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特許7192429センサー装置、詰まり検出装置および詰まり検出方法
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  • 特許-センサー装置、詰まり検出装置および詰まり検出方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】センサー装置、詰まり検出装置および詰まり検出方法
(51)【国際特許分類】
   B22D 11/124 20060101AFI20221213BHJP
   B22D 11/16 20060101ALI20221213BHJP
   G01K 1/02 20210101ALI20221213BHJP
   G01K 1/14 20210101ALI20221213BHJP
   G01M 99/00 20110101ALI20221213BHJP
【FI】
B22D11/124 H
B22D11/16 104P
G01K1/02
G01K1/14 L
G01M99/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018217246
(22)【出願日】2018-11-20
(65)【公開番号】P2020082110
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】塚口 友一
(72)【発明者】
【氏名】岡田 信宏
(72)【発明者】
【氏名】久保 憲司
【審査官】池田 安希子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-170256(JP,A)
【文献】特開2010-172924(JP,A)
【文献】実開平03-083829(JP,U)
【文献】特開2013-035027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 11/00-11/22
G01K 1/00-19/00
G01M 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続鋳造で用いられる冷却スプレーのスプレー配管の側面に設置され、前記冷却スプレーの先端部の詰まりを検出するためのセンサー装置であって、
前記スプレー配管の側面に直接接続され、前記スプレー配管の温度を測定する熱電対と、
前記熱電対の測定結果を受信装置に送信する送信チップとを備え
前記熱電対と前記送信チップとが樹脂に埋め込まれて一体に形成されていることを特徴とするセンサー装置。
【請求項2】
さらに前記スプレー配管を通る冷却水による振動を検出するセンサーをさらに備え、
前記送信チップは、測定結果としてさらに前記検出された振動の振動情報を前記受信装置に送信することを特徴とする請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項3】
連続鋳造で用いられる冷却スプレーのスプレー配管の側面に設置され、前記冷却スプレーの先端部の詰まりを検出するためのセンサー装置であって、
記スプレー配管を通る冷却水による振動を検出するセンサーと、
前記検出された振動の振動情報を測定結果として受信装置に送信する送信チップとを備え
前記振動を検出するセンサーと前記送信チップとが樹脂に埋め込まれて一体に形成されていることを特徴とするセンサー装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のセンサー装置と、
前記センサー装置から前記測定結果を受信する受信装置と、
前記受信された測定結果に基づいて、冷却スプレー毎に先端部の詰まりを検出する情報処理装置とを備えることを特徴とする詰まり検出装置。
【請求項5】
連続鋳造で用いられる冷却スプレーのスプレー配管の側面に設置され、前記スプレー配管の側面に直接接続された熱電対と、送信チップとが樹脂に埋め込まれて一体に形成された、前記冷却スプレーの先端部の詰まりを検出するためのセンサー装置を用いた詰まり検出方法であって、
前記熱電対を用いて前記スプレー配管の温度を測定するステップと、
前記熱電対による測定結果を前記送信チップから送信するステップと、
前記センサー装置から前記測定結果を受信するステップと、
前記受信した測定結果に基づいて、冷却スプレー毎に先端部の詰まりを検出するステップとを有することを特徴とする詰まり検出方法。
【請求項6】
さらに加速度計またはマイクロフォンを用いて前記スプレー配管を通る冷却水による振動を検出するステップを有し、
前記送信するステップにおいては、測定結果としてさらに前記検出された振動の振動情報を送信することを特徴とする請求項5に記載の詰まり検出方法。
【請求項7】
連続鋳造で用いられる冷却スプレーのスプレー配管の側面に設置され、加速度計またはマイクロフォンと、送信チップとが樹脂に埋め込まれて一体に形成されている、前記冷却スプレーの先端部の詰まりを検出するためのセンサー装置を用いた詰まり検出方法であって、
前記加速度計またはマイクロフォンを用いて前記スプレー配管を通る冷却水による振動を検出するステップと、
前記検出された振動の振動情報を測定結果として前記送信チップから送信するステップと、
前記センサー装置から前記測定結果を受信するステップと、
前記受信した測定結果に基づいて、冷却スプレー毎に先端部の詰まりを検出するステップとを有することを特徴とする詰まり検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼の連続鋳造の2次冷却スプレーなど、雰囲気温度が高い劣悪な環境下で使われる冷却スプレーの詰まりを検出するためのセンサー装置、詰まり検出装置および詰まり検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼の連続鋳造において、鋳型内の1次冷却に続く2次冷却は、鋳片の凝固を促進する上で重要な過程であり、連続鋳造の2次冷却では、複数の2次冷却スプレーから冷却水が鋳片に向けて噴射される。このように鋳片は急冷されるため、2次冷却スプレーの先端部は、鋳片からの輻射熱や、鋳造表面から剥離した酸化スケールなどに晒される。さらに、冷却水系に繁殖する藻類が分泌する粘着物など、2次冷却スプレーの先端部を詰まらせる多くの要因が存在する。一方、2次冷却スプレーにおいて詰まりが発生すると、鋳片が十分に冷却されなくなることから、鋳片の凝固遅れや表面割れといった大きな問題を引き起こす可能性がある。
【0003】
そこで、2次冷却スプレーの先端部における詰まりをできるだけ早く検知できるようにすることが重要である。従来、鋼の連続鋳造において2次冷却スプレーの詰まりを検知する方法には、例えば特許文献1に記載の方法のように、スプレー配管内の圧力と流量との関係から詰まりを推測する方法や、特許文献2に記載の方法のように、噴霧したスプレーの音響から詰まりを判断する方法などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-35027号公報
【文献】特開2015-131379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、1つの流量計に対応する流量制御ゾーンに存在する複数の2次冷却スプレーの詰まり状況を推測できるに過ぎず、個々の2次冷却スプレーで詰まりを検知することはできない。また、特許文献2に記載の方法は、鋳片の代わりに計測装置を連鋳機内に通さなければ測定できず、操業中の状況を監視することができないという問題点がある。
【0006】
本発明は前述の問題点を鑑み、操業中における冷却スプレーの詰まり状況を個別に簡単に監視可能なセンサー装置、詰まり検出装置および詰まり検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の通りである。
(1)連続鋳造で用いられる冷却スプレーのスプレー配管の側面に設置され、前記冷却スプレーの先端部の詰まりを検出するためのセンサー装置であって、
前記スプレー配管の側面に直接接続され、前記スプレー配管の温度を測定する熱電対と、
前記熱電対の測定結果を受信装置に送信する送信チップとを備え
前記熱電対と前記送信チップとが樹脂に埋め込まれて一体に形成されていることを特徴とするセンサー装置。
(2)さらに前記スプレー配管を通る冷却水による振動を検出するセンサーをさらに備え、
前記送信チップは、測定結果としてさらに前記検出された振動の振動情報を前記受信装置に送信することを特徴とする上記(1)に記載のセンサー装置。
(3)連続鋳造で用いられる冷却スプレーのスプレー配管の側面に設置され、前記冷却スプレーの先端部の詰まりを検出するためのセンサー装置であって、
記スプレー配管を通る冷却水による振動を検出するセンサーと、
前記検出された振動の振動情報を測定結果として受信装置に送信する送信チップとを備え、前記振動を検出するセンサーと前記送信チップとが樹脂に埋め込まれて一体に形成されていることを特徴とするセンサー装置。
(4)上記(1)~(3)のいずれかに記載のセンサー装置と、
前記センサー装置から前記測定結果を受信する受信装置と、
前記受信された測定結果に基づいて、冷却スプレー毎に先端部の詰まりを検出する情報処理装置とを備えることを特徴とする詰まり検出装置。
(5)連続鋳造で用いられる冷却スプレーのスプレー配管の側面に設置され、前記スプレー配管の側面に直接接続された熱電対と、送信チップとが樹脂に埋め込まれて一体に形成された、前記冷却スプレーの先端部の詰まりを検出するためのセンサー装置を用いた詰まり検出方法であって、
前記熱電対を用いて前記スプレー配管の温度を測定するステップと、
前記熱電対による測定結果を前記送信チップから送信するステップと、
前記センサー装置から前記測定結果を受信するステップと、
前記受信した測定結果に基づいて、冷却スプレー毎に先端部の詰まりを検出するステップとを有することを特徴とする詰まり検出方法。
(6)さらに加速度計またはマイクロフォンを用いて前記スプレー配管を通る冷却水による振動を検出するステップを有し、
前記送信するステップにおいては、測定結果としてさらに前記検出された振動の振動情報を送信することを特徴とする上記(5)に記載の詰まり検出方法。
(7)連続鋳造で用いられる冷却スプレーのスプレー配管の側面に設置され、加速度計またはマイクロフォンと、送信チップとが樹脂に埋め込まれて一体に形成されている、前記冷却スプレーの先端部の詰まりを検出するためのセンサー装置を用いた詰まり検出方法であって、
前記加速度計またはマイクロフォンを用いて前記スプレー配管を通る冷却水による振動を検出するステップと、
前記検出された振動の振動情報を測定結果として前記送信チップから送信するステップと、
前記センサー装置から前記測定結果を受信するステップと、
前記受信した測定結果に基づいて、冷却スプレー毎に先端部の詰まりを検出するステップとを有することを特徴とする詰まり検出方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、個々の冷却スプレーに対して詰まり状況を把握することができるため、素早く対応が可能となり、冷却スプレーの詰まりに起因する品質不良や凝固遅れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る冷却スプレーの詰まり状況を推測するためのセンサーユニットの構成例を示す図である。
図2図1のセンサーユニットを取り付けた冷却スプレーの外観例を示す図である。
図3】測定結果を受信して管理するシステムの概要を説明するための図である。
図4】本発明の実施形態に係る冷却スプレーの詰まり状況を推測するためのセンサーユニットの他の構成例を示す図である。
図5】操業中に冷却スプレーにおける詰まりを検出するシステムの詳細を説明するための図である。
図6】本実施形態に係るPCのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態では、連続鋳造で用いられることを前提とし、熱電対や加速度計、マイクロフォンなど、可動部が露出せず耐久性が高くかつコンパクトなセンサーを含む測定モジュールを備えたセンサーユニットを、冷却スプレー毎にその配管に設置し、全ての冷却スプレーに対して個別に操業中の詰まり状況を推測することができる。また、受信装置は、例えば測定モジュール100個毎に1つの受信モジュールを連鋳機チャンバーの隔壁に設置し、複数の受信モジュールを連鋳機チャンバー外のデータロガーに接続して情報を収集する形態をとる。
【0011】
図1は、本実施形態に係る冷却スプレーの詰まり状況を推測するためのセンサーユニット10の構成例を示す図である。また、図2は、図1のセンサーユニット10を取り付けた冷却スプレー1の外観例を示す図である。
図1に示すように、センサーユニット10には、加速度計11、熱電対12、データ処理チップ13、送信チップ14及びバッテリー15が埋め込まれており、これらは不図示の導線によって接続され、データや電源等のやり取りを行うことができる。また、センサーユニット10を主に樹脂で構成されており、水分の侵入を防止するため、加速度計11、熱電対12、データ処理チップ13、送信チップ14及びバッテリー15が樹脂に埋め込まれている。但し、熱電対12は、図2のスプレー配管21と直接接続されるよう一部が露出した構造となっている。
【0012】
加速度計11は、図2のスプレー配管21の振動情報を取得する。また、加速度計11は可動部分がセンサーユニット10から露出しない構造となっている。加速度計11は操業中において1分毎に1秒間の振動情報を取得し、振動情報がデータ処理チップ13へ送信される。冷却スプレー1の先端部であるスプレーチップ22に詰まりが発生していない場合は、冷却水がスプレー配管21の中を流れることにより、規則的な垂直方向の振動が発生する。しかしながら、詰まりが発生すると、スプレー配管21の中を通る冷却水の流れが悪くなり、スプレー配管21に対して垂直方向の振動が小さくなったり、不規則な振動が発生したりする。このような異なる傾向の振動情報を取得することによって詰まりを検出することができる。なお、本実施形態では加速度計を用いるがマイクロフォンを用いてもよい。
【0013】
熱電対12は、スプレー配管21の表面温度(起電力)を1分毎に1秒間測定し、その温度情報(起電力)がデータ処理チップ13へ送信される。スプレーチップ22に詰まりが発生していない場合は、冷却水がスプレー配管21の中を常時流れることによりスプレー配管21は比較的安定した温度で保たれる。しかしながら、詰まりが発生すると、スプレー配管21の中を通る冷却水の流れが悪くなって水量が減少するため、スプレー配管21の表面温度が上昇する。このような温度上昇を検出することによって詰まりを検出することができる。
【0014】
データ処理チップ13は、加速度計11および熱電対12から得られた情報をデジタル信号に変換し、送信チップ14に送る。例えば熱電対12で測定された起電力に基づいて温度を推定し、その温度を温度情報としてデジタル信号に変換する。また、データ処理チップ13は、冷却スプレー1のIDを示すID情報をデジタル信号に付加する。送信チップ15は、後述する受信モジュールへ、ID情報が付加された温度情報や振動情報などのデータを測定結果として送信する。通信方法としては、例えばBluetooth(登録商標)を用いることができる。バッテリー15は、データ処理チップ13及び送信チップ14へ常時電源を供給する。バッテリー15には、例えば寿命が1年程度の小型のバッテリーを用いることができ、あるいは、スプレー配管21の振動や周囲の温度差をエネルギー源として発電するモジュールを組み合わせてもよい。
【0015】
また、センサーユニット10を取り付ける位置は、詰まりが発生するスプレーチップ22に近ければ近いほど精度よく測定できるが、近いほど鋳片からの輻射熱を受けやすくなる。以上を踏まえ、センサーユニットは、スプレーチップから200mm以上800mm以下の範囲で取り付けることが好ましい。
【0016】
以上のように本実施形態では、耐久性に優れ通信情報量が少なくて済む熱電対を、詰まりを検出するセンサーとして用いるようにしたので、長期間に亘って精度良くかつ簡単に詰まりを検出することができる。また、熱電対に加え、スプレー配管の振動情報を捉える加速度計またはマイクロフォンを補助的に併用することによって、詰まりの検知精度をより高めることができる。また、加速度計及びマイクロフォンは可動部分が露出せず、軸受や摺動パーツが無いので耐久性に優れているため、長期間に亘って測定が可能となっている。なお、加速度計またはマイクロフォンを補助的に併用するとバッテリーの負担が増すため、これらは設けなくてもよい。また、センサーユニットの形状を細長くしないようにするために、加速度計またはマイクロフォンを設けないようにしてもよい。
【0017】
図4は、加速度計またはマイクロフォンを含まないセンサーユニット40の例を示す図である。
図4に示す例の場合、バッテリー15の両側にそれぞれデータ処理チップ13、送信チップ14が埋め込まれている。この例では、加速度計はセンサーユニット40に含まれていない。しかしながら、図1に示した例では、センサーユニット10の大きさは150mm×50mm×30mm程度であったのに対し、図4に示す例では、センサーユニット40の大きさは80mm×65mm×50mmと、より長さを抑えた立方体に近い形状にすることができる。
【0018】
次に、複数の冷却スプレーにおいて詰まりの有無を検出する方法について詳細に説明する。図3は、測定結果を受信して管理するシステムの概要を説明するための図である。図3に示すように、複数の冷却スプレーがスプレーヘッダー23によって接続されており、それぞれのセンサーユニットから温度情報などの測定結果を受信モジュール31から受信する。本実施形態では、Bluetoothによる無線接続により、100個のセンサーユニットに対して1つの受信モジュールから測定結果を受信する。そして、測定結果をデータロガー32に保持し、パーソナルコンピュータ(PC)33で測定結果を監視できるようにしている。
【0019】
図5は、操業中に冷却スプレーにおける詰まりを検出するシステムの詳細を説明するための図である。
図5に示すように、サポートロールの間にそれぞれ複数の冷却スプレー1が設置されており、冷却スプレー1から冷却水が鋳片に向けて噴射される。チャンバー隔壁52には受信モジュール31が設置されており、個々の冷却スプレーに取り付けられたセンサーユニットから測定結果を受信する。受信モジュール31、データロガー32およびPC33はそれぞれ有線によって接続されており、離れた場所の操作室50にデータロガー32及びPC33が設置されている。
【0020】
データロガー32には、1分毎に各冷却スプレーでの測定結果が入力され、一定期間の測定結果が保持される。PC33では、各冷却スプレーでの測定結果を表示することができ、測定結果に異常が生じた場合には、警告表示することができる。
【0021】
図6は、PC33のハードウェア構成例を示すブロック図である。PC33は、CPU101と、RAM102と、記憶装置103と、表示I/F104と、ROM105と、通信I/F107と、入力装置108とを有しており、それぞれメインバス109によって接続されている。CPU101は、ROM105に記憶された制御プログラムを読み出して各種処理を実行する。RAM102は、CPU101の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。記憶装置103は、各種データや各種プログラム等を記憶する。表示I/F104は、各種情報を不図示の表示装置に出力する。入力装置108は、キーボードやマウスを有し、操業者による各種操作を受け付ける。通信I/F106は、データロガー32から測定結果を取得し、一時的にRAM102に格納する。
【0022】
本実施形態では、データロガー32から測定結果を取得すると、CPU101は、その測定結果を表示I/F104から表示装置へ転送するとともに、その測定結果が正常の範囲内であるか否かをチェックする。例えばスプレー配管の表面温度が閾値以下で保たれているか否かをチェックする。そして、スプレー配管の表面温度が閾値を超えた場合は、CPU101は、測定結果とともに付加されたID情報を読み出し、異常が発生した冷却スプレーを特定し、警告情報を付加して表示装置へ転送するようにする。これにより、表示装置において、詰まりの発生と、詰まりが発生した冷却スプレーとを操業者は特定することができる。
【0023】
また、測定結果として振動情報も含む場合には、CPU101は、垂直方向の振動が閾値以上に保たれているか否かもチェックする。そして、表面温度及び振動情報の両方で異常が発生した場合に警告情報を転送するようにしてもよく、少なくとも一方が閾値から外れた場合に警告情報を転送するようにしてもよい。また、表面温度及び振動情報において比重を設けてその評価値で異常か否かを判断するようにしてもよい。
【0024】
以上のように本実施形態によれば、耐久性に優れ通信情報量が少なくて済む熱電対を、詰まりを検出するセンサーとして用いるようにし、冷却スプレー毎に測定できるようにしたので、操業中における冷却スプレーの詰まり状況を個別に簡単に監視することができる。なお、本実施形態では、熱電対での測定結果を必須として冷却スプレーの先端部の詰まりを検出するようにしたが、熱電対での測定結果を用いず、加速度計またはマイクロフォンにより測定した振動の検出結果(測定結果)のみから冷却スプレーの先端部の詰まりを検出するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0025】
10 センサーユニット
11 加速度計
12 熱電対
13 データ処理チップ
14 送信チップ
15 バッテリー
図1
図2
図3
図4
図5
図6