041】
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばモノクロプリンタとして構成されたものである。この画像形成装置1は、
図1に示されるように、現像剤を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する作像装置10と、作像装置10の転写位置に供給すべき所要の記録用紙5を収容して供給する給紙装置20と、給紙装置20から供給された記録用紙5を図中に一点鎖線で示す搬送経路に沿って搬送する搬送装置30と、作像装置10で転写された記録用紙5上のトナー像を定着させる定着装置40等を備えている。
【0042】
作像装置10は、像保持手段の一例としての回転する感光体ドラム11を備えている。この感光体ドラム11の周囲には、次のような画像形成手段の一例としての各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光体ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置12と、感光体ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある静電潜像を形成する露光装置13と、その静電潜像をブラック色の現像剤のトナーで現像してトナー像にする現像装置14と、そのトナー像を記録用紙5に転写する転写装置15と、転写後における感光体ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を取り除いて清掃するドラム清掃装置16等である。
【0043】
感光体ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光体ドラム11は、図示しない駆動装置から動力が伝達されて矢印Aで示す方向に回転するよう支持されている。
【0044】
帯電装置12は、感光体ドラム11に接触した状態で配置される接触型の帯電ロールで構成される。帯電装置12には帯電用電圧が供給される。帯電用電圧としては、現像装置14が反転現像を行うものである場合、現像装置14から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧又は電流が供給される。帯電ロール12の背面側には、帯電ロール12の表面を清掃する清掃ロール121が接触するように配置されている。なお、帯電装置12としては、感光体ドラム11の表面に非接触状態で配置されるスコロトロン等の非接触型の帯電装置を用いてもよい。
【0045】
露光装置13は、感光体ドラム11の軸方向に沿って配列された複数の発光素子としてのLED(Light Emitting Diode)により感光体ドラム11に画像情報に応じた光を照射して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなる。なお、露光装置13としては、画像情報に応じて構成されるレーザー光を感光体ドラム11の軸方向に沿って偏向走査するものを用いても良い。
【0046】
現像装置14は、
図2に示されるように、開口部と現像剤4の収容室が形成された装置ハウジング140の内部に、現像剤4を保持して感光体ドラム11と向き合う現像領域まで搬送する現像ロール141と、現像剤4を攪拌しながら現像ロール141を通過させるよう搬送する2つのスクリューオーガー等の攪拌供給部材142及び撹拌搬送部材143と、現像ロール141に保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材144などを配置して構成したものである。この現像装置14には、現像ロール141と感光体ドラム11の間に現像バイアス電圧が図示しない電源装置から供給される。現像剤4としては、例えば、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。なお、現像装置14の構成については、後に詳述する。
【0047】
転写装置15は、
図1に示されるように、画像形成時に感光体ドラム11の周囲に記録用紙5を介して接触し回転するとともに転写用電圧が供給される転写ロールを備えた接触型の転写装置である。転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
【0048】
ドラム清掃装置16は、
図2に示されるように、一部が開口する容器状の本体160と、一次転写後の感光体ドラム11の周面に所要の圧力で接触するように配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板161と、清掃板161で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収容器に送り出すよう搬送するスクリューオーガー等の送出部材162等で構成されている。清掃板161としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
【0049】
定着装置40は、
図1に示されるように、記録用紙5の導入口及び排出口が形成された筐体43の内部に、矢印で示す方向に回転するとともに表面温度が所定の温度に保持されるよう加熱手段によって加熱されるロール形態又はベルト形態の加熱用回転体41と、この加熱用回転体41の軸方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して回転するベルト形態又はロール形態の加圧用回転体42などを配置して構成されたものである。この定着装置40では、加熱用回転体41と加圧用回転体42が接触する接触部が所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着処理部(ニップ部)Nとなる。
【0050】
給紙装置20は、作像装置10の鉛直方向Yに沿った下方側の位置に存在するよう配置される。この給紙装置20は、所望のサイズ、種類等の記録用紙5を積載板21上に積載した状態で収容する単数(又は複数)の用紙収容体22と、用紙収容体22から記録用紙5を1枚ずつ送り出す送出装置23とで主に構成される。給紙装置20は、用紙収容体22の前面に設けられた把持部24を手で把持して引き出すことにより画像形成装置1の装置本体1aに対して着脱可能となっている。
【0051】
記録用紙5としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙やトレーシングペーパー等の薄紙、あるいはOHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録用紙5の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等の坪量が相対的に大きい所謂厚紙なども好適に使用することができる。
【0052】
給紙装置20と転写装置15との間には、
図1に示されるように、給紙装置20から送り出される記録用紙5を転写位置Tまで搬送する複数(又は単数)の用紙搬送ロール対31a,31bや図示しない搬送ガイドで構成される給紙搬送路32が、装置本体1aの正面の鉛直方向Yに沿った上方に向かい、途中から装置本体1aの内部に水平方向Xへ向けて湾曲した形状に設けられている。給紙搬送路32において転写位置の直前の位置に配置される用紙搬送ロール対31bは、例えば記録用紙5の搬送時期を調整するロール(レジストロール)として構成されている。また、転写装置15から定着装置40までは、転写装置15から送り出される転写後の記録用紙5を定着装置40へと搬送するため用紙搬送路33が水平方向Xに沿って設けられている。
【0053】
また、定着装置40の斜め上部には、1つの搬送ロールが共通に構成された2組の搬送ロール対34,35のうち、一方の搬送ロール対34を介して記録用紙5を用紙排出部36へと搬送して排出する排出搬送路37が設けられている。用紙排出部36は、装置本体1aの上端面に傾斜した状態で設けられている。
【0054】
排出搬送路37の出口37aには、記録用紙5を排出すると共に表裏を反転させる排出ロール対37bが配置されている。排出ロール対37bは、その回転方向が正転方向と逆転方向に切替可能となっている。
【0055】
また、排出ロール対37bの手前には、記録用紙5の搬送方向を切り替える図示しない切替ゲートが設けられている。記録用紙5の両面に画像を形成する場合には、記録用紙5の搬送方向が図示しない切替ゲートによって排出搬送路37から両面搬送路38へと切り替えられる。このとき、排出ロール対37bは、排出方向に搬送される記録用紙5の後端が図示しない切替ゲートを通過した後、回転方向が正転方向(排出方向)から逆転方向へ切り替わる。排出ロール対37bによって逆転方向に搬送される記録用紙5は、図示しない切替ゲートによって搬送経路が鉛直方向Yの下方に切り替えられ、他方の搬送ロール対35を介して画像形成装置1の装置本体1aの背面に沿って鉛直方向Yから水平方向Xに沿うよう湾曲して形成された両面搬送路38へと搬送される。両面搬送路38は、表裏を反転させた状態で記録用紙5を用紙搬送ロール対31bへと搬送する用紙搬送ロール対39a,39bや図示しない搬送ガイド等を備えている。
【0056】
現像装置14の背面側の上部には、
図1に示されるように、当該現像装置14に供給する少なくともトナーを含む現像剤を収容した現像剤収容手段の一例としてのトナーカートリッジ145が配置されている。トナーカートリッジ145の下方には、
図2に示されるように、当該トナーカートリッジ145のトナー供給口145aからトナーを現像装置14へ供給するトナー供給装置146が設けられている。
【0057】
また、
図1中符号200は、画像形成装置1の動作を統括的に制御する制御装置を示している。制御装置200は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、あるいはこれらCPUやROM等を接続するバス、通信インターフェイスなどを備えている。
【0058】
<プロセスカートリッジ>
この実施の形態では、
図2に示されるように、露光装置13及び転写装置15を除いた作像装置10が、画像形成装置1の装置本体1aに対して着脱可能な画像形成ユニットの一例としてのプロセスカートリッジ300を構成している。プロセスカートリッジ300は、感光体ドラム11と、帯電装置12と、現像装置14と、トナーカートリッジ145と、清掃装置16が一体的に装着されたカートリッジ本体301を備えている。カートリッジ本体301の一側には、トナーカートリッジ145を単独で着脱可能に収容する凹形状の収容部302が設けられている。
【0059】
なお、露光装置13は、
図1に示されるように、プロセスカートリッジ300を装置本体1aに対して着脱する際に開閉されるフロントカバー101の開閉動作に連動して破線で示した退避位置へと移動可能に構成されている。
【0060】
<画像形成装置の基本的な動作>
以下、画像形成装置1による基本的な画像形成動作について説明する。
【0061】
画像形成装置1は、制御装置200によって制御され、装置本体1aに装着された図示しない操作パネル、あるいは図示しないユーザインターフェイスやプリンタドライバ等からモノクロの画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、作像装置10、給紙装置20、搬送装置30及び定着装置40等が始動する。
【0062】
そして、作像装置10においては、
図1に示されるように、まず感光体ドラム11が矢印Aで示す方向に回転し、帯電装置12が感光体ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位に帯電させる。続いて、露光装置13が、帯電後の感光体ドラム11の表面に対し、画像形成装置1に入力される画像の情報に基づいて発光される光を照射し、その表面に所要の電位差で構成される静電潜像を形成する。
【0063】
続いて、現像装置14が、感光体ドラム11に形成された静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電されたブラック色のトナーを現像ロール141から供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、感光体ドラム11に形成された静電潜像は、ブラック色のトナーで現像されたトナー像として顕像化される。プロセスカートリッジ300の現像装置14には、所要のタイミングでトナーカートリッジ145からトナー供給装置146を介してトナーが供給される。
【0064】
続いて、感光体ドラム11上に形成されたトナー像が転写位置まで搬送されると、転写装置15が、そのトナー像を記録用紙5に対して転写させる。
【0065】
また、転写が終了した作像装置10では、ドラム清掃装置16が付着物を掻き取るように除去して感光体ドラム11の表面を清掃する。これにより、作像装置10は、次の作像動作が可能な状態にされる。
【0066】
給紙装置20は、作像動作に合わせて所要の記録用紙5を給紙搬送路32に送り出す。給紙搬送路32では、レジストロールとしての用紙搬送ロール対31bが記録用紙5を転写時期に合わせて転写位置Tに送り出して供給する。
【0067】
続いて、トナー像が転写された記録用紙5は、用紙搬送路33を介して定着装置40まで搬送される。定着装置40では、回転する加熱用回転体41と加圧用回転体42との間の定着処理部Nに転写後の記録用紙5を導入して通過させることにより、必要な定着処理(加熱及び加圧)を施して未定着のトナー像を記録用紙5に定着させる。定着が終了した後の記録用紙5は、その片面への画像の形成を行うだけの画像形成動作のときは、排出搬送路37に沿って排出ロール対37bにより装置本体1aの上端部に設けられた用紙排出部36へ排出される。
【0068】
また、記録用紙5の両面に画像を形成する場合は、片面に画像が形成された記録用紙5を図示しない切替ゲートによって排出ロール対37bへと搬送し、排出ロール対37bによって記録用紙5が一旦排出方向に搬送される。その後、排出ロール対37bが記録用紙5の後端を挟持したままの状態で当該排出ロール対37bの回転方向を逆転させ、記録用紙5の表裏を反転させた後に図示しない切替ゲートにより両面搬送路38を介して再度転写装置15へと搬送し、記録用紙5の裏面にトナー像を転写する。裏面にトナー像が転写された記録用紙5は、用紙搬送路33を介して定着装置40へ搬送され、定着装置40により定着処理(加熱及び加圧)を施され、排出ロール対37bにより用紙排出部36へ排出される。
【0069】
以上の動作により、モノクロ画像が片面又は表裏両面に形成された記録用紙5が出力される。
【0070】
<現像装置の構成>
この実施の形態1に係る現像装置14は、いわゆる二成分現像方式を採用している。現像装置14は、
図3に示されるように、感光体ドラム11と対向する領域に開口部140aを有する現像装置本体の一例としての装置ハウジング140を備えている。装置ハウジング140の開口部140aには、現像剤保持手段の一例としての現像ロール141が配置されている。現像ロール141は、内部に固定した状態で配置され、周方向に沿った所要の位置に所要の極性の磁極が着磁された円柱形状又は円筒形状のマグネットロール141aと、マグネットロール141aの外周に回転可能に配置され、マグネットロール141aの磁力により吸着された現像剤4を周方向に沿って感光体ドラム11と対向する現像領域を通過するよう搬送する円筒形状の現像スリーブ141bとから構成されている。
【0071】
装置ハウジング140は、
図3及び
図4に示されるように、現像ロール141の斜め下方に隣接した部位に現像剤4が収容される第一現像剤収容部148と、この第一現像剤収容部148と斜めに傾斜した仕切壁149を介して重力方向に沿った斜め上方に隣接して配置される第二現像剤収容部150とを備えている。第一及び第二現像剤収容部148,150は、その断面形状の下半部が円筒形状に形成されている。第二現像剤収容部150は、その軸方向に沿った両端部において連通口151,152を介して第一現像剤収容部148と連通している。
【0072】
第一及び第二現像剤収容部148,150には、二成分の現像剤4がそれぞれ収容されている。第一現像剤収容部148には、
図4に示されるように、現像剤4を予め定められた軸方向(例えば、
図4中、右側から左側)に搬送する螺旋状の第一現像剤撹拌搬送手段の一例としての撹拌供給部材142が配置されている。撹拌供給部材142は、
図5に示されるように、合成樹脂を用いた射出成形等により、円柱形状や円筒形状の回転軸142aと、回転軸142aの外周に一体に形成された螺旋状の2条の搬送羽根142bを有して回転可能に形成された、いわゆるスクリューオーガーである。搬送羽根142bは、回転軸142aの外周に位相を180度異ならせて2条にわたり設けられており、現像剤4の撹拌搬送性を向上させている。撹拌供給部材142は、トナーの撹拌混合機能に加えて現像剤4を現像ロール141へ供給する供給機能を担ったサプライオーガーである。撹拌供給部材142の搬送方向に沿った下流側の端部には、当該撹拌供給部材142によって搬送された現像剤4を逆方向に搬送して撹拌搬送部材143へと受け渡す逆搬送羽根142cが軸方向に沿って短く設けられている。また、撹拌供給部材142の回転軸142aは、搬送方向に沿った上流側の端部142a’の外径が他の部分に比較して小さく小径に形成されている。その結果、撹拌供給部材142は、回転軸142aの上流側の端部142a’外周に空間が形成されており、撹拌搬送部材143からの現像剤4の受け渡し性を向上させている。
【0073】
また、第二現像剤収容部150には、
図4に示されるように、現像剤4を予め定められた軸方向(例えば、
図4中、左側から右側)に搬送する螺旋状の第二現像剤撹拌搬送手段の一例としての撹拌搬送部材143が配置されている。撹拌搬送部材143は、
図6に示されるように、合成樹脂を用いた射出成形等により、円柱形状や円筒形状の回転軸143aと、回転軸143aの外周に一体に形成された螺旋状の2条の搬送羽根143bを有して回転可能に形成された、いわゆるスクリューオーガーである。搬送羽根143bは、回転軸143aの外周に位相を180度異ならせて2条にわたり設けられており、現像剤4の搬送性を向上させている。撹拌搬送部材143は、搬送羽根143bのピッチが撹拌供給部材142より僅かに大きく設定されている。また、搬送羽根143bには、当該搬送羽根143bの一部を切り欠いた切欠き部143b’、及び搬送羽根143bの外径を他の部分に比較して小さく設定した小径部143b”が設けられている。切欠き部143b’は、撹拌搬送部材143の搬送羽根143bの小径部143b”にも形成されている。撹拌搬送部材143は、搬送羽根143bに切欠き部143b’及び小径部143b”を設けることで、軸方向のみならず周方向への搬送羽根143bを越えた現像剤4の交差した移動を可能とすることで現像剤4の撹拌混合能力を増大させている。撹拌搬送部材143は、第二現像剤収容部150に収容された現像剤4と補給されたトナーを撹拌混合することを主眼としたアドミックスオーガーである。
【0074】
撹拌搬送部材143の搬送方向に沿った下流側の端部には、当該撹拌搬送部材143によって搬送された現像剤4を逆方向に搬送して撹拌供給部材142へと受け渡す逆搬送羽根143cが設けられている。また、撹拌搬送部材143の搬送方向に沿った上流側の端部には、斜め下方に位置する撹拌供給部材142から連通口151を介して受け渡される現像剤4を掬い挙げるための断面十字形状の掬い上げ部143dが形成されている。
【0075】
第一及び第二現像剤収容部148,150は、連通口151,152を介して現像剤4が循環する現像剤搬送路を形成している。第一及び第二現像剤収容部148,150に収容された現像剤4は、一対のスパイラル状の撹拌供給部材142及び撹拌搬送部材143により現像剤搬送路内を撹拌混合されながら循環搬送されるようになっている。
【0076】
第二現像剤収容部150の現像剤4の搬送方向に沿った上流側の端部近傍には、
図4に示されるように、トナーカートリッジ145から供給されるトナーを補給するトナー補給口153が斜め上方に向けて開口されている。また、第二現像剤収容部150の現像剤4の搬送方向に沿った中央より下流側には、現像剤4中のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段の一例としてのトナー濃度センサ154が配置されている。トナー濃度センサ154は、
図3に示されるように、第二現像剤収容部150を形成する装置ハウジング140の外壁に接触するよう配置されている。トナー濃度センサ154としては、例えば、現像剤4中のトナー濃度の変化に伴う現像剤4の透磁率の変化を利用して現像剤4中のトナー濃度を検出するものが用いられる。トナー濃度センサ154は、現像剤4中のトナー濃度に応じて出力信号の周波数や電圧が変化する。トナー濃度センサ154としては、現像剤4中のトナー濃度を検出可能なものであれば、任意の方式のものを採用することができる。
【0077】
トナーカートリッジ145のトナー供給口145aからは、
図7に示されるように、トナー供給装置146を介して現像装置14の装置ハウジング140の内部にトナーが供給される。トナー供給装置146は、両端が閉塞された円筒形状に形成された供給装置本体146aを備えている。供給装置本体146aの内部には、トナーカートリッジ145から供給されるトナーを現像装置14の装置ハウジング140のトナー補給口153へと搬送する螺旋状の搬送羽根を有する搬送部材146bが回転可能に配置されている。
【0078】
ところで、この実施の形態1に係る現像装置14の撹拌搬送部材143は、
図4及び
図6に示されるように、トナー濃度センサ154と対向する位置に現像剤4を撹拌搬送部材143の周方向に沿って搬送することで一時的に滞留させる平板状の滞留手段の一例としてのパドル部材160を備えている。パドル部材160は、
図6(b)に示されるように、撹拌搬送部材143の搬送羽根143bのうち、切欠き部143b’及び小径部143b”が設けられた位置に対応して配置されている。図示の実施の形態では、撹拌搬送部材143の搬送方向に沿った下流側の小径部143b”がパドル部材160に到達するように設けられている。しかし、搬送羽根143bには、同図(c)に示されるように、小径部143b”をパドル部材160から離間した位置で切り欠いた切欠き部143b’を設けるよう構成しても良い。また、パドル部材160は、撹拌搬送部材143の回転方向に沿った上流側の側面においても、同様に、小径部143b”をパドル部材160から離間した位置で切り欠いた切欠き部143b’を設けるよう構成しても良い。
【0079】
パドル部材160は、
図8に拡大して示されるように、平面矩形状の平板として形成されている。パドル部材160は、撹拌搬送部材143の回転軸143aの外周に半径方向外方に向けて一体的に設けられている。パドル部材160の突出高さH1は、撹拌搬送部材143の螺旋羽根143bの外径と等しい値に設定可能である。ただし、パドル部材160の突出高さH1は、必ずしも撹拌搬送部材143の螺旋羽根143bの外径と等しい値である必要はなく、現像剤搬送路の内周面に接触しない程度であれば、螺旋羽根143bの外周径より大きくても逆に小さくても良い。パドル部材160の撹拌搬送部材143の軸方向に沿った長さL1は、トナー濃度センサ154の検出部154aの長さより長く設定されている。
【0080】
パドル部材160には、その外周端に向けて開口され正面矩形状に切り欠いた凹所161が設けられている。その結果、パドル部材160は、撹拌搬送部材143の軸方向に沿った両端部に位置する2つの垂直板部160a,160bと、2つの垂直板部160a,160bを一体的に連結する水平板部160cとに区画されている。凹所161は、パドル部材160の撹拌搬送部材143の軸方向に沿った中央部に配置されている。凹所161の高さH2は、例えば、パドル部材160の突出高さH1の1/2程度に設定可能である。また、凹所161の撹拌搬送部材143の軸方向に沿った長さL2は、トナー濃度センサ154の検出部154aの長さと同程度又は検出部154aより長く設定可能である。
【0081】
パドル部材160には、その回転方向に沿った下流側の側面160aに、吸着手段の一例として正面矩形の平板状の永久磁石(マグネット)170が図示しない両面テープを用いた粘着や接着剤を用いた接着等の手段により固定した状態で保持されている。永久磁石170は、一方の表面がS極及び他方の表面がN極にそれぞれ着磁された平板状の磁石である。永久磁石170の高さH3は、例えば、パドル部材160の突出高さH1より低く、凹所161の下端部より高く設定可能である。永久磁石170は、凹所161を除いた領域にてパドル部材160の表面に図示しない両面テープにより粘着又は接着されている。
この実施の形態では、パドル部材160に凹所161を設けることにより、パドル部材160の凹所161を除いたすべての領域で永久磁石170を保持することができ、永久磁石170の保持面を増加させることができ、パドル部材160と永久磁石170との固定力を増加させることができる。また、永久磁石170が現像剤から受ける押圧力がパドル部材160に作用し、永久磁石170がパドル部材160から分離するのを防止することができる。
【0082】
永久磁石170は、軸方向に沿った中心位置がパドル部材160の凹所161の中心位置と一致するよう配置されている。また、永久磁石170は、軸方向に沿った中心位置がトナー濃度センサ154の検出部154aの軸方向に沿った中心位置と一致している。
【0083】
永久磁石170の上端部は、
図8(a)に示されるように、その表裏両面がパドル部材160の凹所161から外部に露出している。更に付言すると、永久磁石170は、パドル部材160の凹部161において、S極とN極の両極性の磁極が第二現像剤収容部150からなる現像剤搬送路に露出している。その結果、現像剤搬送路に存在する現像剤4は、永久磁石170の表裏両面のS極とN極の間に形成される磁力線に沿って吸着されて磁気ブラシを形成する。永久磁石170に吸着された現像剤4の磁気ブラシは、パドル部材160の半径方向に沿った外方に突出している。現像剤4の磁気ブラシがパドル部材160の半径方向に沿った外方に突出する程度は、現像剤4の磁気ブラシの外周端が第二現像剤収容部150の内周面に接触しても良いが、必ずしも第二現像剤収容部150の内周面に接触しなくとも良い。
【0084】
<現像装置の動作>
この実施の形態に係る現像装置14では、次のようにして、現像剤4を磁力により吸着する吸着手段の一方の極性の磁極のみが濃度検知手段と対向する搬送路に露出する場合に比較して、現像剤濃度の検知精度を向上させるようになっている。
【0085】
現像装置14は、
図3に示されるように、感光体ドラム11の表面に形成された静電潜像を現像ロール141の表面に保持された現像剤4により現像することで、装置ハウジング140内に収容された現像剤4中のトナーが徐々に消費される。現像装置14では、装置ハウジング140内の現像剤4のトナー濃度が、第二現像剤収容部150の外部に装着されたトナー濃度センサ154により検出される。
【0086】
制御装置200は、トナー濃度センサ154の検出結果に基づいて、所要のタイミングでトナー供給装置146を駆動させ、トナーカートリッジ145から現像装置14の装置ハウジング140の内部にトナー補給口153を介してトナーを供給する。装置ハウジング140の内部に供給されたトナーは、
図4に示されるように、第二現像剤収容部150に配置された撹拌搬送部材143によって軸方向に沿った下流側へと搬送される。その間、装置ハウジング140の内部に供給されたトナーは、第二現像剤収容部150内に既に存在する現像剤4と撹拌されるとともに、トナーが現像剤4中の磁性キャリアと摺摩されることで摩擦帯電される。
【0087】
撹拌搬送部材143によって軸方向に沿った下流側に搬送された現像剤4は、その搬送方向に沿った下流側に設けられたパドル部材160の位置へと到達する。パドル部材160は、
図8に示されるように、撹拌搬送部材143の回転軸143aの外周に半径方向外方へ向けた平板状に形成されている。そのため、パドル部材160の位置に到達した現像剤4は、当該パドル部材160の回転動作に伴って周方向に搬送される。と同時に、パドル部材160に対応した装置ハウジング140の外部に配置されたトナー濃度センサ154によって現像剤4中のトナー濃度が検出される。
【0088】
ところで、パドル部材160の表面には、
図8に示されるように、平板状の永久磁石170が設けられている。そのため、パドル部材160の近傍に存在する現像剤4は、永久磁石170に磁力により吸着される。
【0089】
その際、パドル部材160には、その先端側に凹所161が形成されており、永久磁石170の先端部は、S極及びN極の両極性の磁極が凹所161を介して第二現像剤収容部150の内周面からなる現像剤搬送路に露出している。永久磁石170に吸着された現像剤4は、
図9に示されるように、永久磁石170の表裏両面に露出したS極及びN極の磁極間に形成される磁力線に沿った磁気ブラシ4aを形成する。現像剤4の磁気ブラシ4aは、パドル部材160の半径方向外方に向けて現像剤搬送路に突出した状態となる。
【0090】
パドル部材160と第二現像剤収容部150の内周面との間に存在する現像剤4は、撹拌搬送部材143と共に回転するパドル部材160の永久磁石170に付着した現像剤4の磁気ブラシ4aによって摺擦されて周方向に沿って移動する。そのため、パドル部材160と第二現像剤収容部150の内周面との間に存在する現像剤4は、新たな現像剤4と入れ替えられることとなる。
【0091】
よって、トナー濃度センサ154では、通常の現像動作時は勿論のこと、トナーの補給動作が実行された場合等であっても、パドル部材160と第二現像剤収容部150の内周面との間の間隙を含む領域に供給される現像剤4の濃度が検出される。
【0092】
実験例1及び比較例1,2
本発明者は、
図3に示されるような現像装置14を試作し、装置ハウジング140内の現像剤4のトナー濃度を変化させてトナー濃度センサ154により検出する実験を常温常湿である実験室環境下において行った。なお、現像装置14は、撹拌搬送部材143の回転速度を、大別して高速であるHiと中速であるMidと低速であるLowの3種類に設定し、且つ3種類の速度を普通紙用の全速と厚紙用の低速に切り替え可能とし、最も速い回転速度である高速であるHiの全速と、最も遅い回転速度である低速であるLowの半速とにおいて動作させた。
【0093】
実験例1は、
図8(a)に示されるように、撹拌搬送部材143のパドル部材160に永久磁石170を設けるとともに、パドル部材160に凹所161を形成して永久磁石170の先端部が第二現像剤収容部150からなる現像剤搬送路に露出するように構成した現像装置14を用いて行った。
【0094】
また、比較例1は、
図10(a)に示されるように、撹拌搬送部材143のパドル部材160に永久磁石170を設けたが、パドル部材160に凹所161を形成せず永久磁石170の一方の極性の磁極のみが現像剤搬送路に露出し、他方の極性の磁極はパドル部材160によって閉塞されるように構成した現像装置14を用いた。
【0095】
さらに、比較例2は、
図10(b)に示されるように、撹拌搬送部材143のパドル部材160に永久磁石170を設けず、パドル部材160のみを配置した現像装置14を用いた。
【0096】
図11は、上記実験例1及び比較例1,2の結果を示すグラフである。
【0097】
この
図11から明らかなように、実験例1の場合には、トナー濃度が上昇するに従ってトナー濃度センサ154からの出力値が直線状に増加しており、トナー濃度を精度良く検出できることが判った。なお、撹拌搬送部材143の回転速度がHiの全速とLowの半速とにおいて、同じトナー濃度であってもトナー濃度センサ154の出力値が異なるのは、撹拌搬送部材143の回転速度に応じてトナー濃度センサ154の検出領域に単位時間当たりに搬送される現像剤4の量が異なるためである。
【0098】
また、比較例1の場合には、トナー濃度が約3%から8%の領域においてはトナー濃度が上昇するに従って、トナー濃度センサ154の出力値が略直線状に増加しているが、トナー濃度が10%以上に達すると、トナー濃度センサ154の出力値が上昇する勾配が低下してしまい、トナー濃度の高濃度領域においてトナー濃度を精度良く検出することができないことが判った。
【0099】
その理由としては、
図10(c)に示されるように、撹拌搬送部材143のパドル部材160に永久磁石170が設けられているが、永久磁石170の一方の極性の磁極のみが現像剤搬送路に露出した状態であり、永久磁石170に吸着される現像剤4の磁気ブラシ4aがパドル部材160の外周端を越えることがない。そのため、撹拌搬送部材143の外周と第二現像剤収容部150からなる現像剤搬送路の内周面との間には、
図12に示されるように、現像剤4が滞留して殆ど移動しない所謂デッドスペースSが存在することとなる。その結果、現像剤4中のトナー濃度が変化しても、デッドスペースSに存在する現像剤4の影響により、トナー濃度を精度良く検出することができないためであると考えられる。
【0100】
さらに、比較例2の場合には、トナー濃度が約6%から8%の領域にわたってはトナー濃度が高くなるに従って、トナー濃度センサ154の出力値の上昇がみられるが、トナー濃度が10%以上に達すると、トナー濃度センサ154の出力値が殆ど変化せず、トナー濃度を精度良く検出することができないことが判った。その理由としては、上述したように、撹拌搬送部材143にパドル部材160を設けたのみでは、撹拌搬送部材143の外周と第二現像剤収容部150からなる現像剤搬送路の内周面との間に存在する現像剤4のデッドスペースSを解消することができないことが挙げられる。
【0101】
実験例2
次に、本発明者は、
図3に示されるような現像装置14を試作し、装置ハウジング140内の現像剤4の濃度をトナー濃度センサ154によって検出する実験を行った。実験例2は、環境外乱の影響をみるため、現像装置14を常温常湿である実験室環境及び高温高湿環境下において動作させてトナー濃度を検出する実験を行った。
【0102】
【0103】
この
図13から明らかなように、実験例2では、常温常湿である実験室環境Lab及び高温高湿環境Az下のいずれにおいても、トナー濃度の上昇に伴ってトナー濃度センサ154の出力値が略直線状に増加しており、環境変動にかかわらずトナー濃度を精度良く検出することができることが判る。
【0104】
実験例3
次に、本発明者は、
図3に示されるような現像装置14を試作し、装置ハウジング140内の現像剤4の濃度をトナー濃度センサ154によって検出する実験を行った。実験例3は、永久磁石170の形状及び永久磁石170の取付位置に公差が存在する場合に、トナー濃度センサ154の出力がどのように変動するかを確認するものである。
【0105】
具体的には、実験例3-1は、永久磁石170の形状が許容値の中心となる値であり、且つ永久磁石170の取付位置が許容位置の中心となる位置である場合、実験例3-2は、永久磁石170の形状が許容値の下限となる値であり、且つ永久磁石170の取付位置が目標位置の下限となる位置である場合をそれぞれ示している。
【0106】
【0107】
この
図14から明らかなように、実験例3では、永久磁石170の形状が許容値の中心となる値であり、且つ永久磁石170の取付位置が許容位置の中心となる位置である場合は勿論のこと、永久磁石170の形状が許容値の下限となる値であり、且つ永久磁石170の取付位置が目標位置の下限となる位置である場合においても、同様に、トナー濃度の上昇に伴ってトナー濃度センサ154の出力値が略直線状に増加しており、永久磁石170の取付位置及び形状の変動にかかわらずトナー濃度を精度良く検出することができることが判る。
【0108】
このように、上記実施の形態1に係る現像装置14では、現像剤4を磁力により吸着する吸着手段の一方の極性の磁極のみが濃度検知手段と対向する搬送路に露出する場合に比較して、トナー濃度センサ154による現像剤濃度の検知精度を向上させることができる。
【0109】
また、この実施の形態1では、永久磁石170の撹拌搬送部材143の軸方向に沿った長さL3がパドル部材160の長さL1より短く設定されている。これに対して、永久磁石170の撹拌搬送部材143の軸方向に沿った長さL3がパドル部材160の長さL1と同じであると、デッドスペースSの現像剤4を掻き取るのに不要な現像剤4までが、永久磁石170の撹拌搬送部材143の軸方向に沿った両端部に付着することになり、滞留する現像剤4の量が増加して誤検知が発生し得る。そこで、永久磁石170の撹拌搬送部材143の軸方向に沿った長さL3がパドル部材160の長さL1より短く設定することにより、永久磁石170の撹拌搬送部材143の軸方向に沿った両端部に付着することによる誤検知の発生を抑制することができる。
【0110】
変形例
図15はこの発明の実施の形態1に係る現像装置の変形例を示す構成図である。
【0111】
この変形例では、
図15に示されるように、パドル部材160に設けられた凹所が撹拌搬送部材143の回転軸143aの表面に達するように構成されている。その結果、パドル部材160は、撹拌搬送部材143の軸方向に沿った2つの垂直板部160a,160bに分割されている。永久磁石170は、パドル部材160の2つの垂直板部160a,160bにそれぞれ両面テープ等により固定した状態で保持されている。
【0112】
この変形例では、永久磁石170の全域が現像剤搬送路に露出しているため、実施の形態1に比較して、現像剤4の磁気ブラシ4aを良好に形成することができ、撹拌搬送部材143の外周と第二現像剤収容部150からなる現像剤搬送路の内周面との間に存在する現像剤4のデッドスペースSをより確実に解消することができる。
【0113】
[実施の形態2]
図16は、実施の形態2に係る現像装置の要部を示す構成図である。この実施の形態2では、滞留手段は、吸着手段よりも撹拌搬送手段の半径方向に沿った外側に向けて突出した突出部を有し、突出部は、撹拌搬送手段の軸方向に沿った長さが吸着手段よりも短く設定されている。
【0114】
すなわち、この実施の形態2に係る現像装置14では、
図16に示されるように、パドル部材160に凹所161を設けるのではなく、パドル部材160を半径方向外方へ突出した突出部の一例としての垂直板部160aと、垂直板部160aと交差する方向に垂直板部160aより低く設けられた水平板部160cとから正面略L字形状に形成し、永久磁石170の上部がパドル部材160の水平板部160cから突出するように構成したものである。
【0115】
永久磁石170は、パドル部材160の垂直板部160aと水平板部160cに両面テープ等により固定されている。垂直板部160aは、撹拌搬送手段143の軸方向に沿った長さが永久磁石170よりも短く設定されている。
【0116】
この実施の形態2では、永久磁石170がパドル部材160から突出した突出領域を撹拌搬送手段143の軸方向に沿って大きくとることができ、現像剤4の磁気ブラシ4aを撹拌搬送手段143の軸方向に沿って長い領域にわたり形成することができる。
【0117】
なお、パドル部材160には、
図16(b)に示されるように、水平板部160cを省略して、垂直板部160aのみから構成しても良い。
【0118】
[
参考実施の形態1]
図17は、
参考実施の形態1に係る現像装置を示す構成図である。この
参考実施の形態1では、吸着手段は、滞留手段に弾性変形可能に設けられた係止片によって係止されるように構成されている。
【0119】
この参考実施の形態1に係る現像装置は、パドル部材160の正面形状が実施の形態1と同様に、パドル部材160の先端側に凹所161を有する形状に形成されている。ただし、永久磁石170は、パドル部材160の表面に両面テープ等により固定されるのではなく、パドル部材160の先端に弾性変形可能に設けられた係止片162によって係止されるように構成されている。
【0120】
パドル部材160の両端部に位置する垂直板部160a,160bには、
図17(b)に示されるように、永久磁石170側に向けて断面略三角形の爪状に突出した係止片162が一体的に設けられている。パドル部材160は、垂直板部160a,160bを弾性変形させて係止片162によって永久磁石170の上端を係止することにより固定した状態で保持するよう構成されている。
【0121】
この参考実施の形態1の場合には、両面テープ等が不要となり、永久磁石170の固定が容易に行える。
【0122】
[
参考実施の形態2]
図18は、
参考実施の形態2に係る現像装置を示す構成図である。この
参考実施の形態2では、吸着手段が、撹拌搬送手段の搬送羽根自体から構成されている。
【0123】
すなわち、この
参考実施の形態2に係る現像装置の撹拌搬送部材143は、
図18に示されるように、トナー濃度センサ154の検出部154aに対応した位置に配置される搬送羽根143b’”が磁性材料により形成されている。磁性材料からなる搬送羽根143b’”は、その表裏両面がそれぞれS極及びN極に着磁されて永久磁石170を構成している。搬送羽根143b’”は、接着等の手段により撹拌搬送部材143の回転軸143aに固定した状態で設けられている。
【0124】
この参考実施の形態2では、撹拌搬送部材143の搬送羽根143bの一部143b’”が永久磁石170からなるため、撹拌搬送部材143により搬送される現像剤4は、搬送羽根の一部143b’”を構成する永久磁石170に磁力により吸着されて磁気ブラシを形成する。
【0125】
この参考実施の形態2では、永久磁石170を容易に設けることができ、しかもパドル部材160を設ける必要がない。
【0126】
[
参考実施の形態3]
図19は、
参考実施の形態3に係る現像装置を示す構成図である。この
参考実施の形態3では、吸着手段は、滞留手段の表裏両面を挟持するように設けられている。
【0127】
すなわち、この
参考実施の形態3に係る現像装置14は、
図19に示されるように、パドル部材160が実施の形態1に比較して高さが低い平板状に形成されている。このパドル部材160には、当該パドル部材160を挟持するように永久磁石170が取り付けられている。永久磁石170は、パドル部材160より厚い平板状に形成されている。永久磁石170の下端面には、パドル部材160に嵌め合われる凹溝171が設けられている。永久磁石170は、凹溝171にパドル部材160を嵌め合されることで撹拌搬送部材143に固定される。永久磁石170を固定する際には、必要に応じて接着剤等を用いても勿論良い。
【0128】
この参考実施の形態3では、永久磁石170の両極性の磁極を搬送路に確実に露出させることができる。
【0129】
なお、永久磁石170は、必ずしも1つの部材から構成する必要はなく、
図19(d)に示されるように、断面平板状の第1部材170aと断面略L字形状の第2部材170bとからなる2つの部材に分割して構成しても良い。
【0130】
[
参考実施の形態4]
図20は、
参考実施の形態4に係る現像装置を示す構成図である。
参考実施の形態4では、吸着手段は、撹拌搬送手段の軸方向に沿った複数の搬送羽根にそれぞれ設けられた切欠部に挿入された状態で設けられている。
【0131】
すなわち、この
参考実施の形態4に係る現像装置は、
図20に示されるように、撹拌搬送部材143の搬送羽根143bに平板状の永久磁石170を嵌め合わせる切欠き部172が設けられている。切欠き部172は、撹拌搬送部材143の回転軸143aの外周に2条にわたり形成される搬送羽根143bのうち、隣接する同一条の搬送羽根143bに形成されている。また、隣接する同一条の搬送羽根143bの間に位置する他の1条の搬送羽根143bには、永久磁石170を挿通するための切欠部143b’が設けられている。
【0132】
永久磁石170は、隣接する同一条の搬送羽根143bに形成された切欠き部172に嵌め合わされた状態で固定されている。
【0133】
この参考実施の形態4では、永久磁石170が滞留手段としての機能を兼ねることができる。
【0134】
[
参考実施の形態5]
図21は、
参考実施の形態5に係る現像装置を示す構成図である。
参考実施の形態5は、吸着手段は、撹拌搬送手段の軸部に設けられた凹部に挿入された状態で設けられている。
【0135】
すなわち、この
参考実施の形態5に係る現像装置14は、
図21に示されるように、撹拌搬送部材143の回転軸143aに軸方向に沿って凹溝173が形成されており、当該凹溝173に平板状の永久磁石170が嵌め込まれて固定されている。
【0136】
この参考実施の形態5では、撹拌搬送歩合143の搬送羽根143bのピッチと無関係に永久磁石170を設けることができる。
【0137】
[
参考実施の形態6]
図22は、
参考実施の形態6に係る現像装置を示す構成図である。
参考実施の形態6は、吸着手段が、撹拌搬送手段の軸方向に沿った複数の搬送羽根に掛け渡された状態で設けられている。
【0138】
すなわち、この
参考実施の形態6に係る現像装置14は、
図22に示されるように、撹拌搬送部材143の搬送羽根143bの外周端に細長い平板状の永久磁石を装着するための切欠き部174が形成されている。切欠き部174は、撹拌搬送部材143の回転軸143aの外周に2条にわたり形成される搬送羽根143bのうち、隣接する同一条の搬送羽根143bの外周端に周方向に沿って形成されている。
【0139】
永久磁石170は、その両端が搬送羽根143bの切欠き部174に嵌め合わされた状態で固定して設けられている。その際、永久磁石170は、必要に応じて搬送羽根143bの切欠き部174に接着剤により固定される。
【0140】
永久磁石170は、
図22(c)に示されるように、その外周側の表面に長手方向に沿ってS極及びN極が交互に着磁されており、隣接するS極とN極との間に磁力線が形成される。
【0141】
この参考実施の形態6に係る現像装置14では、永久磁石170が隣接する同一条の搬送羽根143bの間に掛け渡した状態で設けられているため、永久磁石170が現像剤4の搬送性に与える影響を軽減しつつ、現像剤4の磁気ブラシ4aを確実に形成することが可能となる。
【0142】
なお、前記実施の形態では、ブラック(K)の作像装置10のみからなるモノクロの画像形成装置の現像装置について説明したが、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)を有するフルカラーの画像形成装置の現像装置についても同様に適用することができることは勿論である。
【0143】
また、前記実施の形態では、吸着手段として永久磁石を用いた場合について説明したが、吸着手段としては永久磁石に限定されるものではなく、撹拌搬送部材を介して通電する必要性はあるが、電磁石を用いても良い。
【符号の説明】
【0144】
1…画像形成装置
1a…装置本体
10…作像装置
11…感光体ドラム
14…現像装置
140…装置ハウジング
142…撹拌供給部材
142a…回転軸
142b…搬送羽根
143…撹拌搬送部材
143a…回転軸
143b…搬送羽根
160…パドル部材
161…凹所
170…永久磁石