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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】ロータおよびモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/276 20220101AFI20221213BHJP
【FI】
H02K1/276
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018217640
(22)【出願日】2018-11-20
(65)【公開番号】P2020088988
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(72)【発明者】
【氏名】白石 剛士
(72)【発明者】
【氏名】千木良 徹
(72)【発明者】
【氏名】北垣 宏
(72)【発明者】
【氏名】青野 真郷
【審査官】島倉 理
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0069443(US,A1)
【文献】特開2009-131026(JP,A)
【文献】特開2016-163408(JP,A)
【文献】特開2013-258850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を基準として軸方向に伸びるロータであって、
複数のマグネットと、
平面視で径方向に伸びる開口を有し、軸方向に貫通するとともに前記マグネットが内部に配置される複数のマグネット孔と、
を備え、
前記マグネットの磁極面は、周方向のいずれかを向き、
前記ロータコアは、
第1薄板コアと、
第2薄板コアと、
を有し、
前記第1薄板コアは、
環状の第1内板部と、
前記第1内板部の径方向外側に配置され、周方向に並ぶ複数の第1外板部と、
前記第1内板部と前記第1外板部とをつなぐ複数の第1内側連結部と、
前記第1外板部の径方向外側に配置され、隣り合う前記第1外板部同士を周方向につなぐ第1外側連結部と、
を有し、
前記第2薄板コアは、
環状の第2内板部と、
前記第2内板部の径方向外側に配置され、周方向に並ぶ複数の第2外板部と、
前記第2内板部と前記第2外板部とを径方向につなぐ少なくとも1つの第2内側連結部と 、
を有し、
前記第2薄板コアは、軸方向に積層されて、一対の前記第1薄板コアによって軸方向両側から挟まれ、
前記一対の前記第1薄板コアの軸方向一方側には、前記第1薄板コアがさらに積層され、積層された複数の前記第1薄板コアの厚みは、前記マグネットの径方向厚みよりも薄く、
前記第1外側連結部は、前記マグネットと、径方向に対向または接触する、
ロータ。
【請求項2】
請求項1に記載のロータであって、
前記第2内側連結部は、2つであり、
2つの前記第2内側連結部は、中心軸を中心として対称な位置に配置され、
前記第2薄板コアは、それぞれ、周方向に所定の角度だけずれて軸方向積層され、
前記第2内側連結部のそれぞれは、前記第1内側連結部のいずれか1つと、軸方向に重なる、
請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
請求項2に記載のロータであって、
前記角度は、360度を前記第2外板部の数で除した値である、
請求項2に記載のロータ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のロータであって、
前記ロータコアは、
前記ロータコアの軸方向上側の端部を覆う上側樹脂部と、
前記ロータコアの軸方向下側の端部を覆う下側樹脂部と、
前記上側樹脂部および前記下側樹脂部を軸方向につなぐ連結樹脂部と、
を有し、
前記連結樹脂部は、
前記第1内板部および前記第2内板部の外側面を覆う第1連結部と、
前記第1連結部から径方向に延びる第2連結部と、
を有し、
前記第1連結部、前記第2連結部、前記第1外板部、前記第2外板部とは、前記マグネット孔を構成する内壁の少なくとも一部を構成し、
前記第1連結部は、径方向外側に突出し軸方向に伸びる第1樹脂リブを有し、
前記第2連結部は、周方向一方側に突出し軸方向に伸びる第2樹脂リブを有し、
前記第1樹脂リブおよび前記第2樹脂リブは、マグネットを押圧する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項5】
請求項4に記載のロータであって、
前記第1樹脂リブの軸方向の長さは、前記第1連結部の軸方向の長さの1/2から2/3の間であり、
前記第2樹脂リブの軸方向の長さは、前記第2連結部の軸方向の長さの1/2から2/3の間である、
請求項4に記載のロータ。
【請求項6】
前記第1樹脂リブの周方向の幅は、軸方向上側に向かうにつれて小さくなり、
前記第2樹脂リブの径方向の幅は、軸方向上側に向かうにつれて小さくなる、
請求項4または請求項5に記載のロータ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のロータと、
前記ロータと径方向に対向するステータと、
を有するモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータおよびモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スポーク型のロータを備えたモータが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
このようなロータは、例えば、一体形積層ロータであり、一体形薄板コアを有する。この一体形薄板コアは、環状連結部と、複数の薄板コア片部と、を有する。複数の薄板コア片部は、環状連結部の外周側に周方向に配列される。各薄板コア片部は、環状連結部と支持部によって連結される。各薄板コア片部は、多数の薄板コア片の積層構造の所定位置に介在して配置され、薄板コア片と連結される。隣り合う薄板コア片部間には、永久磁石が配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平06―245451公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなロータでは、一体形薄板コアにおいて、複数の薄板コア片部の全てが環状連結部と支持部によって連結される。これにより、或る薄板コア片部から支持部を通って環状連結部に流れた磁束は、上記薄板コア片部の周方向両隣に位置する薄板コア片部に流れる。すなわち、磁束の短絡が発生し、磁気的特性が低下する問題があった。
【0006】
上記状況に鑑み、本発明は、磁気的特性を向上させることができるロータおよびモータを提供することを目的とする。
【0007】
本発明の例示的な一実施形態のロータは、中心軸を基準として軸方向に伸びるロータであって、複数のマグネットと、軸方向に貫通し、前記マグネットが内部に配置される複数のマグネット孔と、を備え、前記ロータコアは、第1薄板コアと、第2薄板コアと、を有し、前記第1薄板コアは、環状の第1内板部と、前記内板部の径方向外側に配置され、周方向に並ぶ複数の第1外板部と、前記内板部と前記外板部とをつなぐ複数の第1内側連結部と、前記外板部の径方向外側に配置され、隣り合う前記外板部同士を周方向につなぐ第1外側連結部と、を有し、前記第2薄板コアは、環状の第2内板部と、前記内板部の径方向外側に配置され、周方向に並ぶ複数の第2外板部と、前記内板部と前記外板部とを径方向につなぐ少なくとも1つの第2内側連結部と、を有し、前記第2薄板コアは、軸方向に積層されて、一対の前記第1薄板コアによって軸方向両側から挟まれ、前記一対の前記第1薄板コアの一方には、前記第1薄板コアが軸方向にさらに積層され、前記第1外側連結部は、前記マグネットと、径方向に対向または接触する。
【発明の効果】
【0008】
例示的な本発明のロータおよびモータによれば、磁気特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態のモータの断面図である。
図2図2は、本実施形態のロータを上部から見たときの斜視図である。
図3図3は、本実施形態のロータを下部から見たときの斜視図である。
図4図4は、本実施形態のロータコアの断面図である。
図5図5は、本実施形態の第1薄板コアの平面図である。
図6図6は、本実施形態の第2薄板コアの平面図である。
図7図7は、本実施形態のロータの平面図である。
図8図8は、本実施形態のロータの背面図である。
図9図9は、本実施形態のロータの上面における部分拡大図である。
図10図10は、本実施形態のロータの部分断面図である。
図11図11は、第2薄板コアの変形例を示す平面図である。
図12図12は、第2薄板コアの変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
各図に適宜示すZ軸方向は、正の側を上側とし、負の側を下側とする上下方向である。
各図に適宜示す中心軸Jは、Z軸方向と平行であり、上下方向に延びる仮想線である。以
下の説明においては、中心軸Jの軸方向、すなわち上下方向と平行な方向を単に「軸方向
」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする
周方向を単に「周方向」と呼ぶ。本実施形態において、上側は、軸方向一方側に相当し、
下側は、軸方向他方側に相当する。なお、上下方向、上側および下側とは、単に各部の相
対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される
配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
【0011】
本発明の例示的な一実施形態に係るモータの概略構成について説明する。図1は、モータAの断面図である。
【0012】
図1に示すモータAは、ロータ1と、ステータ2と、ハウジング3と、第1軸受41と、第2軸受42と、を有する。また、モータAは、ロータ1の回転位置を検出するセンサユニット5を有する。
【0013】
ハウジング3は、軸方向に延びる筒状であり、ロータ1とステータ2を内部に収容する。ステータ2は、ハウジング3の内周面に固定される。ステータ2は、ハウジング3の内方に固定されることで、ハウジング3と中心軸(中心軸C1)が一致する。
【0014】
ステータ2は、ロータ1の径方向外側を囲む。ステータ2は、上面視で略円環状であり、当該略円環状の中心を軸方向に通る軸であるステータ2の中心軸は、中心軸C1と一致する。ステータ2は、ステータコア21と、コイル22と、インシュレータ23と、を有する。ステータ2は、ロータ1と対向し、複数個のコイル22を含む。
【0015】
コイル22は、ステータコア21の外面を被覆したインシュレータ23の外周に導線を巻きつけることで形成される。コイル22には、導線の端部が引き出されており、導線の端部は、ステータ2の軸方向一方側の端部から軸方向一方側に延びる。導線を介してコイル22に電力を供給することで、ステータコア21は励磁される。例えば、モータAのコイル22は、3相(U、V、W)に分かれる。そして、各相には、位相をずらした正弦波形の電流が供給される。そのため、導線は、3相のそれぞれに電流が供給できる数を備える。本実施形態では、3相の組が2組ある。
【0016】
ロータ1は、シャフト11と、ロータコア12と、不図示のマグネットと、を有する。シャフト11は、中心軸C1に沿って延びる円柱状である。シャフト11は、1軸受41および第2軸受42を介して、ハウジング3に回転可能に支持される。これにより、ロータ1は、中心軸C1を中心として、ステータ2に対して回転可能である。また、本実施形態において、マグネットの数は14個である。すなわち、ロータ1の磁極の数は、14である。なお、マグネットの数および磁極の数は、上述の数に限定されない。
【0017】
ロータコア12は、シャフト11の径方向外側に位置し、シャフト11に直接的に固定される。具体的には、シャフト11は、ロータコア12に圧入によって固定される。なお、圧入に限らず、例えば接着剤による接着によって固定することも可能である。図4を参照して、ロータコア12は、軸方向に貫通する複数のマグネット孔126を有する。軸方向から見たときに、マグネット孔126の開口部の外形は、径方向に伸びる略矩形である。マグネット孔126は、周方向に間隔をあけて配置される。マグネット孔126には、マグネットがそれぞれ配置される。本実施形態のモータAは、いわゆるスポーク型のロータを有する。すなわち、平面視において、マグネット孔126は、径方向に伸びる。軸方向から見たときに、各マグネットは、径方向外側を長手方向として伸びる。各マグネットの磁極面(N極、S極)は、周方向を向く。
【0018】
第1軸受41および第2軸受42は、ここではボールベアリングで構成される。第1軸受41および第2軸受42は、上下それぞれに配置され、シャフト11を回転可能に支持する。なお、軸受は、例えばスリーブ軸受により構成してもよい。
【0019】
センサユニット5は、センサヨーク51と、センサマグネット52と、センサカバー53と、回転センサ54と、を有する。センサヨーク51は、略円筒状の部材である。センサヨーク51は、磁性材料からなる。センサヨーク51は、筒状の内壁部511と、筒状の外壁部512と、天板部513と、を有する。本実施形態において、内壁部511と外壁部512は、円筒状である。センサヨーク51は、内壁部511の内側面がシャフト11の外周面に固定される。これにより、センサヨーク51は、シャフト11に固定される。
【0020】
外壁部512は、内壁部511の径方向外側に位置し、内壁部511を周方向に囲む。すなわち、センサヨーク51は、二重円筒形状である。天板部513は、内壁部511の上端部と外壁部512の上端部とを接続する円環状である。
【0021】
センサマグネット52は、円環状である。センサマグネット52は、センサヨーク51に保持される。例えば、センサマグネット52は、径方向外側から外壁部512に嵌め合される。これにより、センサマグネット52は、センサヨーク51を介して間接的にシャフト11に固定される。なお、センサマグネット52は、シャフト11に直接的に固定されてもよい。
【0022】
回転センサ54は、センサマグネット52と隙間を介して径方向に対向する。回転センサ54は、例えば、ホールICであり、複数設けられる。回転センサ54は、センサマグネット52の磁束の変化を検出する。検出された磁束の変化に基づき、ロータ1の回転位置がモータAを制御する制御装置等(図示省略)において算出される。なお、回転センサ54は、センサマグネット52と隙間を介して軸方向に対向してもよい。なお、本実施形態では、ホールICを用いたセンサを利用するが、これに限定されない。例えば、レゾルバ等、ロータ1の回転を検出可能なセンサを広く採用することができる。
【0023】
図2は、本実施形態のロータ1を上部から見たときの斜視図である。図3は、本実施形態のロータ1を下部から見たときの斜視図である。図4は、本実施形態のロータコア12の断面図である。図5は、本実施形態の第1薄板コア61の平面図である。図6は、本実施形態の第2薄板コア71の平面図である。図2~4に示すように、ロータコア12は、複数の第1薄板コア61と、複数の第2薄板コア71と、を有する。第1薄板コア61は、軸方向に積層された第2薄板コア71の軸方向上側および下側に、それぞれ配置される。言い換えると、複数の第2薄板コア71は、第1薄板コア61によって軸方向に挟まれる。ロータコア12の軸方向下側の下部では、複数枚の第1薄板コア61が積層される。
【0024】
図5に示すように、第1薄板コア61は、第1内板部62と、複数の第1外板部63と、第1内側連結部65と、を有する。
【0025】
第1内板部62は、略環状の部位である。第1内板部62は、中央に、軸方向に貫通する第1シャフト孔121を有する。シャフト11は、第1シャフト孔122に通され、第1内板部62と直接または間接的に固定される。
【0026】
軸方向から見たときに、第1外板部63は、略扇型である。各第1外板部63は、第1内板部62の径方向外側に配置される。各第1外板部63は、周方向に間隔をあけて配置される。第1外板部63は、径方向外側に向かうにつれて周方向の幅が大きくなる。本実施形態における第1外板部63の数は、マグネットの数と同じである。すなわち、第1外板部63の数は、14である。
【0027】
第1内側連結部65は、第1内板部62と第1外板部63とをつなぐ。第1内側連結部65は、第1内板部62の径方向外側の端部から第1外板部63の径方向内側の端部まで伸びる。各第1外板部63の径方向内側の端部は、第1内側連結部65に接続される。第1内側連結部65の周方向の幅は、略一定である。第1内側連結部65の周方向の幅は、第1外板部63の周方向の幅よりも、小さい。本実施形態では、第1内側連結部65の数は、第1外板部63の数と同じである。すなわち、各第1外板部63は、第1内側連結部65を介して、第1内板部62につながる。
【0028】
第1外側連結部66は、環状の部位である。第1外側連結部66は、第1外板部63の径方向外側に位置する。第1外側連結部66は、各第1外板部63の径方向外側の端部を周方向につなぐ。すなわち、各第1外板部63の径方向外側の端部は、第1外側連結部66に接続される。第1外側連結部66は、第1外板部63と一体である。第1外板部63は、径方向外側の端部に、径方向内側へ向かって凹む第1外板凹部67を有する。
【0029】
第1内板部62は、複数の第1突起部64を有する。第1突起部64は、第1内板部62の径方向外側の端部から径方向外側に向かって延びる。第1突起部64は、周方向に間隔をあけて配置される。周方向において、各第1突起部64は、隣り合う第1外板部63の間に位置する。各第1突起部64は、周方向に隣り合う第1内側連結部65の間に位置する。すなわち、第1突起部64と第1内側連結部65とは、周方向において交互に配置される。第1突起部64の径方向外側の端部における周方向の幅は、径方向外側に向かうにつれて、徐々に小さくなる。
【0030】
第1突起部64と第1内側連結部65との周方向の間には、それぞれ、第1内側空隙124が構成される。第1突起部64の径方向外側の端部とマグネットの径方向内側の端部との間には、第2内側空隙125が構成される。
【0031】
図6を参照して、第2薄板コア71は、第2内板部72と、第2外板部73と、第2内側連結部75と、を有する。第2内板部72は、略環状の部位である。第2内板部72は、中央に、軸方向に貫通する第2シャフト孔123を有する。シャフト11は、第2シャフト孔123に通され、第2内板部72と、直接または間接的に固定される。第1薄板コア61と第2薄板コア71が積層される際、第2シャフト孔123は、第1シャフト孔122と、軸方向に重なる。第1シャフト孔122と第2シャフト孔123とは、シャフトが通される1つの貫通孔(すなわち、シャフト孔121)を構成する。
【0032】
第2外板部73は、内板部の径方向外側に配置され、周方向に間隔をあけて配置される。第2外板部73は、径方向外側に向かうにつれて周方向の幅が大きくなる。第2外板部73は、径方向外側の端部において、径方向内側に向かって凹む第2外板凹部77を有する。
【0033】
本実施形態において、第2外板部73の数は、マグネットの数と同じである。すなわち、第2外板部73の数は、14である。第2薄板コア71の第2外板部73の数は、第1薄板コア61の第1外板部63の数と、同じである。第1積層コアと第2積層コアとが積層される際、第2外板部73は、第1外板部63と軸方向に重なる。
【0034】
本実施形態において、第2薄板コア71は、2つの第2内側連結部75を有する。2つの第2内側連結部75は、中心軸を基準として対称となる位置にそれぞれ配置される。言い換えると、2つの第2内側連結部75は、中心軸を基準として、周方向に180度ずれた位置にそれぞれ配置される。第2内側連結部75は、第2内板部72から径方向外側に向かって伸び、第2外板部73の径方向内側の端部に接続される。本実施形態では、2つの第2外板部73のみが、第2内側連結部75を介して、第2内板部72に連結される。
【0035】
第2内板部72は、複数の第2突起部74を有する。第2突起部74は、第2内板部72の径方向外側の端部から径方向外側に向かって延びる。第2突起部74は、周方向に間隔をあけて配置される。周方向において、各第2突起部74は、隣り合う第2外板部73の間に位置する。言い換えると、周方向において、隣り合う第2突起部74の間には、少なくとも1つの第2外板部73が位置する。第2内側連結部75は、周方向に隣り合う第2突起部74の間に位置する。
【0036】
上述のように、複数の第2薄板コア71は、軸方向に積層される。ここで、各第2薄板コア71は、中心軸を中心として、周方向に所定角度ずつ回転させられて、軸方向に積層される。本実施形態では、各第2薄板コア71を、360度を第2外板部73の数またはマグネットの数で割った値の角度ずつ回転させて、軸方向に積層する。上述のように、外板部の数およびマグネットの数は14である。そのため、360度を14で割った値の角度ずつ、各第2薄板コア71は回転させられて、積層される。
【0037】
本実施形態では、複数の第2薄板コア71が1組として、軸方向に複数配置される。積層される複数の第2薄板コア71の枚数は、例えば、第2外板部73の数と同じにすることができる。また、積層された複数の第2薄板コア71の1組を、軸方向に複数積み上げて、1つのロータコア12を構成することができる。本実施形態におけるロータコア12は、14枚の第2薄板コア71の1組と、6枚の第2薄板コア71の1組と、を有する。この場合、各第2薄板コア71の第2内側連結部75は、軸方向の位置が異なり、かつ、周方向にも360度を第2外板部73の数またはマグネットの数で割った値の角度ずつ、ずれていく。言い換えると、軸方向に隣り合う第2薄板コア71の第2内側連結部75は、軸方向に位置が異なり、かつ、周方向にも360度を第2外板部73の数またはマグネットの数で割った値の角度だけ、ずれている。本実施形態において、1組の第2薄板コア71の各第2内側連結部75同士は、軸方向に重ならない。軸方向から見たときに、各第2内側連結部75は、第1内側連結部65と軸方向に重なる。
【0038】
2つの第2内側連結部75の周方向両側の空間には、後述するように樹脂81が充填される。第2内側連結部75によって接続されていない第2内板部72と第2外板部73との間の空間には、後述するように樹脂81が充填される。
【0039】
第1薄板コア61は、上述の1組の第2薄板コア71の軸方向上側および下側に、それぞれ配置される。本実施形態では、1組の第2薄板コア71の軸方向上側および下側において、第1薄板コア61が1枚ずつ配置される。
【0040】
さらに、ロータコア12における最も軸方向下側に位置する電磁鋼板は、第1薄板コア61である。すなわち、ロータコア12の軸方向下側においては、複数の第2薄板コア71の軸方向下側に、複数の第1薄板コア61が配置される。本実施形態では、ロータコア12の最下段に、複数の第1薄板コア61が位置して積層される。
【0041】
第1薄板コア61の第1内板部62は、第2薄板コア71の第2内板部72と、軸方向に重なる。第1薄板コア61の第1突起部64は、第2薄板コア71の第2突起部74と、軸方向に重なる。ロータコア12の軸方向下側においては、軸方向に隣り合う第1薄板コア61の第1内板部62同士は、軸方向に重なる。軸方向に隣り合う第1薄板コア61の第1突起部64同士は、軸方向に重なる。軸方向に隣り合う第2薄板コア71の第2内板部72同士は、軸方向に重なる。軸方向に隣り合う第2薄板コア71の第2突起部74同士は、軸方向に重なる。
【0042】
周方向において、第1薄板コア61の第1外板部63の位置は、第2薄板コア71の第2外板部73の位置と、同じである。すなわち、各第1薄板コア61の第1外板部63は、各第2薄板コア71の第2外板部73と、軸方向に重なる。ロータコア12の軸方向下側において、軸方向に隣り合う第1薄板コア61同士の第1外板部63は、軸方向に重なる。軸方向に隣り合う第2薄板コア71の第2外板部73同士は、軸方向に重なる。
【0043】
各第2薄板コア71の第2内側連結部75のそれぞれは、周方向の位置を同じくする第1薄板コア61の第1内側連結部65と、軸方向に重なる。1組の第2薄板コア71のうち、軸方向の上下端に位置する第2薄板コア71を除き、第2内側連結部75は、第1内側連結部65と、軸方向に間隙を介して対向する。1組の第2薄板コア71のうち、軸方向の上下端に位置する第2薄板コア71の第2内側連結部75は、軸方向にそれぞれ隣り合う第1薄板コア61の第1内側連結部65と、軸方向に重なる。
【0044】
軸方向から見たときに、第1内側連結部65および第2内側連結部75の周方向両側には、ロータコア12を軸方向に貫通する貫通孔である第1内側空隙124がそれぞれ構成される。後述のように、第1内側空隙124の内部には、樹脂81が充填される。
【0045】
軸方向から見たときに、マグネットと第1突起部64との径方向外側の端部との径方向の間、および、マグネットと第2突起部74との径方向外側の端部との径方向の間には、第2内側空隙125が構成される。第2内側空隙125は、ロータコア12を軸方向に貫通する貫通孔である。後述のように、第2内側空隙125の内部には、樹脂81が充填される。
【0046】
第1薄板コア61と第2薄板コア71とは、例えば、カシメにより固定される。第1薄板コア61の第1内板部62と第2薄板コア71の第2内板部72とにおいて、カシメが行われる。同様に、第1薄板コア61の第1外板部63と第2薄板コア71の第2外板部73とにおいても、カシメがおこわなれる。第1内板部62と第2内板部72とにおいて、カシメは、周方向に間隔をあけて数箇所行われてもよく、環状にカシメが行われてもよい。また、第1外板部63および第2外板部73において、カシメは、すべての外板部において行われてもよく、周方向に並ぶ外板部のいくつかにのみ行われてもよい。なお、第1薄板コア61と第2薄板コア71とは、接着やレーザー溶接などにより、固定されてもよい。
【0047】
同様に、軸方向に隣り合う第2薄板コア71同士においても、例えば、カシメにより固定される。第2薄板コア71同士においても、軸方向に重なる第2内板部72同士、および、軸方向に重なる第2外板部73同士が、カシメにより固定される。第2内板部72において、カシメは、周方向に間隔をあけて数箇所行われてもよく、環状にカシメが行われてもよい。また、第2外板部73において、カシメは、すべての第2外板部73において行われてもよく、周方向に並ぶ第2外板部73のいくつかにのみ行われてもよい。なお、第2薄板コア71同士は、接着やレーザー溶接などにより、固定されてもよい。
【0048】
周方向において、第1薄板コア61の各第1マグネット孔の位置は、第2薄板コア71の各第2マグネット孔の位置と、同じである。そのため、第1薄板コア61の第1マグネット孔と第2薄板コア71の第2マグネット孔とが組み合わさることにより、内側面が軸方向に延びるマグネット孔126が構成される。ロータコア12の各マグネット孔126には、それぞれ、マグネットが収容される。
【0049】
上述のように、第1薄板コア61の第1外板部63は、周方向に間隔をあけて配置される。第2薄板コア71の第2外板部73は、周方向に間隔をあけて配置される。そのため、ロータコア12は、外側面に、マグネット孔126と連通して径方向外側に開口する外側開口部127を有する。外側開口部は、複数の第2薄板コア71を軸方向に挟んで配置される第1薄板コア61の第1外側連結部66によって、軸方向において複数個に区切られる。マグネットがマグネット孔126に挿入される際、第1外側連結部66は、マグネットと径方向に対向または接触する。これにより、外部からの衝撃などにより、マグネットが径方向外側に向かって移動することを抑制することができる。
【0050】
上述のように、ロータコア12の軸方向下側には、複数の第1薄板コア61が積層されて配置される。マグネットの軸方向下側の部位は、複数の第1外側連結部66と、径方向に対向または接触する。これにより、外部からの衝撃などにより、マグネットが径方向外側に向かって移動することを抑制することができる。また、後述するように、ロータコア12の軸方向下側は樹脂81によって覆われる。上記構造により、金型内にロータコア12を配置して溶融した樹脂を流し込んで固化させる際に、ロータコア12の外周面に金型を密着させやすくなる。その結果、ロータコア12の外周面と金型との間に樹脂が入り込まず、ロータコア12の表面に余分な樹脂を付くことが抑制される。また、マグネットの軸方向下側の部位における複数の第1外側連結部66を、樹脂切りのための支持部として用いることができる。これにより、ロータ1が剛性の弱い薄い樹脂部を有さず、ロータ1全体の剛性を上げることができる。
【0051】
また、上述のように、複数の第2薄板コア71を所定の角度だけ周方向に回転させながら軸方向に積層するため、積層した際の各薄板コアの公差による寸法誤差を小さくすることができる。その結果、ロータコア12の寸法精度を高くすることができる。
【0052】
また、マグネットの少なくとも一部は、マグネット孔126の軸方向上側の開口部、マグネット孔126の軸方向下側の開口部、および、外側開口部の少なくともいずれか1つから、露出する。本実施形態において、マグネットは、外側開口部から露出する。そのため、マグネットが直接、ステータと径方向に対向する。その結果、ロータ1とステータとの間の磁束が流れやすくなり、樹脂がマグネットを覆う場合と比較して、トルクを増加させることができる。
【0053】
図7は、本実施形態のロータ1の平面図である。図8は、本実施形態のロータ1の背面図である。図9は、本実施形態のロータ1の上面における部分拡大図である。図9は、図7において丸で囲った部位を拡大して示している。図10は、本実施形態のロータ1の部分断面図である。樹脂81は、ロータコア12の少なくとも一部を覆う。樹脂81は、上側樹脂82と、下側樹脂87と、連結樹脂91と、を有する。
【0054】
下側樹脂87は、ロータコア12の軸方向下側の端面を覆う。下側樹脂87は、軸方向に貫通する第1下孔871と、軸方向に貫通する複数の第2下孔872と、を有する。第1下孔871には、シャフトが通される。複数の第2下孔872は、第1下孔871の径方向外側において、周方向に間隔をあけて配置される。
【0055】
上側樹脂部82は、ロータコア12の軸方向上側の端面を覆う。上側樹脂部82は、上側環状部83と、外側樹脂部86と、を有する。上側樹脂は、もっとも軸方向上側に位置する第1薄板コア61における第1内板部62の上面および第1突起部64の上面と、を覆う。すなわち、上側環状部83は、もっとも軸方向上側に位置する第1薄板コア61の内板部と、軸方向に重なる。
【0056】
外側樹脂部86は、上側樹脂部82の径方向外側の端部から径方向外側に向かって伸びる。外側樹脂部86は、もっとも軸方向上側に位置する第1薄板コア61の第1内側連結部65の上面および第1外板部63の上面の少なくとも一部を覆う。外側樹脂部86における第1外板部63を覆う部位の周方向の幅は、第1外板部63の周方向の幅と略同じである。すなわち、外側樹脂部86の第1外板部63を覆う部位の周方向の幅は、軸方向外側に向かうにつれて徐々に大きくなる。本実施形態では、外側樹脂部86は、第1外板部63のすべてではなく、一部を覆っている。すなわち、もっとも軸方向上側に位置する第1薄板コア61は、樹脂81から露出している部位と、外側樹脂部86によって覆われている部位と、を有する。
【0057】
連結樹脂部91は、上側樹脂部82と下側樹脂部87とを軸方向につなぐ。上述のように、マグネットの径方向内側の端部と第1突起部64との径方向の間およびマグネットの径方向内側の端部と第2突起部74との径方向の間には、それぞれ第2内側空隙125が位置する。第2内側空隙125は、第1内側空隙124と、連通する。連結樹脂部91は、第1内側空隙124と第2内側空隙125の内部に配置される。言い換えると、連結樹脂部91は、第1突起部64および第2突起部74の周方向両側の側面を、それぞれ覆う。これにより、第1内側連結部65および第2内側連結部75が樹脂81にて覆われ、ロータコア12の剛性を増加させることができる。
【0058】
連結樹脂部91は、第1連結部92と、第2連結部93と、を有する。
【0059】
第1連結部92は、第1突起部64、第2突起部74、および第1突起部64と第2突起部74の周方向両側の側面を覆う。言い換えると、第1連結部92は、第1内板部62および第2内板部72の外側面を覆う。第1連結部92は、上側樹脂部82から下側樹脂部87まで伸びる。第1連結部92は、第1空隙内に充填される樹脂81の周方向の他方側の側面の一部である。
【0060】
第2連結部93は、ロータコア12の軸方向上側の端部から軸方向下側の端部まで伸びる。第2連結部93は、第1連結部92の周方向一方側の端部から径方向外側に伸びる。第1連結部92と周方向に隣り合う。周方向に隣り合う第1外板部63と、周方向に隣り合う第2外板部73と、第1連結部92と、第2連結部93とは、マグネット孔126を構成する内側面の一部を構成する。
【0061】
図10は、本実施形態のロータ1の部分断面図である。図10では、紙面の手前側が径方向外側であり、紙面の奥側が径方向内側である。図10に示すように、第1連結部92は、径方向外側に向かって突出する第1樹脂リブ94を有する。第1樹脂リブ94は、第1連結部92の下端部から軸方向上側に向かって伸びる。第1樹脂リブ94の軸方向の長さは、例えば、第1連結部92の軸方向の寸法の1/2~2/3である。これにより、第1樹脂リブ94の長さを第1連結部92の長さと同じにした場合と比較して、使用する樹脂の量を減らして製造コストを下げることができる。第1樹脂リブ94の周方向の幅は、軸方向上側から下側に向かうにつれて徐々に小さくなる。これにより、樹脂を用いた射出成形によって第1樹脂リブ94を形成する際に、金型を容易に取り外すことができる。
【0062】
第2連結部93は、周方向他方側に向かって突出する第2樹脂リブ95を有する。第2樹脂リブ95は、第2連結部93の下端部から軸方向上側に向かって伸びる。第2樹脂リブ95の長さは、例えば、第2連結部93の軸方向の寸法の1/2~2/3である。これにより、第2樹脂リブ95の長さを第2連結部93の長さと同じにした場合と比較して、使用する樹脂の量を減らして製造コストを下げることができる。本実施形態において、第2樹脂リブ95の長さは、第1樹脂リブ94の長さと略同じである。第2樹脂リブ95の径方向の幅は、軸方向上側から下側に向かうにつれて徐々に小さくなる。これにより、樹脂を用いた射出成形によって第2樹脂リブ95を形成する際に、金型を容易に取り外すことができる。
【0063】
第2樹脂リブ95は、第1樹脂リブ94と、周方向に隣り合う。マグネットがマグネット孔126に挿入される際に、第1樹脂リブ94はマグネットを径方向外側に向かって押圧し、第2樹脂リブ95はマグネットを周方向他方側に向かって押圧する。これにより、第1樹脂リブ94および第2樹脂リブ95が弾性変形し、マグネットがマグネット孔126の対角の方向に押圧される。その結果、マグネットがマグネット孔126の内部において移動することを抑制することができ、マグネットがマグネット孔126の内側面に当たることによって発生する騒音を抑制することができる。
【0064】
上述のように、第1樹脂リブ94の長さおよび第2樹脂リブ95の長さは、例えば、第2連結部93の軸方向の寸法の1/2~2/3である。すなわち、本実施形態では、第1樹脂リブ94および第2樹脂リブ95の軸方向上側の端部は、第1連結部92および第2連結部93の軸方向上側の端部にまで達していない。さらに、本実施形態では、上述のように、第1樹脂リブ94の径方向の幅および第2樹脂リブ95の周方向の幅は、軸方向において一定でない。そのため、マグネットをマグネット孔126に挿入する際に、第1樹脂リブ94および第2樹脂リブ95がガイドとなって、マグネットを滑らかにマグネット孔126の内部に挿入することができる。
【0065】
外側樹脂部86は、外側平面部861と、外側接続部862と、を有する。外側平面部861は、外側樹脂部86の周方向両側に位置する。外側平面部861は、上側樹脂部82の外側面から径方向外側へ向かって伸びる。
【0066】
外側接続部862は、外側樹脂部86の周方向両側にそれぞれ位置する。外側接続部862は、外側平面部861と外側樹脂部86の上面とをつなぐ。本実施形態において、外側接続部862は傾斜面である。しかしながら、外側接続部862は湾曲面であってもよい。
【0067】
上側樹脂部82は、さらに、上側平面部84および上側接続部85を有する。上側平面部84は、上側樹脂部82の径方向外側の端部に位置する。より詳細には、上側平面部84は、上側環状部83の径方向外側の端部に位置する。周方向において、上側平面部84は、隣り合う外側樹脂部86の間に位置する。上側平面部84は、外側平面部861とつながる。上側平面部84は、外側平面部861と、同一平面状にある。すなわち、軸方向から見たときに、上側平面部84と一対の外側平面部861とは、略U字である。
【0068】
上側接続部85は、上側樹脂部82の上面と上側平面部84とをつなぐ。本実施形態において、上側接続部85は傾斜面である。しかしながら、上側接続部85は湾曲面であってもよい。
【0069】
なお、上述の実施形態では、第2薄板コア71は、2つの第2内側連結部75を有する。しかしながら、第2薄板コアは、第2内側連結部75を1つのみを有してもよく、第2内側連結部75を有していなくてもよい。この場合でも、当該第2薄板コアを軸方向に積層して、第1積層鋼板にて軸方向の上下端を挟み込むのが望ましい。
【0070】
図11は、第2薄板コアの変形例を示す平面図である。図11に示すように、第2薄板コア71Aが第2内側連結部75を1つのみを有する場合であっても、上述のように、当該第2薄板コア71Aを周方向に所定の角度で回転させて積層するのが望ましい。所定の角度は、例えば、360度を第2外板部73の数またはマグネットの数で除した値である。また、積層された第2薄板コア71は、第1数板コア71Aによって軸方向の両側から挟まれるのが望ましい。同一平面状にある(すなわち、1枚の)第2薄板コア71において、第2外板部73と第2内側連結部75がない第2内板部72とは、樹脂のみによって接続される。
【0071】
図12は、第2薄板コアの変形例を示す平面図である。図12に示すように、第2薄板コア71Bが第2内側連結部75を有しない場合であっても、上述のように、第2薄板コア71Bを周方向に所定の角度で回転させて積層するのが望ましい。これにより、各第2薄板コア71における寸法のばらつきを小さくすることができる。また、積層された第2薄板コア71Bは、第1数板コアによって軸方向の両側から挟まれるのが望ましい。同一平面状にある(すなわち、1枚の)第2薄板コア71Bにおいて、第2外板部73と第2内板部72とは、樹脂のみによって接続される。
【0072】
上述の実施形態では、第2薄板コア71が周方向に所定の角度だけずれて積層されている。しかしながら、必ずしも、各第2薄板コア71は周方向にずれていなくてもよく、所定の角度がゼロとして軸方向に積層されてもよい。
【0073】
1組の第2薄板コア71の各第2内側連結部75のうち、少なくとも2つ以上は、軸方向に重なってもよい。またマグネット孔126が構成され、第1連結部92と第2連結部93が構成されるのであれば、軸方向に隣り合う第1薄板コア61と第2薄板コア71とにおいて、第1突起部64は第2突起部74に対して周方向にずれ、第1外板部63が第2外板部73に対して周方向にずれていてもよい。
【0074】
上述した実施形態のモータの用途は、特に限定されない。また、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0075】
A モータ
1 ロータ
2 ステータ
3 ハウジング
41 第1軸受
42 第2軸受
5 センサユニット
C1 中心軸
11 シャフト
12 ロータコア
121 シャフト孔
122 第1シャフト孔
123 第2シャフト孔
124 第1内側空隙
125 第2内側空隙
126 マグネット孔
127 外側開口22 コイル
23 インシュレータ
51 センサヨーク
52 センサマグネット
511 内壁部511
512 外壁部512
513 天板部513
54 回転センサ
61 第1薄板コア
62 第1内板部
63 第1外板部
64 第1突起部
65 第1内側連結部
66 第1外側連結部
67 第1外板凹部
71、71A、71B 第2薄板コア
72 第2内板部
73 第2外板部
74 第2突起部
75 第2内側連結部
77 第2外板凹部
81 樹脂
82 上側樹脂
83 上側環状部
84 上側平面部
85 上側接続部
86 外側樹脂部
861 外側平面部
862 外側接続部
87 下側樹脂
871 第1下孔
872 第2下孔
91 連結樹脂
92 第1連結部
93 第2連結部
94 第1樹脂リブ
95 第2樹脂リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12