(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成方法
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20221213BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G15/08 349
(21)【出願番号】P 2018178612
(22)【出願日】2018-09-25
【審査請求日】2021-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】奥村 亘
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-282250(JP,A)
【文献】特開2007-163752(JP,A)
【文献】特開2013-231902(JP,A)
【文献】特開平08-262865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー及びキャリアを含む現像剤を用いて静電潜像を現像する現像部と、
前記現像部内のトナー残量が予め定められた第1閾値未満になった場合に、印刷ジョブの実行を制限して前記現像部内のトナー残量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値を超えるまで前記現像部にトナーを補給する強制補給処理を実行する補給処理部と、
前記強制補給処理の実行中に前記現像部内のトナーを用いて待機中の前記印刷ジョブが実行可能となった場合に、前記強制補給処理を停止させて待機中の前記印刷ジョブを実行可能な停止処理部と、
前記停止処理部による前記印刷ジョブの実行後に前記現像部内のトナー残量が前記第2閾値以下である場合に、前記強制補給処理を再開する再開処理部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記停止処理部は、前記強制補給処理によるトナーの補給量が前記印刷ジョブによるトナー消費量以上となった場合に当該印刷ジョブが実行可能であると判断する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記停止処理部は、前記強制補給処理によるトナーの補給量が前記印刷ジョブによるトナー消費量以上となった場合であって当該印刷ジョブにおける印字率が予め定められた許容値以下である場合に、当該印刷ジョブが実行可能であると判断する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記強制補給処理は、前記印刷ジョブの実行を制限して前記現像部内のトナー残量が前記第2閾値を超えるまで前記現像部にトナーを補給するとともに、前記現像部へのトナーの補給中及び補給終了時から予め定められた撹拌時間が経過するまで前記現像部内の前記現像剤を撹拌する処理であって、
前記停止処理部は、前記強制補給処理の停止時から前記撹拌時間が経過するまで前記現像部内の前記現像剤を撹拌する撹拌処理を実行した後に待機中の前記印刷ジョブを実行する、
請求項
1~3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記停止処理部は、前記強制補給処理の実行中に前記現像部内のトナーを用いて待機中の前記印刷ジョブが実行可能となった場合であって、当該印刷ジョブの実行指示を入力したユーザーが自装置から予め定められた範囲内に存在する場合に、前記強制補給処理を停止させて待機中の前記印刷ジョブを実行する、
請求項
1~4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
トナー及びキャリアを含む現像剤を用いて静電潜像を現像する現像部を備える画像形成装置で実行される画像形成方法であって、
前記現像部内のトナー残量が予め定められた第1閾値未満になった場合に、印刷ジョブの実行を制限して前記現像部内のトナー残量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値を超えるまで前記現像部にトナーを補給する強制補給処理を実行することと、
前記強制補給処理の実行中に前記現像部内のトナーを用いて待機中の前記印刷ジョブが実行可能となった場合に、前記強制補給処理を停止させて待機中の前記印刷ジョブを実行可能なことと、
前記印刷ジョブの実行後に前記現像部内のトナー残量が前記第2閾値以下である場合に、前記強制補給処理を再開することと、
を含む画像形成方法。
【請求項7】
トナー及びキャリアを含む現像剤を用いて静電潜像を現像する現像部と、
前記現像部内のトナー残量が予め定められた第1閾値未満になった場合に、印刷ジョブの実行を制限して前記現像部内のトナー残量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値を超えるまで前記現像部にトナーを補給する強制補給処理を実行する補給処理部と、
前記強制補給処理の実行中に前記現像部内のトナーを用いて待機中の前記印刷ジョブが実行可能となった場合に、前記強制補給処理を停止させて待機中の前記印刷ジョブを実行可能な停止処理部と、
を備え、
前記強制補給処理は、前記印刷ジョブの実行を制限して前記現像部内のトナー残量が前記第2閾値を超えるまで前記現像部にトナーを補給するとともに、前記現像部へのトナーの補給中及び補給終了時から予め定められた撹拌時間が経過するまで前記現像部内の前記現像剤を撹拌する処理であって、
前記停止処理部は、前記強制補給処理の停止時から前記撹拌時間が経過するまで前記現像部内の前記現像剤を撹拌する撹拌処理を実行した後に待機中の前記印刷ジョブを実行する画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トナー及びキャリアを含む現像剤を用いて静電潜像を現像する現像部を備える画像形成装置が知られている。この種の画像形成装置では、前記現像部内のトナー残量が予め定められた第1閾値未満となった場合に、印刷ジョブの実行を制限して前記現像部にトナーを補給する強制補給処理が実行される(例えば、特許文献1参照)。前記強制補給処理では、前記現像部内のトナー残量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値を超えるまで前記現像部にトナーが補給されるとともに、前記現像剤におけるトナー濃度が均一になるように、前記現像部内の前記現像剤が撹拌される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記強制補給処理の実行中に、前記現像部内のトナー残量が待機中の印刷ジョブによるトナー消費量を超えることがある。この場合、待機中の印刷ジョブの実行指示を入力したユーザーは、画像形成装置において当該印刷ジョブを実行することが可能であるにも関わらず、前記強制補給処理が終了するまで印刷ジョブの実行を待たされることになる。
【0005】
本発明の目的は、トナーの強制補給により印刷ジョブの実行が制限されるユーザーの待ち時間を短縮可能な画像形成装置、及び画像形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、現像部と、補給処理部と、停止処理部とを備える。前記現像部は、トナー及びキャリアを含む現像剤を用いて静電潜像を現像する。前記補給処理部は、前記現像部内のトナー残量が予め定められた第1閾値未満になった場合に、印刷ジョブの実行を制限して前記現像部内のトナー残量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値を超えるまで前記現像部にトナーを補給する強制補給処理を実行する。前記停止処理部は、前記強制補給処理の実行中に前記現像部内のトナーを用いて待機中の前記印刷ジョブが実行可能となった場合に、前記強制補給処理を停止させて待機中の前記印刷ジョブを実行可能である。
【0007】
本発明の他の局面に係る画像形成方法は、トナー及びキャリアを含む現像剤を用いて静電潜像を現像する現像部を備える画像形成装置で実行され、前記現像部内のトナー残量が予め定められた第1閾値未満になった場合に、印刷ジョブの実行を制限して前記現像部内のトナー残量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値を超えるまで前記現像部にトナーを補給する強制補給処理を実行することと、前記強制補給処理の実行中に前記現像部内のトナーを用いて待機中の前記印刷ジョブが実行可能となった場合に、前記強制補給処理を停止させて待機中の前記印刷ジョブを実行可能なことと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、トナーの強制補給により印刷ジョブの実行が制限されるユーザーの待ち時間を短縮可能な画像形成装置、及び画像形成方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置を含む画像形成システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置における中間転写ベルトの周辺構成を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置における画像形成ユニットの構成を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置における現像部の構成を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される補給制御処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
[画像形成システム100]
画像形成システム100は、本発明の実施形態に係る画像形成装置10と、複数の携帯端末60とを含む。
図1に示されるように、画像形成装置10及び携帯端末60は、通信ネットワーク70を介して相互に通信可能に接続されている。例えば、通信ネットワーク70は、インターネット又はLAN(ローカルエリアネットワーク)である。
【0012】
画像形成装置10は、画像データに基づいて画像を形成する印刷ジョブを実行可能である。例えば、画像形成装置10は、プリント機能とともに、スキャン機能、ファクシミリ機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。なお、画像形成装置10は、プリンター装置、ファクシミリ装置、又はコピー機であってもよい。
【0013】
携帯端末60は、画像形成装置10に前記印刷ジョブを送信可能な不図示の情報処理装置のユーザーが所持するスマートフォン又はタブレット端末である。なお、携帯端末60は、携帯電話、PDA、又はノートパソコンなどであってもよい。
【0014】
[画像形成装置10の構成]
次に、
図1及び
図2を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の構成について説明する。ここで、
図2は画像形成装置10の構成を示す断面模式図である。
【0015】
なお、説明の便宜上、画像形成装置10が使用可能な設置状態(
図2に示される状態)で鉛直方向を上下方向D1と定義する。また、
図2に示される画像形成装置10の紙面左側の面を正面(前面)として前後方向D2を定義する。また、前記設置状態の画像形成装置10の正面を基準として左右方向D3を定義する。
【0016】
図1に示されるように、画像形成装置10は、ADF(自動原稿搬送装置)1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、制御部5、操作表示部6、通信部7、及び記憶部8を備える。
【0017】
ADF1は、原稿セット部、複数の搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部などを備え、画像読取部2によって読み取られる原稿を搬送する。
【0018】
画像読取部2は、原稿台、光源、複数のミラー、光学レンズ、及びCCDなどを備え、原稿から画像データを読み取ることが可能である。
【0019】
画像形成部3は、画像読取部2で読み取られた画像データに基づいて、電子写真方式でカラー又はモノクロの画像を形成することが可能である。また、画像形成部3は、前記情報処理装置から入力された画像データに基づいて、画像を形成することも可能である。なお、画像形成部3は、モノクロ画像のみを形成可能に構成されていてもよい。
【0020】
給紙部4は、給紙カセット及び複数の搬送ローラーを備え、画像形成部3にシートを供給する。画像形成部3は、給紙部4から供給されるシートに、画像データに基づく画像を形成する。
【0021】
制御部5は、CPU5A、ROM5B、及びRAM5Cなどの制御機器を備える。CPU5Aは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROM5Bは、CPU5Aに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶装置である。RAM5Cは揮発性の記憶装置である。RAM5Cは、CPU5Aが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。制御部5では、CPU5AによりROM5Bに予め記憶された各種の制御プログラムが実行される。これにより、画像形成装置10が制御部5により統括的に制御される。なお、制御部5は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよく、画像形成装置10を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0022】
操作表示部6は、制御部5からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて制御部5に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を有する。
【0023】
通信部7は、通信ネットワーク70を介して、携帯端末60を含む外部の通信装置との間で有線又は無線によるデータ通信を実行することが可能である。
【0024】
記憶部8は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部8は、フラッシュメモリー、及びEEPROM(登録商標)などの不揮発性メモリ、SSD(ソリッドステートドライブ)、並びにHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置である。
【0025】
画像形成装置10では、前記情報処理装置各々の装置識別情報が予め記憶部8に格納されている。例えば、前記装置識別情報は、IPアドレス又はMACアドレスである。
【0026】
また、画像形成装置10では、携帯端末60各々の端末識別情報が予め記憶部8に格納されている。具体的に、前記端末識別情報は、当該端末識別情報によって識別される携帯端末60を所持するユーザーが使用する前記情報処理装置の前記装置識別情報に対応付けられて、記憶部8に格納されている。例えば、前記端末識別情報は、IPアドレス又はMACアドレスである。
【0027】
[画像形成部3の構成]
次に、
図2及び
図3を参照しつつ、画像形成部3の構成について説明する。ここで、
図3は4つの画像形成ユニット11、中間転写ベルト13、及び二次転写ローラー14の構成を示す断面模式図である。
【0028】
図2に示されるように、画像形成部3は、4つの画像形成ユニット11、2つの光走査装置12、中間転写ベルト13、二次転写ローラー14、定着装置15、排紙トレイ16、及び4つのトナーコンテナ17を備える。
【0029】
4つの画像形成ユニット11は、画像形成装置10の前後方向D2に沿って並んで設けられている。4つの画像形成ユニット11は、画像形成装置10の前方側から順に、それぞれ、Y(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、及びK(ブラック)の色に対応している。4つの画像形成ユニット11は、それぞれ対応する色のトナー像を形成することが可能である。
【0030】
図3に示されるように、画像形成ユニット11各々は、感光体ドラム21、帯電ローラー22、現像部23、一次転写ローラー24、及びドラム清掃部25を備える。なお、4つの画像形成ユニット11は、現像部23に収容されるトナーの色を除いて、それぞれ共通の構成を有する。
【0031】
感光体ドラム21は、トナー像を担持する。帯電ローラー22は、感光体ドラム21の表面を帯電させる。現像部23は、トナーを含む現像剤を用いて感光体ドラム21の表面に形成される静電潜像を現像する。具体的に、前記現像剤は、磁性体のキャリア及び非磁性体のトナーを含む2成分現像剤である。一次転写ローラー24は、現像部23によって感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト13に転写する。ドラム清掃部25は、感光体ドラム21の表面に付着するトナーを除去する。
【0032】
2つの光走査装置12は、画像形成装置10の前後方向D2に沿って並んで設けられている。2つの光走査装置12のうち、画像形成装置10の前方側の光走査装置12は、Y(イエロー)に対応する画像形成ユニット11の感光体ドラム21、及びC(シアン)に対応する画像形成ユニット11の感光体ドラム21各々に静電潜像を形成する。2つの光走査装置12のうち、画像形成装置10の後方側の光走査装置12は、M(マゼンタ)に対応する画像形成ユニット11の感光体ドラム21、及びK(ブラック)に対応する画像形成ユニット11の感光体ドラム21各々に静電潜像を形成する。
【0033】
中間転写ベルト13は、感光体ドラム21各々の表面に形成されるトナー像が転写される無端状のベルト部材である。中間転写ベルト13は、画像形成装置10の前後方向D2に離間して配置された駆動ローラー及び張架ローラーによって所定のテンションで張架されている。中間転写ベルト13は、不図示の動力源から供給される駆動力により前記駆動ローラーが回転駆動されることで、画像形成装置10の前後方向D2に沿って移動する。
【0034】
二次転写ローラー14は、中間転写ベルト13の表面に付着したトナー像を、給紙部4から供給されるシートに転写する。
【0035】
定着装置15は、二次転写ローラー14によってシートに転写されたトナー像をそのシートに溶融定着させる。
【0036】
排紙トレイ16には、定着装置15によってトナー像が定着されたシートが排出される。
【0037】
4つのトナーコンテナ17は、画像形成装置10の前後方向D2に沿って並んで設けられている。4つのトナーコンテナ17は、画像形成装置10の前方側から順に、それぞれY(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、及びK(ブラック)の色に対応している。トナーコンテナ17各々は、対応する色のトナーを収容する。また、トナーコンテナ17各々は、内部に収容されたトナーを当該トナーの色に対応する画像形成ユニット11の現像部23に供給する。例えば、トナーコンテナ17各々は、対応する現像部23に通じる不図示のトナー供給路に接続されるトナー排出口と、内部に収容されたトナーを前記トナー排出口へ搬送する搬送部材とを備える。トナーコンテナ17各々は、前記動力源から供給される駆動力により前記搬送部材が駆動されることで、内部に収容されたトナーを対応する現像部23に供給する。
【0038】
[現像部23の構成]
次に、
図4及び
図5を参照しつつ、現像部23の構成について説明する。ここで、
図4は4つの画像形成ユニット11のうち、Y(イエロー)に対応する画像形成ユニット11A(
図3参照)の構成を示す断面模式図である。また、
図5は
図4におけるV-V矢視断面図である。なお、
図5では、現像部23における搬入口47の位置が一点鎖線によって示されている。
【0039】
図4及び
図5に示されるように、現像部23は、筐体31、第1搬送部材32、第2搬送部材33、マグネットローラー34、現像ローラー35、及びトナーセンサー36を備える。
【0040】
筐体31は、左右方向D3に長尺な略直方体状に形成されている。
図4に示されるように、筐体31は、第1搬送部材32、第2搬送部材33、マグネットローラー34、及び現像ローラー35を収容する。また、筐体31は、前記現像剤を収容する。現像部23は、筐体31に収容されている前記現像剤を用いてトナー像を形成する。
【0041】
筐体31は、第1搬送路41及び第2搬送路42を有する。具体的に、筐体31の底部43(
図4参照)には、左右方向D3に延在する隔壁44が設けられている。筐体31の底部43、側壁、及び隔壁44により、左右方向D3に長尺な第1搬送路41及び第2搬送路42が形成されている。
【0042】
第1搬送部材32は、第1搬送路41に設けられる。例えば、第1搬送部材32は、左右方向D3に長尺であって、左右方向D3に延在する回転軸を有するスクリュー状の部材である。第1搬送部材32は、筐体31によってその回転軸を回転可能に支持されている。第1搬送部材32は、前記動力源から供給される駆動力により回転駆動されることで、前記現像剤を搬送方向D31(
図5参照)へ搬送すると共に、前記現像剤を撹拌する。
【0043】
第2搬送部材33は、第2搬送路42に設けられる。例えば、第2搬送部材33は、第1搬送部材32と同様に、左右方向D3に長尺であって、左右方向D3に延在する回転軸を有するスクリュー状の部材である。第2搬送部材33は、筐体31によってその回転軸を回転可能に支持されている。第2搬送部材33は、前記動力源から供給される駆動力により回転駆動されることで、前記現像剤を搬送方向D32(
図5参照)へ搬送すると共に、前記現像剤を撹拌する。
【0044】
図5に示されるように、隔壁44における搬送方向D31の下流端には、第1搬送路41と第2搬送路42とを連通する連通路45が設けられている。一方、隔壁44における搬送方向D32の下流端には、第2搬送路42と第1搬送路41とを連通する連通路46が設けられている。これにより、筐体31に収容された前記現像剤は、第1搬送部材32及び第2搬送部材33によって第1搬送路41及び第2搬送路42を循環して搬送される。
【0045】
筐体31は、搬入口47を有する。具体的に、搬入口47は、第1搬送路41における予め定められた搬入位置P1(
図5参照)の上方に設けられる。例えば、搬入位置P1は、第1搬送路41における搬送方向D31の上流端付近の位置である。搬入口47は、前記トナー供給路に接続されており、トナーコンテナ17から供給されるトナーの筐体31内への搬入に用いられる。
【0046】
マグネットローラー34は、第2搬送路42から前記現像剤を汲み上げて、汲み上げられた前記現像剤に含まれるトナーを現像ローラー35に供給する。
【0047】
現像ローラー35は、マグネットローラー34から供給されるトナーを用いて、感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像を現像する。
【0048】
トナーセンサー36は、現像部23内のトナー残量を検出可能である。例えば、トナーセンサー36は、筐体31内に収容されている前記現像剤の透磁率に応じた電気信号を出力するLC発振回路を含む透磁率センサーである。例えば、トナーセンサー36は、第1搬送路41における搬入位置P1よりも搬送方向D31の下流側の検出位置P2(
図5参照)で前記現像剤の透磁率を検出する。
図4に示されるように、トナーセンサー36は、底部43の外面側に設けられる。なお、トナーセンサー36は、底部43の内面の圧力を検知可能な圧電センサーなどであってもよい。
【0049】
画像形成装置10では、画像形成部3が用いられて前記印刷ジョブが実行される。また、画像形成装置10では、前記印刷ジョブの実行中に、当該印刷ジョブで駆動される現像部23の備えるトナーセンサー36から出力される電気信号に基づいて、当該現像部23内のトナー残量が監視される。そして、現像部23内のトナー残量が予め定められた第3閾値未満になった場合に、当該現像部23内のトナー残量が前記第3閾値よりも大きい第4閾値を超えるまで当該現像部23にトナーを補給する通常補給処理が実行される。
【0050】
前記通常補給処理では、補給対象の現像部23に対応するトナーコンテナ17から当該現像部23に、予め定められた第1の供給速度でトナーが供給される。なお、ここでのトナーの供給速度とは、単位時間当たりのトナーの供給量のことである。例えば、前記通常補給処理では、補給対象の現像部23に対応するトナーコンテナ17の前記搬送部材が、前記第1の供給速度に対応する第1の速度で連続的に駆動される。なお、前記通常補給処理は、前記印刷ジョブと並行して実行される。
【0051】
また、画像形成装置10では、現像部23内のトナー残量が前記第3閾値よりも小さい第1閾値未満になった場合に、前記印刷ジョブの実行を制限して当該現像部23内のトナー残量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値を超えるまで当該現像部23にトナーを補給する強制補給処理が実行される。なお、前記第2閾値は、前記第3閾値よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0052】
前記強制補給処理では、トナー残量が前記第1閾値未満の現像部23に対応するトナーコンテナ17から当該現像部23に、前記第1の供給速度よりも早い第2の供給速度でトナーが供給される。例えば、前記強制補給処理では、補給対象の現像部23に対応するトナーコンテナ17の前記搬送部材が、前記第2の供給速度に対応しており前記第1の速度よりも早い第2の速度で連続的に駆動される。
【0053】
また、前記強制補給処理の実行中は、前記印刷ジョブの実行が禁止される。具体的に、前記強制補給処理の実行開始時に前記印刷ジョブが実行中である場合は、当該印刷ジョブの実行は停止される。また、前記強制補給処理の実行中に前記印刷ジョブが入力された場合は、前記強制補給処理が終了するまで当該印刷ジョブの実行は保留にされる。
【0054】
また、前記強制補給処理では、補給対象の現像部23へのトナーの補給中及び補給終了時から予め定められた撹拌時間が経過するまで当該現像部23内の前記現像剤が撹拌される。具体的に、前記強制補給処理では、補給対象の現像部23の第1搬送部材32及び第2搬送部材33が駆動されて、当該現像部23内の前記現像剤が撹拌される。前記撹拌時間は、前記第2の供給速度が速いほど、長い時間に設定される。また、前記撹拌時間は、前記強制補給処理における第1搬送部材32及び第2搬送部材33の駆動速度が速いほど、短い時間に設定される。なお、前記撹拌時間はゼロであってもよい。
【0055】
ところで、前記強制補給処理の実行中に、現像部23内のトナー残量が待機中の前記印刷ジョブによるトナー消費量を超えることがある。ここで、従来の画像形成装置では、待機中の前記印刷ジョブの実行指示を入力したユーザーは、当該画像形成装置において前記印刷ジョブを実行することが可能であるにも関わらず、前記強制補給処理が終了するまで前記印刷ジョブの実行を待たされていた。
【0056】
これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置10では、以下に説明するように、トナーの強制補給により前記印刷ジョブの実行が制限されるユーザーの待ち時間を短縮することが可能である。
【0057】
具体的に、制御部5のROM5Bには、CPU5Aに後述の補給制御処理(
図6のフローチャート参照)を実行させるための補給制御プログラムが予め記憶されている。なお、前記補給制御プログラムは、CD、DVD、フラッシュメモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、前記記録媒体から読み取られて記憶部8にインストールされてもよい。
【0058】
そして、制御部5は、
図1に示されるように、補給処理部51、停止処理部52、及び再開処理部53を含む。具体的に、制御部5のCPU5Aは、ROM5Bに記憶された前記補給制御プログラムを実行する。これにより、制御部5は、補給処理部51、停止処理部52、及び再開処理部53として機能する。
【0059】
補給処理部51は、現像部23内のトナー残量が前記第1閾値未満になった場合に、前記強制補給処理を実行する。
【0060】
具体的に、補給処理部51は、トナーセンサー36各々から出力される電気信号に基づいて、当該トナーセンサー36を備える現像部23内のトナー残量を監視する。そして、補給処理部51は、いずれかの現像部23においてトナー残量が前記第1閾値未満になった場合に、前記強制補給処理を実行する。
【0061】
停止処理部52は、前記強制補給処理の実行中に予め定められた停止条件を充足する場合に、前記強制補給処理を停止させて待機中の前記印刷ジョブを実行する。
【0062】
例えば、前記停止条件は、以下の第1条件及び第2条件の両方を充足することである。
【0063】
即ち、前記第1条件は、補給対象の現像部23内のトナーを用いて待機中の前記印刷ジョブが実行可能となること、である。
【0064】
例えば、停止処理部52は、前記強制補給処理によるトナーの補給量が待機中の前記印刷ジョブによるトナー消費量以上となった場合に、前記第1条件を充足すると判断する。ここで、待機中の前記印刷ジョブによる印刷色ごとのトナーの消費量は、当該印刷ジョブで印刷される画像データに基づいて算出することが可能である。
【0065】
なお、停止処理部52は、補給対象の現像部23内のトナー残量が待機中の前記印刷ジョブによるトナー消費量以上となった場合に、前記第1条件を充足すると判断してもよい。また、停止処理部52は、補給対象の現像部23内のトナー残量に対して予め定められた割合を乗じて得られる量が待機中の前記印刷ジョブによるトナー消費量以上となった場合に、前記第1条件を充足すると判断してもよい。また、停止処理部52は、前記強制補給処理によるトナーの補給量が待機中の前記印刷ジョブによるトナー消費量以上となった場合であって、当該印刷ジョブにおける印字率が予め定められた許容値以下である場合に、前記第1条件を充足すると判断してもよい。
【0066】
ここで、停止処理部52は、待機中の前記印刷ジョブが複数存在する場合は、例えば、実行順序が最も早い前記印刷ジョブにおけるトナー消費量に基づいて、前記第1条件の充足の有無を判断する。この場合、停止処理部52は、前記停止条件を充足すると判断した場合に、実行順序が最も早い前記印刷ジョブのみを実行する。なお、停止処理部52は、待機中の前記印刷ジョブが複数存在する場合に、当該複数の前記印刷ジョブにおけるトナー消費量に基づいて、前記第1条件の充足の有無を判断してもよい。この場合、停止処理部52は、前記停止条件を充足すると判断した場合に、複数の前記印刷ジョブを順次実行する。
【0067】
また、前記第2条件は、待機中の前記印刷ジョブの実行指示を入力したユーザーが画像形成装置10から予め定められた範囲内に存在すること、である。例えば、前記範囲は画像形成装置10から10メートルの範囲である。なお、前記範囲は任意に定められてよい。
【0068】
例えば、停止処理部52は、待機中の前記印刷ジョブの実行指示が前記情報処理装置から入力された場合に、記憶部8に記憶されている前記装置識別情報及び前記端末識別情報に基づいて、当該情報処理装置に対応する携帯端末60を特定する。そして、停止処理部52は、特定された携帯端末60が前記範囲内に存在する場合に、待機中の前記印刷ジョブの実行指示を入力したユーザーが画像形成装置10から前記範囲内に存在すると判断する。例えば、停止処理部52は、携帯端末60から取得される当該携帯端末60の現在位置を示す端末位置情報、及び予め画像形成装置10に登録された画像形成装置10の設置位置を示す装置位置情報に基づいて、当該携帯端末60が前記範囲内に存在するか否かを判断する。なお、停止処理部52は、携帯端末60との間でBluetooth(登録商標)に従った無線通信を実行可能であるか否かに基づいて、当該携帯端末60が前記範囲内に存在するか否かを判断してもよい。この場合、前記範囲は、Bluetoothに従った無線通信の通信可能範囲である。
【0069】
また、停止処理部52は、待機中の前記印刷ジョブの実行指示が操作表示部6で入力された場合は、無条件で当該実行指示を入力したユーザーが画像形成装置10から前記範囲内に存在すると判断する。なお、画像形成装置10は、予め定められた検知範囲内における人の存否を検知可能な人感センサーを備えていてもよい。この場合、停止処理部52は、待機中の前記印刷ジョブの実行指示が操作表示部6で入力された場合において、前記人感センサーによって人の存在が検知された場合に、当該実行指示を入力したユーザーが画像形成装置10から前記範囲内に存在すると判断してもよい。この場合、前記範囲は前記検知範囲である。また、停止処理部52は、待機中の前記印刷ジョブの実行指示が操作表示部6で入力された場合において、当該実行指示の入力時にログイン中のユーザーに対応する携帯端末60が前記範囲内に存在する場合に、当該実行指示を入力したユーザーが画像形成装置10から前記範囲内に存在すると判断してもよい。ここで、記憶部8にユーザーの認証に用いられる認証情報と前記端末識別情報とを対応付けて記憶しておくことで、ログインユーザーに対応する携帯端末60を特定することが可能である。
【0070】
例えば、停止処理部52は、前記強制補給処理の停止時から前記撹拌時間が経過するまで補給対象の現像部23内の前記現像剤を撹拌する撹拌処理を実行した後に、待機中の前記印刷ジョブを実行する。なお、停止処理部52は、前記撹拌時間がゼロである場合は、前記撹拌処理を実行することなく、待機中の前記印刷ジョブを実行してよい。また、停止処理部52は、前記第2閾値と前記強制補給処理の停止時における補給対象の現像部23内のトナー残量との差に応じた分だけ、前記撹拌時間を短縮してもよい。
【0071】
なお、前記停止条件は、前記第1条件のみを充足することであってもよい。また、前記停止条件は、前記第1条件、又は前記第1条件及び前記第2条件を充足するとともに、以下の第3条件を充足することであってもよい。
【0072】
例えば、前記第3条件は、待機中の前記印刷ジョブの実行指示を入力したユーザーの移動速度が予め定められた基準速度を超えること、である。ここで、待機中の前記印刷ジョブの実行指示を入力したユーザーの移動速度は、当該ユーザーに対応する携帯端末60から所定間隔で取得される前記端末位置情報に基づいて算出することが可能である。
【0073】
再開処理部53は、停止処理部52による前記印刷ジョブの実行後に前記強制補給処理における補給対象の現像部23内のトナー残量が前記第2閾値以下である場合に、当該強制補給処理を再開する。
【0074】
例えば、再開処理部53は、停止処理部52による前記印刷ジョブの実行後に前記強制補給処理における補給対象の現像部23内のトナー残量が前記第2閾値以下である場合であって、待機中の前記印刷ジョブが存在しない場合に、当該強制補給処理を再開する。
【0075】
なお、再開処理部53は、待機中の前記印刷ジョブの存否に関わらず、停止処理部52による前記印刷ジョブの実行後に前記強制補給処理における補給対象の現像部23内のトナー残量が前記第2閾値以下である場合に、当該強制補給処理を再開してもよい。また、制御部5は、再開処理部53を含んでいなくてもよい。
【0076】
[携帯端末60の構成]
次に、
図1を参照しつつ、携帯端末60の構成について説明する。
【0077】
図1に示されるように、携帯端末60は、制御部61、操作表示部62、通信部63、GPS通信部64、及び記憶部65を備える。
【0078】
制御部61は、画像形成装置10の制御部5と同様に、CPU61A、ROM61B、及びRAM61Cなどの制御機器を備える。制御部61では、CPU61AによりROM61Bに予め記憶された各種の制御プログラムが実行される。これにより、携帯端末60が制御部61により統括的に制御される。
【0079】
操作表示部62は、制御部61からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて制御部61に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を有する。
【0080】
通信部63は、通信ネットワーク70を介して接続される画像形成装置10などの外部の通信機器との間で、無線によるデータ通信を実行可能な通信インターフェイスである。
【0081】
GPS通信部64は、GPS衛星から送信される電波を受信することが可能である。携帯端末60は、GPS通信部64によって受信された電波に含まれる情報に基づいて、前記端末位置情報を取得することが可能である。
【0082】
記憶部65は、画像形成装置10の記憶部8と同様に、不揮発性の記憶装置である。記憶部65には、画像形成装置10に対応するアプリケーションプログラムが予め格納されている。制御部61は、CPU61Aが前記アプリケーションプログラムを実行することで、画像形成装置10との間で通信を行い、画像形成装置10から送信される指示に応じた処理を実行することが可能である。具体的に、制御部61は、画像形成装置10から前記端末位置情報の送信要求が送信された場合に、GPS通信部64を用いて前記端末位置情報を取得し、取得された前記端末位置情報を画像形成装置10に送信する。
【0083】
[補給制御処理]
以下、
図6を参照しつつ、画像形成装置10において制御部5により実行される補給制御処理の手順の一例とともに、本発明における画像形成方法の手順について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部5により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。
【0084】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部5は、いずれかの現像部23でトナー残量が前記第1閾値未満になったか否かを判断する。
【0085】
ここで、制御部5は、いずれかの現像部23でトナー残量が前記第1閾値未満になったと判断すると(S11のYes側)、処理をステップS12に移行させる。また、いずれの現像部23においてもトナー残量が前記第1閾値未満でなければ(S11のNo側)、制御部5は、ステップS11でいずれかの現像部23においてトナー残量が前記第1閾値未満になるのを待ち受ける。
【0086】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部5は、前記強制補給処理を実行する。ここで、ステップS11及びステップS12の処理は、制御部5の補給処理部51により実行される。
【0087】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部5は、前記強制補給処理が終了したか否かを判断する。
【0088】
ここで、制御部5は、前記強制補給処理が終了したと判断すると(S13のYes側)、処理をステップS11に移行させる。また、前記強制補給処理が終了していなければ(S13のNo側)、制御部5は、処理をステップS14に移行させる。
【0089】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部5は、前記停止条件を充足したか否かを判断する。
【0090】
ここで、制御部5は、前記停止条件を充足したと判断すると(S14のYes側)、処理をステップS15に移行させる。また、前記停止条件を充足していなければ(S14のNo側)、制御部5は、処理をステップS13に移行させる。
【0091】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部5は、前記強制補給処理を停止させる。
【0092】
<ステップS16>
ステップS16において、制御部5は、前記撹拌処理を実行する。これにより、前記強制補給処理におけるトナーの供給速度が前記通常補給処理よりも速いことによって生じる現像部23内の前記現像剤のトナー濃度のバラつきが抑制される。そのため、ステップS17で実行される前記印刷ジョブにおいて、現像部23内の前記現像剤のトナー濃度のバラつきに起因して印刷品質が低下することを抑制可能である。
【0093】
<ステップS17>
ステップS17において、制御部5は、ステップS16で実行される前記撹拌処理の終了後に、前記印刷ジョブを実行する。ここで、ステップS13~ステップS17までの処理は、制御部5の停止処理部52により実行される。
【0094】
<ステップS18>
ステップS18において、制御部5は、ステップS17で実行される前記印刷ジョブの終了後に、ステップS15で停止された前記強制補給処理でトナーが補給されていた現像部23において、トナー残量が前記第2閾値以下であるか否かを判断する。
【0095】
ここで、制御部5は、前記強制補給処理でトナーが補給されていた現像部23において、トナー残量が前記第2閾値以下であると判断すると(S18のYes側)、処理をステップS19に移行させる。また、前記強制補給処理でトナーが補給されていた現像部23において、トナー残量が前記第2閾値以下でなければ(S18のNo側)、制御部5は、処理をステップS11に移行させる。
【0096】
<ステップS19>
ステップS19において、制御部5は、待機中の前記印刷ジョブが存在するか否かを判断する。
【0097】
ここで、制御部5は、待機中の前記印刷ジョブが存在すると判断すると(S19のYes側)、処理をステップS11に移行させる。また、待機中の前記印刷ジョブが存在していなければ(S19のNo側)、制御部5は、処理をステップS20に移行させる。
【0098】
<ステップS20>
ステップS20において、制御部5は、ステップS15で停止された前記強制補給処理を再開する。これにより、停止された前記強制補給処理でトナーが補給されていた現像部23にトナーが再補給されるため、次に画像形成装置10で実行される前記印刷ジョブの実行中に当該現像部23でトナー残量が前記第1閾値未満になることが抑制される。ここで、ステップS18~ステップS20までの処理は、制御部5の再開処理部53により実行される。
【0099】
なお、ステップS16の処理は省略されてよい。また、ステップS19の処理は省略されてよい。また、ステップS18~ステップS20までの処理は省略されてよい。
【0100】
このように、画像形成装置10では、前記強制補給処理の実行中に前記停止条件を充足する場合に、前記強制補給処理が停止されて待機中の印刷ジョブが実行される。そのため、トナーの強制補給により前記印刷ジョブの実行が制限されるユーザーの待ち時間を短縮することが可能である。
【0101】
また、画像形成装置10では、前記停止条件に前記第2条件が含まれている。これにより、ユーザーが急ぎで印刷物を必要としていない場合にまで、前記強制補給処理が停止されて待機中の前記印刷処理の実行が優先されることを回避可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 ADF
2 画像読取部
3 画像形成部
4 給紙部
5 制御部
6 操作表示部
7 通信部
8 記憶部
10 画像形成装置
11 画像形成ユニット
12 光走査装置
13 中間転写ベルト
14 二次転写ローラー
15 定着装置
16 排紙トレイ
17 トナーコンテナ
21 感光体ドラム
22 帯電ローラー
23 現像部
24 一次転写ローラー
25 ドラム清掃部
51 補給処理部
52 停止処理部
53 再開処理部
60 携帯端末
70 通信ネットワーク
100 画像形成システム