(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】運用管理システム、移動型放射線発生装置及び移動型放射線撮影システム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
A61B6/00 310
(21)【出願番号】P 2018209316
(22)【出願日】2018-11-07
【審査請求日】2021-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 将樹
(72)【発明者】
【氏名】石本 一
(72)【発明者】
【氏名】松尾 貴文
【審査官】松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-340788(JP,A)
【文献】特開2004-041698(JP,A)
【文献】特開2002-150488(JP,A)
【文献】特開平11-051681(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0223890(US,A1)
【文献】国際公開第2016/183810(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055、6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を発生可能な放射線発生部有するとともに移動可能に構成された移動型放射線発生装置を管理するための運用管理システムであって、
前記移動型放射線発生装置が存在する位置及び当該位置に存在するときの時刻を含む位置情報を繰り返し取得する取得手段と、
前記取得手段が繰り返し取得した位置情報を順次記録する記録手段と、
前記記録手段が記録した複数の位置情報に基づいて、前記移動型放射線発生装置の過去の運用に関する運用情報を生成する生成手段と、
前記生成手段が生成した運用情報を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする運用管理システム。
【請求項2】
前記取得手段は、前記移動型放射線発生装置を用いた撮影の内容に関する撮影情報、前記移動型放射線発生装置を操作する操作者に関する操作者情報、前記移動型放射線発生装置を用いた撮影において撮影対象となる被検体に関する被検体情報、及び前記移動型放射線発生装置が備えられる施設に関する施設情報のうちの少なくともいずれかの情報をさらに取得し、
前記生成手段は、前記撮影情報、前記操作者情報、前記被検体情報及び前記施設情報のうちのさらに取得した情報及び複数の位置情報に基づいて前記運用情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の運用管理システム。
【請求項3】
前記生成手段は、前記記録手段が記録した複数の前記位置情報と前記施設情報とに基づいて、
前記運用情報として、前記移動型放射線発生装置が前記施設内を移動したときの移動経路に関する経路情報を生成し、
前記表示手段は、前記施設情報に基づいて前記施設内の平面図を表示するとともに、前記生成手段が生成した前記経路情報に基づいて前記平面図に前記移動型放射線発生装置の移動経路を重畳表示することを特徴とする請求項2に記載の運用管理システム。
【請求項4】
前記施設情報には、前記施設内における前記移動型放射線発生装置が移動可能な通路の分岐点に関する分岐点情報が含まれ、
前記生成手段は、生成した前記経路情報を、前記分岐点情報が示す分岐点を境にして分割することで、前記通路を分岐点で区切った各区間に対応する部分経路に関する部分経路情報をそれぞれ生成することを特徴とする請求項3に記載の運用管理システム。
【請求項5】
前記生成手段は、生成した前記部分経路情報に基づいて、前記移動型放射線発生装置が対応する区間を移動するのに要した移動時間を含む区間データを生成することを特徴とする請求項4に記載の運用管理システム。
【請求項6】
前記生成手段は、同一区間に対応する複数の部分経路情報の中から、移動時間が最も短い区間データに対応する部分経路情報を最短部分経路情報として抽出し、抽出した各区間に対応する最短部分経路情報を結合することで、
前記運用情報として、撮影場所まで最短で移動することのできる移動経路に関する最短経路情報を生成することを特徴とする請求項5に記載の運用管理システム。
【請求項7】
前記表示手段は、前記区間データに含まれる移動時間の長さに応じて、表示された移動経路の対応する区間の表示態様を変更することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の運用管理システム。
【請求項8】
前記施設情報には、不使用時における前記移動型放射線発生装置の待機場所に関する待機場所情報が含まれ、
前記生成手段は、前記撮影情報、前記待機場所情報、複数の前記区間データに基づいて、
前記運用情報として、撮影が行われた撮影場所までの移動時間が最短となった待機場所に関する最短待機場所情報を生成し、
前記表示手段は、前記最短待機場所情報に基づいて、撮影場所まで最短で移動可能となる待機場所の位置を前記平面図に示すことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の運用管理システム。
【請求項9】
前記生成手段は、同一区間に対応する複数の前記部分経路情報に基づいて、各移動時間の平均値を算出することを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の運用管理システム。
【請求項10】
前記生成手段は、前記取得手段が取得した複数の前記位置情報及び前記撮影情報に基づいて、撮影に要した撮影時間を生成することを特徴とする請求項2に記載の運用管理システム。
【請求項11】
放射線を発生可能な放射線発生部と、
自身が存在する位置及び当該位置に存在するときの時刻を含む位置情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した位置情報を記録する記録手段と
前記記録手段が記録した位置情報に基づいて、自身の過去の運用に関する運用情報を生成する生成手段と、
前記生成手段が生成した運用情報を表示する表示手段と、を備え、
移動可能に構成されていることを特徴とする移動型放射線発生装置。
【請求項12】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の運用管理システムと、
放射線を発生可能な放射線発生部有するとともに移動可能に構成された移動型放射線発生装置と、
受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出装置と、を備えることを特徴とする移動型放射線撮影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運用管理システム、移動型放射線発生装置及び移動型放射線撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放射線画像の撮影は、放射線を発生させる放射線発生装置と、受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出装置が装填された撮影台と、がそれぞれ設置された撮影室において行うのが一般的であったが、近年、移動が困難な被検体の撮影を容易に行えるようにするため、放射線発生装置を、車輪等の移動手段を備えた移動可能なものとすることが行われている。
また、こうした移動型の放射線発生装置や放射線検出装置を円滑に運用することを目的として、これらを管理するための各種管理システムも開発されている。
【0003】
こうしたシステムの例として、例えば特許文献1には、回診予定患者の回診順番ごとの回診状況を示す回診状況情報の入力を受け付け、入力された回診状況情報を送信する複数の移動型X線撮影装置と、回診順番情報及び回診予定時刻情報の入力を受け付け、移動型X線撮影装置から回診状況情報を受信し、入力された回診順番情報及び回診予定時刻情報と受信した回診状況情報とを対比させて表示する集中管理装置と、を備えた撮影情報管理システムについて記載されている。
また、特許文献2には、基準とする自身の位置及び向きを記憶し、記憶した位置からの移動に伴う車輪の回転数を計数し、記憶した位置及び向きと計数した車輪の回転数とを用いて移動後の自身の位置を算出し、それを位置情報として送信する回診用X線撮影装置と、回診用X線撮影装置から位置情報を受信し、それに基づいて回診用X線撮影装置の位置を表示する集中管理装置と、を備えた回診用放射線撮影装置管理システムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-340788号公報
【文献】特開2008-000430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された撮影情報管理システムが表示する情報は、当初の進行予定と現在の進捗状況との対比であり、運用後、その情報は残されない。
また、特許文献2に記載された回診用放射線撮影装置管理システムが表示する情報も、現在の位置情報であり、運用後、その情報は残されない。
すなわち、特許文献1,2に記載されたような従来の管理システムは、運用中の移動型放射線撮影装置の現状をユーザーに知らせるものであったため、ユーザーは、表示された情報を目にしても、その都度の対応をとる(例えば現在行っている回診における撮影時間を調整する等)ことしかできなかった。つまり、従来の管理システムが表示する情報では、そうした対応とる原因となった移動型放射線撮影装置の運用上の問題点を改善することは困難であった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、放射線を発生可能な放射線発生部を有するとともに移動可能に構成された移動型放射線発生装置の将来的な運用を容易に効率化できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の問題を解決するために、本発明は、
放射線を発生可能な放射線発生部を有するとともに移動可能に構成された移動型放射線発生装置を管理するための運用管理システムであって、
前記移動型放射線発生装置が存在する位置及び当該位置に存在するときの時刻を含む位置情報を繰り返し取得する取得手段と、
前記取得手段が繰り返し取得した位置情報を順次記録する記録手段と
前記記録手段が記録した複数の位置情報に基づいて、前記移動型放射線発生装置の過去の運用に関する運用情報を生成する生成手段と、
前記生成手段が生成した運用情報を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、移動型放射線発生装置の将来的な運用を容易に効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る移動型放射線撮影システムを表すブロック図である。
【
図2】
図1の移動型放射線撮影システムが備える運用管理システムを表すブロック図である。
【
図3】
図1の移動型放射線撮影システムが備えられる施設内部の平面図である。
【
図4】
図1の移動型放射線撮影システムが備えられる施設内部の平面図である。
【
図5】
図2の運用管理システムが表示する表示画面の一例である。
【
図6】
図2の運用管理システムが表示する表示画面の一例である。
【
図7】
図2の運用管理システムが表示する表示画面の一例である。
【
図8】
図2の運用管理システムが表示する表示画面の一例である。
【
図9】
図2の運用管理システムが表示する表示画面の一例である。
【
図10】
図2の運用管理システムが表示する表示画面の一例である。
【
図11】
図2の運用管理システムが表示する表示画面の一例である。
【
図12】本発明の第二実施形態に係る移動型放射線発生装置及び放射線検出装置を表すブロック図である。
【
図13】
図12の移動型放射線発生装置の放射線発生部を表すブロック図である。
【
図14】
図1の移動型放射線撮影システム又は
図12の移動型放射線発生装置が記録する各種情報を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、下記実施形態の説明や図面に例示したものに限定されるものではない。
【0011】
<第一実施形態>
はじめに、本発明の第一実施形態について、
図1~
図11を参照しながら説明する。
【0012】
〔移動型放射線撮影システム〕
まず、本実施形態に係る移動型放射線撮影システム(以下撮影システム100)の概略構成について説明する。
図1は、撮影システム100を表すブロック図である。
【0013】
撮影システム100は、
図1に示すように、移動型放射線撮影装置(以下撮影装置100a)と、運用管理システム100bと、を備えている。
なお、一の運用管理システム100bに対し、撮影装置100aは一台であってもよいし、複数台あってもよい。
また、撮影システム100は、図示しない放射線科情報システム(Radiology Information System:RIS)や、画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication System:PACS)等の他のシステムと接続可能となっていてもよい。
【0014】
撮影装置100aは、移動型放射線発生装置(以下、回診車1)と、放射線検出装置2と、を備えている。
なお、撮影装置100aは、静止画撮影のみを行うものであってもよいし、動画撮影に対応したものであってもよい。
なお、撮影装置100aは、撮影条件等を設定することが可能なコンソールを備えていてもよい。その場合、コンソールは、回診車1に搭載されていてもよい。
【0015】
回診車1は、筐体1aと、放射線発生部1bと、車輪1cと、を有している。
放射線発生部1bは、照射指示スイッチ11が操作されたことに基づいて、予め設定された撮影条件に応じた電圧を生成する高電圧発生部12や、高電圧発生部12から電圧が印加されると、印加された電圧に応じた線量の放射線(例えばX線等)を発生させる放射線源13、高電圧発生部を制御する制御部14、制御部を動作させる各種プログラムが記憶された記憶部15、他の装置(例えば放射線検出装置2)との間で各種制御信号や各種データ等を送受信するための通信部16等を備えている。
【0016】
なお、回診車1は、手押し式のものであってもよいし、モーター等の動力を備えたものであってもよい。
また、回診車1は、車輪1c以外の移動手段を備えたものであってもよいし、車輪1cを含む移動手段を備えず、単に持ち運び可能に小型・軽量化されたものであってもよい。
また、回診車1は、内蔵バッテリーを備え、当該バッテリーから電力の供給を受けるように構成されたものであってもよいし、撮影場所に設けられたコンセントから電力の供給を受けることが可能に構成されたものであってもよい。
【0017】
放射線検出装置2は、受けた放射線に応じた当該被検体の放射線画像を生成することが可能に構成されている。
具体的には、放射線を受けることで線量に応じた電荷を発生させる放射線検出素子やスイッチ素子を備えた画素が二次元状(マトリクス状)に配列された放射線検出部や、各画素から放出された電荷の量を信号値として読出し、複数の信号値から放射線画像のデータを生成する読出し部、放射線検出装置2を制御する制御部、制御部を動作させる各種プログラムが記憶された記憶部、他の装置(例えば回診車1)との間で各種制御信号や各種データ等を送受信したり、生成した放射線画像のデータを他の装置へ送信したりするための通信部等を備えている。
【0018】
なお、放射線検出装置2は、シンチレーター等を内蔵し、照射された放射線をシンチレーターで可視光等の他の波長の光に変換し、変換した光に応じた電荷を発生させるもの(いわゆる間接型)であってもよいし、シンチレーター等を介さずに放射線から直接電荷を発生させるもの(いわゆる直接型)であってもよい。
また、放射線検出装置2は、他の装置から受信した信号等に基づいて上記撮影動作を行う連携方式のものであってもよいし、回診車1から放射線を検知したことを契機として自動的に撮影に移る非連携方式のものであってもよい。
また、放射線検出装置2は、フィルム、又はCR(Computed Radiography)で用いる蛍光板が格納されたカセッテであってもよい。
【0019】
このように構成された回診車1の放射線源13と放射線検出装置2とを対向配置し、それらの間に被検体S(人、動物、物)を配置し、放射線源13から被検体S及び放射線検出装置2へ放射線Xを照射することで、放射線検出装置2が被検体の放射線画像を生成するようになっている。
【0020】
〔運用管理システム〕
次に、上記撮影システム100が備える運用管理システム100bの具体的構成について説明する。
図2は、運用管理システム100bを表すブロック図である。
【0021】
運用管理システム100bは、
図2に示すように、システム本体3と、位置検出部4と、を備え、回診車1を管理することが可能に構成されている。
なお、運用管理システム100bの管理対象は、検出装置2であってもよいし、撮影装置100a(回診車1及び検出装置2)であってもよい。
以下、撮影装置100aを管理対象とする場合について説明する。
【0022】
システム本体3は、制御部31と、通信部32と、記憶部33と、表示部34と、操作部35と、これらを接続するバス36と、を備えている。
【0023】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部31のCPUは、操作部35の操作に応じて、記憶部33に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、システム本体3各部の動作を集中制御するようになっている。
【0024】
通信部32は、ネットワークインターフェース等により構成され、LAN、WAN、インターネット等の通信ネットワークを介して有線又は無線で接続された他の装置との間でデータの送受信を行うことが可能となっている。
【0025】
記憶部33は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成され、制御部31が実行する各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター等を記憶している。
【0026】
表示部34は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニターにより構成され、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、操作部35からの入力指示や放射線画像等を表示することが可能となっている。
【0027】
操作部35は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備え、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部31に出力するようになっている。
また、操作部35は、表示部34の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部31に出力するようになっている。
【0028】
位置検出部4は、例えば、回診車1に備えられる全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)の受信機、施設200内に設けられ回診車1とシステム本体3との無線通信(例えばWi-fi)を中継するアクセスポイント(AP)等で構成され、撮影装置100aが存在する位置を繰り返し検出することが可能に構成されている。
GPSの受信機を位置検出部4とする場合は、受信機がGPS衛星から受信した電波に基づいて算出した位置をシステム本体3へ送信する。一方、APを位置検出部4とする場合は、APが撮影装置100a(回診車1又は放射線検出装置2)から届く電波の強度に基づいて算出した位置をシステム本体3へ送信する。
回診車1に位置検出部4が搭載されている場合は、回診車1の特定を容易に行うことができる。一方、建物が複数階ある場合、GPSでは階の違いを識別することが困難であるが、APを用いれば、各階にAPを取り付けることで対応することができる。
【0029】
なお、回診車1に車輪1cの回転を測定する回転測定部や、回診車1の位置する高さを測定する高さ測定部を備え、これらの測定部の測定結果に基づいて回診車の制御部が位置を算出するように構成してもよい。
また、GPSの受信機やAP、回診車で位置を算出するのではなく、GPS衛星から受信した電波に含まれる情報や、届く電波の強度、測定部の測定結果をそのままシステム本体3へ送信し、システム本体3の制御部31で算出するようにしても良い。
【0030】
また、施設200内に設けられる監視カメラやレーザーレーダー等を位置検出部4とすることもできる。監視カメラを位置検出部4とする場合は、撮影した画像に写った回診車1をシステム本体3の制御部31で解析して監視カメラから回診車1までの距離を算出する。
一方、レーザーレーダーを位置検出部4とする場合には、回診車1にレーザー光を照射し、その反射光に基づいてレーザーレーダーから回診車1までの距離を算出する。
位置検出部4をこのように構成した場合、移動物体を識別する手段が必要となるが、回診車1からの電波等の発信は不要となる。また、回診車1毎に位置検出部4を設ける必要がなく、新たな回診車を導入した場合もすぐに対応できるし、施設情報がなくても簡便に回診車1の位置を特定することができる。
【0031】
このように構成された本実施形態に係る運用管理システム100bの制御部31は、位置情報を繰り返し取得する機能を有している。
ここで、「位置情報」とは、撮影装置100aが存在する位置(位置検出部4が算出・送信した位置)及び当該位置に存在するときの時刻を含む。
具体的には、位置検出部4が出力する位置情報を、通信部32を介して受信する。
【0032】
また、本実施形態における制御部31は、位置情報の他に、撮影情報、操作者情報、被検体情報及び施設情報のうちの少なくともいずれかの情報をさらに取得するようになっている。
ここで、「撮影情報」とは、撮影装置100aを用いた撮影の内容に関する情報である。具体的には、撮影部位、撮影方向、撮影条件、撮影場所等を指す。
また、「操作者情報」とは、撮影装置100aを操作する操作者に関する情報である。具体的には、操作者指名、ID等を指す。
また、「被検体情報」とは、撮影装置100aを用いた撮影において撮影対象となる被検体に関する情報である。具体的には、被検体氏名、ID、疾患名等を指す。
また、「施設情報」とは、撮影装置100aが備えられる施設200に関する情報である。具体的には、施設200内部の平面
図Pvを含む。
【0033】
なお、本実施形態における施設情報には、分岐点情報と、待機場所情報と、撮影場所情報と、が含まれている。
ここで、「分岐点情報」とは、施設200内における撮影装置100aが移動可能な通路210の分岐点Pbに関する情報である。具体的には、分岐点Pbの存在位置(座標等)である。なお、分岐点Pbが複数存在する場合には、各分岐点Pbを識別するID等も分岐点情報に含まれる。例えば、施設200が
図3に示すような平面
図Pvで表される場合には、複数個所(9個所)の分岐点Pbに対応する分岐点情報をそれぞれ取得し、各分岐点情報にID(例えばX_01~X_09)を付与することとなる。
【0034】
また、「撮影場所情報」とは、撮影を行う場所に関する情報である。具体的には、撮影を行う部屋220の存在位置(座標等)である。撮影場所が複数存在する場合には、各撮影場所を識別するID等も撮影場所情報に含まれる。例えば、施設200が
図4に示すような平面
図Pvで表される場合には、複数個所(13個所)の部屋220に対応する撮影場所情報をそれぞれ取得し、各撮影場所情報にID(R_01~R_13)を付与することとなる。
また、「待機場所情報」とは、不使用時における撮影装置100aの待機場所230に関する情報である。具体的には、待機場所230の存在位置(座標等)である。なお、待機場所が複数存在する場合には、各待機場所230を識別するID等も分岐点情報に含まれる。例えば、施設200が
図4に示すような平面
図Pvで表される場合には、複数個所(3個所)の待機場所230に対応する待機場所情報をそれぞれ取得し、各待機場所情報にID(W_01~W_03)を付与することとなる。
制御部31は、以上のような機能を有することにより、本発明における取得手段をなす。
【0035】
また、制御部31は、繰り返し取得した位置情報を含む各種情報を順次記録する機能を有している。本実施形態においては、記憶部33に設けられたデータベースに蓄積していく。
すなわち、制御部31及び記憶部33は、本発明における記録手段をなす。
なお、各種情報の蓄積は、記憶部33にではなく、外部サーバーに行うようにしても良い。
【0036】
また、制御部31は、記録した複数の位置情報に基づいて、運用情報を生成する機能を有している。
ここで、「運用情報」とは、撮影装置100aの過去の運用に関する情報である。具体的には、撮影装置100aの移動経路、移動に要した移動時間、撮影に要した撮影時間等、である。
また、制御部31は、生成した運用情報を表示する機能を有している。本実施形態においては、表示部34に表示させるようになっている。
なお、運用情報の表示は、ユーザーが次の撮影場所を指定したことを契機として行ってもよいし、撮影オーダー情報に基づいて自動で行ってもよい。
【0037】
本実施形態における制御部31は、複数の位置情報の他、撮影情報、操作者情報、被検体情報及び施設情報のうちのさらに取得した情報に基づいて運用情報を生成するようになっている。
例えば、制御部31は、記録した複数の位置情報と施設情報とに基づいて、経路情報を生成するようになっている。
ここで、「経路情報」とは、撮影装置100aが施設200内を移動したときの移動経路に関する情報である。経路情報は、例えば各位置情報の集合とすることもできるし、スタートとなる待機場所230、分岐点Pbを抜けたときの進行方向、及びゴールとなる部屋220の情報の組み合わせとすることもできる。
【0038】
そして、制御部31は、施設情報に基づいて施設200内の平面
図Vpを表示部34に表示させるとともに、生成した経路情報に基づいて平面
図Pvに撮影装置100aの移動経路Rを重畳表示させることが可能となっている。
具体的には、例えば
図5に示すように、個々の位置情報が示す位置にプロットした点の集まりを経路情報として表示してもよいし、個々の位置情報が示す座標を結ぶ線で表示してもよい。また、例えば
図6に示すように、位置情報により起点であることが確認された待機場所230、通過が確認された各分岐点Pb、及び終点であることが確認された撮影場所(部屋220)を結ぶ線で表示してもよい。
【0039】
なお、移動経路を表示する際には、
図6に示したように、撮影装置100aが当該移動経路を移動するのに要した移動時間の表示Tを移動経路の近傍に表示させるのが好ましい。
また、経路情報が複数記録されている場合には、複数の移動経路が表示されることとなる。その場合には、
図6に示したように、移動径路毎に表示態様を変えるようにするのが好ましい。
図6では線種の違いにより移動経路を区別しているが、色や線の太さ等を変えることとしてもよい。
このようにすれば、過去に撮影場所へ早くたどり着けた移動経路が一目で分かるため、その移動経路を選択することで、撮影装置100aを短時間で移動させることが可能となり、ユーザーにとっては負担の軽減につながるし、施設経営者にとっては経営の効率化につながる。
また、ユーザーの作業が削減されることで、労務管理を適正化することができる。
なお、経路情報を生成する際、使用する各種情報に、個々の回診車、ユーザー、移動速度、撮影時間、撮影情報、撮影日時、施設(複数管理している場合)といった項目でフィルターをかけ、表示する移動経路Rを特徴量毎に変えることができるようにしてもよい。
【0040】
また、本実施形態における制御部31は、生成した経路情報を、分岐点情報が示す分岐点Pbを境にして分割することで、通路210を分岐点Pbで区切った各区間211に対応する複数の部分経路Rsに関する部分経路情報をそれぞれ生成するようになっている。
また、本実施形態における制御部31は、生成した部分経路情報に基づいて、撮影装置100aが対応する区間211を移動するのに要した移動時間を含む区間データを生成するようになっている。
なお、同一区間211に対応する部分経路情報が複数存在する場合には、複数の部分経路情報に基づいて、各移動時間の平均値を算出し、その平均値を含む区間データを生成するようにしても良い。
また、各区間211の距離を予め取得しておくことで、各区間211を移動する際の移動速度を算出し、それを区間データに含めるようにしても良い。
【0041】
そして、制御部31は、施設情報及び経路情報に基づいて施設200内の平面
図Pv及び移動経路Rを表示部34に表示させるとともに、例えば
図7に示すように、生成した区間データに基づいて各区間211の移動時間の表示Tを対応する部分経路Rsの近傍に表示させることが可能となっている。
なお、移動速度を算出する場合には、例えば
図8に示すように、各区間211の移動時間の表示Tを、移動速度の表示Vに切り替えることができるようにしても良い。
その際、制御部31は、区間データに含まれる移動時間の長さに応じて、対応する部分経路Rsの表示態様を変更させるようにしてもよい。具体的には、例えば
図9に示すように、移動速度が遅い部分経路Rs(
図9では分岐点X_01とX_02の間)の色、線種、線の太さ等を変えたりする。
【0042】
このようにすれば、過去に移動に時間のかかった区間211が一目で分かるため、その区間の周囲の状況を考察することで、その区間211の移動に時間がかかる理由を推察することができる。例えば、
図9のように、トイレ前の区間211で時間がかかっている場合、トイレ前に多くの人が集まっていて通りにくくなっていると推察することができる。このため、この区間211を避けて移動するようにすることで、撮影装置100aを短時間で移動させることが可能となり、ユーザーにとっては負担の軽減につながるし、施設経営者にとっては経営の効率化につながる。
また、ユーザーの作業が削減されることで、労務管理を適正化することができる。
【0043】
また、本実施形態における制御部31は、同一区間211に対応する複数の部分経路情報の中から、移動時間が最も短い区間データに対応する部分経路情報を最短部分経路情報として抽出し、抽出した各区間211に対応する最短部分経路情報を結合することで、撮影場所まで最短で移動することのできる移動経路に関する最短経路情報を生成するようになっている。
そして、制御部31は、施設情報に基づいて施設200内の平面
図Pvを表示部34に表示させるとともに、
図10に示すように生成した最短経路情報に基づいて平面
図Pvに撮影装置100aの最短移動経路Rを重畳表示させることが可能となっている。
その際、移動経路R全体又は各部分経路Rsの移動時間の表示Tを合わせて表示するようにしてもよい。
【0044】
このようにすれば、過去に最短で移動できるとされた移動経路Rよりもさらに早く移動できる移動経路Rを見つけることができる可能性がある。そうした移動経路Rを新たに見つけることができれば、撮影装置100aを短時間で移動させることが可能となり、ユーザーにとっては負担の軽減につながるし、施設経営者にとっては経営の効率化につながる。
また、ユーザーの作業が削減されることで、労務管理を適正化することができる。
【0045】
また、本実施形態における制御部31は、待機場所230が複数ある場合、撮影情報、待機場所情報、複数の区間データに基づいて、最短待機場所情報を生成するようになっている。
ここで、「最短待機場所情報」とは、撮影が行われた撮影場所までの移動時間が最短となった待機場所230に関する情報である。具体的には、待機場所の存在位置(座標等)である。例えば
図11に示すように、各待機場所230から所定の撮影場所(部屋220)までの移動時間をそれぞれ算出し、その中から最も所要時間が短くなった待機場所230の存在位置を最短待機場所情報とする。
図11に示した206号室を撮影場所とする場合では、待機場所(2)が最も所要時間が短くなった待機場所230ということになる。
なお、用いる複数の区間データに、時間帯や曜日でフィルターをかけてから最短待機場所情報を生成するようにしてもよい。
【0046】
そして、制御部31は、最短待機場所情報に基づいて、撮影場所まで最短で移動可能となる待機場所230の位置を平面
図Pvに示すことが可能となっている。
なお、待機場所230の示し方は、最短で移動可能となる待機場所230のみを表示するものであってもよいし、全ての待機場所230を表示しつつ、最短で移動可能となる待機場所230のみを特定の表示態様で表示するようにしても良い。
その際、最短で移動可能となる待機場所230から撮影場所までの移動経路Rを併せて表示するようにしても良い。
【0047】
このようにすれば、前回の運用後、示された待機場所へ撮影装置100aを待機させておくことで、次の運用時、撮影装置100aを最初の撮影場所へ短時間で移動させることが可能となり、ユーザーにとっては負担の軽減につながるし、施設経営者にとっては経営の効率化につながる。
また、ユーザーの作業が削減されることで、労務管理を適正化することができる。
なお、用いる複数の区間データに、時間帯や曜日でフィルターをかけてから最短待機場所情報を生成するようにしてもよい。撮影場所やある通路の通りやすさ(混雑の程度等)は、時間や曜日によって異なることがあるため、このようにすれば、より正確な待機場所230を選定することができる。
【0048】
また、本実施形態における制御部31は、撮影情報を取得する場合には、取得した複数の位置情報及び撮影情報に基づいて、撮影に要した撮影時間を生成するようになっている。
具体的には、例えば、撮影情報に示された撮影場所で撮影装置100aが停止したことを検出してから、再び動き出したことを検出するまでの時間を撮影時間として計時したり、撮影情報に示された撮影場所において位置情報を受信した後に撮影装置100aから撮影開始を通知する信号を受信してから、撮影終了を通知する信号を受信するまでの時間を計時したりする。
そして、制御部31は、撮影情報、ユーザー名、撮影時間等を表示部34に一覧表示することが可能となっている。
【0049】
このようにすれば、過去の同一種類の撮影における撮影時間を比較することで、相対的に時間がかかっているユーザーを割り出すことができる。時間がかかっているユーザーは、技量が十分でない可能性があるが、向上すべきスキルを明確化し、ユーザーに対し効率的な再教育を施す等の対応をとることができる。また、技師の特性に合わせた撮影計画、回診ルートを設定することもできる。
さらに、撮影装置100aの開発者も運用形態を把握することができ、次期機種の開発にフィードバックすることが可能となる。
なお、一定時間毎に回診車1の位置のみを記録し、撮影情報は解析時に取得して、その時刻に撮影があったか否かを表示したり、撮影情報を予め取得しておき、撮影の開始時及び終了時の位置情報を記録したりするようにしてもよい。
【0050】
制御部31は、以上のような機能を有することにより、本発明における生成手段をなす。また、制御部31及び表示部34は、以上のような機能を有することにより、本発明における表示手段をなす。
【0051】
以上説明してきた本実施形態に係る運用管理システム100bは、従来のものとは異なり、過去の位置情報を記録し、記録した複数の位置情報に基づいて、撮影装置100aの過去の運用に関する運用情報を生成するため、次回以降に撮影装置100aを運用する前に、ユーザーは運用情報を参考にすることで、効率的な撮影計画の立案が可能になるとともに、労務管理(人員配置)や設備管理等の改善(時間のかかる移動経路からその要因を除去する)、教育プランの策定が可能となる。そして、その結果、撮影装置100aの将来的な運用を容易に効率化することができる。
【0052】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について、
図12,13を参照しながら説明する。なお、ここでは、上記第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0053】
上記第一実施形態に係る発明は、撮影装置100aと運用管理システム100bとを備えた移動型放射線撮影システムであったが、本実施形態に係る発明は、移動型放射線撮影装置(以下撮影装置100c)となっており、上記実施形態の運用管理システム100bに相当する構成を備えていない。
代わりに、撮影装置100cが、上記運用管理システム100bにおける各種機能を有している。
【0054】
具体的には、撮影装置100cは、例えば
図12に示すように、移動型放射線発生装置(以下、回診車1A)と、第一実施形態と同様の放射線検出装置2と、を備えている。
また、回診車1Aは、第一実施形態と同様の筐体1a、車輪1cの他、放射線発生部1dを備えている。
本実施形態に係る放射線発生部1dは、例えば
図13に示すように、第一実施形態と同様の照射指示スイッチ11、高電圧発生部12、放射線源13、制御部14の他、記憶部15Aと、位置検出部17と、表示部18と、を備えている。
本実施形態においては、回診車1Aが自ら位置情報を取得するため、第一実施形態における通信部16に相当する構成は無くてもよい。
記憶部15Aには、上記第一実施形態の記憶部15に記憶されているプログラムの他、回診車1を本発明における取得手段、記録手段、生成手段、表示手段として機能させるためのプログラムも記憶されている。
位置検出部17は、上記第一実施形態に係る位置検出部4と同様となっている。
【0055】
以上説明してきた本実施形態に係る撮影装置100cによれば、上記第一実施形態と同様に撮影装置100c(自身)の将来的な運用を容易に効率化することができる。
【0056】
(その他)
施設経営者は今後の回診車1の運用を効率化したいと考えるし、ユーザーの所属長は各ユーザーのスキル差を可視化したいと考える。また、撮影装置100aのメーカーのサービス担当者や施設経営者は、回診車1のメンテナンスの頻度を検討し易くしたいと考えるし、撮影装置100aを扱う中古売買企業は回診車1の中古価格の査定を容易に行えるようにしたいと考える。つまり、回診車1の関係者は、回診車1の情報を常々求めている。
このため、上記第一実施形態に係る運用管理システム100b又は第二実施形態に係る撮影装置100cにおいて、例えば
図14(a)に示すように、表示部34,18に、撮影装置100aの名称(メーカ名)、ステータス、存在位置、ユーザー名、備品、バッテリー残量、走行距離、次回メンテナンス日、メンテナンスの優先度等の各種情報を表示するようにしても良い。
こうすることで、回診車1の関係者の様々な要望に応えることができる。また、複数の回診車1の状況が一目で分かるため、定期的に回診車1をローテーションさせることで、一部の回診車1のみ消耗することを防ぎ、運用を効率化することができる。
【0057】
また、施設経営者は回診車1に対する設備投資の機会を検討したいと考えるし、ユーザーの所属長は各ユーザーのシフトの割り振りを検討したいと考える。また、撮影装置100aのメーカーのサービス担当者や施設経営者は、回診車1のメンテナンスの頻度を検討し易くしたいと考えるし、メーカーは製品開発のための市場情報が欲しいと考える。つまり、回診車1の関係者は、回診車1の稼働率を可視化したいと考えている。
このため、上記第一実施形態に係る運用管理システム100b又は第二実施形態に係る撮影装置100cにおいて、例えば
図14(b)に示すように、回診車1から取得する位置情報に時間情報(日時や曜日)を付加するようにしてもよい。
このようにすれば、運用(撮影時間、移動時間、ルート等)の日時ごと違いを把握することができ、設備の補充、メンテナンス等の計画を立てやすくなる。
【符号の説明】
【0058】
100 移動型放射線撮影システム
100a,100c 移動型放射線撮影装置
1,1A 回診車(移動型放射線発生装置)
1a 筐体
1b,1d 放射線発生部
11 照射指示スイッチ
12 高電圧発生部
13 放射線源
14 制御部
15,15A 記憶部
16 通信部
17 位置検出部
18 表示部
1c 車輪
2 放射線検出装置
100b 運用管理システム
3 システム本体
31 制御部
32 通信部
33 記憶部
34 表示部
35 操作部
36 バス
4 位置検出部
200 施設
210 通路
211 区間
220 部屋
230 待機場所
Pb 分岐点
Pv 施設の平面図
R 移動経路、最短移動経路
Rs 部分経路
S 被検体
T 移動時間の表示
V 移動速度の表示
X 放射線