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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】提案装置、提案方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20221213BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20221213BHJP
   G09B 29/10 20060101ALN20221213BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G01C21/34
G09B29/10 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018181232
(22)【出願日】2018-09-27
(65)【公開番号】P2020051880
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】青木 雄士
(72)【発明者】
【氏名】竹原 英樹
(72)【発明者】
【氏名】須山 明昇
(72)【発明者】
【氏名】長沼 立巳
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 智
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 寧
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0008523(US,A1)
【文献】特開2004-301692(JP,A)
【文献】特開2005-274348(JP,A)
【文献】特開2015-227145(JP,A)
【文献】国際公開第2010/122739(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-25/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの経路を設定する経路設定部と、
位置と所定のパラメータとを紐付けして記憶させた記憶部と、
前記経路に含まれる位置に対応する前記所定のパラメータに基づいて少なくともメールの確認、会議への参加、資料の作成に関するタスクのうちいずれかを選択するタスク選択部と、
を備え、
前記所定のパラメータは、酔い度と電波弱度と、騒音度と、の少なくとも1つであり、
前記酔い度は、前記経路に含まれる位置のうちで加速度または角速度が所定の基準値を超えたものの数に基づいて設定され、
前記電波弱度は、前記経路に含まれる位置のうちで電波強度が所定の基準値以下のものの数に基づいて設定され、
前記騒音度は、前記経路に含まれる位置のうちで音レベルが所定の基準値を超えたものの数に基づいて設定される、提案装置。
【請求項2】
前記記憶部は、各タスクと前記所定のパラメータとの関係度合いが対応付けされたテーブルを記憶し、前記タスク選択部は、前記関係度合いに基づいてタスクを選択する、請求項に記載の提案装置。
【請求項3】
前記タスク選択部は、前記経路を複数の区間に分割し、分割した区間ごとに前記酔い度、前記騒音度及び前記電波弱度をそれぞれ算出し、前記テーブルにおける前記関係度合いを参照して区間ごとにタスクをそれぞれ選択する請求項に記載の提案装置。
【請求項4】
目的地までの経路を設定するステップと、
位置と所定のパラメータとを紐付けして記憶させるステップと、
前記経路に含まれる位置に対応する前記所定のパラメータに基づいて少なくともメールの確認、会議への参加、資料の作成に関するタスクのうちいずれかを選択するステップと、
を有し、
前記所定のパラメータは、酔い度と電波弱度と、騒音度と、の少なくとも1つであり、
前記酔い度は、前記経路に含まれる位置のうちで加速度または角速度が所定の基準値を超えたものの数に基づいて設定され、
前記電波弱度は、前記経路に含まれる位置のうちで電波強度が所定の基準値以下のものの数に基づいて設定され、
前記騒音度は、前記経路に含まれる位置のうちで音レベルが所定の基準値を超えたものの数に基づいて設定される、提案方法。
【請求項5】
目的地までの経路を設定する処理手順と、
位置と所定のパラメータとを紐付けして記憶させる処理手順と、
前記経路に含まれる位置に対応する前記所定のパラメータに基づいて少なくともメールの確認、会議への参加、資料の作成に関するタスクのうちいずれかを選択する処理手順と、
をコンピュータに実行させ
前記所定のパラメータは、酔い度と電波弱度と、騒音度と、の少なくとも1つであり、
前記酔い度は、前記経路に含まれる位置のうちで加速度または角速度が所定の基準値を超えたものの数に基づいて設定され、
前記電波弱度は、前記経路に含まれる位置のうちで電波強度が所定の基準値以下のものの数に基づいて設定され、
前記騒音度は、前記経路に含まれる位置のうちで音レベルが所定の基準値を超えたものの数に基づいて設定される、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提案装置、提案方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用ナビゲーション装置(カーナビゲーション)において、走行時に現在位置や目的地への経路案内情報の他に、種々の情報を提供するものが知られている。例えば、特許文献1には、車両が走行する経路、車両の運転状態等から車酔い情報を提供することで、車酔いを抑制、予防することができる自動車用ナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-301692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、車両による移動時間中に、映画鑑賞や読書などの娯楽や、メールチェック、Web会議、会議資料の作成等の仕事などを行うことが多くなっている。こういったことから、車両による移動時間中に何を行うかを提案する装置が望まれていた。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、車両による移動時間中に何を行うかを適切に提案することができる提案装置、提案方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる提案装置は、目的地までの経路を設定する経路設定部と、位置と所定のパラメータとを紐付けして記憶させた記憶部と、前記経路に含まれる位置に対応する前記所定のパラメータに基づいて少なくともメールの確認、会議への参加、資料の作成に関するタスクのうちいずれかを選択するタスク選択部と、を備え、前記所定のパラメータは、酔い度と電波弱度と、騒音度と、の少なくとも1つであり、前記酔い度は、前記経路に含まれる位置のうちで加速度または角速度が所定の基準値を超えたものの数に基づいて設定され、前記電波弱度は、前記経路に含まれる位置のうちで電波強度が所定の基準値以下のものの数に基づいて設定され、前記騒音度は、前記経路に含まれる位置のうちで音レベルが所定の基準値を超えたものの数に基づいて設定されるものである。
【0007】
本発明にかかる提案方法は、目的地までの経路を設定するステップと、位置と所定のパラメータとを紐付けして記憶させるステップと、前記経路に含まれる位置に対応する前記所定のパラメータに基づいて少なくともメールの確認、会議への参加、資料の作成に関するタスクのうちいずれかを選択するステップと、を備え、前記所定のパラメータは、酔い度と電波弱度と、騒音度と、の少なくとも1つであり、前記酔い度は、前記経路に含まれる位置のうちで加速度または角速度が所定の基準値を超えたものの数に基づいて設定され、前記電波弱度は、前記経路に含まれる位置のうちで電波強度が所定の基準値以下のものの数に基づいて設定され、前記騒音度は、前記経路に含まれる位置のうちで音レベルが所定の基準値を超えたものの数に基づいて設定されるものである。
【0008】
本発明にかかるプログラムは、目的地までの経路を設定する処理手順と、位置と所定のパラメータとを紐付けして記憶させる処理手順と、前記経路に含まれる位置に対応する前記所定のパラメータに基づいて少なくともメールの確認、会議への参加、資料の作成に関するタスクのうちいずれかを選択する処理手順と、をコンピュータに実行させ、前記所定のパラメータは、酔い度と電波弱度と、騒音度と、の少なくとも1つであり、前記酔い度は、前記経路に含まれる位置のうちで加速度または角速度が所定の基準値を超えたものの数に基づいて設定され、前記電波弱度は、前記経路に含まれる位置のうちで電波強度が所定の基準値以下のものの数に基づいて設定され、前記騒音度は、前記経路に含まれる位置のうちで音レベルが所定の基準値を超えたものの数に基づいて設定されるものである。

【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車両による移動時間中に何を行うかを適切に提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る提案装置の概略構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1に係る提案装置のデータ処理部におけるタスクテーブルの一例を示す模式図である。
図3】実施の形態1に係る提案装置のデータ処理部におけるタスクテーブルの別の一例を示す模式図である。
図4】実施の形態1に係る提案装置のデータ処理部におけるタスクテーブルのさらに別の一例を示す模式図である。
図5】実施の形態1に係る提案装置のデータ処理部におけるタスクテーブルのさらに別の一例を示す模式図である。
図6】実施の形態1に係る提案装置のデータ解析部がデータ取得装置からデータを受信した時にデータ解析部が地図データを更新する処理の流れを示すフローチャートである。
図7】データ解析部がユーザー端末から目的地を受信した時の処理の流れを示すフローチャートである。
図8】おすすめのタスクが表示されているユーザー端末の画面の一例を示す模式図である。
図9】おすすめのタスクが表示されているユーザー端末の画面の別の一例を示す模式図である。
図10】実施の形態2に係る提案装置の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲に係る発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0012】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態1について説明する。
まず、実施の形態1に係る提案装置を含むシステムの構成について説明する。ここで、提案装置は、車両での移動中に何を行うかを提案するためのものである。図1は、実施の形態1に係る提案装置を含むシステム1の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、システム1は、データ取得装置10と、提案装置30と、ユーザー端末40と、を含む。データ取得装置10は、車両に搭載される。提案装置30は、例えばサーバーである。データ取得装置10、提案装置30、ユーザー端末40は、ネットワーク2を介して接続されている。
【0013】
データ取得装置10は、位置情報取得部11と、走行状態取得部12と、騒音情報取得部13と、電波状態取得部14と、を含む。位置情報取得部11は、例えばGPS(Global Positioning System)受信器11aを有し、現在位置を取得する。走行状態取得部12は、例えば、加速度センサ12a、ジャイロセンサ12bを有し、加速度、角速度を取得する。騒音情報取得部13は、例えば音センサ13aを有し、音レベルを取得する。電波状態取得部14は、電波センサ14aを有し、電波状態を取得する。データ取得装置10は、走行情報と騒音情報と電波状態を位置情報に紐付けてネットワーク2を介して定期的に提案装置30に送信する。
【0014】
提案装置30は、データ解析部31と、記憶部32と、タスク選択部33と、経路設定部34と、を含む。
【0015】
経路設定部34は、ユーザー端末40より、入力された目的地を受信し、目的地までの経路を設定する。
【0016】
記憶部32は、位置と所定のパラメータとを紐付けして記憶している。すなわち、記憶部32には、位置と所定のパラメータとが紐付けされた地図データ32aが記憶されている。ここで、所定のパラメータは、酔い度と電波弱度と、騒音度と、の少なくとも1つである。酔い度は、経路上に含まれる酔い地点の数により決まるパラメータである。酔い地点とは、加速度または角速度が基準値を超えた地点である。電波弱度は、経路上に含まれる電波弱地点の数により決まるパラメータである。電波弱地点とは、電波強度が基準値以下の地点である。騒音度は、経路上に含まれる騒音地点の数により決まるパラメータである。騒音地点とは、音レベルが基準値を超えた地点である。
【0017】
データ解析部31は、データ取得装置10から位置情報に紐付けされた走行情報(加速度または角速度を含む)を受信し、酔い地点を地図データ32aに記録する。データ解析部31は、データ取得装置10から位置情報に紐付けされた電波状態情報(電波強度を含む)を受信し、電波弱地点を地図データ32aに記録する。データ解析部31は、データ取得装置10から位置情報に紐付けされた騒音情報(音レベルを含む)を受信し、騒音地点を地図データ32aに記録する。データ解析部31において、地図データ32aにおける酔い地点、電波弱地点及び騒音地点は車両の走行のたびに更新されるようにしてもよい。
【0018】
タスク選択部33は、経路に含まれる位置に対応する所定のパラメータに基づいてタスクを選択する。ここで、タスクは、例えば、映画鑑賞や読書などの娯楽や、メールチェック、Web会議、会議資料の作成等の仕事などである。具体的には、タスク選択部33は、目的地までの経路を設定されると、酔い地点、電波弱地点及び騒音地点が予め記録された地図データ32aを参照して、経路上における酔い度、電波弱度及び騒音度を設定(算出)する。そして、タスク選択部33は、設定した、酔い度、騒音度、電波弱度に基づいておすすめのタスクを選択し、ユーザー端末40に送信する。おすすめのタスクは、おすすめ度合いの高い順に複数提示してもよい。おすすめのタスクの提示は、目的地までの経路を分割し、分割した区間ごとに行ってもよい。
【0019】
タスク選択部33は、設定した、酔い度、騒音度、電波弱度に基づいて、タスクテーブル32bからおすすめのタスクを選択するようにしてもよい。タスクテーブル32bは、各タスクと所定のパラメータとの関係度合いが対応付けされたテーブルである。すなわち、タスクテーブル32bは、選択肢としての複数の仕事と酔い度、電波弱度、騒音度との関係度合いをそれぞれ示すテーブルである。タスクテーブル32bは予め記憶部32に記憶されている。タスクテーブル32bは、ユーザー端末40から更新することもできる。タスクテーブル32bからおすすめのタスクを選択する方法の具体例については後述する。
【0020】
ユーザー端末40は、ユーザーが操作を行うためのインターフェースで、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、カーナビゲーションなどである。ユーザー端末40は、入力部41と、表示部42と、を含む。入力部41は、タスク項目や目的地が入力され、提案装置30に送信する。表示部42は、提案装置30から受信したおすすめのタスク情報を表示する。
【0021】
次に、図1に示したタスク選択部33がタスクテーブル32bからおすすめのタスクを選択する方法の具体例について説明する。
図2は、タスクテーブル32bの一例を示す模式図である。図2に示すように、タスクテーブル32bにおいて、各タスクに対し、それぞれ、酔い度、電波弱度、騒音度とどの程度関係するかを示す関係度合いが数値で設定されている。例えば、考える仕事の場合、酔い度との関係度合いは1、電波弱度との関係度合いは0、騒音度との関係度合いは2である。関係度合いの数値は、大きい程、関係が深いことを表す。また、図3から図5は、図2とは別のタスクテーブル32bの一例を示す模式図である。図3から図5に示すように、タスクテーブル32bは、所定のパラメータとしての、酔い度、電波弱度、騒音度のいずれか1つが含まれるものであってもよい。なお、タスクは、関係度合いが設定されているタスクであればいずれのタスクであってもよく、上記の例に限定されない。
【0022】
タスク選択部33は、タスクテーブル32bにおける各タスクについて、それぞれ、所定のパラメータに、所定のパラメータとの関係度合いを重みとして掛けた度数を計算する。この度数が低いタスク程、おすすめ度合いが高いと判定する。例えば、所定のパラメータが、酔い度、電波弱度、騒音度の3つで、タスク選択部33において、酔い度が30、電波弱度が20、騒音度が10と設定されたとする。タスク選択部33は、図2に示すタスクテーブル32bを参照し、考える仕事の度数50(=1×30+0×20+2×10)と算出する。同様に、タスク選択部33は、Web会議の度数170(=1×30+5×20+4×10)、読む仕事の度数130(=3×30+1×20+2×10)、入力する仕事の度数180(=5×30+1×20+1×10)と算出する。度数が低いタスク程、おすすめ度合いが高いと判定するため、これらのタスクをおすすめ度合いが高い順に並べると、考える仕事の度数50>読む仕事の度数130>Web会議の度数170>入力する仕事の度数180となる。このうち、おすすめ度合いが高いタスクをおすすめのタスクとして選択する。上記の例では、考える仕事をおすすめのタスクとして選択する。
【0023】
次に、提案装置30がデータ取得装置10からデータを受信した時に、データ解析部31が地図データ32aを更新する処理の流れについて説明する。なお、以下の説明では、図1についても適宜参照する。
図6は、提案装置30がデータ取得装置10からデータを受信した時にデータ解析部31が地図データ32aを更新する処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すように、まず、提案装置30において、データ取得装置10からの定期的なデータの受信を開始する(ステップS101)。続いて、データ取得装置10から受信したデータが、走行情報、騒音情報、電波情報のいずれであるか、を判断する(ステップS102)。
【0024】
ステップS102において、データ取得装置10から受信したデータが走行情報であると判断された場合、加速度、角速度が基準値を超えたか否かを判断する(ステップS103)。ステップS103において、加速度、角速度が基準値を超えたと判断された場合(YESの場合)、その地点を酔い地点として地図データ32aに記録する(ステップS104)。ステップS103において、加速度、角速度が基準値を超えていないと判断された場合(NOの場合)、処理を終了する。
【0025】
ステップS102において、データ取得装置10から受信したデータが騒音情報であると判断された場合、音レベルが基準値を超えたか否かを判断する(ステップS105)。ステップS105において、音レベルが基準値を超えたと判断された場合(YESの場合)、その地点を騒音地点として地図データ32aに記録する(ステップS106)。ステップS105において、音レベルが基準値を超えていないと判断された場合(NOの場合)、処理を終了する。
【0026】
ステップS102において、データ取得装置10から受信したデータが電波情報であると判断された場合、電波強度が基準値以下であるか否かを判断する(ステップS107)。ステップS107において、電波強度が基準値以下であると判断された場合(YESの場合)、その地点を電波弱地点として地図データ32aに記録する(ステップS108)。ステップS107において、電波強度が基準値以下ではないと判断された場合(NOの場合)、処理を終了する。
【0027】
次に、提案装置30がユーザー端末40から目的地を受信した時の処理の流れについて説明する。なお、以下の説明では、図1についても適宜参照する。
図7は、提案装置30がユーザー端末40から目的地を受信した時の処理の流れを示すフローチャートである。図7に示すように、まず、目的地を受信したら、経路設定部34が目的地までの経路を設定する(ステップS201)。続いて、タスク選択部33が、経路上に含まれる酔い地点数により、その経路の酔い度を設定する(ステップS202)。続いて、タスク選択部33が、経路上に含まれる電波弱地点数により、その経路の電波弱度を設定する(ステップS203)。
【0028】
ステップS203に続いて、タスク選択部33が、経路上に含まれる騒音地点数により、その経路の騒音度を設定する(ステップS204)。続いて、タスク選択部33が、経路における、酔い度、騒音度、電波弱度とタスクテーブル32bのそれぞれに対する関係度合いから、おすすめのタスクを選択する(ステップS205)。具体的には、続いて、タスク選択部33が、おすすめのタスク情報をユーザー端末40に送信し(ステップS206)、処理を終了する。
【0029】
図8は、おすすめのタスクが表示されているユーザー端末40の画面70の一例を示す模式図である。図8に示すように、画面70には、経路に対するおすすめのタスクを、おすすめ度合いが高い順に複数表示するようにしてもよい。
【0030】
また、タスク選択部33は、各区間における最初と最後の通過予定時刻をそれぞれ算出し、区間ごとにおすすめのタスクを通過予定時刻と対応させて、ユーザー端末40に表示させる表示制御情報を生成し送信してもよい。ユーザー端末40は、受信した表示制御情報に基づき、おすすめのタスクを通過予定時刻と対応させて表示部42に表示する。図9は、おすすめのタスクが表示されているユーザー端末40の画面70の別の一例を示す模式図である。図9に示すように、画面70には、経路を区切って、それぞれの区間のおすすめのタスクを設定し、スケジューリングして表示するようにしてもよい。
【0031】
以上より、本実施の形態にかかるシステム1によれば、車両による移動時間中に行う作業として適切なものを提示することができる。
【0032】
実施の形態2
以下、図面を参照して本発明の実施の形態2について説明する。
図10は、実施の形態2に係るシステム101の概略構成を示すブロック図である。図10に示すように、システム101は、複数のデータ取得装置10と、提案装置30と、複数のユーザー端末40と、を含む。すなわち、システム101は、データ取得装置10と、ユーザー端末40と、を複数含む点以外は、実施の形態にかかるシステム1と同じである。データ取得装置10は、複数の車両のそれぞれに搭載される。それぞれのデータ取得装置10と対応するユーザー端末40を有する。このように複数の車両のそれぞれにデータ取得装置10を搭載することで、地図データ32aにおける酔い地点、電波弱地点及び騒音地点がより頻繁に更新される。地図データ32aにおける酔い地点、電波弱地点及び騒音地点がより頻繁に更新されると、経路における、酔い度、騒音度、電波弱度がより精度良く設定されるようになる。これにより、車両による移動時間中に何を行うかをより適切に提案することができる。
【0033】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。以上で説明した複数の例は、適宜組み合わせて実施されることもできる。
【0034】
上記実施の形態における制御部が実現する各構成要素は、例えば、コンピュータである制御部が備える演算装置(図示せず)の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、制御部は、記憶部(図示せず)に格納されたプログラムを主記憶装置(図示せず)にロードし、演算装置の制御によってプログラムを実行して実現する。また、各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現しても良い。
【0035】
上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0036】
31 データ解析部
32 記憶部
33 タスク選択部
32a 地図データ
32b タスクテーブル
34 経路設定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10