(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 15/06 20060101AFI20221213BHJP
B60C 13/02 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
B60C15/06 B
B60C13/02
(21)【出願番号】P 2018234693
(22)【出願日】2018-12-14
【審査請求日】2021-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【氏名又は名称】石原 幸信
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 大
【審査官】赤澤 高之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-179964(JP,A)
【文献】特開2017-170937(JP,A)
【文献】特開2001-225613(JP,A)
【文献】特開2011-084144(JP,A)
【文献】特開平08-099508(JP,A)
【文献】特開2005-280456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 1/00- 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気入りタイヤであって、
トレッド部と、前記トレッド部からタイヤ半径方向内側に延びる一対のサイドウォール部と、前記一対のサイドウォール部のタイヤ半径方向の内側に連なる一対のビード部とを含み、
前記一対のビード部には、ビードエーペックスゴムが配され、かつ、前記ビードエーペックスゴムのタイヤ半径方向の外端は、タイヤ最大幅位置よりもタイヤ半径方向の内側に位置し、
前記一対のサイドウォール部の少なくとも一方には、タイヤ軸方向の外方に隆起したサイドプロテクタが形成され、かつ、前記サイドプロテクタのタイヤ半径方向の内端は、前記タイヤ最大幅位置よりもタイヤ半径方向の外側に位置し、
ビードベースラインから前記ビードエーペックスゴムの前記外端までのタイヤ内側領域のタイヤ半径方向の長さは、前記トレッド部のタイヤ半径方向の最外側位置から前記サイドプロテクタの前記内端までのタイヤ外側領域のタイヤ半径方向の長さの0.8~1.2倍である、
空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記タイヤ内側領域と前記タイヤ外側領域との間の領域であるタイヤ中間領域のタイヤ半径方向の長さは、タイヤ断面高さの5%~25%である、請求項1記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記タイヤ内側領域と前記タイヤ外側領域との間の領域であるタイヤ中間領域のタイヤ半径方向の中央に前記タイヤ最大幅位置が位置する、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記タイヤ内側領域と前記タイヤ外側領域との間の領域であるタイヤ中間領域は、最大厚さと最小厚さとの差が前記最大厚さの15%以下である、請求項1ないし3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記ビードエーペックスゴムは、ビードコアのタイヤ半径方向の外面からタイヤ半径方向外側に延びる本体エーペックスと、前記本体エーペックスよりもタイヤ軸方向外側に配される外貼りエーペックスとを含む、請求項1ないし4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記外貼りエーペックスのタイヤ半径方向の外端は、前記本体エーペックスのタイヤ半径方向の外端よりもタイヤ半径方向の外側に位置する、請求項5記載の空気入りタイヤ。
【請求項7】
前記一対のビード部間に、カーカスプライが架け渡されており、
前記カーカスプライは、前記一対のビード部において、前記本体エーペックスと、前記外貼りエーペックスとの間を延びている、請求項6記載の空気入りタイヤ。
【請求項8】
前記カーカスプライは、前記トレッド部から前記一対のサイドウォール部を経て前記一対のビード部のビードコアに至る本体部と、前記本体部に連なり前記ビードコアの回りをタイヤ軸方向の内側から外側に折り返される一対の折返し部とを含み、
前記一対の折返し部のタイヤ半径方向の各外端と前記ビードベースラインとの間のタイヤ半径方向の距離が、タイヤ断面高さの50%以上である、請求項7記載の空気入りタイヤ。
【請求項9】
前記カーカスプライは、第1カーカスプライ及び前記第1カーカスプライに重ねられる第2カーカスプライを含み、
前記第1カーカスプライの前記外端と前記第2カーカスプライの前記外端とは、タイヤ半径方向に離間している、請求項7又は8に記載の空気入りタイヤ。
【請求項10】
前記第1カーカスプライの前記外端と、前記第2カーカスプライの前記外端とは、前記タイヤ最大幅位置を挟んでタイヤ半径方向の内外に離間している、請求項9記載の空気入りタイヤ。
【請求項11】
前記第1カーカスプライの前記外端と前記第2カーカスプライの前記外端との間のタイヤ半径方向の距離は、15mm以上である、請求項9又は10に記載の空気入りタイヤ。
【請求項12】
前記タイヤ最大幅位置と前記サイドプロテクタの前記内端との間のタイヤ半径方向の長さの2倍を前記タイヤ最大幅位置からタイヤ半径方向外側に離間したタイヤ半径方向位置を第1高さ位置、及び、前記タイヤ最大幅位置と前記ビードエーペックスゴムの前記外端との間のタイヤ半径方向の長さの2倍を前記タイヤ最大幅位置からタイヤ半径方向内側に離間したタイヤ半径方向位置を第2高さ位置として、
前記空気入りタイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷の状態でのタイヤ子午線断面において、
前記カーカスプライの前記本体部は、前記第1高さ位置と前記第2高さ位置との間では、単一の曲率半径で形成される、請求項
8に記載の空気入りタイヤ。
【請求項13】
前記トレッド部には、タイヤ軸方向に延びるベルト層が設けられ、
前記サイドプロテクタのタイヤ半径方向の外端は、前記ベルト層をタイヤ軸方向外側へ滑らかに延長させた延長線よりもタイヤ半径方向の内側に位置する、請求項1ないし12のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項14】
前記サイドプロテクタの隆起高さは、3~7mmである、請求項1ないし13のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤに関し、詳しくは、サイドウォール部にサイドプロテクタが設けられた空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、サイドウォール部の外面に、タイヤ軸方向外側に突出する複数個のサイドプロテクタが設けられた空気入りタイヤが記載されている。このような空気入りタイヤは、岩や灌木等と衝突によるサイドウォール部のカット傷を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような空気入りタイヤは、厚肉のサイドプロテクタがサイドウォール部のタイヤ半径方向外側の剛性を局部的に高める。したがって、前記空気入りタイヤは、前記サイドプロテクタよりもタイヤ半径方向の内側の部分、とりわけ、ビード部に走行中の歪が集中し、ビード部等の耐久性能を低下させるという問題があった。
【0005】
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、耐久性能を向上することができる空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のうち請求項1記載の発明は、空気入りタイヤであって、トレッド部と、前記トレッド部からタイヤ半径方向内側に延びる一対のサイドウォール部と、前記一対のサイドウォール部のタイヤ半径方向の内側に連なる一対のビード部とを含み、前記一対のビード部には、ビードエーペックスゴムが配され、かつ、前記ビードエーペックスゴムのタイヤ半径方向の外端は、タイヤ最大幅位置よりもタイヤ半径方向の内側に位置し、前記一対のサイドウォール部の少なくとも一方には、タイヤ軸方向の外方に隆起したサイドプロテクタが形成され、かつ、前記サイドプロテクタのタイヤ半径方向の内端は、前記タイヤ最大幅位置よりもタイヤ半径方向の外側に位置し、ビードベースラインから前記ビードエーペックスゴムの前記外端までのタイヤ内側領域のタイヤ半径方向の長さは、前記トレッド部のタイヤ半径方向の最外側位置から前記サイドプロテクタの前記内端までのタイヤ外側領域のタイヤ半径方向の長さの0.8~1.2倍であるのが望ましい。
【0007】
本発明に係る空気入りタイヤは、前記タイヤ内側領域と前記タイヤ外側領域との間の領域であるタイヤ中間領域のタイヤ半径方向の長さが、タイヤ断面高さの5%~25%であるのが望ましい。
【0008】
本発明に係る空気入りタイヤは、前記タイヤ内側領域と前記タイヤ外側領域との間の領域であるタイヤ中間領域のタイヤ半径方向の中央に前記タイヤ最大幅位置が位置するのが望ましい。
【0009】
本発明に係る空気入りタイヤは、前記タイヤ内側領域と前記タイヤ外側領域との間の領域であるタイヤ中間領域が、最大厚さと最小厚さとの差が前記最大厚さの15%以下であるのが望ましい。
【0010】
本発明に係る空気入りタイヤは、前記ビードエーペックスゴムが、ビードコアのタイヤ半径方向の外面からタイヤ半径方向外側に延びる本体エーペックスと、前記本体エーペックスよりもタイヤ軸方向外側に配される外貼りエーペックスとを含むのが望ましい。
【0011】
本発明に係る空気入りタイヤは、前記外貼りエーペックスのタイヤ半径方向の外端が、前記本体エーペックスのタイヤ半径方向の外端よりもタイヤ半径方向の外側に位置するのが望ましい。
【0012】
本発明に係る空気入りタイヤは、前記一対のビード部間に、カーカスプライが架け渡されており、前記カーカスプライは、前記一対のビード部において、前記本体エーペックスと、前記外貼りエーペックスとの間を延びているのが望ましい。
【0013】
本発明に係る空気入りタイヤは、前記カーカスプライが、前記トレッド部から前記一対のサイドウォール部を経て前記一対のビード部のビードコアに至る本体部と、前記本体部に連なり前記ビードコアの回りをタイヤ軸方向の内側から外側に折り返される一対の折返し部とを含み、前記一対の折返し部のタイヤ半径方向の各外端と前記ビードベースラインとの間のタイヤ半径方向の距離が、タイヤ断面高さの50%以上であるのが望ましい。
【0014】
本発明に係る空気入りタイヤは、前記カーカスプライが、第1カーカスプライ及び前記第1カーカスプライに重ねられる第2カーカスプライを含み、前記第1カーカスプライの前記外端と前記第2カーカスプライの前記外端とは、タイヤ半径方向に離間しているのが望ましい。
【0015】
本発明に係る空気入りタイヤは、前記第1カーカスプライの前記外端と、前記第2カーカスプライの前記外端とは、前記タイヤ最大幅位置を挟んでタイヤ半径方向の内外に離間しているのが望ましい。
【0016】
本発明に係る空気入りタイヤは、前記第1カーカスプライの前記外端と前記第2カーカスプライの前記外端との間のタイヤ半径方向の距離が、15mm以上であるのが望ましい。
【0017】
本発明に係る空気入りタイヤは、前記タイヤ最大幅位置と前記サイドプロテクタの前記内端との間のタイヤ半径方向の長さの2倍を前記タイヤ最大幅位置からタイヤ半径方向外側に離間したタイヤ半径方向位置を第1高さ位置、及び、前記タイヤ最大幅位置と前記ビードエーペックスゴムの前記外端との間のタイヤ半径方向の長さの2倍を前記タイヤ最大幅位置からタイヤ半径方向内側に離間したタイヤ半径方向位置を第2高さ位置として、前記空気入りタイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷の状態でのタイヤ子午線断面において、前記カーカスプライの前記本体部は、前記第1高さ位置と前記第2高さ位置との間では、単一の曲率半径で形成されるのが望ましい。
【0018】
本発明に係る空気入りタイヤは、前記トレッド部には、タイヤ軸方向に延びるベルト層が設けられ、前記サイドプロテクタのタイヤ半径方向の外端は、前記ベルト層をタイヤ軸方向外側へ滑らかに延長させた延長線よりもタイヤ半径方向の内側に位置するのが望ましい。
【0019】
本発明に係る空気入りタイヤは、前記サイドプロテクタの隆起高さが、3~7mmであるのが望ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の空気入りタイヤのビード部には、ビードエーペックスゴムが配され、かつ、前記ビードエーペックスゴムのタイヤ半径方向の外端は、タイヤ最大幅位置よりもタイヤ半径方向の内側に位置している。また、サイドウォール部には、サイドプロテクタが形成され、かつ、前記サイドプロテクタのタイヤ半径方向の内端は、前記タイヤ最大幅位置よりもタイヤ半径方向の外側に位置している。
【0021】
本発明では、上記の構成を前提として、前記ビードエーペックスゴムを含むタイヤ内側領域のタイヤ半径方向の長さと、前記サイドプロテクタを含むタイヤ外側領域のタイヤ半径方向の長さとの関係性に着目し、両者を互いに近似させた(タイヤ内側領域のタイヤ半径方向の長さをタイヤ外側領域のタイヤ半径方向の長さの0.8~1.2倍とする)。その結果、タイヤ走行時、高剛性化された前記タイヤ内側領域及び前記タイヤ外側領域の間に位置するタイヤ最大幅位置付近を重点的に撓ませることができ、ビード部に作用する歪を低減することができる。したがって、本発明の空気入りタイヤは、優れた耐久性能を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態の空気入りタイヤのタイヤ子午線断面図である。
【
図2】
図1のサイドウォール部及びビード部の拡大図である。
【
図3】
図1のサイドウォール部及びトレッド部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本発明の一実施形態を示す空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある)1の正規状態のタイヤ回転軸(図示省略)を含むタイヤ子午線断面図である。
図1には、好ましい態様として、ドライアスファルト路面のみならず、瓦礫路や泥濘地といった不整地路面を走行可能な4WD車等に好適に装着される乗用車用のタイヤ1が示される。但し、本発明は、例えば、重荷重用のタイヤ1にも採用され得る。
【0024】
前記「正規状態」とは、タイヤ1が正規リム(図示せず)にリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷の状態である。特に断りがない場合、タイヤの各部の寸法等は、正規状態で測定された値である。
【0025】
「正規リム」とは、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"である。
【0026】
「正規内圧」とは、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE"である。
【0027】
本実施形態のタイヤ1は、トレッド部2と、トレッド部2からタイヤ半径方向内側に延びる一対のサイドウォール部3、3と、一対のサイドウォール部3、3のタイヤ半径方向の内側に連なる一対のビード部4、4とを含んでいる。ビード部4には、円環状のビードコア5が埋設されている。
【0028】
タイヤ1は、例えば、トレッド部2のトレッド接地面2aをなすトレッドゴム2Gと、サイドウォール部3の外面3aをなすサイドウォールゴム3Gと、ビード部4の外面4aをなすクリンチゴム4Gとを含んでいる。トレッドゴム2G、サイドウォールゴム3G及びクリンチゴム4Gには、それそれ公知の態様が適宜採用される。
【0029】
タイヤ1は、本実施形態では、一対のビード部間4、4に架け渡されたカーカス6と、トレッド部2に配されたベルト層7とを含んでいる。
【0030】
カーカス6は、少なくとも1枚のカーカスプライ、本実施形態では、第1カーカスプライ6A及び第1カーカスプライ6Aに重ねられる第2カーカスプライ6Bを含んで構成されている。第1カーカスプライ6Aは、本実施形態では、第2カーカスプライ6Bのタイヤ半径方向内側に配されている。なお、第1カーカスプライ6Aは、第2カーカスプライ6Bのタイヤ半径方向外側に配されていても良い。
【0031】
各カーカスプライ6A及び6Bは、本実施形態では、それぞれ、本体部6aと一対の折返し部6b、6bとを含んでいる。本体部6aは、トレッド部2から一対のサイドウォール部3、3を経て一対のビード部4、4のビードコア5まで延びている。各折返し部6bは、本体部6aに連なりビードコア5の回りをタイヤ軸方向の内側から外側に折り返されている。各折返し部6bは、本実施形態では、サイドウォール部3で終端するタイヤ半径方向の外端6oを有している。また、各折返し部6bは、例えば、ビードコア5からタイヤ半径方向外側に向かってタイヤ軸方向内側へ傾斜する内側部分6iと、内側部分6iに連なり、かつ、タイヤ半径方向外側に向かってタイヤ軸方向外側へ傾斜する外側部分6eとを含んで形成されている。なお、各折返し部6bは、このような態様に限定されるものではない。
【0032】
各カーカスプライ6A及び6Bは、例えば、それぞれ、カーカスコード(図示省略)をトッピングゴムで被覆して形成される。本実施形態のカーカスコードは、タイヤ赤道Cに対して、例えば、75~90度の角度で傾けて配されている。カーカスコードには、スチール等の金属繊維コードや、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維コードを採用できる。
【0033】
ベルト層7は、少なくとも1枚、本実施形態では、タイヤ半径方向の内外に配された、内側ベルトプライ7A及び外側ベルトプライ7Bの2枚のベルトプライで構成されている。各ベルトプライ7A及び7Bは、例えば、タイヤ赤道Cに対して10~35°の範囲で傾けて配列したベルトコード(図示省略)を含んでいる。ベルトプライ7A及び7Bは、ベルトコードが互いに交差する向きに重ねられている。ベルトコードには、例えば、スチールコードが好適であるが、アラミドやレーヨン等の高弾性の有機繊維コードを採用することもできる。
【0034】
内側ベルトプライ7Aは、本実施形態では、外側ベルトプライ7Bよりも幅広に形成されている。内側ベルトプライ7Aのタイヤ軸方向の幅Waは、トレッド幅TWの80%~100%が望ましい。なお、内側ベルトプライ7Aは、例えば、外側ベルトプライ7Bよりも幅狭であっても良い。
【0035】
前記「トレッド幅TW」とは、トレッド端Te、Te間のタイヤ軸方向の距離を意味する。前記「トレッド端Te」とは、前記正規状態のタイヤ1に、正規荷重を負荷しかつキャンバー角0度で平面に接地させたときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置を意味する。
【0036】
前記「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば"最大負荷能力"、TRAであれば表"TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"である。
【0037】
一対のビード部4、4には、ビードエーペックスゴム8が配されている。また、ビードエーペックスゴム8のタイヤ半径方向の外端8eは、タイヤ最大幅位置Mよりもタイヤ半径方向の内側に位置している。「タイヤ最大幅位置M」とは、サイドウォール部3の外面3aにおいて、輪郭線Sがタイヤ軸方向外側に最も張り出す位置である。前記「輪郭線S」は、サイドウォール部3の外面3aに部分的に形成される凹凸(例えば、装飾用のセレーション、標章表示用のリブ、後述するサイドプロテクトタなど)を排除して特定される滑らかな曲線である。
【0038】
一対のサイドウォール部3、3の少なくとも一方には、輪郭線Sからタイヤ軸方向の外方に隆起したサイドプロテクタ9が形成されている。また、サイドプロテクタ9のタイヤ半径方向の内端9iは、タイヤ最大幅位置Mよりもタイヤ半径方向の外側に位置している。サイドプロテクタ9は、本実施形態では、一対のサイドウォール部3、3の両方に設けられている。
【0039】
タイヤ内側領域1aのタイヤ半径方向の長さL1は、タイヤ外側領域1bのタイヤ半径方向の長さL2の0.8~1.2倍である。これにより、タイヤ走行時、高剛性化されたタイヤ内側領域1a及びタイヤ外側領域1bの間に位置するタイヤ最大幅位置M付近を重点的に撓ませることができ、ビード部4に作用する歪を低減することができる。したがって、本発明のタイヤ1は、優れた耐久性能を有する。前記「タイヤ内側領域1a」は、ビードベースラインBLからビードエーペックスゴム8の外端8eまでの領域である。また、前記「タイヤ外側領域1b」は、トレッド部2のタイヤ半径方向の最外側位置2eからサイドプロテクタ9の内端9iまでの領域である。前記「最外側位置2e」は、トレッド部2のトレッド接地面2aとタイヤ赤道Cとの交点であるが、例えば、タイヤ赤道Cに溝状体(図示省略)が設けられる場合、この溝状体を滑らかに埋めて得られる仮想トレッド接地面とタイヤ赤道Cとの交点を最外側位置2eとする。タイヤ内側領域1aの長さL1をタイヤ外側領域1bの長さ1bをさらに近似させて、耐久性能を高めるために、タイヤ内側領域1aの長さL1は、タイヤ外側領域1bの長さL2の0.9~1.1倍であるのが望ましい。
【0040】
上述の作用を効果的に発揮させるために、タイヤ最大幅位置Mとビードエーペックスゴム8の外端8eとの間のタイヤ半径方向の長さL3は、タイヤ最大幅位置Mとサイドプロテクタ9の内端9iとの間のタイヤ半径方向の長さL4の0.8~1.2倍が望ましい。
【0041】
第1高さ位置h1と第2高さ位置h2との間では、第1カーカスプライ6Aの本体部6aは、単一の曲率半径R1で形成されているのが望ましい。第1高さ位置h1は、タイヤ最大幅位置Mとサイドプロテクタ9の内端9iとの間のタイヤ半径方向の長さL4の2倍をタイヤ最大幅位置Mからタイヤ半径方向外側に離間したタイヤ半径方向位置である。第2高さ位置h2は、タイヤ最大幅位置Mとビードエーペックスゴム8の外端8eとの間のタイヤ半径方向の長さL3の2倍をタイヤ最大幅位置Mからタイヤ半径方向内側に離間したタイヤ半径方向位置である。これにより、重点的に撓ませるタイヤ最大幅位置M付近のカーカスプライ6Aに作用する荷重を均一化できるので、耐久性能をさらに高めることができる。前記「単一の曲率半径」とは、第1高さ位置h1と第2高さ位置h2との間で、第1カーカスプライ6Aの最大の曲率半径R1aと最小の曲率半径R1bとの差(R1a-R1b)が最大の曲率半径R1aの10%以下のものを含む。また、上述の作用を発揮させる観点より、第1高さ位置h1と第2高さ位置h2との間では、第2カーカスプライ6Bの本体部6aは、単一の曲率半径R2で形成されているのが望ましい。
【0042】
図2は、
図1の拡大図である。
図2に示されるように、タイヤ内側領域1aとタイヤ外側領域1bとの間の領域であるタイヤ中間領域1cのタイヤ半径方向の長さL5は、タイヤ断面高さHの5%~25%であるのが望ましい。タイヤ中間領域1cの長さL5がタイヤ断面高さHの5%未満の場合、タイヤ内側領域1aの長さL1又はタイヤ外側領域1bの長さL2が大きくなり、これらの質量が増大するので、タイヤ中間領域1cに大きな負荷が作用するおそれがある。タイヤ中間領域1cの長さL5がタイヤ断面高さHの25%を超える場合、タイヤ最大幅位置Mと離間する部分にも撓みが生じ、ビード部4に作用する歪を低減できないおそれがある。このような観点より、タイヤ中間領域1cのタイヤ半径方向の長さL5は、タイヤ断面高さHの10%~20%であるのが、より望ましい。
【0043】
タイヤ最大幅位置Mを重点的に撓ませるために、タイヤ中間領域1cのタイヤ半径方向の中央にタイヤ最大幅位置Mが位置するのが望ましい。前記「中央」は、タイヤ中間領域1cのタイヤ半径方向の中間位置1iからタイヤ半径方向の内外にタイヤ中間領域1cの長さL5の10%以内の範囲をいう。
【0044】
タイヤ中間領域1cは、最大厚さdaと最小厚さdbとの差が最大厚さdaの15%以下であるのが望ましい。このようなタイヤ中間領域1cは、そのタイヤ半径方向の内外において、剛性段差が小さく形成されるので、タイヤ最大幅位置M付近の撓みの発生を確保することができる。上述の作用をより効果的に発揮させるために、最大厚さdaと最小厚さdbとの差は、最大厚さdaの10%以下がより望ましく、5%以下がさらに望ましい。
【0045】
本実施形態のビードエーペックスゴム8は、本体エーペックス11と外貼りエーペックス12とを含んでいる。本体エーペックス11は、例えば、ビードコア5のタイヤ半径方向の外面5aからタイヤ半径方向外側に延びている。外貼りエーペックス12は、例えば、本体エーペックス11よりもタイヤ軸方向外側に配されている。
【0046】
本体エーペックス11は、本実施形態では、両カーカスプライ6A、6Bの各本体部6aと各折返し部6bとの間に挟まれている。外貼りエーペックス12は、本実施形態では、各折返し部6bのタイヤ軸方向外側に配されている。外貼りエーペックス12は、折返し部6bのタイヤ軸方向の外側への過度の倒れ込みを抑制して耐久性能を高く維持する。このように、本実施形態の両カーカスプライ6A、6Bは、本体エーペックス11と外貼りエーペックス12との間に延びている。
【0047】
外貼りエーペックス12のタイヤ半径方向の外端12eは、例えば、本体エーペックス11のタイヤ半径方向の外端11eよりもタイヤ半径方向の外側に位置している。このような外貼りエーペックス12は、上述の作用を効果的に発揮する。
【0048】
外貼りエーペックス12の複素弾性率E1*は、15~39MPaであるのが望ましい。本体エーペックス11の複素弾性率E2*は、特に限定されるものではないが、外貼りエーペックス12の複素弾性率E1*と等しいのが望ましい。本明細書では、複素弾性率E*は、JIS-K6394の規定に準拠して、次に示される条件で(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用いて測定した値である。
初期歪:10%
振幅:±2%
周波数:10Hz
変形モード:引張
温度:70℃
【0049】
外貼りエーペックス12は、例えば、タイヤ軸方向の厚さt1がタイヤ半径方向の外側へ向かって漸増する第1部分12Aと、第1部分12Aに連なり、かつ、前記厚さt1がタイヤ半径方向の外側へ向かって漸減する第2部分12Bとを含んで形成されている。第1部分12Aは、本実施形態では、折返し部6bの内側部分6iと接している。第2部分12Bは、本実施形態では、折返し部6bの外側部分6eと接している。
【0050】
外貼りエーペックス12のタイヤ半径方向の内端12iは、例えば、ビードコア5の外面5aよりもタイヤ半径方向の外側に位置している。また、外貼りエーペックス12の内端12iは、本実施形態では、本体エーペックス11の外端11eよりもタイヤ半径方向の内側に位置している。このような外貼りエーペックス12は、タイヤ半径方向の内外に亘ってビード部4の剛性段差を小さくする。
【0051】
本体エーペックス11は、本実施形態では、ビードコア5の外面5aからタイヤ半径方向外側へタイヤ軸方向の厚さt2が漸減する断面略三角形状で形成されている。本体エーペックス11の外端11eは、折返し部6bの内側部分6iのタイヤ半径方向の外端近傍に配されている。
【0052】
図3は、
図1の拡大図である。
図3に示されるように、サイドプロテクタ9は、例えば、隆起高さhが3~7mmであるのが望ましい。隆起高さhが3mm未満の場合、サイドプロテクタ9の剛性が小さくなり、タイヤ最大幅位置Mを重点的に撓ませれないおそれがある。隆起高さhが7mmを超える場合、ゴム容積が大きくなり、サイドプロテクタ9が走行時に大きく発熱して、耐久性能や転がり抵抗性能が悪化するおそれがある。前記「隆起高さh」は、輪郭線Sに対する法線方向の長さである。
【0053】
サイドプロテクタ9は、特に限定された形状を有するものではなく、種々の態様を取り得る。また、サイドプロテクタ9は、本実施形態では、サイドウォールゴム3Gと同じゴムで形成されている。サイドウォールゴム3Gの複素弾性率E3*は、3.5~9.5MPaであるのが望ましい。
【0054】
サイドプロテクタ9のタイヤ半径方向の外端9eは、本実施形態では、ベルト層7をタイヤ軸方向外側へ滑らかに延長させた延長線kよりもタイヤ半径方向の内側に位置している。発明者らは、走行時、ベルト層7のタイヤ軸方向の外端7e付近が大きく発熱することを突き止めた。このため、サイドプロテクタ9の外端9eを上述の位置とすることにより、走行時のベルト層7の外端7e付近の熱が、サイドプロテクタ9に伝達することを避けることができるので、耐久性能や転がり抵抗性能の悪化が抑制される。「延長線k」は、本明細書では、タイヤ半径方向の最も内側に配されたベルトプライ、本実施形態では、内側ベルトプライ7Aの中心線7cを滑らかに延長させて形成される。
【0055】
上述の作用を効果的に発揮させるために、延長線kと輪郭線Sとの交点k1と、サイドプロテクタ9の外端9e との間のタイヤ半径方向の距離L6は、例えば、タイヤ断面高さHの2%以上が望ましい。距離L6が大きくなると、サイドプロテクタ9による耐カット性能の向上が望めなくなる。このため、距離L6は、タイヤ断面高さHの10%以下が望ましい。
【0056】
カーカス6の折返し部6bの外端6oとビードベースラインBLとの間のタイヤ半径方向の距離Laは、タイヤ断面高さHの50%以上であるのが望ましい。これにより、タイヤ中間領域1cの剛性が適度に高く維持されるので、優れた耐久性能が発揮される。本実施形態では、第1カーカスプライ6Aの折返し部6bの外端6sとビードベースラインBLとの間のタイヤ半径方向の距離Laが、タイヤ断面高さHの50%以上とされている。なお、第2カーカスプライ6Bの折返し部6bの外端6tとビードベースラインBLとの間のタイヤ半径方向の距離Lbが、タイヤ断面高さHの50%以上とされていても良い。
【0057】
第1カーカスプライ6Aの折返し部6bの外端6sと第2カーカスプライ6Bの折返し部6bの外端6tとは、例えば、タイヤ半径方向に離間している。これにより、サイドウォール部3の剛性段差が小さく維持されるので、耐久性能が高められる。
【0058】
第1カーカスプライ6Aの外端6sと第2カーカスプライ6Bの外端6tとは、本実施形態では、タイヤ最大幅位置Mを挟んでタイヤ半径方向の内外に離間している。これにより、さらに、タイヤ最大幅位置Mで撓ませることができる。第2カーカスプライ6Bの外端6tは、本実施形態では、タイヤ最大幅位置Mよりもタイヤ半径方向内側に位置している。また、第1カーカスプライ6Aの外端6s及び第2カーカスプライ6Bの外端6tは、本実施形態では、タイヤ中間領域1cに配されている。
【0059】
上述の作用を効果的に発揮させるために、第1カーカスプライ6Aの外端6sと第2カーカスプライ6Bの外端6tとの間のタイヤ半径方向の距離Lcは、15mm以上であるのが望ましい。これにより、タイヤ中間領域1cの剛性段差の低減が維持される。距離Lcが大きくなりすぎると、ビード部4の剛性が小さく、又は、サイドウォール部3のサイドプロテクタ9が配された領域の剛性が大きくなり、タイヤ内側領域1aとタイヤ外側領域1bとの剛性バランスが低化して、耐久性能が悪化するおそれがある。このため、距離Lcは、25mm以下であるのが望ましい。
【0060】
図2に示されるように、本実施形態のビード部4には、リムズレ防止用のチェーファゴム20と、ビード部4の剛性を高めるための補強ゴム層21とが配される。
【0061】
チェーファゴム20は、例えば厚さ0.5~1.5mm程度の薄いシート状で形成される。チェーファゴム20は、例えば、複素弾性率E*3が4~10MPaの耐摩耗性に優れる硬質のゴムから形成される。チェーファゴム20は、ゴムのみで形成することもできるが、ゴム中に例えばキャンバス布や有機繊維のコード配列体を埋設して補強し、耐摩耗性をより高めることもできる。
【0062】
チェーファゴム20は、本実施形態では、基部20Aと外片部20Bと内片部20Cとを含んで形成されている。基部20Aは、本実施形態では、リムのリムシート面(図示省略)と接触しタイヤ軸方向に延びている。外片部20Bは、本実施形態では、基部20Aのタイヤ軸方向外端に連なってタイヤ半径方向外側に延び、折返し部6bと外貼りエーペックス12との間に挟まれて終端している。内片部20Cは、本実施形態では、基部20Aのタイヤ軸方向内端に連なりタイヤ内腔面に沿ってタイヤ半径方向外側に延びて終端している。
【0063】
外片部20Bは、本実施形態では、内側部分6iと第1部分12Aとに挟まれて、本体エーペックス11の外端11eよりもタイヤ半径方向内側で終端している。このような外片部20Bは、タイヤ内側領域1aの剛性の過度の増加を抑制して、走行時の歪をタイヤ最大幅位置M近傍に集中させている。
【0064】
補強ゴム層21は、本実施形態では、本体エーペックス11に連なってタイヤ半径方向の外側へ延びている。補強ゴム層21は、例えば、各本体部6aと各折返し部6bとの間に挟まれている。補強ゴム層21のタイヤ半径方向の外端21eは、外貼りエーペックス12の外端12eよりもタイヤ半径方向の内側に位置している。
【0065】
補強ゴム層21は、本実施形態では、複素弾性率E*4が25~85MPaで形成されている。補強ゴム層21は、例えば、厚さt4が0.5~3.0mmの範囲で形成されている。
【0066】
以上、本発明の一実施形態のタイヤが詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施され得る。
【実施例】
【0067】
図1の基本構造を有する空気入りタイヤが、表1の仕様に基づき試作され、各試供タイヤの耐久性能、耐カット性能、外観性能及び転がり抵抗性能がテストされた。各試供タイヤの共通仕様やテスト方法は、以下の通りである。
タイヤサイズ:275/65R16
リム:18×7.5J
内圧:240kPa
タイヤ最大幅位置のビードベースラインからのタイヤ半径方向の高さ:0.5×タイヤ断面高さH
【0068】
<耐久性能>
ドラム耐久試験機を用い、下記の条件にてタイヤを走行させた。そして、サイドウォール部やビード部に損傷が発生するまでの走行距離に基づき、比較例1を100とする指数で評価した。数値の大きい方が良好である。
速度:60km/h
荷重:14.35kN
【0069】
<耐カット性能>
各試供タイヤが、排気量2500ccの乗用車の全輪に装着された。そして、テストドライバーが、上記車両を岩や瓦礫等を含む岩場路面のテストコースを約500km走行した後、サイドウォール部に生じたカット傷の深さ及びカット傷の長さに基づいて総合的に評価した。結果は、比較例1を100とする評点で表示されている。数値が大きいほど耐カット性能が良好である。
【0070】
<外観性能>
テスターがタイヤのサイドウォール部を目視検査し、官能により外観性能を評価した。結果は、比較例1の値を100とする評点で表示されている。数値が大きい程、サイドプロテクタにアグレッシブさが認められたものであり良好である。
【0071】
<転がり抵抗性能>
転がり抵抗試験機を用い、下記の条件で転がり抵抗が測定された。評価は、比較例1の値を100とする指数で表示されている。数値が小さい程、転がり抵抗が小さく良好である。
速度:80km/h
荷重:14.35kN
【0072】
【0073】
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例のタイヤよりも耐久性能が優れていることが確認できる。
【符号の説明】
【0074】
1 空気入りタイヤ
1a タイヤ内側領域
1b タイヤ外側領域
2 トレッド部
2e 最外側位置
3 サイドウォール部
4 ビード部
8 ビードエーペックスゴム
8e 外端
9 サイドプロテクタ
9i 内端
BL ビードベースライン
M タイヤ最大幅位置