(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】電流センサ
(51)【国際特許分類】
G01R 15/20 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
G01R15/20 C
G01R15/20 D
(21)【出願番号】P 2018237561
(22)【出願日】2018-12-19
【審査請求日】2021-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 達也
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-071615(JP,A)
【文献】特開2003-315377(JP,A)
【文献】国際公開第2017/199626(WO,A1)
【文献】特開2011-075536(JP,A)
【文献】実開昭62-003077(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/00-17/22
G01R 19/00-19/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出面に進入する磁束の磁束密度を検出する磁気検出素子と、
前記磁気検出素子を囲むように互いに均等配置されると共に、前記検出面と平行な面方向に沿って延出し、測定対象の電流の通電に応じて前記磁束を発生させる3本の導体と、
前記3本の導体の延出方向視において、互いに隣接する2つの導体の端部の夫々の間側から、前記磁気検出素子に近づくにつれて次第に広くなる開口部分を有するように前記磁気検出素子側に向けて延出し、前記磁気検出素子を囲むように配置される3つのヨーク部材と、
を備える電流センサ。
【請求項2】
前記3つのヨーク部材の夫々は、互いに前記開口部分を形成する第1ヨーク部分と第2ヨーク部分とを有し、前記第1ヨーク部分と前記第2ヨーク部分とは前記互いに隣接する2つの導体の端部の間側において互いに接続されている請求項1に記載の電流センサ。
【請求項3】
前記3つのヨーク部材の夫々は、前記延出方向視がV字状である請求項1又は2に記載の電流センサ。
【請求項4】
前記3本の導体と前記3つのヨーク部材とは、前記延出方向視において前記磁気検出素子を中心に互いに対称配置されている請求項1から3のいずれか一項に記載の電流センサ。
【請求項5】
前記3本の導体は夫々、平板状に構成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の電流センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導体を流れる電流の電流値を検出する電流センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気機器が広く利用されている。このような電気機器を適切に制御する上で、電気機器に流れる電流の電流値を測定することは重要である。例えば電気機器の導体を流れる電流の電流値を直接、電流計で測定する場合には、電流計を導体に対して直列に接続する必要があるが、構造上、直列に接続できない場合がある。係る場合、導体の周囲に生じる磁束の磁束密度を検出し、この磁束密度に基づき電流値を算定する手法が利用される。この種の技術として、下記に出典を示す特許文献1及び2に記載のものがある。
【0003】
特許文献1には、複数本のバスバーに流れる電流を検出する電流検出装置が記載されている。この電流検出装置は、互いに隣り合う2つのバスバーを流れる電流によって生じる磁場ベクトルを検出し、当該磁場ベクトルに基づき互いに隣り合う2つのバスバーを流れる交流電流の値を検知する磁気センサを備え、この磁気センサは、磁場ベクトルの向きにより示される回転磁場を検出する回転磁場検出素子と、磁場ベクトルの長さにより示される磁場強度を検出する磁場強度検出素子とを有する。磁気センサは隣り合う2つのバスバー間を結ぶ線分の垂直2等分線上の位置であって、2つのバスバー間を結ぶ線分に対して45度をなす位置に設置される。
【0004】
特許文献2には、3相交流用電流計が記載されている。この3相交流用電流計は、3相交流が流れる互いに平行かつ相互間の距離が等しい3本の導通路と、当該3本の導通路に垂直な仮想面内において3本の導通路の各々から等しい距離にある特定点で直交2方向に配置された2つのMIセンサとを備えて構成され、この2つのMIセンサからの出力に基づき3相交流の電流値を算定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-075536号公報
【文献】特開2003-315377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載される技術は、精度良く電流値を検出するにあたり、高感度の磁気検出素子が必要となる。また、外乱磁界の影響を受け易く、外乱磁界の影響を低減するシールドを設ける等の対策を要し、コストアップ及びサイズアップの要因となる。特許文献2に記載の技術は、例えば3本の導通路から生じる磁束の磁束密度が小さいため、高性能なMIセンサを2つも必要とし、コストアップの要因となる。更には、MIセンサは使用環境が制限され、使用用途が限定される。
【0007】
そこで、安価な構成で、導体に流れる電流の電流値を精度良く検出することが可能な電流センサが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電流センサの特徴構成は、検出面に進入する磁束の磁束密度を検出する磁気検出素子と、前記磁気検出素子を囲むように互いに均等配置されると共に、前記検出面と平行な面方向に沿って延出し、測定対象の電流の通電に応じて前記磁束を発生させる3本の導体と、前記3本の導体の延出方向視において、互いに隣接する2つの導体の端部の夫々の間側から、前記磁気検出素子に近づくにつれて次第に広くなる開口部分を有するように前記磁気検出素子側に向けて延出し、前記磁気検出素子を囲むように配置される3つのヨーク部材と、を備えている点にある。
【0009】
このような特徴構成とすれば、導体の夫々の周囲に生じる磁束をヨーク部材で集磁し、集磁した磁束を磁気検出素子に集約させることができるので、磁気検出素子で当該磁束に係る磁束密度を検出し易くできる。したがって、この磁束密度に基づき、3本の導体を流れる電流の夫々の電流値を精度良く演算することが可能となる。また、安価な1つの磁束検出素子を利用して磁束密度を検出することができるので、低コスト、且つ、小型化に優れた電流センサを実現できる。
【0010】
また、前記3つのヨーク部材の夫々は、互いに前記開口部分を形成する第1ヨーク部分と第2ヨーク部分とを有し、前記第1ヨーク部分と前記第2ヨーク部分とは前記互いに隣接する2つの導体の端部の間側において互いに接続されていると好適である。
【0011】
このような構成とすれば、ヨーク部材を2つの導体の間に精度良く位置決めして設置することができる。したがって、精度良く磁束密度を検出し、電流値を演算することが可能となる。
【0012】
また、前記3つのヨーク部材の夫々は、前記延出方向視がV字状であると好適である。
【0013】
このような構成とすれば、夫々の導体に対するヨーク部材の位置決め精度を高めることができる。したがって、ヨーク部材による位置ずれに起因した検出誤差を低減することができるので、精度良く磁束密度を検出でき、電流値を演算することが可能となる。
【0014】
また、前記3本の導体と前記3つのヨーク部材とは、前記延出方向視において前記磁気検出素子を中心に互いに対称配置されていると好適である。
【0015】
このような構成とすれば、互いに隣接する導体とヨーク部材との間隔を互いに等しくできるので、電流値の演算に導体とヨーク部材との間隔を考慮する必要がない。したがって、電流値の演算処理に係る負荷を低減できる。
【0016】
また、前記3本の導体は夫々、平板状に構成されていると好適である。
【0017】
このような構成とすれば、導体とヨーク部材との間隔を短くすることができるので、ヨーク部材が集磁する磁束の磁束密度を高めることができる。したがって、精度良く電流値を演算することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図6】その他の実施形態に係る電流センサの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る電流センサは、安価な構成で、3本の導体に流れる電流の夫々の電流値を精度良く検出できるように構成される。ここで、導体に電流が流れる場合には、当該電流の大きさに応じて導体を軸心として磁界が発生し、当該磁界により磁束が生じる。本電流センサは、このような磁束の密度(磁束密度)を検出し、検出された磁束密度に基づいて導体に流れる電流(電流値)を測定する。以下、本実施形態の電流センサ1について説明する。
【0020】
図1は電流センサ1の要部の斜視図である。
図2は電流センサ1の部分展開断面図である。
図1及び
図2に示されるように、電流センサ1は、磁気検出素子10、導体20、ヨーク部材30を備えて構成される。なお、
図1では
図2に示される樹脂体60は省略されている。
【0021】
磁気検出素子10は、検出面11に進入する磁束の磁束密度を検出する。検出面11とは、磁気検出素子10に内包され、当該磁気検出素子10の検出対象である磁束密度の基となる磁束を検出する面である。以下では理解を容易にするために、検出面11に直交する方向をX方向とし、X方向に直交する方向をY方向及びZ方向とする。したがって、本実施形態では、検出面11は、
図1及び
図2に示されるようにYZ平面に平行な面として設けられる。磁気検出素子10は、このような検出面11を貫通する磁束に基づき磁束密度が検出可能となる。磁気検出素子10は公知のベクトル検知型磁気素子を用いると好適である。より具体的には、集磁膜付きホール素子や、縦型構造ホール素子や、ベクトル検知MR素子を用いることが可能である。
【0022】
導体20は磁気検出素子10の検出面11と平行な面方向に沿って延出するように3本設けられる。検出面11は上述したようにYZ平面に平行な面で構成される。したがって、「検出面11と平行な面方向に沿って延出する」とは、Y方向に沿って延出する、或いはZ方向に沿って延出することを意味する。本実施形態では、3本の導体20はY方向に沿って延出するように設けられる。
【0023】
3本の導体20は磁気検出素子10を囲むように互いに均等配置される。すなわち、3本の導体20は、
図2に示されるような延出方向に直交する断面において、正三角形を呈するように配置され、その重心に磁気検出素子10が位置するように配置される。
【0024】
本実施形態では、3本の導体20は夫々、平板状に構成される。したがって、3本の導体20は、延出方向に直交する断面において、夫々、正三角形の辺を構成するように配置される。
【0025】
3本の導体20には、電流センサ1の測定対象の電流が通電される。これにより、導体20の周囲には磁界が生じ、当該磁界により磁束が発生する。この磁束が上述した磁気検出素子10の検出面11に進入するように配置される。
【0026】
ヨーク部材30は、3本の導体20の延出方向視において、磁気検出素子10を囲むように3つ設けられる。3本の導体20の延出方向とは、本実施形態ではY方向である。ここで、上述したように、磁気検出素子10を囲むように3本の導体20が設けられるが、ヨーク部材30は、電流センサ1をY方向に沿って見て、3本の導体20の夫々と互いに干渉しないように(重複しないように)位置に設けられる。
【0027】
3つのヨーク部材30は、3本の導体20の延出方向視において、互いに隣接する2つの導体20の端部の夫々の間側から、磁気検出素子10に近づくにつれて次第に広くなる開口部分を有するように磁気検出素子10側に向けて延出するように配置される。3本の導体20の延出方向視とはY方向視であり、
図3にはこのようなY方向視の電流センサ1が示される。互いに隣接する2つの導体20の端部の夫々の間側とは、3つの導体20のうちの2つの導体20であって、これら2つの導体20の夫々が有する端部のうち、互いに隣接し合う端部の間である。この端部の間は、3つの導体20により形成される正三角形の頂点に相当する位置に限定されず、頂点から正三角形の重心の側に入り込んだ位置も含まれる。3つのヨーク部材30の夫々は、このような位置から、磁気検出素子10側に向けて延出するように配置される。また、3つのヨーク部材30の夫々は、開口部分を有する形状であって、この開口部分が磁気検出素子10に近づくにつれて次第に広くなるような形状で構成される。
【0028】
図3に示すように、本実施形態では、3つのヨーク部材30の夫々は第1ヨーク部分31と第2ヨーク部分32とを有する。この第1ヨーク部分31と第2ヨーク部分32とで互いに開口部分を形成する。また、本実施形態では、第1ヨーク部分31と第2ヨーク部分32とは、互いに隣接する2つの導体20の端部の間側において互いに接続される。このような第1ヨーク部分31と第2ヨーク部分32とは、一体的に成形されると好適である。
【0029】
特に、本実施形態では、3つのヨーク部材30の夫々は、延出方向視がV字状で形成される。このV字状の頂部、すなわち3つのヨーク部材30の夫々の磁気検出素子10の側とは異なる端部が、導体20により形成される正三角形の頂点と重心とを仮想的に結んだ線上に配置され、且つ、ヨーク部材30の開口部分の中心が当該線上に配置されると好適である。これにより、ヨーク部材30の夫々を、互いに隣接する2つの導体20から等距離の位置に配置することが可能となる。換言すれば、3本の導体20と3つのヨーク部材30とは、延出方向視において磁気検出素子10を中心に互いに対称配置される。
【0030】
以上のように構成することで、導体20に電流が流れることにより導体20の周囲に生じる磁束を互いに隣接する一対のヨーク部材30で集磁し、一対のヨーク部材30の間において磁気検出素子10の検出面11に磁束を貫通させることが可能となる。
【0031】
磁気検出素子10の検出面11に対する磁束の貫通について、貫通
図3を用いて具体的に説明する。理解を容易にするために、3本の導体20を導体21、導体22、導体23とし、3つのヨーク部材30をヨーク部材51、ヨーク部材52、ヨーク部材53とする。例えば導体21に紙面奥側から紙面手前側に向けて電流が流れ、導体22及び導体23に紙面手前側から紙面奥側に向けて電流が流れているとする。
【0032】
係る場合、導体21の周囲には反時計周りの磁束が生じ、導体21からの磁束がヨーク部材51の第2ヨーク部分32に集磁される。第2ヨーク部分32を通った磁束は、ヨーク部材51から放出されるが、この時、磁気検出素子10の検出面11を貫通する。検出面11を貫通した磁束は、ヨーク部材53の第1ヨーク部分31に集磁される。第1ヨーク部分31を通った磁束は、ヨーク部材53から放出され、導体21に戻る。
【0033】
また、導体22の周囲には時計周りの磁束が生じ、導体22からの磁束がヨーク部材51の第1ヨーク部分31に集磁される。第1ヨーク部分31を通った磁束は、ヨーク部材51から放出されるが、この時、磁気検出素子10の検出面11を貫通する。検出面11を貫通した磁束は、ヨーク部材52の第2ヨーク部分32に集磁される。第2ヨーク部分32を通った磁束は、ヨーク部材52から放出され、導体22に戻る。
【0034】
同様に、導体23の周囲には時計周りの磁束が生じ、導体23からの磁束がヨーク部材52の第1ヨーク部分31に集磁される。第1ヨーク部分31を通った磁束は、ヨーク部材52から放出されるが、この時、磁気検出素子10の検出面11を貫通する。検出面11を貫通した磁束は、ヨーク部材53の第2ヨーク部分32に集磁される。第2ヨーク部分32を通った磁束は、ヨーク部材53から放出され、導体23に戻る。
【0035】
以上のように構成し、磁気検出素子10としてベクトル検知型磁気素子を用いることにより、3本の導体20の夫々からの磁束に基づき適切に電流値を検出することが可能となる。
【0036】
図4の(A)には、
図3のように3本の導体20に通電した場合の磁束分布のシミュレーション結果が示される。また、比較のためにヨーク部材30を備えない電流センサ1におけるシミュレーション結果が
図4の(B)に示される。なお、
図4の(A)及び(B)では、磁束の分布を磁束密度の大小で示している。
図4の(A)及び(B)の例では、導体21に400〔A〕の電流を通電し、導体22及び導体23に-200〔A〕の電流を通電している。係る場合、
図4の(B)では3本の導体20により形成される正三角形の重心部に磁束が分布する様子が示され、重心部における磁束密度は約3〔mT〕であった。一方、
図4の(A)では
図4の(B)よりもヨーク部材30により磁束が集磁され、磁気検出素子10の検出面11に磁束が進入している。具体的には、重心部における磁束密度は約60〔mT〕であった。このようにヨーク部材30を設けることで、適切に磁気検出素子10により電流値を検出することが可能となる。
【0037】
ここで、3本の導体20は、常に3本の導体20に電流が流れているとは限らず、3本の導体20のうちの2本のみに電流が流れていることもある。
図5には、導体21に300〔A〕の電流を通電し、導体22に-300〔A〕の電流を通電している。係る場合でも、
図5に示されるように、ヨーク部材30により磁束が集磁され、磁気検出素子10の検出面11に磁束が進入している。このように3本の導体20のうちの2本のみに電流が流れている場合であっても、ヨーク部材30を設けることで、適切に磁気検出素子10により電流値を検出することが可能となる。
【0038】
上述した電流センサ1は、
図2に示されるように、3本の導体20を柱状の樹脂体60の軸方向に沿って貫通するように樹脂成形し、その際、磁気検出素子10及び3つのヨーク部材30を樹脂体60に換装できるように、夫々の形状に合わせた孔部61を形成しておくと良い。更に、導体20にも、磁気検出素子10が導体20の厚さ方向に沿って挿通できるような孔部62を設けておくと良い。なお、電流センサ1では3本の導体20が用いられるが、全ての導体20に孔部62を設けても良いし、磁気検出素子10が挿通される導体20にのみ孔部62を設けても良い。
【0039】
以上のように本電流センサ1は、3つの導体20から互いに等しい距離となる位置に磁気検出素子10が配置されると共に、互いに隣接する2つの導体20の端部から互いに等しい距離の位置にヨーク部材30が配置されるので、磁気検出素子10により3つの導体20に流れる電流(3相電流)に起因する磁束の合成ベクトル検出が可能となる。したがって、1つの磁気検出素子10が検出した3つの導体20に流れる電流(3相電流)の合成磁束のベクトル角度とベクトルの大きさから各相の電流値を検出することが可能となる。
【0040】
また、磁束の合成ベクトルのベクトル角度とベクトルの大きさについては、予めキャリブレーションを行っておくことで夫々の導体20の周囲に生じる磁束の磁束密度を精度良く検出し、これに基づいて各相の電流値を検出することが可能となる。具体的には、例えばベクトルの角度について、所定の1つの導体20を流れる電流の電流値がピークの時に、各相の角度値とベクトルの大きさが一致するようにキャリブレーションを行うと好適である。
【0041】
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、3本の導体20がY方向に沿って延出するように設けられるとして説明したが、
図6に示されるように、3本の導体20がZ方向に沿って延出するように構成することも可能である。係る場合、上記実施形態では磁気検出素子10は3本の導体20の延出方向に直交する方向に沿って樹脂体60に換装したが、
図6の例では樹脂体60に3本の導体20の延出方向に沿って換装すると良い。
【0042】
上記実施形態では、第1ヨーク部分31と第2ヨーク部分32とは互いに隣接する2つの導体20の端部の間側において互いに接続されているとして説明したが、第1ヨーク部分31と第2ヨーク部分32とは互いに隣接する2つの導体20の端部の間側においても互いに離間していても良い。
【0043】
上記実施形態では、3つのヨーク部材30の夫々は延出方向視がV字状であるとして説明したが、3つのヨーク部材30の夫々は延出方向視がV字状以外の形状(例えばU字状)であっても良い。また、第1ヨーク部分31と第2ヨーク部分32とが互いに別部品であり、第1ヨーク部分31と第2ヨーク部分32とを近傍若しくは当接させてヨーク部材30を構成しても良い。
【0044】
上記実施形態では、3本の導体20と3つのヨーク部材30とは、延出方向視において磁気検出素子10を中心に互いに対称配置されているとして説明したが、3本の導体20と3つのヨーク部材30とは、延出方向視において磁気検出素子10を中心に互いに非対称に配置しても良い。
【0045】
上記実施形態では、3本の導体20は夫々、平板状に構成されているとして説明したが、3本の導体20は夫々、円柱状であっても良いし、三角柱状であっても良い。更には、五角形以上の多角形の柱状であっても良い。
【0046】
本発明は、導体を流れる電流の電流値を検出する電流センサに用いることが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1:電流センサ
10:磁気検出素子
11:検出面
20:導体
30:ヨーク部材
31:第1ヨーク部分
32:第2ヨーク部分