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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20221213BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20221213BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20221213BHJP
   G06F 16/9038 20190101ALI20221213BHJP
【FI】
B41J29/38 201
B41J29/42 F
G06F3/0482
G06F16/9038
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018165735
(22)【出願日】2018-09-05
(65)【公開番号】P2020037228
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115129
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100102716
【弁理士】
【氏名又は名称】在原 元司
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【弁理士】
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】町田 正博
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-253548(JP,A)
【文献】特開2018-034301(JP,A)
【文献】特開2013-197940(JP,A)
【文献】特開2018-129637(JP,A)
【文献】特開2012-198834(JP,A)
【文献】特開2001-067347(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0012806(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/42
G06F 3/0482
G06F 16/9038
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子データを取得する取得手段と、
前記電子データ中に、予め定めた条件に合致するページが存在する場合、該ページをサムネイル表示するよう制御する表示制御手段と、
を備え、
取得しながら処理を行い、取得中に前記条件に合致したページを取得した場合は、該処理を中止し、
前記処理を中止した後に、前記条件に合致しない属性に変更するための操作ができるように属性変更のための表示を行い、該属性変更が行われたことを条件として該処理を再開する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記条件に合致したページのサムネイルを、該条件に合致しないページのサムネイルとは異なった形態で表示するよう制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記条件に合致したページについては、サムネイルの形態を変化させて表示し、前記条件に合致しないページについては、サムネイルの形態を変化させないで表示するよう制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記条件に合致したページは表示せず、前記条件に合致しないページをサムネイル表示するよう制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記条件に対応する部分を拡大表示するよう制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記条件とは、ページの属性に関するものである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記属性とは、白黒、カラー画像、原稿サイズのうちのいずれかである、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記条件とは、ページが正常な状態か否かであることである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記正常な状態とは、読み取る方向とページの方向の関係性が適切であること、又は、付属品の位置が適切な状態であることである、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータを、
電子データを取得する取得手段と、
前記電子データ中に、予め定めた条件に合致するページが存在する場合、該ページをサムネイル表示するよう制御する表示制御手段
として機能させ、
取得しながら処理を行い、取得中に前記条件に合致したページを取得した場合は、該処理を中止し、
前記処理を中止した後に、前記条件に合致しない属性に変更するための操作ができるように属性変更のための表示を行い、該属性変更が行われたことを条件として該処理を再開する、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、適切に印刷を指示できるようにプレビュー表示を制御することができるドキュメント処理装置及びドキュメント処理プログラムを提供することを課題とし、ドキュメントの印刷を指示するドキュメント処理装置であって、前記ドキュメントを所定の印刷条件で印刷媒体に印刷する際に印刷される画像を表示する表示部と、前記画像の特性を解析する画像解析部と、解析した前記画像の特性と予め設定した警告条件とを比較し、前記画像の特性が前記警告条件に合致するか否かを判定する警告判定部と、前記画像の特性が前記警告条件に合致する場合、前記ドキュメントの印刷を指示する前に、前記表示部に前記画像を表示させる表示制御部と、を有することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-068998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ページによって構成されている文書等の電子データを処理するための事前の確認作業として、全てのページをサムネイル表示(縮小表示)することが行われている。しかし、全てのページをサムネイル表示されても、どのページに注意すればよいかが分からないため、サムネイルページの確認作業において見落としが発生してしまうことがある。
本発明では、電子データのページをサムネイル表示する技術について、ユーザーが着目すべきページを特定して表示することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。なお、以下の「請求項」とあるのは、出願当初の請求項である。
請求項1の発明は、電子データを取得する取得手段と、前記電子データ中に、予め定めた条件に合致するページが存在する場合、該ページをサムネイル表示するよう制御する表示制御手段と、を備えた情報処理装置である。
【0006】
請求項2の発明は、前記表示制御手段は、前記条件に合致したページのサムネイルを、該条件に合致しないページのサムネイルとは異なった形態で表示するよう制御する、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0007】
請求項3の発明は、前記表示制御手段は、前記条件に合致しないページのみをサムネイル表示するよう制御する、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0008】
請求項4の発明は、前記表示制御手段は、前記条件に対応する部分を拡大表示するよう制御する、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0009】
請求項5の発明は、前記条件とは、ページの属性に関するものである、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0010】
請求項6の発明は、前記属性とは、白黒、カラー画像、原稿サイズのうちのいずれかである、請求項5に記載の情報処理装置である。
【0011】
請求項7の発明は、前記条件とは、ページが正常な状態か否かであることである、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0012】
請求項8の発明は、前記正常な状態とは、読み取る方向とページの方向の関係性が適切であること、又は、付属品の位置が適切な状態であることである、請求項7に記載の情報処理装置である。
【0013】
請求項9の発明は、取得しながら処理を行い、取得中に前記条件に合致したページを取得した場合は、該処理を中止する、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0014】
請求項10の発明は、前記処理を中止した後に、前記条件に合致しない属性に変更するための操作ができるように属性変更のための表示を行い、該属性変更が行われたことを条件として該処理を再開する、請求項9に記載の情報処理装置である。
【0015】
請求項11の発明は、コンピュータを、電子データを取得する取得手段と、前記電子データ中に、予め定めた条件に合致するページが存在する場合、該ページをサムネイル表示するよう制御する表示制御手段として機能させるための情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の情報処理装置によれば、電子データのページをサムネイル表示する技術について、ユーザーが着目すべきページを特定して表示することができる。
【0017】
請求項2の情報処理装置によれば、条件に合致したページのサムネイルを、その条件に合致しないページのサムネイルとは異なった形態で表示することができる。
【0018】
請求項3の情報処理装置によれば、条件に合致しないページのみをサムネイル表示することができる。
【0019】
請求項4の情報処理装置によれば、ユーザーが着目すべき部分を拡大表示することができる。
【0020】
請求項5の情報処理装置によれば、条件として、ページの属性に関するものを用いることができる。
【0021】
請求項6の情報処理装置によれば、属性として、白黒、カラー画像、原稿サイズのうちのいずれかを用いることができる。
【0022】
請求項7の情報処理装置によれば、条件として、ページが正常な状態か否かを用いることができる。
【0023】
請求項8の情報処理装置によれば、正常な状態として、読み取る方向とページの方向の関係性が適切であること、又は、付属品の位置が適切な状態であることを用いることができる。
【0024】
請求項9の情報処理装置によれば、電子データを取得しながら処理を行い、取得中に条件に合致したページを取得した場合は、その処理を中止することができる。
【0025】
請求項10の情報処理装置によれば、処理を中止した場合は、条件に合致しない属性に変更するための操作ができるようになる。
【0026】
請求項11の情報処理プログラムによれば、電子データのページをサムネイル表示する技術について、ユーザーが着目すべきページを特定して表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
図2】本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
図3】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図4】本実施の形態によって表示する抽出設定用の画面の例を示す説明図である。
図5】ページ属性テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図6】原稿画像の余白の例を示す説明図である。
図7】ステイプル情報テーブル、パンチ情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図8】読み取り方向テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図9】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図10】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図11】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図12】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図13】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図14】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図15】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図16】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図17】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係、ログイン等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態にしたがって、又はそれまでの状況・状態にしたがって定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。また、「A、B、C」等のように事物を列挙した場合は、断りがない限り例示列挙であり、その1つのみを選んでいる場合(例えば、Aのみ)を含む。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0029】
本実施の形態である情報処理装置100は、電子データを処理するものであって、図1の例に示すように、取得モジュール105、条件記憶モジュール110、ページ探索モジュール115、表示制御モジュール120、表示モジュール125を有している。
【0030】
取得モジュール105は、ページ探索モジュール115と接続されている。取得モジュール105は、電子データを取得する。ここで「電子データ」は、少なくともユーザーに表示する部分がページで構成されているものであり、一般的に文書が含まれる。例えば、プリンタで印刷される印刷データ、スキャナで読み込まれた画像データ等がある。文書(ファイルともいわれる)とは、テキストデータ、数値データ、図形データ、画像データ、動画データ、音声データ等、又はこれらの組み合わせであり、記憶、編集及び検索等の対象となり、システム又は利用者間で個別の単位として交換できるものをいい、これらに類似するものを含む。具体的には、文書は、文書作成プログラム(いわゆるワープロソフト)によって作成された文書、画像読取装置(スキャナ等)で読み込まれた画像、Webページ等を含む。
「電子データを取得」とは、例えば、スキャナ、カメラ等で画像を読み込むこと、ファックス等で通信回線を介して外部機器から画像を受信すること、ハードディスク(コンピュータに内蔵されているものの他に、ネットワークを介して接続されているもの等を含む)等に記憶されている画像を読み出すこと等が含まれる。画像は、2値画像、多値画像(カラー画像を含む)であってもよい。受け付ける画像は、1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。また、画像の内容として、ビジネスに用いられる文書、広告宣伝用のパンフレット等であってもよい。
【0031】
条件記憶モジュール110は、ページ探索モジュール115と接続されている。条件記憶モジュール110は、予め定めた条件を記憶している。ここでの「予め定めた条件」として、具体的には、図4の例を用いて後述する抽出設定用の画面400で設定された条件がある。例えば、電子データの上限データ量等がある。
ページ探索モジュール115は、取得モジュール105、条件記憶モジュール110、表示制御モジュール120と接続されている。ページ探索モジュール115は、取得モジュール105によって取得された電子データ中から、条件記憶モジュール110に記憶されている条件に合致するページを探索する。
また、ページ探索モジュール115は、取得しながら処理を行い、取得中に条件に合致したページを取得した場合は、その処理を中止するようにしてもよい。「処理」として、例えば、画像処理がある。具体的には、印刷処理、画像読込処理等がある。
そして、ページ探索モジュール115は、処理を中止した後に、条件に合致しない属性に変更するための操作ができるように属性変更のための表示を行い、その属性変更が行われたことを条件としてその処理を再開するようにしてもよい。「属性変更のための表示」として、例えば、操作パネル上に属性設定画面を表示する。具体例として、条件が「閾値X以上のデータ量である」である場合に、解像度を変更するための操作(主に、解像度を下げる操作)を受け付ける属性設定画面を表示すればよい。
【0032】
表示制御モジュール120は、ページ探索モジュール115、表示モジュール125と接続されている。表示制御モジュール120は、取得モジュール105によって取得された電子データ中に、予め定めた条件に合致するページが存在する場合(ページ探索モジュール115による探索結果がある場合)、そのページをサムネイル(縮小画像)表示するよう表示モジュール125を制御する。ここで「条件」として、ページの属性に関するものとしてもよい。その「属性」として、白黒、カラー画像、原稿サイズのうちのいずれかとしてもよい。また、「条件」として、ページが正常な状態か否かであることとしてもよい。そして、「正常な状態」として、読み取る方向とページの方向の関係性が適切であること、又は、付属品の位置が適切な状態であることとしてもよい。この「付属品」として、例えば、ステイプル、パンチ等がある。
【0033】
また、表示制御モジュール120は、条件に合致したページのサムネイルを、その条件に合致しないページのサムネイルとは異なった形態で表示するよう制御するようにしてもよい。ここで「異なった形態」とは、条件に合致したページのサムネイルの形状、模様、色彩等を、条件に合致しないページのサムネイルのものとは異なるようにすることである。例えば、サムネイルを囲む線を太くすること、サムネイルに色を付すること、ハイライト表示(反転表示を含む)すること、条件に合致していることを示すメッセージを付加すること等があり、この他に、動的に変化すること(例えば、フラッシュ、アニメーション等)、点滅(点滅における変更対象は、点滅を行うか否か、点滅を行っている期間、点滅の間隔等がある)、又は、これらの組み合わせであってもよい。
また、表示制御モジュール120は、条件に合致しないページのみをサムネイル表示するよう制御するようにしてもよい。
また、表示制御モジュール120は、条件に対応する部分を拡大表示するよう制御するようにしてもよい。
【0034】
表示モジュール125は、表示制御モジュール120と接続されている。表示モジュール125は、表示制御モジュール120による制御によって画像(サムネイル画像を含む)、メッセージ等を、表示装置(パネルともいわれる)に表示する。表示装置として、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等があり、指、ペン等による接触位置を検出するタッチパネルとして構成されていてもよい。
【0035】
図2は、本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
図2(a)の例は、パーソナルコンピュータ200内に情報処理装置100を構築したものである。つまり、パーソナルコンピュータ200は、情報処理装置100を有しており、キーボード205、表示装置210と接続されている。表示モジュール125は、表示装置210に表示を行う。
例えば、ハードディスクに記憶されている文書を印刷する場合にあって、印刷の前準備としてその文書に予め定められた条件に合致するページがあるか否かを判断し、合致するページがあった場合は、そのページのサムネイル画像を他のページとは異なる形態で表示装置210に表示する。
【0036】
図2(b)の例は、画像処理装置250内に情報処理装置100を構築したものである。つまり、画像処理装置250は、情報処理装置100、表示パネル260を有している。情報処理装置100と表示パネル260は、接続されている。表示モジュール125は、表示パネル260に表示を行う。
例えば、画像処理装置250のスキャン機能を用いて、画像を読み込む処理(スキャン処理)を行っている場合に、その画像が予め定められた条件に合致するか否かを判断し、合致するページがあった場合は、そのページのサムネイル画像を他のページとは異なる形態で表示パネル260に表示する。つまり、スキャン蓄積中の画像をサムネイル画像でプレビューする場合にあって、予め定められた条件に合致するか否かを判断し、合致するページがあった場合は、ユーザーが着目すべきページとして表示を行う。
ここで、例えば「ファイルサイズが大きい場合は、解像度を落とす又はカラーを白黒にする」、又は、「A3原稿をスキャン画像から省く」等をしたい場合がある。本実施の形態(画像処理装置250)を用いずに行う場合、そのような条件を目視で確認する必要が生じて、人的なミスや煩雑な作業により多くの工数が発生することになる。
そこで、画像処理装置250では、ユーザーが所望する特徴の該当文書を見つけやすくする。特に、読み取り処理中のリアルタイムプレビュー表示時において、ユーザーが所望する特徴を持った文書をプレビューで分かりやすく表示する。
以下、本実施の形態として、主に画像処理装置250を用いた場合の処理例を示して説明する。
【0037】
図3は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS302では、ページ探索モジュール115は、条件を取得する。電子データを取得する前に、まず条件を取得する。なお、条件は、条件記憶モジュール110から取得するようにしてもよいし、ユーザーの操作によって設定された条件を取得するようにしてもよい。条件として、例えば、「白黒画像であること」、「カラー画像であること」、「ある特定の原稿サイズ(例えば、A3等)であること」、「読み込み方向」、「上限ファイルサイズ以上であること」、「白紙であること」、「ステイプル・パンチ位置が画像に掛かっているもの」、又は、これらの組み合わせがある。
【0038】
ステップS304では、取得モジュール105は、電子データを取得する。
ステップS306では、ページ探索モジュール115は、条件に合致するか否かを判断し、合致する場合はステップS308へ進み、それ以外の場合はステップS310へ進む。
【0039】
ステップS308では、表示制御モジュール120は、条件合致処理を行う。
例えば、条件に合致したページを「合致したページをサムネイルで一覧表示する」、「合致したページに属性情報をポップアップ表示する」、「合致したページの該当箇所を拡大表示する」、「合致した文書画像の特徴的な情報を拡大して表示する」等がある。
【0040】
ステップS310では、表示制御モジュール120は、条件非適合処理を行う。
例えば、条件に合致しないページのみを一般的なサムネイルで表示する等がある。つまり、他のページ(条件に合致したページ)については、サムネイルの形態を変化させて表示するが、条件に合致しないページについては、サムネイルの形態を変化させないで表示する。
また、条件に合致しないページのみをサムネイルで表示するようにしてもよい。つまり、他のページについては、そのページそのものを表示しないが、条件に合致しないページについては、サムネイル画像を表示する。
【0041】
ステップS312では、表示制御モジュール120は、全ての電子データを取得したか否かを判断し、取得した場合は処理を終了し(ステップS399)、それ以外の場合はステップS304へ戻る。例えば、画像処理装置250(特に、ADF(Auto Document Feeder)といわれている原稿送り装置)にセットした原稿を全てスキャンし終わった場合等が終了に該当する。
【0042】
図4は、本実施の形態によって表示する抽出設定用の画面の例を示す説明図である。図3の例に示したフローチャート内のステップS302に関する処理例を示すものである。
画面400には、ファイル上限設定410、カラーモード設定420、原稿サイズ設定430、白紙設定440、ステイプル・パンチ位置設定450、OKボタン490を表示する。ユーザーは、画面400に対して操作を行って、処理対象のページの条件を指定する。この例では、2つ以上の条件が指定された場合は、その条件間を論理和(OR)で抽出することとしているが、論理積(AND)、その他の論理演算(NOT)等によって組み合わせるようにしてもよい。
図4(a)の例では、ファイル上限設定410によって「1024」が条件として設定されている。つまり、データ量が1024KB以上であるページを抽出することを示している。
図4(b)の例では、カラーモード設定420によって「カラー」が条件として設定されている。そして、原稿サイズ設定430によって「A3」が条件として設定されている。つまり、「カラーであるページ(白黒ページではなく)」、又は、「原稿サイズがA3であるページ」を抽出することを示している。
図4(c)の例では、白紙設定440によって「検出する」が条件として設定されている。ステイプル・パンチ位置設定450によって「重なり有」が条件として設定されている。つまり、「ページが白紙であること」、又は、「ステイプル位置又はパンチ位置とページ内の画像との重なりが有るページであること」を示している。
OKボタン490が選択された場合、その時点での画面400内の設定にしたがって条件が決定される。
【0043】
図5は、ページ属性テーブル500のデータ構造例を示す説明図である。図3の例に示したフローチャート内のステップS304に関する処理例を示すものである。ステップS304で取得する電子データとして、ページ画像そのものの他に、そのページの属性(例えば、ページ属性テーブル500)を取得する。
ページ属性テーブル500は、文書id欄505、全ページ数欄510、ページ番号欄515、属性欄520を有しており、属性欄520は、容量欄522、白黒/カラー欄524、原稿サイズ欄526、白紙欄528、余白欄530、ページ方向欄540を有しており、余白欄530は、上欄532、下欄534、左欄536、右欄538を有している。
文書id欄505は、本実施の形態において、文書を一意に識別するための情報(文書id:identification)を記憶している。全ページ数欄510は、その文書の全ページ数を記憶している。全ページ数欄510内の数だけ、ページ番号欄515と属性欄520の組み合わせが続く。ページ番号欄515は、ページ番号を記憶している。文書idとページ番号によって、各ページを一意に識別することができるようになる。属性欄520は、そのページの属性を記憶している。容量欄522は、そのページのデータ量を記憶している。白黒/カラー欄524は、そのページが白黒であるかカラーであるかを示す情報を記憶している。原稿サイズ欄526は、そのページの原稿サイズを記憶している。白紙欄528は、そのページが白紙であるか否かを示す情報を記憶している。余白欄530は、そのページにおける余白を記憶している。上欄532は、そのページの上の余白のサイズを記憶している。下欄534は、そのページの下の余白のサイズを記憶している。左欄536は、そのページの左の余白のサイズを記憶している。右欄538は、そのページの右の余白のサイズを記憶している。余白のサイズについては、図6を用いて説明する。ページ方向欄540は、そのページのページ方向を記憶している。ページ方向欄540には、ランドスケープモード(横長)、又は、ポートレートモード(縦長)のいずれか一方が記憶される。
【0044】
図6は、原稿画像600の余白の例を示す説明図である。
原稿画像600は、余白(上)610、余白(下)620、余白(左)630、余白(右)640を有している。そして、余白(上)610は余白サイズ(上)615、余白(下)620は余白サイズ(下)625、余白(左)630は余白サイズ(左)635、余白(右)640は余白サイズ(右)645によって規定される。
【0045】
図7は、ステイプル情報テーブル700、パンチ情報テーブル750のデータ構造例を示す説明図である。ステイプル情報テーブル700、パンチ情報テーブル750内の値は、画像処理装置250の付属品(後処理装置)であるステイプル装置又はパンチ穴あけ機等によって定められている、又は、ユーザーの設定操作によって定められている。ページ探索モジュール115は、ステイプル情報テーブル700、パンチ情報テーブル750を用いて判断を行う。
図7(a)は、ステイプル情報テーブル700のデータ構造例を示す説明図である。
ステイプル情報テーブル700は、原稿サイズ欄705、ステイプル数欄710、位置欄715を有している。原稿サイズ欄705は、原稿サイズを記憶している。ステイプル数欄710は、ステイプル数を記憶している。位置欄715は、ステイプルの位置(例えば、原稿内のxy座標)を記憶している。
図7(b)は、パンチ情報テーブル750のデータ構造例を示す説明図である。
パンチ情報テーブル750は、原稿サイズ欄755、パンチ穴数欄760、位置欄765を有している。原稿サイズ欄755は、原稿サイズを記憶している。パンチ穴数欄760は、パンチ穴数を記憶している。位置欄765は、パンチ穴の位置(例えば、原稿内のxy座標)を記憶している。
【0046】
「ステイプル位置又はパンチ位置とページ内の画像との重なりが有るページであること」の条件の判断は、(1)ステイプル位置(位置欄715)又はパンチ位置(位置欄765)が、図6の例に示した余白内に収まっている場合は、重なりが無いと判断すること、(2)ステイプル位置又はパンチ位置(領域)に、原稿画像600の画像が描画されている場合は、重なりが有ると判断すること、のいずれかを用いればよい。
【0047】
図8は、読み取り方向テーブル800のデータ構造例を示す説明図である。読み取り方向テーブル800は、画像処理装置250で原稿を読み取る場合の設定を記憶している。ページ探索モジュール115は、読み取り方向テーブル800を用いて判断を行う。
読み取り方向テーブル800は、読み取り幅欄805、原稿サイズ欄810、読み取り方向欄815を有している。読み取り幅欄805は、読み取り幅を記憶している。原稿サイズ欄810は、原稿サイズを記憶している。読み取り方向欄815は、読み取り方向を記憶している。読み取り方向欄815には、ランドスケープモード(横長)、又は、ポートレートモード(縦長)のいずれか一方が記憶される。
例えば、ページ探索モジュール115は、読み取ったページのサイズから読み取り方向テーブル800を用いて、読み取り方向を検知すればよい。また、ページ探索モジュール115は、ページの方向として、ページ内の画像を90度毎に4回転させて、それぞれの画像(正立の画像、90度回転の画像、180度回転の画像、270度回転の画像)を文字認識し、最も文字認識できた画像の回転角度をページ方向とすればよい。読み取り方向とページ方向が一致している場合、読み取る方向とページの方向の関係性が適切であると判断する。また、単にページの方向が正立の画像である場合に、読み取る方向とページの方向の関係性が適切であると判断してもよい。
【0048】
図9は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
画面900には、ページ番号表示領域902、サムネイル表示領域904、OKボタン990を表示する。
この例は、図4(a)に示した設定(データ量が1024KB以上であるページ)にしたがって抽出した例を示したものであり、表示方法として、条件に合致するページだけを表示したものである。
サムネイル表示領域904には、1ページ目のサムネイル910、10ページ目のサムネイル920、15ページ目のサムネイル930を表示し、サムネイル910には吹きだしコメント912(ファイルサイズ:1024)を、サムネイル920には吹きだしコメント922(ファイルサイズ:1055)を、サムネイル930には吹きだしコメント932(ファイルサイズ:1200)を表示する。条件に合致していない他のページ(2~9ページ、11~14ページ等)は、サムネイルを表示していない。
【0049】
図10は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
画面1000には、サムネイル1010、サムネイル1020、サムネイル1030、サムネイル1040、OKボタン1090を表示し、サムネイル1010には吹きだしコメント1012を表示する。
この例は、図4(b)に示した設定(データ量が1024KB以上であるページ)にしたがって抽出した例を示したものであり、表示方法として、条件に合致するページのサムネイル1010を他のページのサムネイルとは異なる形態で表示したものである。つまり、サムネイル1010の枠線を太くし、条件に合致した属性の値(吹きだしコメント1012)を表示している。
【0050】
図11は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
画面1100には、サムネイル1110、サムネイル1120、サムネイル1130、OKボタン1190を表示し、サムネイル1120には吹きだしコメント1122を表示する。
この例は、図4(b)に示した設定(原稿サイズがA3であるページ)にしたがって抽出した例を示したものであり、表示方法として、条件に合致するページのサムネイル1120を他のページのサムネイルとは異なる形態で表示したものである。つまり、サムネイル1120に対して、条件に合致した属性の値(吹きだしコメント1122)を表示している。
【0051】
図12は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
画面1200には、サムネイル表示領域1202、確認用領域1204、OKボタン1290を表示する。
サムネイル表示領域1202には、サムネイル1210、サムネイル1220、サムネイル1230、サムネイル1240、サムネイル1250を表示し、サムネイル1240には吹きだしコメント1242を表示する。
確認用領域1204には、確認用画像1224を表示し、確認用画像1224には、吹きだしコメント1222、パンチ穴1226、パンチ穴1228を表示する。
この例は、図4(c)に示した設定(ステイプル・パンチ位置が画像と重なり有りのページ、又は、白紙のページ)にしたがって抽出した例を示したものであり、表示方法として、条件に合致するページのサムネイル1220、サムネイル1240を他のページのサムネイルとは異なる形態で表示したものである。つまり、サムネイル1220、サムネイル1240の枠線を太くし、条件に合致した属性の値(吹きだしコメント1242)を表示している。そして、サムネイル1220については、確認用領域1204に確認用画像1224を表示しており、それに対して吹きだしコメント1222(パンチと画像との重なり有)を表示している。なお、確認用画像1224は、サムネイル1220と同じ画像であり、確認用領域1204に合わせて拡大している。これによって、確認用画像1224内の画像1229とパンチ穴1226とは重なっていることが明確に分かるようになる。
【0052】
図13は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
画面1300には、サムネイル表示領域1302、拡大表示領域1304、OKボタン1390を表示する。
サムネイル表示領域1302には、サムネイル1310、サムネイル1320、サムネイル1330、サムネイル1340、サムネイル1350を表示し、サムネイル1340には吹きだしコメント1342を表示する。
拡大表示領域1304には、確認用拡大画像1324を表示する。
図13の表示例は、図12の表示例と同等のものであり、図4(c)に示した設定(ステイプル・パンチ位置が画像と重なり有りのページ、又は、白紙のページ)にしたがって抽出した例を示したものであり、表示方法として、条件に合致するページのサムネイル1320、サムネイル1340を他のページのサムネイルとは異なる形態で表示したものである。つまり、サムネイル1320、サムネイル1340の枠線を太くし、条件に合致した属性の値(吹きだしコメント1342)を表示している。そして、サムネイル1320については、拡大表示領域1304に確認用拡大画像1324のうち、条件に対応する部分を拡大表示している。なお、確認用拡大画像1324は、サムネイル1320と同じ画像であり、図12の例に示した確認用画像1224よりもさらに拡大しており、画像1329とパンチ穴1326とが重なり合っている部分を拡大表示している。これによって、確認用拡大画像1324内の画像1329とパンチ穴1326とは重なっていることが明確に分かるようになる。
【0053】
図14は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。条件に合致するページを発見した場合の処理例を示すものである。
特に、画像処理装置250においてリアルタイムプレビューの処理を行っている場合に、この処理を行ってもよい。
例えば、ユーザーが予め設定した属性を設定し、原稿読み込み中(いわゆるジョブ中)にその情報に合致したページを抽出した場合は、処理を中止する。
【0054】
ステップS1402では、処理を中止(一旦停止を含む)する。例えば、画像の読み取り処理(スキャン処理)を中止する。
ステップS1404では、処理設定変更画面を表示する。例えば、電子データの上限データ量以上である条件に合致した場合は、読み込みの解像度を変更する処理設定変更画面、又は、カラー読み取りを白黒読み取りに変更する処理設定変更画面を表示する。また、ステイプル又はパンチの設定(例えば、数又は位置等)を変更する処理設定変更画面を表示する。
【0055】
ステップS1406では、処理設定を変更する操作を受け付ける。
ステップS1408では、条件に合致するように処理設定が変更されたか否かを判断し、変更された場合は処理を終了し(ステップS1499)、それ以外の場合はステップS1410へ進む。例えば、前述の例で、読み込みの解像度を変更する処理設定変更画面において、解像度を下げる設定にすることが、「条件に合致するように処理設定が変更された」に該当する。また、カラー読み取りを白黒読み取りに変更する処理設定変更画面において、白黒で読み込むように設定することが、「条件に合致するように処理設定が変更された」に該当する。また、ステイプル又はパンチの設定を変更する処理設定変更画面において、変更後のステイプル又はパンチの位置で、対象としているページ内の画像と重なりが発生しているか否かを判断し、重なりが無い場合が「条件に合致するように処理設定が変更された」に該当する。
ステップS1410では、エラーメッセージを表示し、ステップS1404へ戻る。
なお、ステップS1408でYesとなった後は、変更された処理設定で処理をやり直す。具体的には、対象となっているページの読み取りを再度行うように、メッセージ(「もう一度、対象となっているページをスキャンし直してください」等)を表示し、ユーザーにスキャン操作を行わせる。
【0056】
図15は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
画面1500には、サムネイル表示領域1502、確認用領域1504、編集ボタン1580、OKボタン1590を表示する。
サムネイル表示領域1502には、サムネイル1510、サムネイル1520、サムネイル1530、サムネイル1540、サムネイル画像1550を表示し、サムネイル1540には吹きだしコメント1542を表示する。
確認用領域1504には、確認用画像1524を表示し、確認用画像1524には、吹きだしコメント1522、パンチ穴1526、パンチ穴1528を表示する。
図12の例に示したものと同等のものであるが、編集ボタン1580を付加している。編集ボタン1580が選択された場合は、図16の例に示す画面1600(パンチの設定を変更する処理設定変更画面)を表示する。
【0057】
図16は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
画面1600には、パンチ穴個数設定領域1610、パンチ穴位置設定領域1620、OKボタン1690を有している。
パンチ穴位置設定領域1620には、左右上下設定領域1622、位置設定領域1624を表示する。
位置設定領域1624は、左右上下設定領域1622で設定された縁からの距離によって、パンチ穴を設定するものである。パンチ穴と画像との重なりを解消するために、パンチ穴の位置を縁寄りにするのが望ましい。つまり、位置設定領域1624に現在の値以上の値が設定された場合、又は、画像処理によって、パンチ穴1526と重なっている画像1529の位置を検知し、画像1529と重ならない位置になるようにパンチ穴1526の位置が変更された場合は、ステップS1408で「Yes」となる。
また、画像処理によって、画像1529の位置を検知した場合は、画像1529と重ならない位置を算出し、位置設定領域1624の値をその算出した位置を示す値に修正して(デフォルトの値として)、画面1600を表示するようにしてもよい。
【0058】
本実施の形態によって、例えば、以下に示すような処理が可能になる。
(1)スキャンした画像を格納するために上限データ量が決められている場合、上限データ量以上となっている画像だけ解像度を落として再スキャンしたいことがある。原稿をスキャンし、ファイルサイズが上限データ量以上となっているページ(画像)を選定するため、図4の例に示したユーザーインタフェースの抽出設定で「ファイルサイズ上限値」(ファイル上限設定410)を設定して、スキャンのジョブを実行する。読み込んだ原稿のうち、ファイルサイズ上限値以上となっているために解像度やカラー属性などを変更させた方がよい候補をサムネイルで一覧表示する。
【0059】
(2)スキャンした画像を格納するために上限データ量が決められている場合、カラー画像だけを抽出し、いくつかを白黒に変更したいことがある。図4の例に示したユーザーインタフェースの抽出設定で「カラー画像」(カラーモード設定420)を設定して、スキャンのジョブを実行する。読み込んだ原稿のうち、カラー画像の載ったページだけをサムネイルで一覧表示する。
【0060】
(3)スキャンした画像を格納するために上限データ量が決められている場合、上限データ量以上となっている画像だけ解像度やカラーモードを変更してファイルサイズを小さくしたいことがある。原稿をスキャンし、ファイルサイズが上限データ量以上となっているページ(画像)を選定するため、図4の例に示したユーザーインタフェースの抽出設定で「ファイルサイズ上限値」(ファイル上限設定410)を設定して、スキャンのジョブを実行する。すると、原稿読み込み中の画像をサムネイルのプレビューで確認することができ、上限データ量以上となっているためにパラメータを変更すべきページの画像のみハイライトして表示する。ハイライトされることで、ユーザーは確認すべきページを明確に特定することができ、ハイライトしたページのうち画質を落としてもよいページを目視で判断しつつ解像度やカラーモードの変更を行えるようになる。
【0061】
(4)A4サイズとA3サイズの混在した原稿をスキャンし、グループメンバにメールする際、A3サイズの縦横があっているかをチェックしておきたい場合、図4の例に示したユーザーインタフェースの抽出設定で「原稿サイズ=A3」(原稿サイズ設定430)を設定して、スキャンのジョブを実行する。原稿読み込み中の画像をサムネイルのプレビューで確認することができ、A3サイズのページのみハイライトして表示する。ハイライトされることで、ユーザーは確認すべきページを明確に特定することができ、ハイライトされたページで縦横方向間違えのあるものを目視で確認・判断して、設定変更が行えるようになる。
【0062】
(5)複写(コピー)でステイプルを打ちたい場合、図4の例に示したユーザーインタフェースの抽出設定で「ステイプル・パンチ位置が画像に掛かっているもの」(ステイプル・パンチ位置設定450)を設定して、複写のジョブをプレビュー実行する。すると、原稿読み込み中のページをプレビューで確認することができ、ステイプル位置が画像に載ってしまっているページのみハイライトして表示する。ハイライトされることで、ユーザーは確認すべきページを明確に特定することができ、ステイプル位置の調整を行い、出力することが可能となる。
【0063】
(6)複数文書を合成したような場合で文書の中に白紙があるとき、白紙の意味をなすものとないものが混在するケースがでてくる。このような原稿の中に白紙があるかをチェックして(自動削除ではなく)必要に応じて削除したい場合、図4の例に示したユーザーインタフェースの抽出設定で「白紙あり」(白紙設定440)を設定して、スキャンのジョブを実行する。原稿読み込み中の画像をサムネイルのプレビューで確認することができ、白紙のページのみハイライトして表示する。ハイライトされることで、ユーザーは確認すべきページを明確に特定することができ、ハイライトしたページで白紙として削除すべきものを目視で確認・判断して、削除することができる。
【0064】
図17を参照して、本実施の形態の情報処理装置100のハードウェア構成例について説明する。図17に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等によって構成されるものであり、スキャナ等のデータ読み取り部1717と、プリンタ等のデータ出力部1718を備えたハードウェア構成例を示している。
【0065】
CPU(Central Processing Unit)1701は、前述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、取得モジュール105、ページ探索モジュール115、表示制御モジュール120、表示モジュール125等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
【0066】
ROM(Read Only Memory)1702は、CPU1701が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)1703は、CPU1701の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス1704により相互に接続されている。
【0067】
ホストバス1704は、ブリッジ1705を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス1706に接続されている。
【0068】
キーボード1708、マウス等のポインティングデバイス1709は、操作者により操作されるデバイスである。ディスプレイ1710は、液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tube)等があり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。また、ポインティングデバイス1709とディスプレイ1710の両方の機能を備えているタッチスクリーン等であってもよい。その場合、キーボードの機能の実現について、キーボード1708のように物理的に接続しなくても、画面(タッチスクリーン)上にソフトウェアでキーボード(いわゆるソフトウェアキーボード、スクリーンキーボード等ともいわれる)を描画して、キーボードの機能を実現するようにしてもよい。
【0069】
HDD(Hard Disk Drive)1711は、ハードディスク(フラッシュ・メモリ等であってもよい)を内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU1701によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。ハードディスクは、条件記憶モジュール110等としての機能を実現させる。さらに、その他の各種データ、各種コンピュータ・プログラム等が格納される。
【0070】
ドライブ1712は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体1713に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース1707、外部バス1706、ブリッジ1705、及びホストバス1704を介して接続されているRAM1703に供給する。なお、リムーバブル記録媒体1713も、データ記録領域として利用可能である。
【0071】
接続ポート1714は、外部接続機器1715を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート1714は、インタフェース1707、及び外部バス1706、ブリッジ1705、ホストバス1704等を介してCPU1701等に接続されている。通信部1716は、通信回線に接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部1717は、例えばスキャナであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部1718は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0072】
なお、図17に示す情報処理装置100のハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図17に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続している形態でもよく、さらに図17に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、携帯情報通信機器(携帯電話、スマートフォン、モバイル機器、ウェアラブルコンピュータ等を含む)、情報家電、ロボット、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
【0073】
また、前述の実施の形態の説明内での比較処理において、「以上」、「以下」、「より大きい」、「より小さい(未満)」としたものは、その組み合わせに矛盾が生じない限り、それぞれ「より大きい」、「より小さい(未満)」、「以上」、「以下」としてもよい。
【0074】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD-ROM)、CDレコーダブル(CD-R)、CDリライタブル(CD-RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu-ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラムの全体又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分若しくは全部であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0075】
100…情報処理装置
105…取得モジュール
110…条件記憶モジュール
115…ページ探索モジュール
120…表示制御モジュール
125…表示モジュール
200…パーソナルコンピュータ
205…キーボード
210…表示装置
250…画像処理装置
260…表示パネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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図17