(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20221213BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
G03G15/00 550
G03G21/16 147
G03G21/16 195
(21)【出願番号】P 2018246961
(22)【出願日】2018-12-28
【審査請求日】2021-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】海沼 嵩
(72)【発明者】
【氏名】河本 益雄
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-137647(JP,A)
【文献】特開平08-044132(JP,A)
【文献】特開2012-252277(JP,A)
【文献】特開2010-081491(JP,A)
【文献】特開2018-149760(JP,A)
【文献】特開2007-014364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する装置本体と、前記装置本体に前記記録媒体を供給する供給装置とを備え、前記供給装置の上に前記装置本体が載置される画像形成装置であって、
前記供給装置は、
筐体と、
前記画像形成装置が設置される設置面に向かう第1方向に前記筐体を貫くとともに、前記第1方向に移動可能な固定部材と
を有し、
前記装置本体は、
前記固定部材の一部を収納する第1収納部と、
前記第1収納部に収納可能な取手と
を有し、
前記固定部材は、前記固定部材の一端に設けられる第1ジョイント部を有し、
前記第1ジョイント部と、前記第1収納部と、前記取手とは、移動機構を構成し、
前記移動機構は、前記取手が前記第1収納部に収納されると、前記取手の先端が前記第1ジョイント部に当接して前記固定部材を前記第1方向に移動させ、前記固定部材の下端を前記設置面に当接させるように構成されて
おり、
前記移動機構は、前記第1収納部内に配置されて、前記第1ジョイント部と係合する第2ジョイント部を有し、
前記第1ジョイント部は、第1接触面を有し、
前記第2ジョイント部は、前記第1接触面と接触する第2接触面を有し、
前記第1ジョイント部は、前記取手の先端が前記第1ジョイント部に当接したことに応じて、前記第1接触面が前記第2接触面と接触する第1接触状態が解除されるように構成されており、
前記第1ジョイント部、及び前記第2ジョイント部は、前記第1接触状態の解除に応じて、前記固定部材を前記第1方向に移動させるように構成されている、画像形成装置。
【請求項2】
前記第1接触面は第1斜面であり、
前記第2接触面は第2斜面であり、
前記第1ジョイント部は、前記第1斜面に接続する解除面を有し、
前記解除面は、水平面、又は前記第1斜面とは傾斜角度が異なる傾斜面であり、
前記第1ジョイント部は、前記取手の先端が前記第1ジョイント部に当接したことに応じて、前記第1接触状態から、前記解除面が前記第2斜面に接触する第2接触状態となるように構成されており、
前記第1ジョイント部、及び前記第2ジョイント部は、前記第1ジョイント部が前記第1接触状態から前記第2接触状態にとなったことに応じて、前記固定部材を前記第1方向に移動させるように構成されている、請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記筐体は、前記第1方向に沿って延びる中心軸を回転中心として回転可能に前記固定部材を支持し、
前記第1ジョイント部、及び前記第2ジョイント部は、前記取手の先端が前記第1ジョイント部に当接することに応じて、前記固定部材が前記中心軸を回転中心に回転して、前記第1接触状態が解除されるように構成されている、請求項
2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1ジョイント部は、前記取手の先端が当接する切り欠き部を有する、請求項
3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記取手は、
前記取手の収納方向に延びる第2収納部と、
前記第2収納部の先端から突出する突出部材と
を有し、
前記第1収納部は、前記突出部材の揺動支点となる支点部材を有し、
前記切り欠き部は、第1切り欠き面と、第2切り欠き面とを有し、
前記取手は、前記突出部材が前記支点部材を中心に揺動することに応じて、前記突出部材の先端が前記第1切り欠き面、又は前記第2切り欠き面と当接するように構成されており、
前記第1ジョイント部、及び前記第2ジョイント部は、前記突出部材の先端が、前記第1切り欠き面と当接することに応じて、前記第1ジョイント部が前記第1接触状態から前記第2接触状態となり、前記突出部材の先端が、前記第2切り欠き面と当接することに応じて、前記第1ジョイント部が前記第2接触状態から前記第1接触状態となるように構成されている、請求項
4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記供給装置は、前記第1方向とは反対の第2方向に前記固定部材を付勢する付勢部材を有し、
前記筐体は、前記第1方向、及び前記第2方向に移動可能に前記固定部材を支持し、
前記付勢部材は、前記突出部材の先端が、前記第2切り欠き面に当接することに応じて、前記第1ジョイント部が前記第2接触状態から前記第1接触状態となるように前記固定部材を付勢する、請求項
5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記装置本体は、前記供給装置と対向する面に位置決め穴を有し、
前記供給装置は、前記位置決め穴と嵌合する位置決め部材を有し、
前記位置決め部材は、前記取手が通過するための通過穴を有する、請求項1から請求項
6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記取手は、前記取手の前記先端と反対側の端部に設けられ、作業者が操作可能な操作部を有し、
前記操作部は、前記装置本体の外部に位置する、請求項1から請求項
7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、本体部とともに、ユーザーの利便性を高めるため、本体部に記録媒体を供給するペーパーフィーダーを使用する場合がある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の画像形成装置は、取手を備えた本体部と、ペーパーフィーダーとを備えている。本体部は記録媒体に画像を形成する。本体部は、画像形成装置の設置面積を節約するため、ペーパーフィーダーの上に積載されている。ペーパーフィーダーの上部には係止部が設けられている。係止部は、ペーパーフィーダーに対する本体部の上方への移動を規制する。係止部によって本体部の上方への移動が規制されているため、特許文献1に記載の画像形成装置は、地震などによる転倒を抑制できる。
【0004】
特許文献1に記載の画像形成装置は、次のようにして設置場所に設置する。ペーパーフィーダーを設置場所に設置する。本体部を取手により持ち上げてペーパーフィーダーの上に載置する。取手を本体部に収納する。本体部とペーパーフィーダーとを連結する。画像形成成装置は、レベルボルトを使用して設置場所に固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置では、取手の収納作業、画像形成装置の固定作業を別々の動作で行う必要がある。そのため、特許文献1に記載の画像形成装置は、設置するまでに手間が掛かる。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、取手の収納作業、及び画像形成装置の設置場所への固定作業が一つの動作により実行可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像形成装置は、装置本体と、供給装置とを備える。前記装置本体は、記録媒体に画像を形成する。前記供給装置は、前記装置本体に前記記録媒体を供給する。前記供給装置の上に前記装置本体が載置される。前記供給装置は、筐体と、固定部材とを有する。前記固定部材は、前記画像形成装置が設置される設置面に向かう第1方向に前記筐体を貫く。また、前記固定部材は、前記第1方向に移動可能である。前記装置本体は、第1収納部と、取手とを有する。前記第1収納部は、前記固定部材の一部を収納する。前記取手は、前記第1収納部に収納可能である。前記固定部材は、前記固定部材の一端に設けられる第1ジョイント部を有する。前記第1ジョイント部と、前記第1収納部と、前記取手とは、移動機構を構成する。前記移動機構は、前記取手が前記第1収納部に収納されると、前記取手の先端が前記第1ジョイント部に当接して前記固定部材を前記第1方向に移動させ、前記固定部材の下端を前記設置面に当接させるように構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、取手の収納作業、及び画像形成装置の設置場所への固定作業が一つの動作により実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
【
図2】(a)~(c)は、本発明の実施形態に係る移動機構の構成を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
【
図4】(a)は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の断面図である。(b)は、(a)のIVB-IVB断面図である。
【
図5】(a)~(c)は、本発明の実施形態に係る移動機構の構成を示す図である。
【
図6】(a)~(c)は、本発明の実施形態に係る移動機構の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について、
図1から
図6を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明する構成要素の全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。複数の図を通じて同一の符号は、同一の構成要素を示している。本実施形態において、図中のX軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。
【0012】
図1~
図2を参照して、本発明に係る画像形成装置100の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置100の構成を示す断面図である。
【0013】
画像形成装置100は、用紙に画像を形成する。用紙は、記録媒体の一例である。本実施形態において、画像形成装置100は、プリンター機能と複写機能とファクシミリ機能とを有するカラー複合機である。
【0014】
図1に示すように、画像形成装置100は、供給装置10と、装置本体20とを備える。供給装置10と、装置本体20とは分離可能である。装置本体20は、供給装置10の上に載置される。
【0015】
供給装置10は、装置本体20に用紙を供給する。供給装置10は、筐体11と、固定部材12と、付勢部材13と、位置決め部材141、及び位置決め部材142と、キャスター15とを有する。
【0016】
筐体11は、固定部材12、付勢部材13、用紙を収容する。位置決め部材141、及び位置決め部材142は、筐体11の装置本体20と対向する面に設けられる。
【0017】
固定部材12は、Z軸方向に沿って延びる棒状の部材であり、第1方向D1に筐体11を貫く。筐体11は、第1方向D1、及び第2方向D2に固定部材12を移動可能に支持する。本実施形態において、第1方向D1は、画像形成装置100が設置される設置面Gに向かう方向である。すなわち、第1方向D1は、Z軸負側に向かう方向である。第2方向D2は、第1方向D1とは反対向きの方向である。すなわち、第2方向D2は、Z軸正側に向かう方向である。筐体11は、第1方向D1に沿って延びる中心軸RXを回転中心として回転可能に、固定部材12を支持する。固定部材12は、第1ジョイント部121と、軸部122と、当接部123とを有する。
【0018】
第1ジョイント部121は、固定部材12の一端(上端)に設けられている。当接部123は、固定部材12の他端(下端)に設けられる。当接部123は、固定部材12が第1方向D1に移動することにより、供給装置10が設置される設置面Gと当接する。軸部122は、第1ジョイント部121と、当接部123とを接続する。
【0019】
第1ジョイント部121と、軸部122と、当接部123とは接続している。したがって、第1ジョイント部121が第1方向D1に移動すれば、軸部122、及び当接部123は第1方向D1に移動する。
【0020】
第1ジョイント部121が第2方向D2に移動すれば、軸部122、及び当接部123は第2方向D2に移動する。
【0021】
第1ジョイント部121が中心軸RXを回転中心として回転すれば、軸部122、及び当接部123も中心軸RXを回転中心として回転する。
【0022】
付勢部材13は、固定部材12を第2方向D2に付勢する。付勢部材13は、例えばコイルバネである。固定部材12は、付勢部材13に挿入されている。
【0023】
位置決め部材141、及び位置決め部材142は、供給装置10の上に装置本体20が載置される際、正確な位置に装置本体20が載置されるように装置本体20の位置決めを助ける。位置決め部材141、及び位置決め部材142は、筐体11の上面から突出している。
【0024】
キャスター15は、筐体11を下支えし、筐体11を設置面G上で移動可能にする。キャスター15は、筐体11の下面側四隅に取り付けられている。
【0025】
装置本体20は、用紙に画像を形成する。装置本体20は、第1収納部21と、取手22とを有する。
【0026】
第1収納部21は、取手22を収納可能である。第1収納部21は、固定部材12の一部を収容する。具体的には、第1収納部21は、第1ジョイント部121を収納する。第1収納部21は、装置本体20の供給装置10と対向する部分に配置されている。第1収納部21は、Z軸正側に上壁を有する。
【0027】
第1収納部21は、第2ジョイント部211と、ガイド部材212aと、支点部材212bとを有する。第2ジョイント部211、ガイド部材212a、及び支点部材212bは、第1収納部21の上壁に固定されている。第2ジョイント部211は、第1ジョイント部121と係合する。支点部材212bは、ガイド部材212aよりもY軸正側に位置する。ガイド部材212aは、取手22が第1収納部21に収納される際に、取手22を収納方向S1に沿って案内する。収納方向S1は、Y軸正方向である。
【0028】
第1収納部21は、貫通穴213を供給装置10と対向する面に有する。固定部材12は、装置本体20を供給装置10に載置する際、貫通穴213を通過する。
【0029】
第1収納部21は、供給装置10と対向する面に位置決め穴214a、及び位置決め穴214bを有する。位置決め穴214aには、位置決め部材141が嵌合する。位置決め穴214bには、位置決め部材142が嵌合する。
【0030】
取手22は、収納方向S1に移動可能である。取手22は、収納方向S1に移動することにより、第1収納部21に収納される。取手22が第1収納部21に収納されると、取手22の先端は第1ジョイント部121に当接する。
【0031】
なお、
図4(b)を参照して説明するように、位置決め部材141、及び、位置決め部材142は、通過穴141aを有する。位置決め部材141、及び位置決め部材142が位置決め穴214a、及び位置決め穴214bと嵌合した状態において、取手22は通過穴141aを通過する。
【0032】
図2(a)~
図2(c)を参照して、本実施形態に係る移動機構Tについて説明する。
図2(a)~
図2(c)は、本実施形態に係る移動機構Tの構成を示す図である。詳しくは、
図2(a)は、移動機構TをZ軸負側に向かって見た図である。但し、
図2(a)は、第1収納部21については、ガイド部材212a、及び支点部材212bのみを示している。また、
図2(a)において、第2ジョイント部211の上壁は省略している。
図2(b)は、移動機構TをX軸正側に向かって見た図である。但し、
図2(b)は、第1収納部21については、第2ジョイント部211、ガイド部材212a、及び支点部材212bのみを示している。
図2(c)は、第1ジョイント部121と、第2ジョイント部211とをY軸正側に向かって見た図である。なお、
図2(a)~
図2(c)は、取手22が第1収納部21に収納される前の状態を示す。
【0033】
図2(a)に示すように、移動機構Tは、第1ジョイント部121と、第1収納部21と、取手22とによって構成されている。
【0034】
第1ジョイント部121は、第1斜面121aを有する。第1斜面121aは第1接触面の一例である。第1斜面121aは、第1ジョイント部121のZ軸正側の端面に位置する。第1斜面121aは、
図2(c)に示すように、第2ジョイント部211と接触する。第1ジョイント部121は、第1斜面121aに接続する解除面121bを有する。本実施形態において、解除面121bは、水平面である。なお、解除面121bは、第1斜面121aとは傾斜角度が異なる傾斜面であってもよい。
【0035】
第1ジョイント部121は、円弧形状である。第1ジョイント部121は、切り欠き部121cを有する。切り欠き部121cは、第1切り欠き面121dと、第2切り欠き面121eとを有する。取手22の先端は、取手22が第1収納部21に収納されると、第1切り欠き面121dと当接する。また、
図6(a)を参照して説明するように、取手22が支点部材212bを揺動支点として揺動すると、取手22の先端は第2切り欠き面121eに当接する。
【0036】
取手22の先端が、第1切り欠き面121dと当接すると、第1ジョイント部121は、中心軸RXを回転中心として、第1回転方向R1に回転する。また、取手22の先端が、第2切り欠き面121eと当接すると、第1ジョイント部121は、中心軸RXを回転中心として、第2回転方向R2に回転する。
【0037】
取手22は、第2収納部221と、突出部材222と、操作部223とを有する。第2収納部221は、取手22の収納方向S1に沿って延びている。第2収納部221の先端からは、突出部材222の先端222aが突出している。したがって、突出部材222の先端222aは、取手22の先端である。
【0038】
突出部材222は、棒状の部材である。突出部材222の先端222aは、収納方向S1に向かうほど細くなる。突出部材222の先端222aは、取手22が第1収納部21に収納される際、第1ジョイント部121と当接する。突出部材222は、先端222aの反対側に、第3収納部222bを有する。第3収納部222bは、
図6(a)を参照して説明するように、突出部材222が支点部材212bを揺動支点として揺動すると、ガイド部材212aを収納する。
【0039】
操作部223は、作業者が操作可能である。具体的には、作業者は、操作方向S2に沿って操作部223を移動することができる。操作方向S2は、X軸正方向である。操作部223を操作方向S2に沿って移動することにより、支点部材212bを揺動支点として、突出部材222の先端222aを揺動させることができる。操作部223は、突出部材222の先端222aと反対側の端部に設けられている。操作部223は、
図1を参照して説明した装置本体20の外部に位置する。
【0040】
図2(b)に示すように、第2ジョイント部211は、第1ジョイント部121と接触している。
【0041】
図2(a)、及び
図2(b)に示すように、ガイド部材212a、及び支点部材212bは、Y軸方向に直線状に並ぶ。ガイド部材212a、及び支点部材212bは、円筒形状の部材である。支点部材212bの側面は、
図6(a)を参照して説明するように、突出部材222が揺動する際に、突出部材222と接触する。
【0042】
図2(c)に示すように、第2ジョイント部211は、第1斜面121aと接触する第2斜面211aを有する。第2斜面211aは、第2接触面の一例である。第2斜面211aと、第1斜面121aとが接触している場合、第2斜面211aと、第1斜面121aとは略全面が接触している。以下、第1斜面121aと、第2斜面211aとが接触している状態を、「第1接触状態」と記載する。
【0043】
図6(a)を参照して説明するように、第1斜面121a(固定部材12)が中心軸RXを回転中心として第1回転方向R1に回転すると、第2斜面211aは、解除面121bと接触する。第2斜面211aと、解除面121bとが接触している場合、具体的には、第2斜面211aの下端と、解除面121bが接触する。以下、解除面121bと、第2斜面211aとが接触している状態を、「第2接触状態」と記載する。
【0044】
次に、
図1~
図6を参照して、本実施形態に係る画像形成装置100を設置面Gに固定する動作について説明する。また、設置面Gに対する画像形成装置100の固定を解除する動作についても説明する。
【0045】
画像形成装置100を設置面Gに固定する動作は、作業者が供給装置10を設置面Gに移動させることによって、開始する。詳しくは、作業者は、供給装置10の筐体11の一部を手で押してキャスター15を回転させながら、供給装置10を設置面Gまで移動させる。
【0046】
供給装置10を設置面Gまで移動させたのち、作業者は、装置本体20を供給装置10の上に載置する。詳しくは、作業者は、取手22を装置本体20の第1収納部21から引出して、取手22を利用して装置本体20を持ち上げる。作業者は、持ち上げた装置本体20を供給装置10の上に移動する。
【0047】
詳しくは、作業者は、
図1で説明した位置決め部材141の上に位置決め穴214aが位置し、位置決め部材142の上に位置決め穴214bが位置するように、装置本体20を移動させる。その後、作業者は、装置本体20をZ軸負側に向かって移動させ、装置本体20を供給装置10の上に載置する。
【0048】
図3を参照して、装置本体20が供給装置10の上に載置された状態について説明する。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置100の構成を示す断面図である。
【0049】
図3に示すように、装置本体20が供給装置10の上に載置されると、第1収納部21には、第1ジョイント部121が収納される。その結果、
図2を参照して説明した第1斜面121aと、第2斜面211aとの全面が接触する。
【0050】
装置本体20が供給装置10の上に載置された直後は、取手22は、装置本体20に収納されていない。したがって、取手22の先端は、第1ジョイント部121と当接しておらず、移動機構Tは
図2に示す状態となる。
【0051】
作業者は、供給装置10の上に装置本体20を載置した後、取手22を第1収納部21に収納する。
図4(a)、及び
図4(b)を参照して、取手22が第1収納部21に収納された状態を説明する。
図4(a)は、本実施形態に係る画像形成装置100の断面図である。
図4(b)は、
図4(a)のIVB-IVB断面図である。
【0052】
図4(a)に示すように、取手22が第1収納部21に収納されると、取手22の先端は第1ジョイント部121と当接する。詳しくは、
図4(b)に示すように、取手22が第1収納部21に収納されると、取手22は位置決め部材141、及び位置決め部材142の通過穴141aを通過して、第1ジョイント部121と当接する。
【0053】
図4(b)に示すように、第2ジョイント部211の上壁にはスリットが形成されている。スリットは、収納方向S1に沿って延びる。ガイド部材212aはスリットに嵌合している。この結果、取手22は、ガイド部材212aによって収納方向S1に案内される。なお、取手22が第1収納部21に収納されると、支点部材212bもスリットに嵌合する。なお、本実施形態において、突出部材222は、板金を折り曲げ加工して形成される。
【0054】
次に、
図5(a)~
図5(c)を参照して、取手22の先端が第1ジョイント部121と当接する際の移動機構Tの動作について説明する。
【0055】
図5(a)~
図5(c)は、本実施形態に係る移動機構Tの構成を示す図である。詳しくは、
図5(a)は、移動機構TをZ軸負側に向かって見た図である。但し、
図5(a)は、
図2(a)と同様に、第1収納部21については、ガイド部材212a、及び支点部材212bのみを示している。また、
図5(a)において、第2ジョイント部211の上壁は省略している。
図5(b)は、移動機構TをX軸正側に向かって見た図である。但し、
図5(b)は、
図2(b)と同様に、第1収納部21については、第2ジョイント部211、ガイド部材212a、及び支点部材212bのみを示している。
図5(c)は、第1ジョイント部121と、第2ジョイント部211とをY軸正側に向かって見た図である。
【0056】
図5(a)に示すように、取手22の先端は第1ジョイント部121と当接する。詳しくは、突出部材222の先端222aが、第1ジョイント部121の第1切り欠き面121dと当接する。
【0057】
図5(b)に示すように、突出部材222の先端222aが、第1切り欠き面121dと当接しながら収納方向S1に移動すると、第1ジョイント部121が第1回転方向R1に回転する。第1ジョイント部121が第1回転方向R1に回転すると、第1ジョイント部121の第1接触状態が解除される。すなわち、第1斜面121aが第2斜面211aと接触している状態が解除される。第1接触状態が解除されると、解除面121bが第2斜面211aと接触する。すなわち、第1ジョイント部121は、第2接触状態となる。
【0058】
図5(c)に示すように、第1ジョイント部121が第2接触状態である場合、解除面121bが第2斜面211aの下端とのみ接触する。換言すると、解除面121bと第2斜面211aとの間に隙間が生じる。すなわち、第1ジョイント部121と第2ジョイント部211との間に隙間が生じる。したがって、第1ジョイント部121が第1接触状態から第2接触状態となることに応じて、第1ジョイント部121と第2ジョイント部211とが離間する。この結果、第1ジョイント部121は第1方向D1に移動する。
【0059】
第1ジョイント部121が第1方向D1に移動すると、
図1を参照して説明した軸部122、及び当接部123も第1方向D1に移動する。したがって、当接部123が設置面Gに当接する。この結果、画像形成装置100が設置面Gに固定される。
【0060】
次に、
図6(a)~
図6(c)を参照して、画像形成装置100の固定を解除する際の動作について説明する。
図6は、本実施形態に係る移動機構Tの構成を示す図である。詳しくは、
図6(a)は、移動機構TをZ軸負側に向かって見た図である。但し、
図6(a)は、
図2(a)と同様に、第1収納部21については、ガイド部材212a、及び支点部材212bのみを示している。また、
図6(a)において、第2ジョイント部211の上壁は省略している。
図6(b)は、移動機構TをX軸正側に向かって見た図である。但し、
図6(b)は、
図2(b)と同様に、第1収納部21については、第2ジョイント部211、ガイド部材212a、及び支点部材212bのみを示している。
図6(c)は、第1ジョイント部121と、第2ジョイント部211とをY軸正側に向かって見た図である。
【0061】
設置面Gに対する画像形成装置100の固定を解除する動作は、作業者が操作部223を操作することによって、開始する。
【0062】
図6(a)に示すように、作業者が、操作方向S2に沿って操作部223を移動させる。操作部223が移動すると、ガイド部材212aが突出部材222の第3収納部222bに収納される。また、操作部223が移動すると、突出部材222の側面が支点部材212bの側面と当接して、突出部材222が支点部材212bを揺動支点として揺動する。その結果、操作部223が移動すると、突出部材222の先端222aの当接先が、第1切り欠き面121dから第2切り欠き面121eに変更される。
【0063】
図6(a)、及び
図6(b)に示すように、突出部材222の先端222aが、第2切り欠き面121eに当接すると、第1ジョイント部121が第2回転方向R2に回転する。第1ジョイント部121が第2回転方向R2に回転すると、第1ジョイント部121の第2接触状態が解除される。第2接触状態が解除されると、第1ジョイント部121は第1接触状態となる。すなわち、第1斜面121aと第2斜面211aとが、接触する。
【0064】
図6(c)に示すように、第1ジョイント部121が第1接触状態である場合、第1斜面121aと第2斜面211aとは全面が接触している。したがって、第1ジョイント部121と第2ジョイント部211とが接近する。
図1を参照して説明したように、付勢部材13は、固定部材12を第2方向D2に付勢している。したがって、第1ジョイント部121が第2接触状態から第1接触状態となることに応じて、第1ジョイント部121は第2方向D2に移動する。
【0065】
第1ジョイント部121が第2方向D2に移動すると、
図1を参照して説明した軸部122、及び当接部123も第2方向D2に移動する。したがって、当接部123は設置面Gから離れる。その結果、設置面Gに対する画像形成装置100の固定が解除される。
【0066】
以上、
図1~
図6を参照して説明したように、本実施形態の画像形成装置100においては、取手22が第1収納部21に収納されると、取手22の先端が固定部材12の第1ジョイント部121に当接し、固定部材12は回転しながら第1方向D1に移動する。その結果、固定部材12の下端にある当接部123が設置面Gに当接して、画像形成装置100を設置面Gに固定できる。
【0067】
以上、図面を参照しながら本実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)~(4))。図面は、理解し易くするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合がある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の形状等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0068】
(1)
図1~
図6を参照して説明したように、本実施形態では、画像形成装置100がカラー複合機であるが、本発明はこれに限定されない。画像形成装置100は用紙に画像を形成すればよい。画像形成装置100は、例えば、モノクロ複合機でもよい。また、画像形成装置100は、例えば、カラープリンターでもよく、モノクロプリンターでもよい。
【0069】
(2)本実施形態では、装置本体20は第1収納部21を一つ備えていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1収納部21がY軸方向に沿って対向する位置に2つ設けられていてもよい。すなわち、装置本体20は取手22を2つ備えてもよい。
【0070】
(3)本実施形態では、取手22は、第2収納部221と、第2収納部221に収納された突出部材222とを備えていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、取手22が棒状部材であってもよい。
【0071】
(4)本実施形態では、付勢部材13を利用して固定部材12を第2方向D2に移動させたが、本発明はこれに限定されない。例えば、固定部材12を手動で第2方向D2に移動させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、画像形成装置の分野に有用である。
【符号の説明】
【0073】
10 供給装置
11 筐体
12 固定部材
20 装置本体
21 第1収納部
22 取手
100 画像形成装置
121 第1ジョイント部
222a 先端
G 設置面
T 移動機構