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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】センサーユニットおよびシンバル
(51)【国際特許分類】
   G10H 3/14 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
G10H3/14 A
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2018228470
(22)【出願日】2018-12-05
(65)【公開番号】P2019105837
(43)【公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】15/842,785
(32)【優先日】2017-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100206391
【弁理士】
【氏名又は名称】柏野 由布子
(72)【発明者】
【氏名】田那邉 恵美
【審査官】岩田 淳
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2002/021504(WO,A1)
【文献】特開2017-026931(JP,A)
【文献】特開2005-331970(JP,A)
【文献】特開2010-134341(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10H 1/00- 7/12
G10D 13/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物と共にスタンドに取り付けられた時に、前記対象物の下面と接触することができる接触部を有するセンサーボードと、
前記対象物が打撃された際に前記対象物の振動を検出することができ、検出結果を送信するケーブルと接続し、そして前記センサーボードに固着されたセンサーと、
前記センサーボードに固着され、貫通口を有する軸受けと、
前記スタンドに取り外し可能に取り付けられ、そして、前記軸受けの貫通口に挿入される上方に伸びる軸を有する土台と、を備え、
前記貫通口の外周形状は前記土台の軸の外周形状にほぼ同一に形成される、
ことを特徴とするセンサーユニット。
【請求項2】
平面図で見ると、
前記土台の軸は多角形をしており、また、前記軸受けの貫通口は多角形をしている、ことを特徴とする請求項1に記載のセンサーユニット。
【請求項3】
前記土台の軸は、(i)六角形,(ii)五角形、あるいは、(iii)四角形をしており、そして、前記軸受けの貫通口は、それぞれ、(i)六角形,(ii)五角形、あるいは、(iii)四角形をしている、ことを特徴とする請求項2に記載のセンサーユニット。
【請求項4】
前記土台の軸の外周形状は凸部あるいは凹部を有し、
前記貫通口の外周形状は、(i)前記土台の軸が前記軸受けの貫通口に挿入されたときに、前記土台の軸の凸部を受け入れる凹部、あるいは、(ii)前記土台の軸が前記軸受けの貫通口に挿入されたときに、前記軸の凹部に挿入される凸部を有している、ことを特徴とする請求項1に記載のセンサーユニット。
【請求項5】
前記センサーボードは、上方に突出し、そして、平面図で見ると円環状の突出部を有し、
前記センサーボードと前記対象物が前記スタンドに取り付けられた際、前記円環状突出部の上面は前記接触部として前記対象物の下面に接触する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のセンサーユニット。
【請求項6】
前記センサーボードは、(i)円盤部、(ii)平板部、および、(iii)前記円盤部と前記平板部を結ぶ連結部から構成され、
前記センサーは前記平板部に固着され、
前記円環状突出部は前記円盤部に設けられ、そして、
前記軸受けは前記円盤部の内周端部に固着され、前記内周端部は前記軸受けを取り囲むように構成されている、ことを特徴とする請求項5に記載のセンサーユニット。
【請求項7】
(i)前記円盤部、(ii)前記平板部、(iii)前記連結部、および、(iv)前記軸受けの合計の面積は、平面図で見ると、所定値以下となっている、ことを特徴とする請求項6に記載のセンサーユニット。
【請求項8】
前記軸受けは前記センサーボードよりも柔軟性のある材料から構成され、そして、
前記軸受けは溝を有し、前記センサーボードの端部が前記溝に挿入され、軸受けは前記センサーボードに取り外し可能に固着される、ことを特徴とする請求項5に記載のセンサーユニット。
【請求項9】
前記軸受けの硬度は、所定の硬度内に限定される、ことを特徴とする請求項8に記載のセンサーユニット。
【請求項10】
対象物と共にスタンドに取り付けられた時に、前記対象物の下面と接触することができる接触部を有するセンサーボードと、
前記対象物が打撃された際に前記対象物の振動を検出することができ、検出結果を送信するケーブルと接続し、そして前記センサーボードに固着されたセンサーと、
前記センサーボードに固着され、貫通口を有する軸受けと、
前記スタンドに取り外し可能に取り付けられ、そして、前記軸受けの貫通口に挿入される上方に伸びる軸を有する土台と、を備え、
前記貫通口の外周形状は前記土台の軸の外周形状にほぼ同一に形成され、また、
前記軸受けは前記センサーボードよりも柔軟な材料で作られている、ことを特徴とするセンサーユニット。
【請求項11】
前記軸受けの硬度は、所定の硬度内に限定される、ことを特徴とする請求項10に記載のセンサーユニット。
【請求項12】
平面図で見ると、前記土台の軸は多角形をしており、また、平面図で見ると、前記軸受けの貫通口は多角形をしている、ことを特徴とする請求項10または11に記載のセンサーユニット。
【請求項13】
前記土台の軸は、(i)六角形,(ii)五角形、あるいは、(iii)四角形をしており、そして、
前記軸受けの貫通口は、それぞれ、(i)六角形,(ii)五角形、あるいは、(iii)四角形をしている、ことを特徴とする請求項12に記載のセンサーユニット。
【請求項14】
前記土台の軸の外周形状は凸部あるいは凹部を有し、
前記貫通口の外周形状は、(i)前記土台の軸が前記軸受けの貫通口に挿入されたときに、前記土台の軸の凸部を受け入れる凹部、あるいは、(ii)前記土台の軸が前記軸受けの貫通口に挿入されたときに、前記軸の凹部に挿入される凸部を有している、ことを特徴とする請求項10または11に記載のセンサーユニット。
【請求項15】
前記センサーボードは、上方に突出し、そして、平面図で見ると円環状の突出部を有し、
前記センサーボードと前記対象物が前記スタンドに取り付けられた際、前記円環状突出部の上面は前記接触部として前記対象物の下面に接触する、ことを特徴とする請求項10から14のいずれか一項に記載のセンサーユニット。
【請求項16】
前記センサーボードは、(i)円盤部、(ii)平板部、および、(iii)前記円盤部と前記平板部を結ぶ連結部から構成され、
前記センサーは前記平板部に固着され、
前記円環状突出部は前記円盤部に設けられ、そして、
前記軸受けは前記円盤部の内周端部に固着され、前記内周端部は前記軸受けを取り囲むように構成されている、ことを特徴とする請求項15に記載のセンサーユニット。
【請求項17】
(i)前記円盤部、(ii)前記平板部、(iii)前記連結部、および、(iv)前記軸受けの合計の面積は、平面図で見ると、所定値以下となっている、ことを特徴とする請求項16に記載のセンサーユニット。
【請求項18】
突出部と貫通口を有するセンサーボードと、
対象物が打撃された際に前記対象物の振動を検出することができ、検出結果を送信するケーブルと接続し、そして前記センサーボードに固着されたセンサーと、
スタンドに取り外し可能に取り付けられ、そして、前記貫通口に挿入される上方に伸びる軸を有する土台と、を備え、
平面図で、前記突出部は環状をしており、そして、
前記円環状突出部の上面は、前記センサーボードと前記対象物が前記スタンドに取り付けられた時、円環状突出部の上面は前記対象物の下面と接触する、
ことを特徴とするセンサーユニット。
【請求項19】
前記貫通口の外周形状は前記土台の軸の外周形状にほぼ同一に形成され、前記土台の軸が前記貫通口に挿入された時には、(i)前記土台の軸は、前記センサーボードの貫通口内を、前記貫通口が伸びる方向に動くことが可能であり、そして、(ii)前記センサーボードは前記土台の軸に対しては回転しないようになっている、ことを特徴とする請求項18に記載のセンサーユニット。
【請求項20】
前記円環状突出部は前記貫通口を取り囲むように配置され、かつ、前記円環状突出部の中央は前記土台の軸の軸線の延長線上にある、ことを特徴とする請求項19に記載のセンサーユニット。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか一項に記載のセンサーユニットを備えるシンバル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
シンバルの様な対象物を打撃した際、シンバルの様な対象物に発生する振動を検出し、検出した振動に基づいて信号を生成し、生成した信号を音声データを発生させる装置に伝えるセンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
電子シンバルは打撃された時に振動する一つの例である。電子シンバルでは、シンバルにより発生される本来のアコースチック音に加え、電子的に生成された音を加えることができる様になっており、それにより全体の音質を高めている。電子的な音を発生させるために、シンバルに発生する振動を検出し、検出した振動に基づく信号を発生させるセンサーが使用される。発生された信号は音を発生させる装置に送られ、その装置は受信した信号を基に音を生成する。センサーは通常シンバルやシンバルスタンドに取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第7488887号明細書
【文献】特許第5194318号公報
【文献】特開2013-109139号公報
【文献】特開2016-180775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1(米国特許第7488887号明細書)には、センサーをシンバルに取り付け部分を介してネジや溶接で取り付けることが開示されている。特許文献2(特許第5194318号公報)には、ピックアップを板に取り付け、その板をシンバルの内周面にネジで取り付けることが開示されている。しかしながら、これらの構造では、シンバルが回転する際に、センサーやピックアップが同時に回転する。このことは、例えシンバルが同じ場所を打撃された場合であっても、センサーが回転しセンサーと打撃点の距離が変わることがある。ここで同じ場所とは演奏者の視点から見て同じ点という意味である。このことは、センサーが生成する信号はセンサーとシンバルの打撃点の間の距離によって変化するので、センサーが生成する信号に悪影響を及ぼす。また、センサーやピックアップが回転すると、センサーやピックアップに接続されたケーブルも回転することになり、ケーブルがシンバルを支持するスタンドなどの他の部品に巻きついたりする。そして、この様な状況になると、ケーブルに曲げストレスやねじれストレスがかかり、ケーブルが損傷することがある。また、センサーやセンサーが取り付けられた板をシンバルにネジで取り付けると、シンバルの振動によりネジが緩む可能性がある。更に、シンバルに孔を設ける必要がある。同様に、溶接でセンサーを取り付けると、追加の作業がシンバルに必要となる。更に、センサーやセンサーが取り付けられた板を溶接でシンバルに取り付けると、センサーは取り替えることができず、また、他の場所や方向に動かすことができない。
【0005】
更に、特許文献3(特開2013-109139号公報)には、シンバルの振動を検出するピエゾセンサーを取り付け部材内に配置し、この取り付け部材を二つの緩衝部材間に設けることが開示されている。しかしながら、この構成では、シンバルの緩衝部材に対する加重のために、シンバルが回転すると、ピエゾセンサーを含む取り付け部材が回転する。したがって、上記の出願と同様に、例えシンバルが演奏者の視点から見て同じ場所が打撃されても、ピエゾセンサーとシンバルの打撃点間の距離が変わる。また、ピエゾセンサーを含む取り付け部材が回転するので、上述と同様なケーブルの問題が生じることもある。更に、この出願では、シンバルスタンドの軸が取り付け部材とピエゾセンサーの中央部を貫通する構造となっている。本願の出願人は特許文献4(特開2016-180775号公報)において、センサーをワッシャーに取り付けることを提案している。しかしながら、特許文献4においては上記の課題は取り扱っていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みたもので、この出願の一つの目的は、例え対象物が円周方向に回転しても、対象物の振動を検出するセンサーを含むセンサーユニットは回転しないセンサーユニットを提供し、それにより、対象物が打撃されたときに、センサーと対象物の打撃点間の距離が変わらないようにするものである。他の目的は、対象物が打撃されたときに、対象物の振動を検出するセンサーを含むセンサーユニットは回転せず、対象物の上下運動には追従するセンサーユニットを提供し、それにより、対象物が打撃されても、センサーと対象物の打撃点間の距離が変わらないようにするものである。更に他の目的は、例え対象物が円周方向に回転したり上下方向に動いても、対象物に安定的に接触し、かつ、対象物を支持するセンサーボードを提供することである。更に、別の目的は、どのような対象物や対象物を支えるスタンドにも使用することができ、取替えが可能であって、そして、対象物やスタンドに特別な構造や修正を要しないセンサーユニットやセンサーボードを提供することである。また、別の目的は、対象物は回転しても、対象物の振動を検出するセンサーに接続されるケーブルは回転することなく、それにより、ケーブルが他の部品に巻きつくことを防ぐセンサーユニットを提供することである。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一つの観点のセンサーユニットは、対象物と共にスタンドに取り付けられた時に、前記対象物の下面と接触することができる接触部を有するセンサーボードと、前記対象物が打撃された際に前記対象物の振動を検出することができ、検出結果を送信するケーブルと接続し、そして前記センサーボードに固着されたセンサーと、前記センサーボードに固着され、貫通口を有する軸受けと、前記スタンドに取り外し可能に取り付けられ、そして、前記軸受けの貫通口に挿入される上方に伸びる軸を有する土台と、を備え、前記貫通口の外周形状は前記土台の軸の外周形状にほぼ同一に形成される。
【0008】
本発明の一つの観点のセンサーユニットは、対象物と共にスタンドに取り付けられた時に、前記対象物の下面と接触することができる接触部を有するセンサーボードと、前記対象物が打撃された際に前記対象物の振動を検出することができ、検出結果を送信するケーブルと接続し、そして前記センサーボードに固着されたセンサーと、前記センサーボードに固着され、貫通口を有する軸受けと、前記スタンドに取り外し可能に取り付けられ、そして、前記軸受けの貫通口に挿入される上方に伸びる軸を有する土台と、を備え、前記貫通口の外周形状は前記土台の軸の外周形状にほぼ同一に形成され、また、前記軸受けは前記センサーボードよりも柔軟な材料で作られている。
【0009】
更に、本発明の一つの観点のセンサーユニットは、突出部と貫通口を有するセンサーボードと、対象物が打撃された際に前記対象物の振動を検出することができ、検出結果を送信するケーブルと接続し、そして前記センサーボードに固着されたセンサーと、スタンドに取り外し可能に取り付けられ、そして、前記貫通口に挿入される上方に伸びる軸を有する土台と、を備え、平面図で、前記突出部は環状をしており、そして、前記円環状突出部の上面は、前記センサーボードと前記対象物が前記スタンドに取り付けられた時、円環状突出部の上面は前記対象物の下面と接触する。
【0010】
更に、本発明の一つの観点のセンサーユニットは、上記のいずれかのセンサーユニットを備える。
【0011】
他の目的や発明の他の観点は発明を実施するための形態における説明から理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】センサーと他の部品の関係を示す全体図である。
図2】円周方向と上下方向を示す側面図である。
図3】シンバルの異なる打撃点を示す。
図4図3に示されるシンバルの異なる打撃点におけるセンサーの検出結果を示す。
図5】シンバル、センサーユニット、および、シンバルスタンドを示す側面図である。
図6図5のAの部分の拡大図である。
図7】センサーボードの概略図である。
図8】土台の概略図である。
図9】軸受けの概略図である。
図10A】軸受けの他の例を示す。
図10B】土台の他の例を示す。
図11A】軸受けの他の例を示す。
図11B】土台の他の例を示す。
図12A】軸受けの他の例を示す。
図12B】土台の他の例を示す。
図13A】軸受けの他の例を示す。
図13B】土台の他の例を示す。
図14】シンバルが下方に移動したときの側面図である。
図15】シンバル装置の分解図である。
図16】センサーボードの他の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[全体]
図1図2を用いて本出願の概要を説明する。シンバル1は金属からなるアコースチックシンバルである。シンバル1は、軸61の周りに円周方向(a circumferential direction)に回転可能に、かつ、上下方向(an up and down direction)に移動可能に、土台6(base)の軸61に支持されている。したがって、シンバル1の中央は土台6の軸61に取り付けられ、シンバル1の外周端は上下方向に回転する。シンバル1の振動を検出するセンサー3は、センサーボード4に固着されている。センサーボード4には軸受け5(bearing)が固着されており、軸受け5は土台6に対して回転不可能に取付けられている。したがって、センサーボード4とセンサーボード4に取り付けられるセンサー3は、土台6の周りには回転しない。土台6はシンバルスタンド2に回転不可能に固着されている。したがって、センサーボード4とセンサー3は、例えシンバル1が円周方向に回転しても、シンバルスタンド2に対しては回転不可能に固定されている。これらの詳細な構造とどのように機能するかについては後述する。
【0014】
センサー3は振動センサーであり、シンバルがステイック等で打撃された際にシンバルに生じる振動を検出する。シンバル1の振動を検出した後、センサー3はその検出振動に基づく信号を発生させ、発生させた信号をケーブル13-1を介して装置(device)80に伝える。ケーブル13-1はセンサー3に取はずし可能に接続されている。装置80は受信した信号に基づいて、音声データを生成し、生成された音声データはケーブル13-2,13-2を介してスピーカー14,14に配信される。
【0015】
例えば、圧電効果を利用するピエゾセンサーがセンサー3として用いられる。ピエゾセンサーはシンバル1の振動を検出し、検出した振動を電圧に変換し、そして、振動を電気的に検出する。センサー3はピエゾセンサーに限定されるものではなく、シンバル1の振動を検出するものであれば、他のタイプのセンサーでも構わない。例えば、コイルとバネを利用する導電型センサー(a conductive sensor which uses a coil and a spring)やストレインゲージ型のセンサー(a strain gauge type sensor)も使用できる。
【0016】
(打撃点と検出結果)
ここで、図3図4を用いて、シンバル1の打撃点とセンサー3の検出機能について説明する。
【0017】
図3はシンバル1の上面図で、異なる打撃点A,Bを示す。シンバル1は円環状の突出部45で支持されている。円環状の突出部45の上面がシンバル1の下面と接触し、円環状の突出部45がシンバル1の下面を支持している。センサー3はシンバル1の下方に配置されている。これらの構成の詳細は後述する。そして、シンバル1が打撃点Aを打撃された場合、打撃点Aの振動は以下の道筋を経由してセンサー3に伝達される。打撃点Aから円環状の突出部45、円環状の突出部45から円周方向に沿って円環状の突出部45の上部、および、円環状の突出部45の上部からセンサー3。従って、打撃点Aからセンサー3までの距離は、(a’+Ca’/あるいはCb’+d’)となる。一方、シンバル1が打撃点Bを打撃された場合には、打撃点Bの振動は以下の道筋を経由してセンサー3に伝達される。打撃点Bから円環状の突出部45の上部、および、円環状の突出部45の上部からセンサー3。従って、打撃点Bからセンサー3までの距離は(b’+d’)となる。ここで、a’とb’は等しい。従って、打撃点Aとセンサー3の間の距離は、打撃点Bとセンサー3の間の距離に比べて長い。この実施形態では、センサー3はピエゾセンサーである。
【0018】
図4は、シンバル1がA点およびB点が同じ強さで打撃された際の、センサーの検出を示すグラフである。実線は、シンバル1がA点を打撃された場合の、センサー3への入力を示す。一方、点線は、シンバル1がB点を打撃された場合の、センサー3への入力を示す。図4に見られるように、シンバル1をB点で打撃した場合には、振動検出はT=0で始まり、シンバル1をA点で打撃した場合、センサー3の振動検出開始点はT=Taとなる。したがって、シンバル1をA点で打撃した場合には、シンバル1をB点で打撃した場合に比べ、センサー3の検出はTa分遅くなる。更に、シンバル1をB点で打撃した場合のセンサー3への入力電圧Vbは、シンバル1をA点で打撃した場合のセンサー3への入力電圧Vaより大きい。すなわち、同じ強さでシンバルを打撃した場合であっても、打撃点とセンサーの間隔によってセンサーの検出結果が異なる。この検出結果はセンサー3からの出力に影響する。
【0019】
一方、シンバルのような打撃装置においては、シンバル1を同じ場所を同じ強さで打撃した場合には、装置80で発生する音は一定であることが重要である。ここで、同じ場所というのは演奏者から見て同じ場所という意味である。したがって、同じ強さで同じ場所を打撃された場合に、センサー3と打撃点の間の距離が変化しないように、センサー3は同じ場所に位置しなければならない。このことによって、センサー3がシンバル1への打撃に一致する信号を装置80へ出力する。このため、この実施形態では、例えシンバル1が回転しても、センサー3が固着されたセンサーボード4は円周方向に回転しないようにしている。そして、シンバル1が同じ場所を同じ強さで打撃された場合には、同じ検出結果を保証している。
【0020】
本出願では、円周方向は図2に示されるDcの方向を意味し、上下方向は図2で示されるDupの方向を意味する。例えば、シンバル1は土台6の軸61の廻りに円周方向に回転し、土台6の軸61の廻りに上下方向に動く。更に、上述の様に、同じ場所というのは演奏者から見て同じ場所という意味である。
【0021】
[第一実施形態]
図4~7に見られるように、センサーユニット7はセンサー3、センサーボード4、軸受け5、および、土台6から構成されている。以下の様に、センサー3とセンサーボード4は、円周方向に回転しないように構成されている。
【0022】
(センサーおよびセンサーボード)
図7に見られるように、センサーボード4は、円盤部41、平板部43、円盤部41と平板部43を結ぶ連結部44から構成されており、円盤部41の円周部には接触部42が設けられている。センサー3は平板部43の下面に固着されている。センサー3は、例えば、接着剤や両面テープで固着されている。センサー3を平板部43に固着することにより、センサー3のセンサーボード4への固着が容易に行える。勿論、センサー3は平板部43の上面に固着してもよい。
【0023】
図6および7に見られるように、円盤部41の円周部は上部に突出しており円環状の突出部45を形成している。シンバル1とセンサーユニット7がシンバルスタンド2に取り付けられた際には、円環状の突出部45の上面は接触部42としてシンバル1の下面と接触する。シンバル1が打撃された場合には、この接触部42を介してセンサー3はシンバル1の振動を検出する。接触部42は円環状をしているので、シンバル1のどの部分が上下方向に移動しても、接触部42は常にシンバル1の下面に接触する。その結果、センサー3は、シンバル1の振動を安定的に検出することができる。円環状の突出部45は円盤部41の円周部に設けることなく、周辺部から内側に設けてもよい。更に、円盤部41には中央部に孔411が設けられており、孔411(an inner through-hole) は円盤部41の軸方向に伸びている。図9に示される軸受け5は、孔411の外周縁に沿って位置している。
【0024】
(軸受けおよび土台)
軸受け5は円盤部41に動かないように固定されている。軸受け5は弾性素材、例えば、ゴム、ウレタンで構成されており、センサーボード4より柔軟性がある。軸受け5を円盤部41に取り付けるには、軸受け5を円盤部41の孔411に圧入する。そして、軸受けのエッジ51が弾性力のために変形し、そして、軸受け5を更に圧入すると、円盤部41のエッジ412が軸受け5の側面に設けられた溝52に圧入される。そして、軸受け5は円盤部41に動かないように固定される。軸受け5は孔411の外周縁に沿って位置している。軸受け5は上方に引き抜くことにより、円盤部41の孔411から引き抜くことができる。貫通口53(a through-hole)が軸受け5のその中央部に設けられている。貫通口53は軸受け5の軸方向に伸びており、この貫通口53に土台6の軸61が挿入される。
【0025】
軸受け5の貫通口53は多角形の形状をしており、また、土台6の軸61の外形もそれに相当する多角形の形状をしている。軸受け5の貫通口53の形状は概ね軸61の外形に相当している。図8および9の例では、軸受け5の貫通口53は六角形であり、また、土台6の軸61の外形も六角形をしている。したがって、土台6の軸61が軸受け5の貫通口53に挿入された際には、軸61は貫通口53の上下方向には移動はできるが、軸受け5は土台6の軸61に対して回転できないようになっている。その結果、軸受け5と一体となっているセンサーボード4も土台6の軸61に対して回転できなくなっている。そして、センサーボードに固着されているセンサーも土台6の軸61に対して回転できなくなっている。図8および9では、貫通口53と土台6の軸61の外形は六角形となっている。しかしながら、形状はこれらに限られるものではない。例えば、図10Aおよび10Bおよび図11Aおよび11Bに示されるように、四角形、五角形、あるいは、上述の機能を果たす他の形状としてもよい。
【0026】
また、貫通口53と軸61を多角形の形状とする代わりに、凹凸形状を用いることもできる。図12Aおよび12Bでは、凸部54を貫通口53の外周に設け、凹部62を土台6の軸61に設けている。なお、凹部62は軸61の下部まで伸びていても構わない。凹部62の長さは上述の機能を果すことができる限り、任意に選定できる。図13Aおよび13Bでは、凹部54’を貫通口53の外周に設け、凸部62’を土台6の軸61に設けている。
【0027】
上述の記載から明らかなように、貫通口53の外周形状55は土台6の軸61の外周形状64にほぼ同一に形成されている。そして、土台6の軸61が貫通口53に挿入された時には、(i)土台6の軸61は、軸受け5の貫通口53内を、貫通口53が伸びる方向に動くことが可能であり、そして、(ii)軸受け5は土台6の軸61に対しては回転しないようになっている。貫通口53と軸61の外周形状は上述の記載に限定されるものではなく、上述の意図している機能を果す限り、貫通口53と軸61の他の外周形状を使用してもよい。
【0028】
図8に示されるように、土台6は軸61とフランジ65を含んでいる。土台6は軸61の軸方向に伸びる内部貫通口66(an inner through-hole)を有しており、一方、前述の様に、軸61は軸受け5の貫通口53に挿入されている。内部貫通口66は軸61とフランジ65の中央部に形成され、シンバルスタンド2の軸21が挿入される。軸61は上方に伸びている。軸61は垂直方向に限らず、斜め方向に伸びていても構わない。更に、軸61はその一部、あるいは、全部が水平方向に伸びていてもよい。軸61は、土台6の内部貫通口66にシンバルスタンド2の軸21が挿入される限り、どのような方向に伸びていてもよい。軸61と内部貫通口66はシンバルスタンド2の軸21が伸びる方向と同じ方向に伸びてもよい。土台6には水平方向に延びるネジ孔67が設けられており、ネジ孔67は軸61の外表面と内部貫通口66の間に設けられている。土台6をシンバルスタンド2に固定するためにネジ8が用いられる。ネジ8の先端をシンバルスタンドの軸21の外周面に当接するまで、ネジ8をネジ孔に挿入し、そして、ネジ8のねじ山部をネジ孔67のネジ部と結合させる。それにより、土台6を移動できないようにシンバルスタンド2の軸21に取り付ける。土台6はシンバルスタンド2に対し、軸21の上下方向移動不可能、かつ、軸21に対して回転不可能に固定される。
【0029】
(円周方向の動きとセンサーユニット)
上述のように、土台6はシンバルスタンド2に対し移動不可能に固定され、そして、センサーボード4も軸受け5を介して土台6の軸61に対して回転できなくなっている。その結果、センサーボード4に移動不可能に固定されたセンサー3も土台6とシンバルスタンド2に対して回転不可能となっている。したがって、シンバルが同じ場所を打撃され、例えシンバル1が円周方向に回転しても、センサー3は回転せず、同じ位置に留まっているので、センサー3と打撃点間の距離は変わることない。従って、シンバル1が同じ場所を同じ強さで打撃された場合、センサー3は同じ振動検出結果を生成する。
【0030】
更に、例えシンバル1が回転しても、センサー3は同じ位置にとどまるため、センサー3に接続されているケーブル13-1も同じ位置にとどまる。したがって、例えシンバル1が回転しても、ケーブル13-1はシンバルスタンド2に巻きつくことがなく、ケーブル13-1に曲げストレスやねじれストレスがかからず、ケーブル13-1が損傷しない。また、この構成はケーブル13-1がセンサー3から抜けたり、ケーブル13-1がセンサー3と装置80の間で断線することを防ぐことができる。センサー3が回転すると、ケーブル13-1がセンサーユニットから抜けたり、ケーブル13-1が断線する恐れがある。しかしながら、本出願ではセンサー3はシンバル1が回転しても回転しないので、この様なことは起こらない。
【0031】
センサーユニット7は、センサー3、センサーボード4、軸受け5、および、土台6から構成される。上述の記載から明らかなように、センサーボード4、軸受け5、および、土台6のみが上述の様にアレンジ、構成されているが、シンバル1やシンバルスタンド2には特別な修正や特別な構成は要求されない。したがって、センサーボード4、軸受け5、および、土台6は、どのようなシンバルスタンド2やシンバル1に対しても用いることができる。また、以下に説明するように、センサーボード4、軸受け5、および、土台6は簡単にシンバルスタンド2に取り付けられ、取り換えが可能である。例えば、異なる振動検出機能を有するセンサー3を固着したセンサーボード4に取り換えることも、また、センサー3のセンサーボード付け位置を変えたセンサーボード4に取り換えることもできる。
【0032】
(上下方向動作)
シンバル1とセンサーボード4の上下方向の動きについて説明する。シンバル1とセンサーボード4が上下方向に動く際には、軸受け5が重要な役割を果す。上述のように、軸受け5は、例えば、ゴム等のような弾性部材で構成されている。好ましくは、弾性部材は硬度A20-A50の硬度を有する。本出願では、所定の硬度を「硬度A20-A50」と定義する。軸受け5の硬度は、以下の点を踏まえて決められている。上述のように、軸受け5がセンサーボード4の孔(貫通口)411に挿入される際、エッジ51が変形できるほど柔軟であること、および、以下の様に、センサーボード4の下方動作に対して変形および吸収するほど柔軟性があること。
【0033】
上フェルト9と下フェルト10は柔軟性のある材料から作られ、一般に20~40g/cm3の密度を有している。軸受け5、上フェルト9、および、下フェルト10のそれぞれは、センサーボード4、土台6、シンバル1、および、シンバルスタンド2よりも、柔軟性と弾力性を有している。以下に説明するように、センサーボード4と軸受け5は、上フェルト9と下フェルト10の間にしっかりと挟み込まれる。また、センサーボード4は土台6の軸61に軸受け5を介して取り付けられている。したがって、例えば、シンバル1のCの部分(図5参照)がステイックにより打撃されると、シンバル1は孔(a bore hole)11の廻りに図6に示される位置から図14に示される位置に下方に動く。シンバル1の下方への動きは接触部42を介してセンサーボード4に伝達され、そして、センサーボード4を下方に動くようにする。そして、センサーボード4は軸受け5や下フェルト10より硬いので、円盤部41のエッジ412とその周辺の部材で(Cの部分と同じサイドに位置する)軸受け5と下フェルト10を圧縮・変形させて、センサーボード4はシンバル1の下方向の動きに追従する。換言すれば、軸受け5は変形することによって、センサーボード4の下方への動きを吸収し、それにより、センサーボード4の下方への動きを許している。シンバル1の一方側が下方に動けば、他方側は上方に動く。したがって、センサーボード4は常にシンバル1の上下動作に追従する。したがって、例えシンバル1が上下方向へ動いても、シンバル1の打撃点とセンサー3の上下方向の距離は変化がない。したがって、シンバル1が同じ場所を同じ強さで打たれた場合、同じ検出結果が得られる。軸受け5をセンサーボード4に取り付ける方法は、上述の機能を果す限り、どのような手段であってもよい。
【0034】
また、接触部42は円環状で軸受け5を囲むように成っており、また、円環状突出部45の中央は土台6の軸61やシンバルスタンドの軸21の軸線の延長線上にある。したがって、シンバル1がどの場所を打撃されても、センサーボード4は常にシンバルの上下方向の動きに追従する。
【0035】
また、上述の記載から明らかなように、例えシンバルが円周方向に回転し、また、上下方向に動いても、センサーと同じ打撃点の間の距離は一定である。
【0036】
(組立)
次に、シンバル装置の組立、および、部品の取り換えについて説明する。図15は、シンバル装置の分解図である。図15に示されるように、上フェルト9および下フェルト10は、それぞれその中心部に軸方向に貫通する孔を有しており、これらの孔にシンバルスタンド2の軸21が挿入される。シンバル1の軸方向に延びる孔11はシンバル1の中心部に設けられている。シンバル1の孔11に土台6の軸61が挿入され、一方、シンバルスタンド2の軸21は土台6の内部貫通口66に挿入される。これらの部材を組み立てるには、まず、上述のように、ネジ8により、土台6をシンバルスタンド2に移動不可能に固定する。そして、土台6のフランジ65上に下フェルト10が載置され、その上に軸受け5が固着されたセンサーボード4が載置される。そして、その上にシンバル1と上フェルト9が載置され、その上から蝶ナット12を締め付けることによって、構成要素が一緒にシンバルスタンド2の軸21に固定される。シンバル1、上フェルト9、下フェルト10は円周方向の回転、および、軸61に沿って軸61の延長方向に動くことができるようになっている。
【0037】
センサーボード4を取り換えるには、蝶ナット12を緩めて、上フェルト9、シンバル1、センサーボード4を取り外す。そして、上述の様に、別のセンサーボード4をシンバル1、上フェルト9と一緒に、蝶ナット12により軸21に取り付ければよい。ここで、構成要素の締め付けに蝶ナット12が使用されているが、他のタイプのナットでもよい。この場合、センサーボード4やシンバル1の大きさによっては、土台6も取り替えることができる。
【0038】
(他の特徴)
本実施形態では、センサーボード4と軸受け5の合計の面積は、平面図で見ると、シンバル1の面積の所定値以下となっている。本実施形態では、所定値はシンバル1の面積の1/4以下をいう。所定値は、センサーボード4のシンバル1の音に対する影響を考慮して定められている。センサーボード4と軸受け5の合計の面積が所定値を超えると、シンバル1の音が反射され、音質が悪くなるためである。
【0039】
図5および15に見られるように、センサー3をセンサーボード4に取り付ける位置は、上方から見た時、シンバル1からセンサー3および平板部43が見えない位置とされる。これによって、演奏中、間違ってセンサー3や平板部43を打撃することを防ぐことができる。センサー3はシンバル1の中心部近くに配置されているので、シンバル1の上下の動きが少ない場所で振動を検出することができ、振動の検出が安定する。また、センサー3のセンサーボード4への取り付け位置は任意に選ぶことができる。センサー3は平板部43のどこにでも取り付けることができる。連結部44の円盤部41との取付け角度や、平板部43の連結部44への取付け角度を任意に選定することにより、センサー3とシンバル1の上下方向および水平方向の最適な距離を選定することができる。また、連結部44を設けることにより、シンバル1の下面と平板部43およびセンサー3の距離を保ち、シンバル1の上下方向への動きを平板部43およびセンサー3が邪魔しないようになっている。
【0040】
更に、円盤部41、連結部44、および、平板部43からなるセンサーボードを、一つの部品から一体的に構成することができる。例えば、モールド成型技術により、円盤部41、連結部44、および、平板部43を成型することができる。また、連結部44、および、平板部43を一つの部材から一体的に作成し、これを円盤部41に固着してもよい。上述の実施形態では、センサーユニット7は金属からなるアコースチックシンバルに使用されている。しかしながら、センサーユニット7は、他のタイプのシンバルに使用することもできる。例えば、樹脂等から成る練習用のシンバルであってもよい。
【0041】
更に、上述の実施形態では、上フェルト9と下フェルト10は20~40g/cm3の密度であったが、センサーユニット7は他の密度を有する上フェルト、下フェルトに使用することもできる。また、センサーユニット7は、センサーボード4、土台6、シンバル1、および、シンバルスタンド2よりも、柔軟性と弾力性を有している限り、どのような柔軟な構成物にも使用することができる。
【0042】
[第二実施形態]
上述の実施形態では、センサーボード4と軸受け5は別部材で、それらはお互いに取り付けられている。しかしながら、図16に示されるように、軸受け部分415’とセンサーボード4’を一体的に一つの部材から構成することができる。例えば、これはモールドによってできる。したがって、センサーユニットはセンサーボード4’、センサー3、および、土台6から構成される。この実施形態によれば、軸受け部分415’はセンサーボード4’の一部分であるので、軸受け部分415’をセンサーボード4’に取り付ける必要がない。したがって、センサーボード4’は土台6の軸61に簡単に取り付けることができる。更に、センサーボード4’の円盤部41’はシンバル1に常に接触する円環状の接触部42’と、土台6の軸61を支持する軸受け部分415’を含んでいる。したがって、単一の部材である円盤部41’は異なった二つの機能を果す:シンバル1に接触・支持する、および、土台6の軸61を支持する。この実施形態では、軸受け部分415’の材料はモールド技術により制限されるかもしれない。しかしながら、前述の実施形態の他の構造はこの実施形態にも使用できる。例えば、第一実施形態の円環状の突出部45、軸受け5の貫通口53、および、土台6の軸61は、この実施形態でも使用することができる。
【0043】
発明の特定の実施形態について詳細に開示、説明し、発明の趣旨を説明した。しかしながら、発明はこれら以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、発明の趣旨をシンバルを用いて説明したが、上述の構造と趣旨は他の分野の器機にも適用できる。更に、発明はここで開示された特定の実施形態に限定されることはなく、添付の特許請求の範囲に記載の請求項で定義されるものである。
【符号の説明】
【0044】
1…シンバル、2…シンバルスタンド、3…センサー、4、4’…センサーボード、5…軸受け、6…土台、7…センサーユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15
図16