(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】耳栓
(51)【国際特許分類】
A61F 11/08 20060101AFI20221213BHJP
A61F 11/10 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
A61F11/08 100
A61F11/10 100
(21)【出願番号】P 2018241109
(22)【出願日】2018-12-25
【審査請求日】2020-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】上村 真史
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0045299(US,A1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0348186(KR,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0031060(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0098885(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 11/08 ― 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔を有し外耳道に挿着可能な本体部と、
前記貫通孔に一端側から移動可能に螺合により挿着された調整部と、を備え、
前記調整部は、
前記貫通孔に挿着される側の先端面から切り込まれ、前記貫通孔に対する第1
の位置において前記貫通孔
内の空間と外部空間とを接続する通気部を有し、
前記螺合による進入位置に応じて前記通気部における前記外部空間と連通する開口部の面積が変わる耳栓。
【請求項2】
前記通気部は、前記調整部の直径方向に延び軸線方向に切り込まれたスリット部である請求項1記載の耳栓。
【請求項3】
前記通気部は、前記調整部の周面において軸方向に延びる溝部である請求項1記載の耳栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耳栓に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、音調整回転板を回転させて通気孔の開閉数を増減することにより、外気と通ずる面積を増減して音量を調整できる耳栓が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された耳栓は、音量の調整を、音調整回転板を回転させることで行うため、操作が難しく調整が容易ではない。また、音調整回転板を回転させることで通気孔の開閉数に対応する外気と通ずる面積を増減し、音量の微調整を行えるものであるが、調整幅を大きくしにくく操作は容易ではない。
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、音量の調整が容易な耳栓を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は次の1)の構成を有する。
1)貫通孔を有し外耳道に挿着可能な本体部と、
前記貫通孔に一端側から移動可能に螺合により挿着された調整部と、を備え、
前記調整部は、
前記貫通孔に挿着される側の先端面から切り込まれ、前記貫通孔に対する第1の挿着位置において前記貫通孔の前記一端側の空間と外部空間とを接続する通気部を有し、
前記螺合による進入位置に応じて前記通気部における前記外部空間と連通する開口部の面積が変わる耳栓である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、多様な用途に使用できる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る耳栓の実施例である耳栓51を示す外観の斜視図である。
【
図2】
図2は、耳栓51の構成を説明するための縦断面図である。
【
図3】
図3は、耳栓51が有する調整部2を螺合部22の先端側から見た平面図である。
【
図4】
図4は、耳栓51を第1調整状態として外耳道Eaへ挿入した場合の縦断面図である。
【
図5】
図5は、耳栓51の第1調整状態を示す外観側面図である。
【
図6】
図6は、耳栓51を第2調整状態として外耳道Eaへ挿入した場合の縦断面図である。
【
図7】
図7は、耳栓51の第2調整状態を示す外観側面図である。
【
図8】
図8は、耳栓51の音圧低減特性の例を示すグラフである。
【
図9】
図9は、耳栓51の周波数別の音圧低減調整を説明するためのグラフである。
【
図10】
図10は、吸音材31,32を配置した耳栓51を示す縦断面図である。
【
図11】
図11は、吸音材付加特性CA1,CA2を示すグラフである。
【
図12】
図12は、調整部2の変形例である調整部2Aを示す図であり、(a)は螺合部22Aの先端側から見た平面図、(b)は縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態に係る耳栓を、実施例の耳栓51により説明する。
図1は、耳栓51の外観を示す斜視図である。耳栓51は、本体部1及び本体部1に螺着した調整部2を有する。
図2は、本体部1への調整部2の螺着前の状態を示した縦断面図による組立図である。
【0010】
図1及び
図2に示されるように、本体部1は、基部12及びクッション部11を有する。
基部12は、貫通孔121を有する円筒状に形成されている。貫通孔121は、内周面の少なくとも一端側の部分に、雌ねじが形成された雌ねじ部122を有する。
【0011】
基部12は、樹脂又は金属で形成される。樹脂例はPC(ポリカーボネート)である。金属例はアルミニウムである。
【0012】
クッション部11は、柔軟性を有する材料で形成されている。材料例は、クロロプレンゴムなどによるスポンジ、又は熱可塑性エラストマである。
クッション部11は、スポンジで形成する場合は、基部12に対して嵌め合いで一体化し、熱可塑性エラストマで形成する場合は、基部12を樹脂として一体成形によって形成する。
【0013】
図1~
図3に示されるように、調整部2は、円盤状の摘み部21及び摘み部21からその軸線上に突出した円柱状の螺合部22を有する。
調整部2は、樹脂又は金属で形成される。樹脂例はPC(ポリカーボネート)である。金属例はアルミニウムである。
摘み部21は指で摘む部位であり、外周面には、すべり止めのためのローレット21aが形成されている。
螺合部22は、外周面に雄ねじが形成された雄ねじ部221を有する。
雄ねじ部221は、本体部1における基部12の雌ねじ部122に螺合可能である。
調整部2の螺合部22は、先端面22aから、螺合部22の直径方向に延び軸線方向に幅da、深さL23で切り込まれた通気部としてのスリット部23を有する。螺合部22においてスリット部23の切り込まれる最奥の位置は、摘み部21の螺合部22側の面21bよりも螺合部22の先端面22a側にある。すなわち、
図2に示されるように、スリット部23の深さL23は、先端面22aから面21bまでの距離L21よりも短い。この例では、さらに、深さL23は、螺合部22の長さL22よりも短い。
【0014】
調整部2は、
図2の矢印DRaの方向に、本体部1における貫通孔121に、一端側から挿着される。詳しくは、調整部2は、本体部1における基部12の雌ねじ部122に螺着して挿着される。
図1において、耳栓51は、調整部2の雄ねじ部221が、本体部1の雌ねじ部122に対し途中まで螺進してスリット部23が外部に露出した状態が示されている。
また、
図2において、貫通孔121における雌ねじ部122両端部には、不完全ねじ部を除去するため、ねじが形成されてなく貫通孔121よりも内径が大きい逃げ部が示されている。
【0015】
本体部1に対し調整部2を、
図2の矢印DRaの方向に螺進させていくと、摘み部21の螺合部22側の面21bが、本体部1の基部12に当接してその螺進が規制される。このように、本体部1に対し調整部2を最も奥まで螺進させた状態は、後述する第1調整状態に含まれる。調整部2が第1調整状態にあるとき、調整部2は、貫通孔121に対し第1の挿着位置にある。
図4は、第1調整状態の耳栓51を外耳道Eaに装着した状態を示す縦断面図であり、
図5は、第1調整状態の耳栓51を示す外観側面図である。
【0016】
スリット部23の深さL23が、先端面22aから摘み部21の面21bまでの距離L21よりも短いことから、第1調整状態において、スリット部23は基部12に隠れ、外部に露出しない。
そのため、本体部1に調整部2が螺合して第1調整状態となっているとき、貫通孔121は、一端側が調整部2の螺合部22によって塞がれ、通気路が形成されない状態となっている。
従って、耳栓51の遮音は、第1調整状態で最大となる。
【0017】
耳栓51において、調整部2を、スリット部23が外部に露出していない第1調整状態から
図2の矢印DRaとは逆の方向に螺退させて、スリット部23を外部に露出させた状態を第2調整状態と称する。調整部2が第2調整状態にあるとき、調整部2は、貫通孔121に対し第2の挿着位置にある。
図6は、第2調整状態の耳栓51を外耳道Eaに装着した状態を示す縦断面図であり、
図7は、第2調整状態の耳栓51を示す外観側面図である。
【0018】
図6及び
図7に示されるように、耳栓51は、第2調整状態で、スリット部23の一部が、幅da、長さLの開口部23wとして、
図7における表裏方向で外部に開口する。
すなわち、
図6に示されるように、外耳道Eaに装着された耳栓51は、第2調整状態において、基部12の貫通孔121及び貫通孔121に繋がった通気部として形成されたスリット部23によって、外部空間Vgと外耳道Ea内の空間である外耳道内空間Veとを連通する通気路Dが形成されている。
【0019】
通気路Dにおける外耳道内空間Veへの開口面積は、貫通孔121の開口面積であり一定である。
一方、通気路Dにおける外部空間Vgへの開口部23wの開口面積Sは、開口部23wが
図7の紙面の表側と裏側の2ヶ所になることを考慮して、幅da×長さL×2として示される。
【0020】
耳栓51において、開口面積Sは、調整部2の進退に伴い長さLが変化するので調整可能である。
具体的には、開口面積Sは、調整部2を螺進させることで小さくなり、開口部23wが基部12に隠れた第1調整状態において最小値0(ゼロ)となる。
また、開口面積Sは、第2調整状態において、調整部2を螺退させることで大きくなる。
開口面積Sは、調整部2の螺退を規制する螺退規制構造を設けることで上限となる開口部23wの最大の長さLmax及び開口面積Sの最大の開口面積Smaxを設定できる。
螺退規制構造は、例えば基部12を2分割構造とすることで形成できる。
例えば、基部12を軸線を含む平面で2分割される構造にすると共に、2分割した基部を合わせて一体化したときに、調整部2を収容する収容部が袋状に形成されるものとする。そして、2分割した基部を、調整部2を収容部に収めるように合わせて一体化する。この場合、袋状の収容部が、調整部2の軸線方向の移動を規制する。
【0021】
上述のように、耳栓51は、外耳道Eaに挿着した状態で、貫通孔121の外部空間Vgとの非連通及び連通と、貫通孔121に挿着された調整部2の挿着位置に応じて選択的に制御するようになっている。
詳しくは、調整部2が、スリット部23の一部が開口部23wとして外部空間Vgに露出している状態で、スリット部23が貫通孔121に接続することにより、貫通孔121が外部空間Vgに連通するように制御される。
また、調整部2を、螺合部22が貫通孔121における奥側の領域にあるように挿着することで、スリット部23は貫通孔121と連通するも外部空間Vgとは非連通となり、貫通孔121が外部空間Vgに非連通となるように制御される。
ここで奥側の領域とは、調整部2のスリット部23が外部空間Vgと非連通で維持される領域を意味する。
【0022】
耳栓51は、本体部1に対し軸方向に移動可能な調整部2を有し、調整部2の軸方向位置に応じて通気路Dの開口面積Sを変化させることができる。
開口面積Sが0(ゼロ)で音圧低減効果が最大となり、本体部1に対し、調整部2を軸方向における
図2に示される矢印DRaとは逆の方向に退行させて開口面積Sを徐々に増加させて音圧の低減度合いを徐々に少なくする音量調整が可能である。
【0023】
このように、開口面積Sは、調整部2の軸方向移動で増減する。そのため、調整部2の移動ストロークが長く得られ、開口面積Sの変化幅を大きくすることが容易である。すなわち、使用者が耳栓51を耳に装着した場合、使用者が聴取する外部音の音圧低減調整範囲を、より大きくすることができる。
【0024】
本体部1に対する調整部2の軸方向移動を可能にする構造は限定されるものではなく、螺旋カム機構或いは内筒と外筒との摺動係合構造などの周知の構造を適用することができる。
また、上述例のように、本体部1に対し調整部2を螺着させる構造とすることにより、調整部2の軸方向移動による開口面積Sの増減変化を、調整部2の螺進及び螺退で行うことができる。
そのため、調整部2の微少角度の回動による開口面積Sの微増減が可能であり、使用者が耳栓51を耳に装着した場合、使用者が聴取する外部音は、遮音された音圧低減状態において、さらに音量調整の微調整が容易である。
【0025】
次に、
図8及び
図9を参照して、耳栓51の遮音作用である音圧低減作用を説明する。
図8は、耳栓51の音圧低減特性の例を示すグラフであり、
図9は、いくつかの周波数における音圧低減調整を説明するグラフである。
【0026】
図8に示される耳栓51の音圧低減特性である耳栓特性Cは、次のようにして取得する。
まず、外耳道Eaに相当する模型としてモデル外耳道を作成し、モデル外耳道内にマイクロフォンを設置する。また、モデル外耳道に対向する外部位置にスピーカを配置し、スピーカ及びモデル外耳道を遮音箱で覆って音響的に外部と遮断する。この状態で、スピーカから可聴周波数帯域の音をスイープ出力してマイクロフォンで収音し、周波数-音圧特性を得る。
【0027】
収音の際、モデル外耳道に耳栓51を装着しない状態で収音した周波数-音圧特性を、裸耳特性Cnと称し、
図8において破線で示される。
また、モデル外耳道に耳栓51を装着した状態で、調整部2の本体部1に対する軸方向位置を段階的に変え、各段階で収音した周波数-音圧特性を耳栓特性Cと称する。
図8において、耳栓特性Cは、開口部23wが露出していない第1調整状態での特性が耳栓特性Cmとして実線で示され、開口部23wが、ある程度露出した第2調整状態での特性例が耳栓特性Cm1として鎖線で示されている。
【0028】
収音の結果、耳栓特性Cmは、破線の裸耳特性Cnに対し、概ね200Hz以下の帯域で、3dB程度のほぼ一様な音圧低減が認められる。
一方、耳栓特性Cmにおいて、200Hzを超えた帯域では、周波数が高くなるほど音圧低減程度がより大きくなる。例えば、1kHz付近では、裸耳特性Cnに対し、約16dBの音圧低減が認められ、3kHz付近では、約35dBの音圧低減が認められる。
【0029】
開口部23wが塞がれた第1調整状態の耳栓特性Cmから、調整部2を螺退させて開口部23wの開口面積Sを増やしていくに従い、耳栓特性Cmは裸耳特性Cnに近づき、音圧低減作用が抑制される。
図8において、鎖線で示される耳栓特性Cm1は、調整部2を耳栓特性Cmが得られた位置から約4回転螺退させた位置での特性である。
調整部2をさらに回転して螺退させ、開口部23wの開口面積Sを増やすことで、耳栓特性Cm1からさらに裸耳特性Cnに近い特性に調整できる。
【0030】
図9(a)~(c)は、音圧低減効果が得られる異なる3つの周波数において、第1調整状態から調整部2を回転させて軸方向の
図2における矢印DRaとは逆の方向に退行させたときの、回転回数0(ゼロ)回から4回までの音圧変化を示したグラフである。
詳しくは、(a)は、400Hzにおける音圧変化特性Cma、(b)は800Hzにおける音圧変化特性Cmb、(c)は1.25kHzにおける音圧変化Cmcである。
【0031】
図9(a)~(c)から明らかなように、どの周波数においても、第1調整状態(回転回数ゼロ)からの調整部2の回転回数が増えるに従って、音圧低減の度合いが低下し音圧が徐々に増加する。1回転での増加分は、3~5dB程度である。従って、調整部2を例えば1/4回転(90°)させることで、約0.8~1.2dBの音圧微調整が可能である。
【0032】
また、
図8に示されるように、例えば、1kHzの周波数において、調整部2を4回転させて軸方向に移動した状態での耳栓特性Cm1の音圧は、裸耳特性Cnの音圧の約105dBと、第1調整状態の耳栓特性Cmの音圧の約89dBとの差の概ね半分の約97dBである。
【0033】
図10に示されるように、耳栓51には、貫通孔121内に吸音材31を設置してもよい。また、スリット部23内の一部又は全体に吸音材32を設置してもよい。
すなわち、通気路Dの一部に吸音材31及び吸音材32のいずれかを設置してもよい。吸音材31,32は、周知の吸音材を用いることができ、例えばグラスウールである。
【0034】
図11に示されるように、吸音材31,32を設置することで、第1調整状態において、
図11に示される吸音材付加特性CA1,CA2が得られる。
詳しくは、吸音材付加特性CA1は、吸音材31のみを設置した場合であり、吸音材付加特性CA2は、吸音材31及び吸音材32の両方を設置した場合である。
吸音材31を用いた場合、吸音材付加特性CA1に示されるように、裸耳特性Cnに対し、200Hz以下の低音域も含めて広い周波数帯域の音圧が約10dB低減される。
また、吸音材31と吸音材32とを併用した場合、吸音材付加特性CA2に示されるように、裸耳特性Cnに対し、200Hz以下の低音域を含めて広い周波数帯域の音圧が約33dB低減される。
吸音材31,32を用いた場合も、第1調整状態から、本体部1に対して調整部2を軸方向の
図2における矢印DRaとは逆の方向に退行させることで、裸耳特性Cnに近づくように特性を調整可能である。
【0035】
上述のように、耳栓51は、音圧の低減幅が大きく、大きな遮音効果が得られる。また、耳栓51は、音圧の低減量の微調整が容易である。
すなわち、耳栓51の使用者にとって、聴取する外部音の音量の調整幅が大きく微調整が容易である。
【0036】
以上詳述した実施例は、上述の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形した変形例としてもよい。
【0037】
図12(a),(b)に示されるように、調整部2を、螺合部22の通気部であるスリット部23の替わりに、螺合部22Aの周面に軸方向に延びる溝部23Aを通気部として有する調整部2Aとしてもよい。
図12(a)は、調整部2Aの正面図であり、(b)は側面図である。
スリット部23及び溝部23Aの形成数及び幅や深さなどの形状は、限定されるものではなく、自由に設定してよい。異なる幅や深さの溝部23Aを複数形成してもよいし、スリット部23と溝部23Aを並設してもよい。
【0038】
本体部1に対する調整部2の軸方向位置を視認判別できるマーカ類を設けてもよい。例えば、調整部2の螺合部22の外周面に、軸方向に延びる切り込みを設けると共に切り込みの底面に、軸方向に所定ピッチで複数のマークを形成してもよい。これにより、複数のマークのどれが本体部1の基部12によって隠れているかで、開口部23wの大きさを目視で判断するよりも高精度に、調整部2の軸方向の位置から音量低減量を把握できる。
【符号の説明】
【0039】
1 本体部
11 クッション部
12 基部
121 貫通孔
122 雌ねじ部
2,2A 調整部
21 摘み部
21a ローレット
21b 面
22,22A 螺合部
22a 先端面
221 雄ねじ部
23 スリット部(通気部)
23A 溝部
23w 開口部
51 耳栓
C 耳栓特性
CA1,CA2 吸音材付加特性
Cn 裸耳特性
da 幅
Ea 外耳道
D 通気路
L21 距離
L,L22,Lmax 長さ
L23 深さ
S,Smax 開口面積
Ve 外耳道内空間
Vg 外部空間