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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】制御装置及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/00 20220101AFI20221213BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20221213BHJP
   H04L 67/00 20220101ALI20221213BHJP
【FI】
H04L51/00
G06F3/12 303
G06F3/12 323
G06F3/12 387
H04L67/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018179450
(22)【出願日】2018-09-25
(65)【公開番号】P2020052580
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】治田 貴文
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-128843(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0180276(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/00
G06F 3/12
H04L 67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザグループ毎に登録された複数のユーザの各々が参加可能なトークルームであって、前記複数のユーザのうち参加している複数のユーザの各々が情報を投稿可能な前記トークルームにおいて、前記参加している複数のユーザの各々が投稿する情報に基づいて特定処理を実行する処理部であって、前記特定処理に関係する情報のうち第1のユーザによる第1の情報の投稿後に、前記第1のユーザが登録されたユーザグループに登録済みの前記第1のユーザとは異なる第2のユーザにより投稿された第2の情報が、前記第1の情報の内容に適合する情報である場合、前記特定処理を実行する際に前記第1の情報と前記第2の情報とを一連の情報として処理する処理部、を備えた制御装置。
【請求項2】
複数のユーザの各々が参加可能なトークルームであって、前記複数のユーザのうち参加している複数のユーザの各々が情報を投稿可能なトークルームにおいて、前記参加している複数のユーザの各々が投稿する情報に基づいて実行される特定処理の実行中に、前記特定処理に関係する情報のうち第1の情報の投稿後に、前記第1の情報の内容に適合する第2の情報が投稿された場合、前記特定処理を実行する際に前記第1の情報と前記第2の情報とを一連の情報として処理する処理部、を備えた制御装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記第1の情報を投稿した前記第1のユーザに定められている前記特定処理に関係する第1のユーザ特性と、前記第2の情報を投稿した前記第2のユーザに定められている前記特定処理に関係する第2のユーザ特性とが共通するときに前記適合する情報であると判断することを含む
請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記第1のユーザが登録されたユーザグループに未登録の第3のユーザが投稿した第3の情報を、無視するように処理する請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記第1のユーザが登録されたユーザグループに未登録の第3のユーザが投稿した第3の情報を、前記特定処理とは異なる別の特定処理に関係する情報の投稿として処理する請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記第1の情報の内容に適合する第2の情報が投稿された場合、前記第2の情報を前記一連の情報として処理する請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記第2の情報の内容が、前記第1の情報の内容に適合しない場合、前記第2の情報を、無視するように処理する請求項2に記載の制御装置。
【請求項8】
前記処理部は、前記第2の情報の内容が、前記第1の情報の内容に適合しない場合、前記第2の情報を、前記特定処理とは異なる別の特定処理に関係する情報の投稿として処理する請求項2に記載の制御装置。
【請求項9】
ユーザグループ毎に登録された複数のユーザの各々が参加可能なトークルームであって、前記複数のユーザのうち参加している複数のユーザの各々が情報を投稿可能な前記トークルームにおいて、前記参加している複数のユーザの各々が投稿する情報に基づいて特定処理を実行する際に、前記特定処理に関係する情報のうち第1のユーザによる第1の情報の投稿後に、前記第1のユーザが登録されたユーザグループに登録済みの前記第1のユーザとは異なる第2のユーザにより投稿された第2の情報が、前記第1の情報の内容に適合する情報である場合、前記特定処理を実行する際に前記第1の情報と前記第2の情報とを一連の情報とする処理を、コンピュータに実行させる制御プログラム。
【請求項10】
複数のユーザの各々が参加可能なトークルームであって、前記複数のユーザのうち参加している複数のユーザの各々が情報を投稿可能なトークルームにおいて、前記参加している複数のユーザの各々が投稿する情報に基づいて実行される特定処理の実行中に、前記特定処理に関係する情報のうち第1の情報の投稿後に、前記第1の情報の内容に適合する第2の情報が投稿された場合、前記特定処理を実行する際に前記第1の情報と前記第2の情報とを一連の情報とする処理を、コンピュータに実行させる制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、メンバが書き込んだメッセージを時系列に沿って表示するコミュニケーションサービスにおけるメッセージから、外部機器を操作するための動作指示を検出するとともに、該メッセージを書き込んだメンバを該動作指示の指示者として特定する動作指示検出手段と、上記動作指示検出手段が検出した上記動作指示に従って上記外部機器を制御する外部機器制御手段と、上記外部機器制御手段の制御によって上記外部機器が動作した結果を取得する動作結果取得手段と、上記動作結果取得手段が取得した動作の結果を報告する報告メッセージを生成する報告メッセージ生成手段と、上記報告メッセージ生成手段が生成した報告メッセージを、上記コミュニケーションサービスを提供するサーバに出力して、上記動作指示検出手段が特定した指示者を宛て先として明記した状態で、該メッセージを上記コミュニケーションサービスに表示させる報告メッセージ表示手段と、を備えることを特徴とするメッセージ通知装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-164522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、自動会話プログラムであるチャットボットが知られている。チャットボットは、トークルームにおけるユーザのメッセージの投稿(発話)に応答して、自動でメッセージを投稿する。チャットボットは、更なる活用例として、ユーザが投稿したメッセージ等の情報に基づいて、処理を実行する。
【0005】
ここで、複数のユーザが参加するトークルームに投稿された一連の情報に基づいて1つの処理を実行させる場合を想定する。このとき、投稿元のユーザが誰であるかを区別せずに処理を実行しようとすると、ユーザの意図に沿わない動作となってしまう可能性がある。例えば、第1のユーザから投稿された第1の情報と、その後に第2のユーザから投稿された第2の情報に基づいて前記1つの処理を実行させてしまうと、第1のユーザにとっては、前記1つの処理の実行に関わる指示を第2のユーザにさせたくない場合も想定される。また、第2のユーザにとっても、前記第2の情報は前記1つの処理とは異なる処理を実行させることを意図していた場合も想定される。
【0006】
本開示は、複数のユーザが参加するトークルームに投稿された一連の情報により1つの処理を実行させる場合において、複数のユーザにより投稿された複数の情報を、その情報がどのユーザにより投稿されたものかを区別することなく扱って、前記1つの処理を実行させる場合と比べて、複数のユーザのうち少なくとも一部のユーザにとって意図するように特定処理を実行させることができる制御装置及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1態様は、ユーザグループ毎に登録された複数のユーザの各々が参加可能なトークルームであって、前記複数のユーザのうち参加している複数のユーザの各々が情報を投稿可能な前記トークルームにおいて、前記参加している複数のユーザの各々が投稿する情報に基づいて特定処理を実行する処理部であって、前記特定処理に関係する情報のうち第1のユーザによる第1の情報の投稿後に、前記第1のユーザが登録されたユーザグループに登録済みの前記第1のユーザとは異なる第2のユーザにより投稿された第2の情報が、前記第1の情報の内容に適合する情報である場合、前記特定処理を実行する際に前記第1の情報と前記第2の情報とを一連の情報として処理する処理部、を備えた制御装置である。
【0008】
本開示の第2態様は、複数のユーザの各々が参加可能なトークルームであって、前記複数のユーザのうち参加している複数のユーザの各々が情報を投稿可能なトークルームにおいて、前記参加している複数のユーザの各々が投稿する情報に基づいて実行される特定処理の実行中に、前記特定処理に関係する情報のうち第1の情報の投稿後に、前記第1の情報の内容に適合する第2の情報が投稿された場合、前記特定処理を実行する際に前記第1の情報と前記第2の情報とを一連の情報として処理する処理部、を備えた制御装置である。
【0009】
本開示の第3態様は、第1態様において、前記処理部は、前記処理部は、前記第1の情報を投稿した前記第1のユーザに定められている前記特定処理に関係する第1のユーザ特性と、前記第2の情報を投稿した前記第2のユーザに定められている前記特定処理に関係する第2のユーザ特性とが共通するときに前記適合する情報であると判断することを含む。
本開示の第4態様は、第1態様において、前記処理部は、前記第1のユーザが登録されたユーザグループに未登録の第3のユーザが投稿した第3の情報を、無視するように処理する。
【0010】
本開示の第5態様は、第1態様において、前記処理部は、前記第1ユーザが登録されたユーザグループに未登録の第3のユーザが投稿した第3の情報を、前記特定処理とは異なる別の特定処理に関係する情報の投稿として処理する。
【0011】
本開示の第6態様は、第1態様において、前記処理部は、前記第1の情報の内容に適合する第2の情報が投稿された場合、前記第2の情報を前記一連の情報として処理する。
【0012】
本開示の第7態様は、第2態様において、前記処理部は、前記第2の情報の内容が、前記第1の情報の内容に適合しない場合、前記第2の情報を、無視するように処理する。
【0013】
本開示の第8態様は、第2態様において、前記処理部は、前記第2の情報の内容が、前記第1の情報の内容に適合しない場合、前記第2の情報を、前記特定処理とは異なる別の特定処理に関係する情報の投稿として処理する。
【0014】
本開示の第9態様は、ユーザグループ毎に登録された複数のユーザの各々が参加可能なトークルームであって、前記複数のユーザのうち参加している複数のユーザの各々が情報を投稿可能な前記トークルームにおいて、前記参加している複数のユーザの各々が投稿する情報に基づいて特定処理を実行する際に、前記特定処理に関係する情報のうち第1のユーザによる第1の情報の投稿後に、前記第1のユーザが登録されたユーザグループに登録済みの前記第1のユーザとは異なる第2のユーザにより投稿された第2の情報が、前記第1の情報の内容に適合する情報である場合、前記特定処理を実行する際に前記第1の情報と前記第2の情報とを一連の情報とする処理を、コンピュータに実行させる制御プログラムである。
【0015】
本開示の第10態様は、複数のユーザの各々が参加可能なトークルームであって、前記複数のユーザのうち参加している複数のユーザの各々が情報を投稿可能なトークルームにおいて、前記参加している複数のユーザの各々が投稿する情報に基づいて実行される特定処理の実行中に、前記特定処理に関係する情報のうち第1の情報の投稿後に、前記第1の情報の内容に適合する第2の情報が投稿された場合、前記特定処理を実行する際に前記第1の情報と前記第2の情報とを一連の情報とする処理を、コンピュータに実行させる制御プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本開示の第1、第2、第3第6第9及び第10態様によれば、複数のユーザが参加するトークルームに投稿された一連の情報により1つの処理を実行させる場合において、複数のユーザにより投稿された複数の情報を、その情報がどのーザにより投稿されたものかを区別することなく扱って、前記1つの処理を実行させる場合と比べて、複数のユーザのうち少なくとも一部のユーザにとって意図するように特定処理を実行させることができる。
また、第4態様によれば、ユーザグループに未登録のユーザを、特定処理の実行から除外できる。
また、第5態様によれば、ユーザグループに未登録のユーザにより情報が投稿された場合、特定処理と異なる別の特定処理を実行できる。
また、第7態様によれば、第1の情報の内容に適合する第2の情報が投稿された場合にのみ、特定処理を実行できる。
また、第8態様によれば、第1の情報の内容に不適合の第2の情報が投稿された場合に、特定処理と異なる別の特定処理を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示の実施形態に係る制御システムの概略構成を示す図である。
図2】トークルームサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】チャットボットサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】トークルームサーバの機能構成の例を示すブロック図である。
図5】チャットボットサーバの機能構成の例を示すブロック図である。
図6】登録部に登録されるユーザと画像形成装置との対応関係を示すテーブルの一例である。
図7】登録部に登録される、トークルームとユーザと画像形成装置との対応関係を示すテーブルの一例ある。
図8】本開示の実施形態に係る印刷処理の流れの一例を印刷プロセスとして示す図である。
図9】チャットボットサーバによる制御処理の流れを示すフローチャートである。
図10】メッセージ分類処理の流れを示すフローチャートである。
図11】複数のユーザの投稿によるプロセス推移を示す図である。
図12】複数のユーザの投稿によるプロセス推移を示す図である。
図13】複数のユーザの投稿によるプロセス推移を示す図である。
図14】複数のユーザの投稿によるプロセス推移を示す図である。
図15】複数のユーザの投稿によるプロセス推移を示す図である。
図16】複数のユーザの投稿によるプロセス推移を示す図である。
図17】トークルーム内の投稿の様子を示す図である。
図18】トークルーム内の投稿の様子を示す図である。
図19】トークルーム内の投稿の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本開示の技術を実施するための実施形態の一例を説明する。
なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0019】
図1は、本開示の実施形態に係る制御システムの概略構成を示す図である。
【0020】
制御システムは、ユーザ端末10、トークルームサーバ20、本開示の処理部としてのチャットボットサーバ30及び情報処理装置40を含む。ユーザ端末10、トークルームサーバ20及びチャットボットサーバ30(制御装置)は、インターネット50により相互に接続されている。
【0021】
ユーザ端末10は、ユーザが使用する端末であって、デスクトップ型コンピュータ、ノートパソコン、タブレット又はスマートフォン等のいかなる端末であっても良い。図1においては、ユーザAがユーザ端末10Aを、ユーザBがユーザ端末10Bを、ユーザCがユーザ端末10Cを、ユーザDがユーザ端末10Dを使用しているものとする。ユーザ端末10A~10Dを総称して、ユーザ端末10と呼ぶ。
【0022】
トークルームサーバ20は、トークルームを提供する。トークルームは、ユーザと後述するチャットボットとが共に参加して、チャットとしてメッセージ及び画像等のデータ(以下、メッセージ情報という)を共有できる仮想空間である。ここで、チャットとは、コンピュータネットワーク上でリアルタイムに複数の構成員が情報を入力して会話を交わすことである。ここで構成員とは、実在する人物と関連付けられたユーザと、特定の規則に従って動作するソフトウェアロボットの両方を含む。また、チャットボットとは、トークルーム上でユーザから投稿された情報に基づいて特定処理の実行がなされるよう制御するソフトウェアロボットである。
【0023】
ユーザは、ユーザ端末10を通じて、トークルーム内において、メッセージ情報を投稿したり、または発話したりすることが可能である。トークルーム内では、ユーザ同士で、メッセージ情報を共有し、さらに、チャットボットがユーザのメッセージ情報に応答して、返答したりすることが可能である。また、ユーザが、トークルーム内において、チャットボットに対して、情報処理装置40に特定処理を実行させるための指示を与えることも可能である。チャットボットは、例えば、自然言語処理により、メッセージ情報に含まれる指示を抽出し、情報処理装置40に特定処理を実行させるように制御する。なお、トークルームには、ユーザとチャットボットが1対1で参加したり、複数のユーザとチャットボットとが参加したりすることが可能である。トークルームは開設された数だけ複数存在しうる。
【0024】
チャットボットサーバ30は、チャットボットを管理するサーバである。チャットボットは、上述の通り、トークルームに参加して、ユーザのメッセージ情報に応答したり、メッセージ情報に含まれる指示に従い情報処理装置40に特定処理を実行させたりする。
【0025】
例えば、チャットボットは、参加しているトークルームにおいて、情報処理装置40に特定処理を実行させるための指示に関するメッセージ情報が投稿されると、トークルームに参加しているユーザに関連付けて登録されている情報処理装置40に、特定処理を実行させるように制御する。なお、情報処理装置40は、いかなる情報処理を行なう装置であっても良い。ここで、情報処理とは、例えば、文字データ又は画像データ等から印刷を実行する処理、情報処理装置40が備える設備を用いてデータを生成又は加工等する処理、情報処理装置40と他の機器との間でデータを授受する処理等を含む。
【0026】
以下の説明では、情報処理装置40が画像形成装置であり、特定処理を実行させるための指示が印刷を実行させるための指示である場合を一例として説明する。また、以下、画像形成装置に参照番号40を付して説明する。なお、印刷を実行させるための指示には、画像形成装置40に対する直接的な印刷の指示だけでなく、印刷ジョブを生成するために必要な情報、例えば、印刷対象の画像データ又は印刷の仕様等をトークルームにおいて提供することも含まれる。すなわち、チャットボットは、参加しているトークルームにおいて、画像形成装置40に実行させる印刷に関係する情報が投稿されると、投稿された情報により印刷に関係する処理を進めるように制御する。印刷を実行させるための指示は、特定処理に関係する一連の情報の提供の一例であり、チャットボットは、印刷に関係する一連の情報の各々の投稿により、画像形成装置40に印刷を実行させるための各々の制御を行う。
【0027】
図8は、特定処理に関係する一連の情報の提供の一例として、印刷に関係する情報の投稿についてのプロセス推移の一例を示す図である。図8に示す一連の情報の提供は、印刷を実行させるための指示、すなわち情報の投稿に対応する。
【0028】
具体的には、まず、ユーザがトークルームに印刷指示を示すメッセージ情報を投稿し(プロセスP01)、その応答としてチャットボットがファイル投稿を要求することを示すメッセージ情報を投稿する(プロセスP02)。次に、ユーザは、ファイル投稿の要求に対する応答として、印刷対象のファイルを示すメッセージ情報を投稿し(プロセスP03)、チャットボットはファイル投稿の応答として、投稿されたファイルをどのように印刷するのかを示す印刷設定を要求するメッセージ情報を投稿する(プロセスP04)。そして、ユーザは、印刷設定を示す情報を投稿し(プロセスP05)、その応答として、チャットボットは印刷対象のファイルを投稿された印刷設定で印刷開始されるように画像形成装置40に情報を出力する(プロセスP06)。なお、図8に示す例では、印刷プロセスとして印刷指示を示すメッセージ情報を投稿によるプロセスP01を起点とした一例を示すが、ユーザにより印刷対象のファイルを示すメッセージ情報を投稿するプロセスP03を起点としてもよい。この場合、プロセスP03の投稿によって、プロセスP01及びプロセスP02が実行されたものと見なして処理を進めることが可能になる。
【0029】
画像形成装置40は、印刷ジョブに基づいて用紙等の記録媒体に画像を形成する装置であり、プリンタ又は複合機等のいかなる装置であっても良い。図1の制御システムの例においては、画像形成装置40A及び画像形成装置40Bが、チャットボットサーバ30により管理されている。画像形成装置40A及び画像形成装置40Bを総称して、画像形成装置40と呼ぶ。図示の例では、チャットボットサーバ30に画像形成装置40が接続されているが、画像形成装置40は、インターネット50を経由して、チャットボットサーバ30に接続されても良い。
【0030】
次に、トークルームサーバ20及びチャットボットサーバ30のハードウェア構成について説明する。
【0031】
図2は、トークルームサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0032】
図2に示すように、トークルームサーバ20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、ストレージ24、入力部25、表示部26及び通信インタフェース27の各構成を有する。各構成は、バス29を介して相互に通信可能に接続されている。
【0033】
CPU21は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU21は、ROM22又はストレージ24からプログラムを読み出し、RAM23を作業領域としてプログラムを実行する。CPU21は、ROM22又はストレージ24に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM22又はストレージ24には、トークルームを提供するトークルーム提供プログラムが格納されている。
【0034】
ROM22は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM23は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ24は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0035】
入力部25は、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。表示部26は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部26は、タッチパネル方式を採用して、入力部25として機能しても良い。通信インタフェース27は、インターネット50を介して、他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0036】
図3は、チャットボットサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0037】
図3に示すように、チャットボットサーバ30は、CPU31、ROM32、RAM33、ストレージ34、入力部35、表示部36及び通信インタフェース37の各構成を有する。各構成は、バス39を介して相互に通信可能に接続されている。チャットボットサーバ30の各構成は、図2のトークルームサーバ20の各構成と同様の機能を有する。
【0038】
次に、トークルームサーバ20及びチャットボットサーバ30の機能構成について説明する。
【0039】
図4は、トークルームサーバの機能構成の例を示すブロック図である。
【0040】
図4に示すように、トークルームサーバ20は、機能構成として、提供部201を有する。機能構成は、CPU21がROM22又はストレージ24に記憶されたトークルーム提供プログラムを読み出して、RAM23に展開して実行することにより実現される。
【0041】
提供部201は、複数のユーザが参加し、メッセージを投稿可能なトークルームを提供する。トークルームサーバ20は、ユーザとチャットボットとが一対一で参加するトークルーム、及び、複数のユーザとチャットボットとが参加するトークルーム等を提供する。トークルームは、ユーザからの開設要求に従い、複数開設されうる。また、例えば、あるユーザがトークルームサーバ20にアクセスしてトークルームに開設要求を行い、特定のトークルームを開設した場合、開設者であるユーザは、他のユーザを開設したトークルームに招待し、参加させる事ができる。或いは、トークルームに参加中のユーザであれば、トークルームに参加していない他のユーザをトークルームへ招待して、新たに参加させる事ができる。
【0042】
図5は、チャットボットサーバの機能構成の例を示すブロック図である。図6は、登録部に登録されるユーザと画像形成装置との対応関係を示すテーブルの一例である。図7は、登録部に登録される、トークルームとユーザと画像形成装置との対応関係を示すテーブルの一例ある。
【0043】
図5に示すように、チャットボットサーバ30は、機能構成として、登録部301及び実行制御部302を有する。各機能構成は、CPU31がROM32又はストレージ34に記憶された制御プログラムを読み出して、RAM33に展開して実行することにより実現される。
【0044】
登録部301は、例えば、図6に示すように、ユーザと画像形成装置とを関連付けて登録する。図6に示す例では、更に、各ユーザに、印刷を指示する際の基本的な印刷設定も関連付けることが可能である。また、登録部301は、例えば、図7に示すように、トークルームと画像形成装置とを関連付けて登録する。図7に示す例では、更に、ユーザ特性が関連付けられている。ユーザ特性は、登録ユーザと、画像形成装置とを関連付けた情報である。すなわち、ユーザ特性は、登録ユーザが印刷のためにどの画像形成装置を登録しているかを示す。
【0045】
図6に示すテーブルは、ユーザとチャットボットとが一対一でトークルームに参加する場合、すなわち、ユーザが主に使用する画像形成装置に命令する場合の設定を登録するために設けられる。図6に示すテーブルは、予めユーザの各々によって登録される。一方、図7に示すテーブルは、複数のユーザがトークルームに参加する場合、すなわち、トークルームが共有される場合に設けられる。図7に示すテーブルでは、トークルームに参加中のユーザがトークルーム毎に対応付けられ、また、当該トークルーム内のユーザ毎にユーザ特性として画像形成装置が対応付けられている。トークルームへのユーザの参加に起因して、図6に示すテーブルにおいて当該ユーザに関連付けられている画像形成装置40をユーザ特性として、トークルームに関連付けて登録することにより、図7に示すテーブルが形成される。
【0046】
実行制御部302は、チャットボットとして、トークルームに参加する。そして、実行制御部302は、トークルームにおいて、画像形成装置(情報処理装置)40への印刷に関するメッセージ及び画像等の情報がユーザにより投稿された場合、トークルームに参加しているユーザに関連付けられているユーザ特性の基づいて、印刷を実行させるように制御する。
【0047】
次に、チャットボットサーバ30の作用について説明する。なお、ここでは、印刷を実行させるために、図8に示す印刷指示プロセスに従って一連の情報の提供、すなわち印刷を実行させるための指示としてメッセージ情報が投稿されるものとする。
【0048】
図9は、チャットボットサーバによる制御処理の流れを示すフローチャートである。CPU31がROM32又はストレージ34から制御プログラムを読み出して、RAM33に展開して実行することにより、制御処理が行なわれる。図10は、図9のステップS110に示されるメッセージ分類処理の流れを示すフローチャートである。図11から図16は、複数のユーザの投稿によるプロセス推移を示す図である。図17から図19は、トークルーム内の投稿の様子を示す図である。
【0049】
CPU31は、実行制御部302として、ユーザによりトークルームにメッセージ情報が投稿がされたか否か判断する(ステップS100)。トークルームに投稿がない場合(ステップS100で否定判断)、CPU31は、投稿があるまで待機する。トークルームにメッセージ情報が投稿された場合(ステップS100で肯定判断)、CPU31は、投稿されたメッセージ情報が印刷指示に関するメッセージか否か判断する(ステップS102)。ここで、CPU31は、投稿されたメッセージ情報を、例えば自然文解析し、「印刷」、または、印刷設定に関する用語が含まれる場合に、印刷指示に関するメッセージ情報と判断する。
【0050】
投稿されたメッセージ情報が印刷指示に関係しない場合(ステップS102で否定判断)、CPU31は、投稿されたメッセージ情報に合った応答メッセージ情報を、トークルームに投稿する(ステップS104)。例えば、ユーザによって天気を尋ねるメッセージがメッセージ情報として投稿された場合、CPU31は、チャットボットとして、インターネットから天気の情報を取得し、天気を回答するメッセージを応答メッセージ情報としてトークルームに投稿する。これにより、ユーザとチャットボットの会話がトークルーム内で成立する。
【0051】
投稿されたメッセージ情報が印刷指示に関する場合(ステップS102で肯定判断)、CPU31は、印刷対象データであるファイルの投稿を要求することを示すメッセージ情報を投稿する(ステップS106)。次に、CPU31は、ステップS106に対する応答として、ユーザによりトークルームにメッセージ情報が投稿がされたか否か判断する(ステップS108)。ここで投稿されるメッセージ情報は、印刷対象のデータを含むファイルを示すメッセージ情報である。トークルームに投稿がない場合(ステップS108で否定判断)、CPU31は、投稿があるまで待機する。トークルームにメッセージ情報が投稿された場合(ステップS108で肯定判断)、CPU31は、投稿されたメッセージ情報への対応を分類する処理を実行する(ステップS110)。当該処理は、投稿されたメッセージ情報について、該当する印刷プロセスに分類する処理であり、以下、メッセージ情報分類処理と呼ぶ。CPU31は、メッセージ情報判定処理の判定結果に応じて印刷プロセスを処理する。
【0052】
ここで、ステップS110におけるメッセージ分類処理を説明する。
図10は、メッセージ分類処理の流れを示すフローチャートである。
【0053】
CPU31は、ユーザによりトークルームに投稿されたメッセージ情報のプロセスタイミングが現在のプロセスタイミングに適合するか否か判断する(ステップS200)。適合しない場合(ステップS200で否定判断)、CPU31は、投稿されたメッセージ情報を、別の印刷に関するプロセスの実行を示すケースC1に分類する(ステップS202)。プロセスタイミングの適合とは、チャットボットが期待するメッセージ情報の投稿タイミング及びメッセージ情報の内容が適合することを言う。ここでは、メッセージ情報が、プロセスP02の応答であるプロセスP03のメッセージ情報が投稿されるタイミングであり、当該メッセージ情報の内容がプロセスP03のメッセージ情報の内容に適合する場合である。例えば、投稿されたメッセージ情報を解析し、印刷対象として利用可能な画像データ及び文書データ等のデータを含むファイルが含まれる場合に、プロセスタイミングが適合すると判断する。
【0054】
一方、プロセスタイミングが適合する場合(ステップS200で肯定判断)、CPU31は、図7に示すテーブルを参照して、プロセスP03でメッセージ情報を投稿したユーザのユーザ特性と、プロセスP01でメッセージ情報を投稿したユーザのユーザ特性とが共通か否か判断する(ステップS204)。すなわち、チャットボットが期待するファイル投稿を行ったユーザと、印刷指示したユーザとのユーザ特性が共通か否かを判断する。ユーザ特性が共通の場合(ステップS204で肯定判断)、CPU31は、投稿されたメッセージ情報を、印刷プロセスを共通にして実行可能であることを示すケースC2に分類する(ステップS206)。例えば、ユーザAが印刷指示に関するメッセージを投稿し、その応答でユーザBがファイルを投稿した場合、図7に示すように、ユーザ特性が共通であるため、CPU31は、メッセージ情報をケースC2に分類する。
【0055】
ユーザ特性が異なる場合(ステップS204で否定判断)、CPU31は、投稿されたメッセージ情報を、ケースC3に分類する(ステップS208)。プロセスタイミングが適合せず、またユーザ特性が異なるメッセージ情報は、印刷プロセスを共通にして実行することを要求するものでないと考えられる。ケースC3に分類されるメッセージ情報に対する処理は、メッセージ情報を無視すること、又は別の印刷プロセスを実行することに対応する。無視、又は別の印刷プロセスの実行の何れかに設定するには、設定条件を予め定めておけばよい。例えば、制御システムの省電力化又は節電対応のために、同時稼働を許容する画像形成装置40の装置数を定めた稼働条件が予め定められている場合、稼働条件を超えた装置数の画像形成装置40に対する印刷指示を無視する。一方、稼働条件の装置数以内の画像形成装置40に対する印刷指示を示すメッセージ情報に対しては、別の印刷プロセスの実行を示すようにすればよい。
【0056】
以上のようにしてケースC1からケースC3の何れかに分類されたメッセージ情報について、CPU31は、図9に示すステップS112以降の処理で、対応する処理を実行する。
【0057】
詳細には、CPU31は、メッセージ情報がケースC2に分類されたか否かを判別することで、印刷プロセス共通のメッセージ情報に分類されたか否かを判断する(ステップS112)。メッセージ情報がケースC2に分類された場合(ステップS112で肯定判断)、CPU31は、次のプロセスP04として、印刷設定を要求することを示すメッセージ情報を投稿する(ステップS114)。
【0058】
ユーザ特性が共通のユーザAとユーザBとの複数のユーザの投稿によるプロセス推移を考える。図11に示すように、ユーザ特性が共通のユーザAとユーザBとによるメッセージ情報の投稿は、等価に扱われる。図11に示す例では、CPU31は、投稿されたメッセージ情報を、ケースC2に分類し、次のプロセスP04として、印刷設定を要求することを示すメッセージ情報を投稿する。
【0059】
メッセージ情報がケースC2以外に分類された場合(図9に示すステップS112で否定判断)、CPU31は、メッセージ情報がケースC1に分類されたか否かを判断する(ステップS116)。メッセージ情報がケースC1に分類された場合(ステップS116で肯定判断)、CPU31は、メッセージ情報による別のプロセスを起動させ、プロセスP03によるメッセージ情報が投稿されるまで待機する(ステップS108)。
【0060】
プロセスタイミングが適合する複数のユーザの投稿によるプロセス推移を考える。図12に示すように、チャットボットによるファイル投稿要求を示すメッセージ情報の投稿(プロセスP02)後のプロセスタイミングでは、チャットボットはユーザからのファイル投稿を期待する。このプロセスタイミングで、ユーザBが、トークルームに印刷指示を示すメッセージ情報を投稿した場合、そのメッセージ情報はチャットボットが期待するファイル投稿を示すメッセージ情報ではなく、ユーザBが新たに印刷指示を意図したものと考えられる。図12に示す例では、CPU31は、投稿されたメッセージ情報を、ケースC1に分類し、別の印刷に関するプロセスの実行を行う。
【0061】
メッセージ情報がケースC3に分類された場合(ステップS116で否定判断)、CPU31は、メッセージ情報を無視し、プロセスP03によるメッセージ情報が投稿されるまで待機する(ステップS108)。なお、ここでは、ケースC3に分類されるメッセージ情報に対する処理は、メッセージ情報を無視することが予め定められている場合を示した。
【0062】
プロセスタイミングが適合せず、またユーザ特性が異なる複数のユーザの投稿によるプロセス推移を考える。図13に示すように、チャットボットによるファイル投稿要求を示すメッセージ情報の投稿(プロセスP02)後のプロセスタイミングで、ユーザAと異なるユーザ特性のユーザCが、トークルームにファイルを示すメッセージ情報を投稿した場合、CPU31は、そのメッセージ情報をケースC3に分類し、メッセージ情報を無視してプロセスP03によるメッセージ情報が投稿されるまで待機する。
【0063】
次に、CPU31は、プロセスP04におけるメッセージ情報の投稿後、ユーザによりトークルームにメッセージ情報が投稿されたか否か判断する(図9に示すステップS122)。トークルームに投稿がない場合(ステップS122で否定判断)、CPU31は、投稿があるまで待機する。トークルームにメッセージ情報が投稿された場合(ステップS122で肯定判断)、CPU31は、上記ステップS110と同様に、投稿されたメッセージ情報への対応を分類する処理を実行する(ステップS124)。CPU31は、ケースC1からケースC3の何れかに分類されたメッセージ情報について、ステップS112からステップS120の処理と同様に、ステップS126以降の処理で、対応する処理を実行する。
【0064】
詳細には、CPU31は、ステップS112と同様に、印刷プロセス共通のメッセージ情報に分類されたか否かを判断する(ステップS126)。メッセージ情報がケースC2に分類された場合(ステップS126で肯定判断)、CPU31は、次のプロセスP06として、印刷処理を実行することを示すメッセージ情報を投稿する(ステップS128)。また、CPU31は、画像形成装置40で印刷処理させるため、投稿された印刷設定及び印刷対象のファイルを出力する。これにより印刷処理が実行される。また、メッセージ情報がケースC1に分類された場合(ステップS126で否定判断、かつステップS130で肯定判断)、CPU31は、メッセージ情報による別のプロセスを起動させ、プロセスP05によるメッセージ情報が投稿されるまで待機する(ステップS122)。また、メッセージ情報がケースC3に分類された場合(ステップS126で否定判断、かつステップS130で否定判断)、CPU31は、メッセージ情報を無視し、プロセスP05によるメッセージ情報が投稿されるまで待機する(ステップS122)。
【0065】
複数のユーザの投稿で、メッセージ情報がケースC2に分類された場合によるプロセス推移を考える。図14に示すように、ユーザ特性が共通のユーザAとユーザBとによるメッセージ情報の投稿は等価に扱われ、CPU31は、ユーザBにより投稿された印刷設定を示すメッセージ情報をケースC2に分類し、ユーザAによるメッセージ情報として受け付けて、次のプロセスP06として、印刷処理を開始する。
【0066】
また、図15に示すように、チャットボットによる印刷設定要求を示すメッセージ情報の投稿(プロセスP04)後のプロセスタイミングでは、チャットボットはユーザからの印刷設定を示すメッセージ情報の投稿を期待する。このプロセスタイミングで、ユーザBが、トークルームに印刷指示を示すメッセージ情報を投稿した場合、そのメッセージ情報はチャットボットが期待するファイル投稿を示すメッセージ情報ではなく、ユーザBが新たに印刷指示を意図したものと考えられる。図15に示す例では、CPU31は、投稿されたメッセージ情報を、ケースC1に分類し、別の印刷に関するプロセスの実行を行う。
【0067】
さらに、図16に示すように、チャットボットによる印刷設定要求を示すメッセージ情報の投稿(プロセスP04)後のプロセスタイミングで、ユーザAと異なるユーザ特性のユーザCが、トークルームにファイルを示すメッセージ情報を投稿した場合、CPU31は、そのメッセージ情報をケースC3に分類し、メッセージ情報を無視してプロセスP05によるメッセージ情報が投稿されるまで待機する。
【0068】
次に、メッセージ情報の分類に応じて処理されたトークルーム内の投稿の様子を説明する。
【0069】
図17は、プロセスP04の後のプロセスタイミングに投稿されたメッセージ情報について、印刷指示したユーザAとユーザ特性が共通のユーザBからのメッセージ情報を共通に扱う場合の一例である。
図17に示すように、トークルームでは、ユーザAにより印刷指示に関するメッセージ情報M100が投稿されると(プロセスP01)、CPU31は、ファイルの投稿を要求することを示すメッセージ情報M101を投稿し(プロセスP02)、その応答として、ユーザAにより印刷対象のデータを含むファイルを示すメッセージ情報M102が投稿される(プロセスP03)。CPU31は、メッセージ情報M102の投稿に応答して、印刷設定を要求することを示すメッセージ情報M103を投稿する(プロセスP04)。ユーザは、メッセージ情報M103の投稿に応答して、印刷設定を示すメッセージ情報M104、M105を投稿する(プロセスP05)。CPU31は、メッセージ情報M104、M105の投稿に応答して、印刷開始を示すメッセージ情報M106を投稿する(プロセスP06)。
【0070】
図17に示す例では、メッセージ情報M103の投稿に応答して、他のユーザへ、印刷設定を問い合わせるメッセージ情報M104を投稿している。この問い合わせを示すメッセージ情報M104に応答して、ユーザBは印刷設定の確認を示すメッセージ情報M105を投稿している。CPU31は、投稿されたメッセージ情報M105を、例えば自然文解析し、「カラー」、または、「2部」などの印刷設定に関する用語が含まれる場合に、印刷設定に関するメッセージ情報と判断する。また、CPU31は、図8に示すテーブルを参照し、メッセージ情報M105を投稿したユーザBのユーザ特性が、メッセージ情報M100を投稿したユーザAのユーザ特性と共通か否かを判断する。図17に示す例では、CPU31は、メッセージ情報M105をケースC2に分類し、印刷開始を示すメッセージ情報M106を投稿する。
【0071】
図18は、プロセスP04の後のプロセスタイミングに適合しないメッセージ情報が投稿された場合の一例である。
図18に示すように、トークルームでは、CPU31は、メッセージ情報M102の投稿に応答して、印刷設定を要求することを示すメッセージ情報M103を投稿する(プロセスP04)。このプロセスP04の後のプロセスタイミングにおいて、ユーザBは、印刷指示に関するメッセージ情報M110を投稿している。CPU31は、メッセージ情報M110の内容を解析し、ユーザAによるメッセージ情報M100を起点としたプロセスのメッセージ情報ではないと判断し、新たなプロセスとして、ユーザBに対して、ファイルの投稿を要求することを示すメッセージ情報M112を投稿する(別のプロセスP02)。また、ユーザAは、メッセージ情報M103の投稿に応答して、印刷設定を示すメッセージ情報M114を投稿する(プロセスP05)。CPU31は、メッセージ情報M114の投稿に応答して、印刷開始を示すメッセージ情報M116を投稿する(プロセスP06)。また、ユーザBによるメッセージ情報M112への応答として印刷対象のデータを含むファイルを示すメッセージ情報M118が投稿されると、CPU31は、メッセージ情報M118の投稿に応答して、印刷開始を示すメッセージ情報M120を投稿する(別のプロセスP06)。
【0072】
図19は、プロセスP04の後のプロセスタイミングに投稿されたメッセージ情報について、印刷指示したユーザAとユーザ特性が異なるユーザCからのメッセージ情報の取り扱いを示す一例である。
図19に示すように、トークルームでは、図19に示すように、CPU31は、メッセージ情報M102の投稿に応答して、印刷設定を要求することを示すメッセージ情報M103を投稿する(プロセスP04)。このプロセスP04の後のプロセスタイミングで、メッセージ情報M103の投稿に応答して、ユーザAにより他のユーザへの印刷設定を問い合わせるメッセージ情報M104が投稿されている。この問い合わせを示すメッセージ情報M104に応答して、ユーザCにより印刷設定の確認を示すメッセージ情報M130が投稿されている。CPU31は、投稿されたメッセージ情報M130を解析し、プロセスタイミングが適合するメッセージ情報と判断する。一方、CPU31は、図8に示すテーブルを参照し、メッセージ情報M130が、印刷指示したユーザAとユーザ特性が異なるユーザCからのメッセージ情報であると判断する。よって、CPU31は、メッセージ情報M130をケースC3に分類し、例えば無視して、メッセージ情報M103の応答を待機する。次に、ユーザBによる印刷設定の確認を示すメッセージ情報M132が投稿され、CPU31は、投稿されたメッセージ情報M132を、印刷設定に関するメッセージ情報と判断し、印刷開始を示すメッセージ情報M134を投稿する。
【0073】
上記実施形態では、トークルームに参加したユーザに関連付けられている画像形成装置40によりユーザ特性が定められる場合について説明した。本開示では、ユーザ特性は、ユーザの各々に関連付けられる画像形成装置40に限定されるものではない。例えば、印刷プロセスを共有する複数のユーザを登録したユーザグループを予め定めておき、当該ユーザグループをユーザ特性としてもよい。この場合、ユーザグループ単位で、画像形成装置40を定めればよい。
【0074】
また、上記実施形態では、情報処理装置40の一例としての画像形成装置ついて説明したが、本開示では、情報処理装置40として画像形成装置に限定するものではない。情報処理装置40の他の例として、携帯電話及びスマートフォン等の通信機器、コンピュータ等の情報処理機器、及び温度設定や電源オンオフ等の操作可能なエアコンなどの電子機器が挙げられる。また、情報処理装置40は電子機器などの装置に限定されるものでもない。例えば、情報処理装置40は予め定めた機能を実現するサービスを実行する情報体であってもよい。当該情報体の一例には、クラウド上で実行される画像変換機能を実現する画像変換サービスが挙げられる。
【0075】
また、上記実施形態では、トークルームを提供する制御システムに本開示の技術を適用した場合を説明したが、トークルームに限定されるものではない。例えば、本開示の技術は、予め定めた実現機能を実行するシステムに適用してもよい。当該システムの一例には、物品等の予約システム及び物品等を配送する配送システム等のように対象物に対して処理を施すシステムが挙げられる。
【0076】
また、上記実施形態では、トークルームサーバ20及びチャットボットサーバ30が別の装置である場合を例示した。しかし、トークルームサーバ20及びチャットボットサーバ30が一つの装置により実現されても良い。
【0077】
上記の処理は、専用のハードウェア回路によっても実現することもできる。この場合には、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0078】
また、チャットボットサーバ30を動作させるプログラムは、USB(Universal Serial Bus)メモリ、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、メモリ又はストレージ等に転送され記憶される。また、このプログラムは、たとえば、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、チャットボットサーバ30の一機能としてその各装置のソフトウェアに組み込んでもよい。
【0079】
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も開示の技術の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
10、10A、10B、10C、10D ユーザ端末
20 トークルームサーバ
21、31 CPU
22、32 ROM
23、33 RAM
24、34 ストレージ
25、35 入力部
26、36 表示部
27、37 通信インタフェース
29、39 バス
30 チャットボットサーバ
40、40A、40B 情報処理装置(画像形成装置)
50 インターネット
201 提供部
301 登録部
302 実行制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図19