(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】電子時計
(51)【国際特許分類】
G04G 21/02 20100101AFI20221213BHJP
G04C 3/00 20060101ALI20221213BHJP
G04G 19/00 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
G04G21/02 Z
G04C3/00 B
G04G21/02 J
G04G19/00 Z
(21)【出願番号】P 2019022568
(22)【出願日】2019-02-12
【審査請求日】2021-10-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】野澤 俊之
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-161251(JP,A)
【文献】特開2009-92506(JP,A)
【文献】特開2017-146111(JP,A)
【文献】特開2012-211880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 19/00-21/04
G04C 3/00
G04C 17/00
G04C 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星信号を受信する受信部と、
前記衛星信号から現在地の緯度情報および経度情報を含む現在地位置情報を取得する測位部と、
地磁気を検出する磁気センサーと、
目的地の緯度情報および経度情報を含む目的地位置情報を記憶する目的地記憶部と、
前記測位部に測位処理を実行させ、前記測位処理により取得した前記現在地位置情報と、前記目的地位置情報とに基づいて前記目的地までの距離を算出し、前記現在地位置情報と、前記地磁気と、前記目的地位置情報とに基づいて前記目的地の方向を算出し、前記目的地の方向を表示部に表示させるナビゲーション処理を実行するナビゲーション処理部と、
所定の操作が実行されたら、前記ナビゲーション処理部に前記ナビゲーション処理を開始させる操作部と、
太陽電池と、
前記太陽電池の発電量を検出する発電量検出部と、を備え、
前記ナビゲーション処理部は、前記距離が予め設定された閾値より大きい場合、前記所定の操作が実行されてから所定時間の間に第1頻度で前記ナビゲーション処理を実行し、前記距離が予め設定された閾値以下
で、かつ、前記発電量検出部の検出値が予め設定された閾値より大きい場合、前記所定時間の間に前記第1頻度よりも多い第2頻度で前記ナビゲーション処理を実行する
ことを特徴とする電子時計。
【請求項2】
請求項1に記載の電子時計において、
電力を供給する電池と、
前記電池の電池残量を検出する電池残量検出部と、を備え、
前記ナビゲーション処理部は、前記距離が予め設定された閾値以下で、かつ、前記電池残量検出部の検出値が予め設定された閾値より大きい場合、前記第2頻度で前記ナビゲーション処理を実行する
ことを特徴とする電子時計。
【請求項3】
請求項1
または請求項
2に記載の電子時計において、
前記ナビゲーション処理部は、前記ナビゲーション処理において、前記目的地までの前記距離を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする電子時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、予め目的地の位置座標を登録しておき、GPSから送信される衛星信号を用いた現在の位置座標の算出と、磁気センサーの出力を用いた真北の方向の決定動作と、目的地の位置座標およびこれらの結果を用いて、目的地の方向と真北の方向と目的地までの距離との表示を定期的に更新する電子時計が開示されている。また、特許文献1には、省電力化のために、ユーザーが同じ位置に留まって向きだけが変わる場合は、衛星信号を用いた現在の位置座標の算出は1回のみとし、磁気センサーの出力を用いた真北の方向の決定動作のみを定期的に行ってよいことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、GPSで現在の位置座標を定期的に取得する場合、GPSによる位置座標の取得には大きな消費電力を伴うため、電池の消費が大きくなってしまうといった問題があった。
また、電池の消費を少なくするためにGPSで現在の位置座標を1回のみ取得する場合、現在地のみで位置座標を取得しており、ユーザーが移動しながら使用することを想定されていないので、ユーザーが目的地に向けて移動した際に、目的地の方向を正しく表示することができない場合があるといった問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の電子時計は、衛星信号を受信する受信部と、前記衛星信号から現在地の緯度情報および経度情報を含む現在地位置情報を取得する測位部と、地磁気を検出する磁気センサーと、目的地の緯度情報および経度情報を含む目的地位置情報を記憶する目的地記憶部と、前記測位部に測位処理を実行させ、前記測位処理により取得した前記現在地位置情報と、前記目的地位置情報とに基づいて前記目的地までの距離を算出し、前記現在地位置情報と、前記地磁気と、前記目的地位置情報とに基づいて前記目的地の方向を算出し、前記目的地の方向を表示部に表示させるナビゲーション処理を実行するナビゲーション処理部と、所定の操作が実行されたら、前記ナビゲーション処理部に前記ナビゲーション処理を開始させる操作部と、を備え、前記ナビゲーション処理部は、前記距離が予め設定された閾値より大きい場合、前記所定の操作が実行されてから所定時間の間に第1頻度で前記ナビゲーション処理を実行し、前記距離が予め設定された閾値以下の場合、前記所定時間の間に前記第1頻度よりも多い第2頻度で前記ナビゲーション処理を実行する。
【0006】
本開示電子時計において、電力を供給する電池と、前記電池の電池残量を検出する電池残量検出部と、を備え、前記ナビゲーション処理部は、前記距離が予め設定された閾値以下で、かつ、前記電池残量検出部の検出値が予め設定された閾値より大きい場合、前記第2頻度で前記ナビゲーション処理を実行してもよい。
【0007】
本開示の電子時計において、太陽電池と、前記太陽電池の発電量を検出する発電量検出部と、を備え、前記ナビゲーション処理部は、前記距離が予め設定された閾値以下で、かつ、前記発電量検出部の検出値が予め設定された閾値より大きい場合、前記第2頻度で前記ナビゲーション処理を実行してもよい。
【0008】
本開示の電子時計において、前記ナビゲーション処理部は、前記ナビゲーション処理において、前記目的地までの距離を前記表示部に表示させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】第1実施形態の電子時計の概略構成を示すブロック図。
【
図3】第1実施形態の記憶装置の概略構成を示すブロック図。
【
図4】第1実施形態のナビゲーション処理を示すフローチャート。
【
図5】第1頻度でナビゲーション処理を実行した場合の消費電流を示す図。
【
図6】第2頻度でナビゲーション処理を実行した場合の消費電流を示す図。
【
図7】第2実施形態の電子時計の概略構成を示す図。
【
図8】第2実施形態のナビゲーション処理を示すフローチャート。
【
図9】第3実施形態の電子時計の概略構成を示す図。
【
図10】第3実施形態のナビゲーション処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
以下、本開示の第1実施形態に係る電子時計1について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の電子時計1を示す正面図である。
本実施形態の電子時計1は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星や準天頂衛星などの位置情報衛星から送信される衛星信号の電波を受信して、緯度情報および経度情報を含む位置情報を取得可能に構成されている。
また、電子時計1は、目的地へのナビゲーションを行うナビゲーション機能を備えている。
【0011】
[電子時計]
図1に示すように、電子時計1は、外装ケース2と、文字板3と、秒針4と、分針5と、時針6とを備える。
また、外装ケース2には、りゅうず7と、Aボタン8Aと、Bボタン8Bと、Cボタン8Cとが設けられている。Aボタン8Aは、文字板3の平面中心に対して2時方向に設けられ、Bボタン8Bは文字板3の平面中心に対して4時方向に設けられ、Cボタン8Cは文字板3の平面中心に対して10時方向に設けられている。
【0012】
文字板3は、円板状に形成されている。文字板3の平面中心には、3つの回転軸が設けられ、当該回転軸に、秒針4と、分針5と、時針6とがそれぞれ取り付けられている。指針4~6は、通常、時刻を表示する。ただし、秒針4は、ナビゲーション処理が実行されると、北の方位を指示する。
【0013】
また、文字板3は、2つのサブダイヤルを有する。すなわち、
図1に示すように、文字板3の平面中心に対して、2時方向に円形の第1小窓770と指針771が設けられ、10時方向に円形の第2小窓780と指針781が設けられている。
さらに、文字板3の中心に対して、6時方向に矩形のデジタル表示部120が設けられている。
【0014】
本実施形態では、第1小窓770の指針771は各種情報を指示するモード針であり、第2小窓780の指針781は目的地の方向を示す目的地方位指針である。
モード針である指針771で指示される第1小窓770には、
図2に示す二次電池24の残量を示すパワーインジケーターおよび機内モードの設定を指示する目盛が表示されている。
パワーインジケーターは、第1小窓770の12時位置から3時位置を経由し6時位置に渡って帯状に表示され、12時位置がFull、6時位置がEmptyを意味する。また、機内モードを示す飛行機マークは、第1小窓770の7時位置に表示される。
なお、指針771で指示される第1小窓770は、上記構成に限られるものではない。例えば、第1小窓770には、電子時計1が有する機能に応じて、夏時間の設定モードを表示する記号、スタンダードタイムを表示するモードを意味する記号、サマータイムを表示するモードを意味する記号、受信モードの測時モードおよび測位モードを意味する記号などが表示されていてもよい。
【0015】
第2小窓780には、内周を12分割する目盛が表示されている。ナビゲーション処理が実行されると、指針781は当該目盛を用いて目的地の方向を指示する。例えば、現在地から見て目的地の方向が東であれば、北の方位を指示する秒針4を12時位置に合わせるように電子時計1を向けた状態では、指針781は第2小窓780の3時位置の目盛を指示する。また、秒針4を6時位置に合わせるように電子時計1を向けた状態では、指針781は第2小窓780の9時位置の目盛を指示する。すなわち、指針781は、北の方位を基準として、目的地の方向を指示する。
なお、本実施形態では、文字板3、第1小窓770、第2小窓780、指針4~6、771、781により、
図2に示すアナログ表示部100が構成される。
【0016】
デジタル表示部120は各種情報を表示する。デジタル表示部120は、通常、日付および曜日を表示する。デジタル表示部120が表示する情報の詳細については後述する。
【0017】
[電子時計の概略構成]
図2は、電子時計1の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、電子時計1は、太陽電池22、充電回路23、二次電池24、アンテナ体25、受信装置30、制御装置40、計時装置50、記憶装置60、入力装置70、磁気センサー80、駆動機構90、アナログ表示部100、LCDドライバー110、デジタル表示部120等を備えている。
充電回路23は、太陽電池22で発生した電力を二次電池24に供給し、二次電池24を充電する。なお、二次電池24は、本開示の電池の一例である。
アンテナ体25は、位置情報衛星から送信される衛星信号を受信するアンテナであり、本実施形態ではパッチアンテナで構成される。ただし、アンテナ体25は、パッチアンテナで構成されることに限られず、例えば、ダイポールアンテナ、逆Fアンテナ、リングアンテナなどで構成されていてもよい。
駆動機構90は、指針4~6、771、781を駆動する図示略のステップモーター、輪列、駆動回路等を備えて構成される。
LCDドライバー110は、デジタル表示部120に駆動信号を出力する。
【0018】
[入力装置]
入力装置70は、
図1に示すりゅうず7と、3つのボタン8A、8B、8C、とを備える。入力装置70が操作されると、当該操作に基づいて各種処理が実行される。なお、りゅうず7および3つのボタン8A~8Cを備える入力装置70は本開示の操作部の一例である。
【0019】
[受信装置]
受信装置30は、制御装置40によって駆動されると、アンテナ体25を通じて位置情報衛星から送信される衛星信号の電波を受信する。すなわち、受信装置30は本発明の受信部の一例である。そして、受信装置30は、衛星信号の電波の受信に成功した場合には、衛星信号から取得した時刻情報や、衛星信号から取得した各位置情報衛星の位置情報および時刻情報から算出した現在位置情報などの情報を制御装置40へ送信する。一方、衛星信号の受信に失敗した場合には、受信装置30は、その旨の情報を制御装置40へ送信する。なお、受信装置30の構成は、公知のGPS受信回路の構成と同様であるため、その説明を省略する。
【0020】
[計時装置]
計時装置50は、水晶振動子等を備え、水晶振動子の発振信号に基づく基準信号を用いて時刻データを更新する。
【0021】
[磁気センサー]
磁気センサー80は、例えば、3軸タイプの磁気センサーであり、地磁気を計測し、計測した地磁気を制御装置40に出力する。
【0022】
[制御装置]
制御装置40は、電子時計1を制御するCPUで構成されている。制御装置40は、測時部410、測位部420、タイムゾーン設定部430、タイムゾーン修正部440、時刻修正部450、ナビゲーション処理部460、表示制御部470、を備える。
【0023】
図3は、記憶装置60の概略構成を示すブロック図である。
記憶装置60は、RAM等で構成され、
図3に示すように、時刻データ記憶部600と、タイムゾーンデータ記憶部650と、目的地記憶部660とを備えている。
時刻データ記憶部600には、受信時刻データ610と、内部時刻データ620と、表示用時刻データ630と、設定タイムゾーンデータ640とが記憶される。
【0024】
図2に戻って、制御装置40の構成について以下に説明する。
【0025】
測時部410は、受信装置30を作動して、少なくとも1つの位置情報衛星を捕捉し、その位置情報衛星から送信される衛星信号の電波を受信して時刻情報を取得する。本実施形態では、測時部410は、自動受信処理と手動受信処理とにおいて受信処理を実行可能に構成されている。自動受信処理としては、定時受信時刻になった場合に受信処理を実行する定時自動受信処理や、屋外において太陽電池22に日光が照射していると判断できる場合に受信処理を実行する光自動受信処理等が例示される。
【0026】
測位部420は、受信装置30を作動して4個、好ましくは5個以上の位置情報衛星を捕捉し、各位置情報衛星から送信される衛星信号の電波を受信して、緯度情報および経度情報を含む現在地位置情報を算出して取得する測位処理を実行する。また、測位部420は、衛星信号を受信した際に時刻情報も同時に取得できる。本実施形態では、測位部420は、前述した測時部410と同様に、自動受信処理と手動受信処理とにおいて受信処理を実行可能に構成されている。
【0027】
タイムゾーン設定部430は、測位部420で位置情報の取得に成功した場合、取得した緯度情報および経度情報に基づいて、タイムゾーンデータ記憶部650から取得したタイムゾーンデータを設定タイムゾーンデータ640に設定する。
また、タイムゾーン設定部430は、入力装置70の操作により、時差情報または都市情報のいずれかが選択された場合、選択された時差情報または都市情報に対応するタイムゾーンデータを設定タイムゾーンデータ640に設定する。
【0028】
タイムゾーン修正部440は、タイムゾーン設定部430がタイムゾーンデータを設定すると、表示用時刻データ630を、設定タイムゾーンデータ640を用いて修正する。このため、表示用時刻データ630は、内部時刻データ620に設定タイムゾーンデータ640を加算した時刻となる。
【0029】
時刻修正部450は、測時部410や測位部420の受信処理で時刻情報の取得に成功した場合、取得した時刻情報で受信時刻データ610を修正する。このため、内部時刻データ620および表示用時刻データ630も修正される。表示用時刻データ630が修正されると、表示用時刻データ630と同期している指針4~6の指示時刻も修正される。
【0030】
ナビゲーション処理部460は、入力装置70に所定の操作が実行されたら、例えば、Cボタン8Cが5秒以上押されたら、目的地登録制御を実行する。
また、ナビゲーション処理部460は、入力装置70に所定の操作が実行されたら、例えば、Aボタン8Aが5秒以上を押されたら、ナビゲーション制御を開始する。
なお、目的地登録処理およびナビゲーション処理の詳細については後述する。
【0031】
表示制御部470は、駆動機構90およびLCDドライバー110を制御して、時刻および各種情報を指針4~6、771、781、デジタル表示部120に表示させる。
【0032】
[目的地登録制御]
次に、目的地登録制御について以下に説明する。
Cボタン8Cが5秒以上押されて、目的地登録制御が開始されると、表示制御部470は、LCDドライバー110を制御して、デジタル表示部120に「REG.DEST.」の文字を表示させる。なお、「REG.DEST.」は、Register Destinationの略である。
【0033】
また、ナビゲーション処理部460は、測位部420に測位処理を実行させる。これにより、ナビゲーション処理部460は、現在地位置情報を取得する。また、表示制御部470は、測位処理が実行されて受信装置30が作動している間、LCDドライバー110を駆動して、デジタル表示部120に「GPS」の文字を表示させる。
【0034】
そして、ナビゲーション処理部460は、取得した現在地位置情報を目的地位置情報として目的地記憶部660に記憶させる。目的地記憶部660に目標位置情報が記憶されると、表示制御部470は、LCDドライバー110を駆動して、デジタル表示部120に「DEST.REGD.」の文字を一定時間、例えば、20秒間表示させる。なお、「DEST.REGD.」は、Destination Registeredの略である。
そして、ナビゲーション処理部460は、目的地登録制御を終了する。
【0035】
[ナビゲーション制御]
次に、ナビゲーション制御について、
図4のフローチャートに基づいて説明する。
本実施形態では、ナビゲーション処理部460は、Aボタン8Aが5秒以上押されてナビゲーション制御を開始すると、測位処理、演算処理、表示処理を含むナビゲーション処理を実行する。また、ナビゲーション処理部460は、予め設定された所定時間T1の間、ナビゲーション制御を継続する。なお、所定時間T1として、例えば、3分間が設定されている。なお、所定時間T1は3分間に限られるものではなく、3分間以上に設定されていてもよく、あるいは、3分間未満に設定されていてもよい。
【0036】
図5に示すように、Aボタン8Aが5秒以上押されて、ナビゲーション制御が開始されると、ナビゲーション処理部460は、ステップS101として、測位部420に測位処理を実行させて、現在地位置情報を取得する。また、表示制御部470は、測位処理が実行されて受信装置30が作動している間、LCDドライバー110を駆動して、デジタル表示部120に「GPS」の文字を表示させる。
ここで、測位部420は、1回目の測位処理では、位置情報衛星を捕捉する捕捉処理を実行し、その後、捕捉した位置情報衛星から衛星信号を受信する信号受信処理を実行する。
【0037】
次に、ナビゲーション処理部460は、ステップS102として、演算処理を実行する。演算処理では、ナビゲーション処理部460は、ステップS101で取得した現在地位置情報の座標と、目的地記憶部660に記憶された目的地位置情報の座標とに基づいて、現在地から目的地までの距離Lを算出する。
また、ナビゲーション処理部460は、現在位置情報の座標と、目的地位置情報の座標とに基づいて、北を基準方位とし、時計回りを正の角度とした目的地の方位角を算出する。そして、ナビゲーション処理部460は、磁気センサー80を作動させて地磁気を取得し、当該地磁気と、算出した方位角とに基づいて、目的地の方向Oを算出する。すなわち、ナビゲーション処理部460は、現在地位置情報と、目的地位置情報と、地磁気とに基づいて目的地の方向Oを算出する。
さらに、ナビゲーション処理部460は、取得した地磁気に基づいて、北の方位を算出する。
【0038】
次に、ナビゲーション処理部460は、ステップS103として、距離Lが、予め設定された距離閾値L1未満であるか否かを判定する。なお、本実施形態では、距離閾値L1として、例えば、「300m」が設定されている。
【0039】
ステップS103でNoと判定すると、ナビゲーション処理部460は、ステップS104として、頻度NにN1を設定する。
具体的には、ナビゲーション処理部460は、所定時間T1にナビゲーション処理を実行する回数、つまり、ナビゲーション処理の頻度NにN1を設定する。なお、本実施形態では、N1として1回が設定されている。すなわち、ナビゲーション処理部460は、所定時間T1である3分間に、測位処理、演算処理、表示処理を実行する頻度として1回を設定する。なお、N1は、本開示の第1頻度の一例である。
【0040】
そして、ナビゲーション処理部460は、ステップS105として、測位処理を実行する間隔である処理間隔Dに、処理間隔D1=T1/N1=3分間を設定する。つまり、ナビゲーション処理部460は、所定時間T1において、ナビゲーション処理の頻度Nを1回にするために、測位処理を実行する処理間隔Dに3分間を設定する。
【0041】
次に、ナビゲーション処理部460は、ステップS106として、表示制御部470に距離Lを表示させる表示処理を実行させる。
具体的には、表示制御部470は、LCDドライバー110を制御して、デジタル表示部120に算出した距離Lを表示させる。
【0042】
そして、ナビゲーション処理部460は、ステップS107として、表示制御部470に目的地の方向Oを表示させる表示処理を実行させる。
具体的には、表示制御部470は、駆動機構90を制御して、演算処理で算出した方向Oを指針781に指示させる。なお、アナログ表示部100およびデジタル表示部120は、本開示の表示部の一例である。
さらに、表示制御部470は、駆動機構90を制御して、秒針4に北の方位を指示させる。
この際、ナビゲーション処理部460は、磁気センサー80を作動させて、一定の間隔、例えば、1秒間隔で地磁気を取得し、取得した地磁気に基づいて北の方位を算出する。そして、表示制御部470は、駆動機構90を制御して、1秒間隔で秒針4に北の方位を指示させ、指針781に目的地の方向Oを指示させる。つまり、ステップS107において、北の方位および目的地の方向Oの指示は1秒間隔で更新される。
なお、ナビゲーション処理部460は、地磁気を1秒間隔で取得することに限られるものではなく、例えば、地磁気を10秒間隔で取得してもよい。この場合、北の方位および目的地の方向Oの指示は10秒間隔で更新される。
【0043】
次に、ナビゲーション処理部460は、ステップS108として、前回測位処理が実行されてからの経過時間tが処理間隔D1を超えたか否か、つまり、前回測位処理を実行してから3分間経過したか否かを判定する。
ステップS108でNoと判定した場合、ナビゲーション処理部460は、ステップS107に戻るつまり、ナビゲーション処理部460は、ステップS108でYesと判定されるまで、北の方位および目的地の方向Oを1秒間隔で更新する。
【0044】
一方、ステップS108でYesと判定した場合、ナビゲーション処理部460は、後述するステップS114の処理を実行する。
【0045】
ステップS103に戻って、ステップS103でYesと判定した場合、ナビゲーション処理部460は、ステップS109として、頻度NにN2を設定する。なお、本実施形態では、N2としてN1よりも多い180回が設定されている。すなわち、ナビゲーション処理部460は、所定時間T1である3分間に、測位処理、演算処理、表示処理を実行する頻度Nとして180回を設定する。なお、N2は、本開示の第2頻度の一例である。
【0046】
そしてナビゲーション処理部460は、ステップS110として、測位処理を実行する間隔である処理間隔Dに、処理間隔D2=T1/N2=1秒間を設定する。つまり、ナビゲーション処理部460は、所定時間T1において、ナビゲーション処理の頻度Nを180回にするために、測位処理を実行する処理間隔Dに1秒間を設定する。
【0047】
次に、ナビゲーション処理部460は、ステップS111として、前述したステップS106と同様に、表示制御部470に距離Lを表示させる。
そして、ナビゲーション処理部460は、ステップS112として、前述したステップS107と同様に、表示制御部470に目的地の方向Oを表示させる。
【0048】
次に、ナビゲーション処理部460は、ステップS113として、前回測位処理が実行されてからの経過時間tが処理間隔D2を超えたか否か、つまり、前回測位処理を実行してから1秒間経過したか否かを判定する。
【0049】
ステップS113でNoと判定された場合、ナビゲーション処理部460は、ステップS112に戻る。
【0050】
ステップS113、または、ステップS108でYesと判定された場合、ナビゲーション処理部460は、ステップS114として、ナビゲーション制御が開始されてから、つまり、Aボタン8Aが5秒以上押されてからの経過時間Tが所定時間T1である3分間を超えたか否かを判定する。
ステップS114でNoと判定された場合、ステップS101に戻って、ステップS101~S114までの処理を繰り返す。
つまり、演算処理で算出した距離Lが距離閾値L1以下の場合は、1秒間隔で測位処理、演算処理、表示処理を含むナビゲーション処理が実行される。そのため、この場合、距離Lおよび目的地の方位角が1秒間隔で更新される。この際、測位部420は、2回目以降の測位処理において、捕捉処理は実行せず、1回目の測位処理で捕捉した位置情報衛星に対する信号受信処理のみを実行する。
一方、演算処理で算出した距離Lが距離閾値L1よりも大きい場合は、所定時間T1の間に測位処理、演算処理、表示処理を含むナビゲーション処理が1回実行される。そのため、この場合、距離Lおよび方位角は更新されない。なお、目的地の方向Oは、北の方位を基準にして一定の角度、つまり、秒針4が指示する方位を基準に、演算処理で算出した方位角で表示し続ける。そのため、ユーザーが電子時計1の向きを変え、それに応じて北の方位を指示する秒針4が移動した場合は、目的地方位指針である指針781も秒針4に対して同じ角度を保つように移動する。
【0051】
一方、ステップS114でYesと判定した場合、ナビゲーション制御を終了する。
ナビゲーション制御が終了すると、表示制御部470は、駆動機構90を制御して、秒針4に、表示用時刻データ630に記憶される時刻の秒を表示させ、指針781に第2小窓780における12時位置を指示させる。また、表示制御部470は、LCDドライバー110を制御して、デジタル表示部120に、日付および曜日を表示させる。
【0052】
図5は、距離Lが距離閾値L1よりも大きい場合の、受信装置30および磁気センサー80のOn時間および消費電流を示す図である。なお、
図5において、受信装置30のOn時間および消費電流は実線で示し、磁気センサー80のOn時間および消費電流は点線で示している。
図5に示すように、距離Lが距離閾値L1より大きい場合、ナビゲーション処理の頻度Nに1回が設定されるので、受信装置30は最初にOnされ、1回目の測位処理が終了すると、その後、Offされる。そのため、受信装置30の消費電流は、最初に大きくなり、その後ゼロになる。
一方、磁気センサー80は、受信装置30がOffされた後にOnされる。そして、磁気センサー80は、ナビゲーション制御が終了するまでOn状態が継続される。これにより、ナビゲーション処理部460は、1秒間隔で地磁気を取得する。
なお、磁気センサー80による消費電流は、受信装置30に比べて非常に小さい。そのため、ナビゲーション制御が終了するまで磁気センサー80のOn状態を継続したとしても、電力消費量が大きくなることはない。
【0053】
図6は、距離Lが距離閾値L1以下の場合の、受信装置30および磁気センサー80のOn時間および消費電流を示す図である。なお、
図6において、受信装置30のOn時間および消費電流は実線で示し、磁気センサー80のOn時間および消費電流は点線で示している。
図6に示すように、距離Lが距離閾値L1以下の場合、ナビゲーション処理の頻度Nに180回が設定されるので、受信装置30は、ナビゲーション制御が開始されてから終了されるまでOn状態が継続される。ただし、前述したように、測位部420は、位置情報衛星を捕捉している状態で測位処理を実行すると、捕捉処理は実行せず、捕捉している位置情報衛星に対する信号受信処理のみを実行する。つまり、2回目以降の測位処理では捕捉処理を実行しないので、2回目以降の測位処理における受信装置30の消費電流は低下する。
また、磁気センサー80は、1回目の測位処理が終了した後にOnされる。そして、磁気センサー80は、ナビゲーション制御が終了するまでOn状態が継続される。
【0054】
[第1実施形態の作用効果]
このような本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態では、電子時計1は、測位部420に測位処理を実行させ、測位処理により取得した現在地位置情報と、目的地位置情報とに基づいて目的地までの距離Lを算出し、現在地位置情報と、地磁気と、目的地位置情報とに基づいて目的地の方向Oを算出し、目的地までの距離Lおよび方向Oを表示させるナビゲーション処理を実行するナビゲーション処理部460を備える。そして、ナビゲーション処理部460は、距離Lが予め設定された距離閾値L1より大きい場合、所定時間T1の間にナビゲーション処理を1回の頻度で実行する。また、ナビゲーション処理部460は、距離Lが距離閾値L1以下の場合、所定時間T1の間にナビゲーション処理を180回の頻度で実行する。
【0055】
これにより、ナビゲーション処理部460は、距離Lが距離閾値L1よりも大きい場合、つまり現在地から目的地までの距離Lが遠い場合、ナビゲーション処理を実行する頻度を少なくする。そのため、二次電池24の消費を抑制できる。この際、現在地から目的地までの距離Lが遠い場合は、ユーザーが現在地周辺を多少移動したとしても、現在地から目的地までの方向は大きく変化しないので、少ない頻度でナビゲーション処理を実行した場合でも、現在地から目的地までの方向Oを必要な精度で表示し続けることができる。
また、ナビゲーション処理部460は、距離Lが距離閾値L1以下の場合、つまり現在地から目的地までの距離Lが近い場合、ナビゲーション処理を実行する頻度を多くする。そのため、ユーザーが現在地周辺を移動して、現在地から目的地までの方向が大きく変化したとしても、ナビゲーション処理を実行する毎に現在地位置情報を更新して、距離Lおよび方向Oを算出するので、現在地から目的地までの距離Lおよび方向Oを正確に表示することができる。
このように、本実施形態では、現在地から目的地までの距離Lに応じて、ナビゲーション処理を実行する頻度を変更するので、ユーザーの利便性を向上し、かつ、消費電流を抑制することができる。
【0056】
本実施形態では、ナビゲーション処理部460は、磁気センサー80を作動させて、1秒間隔で地磁気を取得し、取得した地磁気に基づいて北の方位を算出する。これに基づき、表示制御部470は、駆動機構90を制御して、1秒間隔で秒針4に北の方位を指示させる、そして、目的地の方向Oは、北の方位を基準にして一定の角度で表示し続ける。そのため、ナビゲーション処理が実行されていない間に、ユーザーが電子時計1の向きを変え、それに応じて北の方位を指示する秒針4が移動した場合に、目的地方位指針である指針781も秒針4に対して同じ角度を保つように移動するので、ユーザーの利便性を向上できる。
【0057】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を
図7~8の図面に基づいて説明する。
第2実施形態では、電子時計1Aの電源として一次電池26Aが用いられ、一次電池26Aの電池残量を検出する電池残量検出部27Aが設けられる点で第1実施形態と異なる。
なお、第1実施形態の電子時計1と同じ構成については、同じ符号を付けて説明は省略する。
【0058】
[電子時計の概略構成]
図7は、電子時計1の概略構成を示すブロック図である。
図7に示すように、電子時計1Aは、電力を供給する一次電池26Aと、当該一次電池26Aの電池残量Wを検出する電池残量検出部27Aとを備える。電池残量検出部27Aは、検出した一次電池26Aの電池残量Wを制御装置40Aに出力する。
なお、一次電池26Aは、本開示の電池の一例である。
【0059】
[ナビゲーション制御]
図8は、第2実施形態におけるナビゲーション制御を説明するフローチャートである。なお、第2実施形態において、ステップS201~S214は、前述した第1実施形態のステップS101~S114と同様であるため、説明を省略する。
【0060】
図8に示すように、ステップS203でYesと判定すると、ナビゲーション処理部460Aは、ステップS215として、電池残量検出部27Aにて検出した電池残量Wが、予め設定された電池残量閾値W1よりも大きいか否かを判定する。
ここで、電池残量閾値W1として、ナビゲーション処理の頻度NにN2である180回を設定した場合に、電子時計1Aがシステムダウンしない値が設定されており、例えば、10mAhが設定されている。
【0061】
そして、ステップS215でYesと判定した場合、ナビゲーション処理部460Aは、ステップS209として、頻度Nに、N2である180回を設定する。これにより、ナビゲーション処理部460A、電池残量検出部27Aにて検出した電池残量Wが、電池残量閾値W1よりも大きい場合、ナビゲーション処理を実行する頻度を多くする。
【0062】
一方、ステップS215でNoと判定した場合、ナビゲーション処理部460Aは、ステップS204として、頻度Nに、N1である1回を設定する。これにより、ナビゲーション処理部460Aは、電池残量検出部27Aにて検出した電池残量Wが、電池残量閾値W1以下である場合、ナビゲーション処理を実行する頻度を少なくする。
【0063】
[第2実施形態の作用効果]
このような本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態では、電子時計1Aは、電力を供給する電源としての一次電池26Aと、一次電池26Aの電池残量Wを検出する電池残量検出部27Aとを備える。そして、ナビゲーション処理部460Aは、距離Lが距離閾値L1以下で、かつ、電池残量検出部27Aにて検出した電池残量Wが予め設定された電池残量閾値W1より大きい場合、頻度NにN2である180回を設定する。一方、ナビゲーション処理部460Aは、電池残量検出部27Aにて検出した電池残量Wが予め設定された電池残量閾値W1以下の場合、頻度NにN1である1回を設定する。
これにより、ナビゲーション処理部460Aは、電池残量Wによってもナビゲーション処理を実行する頻度Nを切り替えるので、電池残量Wが不要に低下して、電子時計1Aがシステムダウンしてしまうことを抑制できる。
【0064】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を
図9~10の図面に基づいて説明する。
第3実施形態では、太陽電池22の発電量Pを検出する発電量検出部28Bが設けられる点で第1実施形態と異なる。
なお、第1実施形態の電子時計1と同じ構成については、同じ符号を付けて説明は省略する。
【0065】
[電子時計の概略構成]
図9は、電子時計1Bの概略構成を示すブロック図である。
図7に示すように、電子時計1Bは、太陽電池22の発電量Pを検出する発電量検出部28Bを備える。発電量検出部28Bは、検出した太陽電池22の発電量Pを制御装置40Bに出力する。
【0066】
[ナビゲーション制御]
図10は、第3実施形態におけるナビゲーション制御を説明するフローチャートである。なお、第3実施形態において、ステップS301~S314は、前述した第1実施形態のステップS101~S114と同様であるため、説明を省略する。
【0067】
図10に示すように、ステップS303でYesと判定すると、ナビゲーション処理部460Bは、ステップS316として、発電量検出部28Bにて検出した発電量Pが、予め設定された発電閾値P1よりも大きいか否かを判定する。
ここで、発電閾値P1として、例えば、2mWが設定されている。
【0068】
そして、ステップS316でYesと判定した場合、ナビゲーション処理部460Bは、ステップS309として、頻度Nに、N2である180回を設定する。これにより、ナビゲーション処理部460Bは、発電量検出部28Bにて検出した発電量Pが、発電閾値P1よりも大きい場合、ナビゲーション処理を実行する頻度を多くする。
【0069】
一方、ステップS316でNoと判定した場合、ナビゲーション処理部460Bは、ステップS304として、頻度Nに、N1である1回を設定する。これにより、ナビゲーション処理部460Bは、発電量検出部28Bにて検出した発電量Pが、発電閾値P1以下である場合、ナビゲーション処理を実行する頻度を少なくする。
【0070】
[第3実施形態の作用効果]
このような本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態では、電子時計1Bは、太陽電池22と、当該太陽電池22の発電量Pを検出する発電量検出部28Bとを備える。そして、ナビゲーション処理部460Bは、距離Lが予め設定された距離閾値L1以下で、かつ、発電量検出部28Bにて検出した発電量Pが予め設定された発電閾値P1より大きい場合、頻度NにN2である180回を設定する。一方、ナビゲーション処理部460Bは、発電量検出部28Bにて検出された発電量Pが予め設定された発電閾値P1以下の場合、頻度NにN1である1回を設定する。
これにより、ナビゲーション処理部460Bは、発電量Pによっても、ナビゲーション処理を実行する頻度Nを切り替えるので、ナビゲーション処理によって電池残量が不用意に減ってしまうことを抑制できる。
【0071】
[変形例]
なお、本開示は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれるものである。
前記各実施形態において、ナビゲーション処理部460,460A,460Bは、表示制御部470に現在地から目的地までの距離Lおよび方向Oを表示させるように構成されていたが、これに限定されない。例えば、ナビゲーション処理部460,460A,460Bは、表示制御部470に目的地の方向Oのみを表示させるように構成されていてもよい。
【0072】
前記各実施形態では、ナビゲーション処理部460,460A,460Bは、N1として1回を設定し、N2として180回を設定するよう構成されていたが、これに限定されない。例えば、ナビゲーション処理部460,460A,460Bは、N1として10回を設定し、N2として30回を設定するように構成されていてもよく、N2がN1よりも多く設定されるように構成されていればよい。
【0073】
前記各実施形態では、ナビゲーション処理部460,460A,460Bは、現在地から目的地までの距離Lに応じて、ナビゲーション処理を実行する頻度Nを2段階に設定するように構成されていたが、これに限定されない。例えば、ナビゲーション処理部460,460A,460Bは、距離Lに応じてナビゲーション処理を実行する頻度Nを3段階以上に設定するように構成されていてもよい。例えば、ナビゲーション処理部460,460A,460Bは、距離Lに応じて頻度を3段階に設定するように構成される場合、距離Lが1km以上の場合は頻度Nに1回を設定し、1km未満300m以上の場合は頻度Nに18回を設定し、300m未満の場合は頻度Nに36回を設定するよう構成されていてもよい。つまり、距離Lが1km以上の場合は処理間隔Dに3分間を設定し、1km未満300m以上の場合は処理間隔Dに10秒間を設定し、300m未満の場合は処理間隔Dに5秒間を設定するよう構成されていてもよい。これにより、ユーザーの利便性をより向上し、かつ、消費電流を抑制することができる。
【0074】
前記各実施形態では、電子時計1,1A,1Bはデジタル表示部120を備え、当該デジタル表示部120に距離Lを表示するように構成されていたが、これに限定されない。例えば、電子時計1,1A,1Bは、距離Lを表示する指針、小窓、目盛などを備えて構成されていてもよい。この場合、電子時計1,1A,1Bはデジタル表示部120を備えていなくてもよい。すなわち、電子時計1,1A,1Bは、アナログ式電子時計として構成されていてもよい。
【0075】
前記各実施形態では、磁気センサー80は、Onされた後、ナビゲーション制御が終了するまでOn状態が継続されていたが、これに限定されない。例えば、磁気センサー80は、ナビゲーション処理部460,460A,460Bが地磁気を1回取得した後、Offされるように構成されていてもよい。
【0076】
前記第1実施形態では、電子時計1は、太陽電池22、充電回路23、二次電池24を備えて構成されていたが、これに限定されない。例えば、電子時計1は、電源として一次電池を備えて構成されていてもよい。
【0077】
前記第2実施形態では、電子時計1Aは、一次電池26Aを備えて構成されていたが、これに限定されない。例えば、電子時計1Aは、太陽電池、充電回路、二次電池を備えて構成されていてもよい。この場合、電池残量検出部27Aは、二次電池の電力量を検出可能に構成される。
【0078】
前記第2実施形態では、ナビゲーション処理部460Aは、電池残量Wが電池残量閾値W1以下の場合、頻度NにN1である1回を設定していたが、これに限定されない。例えば、ナビゲーション処理部460Aは、電池残量Wが電池残量閾値W1以下の場合、頻度NにN1以上N2未満の頻度を設定するように構成されていてもよい。
また、前記第2実施形態において、ナビゲーション処理部460Aは、1回目の測位処理を実行する前に、電池残量Wが電池残量閾値W1よりも低く設定された第2電池残量閾値W2よりも大きいか否かを判定し、電池残量Wが第2電池残量閾値W2以下と判定した場合、ナビゲーション処理を実行せず、ナビゲーション制御を終了するように構成されていてもよい。これにより、電池残量Wが著しく低い場合に、ナビゲーション処理を実行することによって、電子時計1Aがシステムダウンしてしまうことを抑制できる。
【0079】
前記第3実施形態では、ナビゲーション処理部460Bは、発電量Pが発電閾値P1以下の場合、頻度NにN1である1回を設定していたが、これに限定されない。例えば、ナビゲーション処理部460Bは、発電量Pが発電閾値P1以下の場合、頻度NにN1以上N2未満の頻度を設定するように構成されていてもよい。
また、前記第2実施形態において、ナビゲーション処理部460Bは、1回目の測位処理を実行する前に、発電量Pが発電閾値P1よりも低く設定された第2発電閾値P2よりも大きいか否かを判定し、発電量Pが第2発電閾値P2以下と判定した場合、ナビゲーション処理を実行せず、ナビゲーション制御を終了するように構成されていてもよい。これにより、発電量Pが著しく低い場合に、ナビゲーション処理を実行することによって、電子時計1Bがシステムダウンしてしまうことを抑制できる。
【0080】
前記第3実施形態において、電子時計1Bは、太陽電池22の電力量を検出可能な電力量検出部を備えて構成されていてもよい。この場合、ナビゲーション処理部460Bは、距離Lが予め設定された距離閾値L1以下で、かつ、発電量検出部28Bの検出値が予め設定された発電閾値P1より大きい場合、または、距離Lが予め設定された距離閾値L1以下で、かつ、電力量検出部の検出値が予め設定された閾値よりも大きい場合、頻度NにN2を設定するように構成されていてもよい。
また、ナビゲーション処理部460Bは、距離Lが予め設定された距離閾値L1以下で、かつ、発電量検出部28Bの検出値が予め設定された発電閾値P1より大きく、かつ、電力量検出部の検出値が予め設定された閾値よりも大きい場合に、頻度NにN2を設定するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1,1A,1B…電子時計、2…外装ケース、3…文字板、4…秒針、5…分針、6…時針、7…りゅうず、8A…Aボタン、8B…Bボタン、8C…Cボタン、22…太陽電池、23…充電回路、24…二次電池(電池)、25…アンテナ体、26A…一次電池(電池)、27A…電池残量検出部、28B…発電量検出部、30…受信装置(受信部)、40,40A,40B…制御装置、50…計時装置、60…記憶装置、70…入力装置(操作部)、80…磁気センサー、100…アナログ表示部(表示部)、120…デジタル表示部(表示部)、410…測時部、420…測位部、430…タイムゾーン設定部、440…タイムゾーン修正部、450…時刻修正部、460,460A,460B…ナビゲーション処理部、470…表示制御部、600…時刻データ記憶部、610…受信時刻データ、620…内部時刻データ、630…表示用時刻データ、640…設定タイムゾーンデータ、650…タイムゾーン記憶部、660…目的地記憶部。