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  • 特許-蒸気生成装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】蒸気生成装置
(51)【国際特許分類】
   F22B 37/34 20060101AFI20221213BHJP
   F22D 11/00 20060101ALI20221213BHJP
   F22D 1/18 20060101ALI20221213BHJP
   F22B 1/08 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
F22B37/34
F22D11/00 K
F22D1/18
F22B1/08
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018235144
(22)【出願日】2018-12-17
(65)【公開番号】P2020098037
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大西 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】安嶋 賢哲
(72)【発明者】
【氏名】横山 康弘
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-089606(JP,A)
【文献】国際公開第2015/064347(WO,A1)
【文献】特開2017-078521(JP,A)
【文献】特開2011-112247(JP,A)
【文献】特開2017-044377(JP,A)
【文献】米国特許第04911107(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 37/34
F22D 11/00
F22D 1/18
F22B 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環流路中に貯留部及び加熱部を設け、前記貯留部の下方部から前記加熱部の下方部に至る下方循環流路部を通じて前記貯留部の被加熱水を前記加熱部に供給するとともに、前記加熱部で生成された蒸気を前記加熱部の上方部から前記貯留部の上方部に至る上方循環流路部を通じて前記貯留部に送出する蒸気生成装置であって、
前記下方循環流路部には、下流に向けて上方に向かう立ち上がり部と、前記立ち上がり部から水平に延在する水平部と、前記水平部から下方に向かう立ち下がり部とを有したトラップ流路が設けられ、前記トラップ流路の前記立ち上がり部から前記加熱部に至る間に給水流路が接続されていることを特徴とする蒸気生成装置。
【請求項2】
前記給水流路は前記立ち上がり部の途中となる部位に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の蒸気生成装置。
【請求項3】
前記貯留部は、前記上方循環流路部との接続部よりも上方となる部位に蒸気の送出流路が接続された水蒸気分離器であることを特徴とする請求項1に記載の蒸気生成装置。
【請求項4】
蒸発器、圧縮機、凝縮器及び膨張機構の間に順次冷媒が循環流通されるヒートポンプ部を備え、前記凝縮器を前記加熱部として被加熱水の加熱を行うことを特徴とする請求項1に記載の蒸気生成装置。
【請求項5】
前記ヒートポンプ部は、前記凝縮器と前記膨張機構との間に過冷却器を備え、前記給水流路は前記過冷却器において冷媒との熱交換を行った後の被加熱水を前記下方循環流路部に供給することを特徴とする請求項4に記載の蒸気生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、循環流路中に貯留部及び加熱部を設け、サーモサイフォン現象を利用して貯留部の被加熱水を加熱部に供給するとともに加熱部で生成された蒸気を貯留部に送出する蒸気生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の蒸気生成装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが提供されている。特許文献1に記載された蒸気生成装置では、循環流路中に貯留部として水蒸気分離器が配設され、加熱部としてヒートポンプ部の凝縮器が配設されている。水蒸気分離器の下方部から凝縮器の下方部に至る下方循環流路部には、循環流路中に給水を行う給水流路が接続されている。この蒸気生成装置では、サーモサイフォン現象を利用して水蒸気分離器の被加熱水が凝縮器に供給されることになる。従って、循環ポンプ等の駆動源が不要となる等の利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-44377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の蒸気生成装置では、給水流路を通じて下方循環流路部に空気が混入すると、気泡となって水蒸気分離器に到達することになる。つまり、下方循環流路部に混入した空気は、サーモサイフォン現象による被加熱水の循環方向とは逆向きに移動して水蒸気分離器に至るため、被加熱水の循環効率が低下し、ひいては蒸気の生成効率に影響を与えるおそれがある。特に、給水流路に過冷却器が設けられている場合、ヒートポンプ部の運転状況によっては過冷却器において被加熱水が沸騰する事態が生じ得るため、上述の問題を如何に解決するかが重要な課題となる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、給水流路を通じて下方循環流路部に空気が混入した場合にも被加熱水の循環効率が低下する事態を防止することのできる蒸気生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る蒸気生成装置は、循環流路中に貯留部及び加熱部を設け、前記貯留部の下方部から前記加熱部の下方部に至る下方循環流路部を通じて前記貯留部の被加熱水を前記加熱部に供給するとともに、前記加熱部で生成された蒸気を前記加熱部の上方部から前記貯留部の上方部に至る上方循環流路部を通じて前記貯留部に送出する蒸気生成装置であって、前記下方循環流路部には、下流に向けて上方に向かう立ち上がり部が設けられ、前記下方循環流路部において前記立ち上がり部から前記加熱部に至る間に給水流路が接続されていることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上述した蒸気生成装置において、前記給水流路は前記立ち上がり部の途中となる部位に接続されていることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上述した蒸気生成装置において、前記下方循環流路部には、前記加熱部との接続部よりも低い位置を通過する下方通過部が設けられ、前記下方通過部の下流端部に前記立ち上がり部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上述した蒸気生成装置において、前記貯留部は、前記上方循環流路部との接続部よりも上方となる部位に蒸気の送出流路が接続された水蒸気分離器であることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上述した蒸気生成装置において、蒸発器、圧縮機、凝縮器及び膨張機構の間に順次冷媒が循環流通されるヒートポンプ部を備え、前記凝縮器を前記加熱部として被加熱水の加熱を行うことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上述した蒸気生成装置において、前記ヒートポンプ部は、前記凝縮器と前記膨張機構との間に過冷却器を備え、前記給水流路は前記過冷却器において冷媒との熱交換を行った後の被加熱水を前記下方循環流路部に供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、下方循環流路部において立ち上がり部から加熱部に至る間に給水流路を接続しているため、給水流路を通じて下方循環流路部に空気が混入したとしても、混入した空気が立ち上がり部を超えて下方循環流路部を逆流することがない。従って、被加熱水の循環効率が低下するおそれがなくなり、蒸気の生成効率を維持することができる等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施の形態である蒸気生成装置の構成を示す図である。
図2図2は、図1に示した蒸気生成装置の要部構成を模式的に示す図である。
図3図3は、本発明の変形例である蒸気生成装置の要部構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る蒸気生成装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0015】
図1及び図2は、本発明の実施の形態である蒸気生成装置の構成を示すものである。ここで例示する蒸気生成装置は、排温水流路1を流通する工場排水等の熱源水から排熱を回収し、回収した排熱を利用して蒸気を生成するものである。なお、図1及び図2においては、紙面の下方が重力方向となっている。
【0016】
図1及び図2に示すように、蒸気生成装置は、蒸気生成部A及びヒートポンプ部Bを備えている。蒸気生成部Aは、蒸気を生成するための被加熱水を流通するもので、水蒸気分離器(貯留部)10、送出流路11及び循環流路12を備えている。水蒸気分離器10は、鉛直方向に沿った円筒状を成す容器によって構成したものである。送出流路11は、図示せぬ外部の蒸気利用設備との間を連通するための管路であり、水蒸気分離器10の上端に接続してある。この送出流路11には、送出弁13が設けてある。送出弁13は、送出流路11の圧力を調整することのできる圧力調整弁である。循環流路12は、一端が水蒸気分離器10の下端に接続し、他端が水蒸気分離器10の上部周面に接続したものである。
【0017】
ヒートポンプ部Bは、冷媒循環流路20において冷媒を循環することにより、排温水流路1を流通する熱源水の熱を蒸気生成部Aの被加熱水に伝達するものである。本実施の形態では、冷媒循環流路20に蒸発器21、圧縮機22、凝縮器(加熱部)23、過冷却器24、膨張機構25を設けてヒートポンプ部Bを構成している。蒸発器21は、排温水流路1において流通される熱源水との間で熱交換を行うことにより、流通する冷媒を蒸発させるものである。圧縮機22は、蒸発器21を通過した後の冷媒を圧縮するものである。凝縮器23は、圧縮機22から吐出された冷媒と、循環流路12を流通する被加熱水との間で熱交換を行うものである。過冷却器24は、凝縮器23と膨張機構25との間に設けた熱交換器である。膨張機構25は、過冷却器24を通過した後の冷媒を減圧するものである。本実施の形態では、膨張機構25として、与えられた指令に応じて開度を変更することのできる電子膨張弁を適用している。
【0018】
図2からも明らかなように、凝縮器23は、水蒸気分離器10よりも高さ方向で低位置となる部位に設置してある。より具体的に説明すると、凝縮器23は、被加熱水の吐出口23aが、水蒸気分離器10に貯留された被加熱水の水位W1よりも低位置となるように、水蒸気分離器10との高さ方向の位置が規定された状態で設置してある。これにより、蒸気生成部Aにおいては、水蒸気分離器10の水位W1と、凝縮器23の水位W2との間に水位差が形成され、サーモサイフォン現象により、別途循環ポンプを要することなく、水蒸気分離器10の被加熱水を凝縮器23に循環させることが可能である。
【0019】
この蒸気生成装置では、循環流路12において水蒸気分離器10から凝縮器23に至る下方循環流路部12aに下方通過部12aAが設けてある。下方通過部12aAは、図2に示すように、下方循環流路部12aにおいて下方循環流路部12aと凝縮器23との接続部23bよりも低い位置を通過する部分であり、その下流端部に立ち上がり部12aA1を有している。立ち上がり部12aA1は、鉛直上方に向けて延在する部分である。より詳細に説明すると、下方通過部12aAにおいてほぼ水平に延在する部分12aA2は、立ち上がり部12aA1に含まれない。立ち上がり部12aA1は、水平に延在する部分12aA2よりも上方において鉛直上方に延在する部分である。立ち上がり部12aA1の上端部は、水平通路部12aA3を介して接続部23bに接続してある。上記のように構成した下方循環流路部12aには、立ち上がり部12aA1から凝縮器23の接続部23bまでの間に下流に向けて低くなる部分が設けられていない。
【0020】
この立ち上がり部12aA1の途中となる部位は、給水流路30が接続してある。給水流路30は、外部の給水源から循環流路12に被加熱水を供給するものである。図1に示すように、本実施の形態では、ヒートポンプ部Bに設けた過冷却器24において熱交換した後の被加熱水を下方循環流路部12aの立ち上がり部12aA1に供給するように給水流路30が設けてある。
【0021】
上記のように構成した蒸気生成装置では、循環流路12に被加熱水が貯留された状態で圧縮機22が運転されると、ヒートポンプ部Bにおいて高圧の気相冷媒が凝縮器23に供給され、この気相冷媒と凝縮器23の被加熱水との間において熱交換が行われる。この結果、被加熱水が加熱されて気液二相となるとともに、気相の冷媒が凝縮されて液相の冷媒となる。加熱された気液二相の被加熱水は、凝縮器23と水蒸気分離器10との間の上方循環流路部12bを通じて水蒸気分離器10に吐出され、水蒸気分離器10において重力により液相部分と気相部分とに分離される。分離後の液相部分は、水蒸気分離器10の下方部に貯留され、再び下方循環流路部12aを通じて凝縮器23に供給される。一方、被加熱水から生成された気相部分、つまり蒸気は、水蒸気分離器10において上方部に貯留された状態となる。従って、送出弁13を適宜開閉すれば、送出流路11を通じて蒸気利用設備に蒸気を供給することができる。
【0022】
凝縮器23を通過した高圧の液相冷媒は、過冷却器24を通過する際に給水流路30を通過する被加熱水との間において熱交換され、さらに膨張機構25において減圧された後、蒸発器21に供給される。蒸発器21に供給された低圧冷媒は、熱源水との間の熱交換により蒸発し、圧縮機22に供給される。
【0023】
以降、この蒸気生成装置では、ヒートポンプ部Bにおいて冷媒が循環することにより、排温水流路1を流通する熱源水の熱が、蒸気生成部Aの循環流路12を流通する被加熱水に伝達され、被加熱水から順次蒸気が生成されることになる。
【0024】
この間、蒸気生成部Aの循環流路12には、給水ポンプ31の駆動により、過冷却器24を通過した後の被加熱水が給水流路30を通じて供給される。ここで、ヒートポンプ部Bの運転状況によっては、過冷却器24において被加熱水が沸騰し、給水流路30から循環流路12に供給される被加熱水に気泡が混入している場合がある。また、過冷却器24において被加熱水が沸騰しない状況であっても、外部の給水源から供給される被加熱水に気泡が混入している場合もある。このため、循環流路12において循環している被加熱水には、給水流路30から気泡が混入事態が生じ得る。
【0025】
しかしながら、上述の蒸気生成装置によれば、下方循環流路部12aに立ち上がり部12aA1を設け、この立ち上がり部12aA1の途中となる部位に給水流路30が接続してある。従って、給水流路30から下方循環流路部12aに混入した気泡は、立ち上がり部12aA1を上方に向けて移動するため、換言すれば、被加熱水の循環方向に対して順方向に移動するため、被加熱水の循環効率が低下するおそれがなくなり、蒸気の生成効率に影響を与えることがない。
【0026】
なお、上述した実施の形態では、ヒートポンプ部Bの凝縮器23を加熱部としたヒートポンプ式の蒸気生成装置を例示しているが、必ずしもヒートポンプ部Bの凝縮器23を加熱部とする必要はなく、ヒータ等のその他の加熱部を適用することも可能である。また、ヒートポンプ部Bを備える蒸気生成装置において上述した実施の形態では過冷却器24を通過した被加熱水を循環流路12に供給するようにしているが、必ずしもヒートポンプ部Bが過冷却器24を備えている必要はなく、また給水流路30が過冷却器24において熱交換(予熱)する必要もない。さらに、貯留部として液層及び気相が貯留される水蒸気分離器10を例示しているが、水蒸気分離器10によって分離した液相を貯留する貯留部が別個に設けられていても構わない。
【0027】
またさらに、上述した実施の形態では、下方循環流路部12aが、下方循環流路部12aと凝縮器23との接続部23bよりも低い位置を通過する下方通過部12aAを有するものを例示しているが、本発明は下方循環流路部12aが必ずしも下方通過部12aAを有している必要はない。例えば、図3に示す変形例のように、下方循環流路部12aの途中にトラップ流路12aBを設けるようにすれば、下方循環流路部12aに下方通過部12aAを設ける必要がなくなる。
【0028】
すなわち、図3に示す変形例の下方循環流路部12aは、水蒸気分離器10の下端から下方に向けて延在した後、凝縮器23との接続部23bと略同じ高さでほぼ水平に延在して凝縮器23に接続してあり、凝縮器23との接続部23bよりも下方を通過する部分が存在していない。この下方循環流路部12aの水平に延在する部分12a1には、鉛直上方に向けて延在する立ち上がり部12aB1、ほぼ水平に延在する水平部12aB2及び鉛直下方に向けて延在する立ち下がり部12aB3を有したトラップ流路12aBが設けてある。トラップ流路12aBの立ち上がり部12aB1には、途中となる部位に給水流路30が接続してある。図3においても、紙面の下方が重力方向となっている。また、変形例において実施の形態と同様の構成には同一の符号が付してある。
【0029】
この変形例の蒸気生成装置によれば、給水流路30から下方循環流路部12aに混入した気泡が、立ち上がり部12aB1を上方に向けて移動するため、被加熱水の循環効率が低下するおそれがなくなり、蒸気の生成効率に影響を与えることがない。しかも、この変形例によれば、凝縮器23の接続部23bよりも下方となる部位に下方循環流路部12aを設ける必要がないため、サーモサイフォン現象の効率を向上させることができるという利点もある。つまり、蒸気生成装置において凝縮器23を最下位となる部位に配置することができ、水蒸気分離器10の水位W1と、凝縮器23の水位W2との間により大きな水位差を確保することがかのうとなるため、サーモサイフォン現象の効率が向上する。なお、この変形例においては、混入した気泡が水平部12aB2に貯留することになるため、水平部12aB2に排気弁(図示せず)を設ける等して貯留した気泡を外部に排出するようにしても良い。
【0030】
なお、上述した実施の形態及び変形例では、立ち上がり部12aA1,12aB1の途中となる部位に給水流路30が接続してあるため、混入した気泡が被加熱水の循環方向に対して順方向に移動し、被加熱水の循環効率が低下する事態を招来することがないが、立ち上がり部12aA1,12aB1と加熱部との間であれば、必ずしも立ち上がり部12aA1,12aB1の途中となる部位に給水流路30を接続する必要はない。例えば、図3の変形例に示した下方循環流路部12aでは、トラップ流路12aBにおいて水平部12aB2の途中や立ち下がり部12aB3の途中となる部位に給水流路30を接続するようにしても同様の作用効果を奏することが可能である。なお、立ち下がり部12aB3の途中となる部位に給水流路30を接続した場合、水平部12aB2に至るまでの間においては気泡が被加熱水の循環方向に対して逆向きに移動することになる。しかしながら、気泡が逆向きに移動する経路はごく短いものであり、給水流路30から水蒸気分離器10までの長い経路を気泡が逆流する事態は防止することができるため、被加熱水の循環効率が大きく損なわれるおそれがなくなる。
【0031】
また、上述した実施の形態及び変形例では、立ち上がり部12aA1,12aB1よりも下流側に立ち上がり部12aA1,12aB1よりも高位となる部分が存在しない下方循環流路部12aを例示しているが、立ち上がり部よりも下流側にさらに高位となる部分を設けるようにしても構わない。
【符号の説明】
【0032】
10 水蒸気分離器
11 送出流路
12 循環流路
12a 下方循環流路部
12aA 下方通過部
12aA1 立ち上がり部
12aB1 立ち上がり部
12b 上方循環流路部
21 蒸発器
22 圧縮機
23 凝縮器
23b 接続部
24 過冷却器
25 膨張機構
30 給水流路
B ヒートポンプ部
図1
図2
図3