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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/209 20210101AFI20221213BHJP
   H01M 50/242 20210101ALI20221213BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20221213BHJP
【FI】
H01M50/209
H01M50/242
H01M50/244 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019049662
(22)【出願日】2019-03-18
(65)【公開番号】P2020155211
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100177910
【弁理士】
【氏名又は名称】木津 正晴
(72)【発明者】
【氏名】栗田 大
(72)【発明者】
【氏名】石川 洋彦
【審査官】渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-018660(JP,A)
【文献】特開平10-016689(JP,A)
【文献】特開2007-273180(JP,A)
【文献】特開2014-154379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋部を有する筐体と、
前記筐体に収容された電池モジュールと、を備え、
前記電池モジュールは、前記蓋部側において前記筐体に固定され、片持ち支持されており、
前記蓋部とは反対側には、前記電池モジュールに外力が作用した場合における前記電池モジュールの変形を規制する変形規制部が配置されており、
前記変形規制部は、前記電池モジュールに設けられた第1規制部と、前記筐体に設けられた第2規制部と、を有し、前記第1規制部と前記第2規制部との接触により、前記電池モジュールに外力が作用した場合における前記電池モジュールの変形を規制する、電池パック。
【請求項2】
前記第1規制部及び前記第2規制部の一方は、棒状に形成されている、請求項に記載の電池パック。
【請求項3】
前記第1規制部及び前記第2規制部の前記一方は、断面円形状に形成されている、請求項に記載の電池パック。
【請求項4】
前記第1規制部及び前記第2規制部の他方には、前記第1規制部及び前記第2規制部の前記一方の形状に対応した形状を有する溝部が設けられている、請求項又はに記載の電池パック。
【請求項5】
前記電池モジュールの変形前において、前記第1規制部と前記第2規制部とは、離間している、請求項のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項6】
蓋部を有する筐体と、
前記筐体に収容された電池モジュールと、を備え、
前記電池モジュールは、前記蓋部側において前記筐体に固定され、片持ち支持されており、
前記蓋部とは反対側には、前記電池モジュールに外力が作用した場合における前記電池モジュールの変形を規制する変形規制部が配置されており、
前記筐体は、箱状の本体部と、前記本体部内に配置された枠体と、を更に有し、
前記電池モジュールは、前記枠体によって片持ち支持されている、電池パック。
【請求項7】
前記筐体は、箱状の本体部と、前記本体部内に配置された枠体と、を更に有し、
前記電池モジュールは、前記枠体によって片持ち支持されており、
前記第2規制部は、前記枠体に設けられている、請求項のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項8】
蓋部を有する筐体と、
前記筐体に収容された電池モジュールと、を備え、
前記電池モジュールは、前記蓋部側において前記筐体に固定され、片持ち支持されており、
前記蓋部とは反対側には、前記電池モジュールに外力が作用した場合における前記電池モジュールの変形を規制する変形規制部が配置されており、
前記変形規制部は、互いに直交する2つの方向における前記電池モジュールの変形を規制する、電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体内に複数の電池モジュールが収容されてなる電池パックが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-80282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような電池パックには、メンテナンス性の向上が求められる。また、上述したような電池パックは例えば車両に搭載されて用いられるため、信頼性の観点から、耐振動性や耐衝撃性を確保することが求められる。
【0005】
本発明は、メンテナンス性を向上しつつ信頼性を確保することができる電池パックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電池パックは、蓋部を有する筐体と、筐体に収容された電池モジュールと、を備え、電池モジュールは、蓋部側において筐体に固定され、片持ち支持されており、蓋部とは反対側には、電池モジュールに外力が作用した場合における電池モジュールの変形を規制する変形規制部が配置されている。
【0007】
この電池パックでは、電池モジュールが、蓋部側において筐体に固定され、片持ち支持されている。これにより、蓋部が開けられた場合に、電池モジュールの筐体に対する固定箇所に容易にアクセスすることができ、メンテナンス性を向上することができる。一方、片持ち構造は、両持ち構造と比べて、耐振動性や耐衝撃性に劣る。この点、この電池パックでは、蓋部とは反対側に、電池モジュールに外力が作用した場合における電池モジュールの変形を規制する変形規制部が配置されている。これにより、電池モジュールに外力が作用した場合でも電池モジュールの変形を抑制することができ、耐振動性や耐衝撃性を確保することができる。よって、この電池パックによれば、メンテナンス性を向上しつつ、信頼性を確保することができる。
【0008】
本発明の電池パックでは、変形規制部は、電池モジュールに設けられた第1規制部と、筐体に設けられた第2規制部と、を有し、第1規制部と第2規制部との接触により、電池モジュールに外力が作用した場合における電池モジュールの変形を規制してもよい。この場合、電池モジュールの変形を好適に抑制することができる。
【0009】
本発明の電池パックでは、第1規制部及び第2規制部の一方は、棒状に形成されていてもよい。この場合、電池モジュールの変形を一層好適に抑制することができる。また、第1規制部及び第2規制部の一方を容易に形成することができる。
【0010】
本発明の電池パックでは、第1規制部及び第2規制部の一方は、断面円形状に形成されていてもよい。この場合、電池モジュールの変形をより一層好適に抑制することができる。また、第1規制部及び第2規制部の一方を一層容易に形成することができる。
【0011】
本発明の電池パックでは、第1規制部及び第2規制部の他方は、第1規制部及び第2規制部の一方の形状に対応した形状を有する溝部が設けられていてもよい。この場合、電池モジュールの変形をより一層好適に抑制することができる。
【0012】
本発明の電池パックでは、電池モジュールの変形前において、第1規制部と第2規制部とは、離間していてもよい。この場合、製造公差がある場合でも、電池パックを容易に組み立てることができる。
【0013】
本発明の電池パックでは、筐体は、箱状の本体部と、本体部内に配置された枠体と、を更に有し、電池モジュールは、枠体によって片持ち支持されていてもよい。この場合、電池モジュールを好適に片持ち支持することができる。
【0014】
本発明の電池パックでは、筐体は、箱状の本体部と、本体部内に配置された枠体と、を更に有し、電池モジュールは、枠体によって片持ち支持されており、第2規制部は、枠体に設けられていてもよい。この場合、電池モジュールを好適に片持ち支持することができる。また、第2規制部を好適に構成することができる。
【0015】
本発明の電池パックでは、第1規制部と第2規制部との接触により、互いに直交する2つの方向における電池モジュールの変形が規制されてもよい。この場合、耐振動性や耐衝撃性を効果的に確保することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、メンテナンス性を向上しつつ信頼性を確保することができる電池パックを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施形態に係る電池パックの斜視図である。
図2】枠体の斜視図である。
図3】蓋部が開けられた状態の電池パックの正面図である。
図4】蓋部が開けられた状態の電池パックの側面図である。
図5】(a)は、電池モジュールを一方側から見た斜視図であり、(b)は、電池モジュールを他方側から見た斜視図である。
図6】枠体及び電池モジュールの模式的な側面図である。
図7】ロッド及び受け部材の模式的な斜視図である。
図8】(a)~(c)は、ロッド及び受け部材の位置を示す模式図であり、(a)は電池モジュールの変形前の位置を、(b)は電池モジュールがZ軸方向に変形した場合の位置を、(c)は電池モジュールがY軸方向に変形した場合の位置を示している。
図9】変形例に係る枠体及び電池モジュールの模式的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
【0019】
図1図4に示される電池パック1は、例えば、港湾においてコンテナの移載に使用されるAGV(無人搬送車)等の車両に搭載されており、当該車両の動力源として機能する。各図に示されるようにX軸、Y軸及びZ軸を設定すると、X軸は車両の進行方向に平行であり、Y軸は車両の幅方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。電池パック1は、略直方体状の筐体2と、筐体2内に収容された複数の電池モジュール3と、を備えている。
【0020】
筐体2は、一面が開口した箱状の本体部21と、本体部21の開口を塞ぐ平板状の蓋部22と、本体部21内に配置された枠体23と、を有している。本体部21は、Y軸方向(Y軸に平行な方向)に開口している。蓋部22は、本体部21に対して開閉可能に設けられている。この例では、蓋部22は、その一辺に沿った回転軸を中心として、本体部21に対して回転可能となっている(図3,4)。蓋部22が閉じられた状態において、蓋部22は、Y軸方向に垂直な平面に沿って延在している。
【0021】
枠体23は、例えば、複数の梁部材24を溶接等により連結することによって構成されており、本体部21内に隙間無く嵌まり込むように、略直方体状に形成されている。梁部材24は、例えば、金属材料により断面矩形状の棒状に形成されている。互いに連結された複数の梁部材24は、電池モジュール3が配置される直方体状の配置領域Sを複数画定している。図1及び図2では、枠体23内に2段2列の4つの配置領域Sが設けられた例が示されている。図1では、1つの配置領域Sに電池モジュール3が配置されているが、実際には各配置領域Sに電池モジュール3が配置されている。枠体23は、例えば本体部21内に嵌め込まれることにより本体部21と一体化されているが、締結部材により又は溶接等により本体部21に固定されていてもよい。
【0022】
電池モジュール3は、例えば、ニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池、又は電気二重層キャパシタである。電池モジュール3は、略直方体状に形成されている。この例では、電池モジュール3の長手方向は、Y軸方向と一致している。図3図5に示されるように、電池モジュール3は、略直方体状のモジュール本体31と、一対のブラケット32と、連結部材33A,33A及び連結部材33B,33Bと、を有している。
【0023】
一対のブラケット32は、それぞれ平板状に形成され、Z軸方向(Z軸に平行な方向)においてモジュール本体31を挟んでいる。連結部材33A,33Aは、電池モジュール3に対してX軸方向(X軸に平行な方向)における両側に配置され、Z軸方向に沿って延在している。連結部材33A,33Aは、Y軸方向における一方側D1において(この例では一方側D1の端部において)ブラケット32同士を連結している。連結部材33B,33Bは、電池モジュール3に対してX軸方向における両側に配置され、Z軸方向に沿って延在している。連結部材33B,33Bは、Y軸方向における他方側D2において(この例では他方側D2の端部において)ブラケット32同士を連結している。なお、一方側D1は、蓋部22側であり、他方側D2は、蓋部22とは反対側である。
【0024】
連結部材33Aは、締結孔34aが設けられた耳部34を有している。連結部材33Aは、接続部材41を介して枠体23に固定されている。接続部材41は、例えば、ボルト(締結部材)42,43により、連結部材33A及び枠体23に固定されている。枠体23には締結孔が設けられており、接続部材41には貫通孔が設けられている。Y軸方向における一方側D1から接続部材41の貫通孔に挿通したボルト42を耳部34の締結孔34aに締結することで、接続部材41が連結部材33Aに固定される。Y軸方向における一方側D1から接続部材41の貫通孔に挿通したボルト43を枠体23の締結孔に締結することで、接続部材41が枠体23に固定される。これにより、電池モジュール3が枠体23に固定される。
【0025】
このように、電池モジュール3は、蓋部22側(Y軸方向における一方側D1)において筐体2に固定され、枠体23によって片持ち支持されている。すなわち、電池モジュール3は、電池モジュール3の中心(重心)よりも蓋部22に近い側において(この例では一方側D1側の端部において)筐体2に固定されている。電池モジュール3は、蓋部22とは反対側(Y軸方向における他方側D2)(蓋部22から遠い側)においては筐体2に固定されていない。これにより、蓋部22が開けられた状態において、電池モジュール3の筐体2に対する固定箇所(ボルト42,43)に容易にアクセスすることができ、電池モジュール3を容易に取り外したり再固定したりすることができる。
【0026】
図5図6及び図7に示されるように、電池モジュール3における蓋部22とは反対側には、ロッド(第1規制部)35が設けられている。ロッド35は、X軸方向に沿って延在している。ロッド35の両端は、例えば、ボルト(締結部材)36により連結部材33Bに固定されている。ロッド35は、例えば、金属材料により円柱状に形成されている。すなわち、ロッド35は、断面円形状の棒状に形成されている。ロッド35の長さは、例えば、10cm~12cm程度である。
【0027】
枠体23には、ロッド35と向かい合う受け部材(第2規制部)25が設けられている。受け部材25は、例えば、金属材料により、Y軸方向に開口した角筒状に形成されている(図7参照)。例えば、受け部材25の幅(X軸方向における長さ)は、ロッド35の長さの1/3程度であり、受け部材25の開口は、一辺が4cm程度の正方形状に形成されている。受け部材25は、例えば、X軸方向に沿って延在する接続部材を介して、溶接等により枠体23に固定されている。
【0028】
受け部材25には、ロッド35に対応した位置に、溝部25aが設けられている。この例では、溝部25aは、受け部材25の開口を画定する一対の辺部の各々に設けられている。溝部25aは、ロッド35に対応した形状に形成されている。この例では、溝部25aは、半円形状に形成されている。
【0029】
ロッド35及び受け部材25は、電池モジュール3に外力が作用した場合における電池モジュール3の変形を規制する変形規制部50として機能する。ロッド35及び受け部材25は、上述したとおり、蓋部22とは反対側に配置されている。すなわち、ロッド35及び受け部材25は、電池モジュール3の中心(重心)よりも蓋部22から遠い側に配置されている。
【0030】
図8(a)に示されるように、通常時(電池モジュール3の変形前)においては、ロッド35と受け部材25とは、所定の間隔(クリアランス)を空けて離間している。この例では、ロッド35と受け部材25とは、Y軸方向及びZ軸方向の各々において向かい合っている。電池モジュール3にZ軸方向の外力が作用した場合、図8(b)に示されるように、ロッド35がZ軸方向に移動して受け部材25に接触する。これにより、Z軸方向における電池モジュール3の撓み変形が規制される。電池モジュール3にZ軸方向の外力が作用する場合としては、乗り上げ又は振動等により車両に鉛直方向の衝撃が作用した場合が考えられる。
【0031】
電池モジュール3にY軸方向の外力が作用した場合、図8(c)に示されるように、ロッド35がY軸方向に移動して受け部材25に接触する。これにより、Y軸方向における電池モジュール3の伸び変形が規制される。電池モジュール3にY軸方向の外力が作用する場合としては、車両に幅方向の衝撃が作用した場合が考えられる。
【0032】
更に、電池モジュール3にX軸方向、Y軸方向及び/又はZ軸方向の外力が作用して電池モジュール3がいずれかの軸周りに変形した場合にも、ロッド35が受け部材25に接触する。これにより、電池モジュール3の各軸周りの変形が規制される。電池モジュール3にX軸方向の外力が作用する場合としては、発進又は停止等により車両に進行方向の衝撃が作用した場合が考えられる。
【0033】
以上説明したように、電池パック1では、電池モジュール3が、蓋部22側において筐体2に固定され、片持ち支持されている。これにより、蓋部22が開けられた場合に、電池モジュール3の筐体2に対する固定箇所(ボルト42)に容易にアクセスすることができ、メンテナンス性を向上することができる。一方、片持ち構造は、両持ち構造と比べて、耐振動性や耐衝撃性に劣る。この点、電池パック1では、蓋部22とは反対側に、電池モジュール3に外力が作用した場合における電池モジュール3の変形を規制する変形規制部50が配置されている。これにより、電池モジュール3に外力が作用した場合でも電池モジュール3の変形を抑制することができ、耐振動性や耐衝撃性を確保することができる。よって、電池パック1によれば、メンテナンス性を向上しつつ、信頼性を確保することができる。
【0034】
更に、電池パック1では、必ずしも電池モジュール3を筐体2に対して強固に固定する必要がないため、小型化及び軽量化を図ることができる。すなわち、電池モジュール3を単に片持ち支持する場合、耐振動性や耐衝撃性を確保するためには、電池モジュール3の筐体2に対する固定に係る部材(例えば枠体23、ブラケット32、ボルト42,43等)を頑丈にする必要があり、それらの部材が大型化して重量が増加してしまう。これに対し、本実施形態の電池パック1では、上述したとおり、変形規制部50によって耐振動性や耐衝撃性が高められているため、必ずしも電池モジュール3を筐体2に対して強固に固定する必要がなく、その結果、小型化及び軽量化を図ることができる。
【0035】
電池パック1では、変形規制部50は、電池モジュール3に設けられたロッド35(第1規制部)と、筐体2に設けられた受け部材25(第2規制部)と、を有し、ロッド35と受け部材25との接触により、電池モジュール3に外力が作用した場合における電池モジュール3の変形を規制する。これにより、電池モジュール3の変形を好適に抑制することができる。
【0036】
電池パック1では、ロッド35が棒状に形成されている。これにより、電池モジュール3の変形を一層好適に抑制することができる。また、ロッド35を容易に形成することができる。
【0037】
電池パック1では、ロッド35が断面円形状に形成されている。これにより、電池モジュール3の変形をより一層好適に抑制することができる。また、ロッド35を一層容易に形成することができる。
【0038】
電池パック1では、受け部材25には、ロッド35の形状に対応した形状を有する溝部25aが設けられている。これにより、電池モジュール3の変形をより一層好適に抑制することができる。
【0039】
電池パック1では、電池モジュール3の変形前において、ロッド35と受け部材25とが離間している。これにより、製造公差がある場合でも、電池パック1を容易に組み立てることができる。
【0040】
電池パック1では、電池モジュール3が枠体23によって片持ち支持されている。これにより、電池モジュール3を好適に片持ち支持することができる。
【0041】
電池パック1では、受け部材25が枠体23に設けられている。これにより、受け部材25を好適に構成することができる。
【0042】
電池パック1では、ロッド35と受け部材25との接触により、互いに直交する2つの方向(Y軸方向及びZ軸方向)における電池モジュール3の変形が規制される。これにより、耐振動性や耐衝撃性を効果的に確保することができる。
【0043】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。上記実施形態では、電池モジュール3に設けられる第1規制部がロッド35によって構成され、枠体23に設けられる第2規制部が受け部材25によって構成されていたが、図9に示される変形例のように、第1規制部が受け部材25によって構成され、第2規制部がロッド35によって構成されていてもよい。このような変形例によっても、上記実施形態と同様に、メンテナンス性を向上しつつ、信頼性を確保することができる。
【0044】
各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。例えば、ロッド35は、断面矩形状であってもよい。この場合、溝部25aも矩形状であってもよい。上記実施形態において、溝部25aは、長円を2分割した形状であってもよい。ロッド35は、Z軸方向に沿って延在していてもよい。これらの場合でも、ロッド35と受け部材25との接触により、互いに直交する2つの方向における電池モジュール3の変形を規制することができる。
【0045】
上記実施形態では、ロッド35と受け部材25との接触により、互いに直交する2つの方向における電池モジュール3の変形が規制されたが、1つの方向における電池モジュール3の変形が規制されてもよい。この場合、ロッド35と受け部材25とは、1つの方向のみにおいて向かい合っていてもよい。
【0046】
電池モジュール3の変形前において、ロッド35と受け部材25とが接触していてもよい。この場合でも、ロッド35と受け部材25との接触により、電池モジュール3の変形を規制することができる。ロッド35と受け部材25との間には、緩衝材が配置されていてもよい。第1規制部及び第2規制部は、ボールジョイントのように構成されてもよい。すなわち、第1規制部が球状に形成され、第2規制部が球面に沿って延在する凹状の受け面を有していてもよい。Y軸方向におけるロッド35と受け部材25との間の間隔は、電池モジュール3を構成する複数の電池セルの膨張量を考慮して決定されてもよい。
【0047】
電池パック1の配置は、上記の例に限られない。X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、車両の進行方向、幅方向及び鉛直方向の任意の方向に設定されてよい。電池モジュール3は、筐体2によって片持ち支持されていればよく、必ずしも枠体23によって片持ち支持されていなくてもよい。筐体2は枠体23を有していなくてもよい。蓋部22は、本体部21に対して開閉可能に設けられていなくてもよく、例えば取り外し可能に設けられていてもよい。筐体2内に収容される電池モジュール3の数は限定されず、5つ以上であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1…電池パック、2…筐体、3…電池モジュール、21…本体部、22…蓋部、23…枠体、25…受け部材(第2規制部)、25a…溝部、35…ロッド(第1規制部)、50…変形規制部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9