(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】介護支援装置、介護支援方法、介護支援プログラム及び介護支援システム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20221213BHJP
G06Q 50/22 20180101ALI20221213BHJP
【FI】
G16H20/00
G06Q50/22
(21)【出願番号】P 2018163827
(22)【出願日】2018-08-31
【審査請求日】2021-05-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 直明
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-162053(JP,A)
【文献】特開2000-132561(JP,A)
【文献】特開2017-187884(JP,A)
【文献】特開2017-204248(JP,A)
【文献】特開2016-177323(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0226607(US,A1)
【文献】国際公開第2017/212995(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
介護サービスを実施する介護者が有する情報処理端末と通信する第1通信部と、
介護サービスを受ける被介護者から定期的に検出されたバイタルデータを受信する第2通信部と、
前記介護者が実施する介護サービスごとのスケジュールを示す介護スケジュールデータと、前記第2通信部により受信した前記バイタルデータとを記憶する記憶部と、
前記第1通信部が前記介護者が有する情報処理端末から被介護者への介護サービスを完了した旨の通知を受信すると、
当該通知を受信した時刻を当該介護サービスの完了時刻として、前記記憶部に記憶されている前記バイタルデータの中から、当該介護サービスを受けた当該被介護者から
前記完了時刻の所定時間前から前記完了時刻の所定時間後までの間に検出されたバイタルデータのうちの少なくとも前記完了時刻後に検出されたバイタルデータを収集し、前記記憶部に記憶されている介護スケジュールデータのうち、完了した当該介護サービスを示す1つの介護スケジュールデータに、収集した当該バイタルデータを紐付けるトラッキング部と
を備える
ことを特徴とする介護支援装置。
【請求項2】
前記トラッキング部は、
前記第1通信部が前記介護者が有する情報処理端末から被介護者への介護サービスを完了した旨の通知を受信すると、当該通知を受信した時刻を当該介護サービスの完了時刻として、前記記憶部に記憶されている前記バイタルデータの中から、当該介護サービスを受けた当該被介護者から前記完了時刻の所定時間前から前記完了時刻の所定時間後までの間に検出された全てのバイタルデータを収集する
ことを特徴とする請求項1に記載の介護支援装置。
【請求項3】
前記第1通信部と前記第2通信部とを制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶されている前記介護スケジュールデータの中から、前記情報処理端末を有する介護者が担当する介護サービスを示す介護スケジュールデータを抽出して、前記第1通信部により当該介護者が有する前記情報処理端末に送信する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の介護支援装置。
【請求項4】
前記第1通信部と前記第2通信部は、異なる通信方式で通信する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の介護支援装置。
【請求項5】
前記第1通信部は、前記第2通信部を兼ねている
ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の介護支援装置。
【請求項6】
前記第2通信部は、920Mhz帯マルチホップ無線により通信する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の介護支援装置。
【請求項7】
前記記憶部に記憶されている前記介護スケジュールデータと前記バイタルデータとを、サーバにアップロードする第3通信部を
備えることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の介護支援装置。
【請求項8】
前記第2通信部により受信された前記バイタルデータを監視する監視部を備え、
前記制御部は、
前記監視部により異常な値を示すバイタルデータが検出されると、当該バイタルデータが検出された被介護者を確認する介護サービスを示す介護スケジュールデータを生成して、当該介護スケジュールデータを、前記第1通信部により当該被介護者を担当する介護者の前記情報処理端末に送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の介護支援装置。
【請求項9】
前記バイタルデータは、
呼吸、脈拍、体動のうちの少なくとも1つを示すデータである
ことを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の介護支援装置。
【請求項10】
第2通信部が、介護サービスを受ける被介護者から定期的に検出されたバイタルデータを受信し、
介護者が実施する介護サービスごとのスケジュールを示す介護スケジュールデータを記憶する記憶部が、前記第2通信部によって受信された前記バイタルデータを記憶し、
前記介護者が有する情報処理端末と通信する第1通信部が、当該情報処理端末から被介護者への介護サービスを完了した旨の通知を受信すると、トラッキング部が、
当該通知を受信した時刻を当該介護サービスの完了時刻として、前記記憶部に記憶されている前記バイタルデータの中から、当該介護サービスを受けた当該被介護者から
前記完了時刻の所定時間前から前記完了時刻の所定時間後までの間に検出されたバイタルデータのうちの少なくとも前記完了時刻後に検出されたバイタルデータを収集し、前記記憶部に記憶されている介護スケジュールデータのうち、完了した当該介護サービスを示す1つの介護スケジュールデータに、収集した当該バイタルデータを紐付ける
ことを特徴とする介護支援方法。
【請求項11】
情報処理装置に対し、
第2通信部が、介護サービスを受ける被介護者から定期的に検出されたバイタルデータを受信するステップと、
介護者が実施する介護サービスごとのスケジュールを示す介護スケジュールデータを記憶する記憶部が、前記第2通信部によって受信された前記バイタルデータを記憶するステップと、
前記介護者が有する情報処理端末と通信する第1通信部が、当該情報処理端末から被介護者への介護サービスを完了した旨の通知を受信すると、トラッキング部が、
当該通知を受信した時刻を当該介護サービスの完了時刻として、前記記憶部に記憶されている前記バイタルデータの中から、当該介護サービスを受けた当該被介護者から
前記完了時刻の所定時間前から前記完了時刻の所定時間後までの間に検出されたバイタルデータのうちの少なくとも前記完了時刻後に検出されたバイタルデータを収集し、前記記憶部に記憶されている介護スケジュールデータのうち、完了した当該介護サービスを示す1つの介護スケジュールデータに、収集した当該バイタルデータを紐付けるステップと
を実行させるための介護支援プログラム。
【請求項12】
介護サービスを受ける被介護者から定期的にバイタルデータを検出する検出装置と、
介護サービスを実施する介護者が有する情報処理端末と、
前記介護者が実施する介護サービスごとのスケジュールを示す介護スケジュールデータを記憶管理する管理装置と、
を備え、
前記管理装置は、
前記介護者が有する情報処理端末と通信する第1通信部と、
前記被介護者から定期的に検出された前記バイタルデータを前記検出装置から受信する第2通信部と、
前記介護スケジュールデータと、前記第2通信部により受信した前記バイタルデータとを記憶する記憶部と、
前記第1通信部が前記介護者が有する情報処理端末から被介護者への介護サービスを完了した旨の通知を受信すると、
当該通知を受信した時刻を当該介護サービスの完了時刻として、前記記憶部に記憶されている前記バイタルデータの中から、当該介護サービスを受けた当該被介護者から
前記完了時刻の所定時間前から前記完了時刻の所定時間後までの間に検出されたバイタルデータのうちの少なくとも前記完了時刻後に検出されたバイタルデータを収集し、前記記憶部に記憶されている介護スケジュールデータのうち、完了した当該介護サービスを示す1つの介護スケジュールデータに、収集した当該バイタルデータを紐付けるトラッキング部と
を備えることを特徴とする介護支援システム。
【請求項13】
所定の情報処理端末からアクセス可能なサーバを備え、
前記管理装置は、
前記記憶部に記憶されている前記介護スケジュールデータと前記バイタルデータとを、前記サーバにアップロードする第3通信部を
備えることを特徴とする請求項12に記載の介護支援システム。
【請求項14】
前記サーバは、
前記管理装置からアップロードされた前記介護スケジュールデータと前記バイタルデータとを記憶する記憶部と、
前記所定の情報処理端末からのアクセスに応じて、前記記憶部に記憶されている前記介護スケジュールデータと前記バイタルデータとを当該所定の情報処理端末に送信する通信部と
を備えることを特徴とする請求項13に記載の介護支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、介護支援装置、介護支援方法、介護支援プログラム及び介護支援システムに関するものであり、例えば、介護施設での業務となる介護サービスを支援する介護支援システムに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、介護施設などで働く介護者が行う介護サービスのスケジュール(以下、これを介護スケジュールと呼ぶ)を管理する介護スケジュール管理装置がある(例えば特許文献1参照)。一方で、近年、介護サービスを受ける被介護者から呼吸、脈拍、体動などのバイタルデータを検出する様々な検出装置が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-32226号公報
【文献】特開2017-131582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、介護者の介護スケジュールと、被介護者から検出されたバイタルデータとを総合的に管理して介護サービスを支援するようなシステムはなく、このようなシステムの実現が望まれていた。
【0005】
本発明は以上の点を考慮したものであり、介護者の介護スケジュールと被介護者から検出されたバイタルデータとを総合的に管理して介護サービスを支援する介護支援装置、介護支援方法、介護支援プログラム及び介護支援システムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、介護支援装置に、介護サービスを実施する介護者が有する情報処理端末と通信する第1通信部と、介護サービスを受ける被介護者から定期的に検出されたバイタルデータを受信する第2通信部と、前記介護者が実施する介護サービスごとのスケジュールを示す介護スケジュールデータと、前記第2通信部により受信した前記バイタルデータとを記憶する記憶部と、前記第1通信部が前記介護者が有する情報処理端末から被介護者への介護サービスを完了した旨の通知を受信すると、当該通知を受信した時刻を当該介護サービスの完了時刻として、前記記憶部に記憶されている前記バイタルデータの中から、当該介護サービスを受けた当該被介護者から前記完了時刻の所定時間前から前記完了時刻の所定時間後までの間に検出されたバイタルデータのうちの少なくとも前記完了時刻後に検出されたバイタルデータを収集し、前記記憶部に記憶されている介護スケジュールデータのうち、完了した当該介護サービスを示す1つの介護スケジュールデータに、収集した当該バイタルデータを紐付けるトラッキング部とを設けるようにした。
【0007】
このように、本発明は、実施された介護サービスに対応する介護スケジュール情報に、介護サービスを受けた際に被介護者から検出されたバイタルデータを紐付けて記憶管理するようにした。
【発明の効果】
【0008】
かくして本発明は、介護者の介護スケジュールと被介護者から検出されたバイタルデータとを総合的に管理して介護サービスを支援する介護支援装置、介護支援方法、介護支援プログラム及び介護支援システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】介護支援システムの概要構成を示す図である。
【
図2】業務管理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】介護職員が所持する携帯端末の構成を示すブロック図である。
【
図4】クラウドサーバの構成を示すブロック図である。
【
図5】施設入居者の関係者が所持する携帯端末の構成を示すブロック図である。
【
図12】バイタルデータ受信時の動作フローを示すシーケンスチャートである。
【
図13】業務データ送信時の動作フローを示すシーケンスチャートである。
【
図14】業務データ送信時の動作フローで表示されるポップアップウインドウの例を示す図である。
【
図15】緊急業務データ送信時の動作フローを示すシーケンスチャートである。
【
図16】業務データアップロード時の動作フローを示すシーケンスチャートである。
【
図17】Webコンテンツ送信時の動作フローを示すシーケンスチャートである。
【
図18】Webコンテンツ送信時の動作フローで表示されるポップアップウインドウの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための形態(以下、これを実施の形態と呼ぶ)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0011】
[1.介護支援システムの全体構成]
まず
図1を用いて、本実施の形態による介護支援システム1の全体構成の概要について説明する。この介護支援システム1は、例えば、介護施設で働く介護職員(すなわち介護者)による施設入居者(すなわち被介護者)への介護サービスを支援するシステムである。この介護支援システム1は、施設入居者からバイタルデータを検出する検出装置2(2A、2B)と、検出装置2により検出されたバイタルデータを無線で送受信する無線ユニット3(3A、3B、3C)と、介護職員が行う業務(すなわち介護サービス)を管理する業務管理装置4と、介護職員のそれぞれに提供される携帯端末5と、クラウドサーバ6と、施設入居者の関係者(例えば親族)が所持する携帯端末7とで構成されている。
【0012】
検出装置2は、各施設入居者のベッドに設置されていて、無線ユニット3と接続されている。この検出装置2は、例えば、既存の技術を利用して、施設入居者の呼吸、脈拍、体動をバイタルデータとして検出し、検出したバイタルデータを無線ユニット3に送信するようになっている。
【0013】
図1に示す例では、施設入居者の1人であるAAAさんが、介護施設のフロア1Fの101号室に設置されたベッドNo001のベッドに寝るようになっていて、AAAさんのベッドに検出装置2Aが設置されている。またこの検出装置2Aが無線ユニット3Aと接続されている。さらに施設入居者の1人であるBBBさんが、フロア2Fの201号室に設置されたベッドNo003のベッドに寝るようになっていて、BBBさんのベッドに検出装置2Bが設置されている。さらにこの検出装置2Bが無線ユニット3Bと接続されている。尚、
図1では省略しているが、介護施設には、AAAさん、BBBさん以外の被介護者も入居されているとする。
【0014】
業務管理装置4は、例えば、介護施設のフロア1Fに設けられた職員詰所に設置されている。この業務管理装置4は、介護職員が実施する業務(介護サービス)を管理するための業務データなどを記憶管理している。また業務管理装置4は、例えば無線LAN(Local Area Network)経由で介護職員の携帯端末5と接続されるようになっていて、記憶管理している業務データを携帯端末5に送信するようになっている。
【0015】
さらに業務管理装置4は、介護職員の携帯端末5から施設入居者への介護サービスを完了した旨の通知を受信すると、完了した介護サービスに対応する業務データを、業務未完了から業務完了に更新するようにもなっている。さらにこの業務管理装置4には、無線ユニット3Cが接続されている。業務管理装置4は、この無線ユニット3Cを介して、無線ユニット3A、3Bと無線通信することにより、検出装置2A、2Bなどによって検出されたバイタルデータを取得して記憶管理するようになっている。
【0016】
尚、無線ユニット3(3A~3C)は、例えば920Mhz帯マルチホップ無線に対応する機器である。具体的に、業務管理装置4の無線ユニット3Cは、例えば、距離が近い無線ユニット3Aとは直接通信する一方で、距離が遠い無線ユニット3Bとは無線ユニット3Aを介して通信するようになっている。つまり、検出装置2Bによって検出されたバイタルデータは、無線ユニット3Bから無線ユニット3Aを中継して無線ユニット3Cへと送信されるようになっている。
【0017】
さらに業務管理装置4は、例えばインターネット経由でクラウドサーバ6と接続されるようになっていて、記憶管理しているデータ(例えば業務データ及びバイタルデータ)を、所定のタイミングでクラウドサーバ6にアップロードするようになっている。
【0018】
介護職員の携帯端末5は、例えばタブレット型であり、業務管理装置4から受信した業務データを表示するようになっている。これにより、介護職員は、自分の業務を知ることができる。また携帯端末5は、施設入居者への介護サービスを完了した旨が介護職員により入力されると、その旨の通知を業務管理装置4に送信するようになっている。
【0019】
クラウドサーバ6は、業務管理装置4からアップロードされたデータ(業務データ及びバイタルデータ)を、Webコンテンツ化して記憶管理するようになっている。またクラウドサーバ6は、施設入居者の関係者が所持する携帯端末7からインターネット経由でアクセスされると、この携帯端末7に対して、Webコンテンツ化した業務データ及びバイタルデータを送信するようになっている。
【0020】
施設入居者の関係者が所持する携帯端末7は、例えばスマートフォンであり、インストールされているWebブラウザにより、クラウドサーバ6にアクセスして、クラウドサーバ6からWebコンテンツ化された業務データ及びバイタルデータを受信して表示するようになっている。これにより、施設入居者の関係者は、業務管理装置4からクラウドサーバ6にアップロードされたデータ(業務データ及びバイタルデータ)を、Webコンテンツとして携帯端末7上で参照することができる。こうすることで、施設入居者の関係者は、施設入居者がどのような介護サービスを受け、またどのような状態(呼吸、脈拍、体動)であったのかを知ることができる。介護支援システム1の全体構成の概要は、以上のようになっている。
【0021】
[2.各部の構成]
次に、介護支援システム1に含まれる各部の構成について
図2~
図5に示すブロック図を用いて詳しく説明する。また、介護支援システム1で扱うデータについては、
図6~
図11に示す表を用いて詳しく説明する。まず、業務管理装置4の構成について、
図2に示すブロック図を用いて説明する。
【0022】
業務管理装置4は、制御部10と、第1通信部11と、第2通信部12と、記憶部13と、操作部14と表示部15とを有している。制御部10は、記憶部13に格納されている業務管理プログラムなどの各種プログラムを読み出して実行することにより、各部を制御して業務管理に関する処理などを実行する。さらにこの制御部10は、データを収集するトラッキング部10r、及び時刻を取得する時刻取得部10tとしても機能する。トラッキング部10rについて詳しくは後述する。時刻取得部10tは、インターネット経由で正確な現在時刻を取得する機能を有している。第1通信部11は、例えばIEEE802.11規格の無線LAN接続機能を有していて、介護施設に構築された無線LANを介して携帯端末5と無線通信する。また第1通信部11は、無線LANに接続された図示しないルータを介してインターネット上のクラウドサーバ6と通信する。
【0023】
第2通信部12は、無線ユニット3Cとシリアル接続され、無線ユニット3Cによる920Mhz帯マルチホップ無線を利用して、無線ユニット3A、3Bと無線通信する。尚、ここでは、第2通信部12に、無線ユニット3Cがシリアル接続される(つまり無線ユニット3Cが業務管理装置4に外部接続される)ようにしたが、これに限らず、例えば、第2通信部12に、無線ユニット3Cの機能を持たせる(つまり無線ユニット3Cを業務管理装置4に内蔵する)ようにしてもよい。
【0024】
記憶部13は、業務管理プログラムなどの各種プログラムの他に、検出装置2から得られたバイタルデータd1と、施設入居者を管理するための入居者管理データd2と、介護職員を管理するための職員管理データd3と、介護職員が実施する業務(介護サービス)を管理するための業務データd4とを記憶する。
【0025】
ここで、バイタルデータd1の例を、
図6に示す。バイタルデータd1は、バイタルデータd1を検出した検出装置2の識別情報となる検出装置IDと、バイタルデータd1の種別(呼吸、脈拍、体動)と、バイタルデータd1の値(これを検出値と呼ぶ)と、バイタルデータd1の検出日時とで構成されている。
【0026】
具体的に、検出装置2は、例えば、呼吸センサを備え、呼吸センサにより単位時間(例えば1分)当たりの呼吸数を得、これを呼吸の検出値とする。また検出装置2は、脈拍センサを備え、この脈拍センサにより単位時間(例えば1分)当たりの脈拍数を得、これを脈拍の検出値とする。さらに検出装置2は、体動センサを備え、体動センサによりに単位時間(例えば1分)当たりの体動の平均値を得る。検出装置2は、得られた体動の平均値を、その大きさをもとに「小」<「中」<「大」<「離床」の4パターンのうちのいずれかに区分して、そのパターンを体動の検出値とする。
【0027】
検出装置2は、定期的(例えば1分ごと)に、呼吸数、脈拍数及び体動の検出値と自分の検出装置IDと種別と検出日時とをバイタルデータd1として、無線ユニット3を介して業務管理装置4に送信するようになっている。
【0028】
尚、本実施の形態では、説明を簡単にするため、検出装置2が、1分ごとにバイタルデータd1を検出するようにしたが、これに限らず、より短い間隔で検出するようにしてもよいし、より長い間隔で検出するようにしてもよい。
【0029】
また、本実施の形態では、呼吸センサと脈拍センサと体動センサを備える一台の検出装置2を用いて、呼吸、脈伯、体動のバイタルデータd1を検出するようにしたが、これに限らず、例えば、呼吸センサを備える検出装置と、脈拍センサを備える検出装置と、体動センサを備える検出装置との三台の検出装置を用いて、呼吸、脈伯、体動のバイタルデータd1を検出するようにしてもよい。この場合、検出装置2の代わりに、これら三台の検出装置を、無線ユニット3に接続するようにすればよい。
【0030】
次に、入居者管理データd2の例を、
図7、
図8に示す。入居者管理データd2は、
図7に示す入居者データd2aと、
図8に示す介護サービスデータd2bとで構成されている。入居者データd2aは、施設入居者ごとのデータであり、施設入居者の識別情報となる入居者IDと、施設入居者の名前と、介護施設内での施設入居者の位置を示す、フロア、部屋No、ベッドNoと、施設入居者のベッドに設置された検出装置2を示す検出装置IDとで構成されている。この入居者データd2aは、検出装置IDによりバイタルデータd1と紐付けられている。
【0031】
一方、介護サービスデータd2bは、各施設入居者に対して1日に実施される介護サービスを示すデータであり、入居者IDと、介護サービスの内容と、介護サービスの実施予定時刻と、介護サービスを実施する担当者(例えば介護サービスを受ける施設入居者のフロアを担当する介護職員)とで構成されている。例えば、
図8では、1行目と2行目の介護サービスデータd2bが、入居者ID「R***1」により識別される施設入居者に対して1日に実施される2つの介護サービスを示している。この介護サービスデータd2bは、入居者IDにより入居者データd2aと紐付けられている。
【0032】
尚、
図8に示す例では、介護サービスデータd2bに記載される担当者として、「1F担当」のようにフロアの担当者が指定されているが、これに限らず、特定の介護職員を指定したり、特定の資格(例えば「看護師」など)を指定したりするようにしてもよい。ちなみに、特定の介護職員を指定する場合、介護職員の識別情報となる職員IDにより指定するようにすればよい。
【0033】
次に、職員管理データd3の例を、
図9、
図10に示す。職員管理データd3は、
図9に示す職員データd3aと、
図10に示す個人認証用データd3bとで構成されている。職員データd3aは、介護職員ごとのデータであり、介護職員の識別情報となる職員IDと、介護職員の名前と、介護職員が有する資格と、介護職員が担当するフロアとで構成されている。
【0034】
一方、個人認証用データd3bは、介護職員が介護支援システム1の利用を開始する際に携帯端末5を用いて行う個人認証に利用するデータであり、職員IDとパスワードとで構成されている。この個人認証用データd3bは、職員IDにより職員データd3aと紐付けられている。
【0035】
次に、業務データd4の例を、
図11に示す。業務データd4は、介護職員が実施する業務(介護サービス)ごとのスケジュールを示す介護スケジュールデータであり、業務の識別情報となる業務IDと、業務(介護サービス)を実施した介護職員の名前及び職員IDと、介護サービスを受ける施設入居者の情報(フロア、部屋No、ベッドNo、名前、入居者ID)と、介護サービス内容と、介護サービスの実施予定時刻と、コメントと、介護サービスの実施完了時刻と、介護サービスの実施完了時刻前後にその介護サービスを受けた施設入居者から検出されたバイタルデータd1を示す対応バイタルデータ情報と、対応バイタルデータ情報により特定されるバイタルデータd1のデータ内容とで構成されている。
【0036】
図11に示すように、この業務データd4には、既に実施された業務のデータ(1行目~4行目のデータ)と、まだ実施されていない業務のデータ(5行目のデータ)とが含まれる。業務管理装置4の制御部10は、この業務データd4を、表示部15に表示したり、介護職員の携帯端末5に送信したりすることで、どの業務がいつ実施されたのか、及びどの業務をいつ実施するのかを介護職員に確認させることができるようになっている。
【0037】
この業務データd4は、通常、業務管理装置4の制御部10によって、介護サービスデータd2bをもとに自動的に生成され、その後、介護サービスが完了するごとに更新されるようになっている。尚、詳しくは後述するが、この業務データd4の中には、介護サービスデータd2bには存在せず突発的に発生する緊急業務のデータ(4行目のデータ)も存在する。
【0038】
この業務データd4に含まれるコメントは、例えば、業務管理装置4の操作部14を介して入力したり、介護職員の携帯端末5上で入力したりできるようになっている。
【0039】
また業務データd4に含まれる対応バイタルデータ情報には、介護サービスの実施完了時刻の前後にその介護サービスを受けた施設入居者から検出されたバイタルデータd1を特定する情報として、検出装置2の検出装置IDと、バイタルデータd1の検出範囲とが指定されている。例えば、この対応バイタルデータ情報に、「S***1 2018/7/20/02:00~2018/7/20/02:06」と指定されている場合、特定されるバイタルデータd1は、S***1により識別される検出装置2によって検出されたバイタルデータd1のうち、2018/7/20/02:00~2018/7/20/02:06の間に検出された3種(呼吸、脈拍、体動)のバイタルデータd1となる。
【0040】
さらに業務データd4に記載されるデータ内容は、対応バイタルデータ情報に合致するバイタルデータd1の検出値をもとに、業務管理装置4の制御部10によって生成されたテキスト情報となっている。具体的に制御部10は、対応バイタルデータ情報により特定されたバイタルデータd1に示されている呼吸数が正常な範囲内であれば「呼吸正常」とする一方で、正常な範囲を超えていれば「呼吸異常」とする。また制御部10は、対応バイタルデータ情報により特定されたバイタルデータd1に示されている脈拍数が正常な範囲内であれば「脈拍正常」とする一方で、正常な範囲を超えていれば「脈拍異常」とする。さらに制御部10は、対応バイタルデータ情報により特定されたバイタルデータd1に示されている体動のうち、最大の体動をテキスト化する。例えば、最大の体動が「大」であれば「大きな振動有り」とし、最大の体動が「離床」であれば「離床有り」とする。
【0041】
このように、業務データd4は、施設入居者に実施された介護サービスと、その介護サービスを受けたときにその施設入居者から検出されたバイタルデータd1とが紐付けられるようになっている。すなわち、業務データd4では、施設入居者に対して介護サービスが実施されたことを、介護サービスが実施されたときのバイタルデータd1によって証明するようになっている。例えば、施設入居者に寝返り補助を実施した場合、施設入居者が体の向きを変えることにより、このとき体動がバイタルデータd1として検出される。よって、施設入居者に寝返り補助を実施したときに検出されたバイタルデータd1に寝返り時の体動が現われていれば、実際に寝返り補助が行われたと証明できる。
【0042】
尚、業務管理装置4では、制御部10のトラッキング部10rが、業務データd4に含まれる対応バイタルデータ情報及びデータ内容を生成したり、バイタルデータd1を収集(トラッキング)したりするようになっている。
【0043】
業務管理装置4の記憶部13に記憶されているバイタルデータd1、入居者管理データd2、職員管理データd3、業務データd4の構成は、以上のようになっている。
【0044】
ここで、業務管理装置4の構成の説明に戻る。
図2に示すように、業務管理装置4の操作部14は、例えばキーボードとマウスであり、介護職員による操作入力を受け付ける。表示部15は、例えば液晶ディスプレイであり、業務データd4などの各種情報を表示する。業務管理装置4の構成は、以上のようになっている。
【0045】
次に、介護職員の携帯端末5の構成について、
図3に示すブロック図を用いて説明する。携帯端末5は、制御部20と、通信部21と、記憶部22と、操作部23と、表示部24とを有している。制御部20は、記憶部22に格納されている業務アプリケーション(以下、業務アプリと省略する)プログラムなどの各種プログラムを読み出して実行することにより、各部を制御して業務に関する処理などを実行する。通信部21は、無線LAN接続機能を有していて、介護施設に構築された無線LANを介して業務管理装置4と無線通信する。
【0046】
記憶部22は、業務アプリプログラムなどの各種プログラムの他に、業務管理装置4から受信した業務データd4を記憶する。操作部23と表示部24は、例えば、タッチパネルで構成され、業務データd4などの各種情報を表示するとともに、介護職員による操作入力を受け付ける。
【0047】
さらに携帯端末5は、制御部20が、業務アプリプログラムを読み出して実行することにより業務アプリ20aを起動させる。制御部20は、この業務アプリ20aにより認証部20c及びポップアップ表示/業務完了入力部20pとして機能する。認証部20cは、携帯端末5を保持する介護職員が介護支援システム1の利用を開始するときの認証を行う。ポップアップ表示/業務完了入力部20pは、表示部24にポップアップウインドウを表示させたり、操作部23を介して業務(介護サービス)の完了を入力させたりする機能を有している。携帯端末5の構成は、以上のようになっている。
【0048】
次に、クラウドサーバ6の構成について、
図4に示すブロック図を用いて説明する。クラウドサーバ6は、制御部30と、通信部31と、記憶部32とを有している。制御部30は、記憶部32に格納されているWebサーバプログラムなどの各種プログラムを読み出して実行することにより、各部を制御して業務データd4及びバイタルデータd1をWebコンテンツ化する処理などを実行する。通信部21は、インターネットに接続されていて、インターネットを介して業務管理装置4と通信する。記憶部32は、各種プログラムの他に、業務管理装置4からアップロードされた業務データd4及びバイタルデータd1を記憶する。
【0049】
さらにクラウドサーバ6は、制御部30が、Webサーバプログラムを読み出して実行することによりWebサーバ30wとして機能する。Webサーバ30wは、業務管理装置4からアップロードされた業務データd4及びバイタルデータd1をWebコンテンツ化して(つまりWebページと対応付けて)記憶部32に記憶する。そして、このWebサーバ30wは、例えば携帯端末7にインストールされているWebブラウザによりアクセスされると、この携帯端末7に対して、業務データd4及びバイタルデータd1と対応付けられているWebページ(すなわち業務データd4及びバイタルデータd1を閲覧可能なWebページ)を送信する。クラウドサーバ6の構成は、以上のようになっている。
【0050】
次に、施設入居者の関係者が所持する携帯端末7の構成について、
図5に示すブロック図を用いて説明する。携帯端末7は、制御部40と、通信部41と、記憶部42と、操作部43と、表示部44とを有している。制御部40は、記憶部42に格納されているWebブラウザプログラムなどの各種プログラムを読み出して実行することにより、各部を制御してWebページを表示する処理などを実行する。通信部41は、インターネット接続機能を有していて、インターネットを介してクラウドサーバ6と通信する。
【0051】
操作部43と表示部44は、例えば、タッチパネルで構成され、Webページなどの各種情報を表示するとともに、施設入居者の関係者による操作入力を受け付ける。
【0052】
さらに携帯端末7は、制御部40が、Webブラウザプログラムを読み出して実行することによりWebブラウザ40wを起動させる。制御部40は、このWebブラウザ40wの機能によりクラウドサーバ6にアクセスして、クラウドサーバ6から送信されるWebページを表示部44にさせるようになっている。携帯端末7の構成は、以上のようになっている。
【0053】
[3.介護支援システムの動作フロー]
次に、介護支援システム1の動作フローについて詳しく説明する。まず、業務管理装置4が、各無線ユニット3からバイタルデータd1を受信するときの動作フロー(すなわちバイタルデータ受信時の動作フロー)について、
図12に示すシーケンスチャートを用いて詳しく説明する。
【0054】
[3-1.バイタルデータ受信時の動作フロー]
まず、無線ユニット3Bが、ステップSP1において、検出装置2Bにより検出されたバイタルデータd1を取得し、つづくステップSP11において、このバイタルデータd1を、無線ユニット3Aに送信する。一方、無線ユニット3Aは、ステップSP10において、検出装置2Aにより検出されたバイタルデータd1を取得し、つづくステップSP11において、無線ユニット3Bからバイタルデータd1を受信する。そして、無線ユニット3Aは、つづくステップSP12において、検出装置2Aにより検出されたバイタルデータd1と、検出装置2Bにより検出されたバイタルデータd1とを、業務管理装置4に送信する。
【0055】
業務管理装置4の制御部10は、第2通信部12により、無線ユニット3Aから、検出装置2Aにより検出されたバイタルデータd1と、検出装置2Bにより検出されたバイタルデータd1とを受信し、つづくステップSP21において、これらを記憶部13に記憶する。バイタルデータ受信時の動作フローは、以上のようになっている。尚、
図12のシーケンスチャートに示す、無線ユニット3A、3Bによるバイタルデータd1の取得タイミング及び送受信タイミングは、一例であり、
図12のシーケンスチャートとは異なる場合もある。
【0056】
[3-2.業務データ送信時の動作フロー]
次に、業務管理装置4が、業務データd4を、介護職員の携帯端末5に送信するときの動作フロー(すなわち業務データ送信時の動作フロー)について、
図13に示すシーケンスチャートを用いて詳しく説明する。
【0057】
まずステップSP30において、携帯端末5の制御部20が、介護職員による操作部23への操作に応じて業務アプリ20aを起動させる。つづくステップSP31において、業務アプリ20aは、認証部20cにより、業務管理装置4との間で介護職員の認証(ログイン)を行う。具体的に、認証部20cは、職員IDとパスワードとを入力させるログイン画面を表示部24に表示させ、操作部23を介して職員IDとパスワードとが入力されると、これらを認証情報として、通信部21により業務管理装置4に送信する。業務管理装置4の制御部10は、第1通信部11により携帯端末5から認証情報を受信すると、この認証情報と、記憶部13に記憶されている個人認証用データd3b(
図10)とを照合することで、携帯端末5を所持している介護職員の認証を行い、その認証結果を第1通信部11により携帯端末5に返信する。
【0058】
介護職員を認証(すなわちログインを許可)すると、業務管理装置4の制御部10は、ステップSP40において、認証情報に含まれていた職員IDをもとに、職員データd3a(
図9)から、この介護職員の担当フロアを特定する。さらに制御部10は、記憶部13に記憶されている業務データd4の中から、この介護職員の担当フロアに入居している施設入居者への介護サービスを示す業務データd4(つまりこの介護職員が担当する業務を示す業務データd4)を抽出して、これを第1通信部11により携帯端末5に送信する。尚、このとき抽出される業務データd4は、例えば、未実施の業務のものだけでもよい。
【0059】
ステップSP32において、携帯端末5の業務アプリ20aは、通信部21により業務管理装置4から業務データd4を受信する。つづくステップSP33において、業務アプリ20aは、受信した業務データd4を記憶部22に記憶するとともに、表示部24に表示する。このように、携帯端末5の業務アプリ20aは、業務管理装置4から受信した業務データd4を表示部24に表示することにより、この携帯端末5を所持する介護職員が担当する業務(介護サービス)を、この介護職員に確認させることができる。
【0060】
つづくステップSP34において、携帯端末5の業務アプリ20aは、記憶部22に記憶されている業務データd4のうち、実施予定時刻が最も早い業務データd4を特定する。そのうえで、業務アプリ20aは、現在時刻と、特定した業務データd4の実施予定時刻とを比較して、現在時刻が、その業務データd4の実施予定時刻の数分前(例えば10分前)になるまで待ち受ける。
【0061】
現在時刻が、その業務データd4の実施予定時刻の数分前(例えば10分前)になると、携帯端末5の業務アプリ20aは、ステップSP34で肯定結果を得てステップSP35に移る。ステップSP35において、業務アプリ20aのポップアップ表示/業務完了入力部20pは、その業務データd4(つまり10分後に実施予定の介護サービスを示す業務データd4)を、ポップアップウインドウとして、表示部24に表示する。
【0062】
ここで、
図14(A)に、このとき表示されるポップアップウインドウPw1の例を示す。このポップアップウインドウPw1には、10分後に実施予定の介護サービスを示す業務データd4に含まれている各種情報(施設入居者の情報、介護サービス内容、実施予定時刻など)が表示されるようになっている。さらにこのポップアップウインドウPw1には、コメント欄Cm1と、完了ボタンBt1とが表示されるようになっている。コメント欄Cm1は、業務データd4に含まれているコメントを表示するとともに、コメントを追加入力できるようになっている。完了ボタンBt1は、ポップアップウインドウPw1として表示されている業務(介護サービス)を完了したときに、介護職員がその旨を入力するためのボタンである。
【0063】
携帯端末5の業務アプリ20aは、このようなポップアップウインドウPw1を表示部24に表示することにより、携帯端末5を所持する介護職員に、次に実施する介護サービスを通知するようになっている。
【0064】
つづくステップSP36(
図13)において、携帯端末5の業務アプリ20aは、ポップアップウインドウPw1の完了ボタンBt1が押下されるまで待ち受ける。完了ボタンBt1が押下されると、携帯端末5の業務アプリ20aは、ステップSP36で肯定結果を得てステップSP37に移る。ステップSP37において、業務アプリ20aのポップアップ表示/業務完了入力部20pは、完了ボタンBt1の押下により、ポップアップウインドウPw1として表示されている業務(介護サービス)が完了したと認識して、その旨を示す介護サービス完了情報を、通信部21により業務管理装置4に送信する。尚、この介護サービス完了情報には、少なくとも、完了した介護サービスを識別する業務IDと、介護サービスを実施した介護職員を識別する職員IDと、ポップアップウインドウPw1のコメント欄Cm1に入力されたコメントとが含まれているとする。
【0065】
ステップSP41において、業務管理装置4の制御部10は、第1通信部11により携帯端末5から介護サービス完了情報を受信する。つづくステップSP42において、業務管理装置4の制御部10は、記憶部13に記憶されている業務データd4の中から、受信した介護サービス完了情報に対応する業務データd4を抽出して、これを更新する。
【0066】
具体的に、制御部10は、記憶部13に記憶されている業務データd4(
図11参照)の中から、受信した介護サービス完了情報に含まれている業務IDと同一の業務IDを有する業務データd4(つまりこのとき完了した介護サービスの業務データd4)を抽出する。
【0067】
そして制御部10は、完了した介護サービスの業務データd4に含まれている職員名と職員ID(この時点まではともにNull)とを、受信した介護サービス完了情報に含まれている職員IDをもとに更新する。すなわち、制御部10は、完了した介護サービスの業務データd4に含まれている職員名と職員IDとを、その介護サービスを実施した職員名と職員IDとに更新する。
【0068】
さらに制御部10は、完了した介護サービスの業務データd4に含まれているコメントを、受信した介護サービス完了情報に含まれているコメントに更新する。さらに制御部10は、完了した介護サービスの業務データd4に含まれている介護サービスの実施完了時刻(この時点まではNull)を、介護サービス完了情報を受信した時刻に更新する。
【0069】
このようにして、制御部10は、介護サービスが完了したことにともなって、その介護サービスの業務データd4に含まれている職員名、職員ID、コメント、実施完了時刻を更新する。
【0070】
つづけて、制御部10のトラッキング部10rは、完了した介護サービスの業務データd4に含まれている施設入居者の情報と実施完了時刻とをもとに、記憶部13に蓄積されているバイタルデータd1の中から、その介護サービスの実施完了時刻前後にその介護サービスを受けた施設入居者から検出されたバイタルデータd1を収集(トラッキング)して、その業務データd4に紐付ける。
【0071】
すなわち、トラッキング部10rは、業務データd4に含まれている施設入居者情報をもとに、その業務データd4の介護サービスを受けた施設入居者のベッドに設置されている検出装置2の検出装置IDを特定する。さらに、トラッキング部10rは、業務データd4に含まれている実施完了時刻の前後所定時間(例えば前後3分間)を、バイタルデータd1の検出範囲とする。
【0072】
トラッキング部10rは、このようにして得られた検出装置IDと検出範囲とを、収集するバイタルデータd1を示す対応バイタルデータ情報とする。さらにトラッキング部10rは、記憶部13に蓄積されているバイタルデータd1の中から、この対応バイタルデータ情報に合致するバイタルデータd1を収集する。尚、トラッキング部10rは、対応バイタルデータ情報に合致するバイタルデータd1が記憶部13に蓄積されるのを待ってから、すなわち現在時刻が介護サービスの実施完了時刻から数分(例えば3分)以上経過していることを確認してから、バイタルデータd1を収集するようになっている。さらにトラッキング部10rは、収集したバイタルデータd1の検出値をもとに、収集したバイタルデータd1のデータ内容を生成する。
【0073】
そしてトラッキング部10rは、このようにして得られた対応バイタルデータ情報とデータ内容とをもとに、完了した介護サービスの業務データd4に含まれている対応バイタルデータ情報とデータ内容(この時点まではともにNull)とを更新することにより、業務データd4にバイタルデータd1を紐付ける。
【0074】
このようにして、トラッキング部10rは、完了した介護サービスの業務データd4に、その介護サービスの実施完了時刻前後にその介護サービスを受けた施設入居者から検出されたバイタルデータd1を紐付けるようになっている。業務データ送信時の動作フローは、以上のようになっている。
【0075】
[3-3.緊急業務データ送信時の動作フロー]
次に、業務管理装置4が、突発的に発生する緊急業務の業務データd4(例えば
図11に示す4行目の業務データd4)を、介護職員の携帯端末5に送信するときの動作フロー(すなわち緊急業務データ送信時の動作フロー)について、
図15に示すシーケンスチャートを用いて詳しく説明する。
【0076】
業務管理装置4の制御部10は、ステップSP50において、検出装置2から送信されてくるバイタルデータd1を監視する。つづくステップSP51において、業務管理装置4の制御部10は、検出装置2から送信されてくるバイタルデータd1の中から、検出値が異常な値を示すバイタルデータd1を検出したかどうかを判断する。ここで検出値が異常な値を示すバイタルデータd1とは、例えば、呼吸数が正常値を超えているデータ、脈拍数が正常値を超えているデータ、及び体動が「離床」となっているデータを指す。
【0077】
業務管理装置4の制御部10は、このような異常な値を示すバイタルデータd1を検出していなければ、ステップSP51で否定結果を得て、ステップSP50に戻り、バイタルデータd1の監視を継続する。一方、異常な値を示すバイタルデータd1を検出した場合、業務管理装置4の制御部10は、ステップSP51で肯定結果を得て、ステップSP52に移る。
【0078】
ステップSP52において、業務管理装置4の制御部10は、異常な値を示すバイタルデータd1をもとに、このバイタルデータd1が検出された施設入居者を特定して、この施設入居者への緊急業務を示す業務データd4を生成する。尚、この業務データd4に含まれる介護サービス内容については、例えば、異常な値を示している検出値をもとに、「呼吸確認」、「脈拍確認」、又は「離床確認」とすればよい。また、この業務データd4に含まれる実施予定時刻は、例えば、異常な値を示すバイタルデータd1の検出時刻とすればよい。
【0079】
つづくステップSP53において、業務管理装置4の制御部10は、生成した業務データd4を、記憶部13に記憶するとともに、緊急業務データd4として、第1通信部11により携帯端末5に送信する。このとき、制御部10は、例えば、異常な値を示すバイタルデータd1が検出された施設入居者の入居フロアを担当していて(つまり、異常な値を示すバイタルデータd1が検出された施設入居者を担当していて)、且つログインしている介護職員の携帯端末5に、緊急業務データd4を送信する。尚、該当する介護職員がログインしていない場合、ログインしている他の介護職員の携帯端末5に、緊急業務データd4を送信するようにしてもよい。
【0080】
ステップSP60において、携帯端末5の業務アプリ20aは、通信部21により業務管理装置4から緊急業務データd4を受信する。つづくステップSP61において、業務アプリ20aのポップアップ表示/業務完了入力部20pは、その緊急業務データd4を、ポップアップウインドウとして、表示部24に表示する。
【0081】
ここで、
図14(B)に、このとき表示されるポップアップウインドウPw2の例を示す。このポップアップウインドウPw2には、緊急業務データd4に含まれている各種情報(施設入居者の情報、介護サービス内容、実施予定時刻など)が表示されるようになっている。さらにこのポップアップウインドウPw2には、
図14(A)に示すポップアップウインドウPw1と同様、コメント欄Cm1と、完了ボタンBt1とが表示されるようになっている。
【0082】
以降の処理は、
図13に示すシーケンスチャートのステップSP36以降の処理と同一のため、説明は省略する。緊急業務データ送信時の動作フローは、以上のようになっている。このように、業務管理装置4は、異常な値を示すバイタルデータd1を検出すると、そのバイタルデータd1が検出された施設入居者を確認する業務(介護サービス)を示す緊急業務データd4を生成して、これを介護職員の携帯端末5に送信するようになっている。こうすることで、業務管理装置4は、予定になく突発的に発生した業務についても、迅速に介護職員に通知することができる。
【0083】
[3-4.業務データアップロード時の動作フロー]
次に、業務管理装置4が、クラウドサーバ6に業務データd4及びバイタルデータd1をアップロードするときの動作フロー(すなわち業務データアップロード時の動作フロー)について、
図16に示すシーケンスチャートを用いて詳しく説明する。
【0084】
まず、業務管理装置4の制御部10は、ステップSP70において、現在時刻が、予め設定されている業務データd4及びバイタルデータd1のアップロード時刻になるまで待ち受ける。
【0085】
現在時刻が、業務データd4及びバイタルデータd1のアップロード時刻になると、業務管理装置4の制御部10は、ステップSP70で肯定結果を得て、ステップSP71に移る。ステップSP71において、業務管理装置4の制御部10は、記憶部13から、業務データd4及びバイタルデータd1を読み出し、これらを第1通信部11によりクラウドサーバ6に送信する。このとき、業務管理装置4の制御部10は、例えば、記憶部13に記憶されている業務データd4及びバイタルデータd1のうち、前回のアップロード時刻から今回のアップロード時刻までの間に実施された業務の業務データd4と、前回のアップロード時刻から今回のアップロード時刻までの間に検出されたバイタルデータd1とを、携帯端末5に送信する。
【0086】
ステップSP80において、クラウドサーバ6の制御部30は、通信部31により業務管理装置4から業務データd4及びバイタルデータd1を受信する。つづくステップSP81において、クラウドサーバ6の制御部30は、Webサーバ30wとして動作することにより、受信した業務データd4及びバイタルデータd1をWebコンテンツ化して(つまりWebページと対応付けて)記憶部32に記憶する。業務データアップロード時の動作フローは、以上のようになっている。
【0087】
[3-5.Webコンテンツ送信時の動作フロー]
次に、クラウドサーバ6が、携帯端末7からのアクセスに応じて、Webコンテンツ化した業務データd4及びバイタルデータd1を、携帯端末7に送信するときの動作フロー(すなわちWebコンテンツ送信時の動作フロー)について、
図17に示すシーケンスチャートを用いて詳しく説明する。
【0088】
まずステップSP90において、携帯端末7の制御部40が、施設入居者の関係者による操作部43への操作に応じてWebブラウザ40wを起動させる。つづくステップSP91において、Webブラウザ40wは、施設入居者の関係者による操作部43への操作に応じて、通信部41によりクラウドサーバ6にアクセスする。具体的に、Webブラウザ40wは、クラウドサーバ6が提供する施設入居者の関係者用サイトにアクセスする。尚、この関係者用サイトでは、例えば、施設入居者の入居者IDとパスワードとを登録することで、その入居者IDにより識別される施設入居者に関する業務データd4及びバイタルデータd1をWebページ上で閲覧できるようになっている。
【0089】
ステップSP100において、クラウドサーバ6の制御部30は、携帯端末7からのアクセスに応じてWebサーバ30wとして動作することにより、記憶部32からWebコンテンツ化されている業務データd4及びバイタルデータd1を読み出して、これらを通信部31により携帯端末7に送信する。具体的に、Webサーバ30wは、携帯端末7によって関係者用サイト上で入居者IDとパスワードが入力されると、記憶部32から、その入居者IDにより識別される施設入居者に対して実施された介護サービスの業務データd4と、その施設入居者から検出されたバイタルデータd1とを読み出して、これらをWebページのデータと対応付けて、携帯端末7に送信する。
【0090】
ステップSP92において、携帯端末7のWebブラウザ40wは、通信部41によりクラウドサーバ6からWebコンテンツ化された業務データd4及びバイタルデータd1を受信する。具体的に、Webブラウザ40wは、入力された入居者IDにより識別される施設入居者に対して実施された介護サービスの業務データd4と、その施設入居者から検出されたバイタルデータd1とを、Webページのデータとともに受信する。
【0091】
つづくステップSP93において、携帯端末7のWebブラウザ40wは、受信した業務データd4をWebコンテンツとして表示部44に表示する。具体的に、Webブラウザ40wは、受信したWebページのデータをもとに、受信した業務データd4を閲覧可能なWebページを表示部44に表示する。
【0092】
尚、このWebページでは、表示している業務データd4のうちの1つが選択操作されると、選択操作された業務データd4に紐付けられているバイタルデータd1(すなわち、選択操作された業務データd4が示す介護サービスの実施完了時刻前後にその介護サービスを受けた施設入居者から検出されたバイタルデータd1)をポップアップウインドウとして表示するようにもなっている。
【0093】
ここで、
図18に、このとき表示されるポップアップウインドウPw3の例を示す。このポップアップウインドウPw3には、選択操作された業務データd4に紐付けられている呼吸、脈拍、体動のバイタルデータd1のそれぞれがグラフ化されて表示されるようになっている。
【0094】
このように、施設入居者の関係者が所持する携帯端末7は、クラウドサーバ6から、施設入居者に実施された介護サービスを示す業務データd4と、その介護サービスの実施完了時刻前後にその施設入居者から検出されたバイタルデータd1とを受信して表示するようになっている。こうすることで、携帯端末7は、業務データd4によって、施設入居者にどのような介護サービスが実施されたのかを施設入居者の関係者に確認させることができ、またバイタルデータd1によって、その介護サービスが実施されたときの施設入居者の状態(呼吸、脈拍、体動)を確認させることができるようになっている。
【0095】
[4.まとめと効果]
ここまで説明したように、介護支援システム1では、業務管理装置4の制御部10が、介護職員が実施する介護サービスごとのスケジュールを示す業務データd4と、第2通信部12により受信した、施設入居者から定期的に検出されたバイタルデータd1とを、記憶部13に記憶して管理するようにした。さらに業務管理装置4の制御部10は、第1通信部11により、介護職員の携帯端末5から施設入居者への介護サービスを完了した旨の通知を受信すると、完了した介護サービスを示す業務データd4に、その介護サービスを受けた施設入居者からその介護サービスをうけたときに検出されたバイタルデータd1を紐付けるようにした。
【0096】
これにより、介護支援システム1では、介護サービスごとのスケジュールを示す業務データd4と、施設入居者から検出されたバイタルデータd1とを総合的に管理して介護サービスを支援することができる。
【0097】
また介護支援システム1では、完了した介護サービスに対応する業務データd4に、その介護サービスを受けたときに施設入居者から検出されたバイタルデータd1を紐付けることにより、施設入居者に対して介護サービスが実施されたことを、介護サービスが実施されたときのバイタルデータd1によって証明することができる。
【0098】
また介護支援システム1では、業務管理装置4の制御部10が、業務データd4及びバイタルデータd1を、第1通信部11によりクラウドサーバ6にアップロードするようにした。そして、施設入居者の関係者が所持する携帯端末7が、このクラウドサーバ6にアクセスすることにより、クラウドサーバ6にアップロードされた、業務データd4及びバイタルデータd1を閲覧できるようにした。
【0099】
これにより、介護支援システム1では、携帯端末7を介して、施設入居者にどのような介護サービスが実施されたのかを施設入居者の関係者に確認させることができ、また介護サービスが実施されたときの施設入居者の状態(呼吸、脈拍、体動)を施設入居者の関係者に確認させることができる。
【0100】
さらに介護支援システム1では、業務管理装置4の制御部10が、第1通信部11により、介護職員の携帯端末5に、その介護職員が担当する介護サービスの業務データd4を送信するようにした。これにより、介護支援システム1では、介護職員に対して、自分が担当する介護サービスのスケジュールを容易且つ確実に確認させることができる。
【0101】
さらに介護支援システム1では、携帯端末5の制御部20が、インストールされている業務アプリ20aにより、介護サービスの実施予定時刻の例えば10分前になると、その介護サービスに対応する業務データd4を、ポップアップウインドウPw1として、表示部24に表示するようにした。これにより、介護支援システム1では、介護職員に対して、自分が担当する介護サービスの実施予定時刻が近づいていることを確実に知らせることができる。
【0102】
さらに介護支援システム1では、業務管理装置4が、業務データd4及びバイタルデータd1を、インターネット上のクラウドサーバ6にアップロードするようにして、このクラウドサーバ6にアクセスしてきた携帯端末7に対して、業務データd4及びバイタルデータd1をWebコンテンツとして提供するようにした。
【0103】
このように、介護支援システム1では、業務データd4及びバイタルデータd1を記憶管理する業務管理装置4と、これら業務データd4及びバイタルデータd1をWebコンテンツとして提供するクラウドサーバ6とを物理的に分けたことにより、例えば、インターネット接続サービスの障害などにより、業務管理装置4がインターネットに接続できない状況になった場合でも、介護施設での業務には支障が出ないようになっている。
【0104】
[5.他の実施の形態]
[5-1.他の実施の形態1]
尚、上述した実施の形態では、介護職員ごとに携帯端末5が提供されるようにしたが、これに限らず、例えば、介護職員ごとにではなく、介護施設のフロアごとに携帯端末5が提供されるようにしてもよい。この場合、介護職員は、例えば、職員詰所に保管されている携帯端末5のうち、自分が担当するフロア用の携帯端末5を持ち出して、業務を開始する。この場合も、上述した実施の形態と同様、介護職員は、携帯端末5にインストールされている業務アプリ20aを起動して、認証(ログイン)を行うようにすればよい。
【0105】
[5-2.他の実施の形態2]
また、上述した実施の形態では、クラウドサーバ6が、業務管理装置4からアップロードされた業務データd4及びバイタルデータd1をWebコンテンツ化して、Webブラウザ40wがインストールされた携帯端末7に送信するようにした。これに限らず、クラウドサーバ6が、業務管理装置4からアップロードされた業務データd4及びバイタルデータd1を、例えば、携帯端末7にインストールされた専用アプリによって閲覧可能な形式で、携帯端末7に送信するようにしてもよい。この場合、携帯端末7は、専用アプリにより、クラウドサーバ6から業務データd4及びバイタルデータd1を取得して表示する。
【0106】
[5-3.他の実施の形態3]
さらに、上述した実施の形態では、検出装置2が、施設入居者から、呼吸、脈拍、体動の3種のバイタルデータd1を検出するようしたが、これに限らず、呼吸、脈拍、体動のうちの1つもしくは2つのバイタルデータd1を検出するようにしてもよい。またこれに限らず、検出装置2が、呼吸、脈拍、体動以外のバイタルデータd1(例えば体温や血圧など)を検出するようにしてもよい。
【0107】
さらに、上述した実施の形態では、検出装置2と無線ユニット3とが別体であるとしたが、これに限らず、例えば、検出装置2に無線ユニット3の機能を追加して、検出装置2単体でバイタルデータd1を検出して業務管理装置4に送信できるようにしてもよい。
【0108】
[5-4.他の実施の形態4]
さらに、上述した実施の形態では、1台の無線ユニット3に1台の検出装置2を接続するようにして、各無線ユニット3が各検出装置2と業務管理装置4との間を中継するようにした。これに限らず、例えば、1台の無線ユニット3に複数台の検出装置2を接続するようにして、1台の無線ユニット3が複数台の検出装置2と業務管理装置4との間を中継するようにしてもよい。
【0109】
さらに、上述した実施の形態では、無線ユニット3間での通信に、920Mhz帯マルチホップ無線を用いたが、これに限らず、無線ユニット3間での通信に、無線LANなどの他の通信方式を用いるようにしてもよい。ここで例えば、無線ユニット3間での通信に無線LANを用いる場合、業務管理装置4から無線ユニット3Cを取り外すとともに、無線LAN接続機能を有する第1通信部11が第2通信部12を兼ねるようにしてもよい。
【0110】
さらに、上述した実施の形態では、業務管理装置4が、無線LAN接続機能を有する第1通信部11により、業務データd4及びバイタルデータd1を、インターネット上のクラウドサーバ6に送信するようにした。これに限らず、業務管理装置4に、インターネット上のクラウドサーバ6と通信する例えば有線LAN接続機能を有する第3通信部を別途設けるようにしてもよい。尚、クラウドサーバ6と通信する第3通信部が、無線LAN接続機能を有するものであるならば、上述した実施の形態のように、第1通信部11が第3通信部として機能すればよい。
【0111】
[5-5.他の実施の形態5]
さらに、上述した実施の形態では、介護支援システム1で扱うデータとして、バイタルデータd1、入居者管理データd2、職員管理データd3、業務データd4を用いたが、これは一例であり、介護支援システム1で扱うデータの種類及び構成については、適宜変更しても構わない。
【0112】
[5-6.他の実施の形態6]
さらに、上述した実施の形態では、携帯端末5の業務アプリ20aが、次に実施する介護サービスに関する情報を、ポップアップウインドウPw1として、表示部24に表示させ、ポップアップウインドウPw1内に配置された完了ボタンBt1が押下操作されると、ポップアップウインドウPw1に示す介護サービスが完了した旨を、業務管理装置4に通知するようにした。これに限らず、例えば、ポップアップウインドウPw1にキャンセルボタンを設け、ポップアップウインドウPw1に示す介護サービスが例えば他の介護職員により既に完了していた場合などに、このキャンセルボタンが押下操作されると、業務アプリ20aが、このポップアップウインドウPw1を非表示にするようにしてもよい。
【0113】
[5-7.他の実施の形態7]
さらに、上述した実施の形態では、業務管理装置4の制御部10が、記憶部13にインストールされている各種プログラムを実行することで、トラッキング部10r及び時刻取得部10tとして機能するようにした。これに限らず、例えば、業務管理装置4に、トラッキング部10r及び時刻取得部10tを、制御部10とは別のハードウェアとして設けるようにしてもよい。さらに、上述した実施の形態では、業務管理装置4に、業務データd4とバイタルデータd1とを記憶する記憶部13を設けるようにしたが、これに限らず、業務管理装置4に、業務データd4を記憶する記憶部と、バイタルデータd1を記憶する記憶部とを別々に設けてもよい。
【0114】
[5-8.他の実施の形態8]
さらに、上述した実施の形態では、介護者が有する情報処理端末の具体例として、タブレット型の携帯端末5を用いたが、これに限らず、業務管理装置4と通信可能で、操作部と表示部とを有するものであれば、スマートフォンなどの情報処理端末を用いてもよい。さらに、上述した実施の形態では、介護スケジュールデータ及びバイタルデータのアップロード先となるサーバの具体例として、クラウドサーバ6を用いたが、これに限らず、クラウドサーバ6と同等に機能するものであれば、クラウドサーバ6とは異なるサーバを用いてもよい。さらに、上述した実施の形態では、サーバにアクセス可能な所定の情報処理端末の具体例として、スマートフォンである携帯端末7を用いたが、これに限らず、サーバにアクセス可能で、操作部と表示部とを有するものであれば、タブレット型などの情報処理端末を用いてもよい。
【0115】
さらに、上述した実施の形態では、介護支援装置、管理装置及び情報処理装置の具体例である業務管理装置4に、第1通信部及び第2通信部を制御する制御部、及びバイタルデータを監視する監視部の具体例として、制御部10を設けた。これに限らず、例えば、制御部10の代わりに、第1通信部及び第2通信部を制御する制御部と、バイタルデータを監視する監視部とを別々に設けるなどしてもよい。
【0116】
[5-9.他の実施の形態9]
さらに、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した実施の形態と他の実施の形態の一部または全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は、介護施設での業務を支援するシステムとして広く利用することができる。
【符号の説明】
【0118】
1……介護支援システム、2……検出装置、3……無線ユニット、4……業務管理装置、5、7……携帯端末、6……クラウドサーバ、10、20、30、40、……制御部、10r……トラッキング部、11……第1通信部、12……第2通信部、13、22、32、42……記憶部、14、23、43……操作部、15、24、44……表示部、21、31、41……通信部、d1……バイタルデータ、d2……入居者管理データ、d3……職員管理データ、d4……業務データ。