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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20220101AFI20221213BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20221213BHJP
【FI】
G06F3/0484
G06Q10/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018170845
(22)【出願日】2018-09-12
(65)【公開番号】P2020042657
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯村 和也
(72)【発明者】
【氏名】松尾 淑央
(72)【発明者】
【氏名】田代 潔
(72)【発明者】
【氏名】都甲 篤史
【審査官】甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0152021(US,A1)
【文献】特開2017-084402(JP,A)
【文献】特開2014-174925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048- 3/04895
G06Q 10/00 -99/00
G06F 16/00 -16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示対象を配置する操作に応じて処理対象に対する一連の処理を生成する生成手段と、
前記表示対象が操作されているときに、生成された前記一連の処理の内容を自然文で表示するよう制御する表示制御手段と、
を備え
前記表示制御手段は、前記自然文のうち、操作されている前記表示対象に関連付けられた部分を強調して表示するよう制御する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、操作者の指示に応じて前記一連の処理の内容を前記自然文で表示するよう制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示対象が変更された場合、前記表示制御手段は、変更された前記表示対象に応じて前記自然文を変更して表示するよう制御する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、変更された前記自然文を強調して表示するよう制御する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記自然文のうち、前記変更された部分のみを表示するよう制御する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
表示対象を配置する操作に応じて処理対象に対する一連の処理を生成する生成手段と、
前記表示対象が操作されているときに、生成された前記一連の処理の内容を自然文で表示するよう制御する表示制御手段として機能させるためのプログラムであって、
前記表示制御手段は、前記自然文のうち、操作されている前記表示対象に関連付けられた部分を強調して表示するよう制御する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自然言語で書かれたソフトウェア仕様を入力として、対象とするプログラムソースを自動的に生成する機能を備えたシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載されたシステムは、ソフトウェア仕様を入力する端末装置と、前記入力されたソフトウェア仕様を処理する処理装置と、前記入力されたソフトウェア仕様並びに内部処理で作成された情報を格納する記憶装置を備え、自然言語で記述されたソフトウェア仕様を入力情報として、目的とするソフトウェア製品を生成するようになしたことを特徴とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平6-214776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ワークフロー等の一連の処理の流れを生成する際は、表示画面上で処理や流れを示すアイコン等の表象画像を配置して、処理の流れを設計する技術が知られている。しかし、その操作で生成した処理の流れが正常か否か、表象画像の配置だけでは判断できないときがある。
【0006】
本発明の課題は、表示対象を配置する操作に応じて生成した、一連の処理の内容を自然文によって確認することが可能な情報処理装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]表示対象を配置する操作に応じて処理対象に対する一連の処理を生成する生成手段と、
前記表示対象が操作されているときに、生成された前記一連の処理の内容を自然文で表示するよう制御する表示制御手段と、
を備え
前記表示制御手段は、前記自然文のうち、操作されている前記表示対象に関連付けられた部分を強調して表示するよう制御する、
情報処理装置。
[2]前記表示制御手段は、操作者の指示に応じて前記一連の処理の内容を前記自然文で表示するよう制御する、
前記[1]に記載の情報処理装置。
]前記表示対象が変更された場合、前記表示制御手段は、変更された前記表示対象に応じて前記自然文を変更して表示するよう制御する、
前記[1]又は[2]に記載の情報処理装置。
]前記表示制御手段は、変更された前記自然文を強調して表示するよう制御する、
前記[]に記載の情報処理装置。
]前記表示制御手段は、前記自然文のうち、前記変更された部分のみを表示するよう制御する、
前記[]に記載の情報処理装置。
]コンピュータを、
表示対象を配置する操作に応じて処理対象に対する一連の処理を生成する生成手段と、
前記表示対象が操作されているときに、生成された前記一連の処理の内容を自然文で表示するよう制御する表示制御手段として機能させるためのプログラムであって、
前記表示制御手段は、前記自然文のうち、操作されている前記表示対象に関連付けられた部分を強調して表示するよう制御する、
プログラム。
【発明の効果】
【0008】
請求項1、に係る発明によれば、操作者は、表示対象を配置する操作と同期して生成した、一連の処理の内容を自然文によって確認することができるとともに、操作した内容に対応する箇所を特定して確認することができる
請求項2に係る発明によれば、操作者が確認したいタイミング生成した一連の処理の内容を自然文によって確認することができる
求項に係る発明によれば、操作者は、変更に対応した箇所を特定して確認することができる。
請求項に係る発明によれば、変更に対応した箇所の特定を目立つように表示することができる。
請求項に係る発明によれば、変更に関わらない箇所を表示しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る情報処理装置の制御系の一例を示すブロック図である。
図2図2は、自然文からワークフローを生成して表示する作業画面の一例を示す図である。
図3図3は、処理対象を送付するワークフローを生成する作業画面の一例を示す図である。
図4図4は、承認者の処理に係るワークフローを生成する作業画面の一例を示す図である。
図5図5は、基準を満たさない自然文が入力された場合の作業画面の一例を示す図である。
図6図6は、自然文が変更された場合の作業画面の一例を示す図である。
図7図7は、基準を満たさない自然文が入力された場合の作業画面の他の一例を示す図である。
図8図8は、アイコンリスト画面及び切替画面が表示された作業画面の一例を示す図である。
図9図9は、構成図から文章を生成して表示する作業画面の一例を示す図である。
図10図10は、設定画面が表示された作業画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。なお、図2図10に示す画像の寸法比は、必ずしも実際の寸法比と一致するものではない。
【0011】
[実施の形態の要約]
本実施の形態に係る情報処理装置は、表示対象を配置する操作に応じて処理対象に対する一連の処理を生成する生成手段と、生成された一連の処理の内容を自然文で表示するよう制御する表示制御手段とを備える。
【0012】
「表示対象」は、機能や処理の内容を図案化して示す図形をいう。「処理対象」は、当該情報処理装置の処理の実行の対象となる対象物をいう。処理対象には、例えば、申請書、契約書、仕様書、帳票等の文書が含まれる。「一連の処理」は、少なくとも1つ以上の処理を関連付けて構築される処理の流れ(「ワークフロー」ともいう。)をいう。
【0013】
「自然文」とは、人が日常的に使用する言語で記述された文をいう。本実施の形態の「自然文」は、文の意味の解析や単語の抽出が可能な文であればよく、例えば、意味及び発音が同一の複数の異なる文字列で記述される単語、すなわち、表現の揺れを含む文を含む。「自然文」には、例えば、文書を書くときに使う書き言葉に加えて、日常の生活において口頭でやりとりするときに使われる話し言葉等が含まれる。
【0014】
[実施の形態]
(情報処理装置の構成)
図1は、本発明の一実施の形態に係る情報処理装置の制御系の一例を示すブロック図である。情報処理装置1は、例えば、パーソナルコンピュータ、複合機等の画像形成装置や、タブレッド端末、多機能携帯電話機(スマートフォン)等の携帯情報端末が該当する。
【0015】
情報処理装置1は、図1に示すように、各部を制御する制御部11と、各種のデータを記憶する記憶部12と、情報の表示を行う表示部13と、情報の入力を行う入力部14とを備えている。
【0016】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、インターフェース等から構成されている。CPUは、記憶部12に記録されたプログラム120に従って動作することにより、第1の受付手段110A、第2の受付手段110B、切替手段111、文章解析手段112、文章修正手段113、補完手段114、生成手段115、編集手段116、表示制御手段117、文章生成手段118、警告手段119等として機能する。各手段110~119の詳細については後述する。
【0017】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク等から構成され、プログラム120、構成要素変換辞書121、基準情報122、ワークフロー構成要素リスト123、画面情報124、ユーザ情報125等の各種データを記憶する。なお、本明細書において、記憶部12に情報を書き込む場合に「記憶」を用い、上述の各種情報に何らかの内容を書き込む場合や各種情報を更新する場合に「記録」を用いる。
【0018】
構成要素変換辞書121は、自然文を解析して抽出した単語を、ワークフローを構成する要素に置き換えるための変換辞書である。ここで、ワークフローとは、処理対象に対して少なくとも1つ以上の処理を連続的に実行するよう関連付けて構築された処理の流れ(「一連の処理」ともいう。)をいう。
【0019】
「自然文」とは、人が日常的に使用する言語(以下、「自然言語」ともいう。)で記述された文をいい、例えば、文章を書くときに使う書き言葉に加えて、日常の生活において口頭でやりとりするときに使われる話し言葉等が含まれる。
【0020】
具体的には、「自然文」には、以下の文の類型が含まれる。
(a)平仮名、片仮名、漢字、アルファベット等の表記に用いる文字種による違いや、漢字が使用される場合の送り仮名の不統一等により、意味及び発音が同一にもかかわらず異なる表記で記述された文(すなわち、表現のゆらぎを含む文)の類型、及び
(b)主語、目的語、述語、修飾語、副詞等の構成要素の並びの違い、これらの構成要素のいずれかの省略、「です、ます」調及び「だである」調等の文末形式の違い、方言、類語、略語の使用による文言の違い、「て」、「に」、「を」、「は」の助詞の誤記及び省略等による形式上の構文の違いにより、表記上の一定の相違はあるものの実質的に同一の意味を有する文の類型等。
【0021】
なお、本実施の形態における「自然文」には、機械語、関数、プログラミング等の一定の規則に従って記述することが要求される文の類型をさらに含めてもよい。また、言語は、日本語に限られない。
【0022】
構成要素変換辞書121は、固定的な情報でもよく、あるいは、深層学習(Deep Learning)等の機械学習機能により定期的に更新してもよい。
【0023】
基準情報122は、入力された自然文の状態を判定する基準となる情報である。基準情報122には、例えば、後述する文章解析手段112による文章の解析が可能な状態となっているか否かを判定する第1の基準、後述する文章修正手段113や補完手段114による文章の変更が必要か否かを判定する第2の基準、後述する生成手段115により生成されたワークフローを実行するために必要な実行条件を満たしているか否かを判定する第3の基準等が含まれる。
【0024】
第1の基準を満たしていない場合には、例えば、以下の場合が挙げられる。
(1-A)表現の揺れが予め定められた範囲を超えている場合、
(1-B)自然文の文法が一定の基準を満たしていない場合等。
【0025】
第2の基準を満たしていない場合には、例えば、以下の場合が挙げられる。
(2-A)自然文の意味の解析が可能な状態であるが、自然文の構成に不足がある場合(例えば、一文に処理に関する複数の記述が含まれる場合に、2つ目以降の記述において主体の記述を省略した場合等、図3参照)、
(2-B)予め定められた範囲内の表現の揺れが含まれる場合(例えば、「交通費申請書」と記述された処理対象を2回目以降に用いる際に単に「申請書」と記述した場合等、図3参照。)等。
【0026】
第3の基準を満たしていない場合には、例えば、以下の基準が含まれる。
(3-A)ワークフローが開始されない状態の場合(例えば、処理対象の送付を行う処理が含まれているにもかかわらず送付先が指定されていない場合のような、主体や送付先等の主要な設定値が設定されていない場合等、図5図9参照。)、
(3-B)ワークフローが途中で停止する状態の場合(例えば、設定値や処理の流れに矛盾が生じている場合等、図7参照。)等。
【0027】
ワークフロー構成要素リスト123は、処理の実行を指示する主体、処理の対象となる処理対象、処理を実行する機能(以下、単に「ツール」ともいう。)等のワークフローを構成する要素(以下、「ワークフロー構成要素」ともいう。)を一覧で示したテーブルである。「処理」には、例えば、文書の作成、文書内での電子印鑑(以下、「デート印」ともいう。)の押印、特定の送信先への文書の送付及び受領等が含まれる。
【0028】
画面情報124は、後述する表示制御手段117により表示部13に表示される各種画面及び各画面を構成する図形に係る情報である。画面には、例えば、作業画面3(図2等参照)、アイコンリスト画面5(図8参照)、切替画面7(図8参照)、設定画面9(図10参照)等が含まれる。
【0029】
図形には、上述のツールを示すアイコン等が含まれる(図8参照)。なお、「アイコン」とは、主体、処理対象、処理や機能の内容を図形で表したもの、主体、処理対象、処理や機能の内容を図形で表したものに文字や記号を付加したものや、文字や記号のみで構成されたものをいう。各画面及びアイコンの詳細については、後述する。
【0030】
ユーザ情報125は、ユーザを識別するユーザ識別情報とユーザの属性を示すユーザ属性情報とを関連付けて記録した情報である。ユーザ識別情報には、ユーザの氏名、ユーザのID等が含まれる。また、ユーザ属性情報には、例えば、当該ユーザが属する所属(例えば、会社、部門、部署、グループ等の組織、以下、「テナント」ともいう。)を示す情報が含まれる。
【0031】
次に、制御部11の各手段110~119の詳細について説明する。第1の受付手段110Aは、入力部14から入力された処理の内容を記述する自然文を受け付ける。第2の受付手段110Bは、表示部13に表示されたアイコンを移動する操作を受け付ける。アイコンは、表示対象の一例である。
【0032】
切替手段111は、第1の受付手段110Aの制御及び第2の受付手段110Bの制御のうちいずれの制御を有効とするかを切り替える。切替手段111が第1の受付手段110Aの制御を有効とするように切り替えた場合、第1の受付手段110Aは、自然文の入力を受け付ける。第2の受付手段110Bは、アイコンを移動する操作を受け付けない。
【0033】
これに対して、切替手段111が第2の受付手段110Bの制御を有効とするように切り替えた場合、第2の受付手段110Bは、アイコンを移動する操作を受け付ける。第1の受付手段110Aは、自然文の入力を受け付けない。
【0034】
切替手段111は、例えば、構築されているワークフローの完成の度合いを示す指標(以下、「完成度」ともいう。)に応じて、第1の受付手段110Aを有効とする状態から第2の受付手段110Bを有効とする状態に切り替えてもよい。完成度は、例えば、表示されているアイコンの表示量(例えば、アイコンの数や、後述する接続記号の数等)や、枠の表示の有無、接続記号に処理同士の関連付けの設定の状況等に応じて評価してもよい。
【0035】
切替手段111は、完成度が予め定められた値以下となった場合に、第1の受付手段110Aを有効とする状態から第2の受付手段110Bを有効とする状態に切り替えるとともに、完成度が予め定められた値よりも大きくなった場合に、第2の受付手段110Bを有効とする状態から第1の受付手段110Aを有効とする状態に切り替えてもよい。
【0036】
完成度が予め定められた値以下の場合の一例として、後述するワークフロー表示領域30(図2等参照)にアイコンが表示されていない状態、すなわち、ワークフローの基礎となる枠組み(「全体像」ともいう。)を生成するときには、切替手段111は、第1の受付手段110Aを有効として自然文の入力によるワークフローの構築を優先的に行うようにしてもよい。
【0037】
完成度が予め定められた値よりも大きい場合の一例として、一定のワークフローが構築さている状態において、詳細の設定や変更等の調整を行うときには、切替手段111は、第2の受付手段110Bを有効としてアイコンを移動する操作によるワークフローの構築を優先的に行うようにしてもよい。
【0038】
文章解析手段112は、第1の受付手段110Aが受け付けた自然文を解析して、自然文を構成する要素(以下、文章構成要素」ともいう。)を抽出し、記憶部12の構成要素変換辞書121と照らし合わせて、ワークフロー構成要素を抽出するとともに、抽出したワークフロー構成要素をさらに解析して自然文に含まれる内容を抽出する。文章解析手段112が行う解析には、例えば、形態素解析、構文解析、意味解析、文脈解析等が含まれる。
【0039】
文章修正手段113は、入力部14に入力された自然文、すなわち第1の受付手段110Aが受け付けた自然文が基準情報122に記録された基準(特に、第2の基準)を満たしていない場合、当該基準が満たされるように自然文を修正する。なお、「修正」には、自然文に何らかの記述を追加すること(「補足」ともいう。)、自然文から少なくとも1つ以上の記述を削除すること、自然文の少なくとも一部の記述を他の記述に置き換えること等が含まれる。
【0040】
補完手段114は、入力された自然文が基準情報122に記録された基準(特に、第3の基準(中でも特に、3-A))を満たしていない場合に、この自然文を修正してワークフローを構築し得る情報を有する自然文に変更する。
【0041】
「ワークフローを構築し得る」とは、当該自然文によって暫定的なワークフローを構築するための情報が揃っていること、すなわち、ワークフロー構成要素を決定するための情報が揃っていることをいい、例えば、主要な設定値が省略されていないことが該当する。
【0042】
一例として、処理対象の送付を行う処理において送付先が記述されていない場合に、補完手段114は、予め定められた者を仮の送付先として補完することによって、暫定的なワークフローが形成される自然文に変更する。
【0043】
生成手段115は、文章解析手段112による解析の結果に応じて、第1の受付手段110Aが受け付けた自然文に対応するワークフローを生成する。具体的には、生成手段115は、文章解析手段112により抽出された文章構成要素を記憶部12に記憶されたワークフロー構成要素リスト123と照合し、各文章構成要素に対応する主体、処理対象、ツール等を特定した上で、これらを組み合わせることによりワークフローを構築する(図2図3等参照)。
【0044】
また、生成手段115は、第2の受付手段110Bが受け付けたアイコンを移動する操作に応じて、処理対象に対するワークフローを生成する。具体的には、生成手段115は、第2の受付手段110Bが受け付けたアイコンを移動する操作に応じて、アイコンの配置(「レイアウト」ともいう。)を解析してアイコン間の関係性を求め、主体や、処理対象、ツール等を特定した上で、これらを組み合わせてワークフローを生成する。
【0045】
編集手段116は、自然文の変更に応じて生成手段115により生成されたワークフローの編集を行う。ワークフローの編集には、例えば、ワークフローへの処理の追加、ワークフローからの処理の削除、ワークフローを構成する処理の順序の変更、ワークフローを構成する処理の設定値の変更等が含まれる。この「変更」には、操作者の操作によって行われた変更、及び上述の文章修正手段113及び補完手段114によって行われた変更がともに含まれる。
【0046】
表示制御手段117は、ワークフローを示す構成図500図2等参照)や自然文等の表示対象を表示部13に表示するよう制御する。なお、以下の説明では、「表示部13に表示するよう制御する」を単に「表示する」ともいう。また、表示対象を主語として「表示部13に表示される」、あるいは単に「表示される」ともいう。
【0047】
文章生成手段118は、ワークフローの内容を記述する文章を生成する。具体的には、文章生成手段118は、第2の受付手段110Bが受け付けたアイコンを移動する操作に応じて生成手段115により生成されたワークフローの構成要素を抽出してそれぞれを文章構成要素に変換して、ワークフローの内容を記述する文章を生成する。ワークフローの内容を記述する文章は、例えば、自然文で構成される。
【0048】
警告手段119は、入力された自然文が基準情報122に記録された基準を満たさない場合に警告を出力する。警告手段119による警告の方法には、例えば、警告を示す警告情報(「エラーメッセージ」ともいう。)を表示する方法や、音(アラームやブザー)や音声を発する方法、LEDの点灯させる方法等の公知の方法を用いてよい。また、警告手段119は、上述した各種基準に応じて異なる態様で警告を出力してもよい。
【0049】
表示部13は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイを含んで構成されている。入力部14には、マウス、キーボード等の操作を行う操作手段の他に、マイク等の音声を認識する認識手段や、手順書等の文書をスキャンして記述された情報を読み取る読取手段等を用いることができる。なお、表示部13及び入力部14を一体化し、情報の入力及び表示が可能なタッチパネルモニタとしてもよい。
【0050】
表示部13及び入力部14は、必ずしも情報処理装置1の内部に備えなくてもよく、例えば、端末装置(PCや携帯情報端末)等の外部の装置に設けられたものでもよい。この場合、情報処理装置1は、ネットワーク通信部をさらに備え、ネットワークを介して端末装置から各種情報や信号を送受信するようにしてもよい。また、端末装置は、操作者の数に応じて、複数台設けてもよい。
【0051】
(実施の形態の動作)
次に、情報処理装置1の動作の一例について図2図10を参照して説明する。以下、情報処理装置1の動作を、(1)自然文からワークフローを生成して内容を表示する動作、及び(2)ワークフローを編集して自然文を生成して表示する動作の2つに分け、それぞれの詳細を説明する。また、以下、一例として、交通費の申請に係る処理及び承認に係る処理を含むワークフローの生成を例に挙げて具体例を説明する。また、処理対象の文書として申請書(特に、交通費申請書)を例に挙げて説明する。
【0052】
(1)自然文からワークフローを生成して内容を表示する動作
図2は、自然文からワークフローを生成して表示する作業画面の一例を示す図である。図2に示すように、作業画面3には、例えば、生成されたワークフローの構成を表示する領域としてのワークフロー表示領域30と、文章を表示する文章表示欄31とが設けられている。
【0053】
ワークフロー表示領域30には、ワークフローを示す構成図500が表示される。構成図500は、ワークフローで実行される処理の内容を示す図であり、特に、どの主体がどんな処理対象をどのように処理するかについて、すなわち、誰が何をどうするかについて、視覚的に示すものである。文章表示欄31には、入力部14に入力された自然文や、文章生成手段118により生成された自然文が表示される。
【0054】
(1-1)交通費を申請する交通費申請書を作成するワークフローの生成
申請者が入力部14に自然文を入力すると、第1の受付手段110Aは、入力された自然文を受け付ける。「申請者」は、操作者の一例である。
【0055】
次に、表示制御手段117は、第1の受付手段110Aが受け付けた自然文を文章表示欄31に表示する。また、文章解析手段112は、この自然文を解析し、構成要素変換辞書121に参照してワークフローを構成する要素を抽出する。
【0056】
一例として、「申請者は交通費申請書を作成する。」と記述された自然文312(以下、「第1の自然文312」ともいう。)が入力された場合、文章解析手段112は、第1の自然文312を解析して、主体を示す「申請者」、処理対象を示す「交通費申請書」、及び処理を示す「作成」等の文章構成要素を抽出する。
【0057】
なお、入力された自然文が上述の基準情報122に記録された第1の基準を満たしていない場合(例えば、文章の解析が困難な場合)、表示制御手段117は、申請者に対して自然文の入力をし直すよう促すメッセージを表示してもよく、警告手段119は、申請者に対して自然文の入力をし直すよう促す警告を出力してもよい。
【0058】
また、入力された自然文が上述の基準情報122に記録された第2の基準を満たしていない場合(例えば、自然文に一定の表現のゆれが含まれている場合等)、文章修正手段113は、当該自然文を適宜修正し、文章解析手段112は、文章修正手段113により修正された自然文を解析してもよい。
【0059】
生成手段115は、第1の自然文312に対応するワークフローを生成する。具体的には、生成手段115は、文章解析手段112の解析により抽出されたワークフロー構成要素をワークフロー構成要素リスト123と照合し、各文章構成要素に対応する主体、処理対象、ツール等を特定する。
【0060】
より具体的には、生成手段115は、「申請者」に対応するものとして申請主体を特定し、「交通費申請書」に対応するものとして交通費申請書を特定し、「作成」に対応するものとして作成ツールを特定する。また、生成手段115は、特定したこれらの情報を組み合わせてワークフローを構成する。
【0061】
表示制御手段117は、生成されたワークフローの内容を示す構成図500を表示するよう制御する。この構成図500は、生成されたワークフローが、申請者が交通費申請書を作成する処理であることを視覚的に示すものである。図2に示す第1の自然文312に対応する構成図500は、申請主体に対応する申請者アイコン50A、交通費申請書に対応する交通費申請書アイコン510、「作成」に対応する作成ツールアイコン52を含んで構成される。
【0062】
また、表示制御手段117は、操作者に応じて処理の内容を表示するよう制御してもよい。具体的には、表示制御手段117は、構成図500に、ワークフローを実行する主体となる操作者ごとに処理の内容を切り分ける枠Rを付して表示してもよい。換言すれば、当該操作者(図2の例では、申請者)が枠R内に表示されたツールに係る処理を実行するものであることが視覚的に表示される。
【0063】
(1-2)交通費申請書を承認者に送付するワークフローの生成
図3は、処理対象を送付するワークフローを生成する作業画面3の一例を示す図である。以下、図2で説明した内容と実質的に同一の内容については簡略化し、その重複した説明を省略する。申請者が入力部14に自然文を入力すると、第1の受付手段110Aが入力された自然文を受け付け、表示制御手段117がこの自然文を文章表示欄31に表示し、文章解析手段112がこの自然文を解析してワークフローを構成する要素を抽出する。
【0064】
一例として、「申請者は申請書にデート印を押印して、承認者に送付する。」と記述された自然文313(以下、「第2の自然文313」ともいう。)が入力された場合、文章解析手段112は、第2の自然文313を解析して、「申請者」、「申請書」、「デート印」、「押印」、「承認者」及び「送付」等の文章構成要素を抽出する。
【0065】
また、文章解析手段112は、抽出した文章構成要素をさらに解析して、第2の自然文313に、「申請者が申請書にデート印を押印する」こと、及び「申請者が、デート印が押印された申請書を承認者に送付する」ことの2つの内容が含まれることを特定する。
【0066】
なお、文章修正手段113は、「申請書」を「交通費申請書」と修正するとともに、「承認者へ送付する。」の前に「申請者は」との申請主体を補足し、文章解析手段112は、文章修正手段113による修正及び補足後の第2の自然文313を解析してもよい。
【0067】
生成手段115は、第2の自然文313に対応するワークフローを生成する。表示制御手段117は、生成されたワークフローに応じた構成図500を表示するよう制御する。この構成図500は、生成されたワークフローが、申請者が交通費申請書を作成するとともに作成された交通費申請書内にデート印を押印して承認者に送付する処理であることを視覚的に示すものである。
【0068】
図3に示すように、第2の自然文313に対応する構成図500は、図2で示した申請者アイコン50A、交通費申請書アイコン510、作成ツールアイコン52に加えて、承認者アイコン50B、押印ツールアイコン53、送付ツールアイコン54、第1の接続記号501A、第2の接続記号501Bをさらに含んで構成される。
【0069】
第1の接続記号501A及び第2の接続記号501Bの間には、第1の接続記号501Aから第2の接続記号501Bに向かう矢印540が表示されている。この矢印540は、処理対象が申請者から承認者に向かって送付されることを示すものである。
【0070】
(1-3)承認者の処理に係るワークフローの生成
図4は、承認者の処理に係るワークフローを生成する作業画面3の一例を示す図である。承認者が入力部14に自然文を入力すると、第1の受付手段110Aが入力された自然文を受け付け、表示制御手段117がこの自然文を文章表示欄31に表示し、文章解析手段112がこの自然文を解析してワークフローを構成する要素を抽出する。承認者は、操作者の一例である。
【0071】
一例として、「承認者は申請書の内容を確認して、承認ならばデート印を押印して、申請者へ送信する。否決ならば申請者へ差し戻す。」と記述された自然文314(以下、「第3の自然文314」ともいう。)が入力された場合、文章解析手段112は、第3の自然文314を解析して、「承認者」、「申請書の内容」、「確認」、「承認ならば」、「デート印」、「押印」、「申請者」、「送付」、「否決ならば」、「差し戻す」等の文章構成要素を抽出する。
【0072】
また、文章解析手段112は、抽出した文章構成要素をさらに解析して、第3の自然文314に、「承認者が申請書の内容を確認する」こと、確認後の処理を行うための条件として「申請書を承認する」こと又は「申請書を否決する」こと、「承認する場合、承認者が申請書にデート印を押印して申請書を申請者に送付する」こと、及び「否決する場合、申請者に申請書を差し戻す」ことの4つの内容が含まれることを特定する。
【0073】
生成手段115は、第3の自然文314に対応するワークフローを生成する。表示制御手段117は、生成されたワークフローに応じた構成図500を表示するよう制御する。この構成図500は、生成されたワークフローが、申請者が交通費申請書を作成するとともに作成された交通費申請書内にデート印を押印して承認者に送付した後に、承認者が確認を行いその結果に応じた処理を実行するものであることを視覚的に示すものである。
【0074】
図4に示すように、第2の自然文313に対応する構成図500は、図2及び図3で示した構成要素に加えて、確認ツールアイコン55、承認記号61、否決記号62、第3の接続記号502A、第4の接続記号503A等をさらに含んで構成される。
【0075】
承認記号61は、交通費申請書に次の処理(一例として、デート印を押印して申請者に送付する処理)を実行するための条件を示す。また、否決記号62は、交通費申請書に次の処理(一例として、申請書を申請者に差し戻す処理)を実行するための条件を示す。
【0076】
第1の接続記号501A及び第2の接続記号501Bの間、第3の接続記号502A及び承認記号61の間、及び第4の接続記号503A及び否決記号62の間にそれぞれ表示された各矢印540A~Cは、申請者及び承認者間で行われる交通費申請書(「510」参照)の送付の方向を示している。
【0077】
(1-4)自然文が変更された場合
自然文が変更された場合のワークフローの変更について図5から図7を参照して説明する。図5は、基準情報122に記録された基準を満たさない自然文が入力された場合の作業画面3の一例を示す図である。なお、図5では、図3に示した「申請者」に代えて、ユーザ識別情報50Ca(文字列「fx30710」参照)を有する者を申請者とした場合について示している。
【0078】
上述した基準情報122に記録された基準を満たさない自然文が入力された場合、図5に示すように、警告手段119は、警告を示す警告記号32を出力する。警告記号32は、例えば、注意を喚起する感嘆符マークを含んで構成された記号である。なお、図5では、基準情報122に記録された基準のうち特に基準(3-A)を満たさない場合の一例として、申請書の送付を記述する第2の自然文313において送付先となる承認者が記述されていない場合を例に挙げて説明する。
【0079】
また、申請書の送付先となる承認者が記述されていない第2の自然文313Aが入力されると、補完手段114は、特定の者を仮の承認者として補完する。「特定の者」は、申請書の種類に応じて設定してもよい。
【0080】
「特定の者」には、例えば、記憶部12に記憶されたユーザ情報125により特定される申請者と同一のテナントに属する上司や上長が該当する。また、ユーザ情報125に応じて、「特定の者」となり得る候補者のリストを予め設定してもよい。特定の者は、予め定められた者の一例である。
【0081】
生成手段115は、補完手段114により仮の承認者が補完された自然文に対応するワークフローを生成する。
【0082】
表示制御手段117は、このワークフローを示す構成図500を表示するよう制御する。図5に示すように、構成図500は、仮の承認者として設定されたユーザ識別情報50Da(文字列「fx20494」参照)を有する者に係る作業者アイコン50Dを含んでいる。
【0083】
また、表示制御手段117は、作業者アイコン50Dやユーザ識別情報50Daを強調して表示してもよい。例えば、表示制御手段117は、ユーザ識別情報50Daの色を他の操作者アイコン50(図8参照)の色と変えて表示してもよく、太字や斜め文字で表示してもよく、点滅させて表示してもよい。
【0084】
また、表示制御手段117は、例えば、「送付先を設定します」等の第1のメッセージ80Aを含む第1の吹き出し記号8Aをさらに表示するよう制御する。第1の吹き出し記号8Aは、操作者に送付先の入力を促すものである。好ましくは、第1の吹き出し記号8Aは、設定すべき送付先を指し示すように表示される。
【0085】
図6は、自然文が変更された場合の構成図500が表示された作業画面3の一例を示す図である。図5に示す申請書の送付先が記述されていない第2の自然文313Aに送付先を追加する変更を行った場合を例に挙げて説明する。図6に示すように、入力部14を操作して第2の自然文313Aに送付先情報313Baが入力されると、編集手段116は、この変更に応じて、生成手段115により生成されたワークフローを編集する。
【0086】
表示制御手段117は、図6に示すように、送付先情報313Baが追加された変更後の第2の自然文313Bを文章表示欄31に表示するように制御するとともに、追加して入力された送付先情報313Baに応じて、構成図500を変更して表示するよう制御する。「構成図500を変更する」とは、構成図500を構成する各種アイコンのレイアウトを変更すること、あるいは、アイコンに表示されている内容やアイコンの表示態様を変更することをいう。
【0087】
具体的には、表示制御手段117は、仮の承認者として設定されていたユーザ識別情報50Da(文字列「fx20494」参照)を有する者に係る作業者アイコン50Dを、追加された送付先情報313Baに係るユーザ識別情報50Ea(文字列「fx17761」参照)を有する者に係る作業者アイコン50Eに変換して表示するよう制御する。
【0088】
図7は、基準情報122に記録された基準を満たさない自然文が入力された場合の作業画面3の他の一例を示す図である。図7では、基準情報122に記録された基準のうち特に基準(3-B)を満たさない場合の一例として、申請書の送付を記述する第2の自然文において送付先となる承認者に「申請者」と記述されている場合を例に挙げて説明する。図7に示す例では、承認者として申請者が設定されているため、ワークフローを実行した場合に途中で処理が停止される可能性がある。すなわち、この例は、設定値間に矛盾が生じている場合の一例である。
【0089】
承認者に「申請者」と記述されている第2の自然文313Cが入力された場合、生成手段115は、承認者を一時的に申請者とするワークフローを生成する。表示制御手段117は、このワークフローを示す構成図500を表示するよう制御する。図7に示すように、構成図500は、承認者として設定された申請者アイコン50Aを含んでいる。なお、表示制御手段117は、申請者アイコン50Aの色を強調して表示してもよい。
【0090】
また、表示制御手段117は、例えば、「送付先に誤りがあります。正しい送付先を設定します」等の第2のメッセージ80Bを含む第2の吹き出し記号8Bを表示するよう制御する。第2の吹き出し記号8Bは、操作者に正しい送付先を入力し直すよう促すものである。好ましくは、第2の吹き出し記号8Bは、入力をし直すべきである送付先(例えば、申請者アイコン50A)を指し示すように表示される。なお、警告手段119が、例えば、第2の自然文313Cを指し示す位置に警告記号32を出力してもよい。
【0091】
また、図示は省略するが、第2の自然文313が修正され、第2の自然文313に承認者として記述されていた「申請者」が承認者として適切な他の者に変更されると、図6で説明した動作と同様に、編集手段116がこの変更に応じてワークフローを編集し、表示制御手段117が第2の自然文313の変更に応じて構成図500を変更して表示するよう制御する。
【0092】
なお、上述の例では、入力された自然文が基準情報122に記録された基準を満たしていない場合を示したが、入力された自然文が基準情報122に記録された基準を満たしている場合に操作者の操作に応じて変更を行った場合であっても同様に動作する。すなわち、編集手段116が文章表示欄31に表示された自然文の変更に応じてワークフローを編集し、表示制御手段117がこの自然文の変更に応じて構成図500を変更して表示するよう制御する。
【0093】
(2)構成図から自然文を生成して表示する動作
(2-1)構成図の構成する動作
図8は、アイコンリスト画面及び切替画面が表示された作業画面3の一例を示す図である。アイコンリスト画面5は、ワークフロー構成要素を示す各アイコンを一覧で示したものである。図8に示すように、アイコンリスト画面5には、上述した、操作者アイコン50、申請書アイコン51、作成ツールアイコン52、押印ツールアイコン53、送付ツールアイコン54が含まれる。なお、表記の都合上図8には記載していないが、アイコンリスト画面5には、確認ツールアイコン55が含まれている。
【0094】
操作者アイコン50には、申請者アイコン50A、承認者アイコン50B、その他特定のユーザ識別情報を有する者を示す作業者アイコン50C,50D,50E等が含まれる。また、申請書アイコン51には、交通費申請書アイコン510等が含まれる。なお、図8に示したアイコンは、一例であり、これらに限定されるものではない。
【0095】
切替画面7は、操作者に対して、上述した(1)自然文からワークフローを生成して内容を表示する動作(以下、「(1)の動作」ともいう。)から、(2)ワークフローを編集して自然文を生成して表示する動作(以下、「(2)の動作」ともいう。)に切り替えを行わせる画面である。切替画面7には、例えば、(1)の動作及び(2)の動作の間で切り替えを行う切替釦70が含まれる。なお、「文章を優先」は、(1)の動作を示し、「図を優先」は、(2)の動作を示す。
【0096】
切替釦70によって、「図を優先」(すなわち、(2)の動作が選択された状態)から、「文章を優先」(すなわち、(1)の動作が選択された状態)に切り替えると、切替手段111は、第2の受付手段110Bの制御を有効とする状態から第1の受付手段110Aの制御を有効とする状態に切り替える。
【0097】
切替釦70によって、「文章を優先」(すなわち、(1)の動作が選択された状態)から、「図を優先」(すなわち、(2)の動作が選択された状態)に切り替えると、切替手段111は、第1の受付手段110Aの制御を有効とする状態から第2の受付手段110Bの制御を有効とする状態に切り替える。
【0098】
なお、切替釦70によって「文章を優先」が選択されているとき、文章表示欄31には、操作者に文章の入力を案内する入力案内文310(例えば、「文章で入力する場合は、ここに作業手順を入力します」等)が表示される。
【0099】
表示制御手段117は、操作者の表示指示によって、切替画面7を表示部13に表示するように制御してもよい。また、表示制御手段117は、第1の受付手段110Aが受け付けた自然文が基準情報122に記録された各種基準(特に、基準(1-A)又は(1-B))を満たさない場合に、切替画面7を表示部13に表示するよう制御してもよい。また、表示制御手段117は、第1の受付手段110Aが予め定められた時間内に自然文の入力を受け付けない場合に、切替画面7を表示部13に表示するよう制御してもよい。
【0100】
また、切替画面7を表示せず、上述したワークフローの完成度に応じて、第1の受付手段110Aの制御を有効とするか、第2の受付手段110Bの制御を有効とするかを切り替えるようにしてもよい。
【0101】
図9は、構成図から文章を生成して表示する作業画面3の一例を示す図である。切替釦70によって、「図を優先」が選択されると、第2の受付手段110Bによる制御が有効となり、ワークフロー表示領域30内でワークフローを示す構成図500を作成できるようになっている。
【0102】
アイコンリスト画面5に表示された各種アイコン50~55を操作すると、第2の受付手段110Bは、この操作を受け付ける。図9に示すように、操作者アイコン50、申請書アイコン51及び作成ツールアイコン52をワークフロー表示領域30内に並べて配置させることにより構成図500を作成すると、生成手段115は、構成図500のレイアウトを解析して当該構成図500に対応したワークフローを生成する。また、文章生成手段118は、生成手段115により生成されたワークフローの内容を記述する自然文を生成する。
【0103】
一例として、図9に示した構成図500の場合、文章生成手段118によって、「申請書を作成する。」と記述された第1の自然文312Aが生成される。
【0104】
生成された自然文は、表示制御手段117によって、文章表示欄31に表示される。表示制御手段117は、例えば、操作者の表示指示に応じて文章生成手段118により生成された自然文を表示するように制御してもよく、操作者のアイコンが操作されているときに、すなわち、リアルタイムで、文章生成手段118により生成された自然文を表示するように制御してもよい。
【0105】
また、図示は省略するが、表示制御手段117は、自然文のうち、移動する操作が行われているアイコンに関連付けられた部分を強調して表示するように制御してもよい。一例として、図9に示す作成ツールアイコン52を移動する操作が行われているとき、自然文中において対応する「作成する」との文字列を、色の変更、太字、あるいは点滅等の注目される態様で表示するよう制御してもよい。
【0106】
(2-2)構成図を変更する動作
アイコンが変更された場合、編集手段116は、アイコンの変更に応じてワークフローを編集する。「アイコンの変更」には、例えば、アイコンのレイアウトの変更、すなわちアイコンの移動、アイコンの追加、アイコンの削除、アイコンを機能させるための設定値の変更等が含まれる。
【0107】
(a)アイコンのレイアウトの変更
再び図6を参照して構成図を変更する動作の一例としてアイコンのレイアウトを変更する例について説明する。文章生成手段118は、編集されたワークフローに応じて自然文を変更する。また、表示制御手段117は、変更された自然文を表示するよう制御する。
【0108】
一例として、図6に示すように、承認者を示す作業者アイコン(50Ea参照)に文字列「fx17761」のユーザ識別情報50Eaを有する者が設定された場合、編集手段116がこの設定に応じてワークフローを編集し、文章生成手段118がワークフローの編集に応じて自然文を変更し、表示制御手段117が変更された自然文を表示するよう制御する。
【0109】
また、図示は省略するが、表示制御手段117は、自然文のうち変更された部分を強調して表示するよう制御してもよい。あるいは、表示制御手段117は、変更した部分のみ表示するよう制御してもよい。
【0110】
(b)設定値の変更
次に、他の一例として、設定値を変更する例について説明する。図9の例に示すように、単に操作者アイコン50を配置した場合、すなわち、操作者アイコン50に何も設定をしていない場合、申請書の作成の主体に対応した主語を含まない文章が生成される。この場合、警告手段119は、当該第1の自然文313の周囲に、申請者が設定されていないことを示す警告記号32を出力する。
【0111】
また、生成手段115は、予め定められた者(ユーザ識別情報50a(文字列「fx30710」参照)を有する者)を仮の申請者とするワークフローを生成してもよい。この場合、表示制御手段117は、構成図500に当該予め定められた者に係るユーザ識別情報50a(文字列「fx30710」参照)を表示するよう制御してもよい。
【0112】
なお、「予め定められた者」は、ユーザ情報125に応じて定めてよい。例えば、ユーザ情報125に記録された同一のテナントのユーザの中から選択できるようにしてもよい。
【0113】
また、表示制御手段117は、例えば、「作業者を設定します」等の第3のメッセージ80Cを含む第3の吹き出し記号8Cを表示するよう制御する。第3の吹き出し記号8Cは、操作者に申請者の設定を促すものである。好ましくは、第3の吹き出し記号8Cは、設定すべき申請者を指し示すように表示される。
【0114】
また、単に申請書アイコン51を配置した場合、すなわち、申請書アイコン51に何も設定をしていない場合、表示制御手段117は、例えば、「申請書の種類を設定します」等の第4のメッセージ80Dを含む第4の吹き出し記号8Dを表示するよう制御する。第4の吹き出し記号8Dは、操作者に申請書の種類の設定を促すものである。好ましくは、第4の吹き出し記号8Dは、種類を設定すべき申請書を指し示すように表示される。
【0115】
また、この場合、表示制御手段117は、文章表示欄31に表示された第1の自然文312Aの「申請書」を示す対象物文字列311を強調して表示するよう制御してもよい。
【0116】
図10は、設定画面が表示された作業画面3の一例を示す図である。図10に示すように、設定画面9には、設定値を入力する設定値入力欄90が設けられている。操作者は、設定画面9に設定値を入力することによって、設定値を設定することができる。なお、図10に示す設定画面9は、申請者の設定を行う画面であるが、申請書の種類の設定やその他の設定値の設定についても同様である。詳細な説明は省略する。
【0117】
設定画面9を用いて設定値を設定する操作やアイコンを移動する操作によって構成図500が変更されると、編集手段116は、アイコンの位置の変更応じてワークフローを編集する。また、文章生成手段118は、編集手段116により編集されたワークフローの内容を記載する自然文を生成する。すなわち、文章生成手段118は、構成図500の変更に応じて自然文を変更する。
【0118】
一例として、申請者が設定されると、文章生成手段118は、第1の自然文312Aの先頭に「申請者は」との主語を追加する。また、図示はしないが、表示制御手段117は、操作者による表示指示により、又は、アイコンを移動する操作と同期してリアルタイムで、追加された「申請者は」との文字列を追加して表示するよう制御する。
【0119】
同様に、申請書の種類が設定されると(例えば、交通費申請書に設定する)、文章生成手段118は、対象物文字列311を「申請書」から「交通費申請書」に変更する。また、図示はしないが、表示制御手段117は「申請書」を「交通費申請書」に変更して表示するよう制御する。さらに、表示制御手段117は、構成図500のユーザ識別情報50aを「申請者」との文字列に変更して表示するよう制御する(図2等参照)。
【0120】
なお、上記の例では設定画面9を用いて設定値を設定することによりワークフローを変更する例を示したが、文章表示欄31に表示された文章を変更することによってワークフローを変更してもよい。
【0121】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施の形態は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々の変形、実施が可能である。
【0122】
制御部11の各手段110~119は、それぞれ一部又は全部を再構成可能回路(FPGA:Field Programmable Gate Array)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)等のハードウエア回路によって構成してもよい。
【0123】
また、本発明の要旨を変更しない範囲内で、上記実施の形態の構成要素の一部を省くことや変更することが可能である。また、本発明の要旨を変更しない範囲内で、上記実施の形態のフローにおいて、ステップの追加、削除、変更、入替え等が可能である。また、上記実施の形態で用いたプログラムをCD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供することができ、クラウドサーバ等の外部サーバに格納しておき、ネットワークを介して利用することもできる。
【符号の説明】
【0124】
1 情報処理装置
11 制御部
110A 第1の受付手段
110B 第2の受付手段
111 切替手段
112 文章解析手段
113 文章修正手段
114 補完手段
115 生成手段
116 編集手段
117 表示制御手段
118 文章生成手段
119 警告手段
12 記憶部
120 プログラム
121 構成要素変換辞書
122 基準情報
123 ワークフロー構成要素リスト
124 画面情報
125 ユーザ情報
13 表示部
14 入力部
3 作業画面
30 ワークフロー表示領域
31 文章表示欄
310 入力案内文
311 対象物文字列
312,312A 第1の自然文
313,313A,313B,313C 第2の自然文
313Ba 送付先情報
314 第3の自然文
32 警告記号
5 アイコンリスト画面
50 操作者アイコン
50A 申請者アイコン
50B 承認者アイコン
50C,50D,50E 作業者アイコン
50a,50Ca,50Da,50Ea ユーザ識別情報
500 構成図
501A 第1の接続記号
501B 第2の接続記号
502A 第3の接続記号
503A 第4の接続記号
51 申請書アイコン
510 交通費申請書アイコン
52 作成ツールアイコン
53 押印ツールアイコン
54,54A,54B,54C 送付ツールアイコン
540,540A,540B,540C 矢印
55 確認ツールアイコン
61 承認記号
62 否決記号
7 切替画面
70 切替釦
8A 第1の吹き出し記号
8B 第2の吹き出し記号
8C 第3の吹き出し記号
8D 第4の吹き出し記号
80A 第1のメッセージ
80B 第2のメッセージ
80C 第3のメッセージ
80D 第4のメッセージ
9 設定画面
90 設定値入力欄
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10