(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】内燃機関の制御システム
(51)【国際特許分類】
F02B 39/16 20060101AFI20221213BHJP
F02B 37/007 20060101ALI20221213BHJP
F02B 37/00 20060101ALI20221213BHJP
F02B 37/02 20060101ALI20221213BHJP
F02B 37/16 20060101ALI20221213BHJP
F02D 23/00 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
F02B39/16 F
F02B37/007
F02B37/00 400C
F02B37/02 F
F02B37/16 B
F02D23/00 P
(21)【出願番号】P 2019109433
(22)【出願日】2019-06-12
【審査請求日】2021-09-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小関 知史
【審査官】北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-164129(JP,A)
【文献】特開2010-169008(JP,A)
【文献】特開2008-223568(JP,A)
【文献】特開2009-185684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 39/16
F02B 37/007
F02B 37/00
F02B 37/02
F02B 37/16
F02D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主ターボチャージャと、
前記主ターボチャージャに対して並列に接続される副ターボチャージャと、
前記副ターボチャージャの副タービンの入口側に接続された上流側副排気管に設けられる排気切替弁と、
前記副ターボチャージャの副コンプレッサの出口側に接続された吸気管に設けられた吸気切替弁と、
前記吸気管の前記吸気切替弁よりも上流側と前記主ターボチャージャの主コンプレッサの入口側とを接続する吸気バイパス管に設けられた吸気バイパス弁と、
前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態又は開弁状態に切り替えて、主ターボチャージャのみを作動させて過給するシングルターボモードと、主ターボチャージャと副ターボチャージャを作動させて過給するツインターボモードと、前記シングルターボモードから前記ツインターボモードに切り替える際に経由するツイン切替モードと、前記ツインターボモードから前記シングルターボモードに切り替える際に経由するシングル切替モードと、のいずれか1つの過給モードに設定するように制御する弁切替制御装置と、
吸気マニホールドの過給圧力を取得する過給圧力取得装置と、
前記主コンプレッサの出口圧力を取得する主コンプレッサ出口圧力取得装置と、
前記副コンプレッサの出口圧力を取得する副コンプレッサ出口圧力取得装置と、
前記吸気マニホールドの過給圧力と前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力のいずれかに基づいて、前記弁切替制御装置によって設定された前記過給モードに応じて前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のうちの少なくとも1つの故障診断を行う故障診断装置と、
大気圧を検出する大気圧検出装置を備え、
前記弁切替制御装置は、
前記過給モードを前記シングルターボモードに設定する場合には、前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態に切り替えるように制御し、
前記故障診断装置は、
前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記シングルターボモードに設定したか否かを判定する第1判定装置と、
前記第1判定装置によって前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記シングルターボモードに設定したと判定した場合には、前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力とがほぼ等しい等圧状態で、且つ、前記副コンプレッサの出口圧力が前記大気圧よりも高い圧力であるか否かを判定する第2判定装置と、
を有し、
前記第2判定装置によって前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力とがほぼ等しい等圧状態で、且つ、前記副コンプレッサの出口圧力が前記大気圧よりも高い圧力であると判定された場合には、前記吸気切替弁が開固着しているとの故障診断を行う、
内燃機関の制御システム。
【請求項2】
主ターボチャージャと、
前記主ターボチャージャに対して並列に接続される副ターボチャージャと、
前記副ターボチャージャの副タービンの入口側に接続された上流側副排気管に設けられる排気切替弁と、
前記副ターボチャージャの副コンプレッサの出口側に接続された吸気管に設けられた吸気切替弁と、
前記吸気管の前記吸気切替弁よりも上流側と前記主ターボチャージャの主コンプレッサの入口側とを接続する吸気バイパス管に設けられた吸気バイパス弁と、
前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態又は開弁状態に切り替えて、主ターボチャージャのみを作動させて過給するシングルターボモードと、主ターボチャージャと副ターボチャージャを作動させて過給するツインターボモードと、前記シングルターボモードから前記ツインターボモードに切り替える際に経由するツイン切替モードと、前記ツインターボモードから前記シングルターボモードに切り替える際に経由するシングル切替モードと、のいずれか1つの過給モードに設定するように制御する弁切替制御装置と、
吸気マニホールドの過給圧力を取得する過給圧力取得装置と、
前記主コンプレッサの出口圧力を取得する主コンプレッサ出口圧力取得装置と、
前記副コンプレッサの出口圧力を取得する副コンプレッサ出口圧力取得装置と、
前記吸気マニホールドの過給圧力と前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力のいずれかに基づいて、前記弁切替制御装置によって設定された前記過給モードに応じて前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のうちの少なくとも1つの故障診断を行う故障診断装置と、
大気圧を検出する大気圧検出装置を備え、
前記弁切替制御装置は、
前記過給モードを前記シングルターボモードに設定する場合には、前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態に切り替えるように制御し、
前記故障診断装置は、
前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記シングルターボモードに設定したか否かを判定する第1判定装置と、
前記第1判定装置によって前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記シングルターボモードに設定したと判定した場合には、前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力とが異なった圧力状態で、且つ、前記副コンプレッサの出口圧力が前記大気圧よりも高い圧力であるか否かを判定する第3判定装置と、
を有し、
前記第3判定装置によって前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力とが異なった圧力状態で、且つ、前記副コンプレッサの出口圧力が前記大気圧よりも高い圧力であると判定された場合には、前記排気切替弁が開固着しているとの故障診断を行う、
内燃機関の制御システム。
【請求項3】
主ターボチャージャと、
前記主ターボチャージャに対して並列に接続される副ターボチャージャと、
前記副ターボチャージャの副タービンの入口側に接続された上流側副排気管に設けられる排気切替弁と、
前記副ターボチャージャの副コンプレッサの出口側に接続された吸気管に設けられた吸気切替弁と、
前記吸気管の前記吸気切替弁よりも上流側と前記主ターボチャージャの主コンプレッサの入口側とを接続する吸気バイパス管に設けられた吸気バイパス弁と、
前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態又は開弁状態に切り替えて、主ターボチャージャのみを作動させて過給するシングルターボモードと、主ターボチャージャと副ターボチャージャを作動させて過給するツインターボモードと、前記シングルターボモードから前記ツインターボモードに切り替える際に経由するツイン切替モードと、前記ツインターボモードから前記シングルターボモードに切り替える際に経由するシングル切替モードと、のいずれか1つの過給モードに設定するように制御する弁切替制御装置と、
吸気マニホールドの過給圧力を取得する過給圧力取得装置と、
前記主コンプレッサの出口圧力を取得する主コンプレッサ出口圧力取得装置と、
前記副コンプレッサの出口圧力を取得する副コンプレッサ出口圧力取得装置と、
前記吸気マニホールドの過給圧力と前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力のいずれかに基づいて、前記弁切替制御装置によって設定された前記過給モードに応じて前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のうちの少なくとも1つの故障診断を行う故障診断装置と、
大気圧を検出する大気圧検出装置を備え、
前記弁切替制御装置は、
前記過給モードを前記ツイン切替モードに設定する場合には、前記吸気切替弁を閉弁状態に維持すると共に、前記排気切替弁と前記吸気バイパス弁を開弁状態に切り替えるように制御し、
前記故障診断装置は、
前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記ツイン切替モードに設定したか否かを判定する第4判定装置と、
前記第4判定装置によって前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記ツイン切替モードに設定したと判定した場合には、前記副コンプレッサの出口圧力と前記大気圧とがほぼ等しい等圧状態であるか否かを判定する第5判定装置と、
を有し、
前記第5判定装置によって前記副コンプレッサの出口圧力と前記大気圧とがほぼ等しい等圧状態であると判定された場合には、前記排気切替弁が閉固着しているとの故障診断を行う、
内燃機関の制御システム。
【請求項4】
主ターボチャージャと、
前記主ターボチャージャに対して並列に接続される副ターボチャージャと、
前記副ターボチャージャの副タービンの入口側に接続された上流側副排気管に設けられる排気切替弁と、
前記副ターボチャージャの副コンプレッサの出口側に接続された吸気管に設けられた吸気切替弁と、
前記吸気管の前記吸気切替弁よりも上流側と前記主ターボチャージャの主コンプレッサの入口側とを接続する吸気バイパス管に設けられた吸気バイパス弁と、
前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態又は開弁状態に切り替えて、主ターボチャージャのみを作動させて過給するシングルターボモードと、主ターボチャージャと副ターボチャージャを作動させて過給するツインターボモードと、前記シングルターボモードから前記ツインターボモードに切り替える際に経由するツイン切替モードと、前記ツインターボモードから前記シングルターボモードに切り替える際に経由するシングル切替モードと、のいずれか1つの過給モードに設定するように制御する弁切替制御装置と、
吸気マニホールドの過給圧力を取得する過給圧力取得装置と、
前記主コンプレッサの出口圧力を取得する主コンプレッサ出口圧力取得装置と、
前記副コンプレッサの出口圧力を取得する副コンプレッサ出口圧力取得装置と、
前記吸気マニホールドの過給圧力と前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力のいずれかに基づいて、前記弁切替制御装置によって設定された前記過給モードに応じて前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のうちの少なくとも1つの故障診断を行う故障診断装置と、
を備え、
前記弁切替制御装置は、
前記過給モードを前記ツインターボモードに設定する場合には、前記排気切替弁の開弁状態を維持して、前記吸気切替弁を閉弁状態から開弁状態に切り替えると共に、前記吸気バイパス弁を開弁状態から閉弁状態に切り替えるように制御し、
前記故障診断装置は、
前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記ツインターボモードに設定したか否かを判定する第6判定装置と、
前記第6判定装置によって前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記ツインターボモードに設定したと判定した場合には、前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力とが異なった圧力状態であるか否かを判定する第7判定装置と、
を有し、
前記第7判定装置によって前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力とが異なった圧力状態であると判定された場合には、前記吸気切替弁が閉固着しているとの故障診断を行う、
内燃機関の制御システム。
【請求項5】
主ターボチャージャと、
前記主ターボチャージャに対して並列に接続される副ターボチャージャと、
前記副ターボチャージャの副タービンの入口側に接続された上流側副排気管に設けられる排気切替弁と、
前記副ターボチャージャの副コンプレッサの出口側に接続された吸気管に設けられた吸気切替弁と、
前記吸気管の前記吸気切替弁よりも上流側と前記主ターボチャージャの主コンプレッサの入口側とを接続する吸気バイパス管に設けられた吸気バイパス弁と、
前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態又は開弁状態に切り替えて、主ターボチャージャのみを作動させて過給するシングルターボモードと、主ターボチャージャと副ターボチャージャを作動させて過給するツインターボモードと、前記シングルターボモードから前記ツインターボモードに切り替える際に経由するツイン切替モードと、前記ツインターボモードから前記シングルターボモードに切り替える際に経由するシングル切替モードと、のいずれか1つの過給モードに設定するように制御する弁切替制御装置と、
吸気マニホールドの過給圧力を取得する過給圧力取得装置と、
前記主コンプレッサの出口圧力を取得する主コンプレッサ出口圧力取得装置と、
前記副コンプレッサの出口圧力を取得する副コンプレッサ出口圧力取得装置と、
前記吸気マニホールドの過給圧力と前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力のいずれかに基づいて、前記弁切替制御装置によって設定された前記過給モードに応じて前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のうちの少なくとも1つの故障診断を行う故障診断装置と、
前記主コンプレッサの出口温度を検出する出口温度検出装置を備え、
前記弁切替制御装置は、
前記過給モードを前記ツインターボモードに設定する場合には、前記排気切替弁の開弁状態を維持して、前記吸気切替弁を閉弁状態から開弁状態に切り替えると共に、前記吸気バイパス弁を開弁状態から閉弁状態に切り替えるように制御し、
前記故障診断装置は、
前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記ツインターボモードに設定したか否かを判定する第6判定装置と、
前記第6判定装置によって前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記ツインターボモードに設定したと判定した場合には、前記吸気マニホールドの過給圧力が目標過給圧力よりも低い圧力であって、且つ、前記主コンプレッサの出口温度が第1温度閾値以上であるか否かを判定する第8判定装置と、
を有し、
前記第8判定装置によって前記吸気マニホールドの過給圧力が目標過給圧力よりも低い圧力であって、且つ、前記主コンプレッサの出口温度が第1温度閾値以上であると判定された場合には、前記吸気バイパス弁が開固着しているとの故障診断を行う、
内燃機関の制御システム。
【請求項6】
主ターボチャージャと、
前記主ターボチャージャに対して並列に接続される副ターボチャージャと、
前記副ターボチャージャの副タービンの入口側に接続された上流側副排気管に設けられる排気切替弁と、
前記副ターボチャージャの副コンプレッサの出口側に接続された吸気管に設けられた吸気切替弁と、
前記吸気管の前記吸気切替弁よりも上流側と前記主ターボチャージャの主コンプレッサの入口側とを接続する吸気バイパス管に設けられた吸気バイパス弁と、
前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態又は開弁状態に切り替えて、主ターボチャージャのみを作動させて過給するシングルターボモードと、主ターボチャージャと副ターボチャージャを作動させて過給するツインターボモードと、前記シングルターボモードから前記ツインターボモードに切り替える際に経由するツイン切替モードと、前記ツインターボモードから前記シングルターボモードに切り替える際に経由するシングル切替モードと、のいずれか1つの過給モードに設定するように制御する弁切替制御装置と、
吸気マニホールドの過給圧力を取得する過給圧力取得装置と、
前記主コンプレッサの出口圧力を取得する主コンプレッサ出口圧力取得装置と、
前記副コンプレッサの出口圧力を取得する副コンプレッサ出口圧力取得装置と、
前記吸気マニホールドの過給圧力と前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力のいずれかに基づいて、前記弁切替制御装置によって設定された前記過給モードに応じて前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のうちの少なくとも1つの故障診断を行う故障診断装置と、
大気圧を検出する大気圧検出装置を備え、
前記弁切替制御装置は、
前記過給モードを前記シングル切替モードに設定する場合には、前記排気切替弁と前記吸気切替弁を閉弁状態に切り替えると共に、前記吸気バイパス弁を開弁状態に切り替えるように制御し、
前記故障診断装置は、
前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記シングル切替モードに設定したか否かを判定する第9判定装置と、
前記第9判定装置によって前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記シングル切替モードに設定したと判定した場合には、前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力とがほぼ等しい等圧状態で、且つ、前記副コンプレッサの出口圧力が前記大気圧よりも高い圧力であるか否かを判定する第10判定装置と、
を有し、
前記第10判定装置によって前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力とがほぼ等しい等圧状態で、且つ、前記副コンプレッサの出口圧力が前記大気圧よりも高い圧力であると判定された場合には、前記吸気切替弁が開固着しているとの故障診断を行う、
内燃機関の制御システム。
【請求項7】
主ターボチャージャと、
前記主ターボチャージャに対して並列に接続される副ターボチャージャと、
前記副ターボチャージャの副タービンの入口側に接続された上流側副排気管に設けられる排気切替弁と、
前記副ターボチャージャの副コンプレッサの出口側に接続された吸気管に設けられた吸気切替弁と、
前記吸気管の前記吸気切替弁よりも上流側と前記主ターボチャージャの主コンプレッサの入口側とを接続する吸気バイパス管に設けられた吸気バイパス弁と、
前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態又は開弁状態に切り替えて、主ターボチャージャのみを作動させて過給するシングルターボモードと、主ターボチャージャと副ターボチャージャを作動させて過給するツインターボモードと、前記シングルターボモードから前記ツインターボモードに切り替える際に経由するツイン切替モードと、前記ツインターボモードから前記シングルターボモードに切り替える際に経由するシングル切替モードと、のいずれか1つの過給モードに設定するように制御する弁切替制御装置と、
吸気マニホールドの過給圧力を取得する過給圧力取得装置と、
前記主コンプレッサの出口圧力を取得する主コンプレッサ出口圧力取得装置と、
前記副コンプレッサの出口圧力を取得する副コンプレッサ出口圧力取得装置と、
前記吸気マニホールドの過給圧力と前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力のいずれかに基づいて、前記弁切替制御装置によって設定された前記過給モードに応じて前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のうちの少なくとも1つの故障診断を行う故障診断装置と、
大気圧を検出する大気圧検出装置を備え、
前記弁切替制御装置は、
前記過給モードを前記シングル切替モードに設定する場合には、前記排気切替弁と前記吸気切替弁を閉弁状態に切り替えると共に、前記吸気バイパス弁を開弁状態に切り替えるように制御し、
前記故障診断装置は、
前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記シングル切替モードに設定したか否かを判定する第9判定装置と、
前記第9判定装置によって前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記シングル切替モードに設定したと判定した場合には、前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力とが異なった圧力状態で、且つ、前記副コンプレッサの出口圧力が前記大気圧よりも高い圧力であるか否かを判定する第11判定装置と、
を有し、
前記第11判定装置によって前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力とが異なった圧力状態で、且つ、前記副コンプレッサの出口圧力が前記大気圧よりも高い圧力であると判定された場合には、前記排気切替弁が開固着しているとの故障診断を行う、
内燃機関の制御システム。
【請求項8】
主ターボチャージャと、
前記主ターボチャージャに対して並列に接続される副ターボチャージャと、
前記副ターボチャージャの副タービンの入口側に接続された上流側副排気管に設けられる排気切替弁と、
前記副ターボチャージャの副コンプレッサの出口側に接続された吸気管に設けられた吸気切替弁と、
前記吸気管の前記吸気切替弁よりも上流側と前記主ターボチャージャの主コンプレッサの入口側とを接続する吸気バイパス管に設けられた吸気バイパス弁と、
前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態又は開弁状態に切り替えて、主ターボチャージャのみを作動させて過給するシングルターボモードと、主ターボチャージャと副ターボチャージャを作動させて過給するツインターボモードと、前記シングルターボモードから前記ツインターボモードに切り替える際に経由するツイン切替モードと、前記ツインターボモードから前記シングルターボモードに切り替える際に経由するシングル切替モードと、のいずれか1つの過給モードに設定するように制御する弁切替制御装置と、
吸気マニホールドの過給圧力を取得する過給圧力取得装置と、
前記主コンプレッサの出口圧力を取得する主コンプレッサ出口圧力取得装置と、
前記副コンプレッサの出口圧力を取得する副コンプレッサ出口圧力取得装置と、
前記吸気マニホールドの過給圧力と前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力のいずれかに基づいて、前記弁切替制御装置によって設定された前記過給モードに応じて前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のうちの少なくとも1つの故障診断を行う故障診断装置と、
前記主ターボチャージャの主タービンへの排気ガスの流速をノズル開度によって調整する主可変ノズル機構と、
前記副タービンへの排気ガスの流速をノズル開度によって調整する副可変ノズル機構と、
前記主可変ノズル機構と前記副可変ノズル機構のそれぞれの前記ノズル開度の開度調整制御を行うノズル制御装置と、
前記故障診断装置によって前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のうちのいずれかが開固着していると故障診断されたか否かを判定する第1故障判定装置と、
を備え、
前記第1故障判定装置によって前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のうちのいずれかが開固着していると故障診断されたと判定された場合には、
前記弁切替制御装置は、前記排気切替弁と前記吸気切替弁のそれぞれを開弁状態に設定すると共に、前記吸気バイパス弁を閉弁状態に設定して、前記過給モードを前記ツインターボモードに固定するように制御し、
前記ノズル制御装置は、前記主可変ノズル機構と前記副可変ノズル機構のそれぞれの前記ノズル開度を全開に設定するように制御する、
内燃機関の制御システム。
【請求項9】
請求項
8に記載の内燃機関の制御システムにおいて、
大気圧を検出する大気圧検出装置と、
エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出装置と、
運転状態に応じて燃料の噴射量を制御する噴射量制御装置と、
前記故障診断装置によって前記排気切替弁と前記吸気切替弁のいずれかが閉固着していると故障診断されたか否かを判定する第2故障判定装置と、
を備え、
前記第2故障判定装置によって前記排気切替弁と前記吸気切替弁のいずれかが閉固着していると故障診断されたと判定された場合には、
前記弁切替制御装置は、前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態に設定して、前記過給モードを前記シングルターボモードに固定するように制御し、
前記ノズル制御装置は、前記主可変ノズル機構の前記ノズル開度を全開に設定するように制御し、
前記噴射量制御装置は、所定回転数以上のエンジン回転数に応じて噴射される燃料の噴射量を噴射量制限値以下になるように制御すると共に、前記大気圧が低下するに従って前記噴射量制限値を少なくするように制御する、
内燃機関の制御システム。
【請求項10】
主ターボチャージャと、
前記主ターボチャージャに対して並列に接続される副ターボチャージャと、
前記副ターボチャージャの副タービンの入口側に接続された上流側副排気管に設けられる排気切替弁と、
前記副ターボチャージャの副コンプレッサの出口側に接続された吸気管に設けられた吸気切替弁と、
前記吸気管の前記吸気切替弁よりも上流側と前記主ターボチャージャの主コンプレッサの入口側とを接続する吸気バイパス管に設けられた吸気バイパス弁と、
前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態又は開弁状態に切り替えて、主ターボチャージャのみを作動させて過給するシングルターボモードと、主ターボチャージャと副ターボチャージャを作動させて過給するツインターボモードと、前記シングルターボモードから前記ツインターボモードに切り替える際に経由するツイン切替モードと、前記ツインターボモードから前記シングルターボモードに切り替える際に経由するシングル切替モードと、のいずれか1つの過給モードに設定するように制御する弁切替制御装置と、
吸気マニホールドの過給圧力を取得する過給圧力取得装置と、
前記主コンプレッサの出口圧力を取得する主コンプレッサ出口圧力取得装置と、
前記副コンプレッサの出口圧力を取得する副コンプレッサ出口圧力取得装置と、
前記吸気マニホールドの過給圧力と前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力のいずれかに基づいて、前記弁切替制御装置によって設定された前記過給モードに応じて前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のうちの少なくとも1つの故障診断を行う故障診断装置と、
前記主ターボチャージャの主タービンへの排気ガスの流速をノズル開度によって調整する主可変ノズル機構と、
前記副タービンへの排気ガスの流速をノズル開度によって調整する副可変ノズル機構と、
前記主可変ノズル機構と前記副可変ノズル機構のそれぞれの前記ノズル開度の開度調整制御を行うノズル制御装置と、
大気圧を検出する大気圧検出装置と、
エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出装置と、
運転状態に応じて燃料の噴射量を制御する噴射量制御装置と、
前記故障診断装置によって前記排気切替弁と前記吸気切替弁のいずれかが閉固着していると故障診断されたか否かを判定する第2故障判定装置と、
を備え、
前記第2故障判定装置によって前記排気切替弁と前記吸気切替弁のいずれかが閉固着していると故障診断されたと判定された場合には、
前記弁切替制御装置は、前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態に設定して、前記過給モードを前記シングルターボモードに固定するように制御し、
前記ノズル制御装置は、前記主可変ノズル機構の前記ノズル開度を全開に設定するように制御し、
前記噴射量制御装置は、所定回転数以上のエンジン回転数に応じて噴射される燃料の噴射量を噴射量制限値以下になるように制御すると共に、前記大気圧が低下するに従って前記噴射量制限値を少なくするように制御する、
内燃機関の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、並列にターボチャージャを備えた内燃機関の制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
並列にターボチャージャを備えた内燃機関の制御システムに関する技術が種々提案されている。例えば、下記特許文献1に記載される内燃機関の故障診断装置では、並列に設けられた第1過給機と第2過給機のうち、第1過給機のみが作動し、第2過給機が作動しない「シングルターボモード」と、第1過給機及び第2過給機が作動する「ツインターボモード」との切替制御が行われる。また、シングルターボモードでは、吸気切替バルブ、及び排気切替バルブの両方が閉弁されて、吸気バイパスバルブが開弁される。
【0003】
そして、シングルターボモードにおいて、制御部は、大気圧と第2過給機のコンプレッサの出口圧力とが等しい等圧状態であると判定した場合に、吸気バイパスバスバルブに閉弁指示を出力する。その後、制御部は、第2過給機のコンプレッサの出口圧力が大気圧力以下であると判定した場合には、吸気バイパスバルブが開固着状態であると故障診断するように構成されている。
【0004】
また、シングルターボモードにおいて、制御部は、大気圧と第2過給機のコンプレッサの出口圧力とが等しい等圧状態であると判定した場合に、吸気バイパスバスバルブに閉弁指示を出力し、吸気切替バルブに開弁指示を出力する。その後、制御部は、第2過給機のコンプレッサの出口圧力が大気圧力よりも高く、且つ、第2過給機のコンプレッサの出口圧力が吸気マニホールドの圧力以上であると判定した場合には、吸気切替バルブが閉固着状態であると故障診断するように構成されている。
【0005】
また、シングルターボモードにおいて、制御部は、大気圧と第2過給機のコンプレッサの出口圧力との差異が第1圧力閾値以上であり、且つ、吸気マニホールドの過給圧が目標過給圧よりも第2圧力閾値以上低い状態が一定時間継続したと判定した場合には、排気切替バルブが開固着状態であると故障診断するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載された内燃機関の故障診断装置では、シングルターボモードにおいてのみ、吸気切替バルブ、排気切替バルブ、及び、吸気バイパスバルブの故障診断が行われる。その結果、ツインターボモード、ツインターボモードからシングルターボモードへの切替モード、又は、シングルターボモードからツインターボモードへの切替モードの際に、吸気切替バルブ、排気切替バルブ、又は、吸気バイパスバルブのうち、いずれかのバルブに故障が発生した場合には、シングルターボモードの状態になるまで故障診断をすることができないという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、複数の過給モードの状態のそれぞれにおいて、排気切替弁、吸気切替弁、又は、吸気バイパス弁の故障診断を行うことができる内燃機関の制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の第1の発明は、主ターボチャージャと、前記主ターボチャージャに対して並列に接続される副ターボチャージャと、前記副ターボチャージャの副タービンの入口側に接続された上流側副排気管に設けられる排気切替弁と、前記副ターボチャージャの副コンプレッサの出口側に接続された吸気管に設けられた吸気切替弁と、前記吸気管の前記吸気切替弁よりも上流側と前記主ターボチャージャの主コンプレッサの入口側とを接続する吸気バイパス管に設けられた吸気バイパス弁と、前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態又は開弁状態に切り替えて、主ターボチャージャのみを作動させて過給するシングルターボモードと、主ターボチャージャと副ターボチャージャを作動させて過給するツインターボモードと、前記シングルターボモードから前記ツインターボモードに切り替える際に経由するツイン切替モードと、前記ツインターボモードから前記シングルターボモードに切り替える際に経由するシングル切替モードと、のいずれか1つの過給モードに設定するように制御する弁切替制御装置と、吸気マニホールドの過給圧力を取得する過給圧力取得装置と、前記主コンプレッサの出口圧力を取得する主コンプレッサ出口圧力取得装置と、前記副コンプレッサの出口圧力を取得する副コンプレッサ出口圧力取得装置と、前記吸気マニホールドの過給圧力と前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力のいずれかに基づいて、前記弁切替制御装置によって設定された前記過給モードに応じて前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のうちの少なくとも1つの故障診断を行う故障診断装置と、を備えた、内燃機関の制御システムである。
【0010】
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る内燃機関の制御システムにおいて、大気圧を検出する大気圧検出装置を備え、前記弁切替制御装置は、前記過給モードを前記シングルターボモードに設定する場合には、前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態に切り替えるように制御し、前記故障診断装置は、前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記シングルターボモードに設定したか否かを判定する第1判定装置と、前記第1判定装置によって前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記シングルターボモードに設定したと判定した場合には、前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力とがほぼ等しい等圧状態で、且つ、前記副コンプレッサの出口圧力が前記大気圧よりも高い圧力であるか否かを判定する第2判定装置と、を有し、前記第2判定装置によって前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力とがほぼ等しい等圧状態で、且つ、前記副コンプレッサの出口圧力が前記大気圧よりも高い圧力であると判定された場合には、前記吸気切替弁が開固着しているとの故障診断を行う、内燃機関の制御システムである。
【0011】
次に、本発明の第3の発明は、上記第1の発明又は第2の発明に係る内燃機関の制御システムにおいて、大気圧を検出する大気圧検出装置を備え、前記弁切替制御装置は、前記過給モードを前記シングルターボモードに設定する場合には、前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態に切り替えるように制御し、前記故障診断装置は、前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記シングルターボモードに設定したか否かを判定する第1判定装置と、前記第1判定装置によって前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記シングルターボモードに設定したと判定した場合には、前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力とが異なった圧力状態で、且つ、前記副コンプレッサの出口圧力が前記大気圧よりも高い圧力であるか否かを判定する第3判定装置と、を有し、前記第3判定装置によって前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力とが異なった圧力状態で、且つ、前記副コンプレッサの出口圧力が前記大気圧よりも高い圧力であると判定された場合には、前記排気切替弁が開固着しているとの故障診断を行う、内燃機関の制御システムである。
【0012】
次に、本発明の第4の発明は、上記第1の発明乃至第3の発明のうちの1の発明に係る内燃機関の制御システムにおいて、大気圧を検出する大気圧検出装置を備え、前記弁切替制御装置は、前記過給モードを前記ツイン切替モードに設定する場合には、前記吸気切替弁を閉弁状態に維持すると共に、前記排気切替弁と前記吸気バイパス弁を開弁状態に切り替えるように制御し、前記故障診断装置は、前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記ツイン切替モードに設定したか否かを判定する第4判定装置と、前記第4判定装置によって前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記ツイン切替モードに設定したと判定した場合には、前記副コンプレッサの出口圧力と前記大気圧とがほぼ等しい等圧状態であるか否かを判定する第5判定装置と、を有し、前記第5判定装置によって前記副コンプレッサの出口圧力と前記大気圧とがほぼ等しい等圧状態であると判定された場合には、前記排気切替弁が閉固着しているとの故障診断を行う、内燃機関の制御システムである。
【0013】
次に、本発明の第5の発明は、上記第1の発明乃至第4の発明のうちの1の発明に係る内燃機関の制御システムにおいて、前記弁切替制御装置は、前記過給モードを前記ツインターボモードに設定する場合には、前記排気切替弁の開弁状態を維持して、前記吸気切替弁を閉弁状態から開弁状態に切り替えると共に、前記吸気バイパス弁を開弁状態から閉弁状態に切り替えるように制御し、前記故障診断装置は、前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記ツインターボモードに設定したか否かを判定する第6判定装置と、前記第6判定装置によって前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記ツインターボモードに設定したと判定した場合には、前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力とが異なった圧力状態であるか否かを判定する第7判定装置と、を有し、前記第7判定装置によって前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力とが異なった圧力状態であると判定された場合には、前記吸気切替弁が閉固着しているとの故障診断を行う、内燃機関の制御システムである。
【0014】
次に、本発明の第6の発明は、上記第1の発明乃至第5の発明のうちの1の発明に係る内燃機関の制御システムにおいて、前記主コンプレッサの出口温度を検出する出口温度検出装置を備え、前記弁切替制御装置は、前記過給モードを前記ツインターボモードに設定する場合には、前記排気切替弁の開弁状態を維持して、前記吸気切替弁を閉弁状態から開弁状態に切り替えると共に、前記吸気バイパス弁を開弁状態から閉弁状態に切り替えるように制御し、前記故障診断装置は、前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記ツインターボモードに設定したか否かを判定する第6判定装置と、前記第6判定装置によって前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記ツインターボモードに設定したと判定した場合には、前記吸気マニホールドの過給圧力が目標過給圧力よりも低い圧力であって、且つ、前記主コンプレッサの出口温度が第1温度閾値以上であるか否かを判定する第8判定装置と、を有し、前記第8判定装置によって前記吸気マニホールドの過給圧力が目標過給圧力よりも低い圧力であって、且つ、前記主コンプレッサの出口温度が第1温度閾値以上であると判定された場合には、前記吸気バイパス弁が開固着しているとの故障診断を行う、内燃機関の制御システムである。
【0015】
次に、本発明の第7の発明は、上記第1の発明乃至第6の発明のうちの1の発明に係る内燃機関の制御システムにおいて、大気圧を検出する大気圧検出装置を備え、前記弁切替制御装置は、前記過給モードを前記シングル切替モードに設定する場合には、前記排気切替弁と前記吸気切替弁を閉弁状態に切り替えると共に、前記吸気バイパス弁を開弁状態に切り替えるように制御し、前記故障診断装置は、前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記シングル切替モードに設定したか否かを判定する第9判定装置と、前記第9判定装置によって前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記シングル切替モードに設定したと判定した場合には、前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力とがほぼ等しい等圧状態で、且つ、前記副コンプレッサの出口圧力が前記大気圧よりも高い圧力であるか否かを判定する第10判定装置と、を有し、前記第10判定装置によって前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力とがほぼ等しい等圧状態で、且つ、前記副コンプレッサの出口圧力が前記大気圧よりも高い圧力であると判定された場合には、前記吸気切替弁が開固着しているとの故障診断を行う、内燃機関の制御システムである。
【0016】
次に、本発明の第8の発明は、上記第1の発明乃至第7の発明のうちの1の発明に係る内燃機関の制御システムにおいて、大気圧を検出する大気圧検出装置を備え、前記弁切替制御装置は、前記過給モードを前記シングル切替モードに設定する場合には、前記排気切替弁と前記吸気切替弁を閉弁状態に切り替えると共に、前記吸気バイパス弁を開弁状態に切り替えるように制御し、前記故障診断装置は、前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記シングル切替モードに設定したか否かを判定する第9判定装置と、前記第9判定装置によって前記弁切替制御装置が前記過給モードを前記シングル切替モードに設定したと判定した場合には、前記主コンプレッサの出口圧力と前記副コンプレッサの出口圧力とが異なった圧力状態で、且つ、前記副コンプレッサの出口圧力が前記大気圧よりも高い圧力であるか否かを判定する第11判定装置と、内燃機関の制御システムである。
【0017】
次に、本発明の第9の発明は、上記第1の発明に係る内燃機関の制御システムにおいて、前記主ターボチャージャの主タービンへの排気ガスの流速をノズル開度によって調整する主可変ノズル機構と、前記副タービンへの排気ガスの流速をノズル開度によって調整する副可変ノズル機構と、前記主可変ノズル機構と前記副可変ノズル機構のそれぞれの前記ノズル開度の開度調整制御を行うノズル制御装置と、前記故障診断装置によって前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のうちのいずれかが開固着していると故障診断されたか否かを判定する第1故障判定装置と、を備え、前記第1故障判定装置によって前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のうちのいずれかが開固着していると故障診断されたと判定された場合には、前記弁切替制御装置は、前記排気切替弁と前記吸気切替弁のそれぞれを開弁状態に設定すると共に、前記吸気バイパス弁を閉弁状態に設定して、前記過給モードを前記ツインターボモードに固定するように制御し、前記ノズル制御装置は、前記主可変ノズル機構と前記副可変ノズル機構のそれぞれの前記ノズル開度を全開に設定するように制御する、内燃機関の制御システムである。
【0018】
次に、本発明の第10の発明は、上記第1の発明又は第9の発明に係る内燃機関の制御システムにおいて、前記主ターボチャージャの主タービンへの排気ガスの流速をノズル開度によって調整する主可変ノズル機構と、前記副タービンへの排気ガスの流速をノズル開度によって調整する副可変ノズル機構と、前記主可変ノズル機構と前記副可変ノズル機構のそれぞれの前記ノズル開度の開度調整制御を行うノズル制御装置と、大気圧を検出する大気圧検出装置と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出装置と、運転状態に応じて燃料の噴射量を制御する噴射量制御装置と、前記故障診断装置によって前記排気切替弁と前記吸気切替弁のいずれかが閉固着していると故障診断されたか否かを判定する第2故障判定装置と、を備え、前記第2故障判定装置によって前記排気切替弁と前記吸気切替弁のいずれかが閉固着していると故障診断されたと判定された場合には、前記弁切替制御装置は、前記排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態に設定して、前記過給モードを前記シングルターボモードに固定するように制御し、前記ノズル制御装置は、前記主可変ノズル機構の前記ノズル開度を全開に設定するように制御し、前記噴射量制御装置は、所定回転数以上のエンジン回転数に応じて噴射される燃料の噴射量を噴射量制限値以下になるように制御すると共に、前記大気圧が低下するに従って前記噴射量制限値を少なくするように制御する、内燃機関の制御システムである。
【発明の効果】
【0019】
第1の発明によれば、弁切替制御装置は、排気切替弁と吸気切替弁と吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態又は開弁状態に切り替えて、シングルターボモードと、ツインターボモードと、ツイン切替モードと、シングル切替モードと、のいずれか1つの過給モードに設定する。そして、故障診断装置は、吸気マニホールドの過給圧力と主コンプレッサの出口圧力と副コンプレッサの出口圧力のいずれかに基づいて、弁切替制御装置によって設定された過給モードに応じて排気切替弁と前記吸気切替弁と前記吸気バイパス弁のうちの少なくとも1つの故障診断を行う。
【0020】
これにより、故障診断装置は、シングルターボモードと、ツインターボモードと、ツイン切替モードと、シングル切替モードと、の4つの過給モードの状態のそれぞれにおいて、排気切替弁、吸気切替弁、又は、吸気バイパス弁の故障診断を行うことができる。従って、シングルターボモードの状態になるまで待つことなく、他の過給モードにおいて、排気切替弁、吸気切替弁、又は、吸気バイパス弁の故障を迅速に検出し、フェイルセーフ処理を実行して、ターボ過回転のような二次故障を回避することが可能となる。
【0021】
第2の発明によれば、弁切替制御装置は、過給モードをシングルターボモードに設定する場合には、排気切替弁と吸気切替弁と吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態に切り替えるように制御する。そして、故障診断装置は、主コンプレッサの出口圧力と副コンプレッサの出口圧力とがほぼ等しい等圧状態で、且つ、副コンプレッサの出口圧力が大気圧よりも高い圧力であると判定された場合には、吸気切替弁が開固着しているとの故障診断を行う。これにより、シングルターボモードにおいて、故障診断装置は、主コンプレッサの出口圧力と副コンプレッサの出口圧力と大気圧とに基づいて、吸気切替弁の開固着の故障を迅速に検出することができる。
【0022】
第3の発明によれば、弁切替制御装置は、過給モードをシングルターボモードに設定する場合には、排気切替弁と吸気切替弁と吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態に切り替えるように制御する。そして、故障診断装置は、主コンプレッサの出口圧力と副コンプレッサの出口圧力とが異なった圧力状態で、且つ、副コンプレッサの出口圧力が大気圧よりも高い圧力であると判定された場合には、排気切替弁が開固着しているとの故障診断を行う。これにより、シングルターボモードにおいて、故障診断装置は、主コンプレッサの出口圧力と副コンプレッサの出口圧力と大気圧とに基づいて、排気切替弁の開固着の故障を迅速に検出することができる。
【0023】
第4の発明によれば、弁切替制御装置は、過給モードをツイン切替モードに設定する場合には、吸気切替弁を閉弁状態に維持すると共に、排気切替弁と吸気バイパス弁を開弁状態に切り替えるように制御する。そして、故障診断装置は、副コンプレッサの出口圧力と大気圧とがほぼ等しい等圧状態であると判定された場合には、排気切替弁が閉固着しているとの故障診断を行う。これにより、ツイン切替モードにおいて、故障診断装置は、副コンプレッサの出口圧力と大気圧とに基づいて、排気切替弁の閉固着の故障を迅速に検出することができる。
【0024】
第5の発明によれば、弁切替制御装置は、過給モードをツインターボモードに設定する場合には、排気切替弁の開弁状態を維持して、吸気切替弁を閉弁状態から開弁状態に切り替えると共に、吸気バイパス弁を開弁状態から閉弁状態に切り替えるように制御する。そして、故障診断装置は、主コンプレッサの出口圧力と副コンプレッサの出口圧力とが異なった圧力状態であると判定された場合には、吸気切替弁が閉固着しているとの故障診断を行う。これにより、ツインターボモードにおいて、故障診断装置は、主コンプレッサの出口圧力と副コンプレッサの出口圧力とに基づいて、吸気切替弁の閉固着の故障を迅速に検出することができる。
【0025】
第6の発明によれば、弁切替制御装置は、過給モードをツインターボモードに設定する場合には、排気切替弁の開弁状態を維持して、吸気切替弁を閉弁状態から開弁状態に切り替えると共に、吸気バイパス弁を開弁状態から閉弁状態に切り替えるように制御する。そして、故障診断装置は、吸気マニホールドの過給圧力が目標過給圧力よりも低い圧力であって、且つ、主コンプレッサの出口温度が第1温度閾値以上であると判定された場合には、吸気バイパス弁が開固着しているとの故障診断を行う。これにより、ツインターボモードにおいて、故障診断装置は、吸気マニホールドの過給圧力と主コンプレッサの出口温度とに基づいて、吸気バイパス弁の開固着の故障を迅速に検出することができる。
【0026】
第7の発明によれば、弁切替制御装置は、過給モードをシングル切替モードに設定する場合には、排気切替弁と吸気切替弁を閉弁状態に切り替えると共に、吸気バイパス弁を開弁状態に切り替えるように制御する。そして、故障診断装置は、主コンプレッサの出口圧力と副コンプレッサの出口圧力とがほぼ等しい等圧状態で、且つ、副コンプレッサの出口圧力が大気圧よりも高い圧力であると判定された場合には、吸気切替弁が開固着しているとの故障診断を行う。これにより、シングル切替モードにおいて、故障診断装置は、主コンプレッサの出口圧力と副コンプレッサの出口圧力と大気圧とに基づいて、吸気切替弁の開固着の故障を迅速に検出することができる。
【0027】
第8の発明によれば、弁切替制御装置は、過給モードをシングル切替モードに設定する場合には、排気切替弁と吸気切替弁を閉弁状態に切り替えると共に、吸気バイパス弁を開弁状態に切り替えるように制御する。そして、故障診断装置は、主コンプレッサの出口圧力と副コンプレッサの出口圧力とが異なった圧力状態で、且つ、副コンプレッサの出口圧力が大気圧よりも高い圧力であると判定された場合には、排気切替弁が開固着しているとの故障診断を行う。これにより、シングル切替モードにおいて、故障診断装置は、主コンプレッサの出口圧力と副コンプレッサの出口圧力と大気圧とに基づいて、排気切替弁の開固着の故障を迅速に検出することができる。
【0028】
第9の発明によれば、故障診断装置によって排気切替弁と吸気切替弁と吸気バイパス弁のうちのいずれかが開固着していると故障診断された場合には、弁切替制御装置は、排気切替弁と吸気切替弁のそれぞれを開弁状態に設定すると共に、吸気バイパス弁を閉弁状態に設定して、過給モードをツインターボモードに固定するように制御する。また、ノズル制御装置は、主可変ノズル機構と副可変ノズル機構のそれぞれのノズル開度を全開に設定するように制御する。
【0029】
これにより、排気切替弁又は吸気切替弁が開固着している場合には、排気切替弁と吸気切替弁を開弁状態に設定すると共に、吸気バイパス弁を閉弁状態に設定することができ、高速走行時において、副ターボチャージャのターボ過回転のような二次故障を回避することができる。また、吸気バイパス弁が開固着している場合には、排気切替弁と吸気切替弁と吸気バイパス弁を全て開弁状態に設定することができ、高速走行時において、副ターボチャージャのターボ過回転のような二次故障を回避することができる。
【0030】
また、主可変ノズル機構と副可変ノズル機構のそれぞれのノズル開度を全開に設定することによって、低速、中負荷以上で走行する場合において(通常時は、シングルターボモードである)、副コンプレッサの過給圧を低くすることが可能となり、サージの発生を抑止することができる。
【0031】
第10の発明によれば、故障診断装置によって排気切替弁と吸気切替弁のいずれかが閉固着していると故障診断された場合には、弁切替制御装置は、排気切替弁と吸気切替弁と吸気バイパス弁のそれぞれを閉弁状態に設定して、過給モードをシングルターボモードに固定するように制御する。また、ノズル制御装置は、主可変ノズル機構のノズル開度を全開に設定するように制御する。更に、噴射量制御装置は、所定回転数以上のエンジン回転数に応じて噴射される燃料の噴射量を噴射量制限値以下になるように制御すると共に、大気圧が低下するに従って噴射量制限値を少なくするように制御する。
【0032】
これにより、排気切替弁又は吸気切替弁が閉固着している場合には、排気切替弁と吸気切替弁と吸気バイパス弁を全て閉弁状態に設定して、主可変ノズル機構のノズル開度を全開に設定することによって、高速走行時において、主ターボチャージャのターボ過回転のような二次故障を回避することができる。また、大気圧が低下するに従って噴射量制限値を少なくするように制御することによって、高地において、平地と等ゲージ圧であっても、主ターボチャージャのターボ過回転や主タービンの入口側排気圧が基準圧力を超えないように出力制限を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本実施形態に係る内燃機関の制御システムの概略構成を説明する図である。
【
図2】シングルターボモードとツインターボモードの動作領域を決定する動作領域マップの一例を示す図である。
【
図3】各過給モードにおける排気切替弁と吸気切替弁と吸気バイパス弁の設定状態を決定する切替弁設定マップの一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る制御装置が実行する故障診断処理の一例を示す第1メインフローチャートである。
【
図5】本実施形態に係る制御装置が実行する故障診断処理の一例を示す第2メインフローチャートである。
【
図6】本実施形態に係る制御装置が実行する故障診断処理の一例を示す第3メインフローチャートである。
【
図7】
図4に示すACV開固着判定処理のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。
【
図8】
図4に示すECV開固着判定処理のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。
【
図9】
図4に示すECV閉固着判定処理のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。
【
図10】
図5に示すACV閉固着判定処理のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。
【
図11】
図5に示すABV開固着判定処理のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。
【
図12】
図4に示すフェイルセーフ処理のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。
【
図13】
図12に示す第1フェイルセーフ処理のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。
【
図14】
図12に示す第2フェイルセーフ処理のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。
【
図15】燃料噴射量の噴射量制限値を決定する出力制限マップの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明に係る内燃機関の制御システムを具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本発明に係る内燃機関の制御システムの概略構成について
図1に基づいて説明する。
【0035】
図1に示すように、本実施形態に係る内燃機関の制御システム1は、エアクリーナ5と、吸気流量検出装置6と、車両に搭載されたエンジン(例えば、ディーゼルエンジン)10と、主ターボチャージャ21と、副ターボチャージャ22と、制御装置(以下、「ECU」という。)80等から構成されている。エンジン10は、左バンク10Lと右バンク10Rを有する多気筒エンジンであり、左バンク10Lには主ターボチャージャ21が設けられ、右バンク10Rには副ターボチャージャ22が設けられている。
【0036】
また、左バンク10Lには、ECU80の制御信号によって各気筒内に直接燃料を噴射可能な燃料噴射装置15Lが設けられている。右バンク10Rには、ECU80の制御信号によって各気筒内に直接燃料を噴射可能な燃料噴射装置15Rが設けられている。以下、エンジン10への吸気経路とエンジン10からの排気経路を説明しながら、各部材等を説明する。
【0037】
エアクリーナ5は、外部から取得された空気(吸気)を浄化して、吸気管3に供給する。吸気管3は、途中で吸気管31L、31Rに分岐されている。また、エアクリーナ5の下流側には、エアクリーナ5から吸気管3が分岐されるまでの間に、吸気管3に供給される吸気流量を検出する吸気流量検出装置(例えば、エアフロメータ)6が配置されている。
【0038】
吸気管31Lの下流側は主ターボチャージャ21の主コンプレッサ21Bの吸入口に接続されている。主コンプレッサ21Bの吐出口は、吸気管32Lの上流側に接続されている。また、吸気管31Rの下流側は副ターボチャージャ22の副コンプレッサ22Bの吸入口に接続されている。副コンプレッサ22Bの吐出口は、吸気管32Rの上流側に接続されている。そして、吸気管32L及び吸気管32Rの下流側は、吸気管33の上流側に接続されている。また、吸気管32Lの主コンプレッサ21Bの吐出口近傍には、主コンプレッサ21Bの出口側の吸気温度、つまり、主コンプレッサ21Bの出口温度を検出する第3温度検出装置(例えば、温度検出センサ)27が設けられている。
【0039】
吸気管33の下流側は吸気マニホールド34の上流側に接続されている。吸気マニホールド34は、エンジン10の右バンク10Rの各気筒と、左バンク10Lの各気筒と、のそれぞれに吸気を供給する。また、吸気管33と吸気マニホールド34との間には、過給された吸入空気を冷却するインタークーラ38が配置されている。また、吸気管33と吸気マニホールド34との間には、インタークーラ38の下流側において、吸気マニホールド34に導かれる吸入空気の量を調節可能な電子スロットルバルブ39が配置されている。電子スロットルバルブ39は、ECU80からの制御信号によって全閉位置から全開位置まで、その回転位置が連続的に駆動制御されるようになっている。
【0040】
主コンプレッサ21Bは、排気ガスによって回転駆動される主タービン21Aにて回転駆動され、吸気管31Lから吸入した空気を圧縮して吸気管32L、33、インタークーラ38、及び、電子スロットルバルブ39を経由して吸気マニホールド34へと吐出する。また、副コンプレッサ22Bの吐出口に上流側が接続された吸気管32Rには、吸気管32Rの開口と閉鎖を行う吸気切替弁51が設けられている。吸気切替弁51は、例えば、ダイヤフラム式アクチュエータによって駆動され、ECU80からの制御信号によって開閉されるようになっている。
【0041】
また、吸気バイパス管36は、一端が副コンプレッサ22Bの吐出口と吸気切替弁51との間、つまり、吸気切替弁51よりも上流側で、吸気管32Rに接続されていると共に、他端が、吸気管31Lの主コンプレッサ21Bの吸入口よりも上流側に接続されている。すなわち、吸気バイパス管36は、副コンプレッサ22Bの吐出口の下流側と、主コンプレッサ21Bの吸入口の上流側とをバイパスする。また、吸気バイパス管36の両端の間には、吸気バイパス管36の開口と閉鎖を行う吸気バイパス弁52が設けられている。吸気バイパス弁52は、例えば、ソレノイド式アクチュエータによって駆動され、ECU80からの制御信号によって開閉されるようになっている。
【0042】
従って、吸気切替弁51が吸気管32Rを開口し、且つ、吸気バイパス弁52が吸気バイパス管36を閉鎖した場合には、副コンプレッサ22Bは、排気ガスによって回転駆動される副タービン22Aにて回転駆動され、吸気管31Rから吸入した空気を圧縮して吸気管32R、33、インタークーラ38、及び、電子スロットルバルブ39を経由して吸気マニホールド34へと吐出する。また、電子スロットルバルブ39よりも下流側の位置に、吸気マニホールド34に供給される吸気の過給圧P5を検出する過給圧センサ55が設けられている。また、副コンプレッサ22Bの吐出口の下流側の位置に、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2を検出する圧力センサ23が設けられている。
【0043】
一方、吸気切替弁51が吸気管32Rを閉鎖し、且つ、吸気バイパス弁52が吸気バイパス管36を開口した場合には、副コンプレッサ22Bは、排気ガスによって回転駆動される副タービン22Aにて回転駆動され、吸気管31Rから吸入した空気を圧縮して吸気管32R及び吸気バイパス管36を経由して、主コンプレッサ21Bの吸入口に接続された吸気管31Lへと吐出する。つまり、副コンプレッサ22Bから吸気管32R、33を経由して吸気マニホールド34に吸気を供給できない。
【0044】
エンジン10の左バンク10Lの排気側には、排気マニホールド41Lが接続され、右バンク10Rの排気側には、排気マニホールド41Rが接続されている。排気マニホールド41Lの下流側には排気管42Lの上流側が接続されている。排気管42Lの下流側には、主ターボチャージャ21の主タービン21Aの流入口(入口側)に接続された上流側主排気管43Lの上流側が接続されている。
【0045】
また、排気マニホールド41Rの下流側には排気管42Rの上流側が接続されている。排気管42Rの下流側には、副ターボチャージャ22の副タービン22Aの流入口(入口側)に接続された上流側副排気管43Rの上流側が接続されている。また、連通配管45は、一端側が排気管42Lの下流側に接続されると共に、他端側が排気管42Rの下流側に接続されている。つまり、排気管42Lと排気管42Rは、連通配管45によって連通されている。
【0046】
また、エンジン10には、エンジン回転数検出装置28等が設けられている。エンジン回転数検出装置28は、例えば、エンジン10のクランク軸の回転数(エンジン回転数)や、クランク軸の回転角度(例えば、各気筒の圧縮上死点タイミング)等を検出可能な回転角度センサである。ECU80は、エンジン回転数検出装置28からの検出信号に基づいて、エンジン10のクランク軸の回転数や回転角度等を検出することが可能である。
【0047】
主タービン21Aは、上流側主排気管43Lから流入してくる排気ガスによって回転駆動され、直結された主コンプレッサ21Bを回転駆動する。副タービン22Aは、上流側副排気管43Rから流入してくる排気ガスによって回転駆動され、直結された副コンプレッサ22Bを回転駆動する。従って、副ターボチャージャ22は、主ターボチャージャ21に対して並列に接続されている。
【0048】
また、上流側副排気管43Rには、上流側副排気管43Rの開口と閉鎖を行う排気切替弁53が設けられている。排気切替弁53は、例えば、ダイヤフラム式アクチュエータによって駆動され、ECU80からの制御信号によって開閉されるようになっている。これにより、吸気切替弁51と排気切替弁53が、両方とも開弁され、吸気バイパス弁52が閉弁されたときには、排気ガスが主タービン21Aと副タービン22Aに流入する。その結果、主ターボチャージャ21と副ターボチャージャ22が作動して、主コンプレッサ21Bと副コンプレッサ22Bによって吸気が過給される(以下、「ツインターボモード」と記載する場合もある。)。
【0049】
一方、吸気切替弁51と排気切替弁53と吸気バイパス弁52とが、全て閉弁されたときには、排気ガスは主タービン21Aに流入するが、副タービン22Aへの流入が阻止される。その結果、主ターボチャージャ21が作動して、主コンプレッサ21Bによって吸気が過給されるが、副ターボチャージャ22が作動せず、副コンプレッサ22Bによる吸気の過給が行われない(以下、「シングルターボモード」と記載する場合もある。)。つまり、吸気切替弁51、吸気バイパス弁52及び排気切替弁53は、連動して開弁・閉弁を切り替えられる。尚、
図1は、吸気切替弁51と排気切替弁53が、両方とも開弁され、吸気バイパス弁52が閉弁された際の吸気及び排気の流れを点線の矢印で示す。
【0050】
また、主タービン21Aには、主タービン21Aへの排気ガスの流速を制御する主可変ノズル機構57が設けられている。主可変ノズル機構57は、複数の可変ノズル(VN:Variable Nozzle)57Aと、アクチュエータ57Bと、ノズル開度センサ57Cとを含む。複数の可変ノズル57Aは、タービンホイールの回転軸を中心とした周囲の排気流入部に配置され、上流側主排気管43Lから流入する排気ガスをタービンホイールに導く。
【0051】
アクチュエータ57Bは、複数の可変ノズル57Aのそれぞれを回転させることによって隣接する可変ノズル57A間の隙間(以下の説明において、この隙間を「ノズル開度」と記載する。)を調整する。アクチュエータ57Bは、例えば、ステンピングモータ等で構成され、ECU80からの制御信号に応じて可変ノズル57Aのノズル開度を調整する。可変ノズル57Aを閉じる(ノズル開度を大きくする)ことによって、吸気の過給圧Pは上昇し、可変ノズル57Aを開く(ノズル開度を小さくする)ことによって、吸気の過給圧Pは減少する。また、ノズル開度センサ57Cは、可変ノズル57Aのノズル開度を検出して、ECU80に検出信号を出力する。
【0052】
また、副タービン22Aには、副タービン22Aへの排気ガスの流速を制御する副可変ノズル機構58が設けられている。副可変ノズル機構58は、複数の可変ノズル(VN:Variable Nozzle)58Aと、アクチュエータ58Bと、ノズル開度センサ58Cとを含む。複数の可変ノズル58Aは、上記主可変ノズル機構57を構成する複数の可変ノズル57Aとほぼ同じ構成である。アクチュエータ58B、ノズル開度センサ58Cも、上記主可変ノズル機構57を構成するアクチュエータ57B、ノズル開度センサ57Cとほぼ同じ構成である。
【0053】
従って、複数の可変ノズル58Aは、アクチュエータ58Bの駆動によりノズル開度が調整され、副タービン22Aに流入する排気ガスの流速を変化させる。これにより、可変ノズル58Aを閉じる(ノズル開度を大きくする)ことによって、吸気の過給圧Pは上昇し、可変ノズル58Aを開く(ノズル開度を小さくする)ことによって、吸気の過給圧Pは減少する。
【0054】
主タービン21Aの吐出口(出口側)には排気管46Lの上流側が接続されている。また、副タービン22Aの吐出口(出口側)には排気管46Rの上流側が接続されている。排気管46Lの下流側と排気管46Rの下流側とは、排気管47の上流側に接続されている。また、排気管46Lには、主タービン21Aの出口側の第1排気ガス温度を検出する第1温度検出装置(例えば、温度検出センサ)25が設けられている。また、排気管46Rには、副タービン22Aの出口側の第2排気ガス温度を検出する第2温度検出装置(例えば、温度検出センサ)26が設けられている。
【0055】
排気管47の下流側は、排気ガス浄化装置61の流入口に接続されている。排気ガス浄化装置61の内部には、上流側から、酸化触媒(DOC:Diesel Oxidation Catalyst)62、DPF(Diesel Particulate Filter)63が設けられている。酸化触媒62は、排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等を酸化して除去する。DPF63は、セラミックス材料等からなる多孔質な部材によって円柱状等に形成され、上流側から各小孔に流入する排気ガスを多孔質材料に通すことで粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集し、排気ガスのみを下流側へと流出させる。そして、排気ガス浄化装置61の流出口には、排気管48の上流側が接続されている。
【0056】
ECU80は、CPU、EEPROM、RAM、タイマ、不図示のバックアップRAM等を備えた公知のものである。CPUは、EEPROMに記憶された各種プログラムや各種パラメータに基づいて、種々の演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各検出装置から入力されたデータ等を一時的に記憶し、EEPROM、及び、バックアップRAMは、例えば、エンジン10の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する。
【0057】
ECU80は、燃料噴射装置15L、15R、圧力センサ23、第1温度検出装置25、第2温度検出装置26、第3温度検出装置(出口温度検出装置)27、エンジン回転数検出装置28、吸気切替弁51、吸気バイパス弁52、排気切替弁53、過給圧センサ55、アクチュエータ57B、58B、ノズル開度センサ57C、58C、アクセルペダル踏込量検出装置(例えば、アクセルペダル踏込角度センサ)71、警告ランプ72、大気圧センサ75等が、電気的に接続されている。
【0058】
ECU80には、吸気流量検出装置6、圧力センサ23、第1温度検出装置25、第2温度検出装置26、第3温度検出装置27、エンジン回転数検出装置28、過給圧センサ55、ノズル開度センサ57C、58C、アクセルペダル踏込量検出装置71、大気圧センサ75の検出信号が入力される。ECU80は、吸気流量検出装置6からの検出信号に基づいて、エンジン10が吸入した吸気流量を検出することができる。
【0059】
ECU80は、過給圧センサ55からの検出信号に基づいて、吸気マニホールド34の過給圧P5を検出することができる。ECU80は、圧力センサ23からの検出信号に基づいて、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2を検出することができる。ECU80は、第1温度検出装置25からの検出信号に基づいて、主タービン21Aの出口側の第1排気ガス温度を検出することができる。ECU80は、第2温度検出装置26からの検出信号に基づいて、副タービン22Aの出口側の第2排気ガス温度を検出することができる。ECU80は、第3温度検出装置27からの検出信号に基づいて、主コンプレッサ21Bの出口側の吸気温度(出口温度)T3を検出することができる。
【0060】
ECU80は、エンジン回転数検出装置28からの検出信号に基づいて、エンジン10のクランク軸の回転数や回転角度等を検出することが可能である。エンジン回転数検出装置28は、例えば、エンジン10のクランク軸の回転数や、クランク軸の回転角度(例えば、各気筒の圧縮上死点タイミング)等を検出可能な回転角度センサである。ECU80は、ノズル開度センサ57C、58Cからの検出信号に基づいて、複数の可変ノズル57A、58Aのノズル開度を検出することができる。ECU80は、大気圧センサ75からの検出信号に基づいて、大気圧P1を検出することができる。
【0061】
ECU80は、アクセルペダル踏込量検出装置71からの検出信号に基づいて、運転者によるアクセルペダルの踏込量(運転者の加速要求、減速要求)を検出することが可能である。アクセルペダル踏込量検出装置71は、例えば、アクセルペダル踏込角度センサであり、アクセルペダルに設けられている。ECU80は、後述のように、吸気切替弁51、吸気バイパス弁52、排気切替弁53のうち、いずれかの開固着又は閉固着を検出した際に点灯する警告ランプ72の点灯/消灯が可能である。警告ランプ72は、例えば、車両のインスツルメントパネル内に設けられている。
【0062】
また、ECU80は、吸気切替弁51、吸気バイパス弁52、及び、排気切替弁53を運転状態に応じて開弁させる開弁信号又は閉弁させる閉弁信号を出力する。また、ECU80は、ノズル開度センサ57C、58Cの検出信号に基づいてアクチュエータ57B、58Bを駆動する駆動信号を出力して、複数の可変ノズル57A、58Aのそれぞれのノズル開度を調整する。また、ECU80は、エンジン回転数検出装置28とアクセルペダル踏込量検出装置71等の検出信号に基づいて、燃料噴射装置15L、15Rを駆動する制御信号を出力して、各気筒内に直接噴射する燃料噴射量を制御する。
【0063】
次に、上記のように構成された内燃機関の制御システム1において、ECU80によって実行される処理であって、主ターボチャージャ21と副ターボチャージャ22が作動して過給される「ツインターボモード」と、主ターボチャージャ21だけが作動して過給される「シングルターボモード」とを切り替える制御について、
図2及び
図3に基づいて説明する。先ず、「シングルターボモード」と「ツインターボモード」の選択について
図2に基づいて説明する。
図2は、シングルターボモードとツインターボモードの動作領域を決定する動作領域マップの一例を示している。
【0064】
図2において、横軸はエンジン回転数を示し、縦軸は要求トルク(燃料噴射量)を示している。実線81は、「シングルターボモード」の動作特性を示し、破線82は、「ツインターボモード」の動作特性を示す。エンジン回転数及び要求トルク(燃料噴射量)によって定まる動作点が実線81よりも下側にある場合、エンジン10は「シングルターボモード」で動作する。また、エンジン回転数及び要求トルクが増加し、動作点が実線81よりも上側の領域に入った場合、エンジン10は「ツインターボモード」で動作する。即ち、動作点が破線83で囲まれた切替ラインより下側にある場合は、「シングルターボモード」が選択され、上側にある場合は「ツインターボモード」が選択される。
【0065】
次に、各過給モードにおいて、ECU80によって設定される排気切替弁53と吸気切替弁51と吸気バイパス弁52の設定状態について、
図3に示す過給モード設定マップ85に基づいて説明する。尚、過給モード設定マップ85は、予めEEPROMに記憶されており、ECU80は、過給モード設定マップ85に基づいて、排気切替弁53と吸気切替弁51と吸気バイパス弁52の開弁・閉弁を設定する。
【0066】
図3に示すように、ECU80は、エンジン10を「シングルターボモード」で動作させる場合には、排気切替弁53と吸気切替弁51と吸気バイパス弁52に閉弁の制御信号を出力して、排気切替弁53と吸気切替弁51と吸気バイパス弁52を全て「閉弁状態」に設定する。また、ECU80は、シングルターボモードフラグをRAMから読み出し、「ON」に設定して再度RAMに記憶する。また、ECU80は、ツイン切替モードフラグ、ツインターボモードフラグ、及び、シングル切替モードフラグをRAMから読み出し、それぞれを「OFF」に設定して再度RAMに記憶する。
【0067】
また、ECU80は、エンジン10を「シングルターボモード」から「ツインターボモード」へ切り替える場合には、ツインターボモードへの「ツイン切替モード」で約0.5秒~1秒間動作させた後、「ツインターボモード」で動作させる。ECU80は、エンジン10をツインターボモードへの「ツイン切替モード」で動作させる場合には、吸気切替弁51の「閉弁状態」を維持して、排気切替弁53と吸気バイパス弁52に開弁の制御信号を出力して、排気切替弁53と吸気バイパス弁52を「開弁状態」に設定する。
【0068】
これにより、副ターボチャージャ22を作動させて、副タービン22Aの回転を「ツインターボモード」における回転まで上昇させると共に、副コンプレッサ22Bによって加圧された吸気が、吸気バイパス管36、吸気管31Lを介して主コンプレッサ21Bの入口側に供給される。また、ECU80は、ツイン切替モードフラグをRAMから読み出し、「ON」に設定して再度RAMに記憶する。また、ECU80は、シングルターボモードフラグ、ツインターボモードフラグ、及び、シングル切替モードフラグをRAMから読み出し、それぞれを「OFF」に設定して再度RAMに記憶する。
【0069】
その後、ECU80は、エンジン10を「ツインターボモード」で動作させる場合には、排気切替弁53の「開弁状態」を維持して、吸気切替弁51に開弁の制御信号を出力して「開弁状態」に設定すると共に、吸気バイパス弁52に閉弁の制御信号を出力して「閉弁状態」に設定する。また、ECU80は、ツインターボモードフラグをRAMから読み出し、「ON」に設定して再度RAMに記憶する。また、ECU80は、シングルターボモードフラグ、ツイン切替モードフラグ、及び、シングル切替モードフラグをRAMから読み出し、それぞれを「OFF」に設定して再度RAMに記憶する。これにより、主コンプレッサ21B及び副コンプレッサ22Bによって加圧された吸気が吸気管32L、32R、33を介して吸気マニホールド34に供給される。
【0070】
また、ECU80は、エンジン10を「ツインターボモード」から「シングルターボモード」へ切り替える場合には、シングルターボモードへの「シングル切替モード」で約2秒~3秒間動作させた後、「シングルターボモード」で動作させる。ECU80は、エンジン10をシングルターボモードへの「シングル切替モード」で動作させる場合には、排気切替弁53と吸気切替弁51に閉弁の制御信号を出力して「閉弁状態」に設定し、吸気バイパス弁52に開弁の制御信号を出力して「開弁状態」に設定する。
【0071】
これにより、排気切替弁53を「閉弁状態」にしても、副タービン22Aが慣性で回転するが、副コンプレッサ22Bで加圧された吸気は、吸気バイパス管36、吸気管31Lを介して主コンプレッサ21Bの入口側に供給されて、吸気管33には供給されない。その後、副タービン22Aの回転が低下すると、ECU80は、エンジン10を「シングルターボモード」で動作させる。また、ECU80は、シングル切替モードフラグをRAMから読み出し、「ON」に設定して再度RAMに記憶する。また、ECU80は、シングルターボモードフラグ、ツイン切替モードフラグ、及び、ツインターボモードフラグをRAMから読み出し、それぞれを「OFF」に設定して再度RAMに記憶する。
【0072】
次に、上記のように構成された内燃機関の制御システム1において、ECU80によって実行される処理であって、排気切替弁53、吸気切替弁51、吸気バイパス弁52の故障診断を行う故障診断処理について
図4乃至
図15に基づいて説明する。ECU80は、起動されると所定時間間隔(例えば、数ミリ秒~数10ミリ秒間隔)にて、
図4乃至
図6に示す処理を起動し、ステップS11へと処理を進める。尚、
図4乃至
図6にフローチャートで示されるプログラムは、ECU80のEEPROMに予め記憶されている。
【0073】
図4に示すように、先ず、ステップS11において、ECU80は、後述のフェイルセーフ処理のサブ処理(
図12参照)を実行した後、ステップS12に進む。ステップS12において、ECU80は、シングルターボモードフラグをRAMから読み出し、「ON」に設定されているか否か、つまり、エンジン10がシングルターボモードで動作しているか否かを判定する。そして、シングルターボモードフラグが「ON」に設定されている、つまり、エンジン10がシングルターボモードで動作していると判定した場合には(S12:YES)、ECU80は、ステップS13に進む。
【0074】
ステップS13において、ECU80は、吸気切替弁(以下、「ACV」と記載する場合もある。)51が開固着しているか否かを判定する「ACV開固着判定処理」のサブ処理を実行した後、ステップS14に進む。ここで、「ACV開固着判定処理」のサブ処理について
図7に基づいて説明する。
【0075】
図7に示すように、先ず、ステップS111において、ECU80は、過給圧センサ55によって吸気マニホールド34の過給圧P5を検出してRAMに記憶した後、ステップS112に進む。ステップS112において、ECU80は、吸気マニホールド34の過給圧P5をRAMから読み出し、この過給圧P5からインタークーラ38及び電子スロットルバルブ39による圧力損失を減算して、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3を算出して、RAMに記憶した後、ステップS113に進む。
【0076】
尚、過給圧P5に対応するインタークーラ38及び電子スロットルバルブ39による圧力損失が記憶された圧力損失マップは、CAE(Computer Aided Engineering)解析、又は、実験により予め取得され、EEPROMに予め記憶されている。
【0077】
ステップS113において、ECU80は、圧力センサ23からの検出信号に基づいて、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2を検出して、RAMに記憶した後、ステップS114に進む。ステップS114において、ECU80は、大気圧センサ75からの検出信号に基づいて、大気圧P1を検出して、RAMに記憶した後、ステップS115に進む。ステップS115において、ECU80は、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2とをRAMから読み出し、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と副コンプレッサ22Bの出口圧力P2とがほぼ等しい圧力であるか否かを判定する。
【0078】
具体的には、ECU80は、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と副コンプレッサ22Bの出口圧力P2との差の絶対値が、所定圧力ΔP1以下であるか否かを判定する。尚、所定圧力ΔP1のマップは、CAE(Computer Aided Engineering)解析、又は、実験により予め取得され、EEPROMに予め記憶されている。
【0079】
そして、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と副コンプレッサ22Bの出口圧力P2とがほぼ等しい圧力でないと判定した場合、つまり、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と副コンプレッサ22Bの出口圧力P2との差の絶対値が、所定圧力ΔP1より大きいと判定した場合には(S115:NO)、ECU80は、吸気切替弁(ACV)51は閉弁状態であると判定し、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、ステップS14に進む。
【0080】
一方、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と副コンプレッサ22Bの出口圧力P2とがほぼ等しい圧力であると判定した場合、つまり、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と副コンプレッサ22Bの出口圧力P2との差の絶対値が、所定圧力ΔP1以下であると判定した場合には(S115:YES)、ECU80は、ステップS116に進む。
【0081】
尚、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と副コンプレッサ22Bの出口圧力P2とがほぼ等しい圧力であると判定した場合には(S115:YES)、ECU80は、吸気切替弁(ACV)51が開固着していると判定して、ステップS116の処理を実行しないで、ステップS117に進むようにしてもよい。
【0082】
ステップS116において、ECU80は、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2と、大気圧P1とをRAMから読み出し、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2が大気圧P1よりも高い圧力であるか否かを判定する。そして、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2が大気圧P1とほぼ等しい圧力であると判定した場合には(S116:NO)、ECU80は、吸気切替弁(ACV)51は閉弁状態であると判定し、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、ステップS14に進む。
【0083】
一方、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2が大気圧P1よりも高い圧力であると判定した場合には(S116:YES)、ECU80は、吸気切替弁(ACV)51が開固着していると判定して、ステップS117に進む。ステップS117において、ECU80は、EEPROMからACV開固着フラグを読み出し、「ON」に設定して、再度EEPROMに記憶した後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、ステップS14に進む。尚、ACV開固着フラグは、ECU80の起動時に「OFF」に設定されて、EEPROMに記憶されている。
【0084】
図4に示すように、ステップS14において、ECU80は、EEPROMからACV開固着フラグを読み出し、「ON」に設定されているか否か、つまり、吸気切替弁(ACV)51が開固着しているか否かを判定する。そして、ACV開固着フラグが「ON」に設定されていると判定した場合には(S14:YES)、ECU80は、吸気切替弁(ACV)51が開固着していると判定して、ステップS15に進む。
【0085】
ステップS15において、ECU80は、EEPROMから第1フェイルセーフフラグを読み出し、「ON」に設定して、再度EEPROMに記憶した後、当該処理を終了する。その結果、ECU80は、後述のように、所定時間(例えば、数ミリ秒~数10ミリ秒)経過後に当該故障診断処理を実行した際に、第1フェイルセーフ処理を実行し、二次故障を回避することが可能となる(
図12参照)。
【0086】
一方、上記ステップS14で、ACV開固着フラグが「OFF」に設定されていると判定した場合には(S14:NO)、ECU80は、吸気切替弁(ACV)51は閉弁状態であると判定して、ステップS16に進む。ステップS16において、ECU80は、排気切替弁(以下、「ECV」と記載する場合もある。)53が開固着しているか否かを判定する「ECV開固着判定処理」のサブ処理を実行した後、ステップS17に進む。ここで、「ECV開固着判定処理」のサブ処理について
図8に基づいて説明する。
【0087】
図8に示すように、ECU80は、ステップS121~ステップS124において、上記ステップS111~ステップS114の処理(
図7参照)を実行した後、ステップS125に進む。尚、ECU80は、ステップS121~ステップS124の処理を実行しないで、ステップS125以降の処理を実行するようにしてもよい。
【0088】
ステップS125において、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2とをRAMから読み出し、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と副コンプレッサ22Bの出口圧力P2とが等しくない圧力であるか否かを判定する。具体的には、ECU80は、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と副コンプレッサ22Bの出口圧力P2との差の絶対値が、所定圧力ΔP1以上であるか否かを判定する。
【0089】
そして、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と副コンプレッサ22Bの出口圧力P2とがほぼ等しい圧力である、つまり、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と副コンプレッサ22Bの出口圧力P2との差の絶対値が、所定圧力ΔP1以下であると判定した場合には(S125:NO)、ECU80は、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、ステップS17に進む。
【0090】
一方、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と副コンプレッサ22Bの出口圧力P2とが等しくない圧力であると判定した場合、つまり、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と副コンプレッサ22Bの出口圧力P2との差の絶対値が、所定圧力ΔP1よりも大きいと判定した場合には(S125:YES)、ECU80は、吸気切替弁(ACV)51が閉弁状態であると判定して、ステップS126に進む。
【0091】
ステップS126において、ECU80は、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2と、大気圧P1とをRAMから読み出し、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2が大気圧P1よりも高い圧力であるか否かを判定する。そして、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2が大気圧P1とほぼ等しい圧力であると判定した場合には(S126:NO)、ECU80は、排気切替弁(ECV)53は閉弁状態であると判定し、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、ステップS17に進む。
【0092】
一方、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2が大気圧P1よりも高い圧力であると判定した場合には(S126:YES)、ECU80は、排気切替弁(ECV)53が開固着していると判定して、ステップS127に進む。ステップS127において、ECU80は、EEPROMからECV開固着フラグを読み出し、「ON」に設定して、再度EEPROMに記憶した後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、ステップS17に進む。尚、ECU80の起動時に、ECV開固着フラグは、「OFF」に設定されて、EEPROMに記憶されている。
【0093】
図4に示すように、ステップS17において、ECU80は、EEPROMからECV開固着フラグを読み出し、「ON」に設定されているか否か、つまり、排気切替弁(ECV)53が開固着しているか否かを判定する。そして、ECV開固着フラグが「OFF」に設定されていると判定した場合には(S17:NO)、ECU80は、当該処理を終了する。
【0094】
一方、ECV開固着フラグが「ON」に設定されていると判定した場合には(S17:YES)、ECU80は、排気切替弁(ECV)53が開固着していると判定して、ステップS18に進む。ステップS18において、ECU80は、EEPROMから第1フェイルセーフフラグを読み出し、「ON」に設定して、再度EEPROMに記憶した後、当該処理を終了する。その結果、ECU80は、後述のように、所定時間(例えば、数ミリ秒~数10ミリ秒)経過後に当該故障診断処理を実行した際に、第1フェイルセーフ処理を実行し、二次故障を回避することが可能となる(
図12参照)。
【0095】
他方、上記ステップS12で、シングルターボモードフラグが「OFF」に設定されている、つまり、エンジン10がシングルターボモードで動作していないと判定した場合には(S12:NO)、ECU80は、ステップS19に進む。ステップS19において、ECU80は、ツイン切替モードフラグをRAMから読み出し、「ON」に設定されているか否か、つまり、エンジン10が「シングルターボモード」から「ツインターボモード」へ切り替える際に経由する「ツイン切替モード」で動作しているか否かを判定する。
【0096】
そして、ツイン切替モードフラグが「ON」に設定されている、つまり、エンジン10がツイン切替モードで動作していると判定した場合には(S19:YES)、ECU80は、ステップS20に進む。ステップS20において、ECU80は、排気切替弁(ECV)53が閉固着しているか否かを判定する「ECV閉固着判定処理」のサブ処理を実行した後、ステップS21に進む。ここで、「ECV閉固着判定処理」のサブ処理について
図9に基づいて説明する。
【0097】
図9に示すように、先ず、ステップS131において、ECU80は、圧力センサ23からの検出信号に基づいて、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2を検出して、RAMに記憶した後、ステップS132に進む。ステップS132において、ECU80は、大気圧センサ75からの検出信号に基づいて、大気圧P1を検出して、RAMに記憶した後、ステップS133に進む。ステップ133において、ECU80は、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2と、大気圧P1とをRAMから読み出し、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2と大気圧P1とがほぼ等しい圧力であるか否かを判定する。
【0098】
具体的には、ECU80は、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2と大気圧P1との差の絶対値が、所定圧力ΔP2以下であるか否かを判定する。尚、所定圧力ΔP2は、CAE(Computer Aided Engineering)解析、又は、実験により予め取得され、EEPROMに予め記憶されている。
【0099】
そして、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2と大気圧P1とがほぼ等しい圧力でないと判定した場合、つまり、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2と大気圧P1との差の絶対値が、所定圧力ΔP2より大きいと判定した場合には(S133:NO)、ECU80は、排気切替弁(ECV)53は開弁状態であると判定し、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、ステップS21に進む。
【0100】
一方、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2と大気圧P1とがほぼ等しい圧力であると判定した場合、つまり、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2と大気圧P1との差の絶対値が、所定圧力ΔP2以下であると判定した場合には(S133:YES)、ECU80は、排気切替弁(ECV)53が閉固着していると判定して、ステップS134に進む。ステップS134において、ECU80は、EEPROMからECV閉固着フラグを読み出し、「ON」に設定して、再度EEPROMに記憶した後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、ステップS21に進む。尚、ECV閉固着フラグは、ECU80の起動時に「OFF」に設定されて、EEPROMに記憶されている。
【0101】
図4に示すように、ステップS21において、ECU80は、EEPROMからECV閉固着フラグを読み出し、「ON」に設定されているか否か、つまり、排気切替弁(ECV)53が閉固着しているか否かを判定する。そして、ECV閉固着フラグが「OFF」に設定されていると判定した場合には(S21:NO)、ECU80は、排気切替弁(ECV)53は、開弁状態であると判定して、当該処理を終了する。
【0102】
一方、ECV閉固着フラグが「ON」に設定されていると判定した場合には(S21:YES)、ECU80は、排気切替弁(ECV)53が閉固着していると判定して、ステップS22に進む。ステップS22において、ECU80は、EEPROMから第2フェイルセーフフラグを読み出し、「ON」に設定して、再度EEPROMに記憶した後、当該処理を終了する。その結果、ECU80は、後述のように、所定時間(例えば、数ミリ秒~数10ミリ秒)経過後に当該故障診断処理を実行した際に、第2フェイルセーフ処理を実行し、二次故障を回避することが可能となる(
図12参照)。
【0103】
他方、上記ステップS19で、ツイン切替モードフラグが「OFF」に設定されている、つまり、エンジン10がツイン切替モードで動作していないと判定した場合には(S19:NO)、ECU80は、ステップS23に進む。
【0104】
図5に示すように、ステップS23において、ECU80は、ツインターボモードフラグをRAMから読み出し、「ON」に設定されているか否か、つまり、エンジン10がツインターボモードで動作しているか否かを判定する。そして、ツインターボモードフラグが「ON」に設定されている、つまり、エンジン10がツインターボモードで動作していると判定した場合には(S23:YES)、ECU80は、ステップS24に進む。
【0105】
ステップS24において、ECU80は、吸気切替弁(ACV)51が閉固着しているか否かを判定する「ACV閉固着判定処理」のサブ処理を実行した後、ステップS25に進む。ここで、「ACV閉固着判定処理」のサブ処理について
図10に基づいて説明する。
【0106】
図10に示すように、ECU80は、ステップS141~ステップS143において、上記ステップS111~ステップS113の処理(
図7参照)を実行した後、ステップS144に進む。ステップS144において、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と、副コンプレッサ22Bの出口圧力P2とをRAMから読み出し、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と副コンプレッサ22Bの出口圧力P2とが等しくない圧力であるか否かを判定する。
【0107】
具体的には、ECU80は、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と副コンプレッサ22Bの出口圧力P2との差の絶対値が、所定圧力ΔP3以上であるか否かを判定する。尚、所定圧力ΔP3のマップは、CAE(Computer Aided Engineering)解析、又は、実験により予め取得され、EEPROMに予め記憶されている。
【0108】
そして、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と副コンプレッサ22Bの出口圧力P2とがほぼ等しい圧力である、つまり、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と副コンプレッサ22Bの出口圧力P2との差の絶対値が、所定圧力ΔP3未満であると判定した場合には(S144:NO)、ECU80は、吸気切替弁(ACV)51は開弁状態であると判定し、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、ステップS25に進む。
【0109】
一方、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と副コンプレッサ22Bの出口圧力P2とが等しくない圧力であると判定した場合、つまり、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3と副コンプレッサ22Bの出口圧力P2との差の絶対値が、所定圧力ΔP3以上であると判定した場合には(S144:YES)、ECU80は、吸気切替弁(ACV)51が閉固着していると判定して、ステップS145に進む。
【0110】
ステップS145において、ECU80は、EEPROMからACV閉固着フラグを読み出し、「ON」に設定して、再度EEPROMに記憶した後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、ステップS25に進む。尚、ACV閉固着フラグは、ECU80の起動時に「OFF」に設定されて、EEPROMに記憶されている。
【0111】
図5に示すように、ステップS25において、ECU80は、EEPROMからACV閉固着フラグを読み出し、「ON」に設定されているか否か、つまり、吸気切替弁(ACV)51が閉固着しているか否かを判定する。そして、ACV閉固着フラグが「ON」に設定されていると判定した場合には(S25:YES)、ECU80は、吸気切替弁(ACV)51が閉固着していると判定して、ステップS26に進む。
【0112】
ステップS26において、ECU80は、EEPROMから第2フェイルセーフフラグを読み出し、「ON」に設定して、再度EEPROMに記憶した後、当該処理を終了する。その結果、ECU80は、後述のように、所定時間(例えば、数ミリ秒~数10ミリ秒)経過後に当該故障診断処理を実行した際に、第2フェイルセーフ処理を実行し、二次故障を回避することが可能となる(
図12参照)。
【0113】
一方、上記ステップS25で、ACV閉固着フラグが「OFF」に設定されていると判定した場合には(S25:NO)、ECU80は、吸気切替弁(ACV)51は開弁状態であると判定して、ステップS27に進む。ステップS27において、ECU80は、吸気バイパス弁(以下、「ABV」と記載する場合もある。)52が開固着しているか否かを判定する「ABV開固着判定処理」のサブ処理を実行した後、ステップS28に進む。ここで、「ABV開固着判定処理」のサブ処理について
図11に基づいて説明する。
【0114】
図11に示すように、ステップS151において、ECU80は、上記ステップS141の処理(
図10参照)を実行した後、ステップS152に進む。つまり、ステップS151において、ECU80は、過給圧センサ55によって吸気マニホールド34の過給圧P5を検出してRAMに記憶した後、ステップS152に進む。ステップS152において、ECU80は、第3温度検出装置27によって主コンプレッサ21Bの出口温度T3を検出してRAMに記憶した後、ステップS153に進む。
【0115】
ステップS153において、ECU80は、エンジン回転数検出装置28によってエンジン回転数を検出してRAMに記憶する。また、ECU80は、燃料噴射装置15L、15Rを駆動して各気筒内に噴射した単位時間当たりの燃料噴射量(実噴射量)を算出する。そして、ECU80は、不図示の目標過給圧マップからエンジン回転数と燃料噴射量に対応する目標過給圧P6を算出し、RAMに記憶する。尚、目標過給圧マップは、エンジン回転数と燃料噴射量との各組み合わせに対する吸気マニホールド34の目標過給圧が記憶されている。この目標過給圧マップは、CAE(Computer Aided Engineering)解析、又は、実験により予め取得され、EEPROMに予め記憶されている。
【0116】
続いて、ECU80は、吸気マニホールド34の過給圧P5と目標過給圧P6とをRAMから読み出し、吸気マニホールド34の過給圧P5が目標過給圧P6よりも低い圧力であるか否かを判定する。そして、吸気マニホールド34の過給圧P5が目標過給圧P6以上の圧力である場合には(S153:NO)、ECU80は、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、ステップS28に進む。
【0117】
一方、吸気マニホールド34の過給圧P5が目標過給圧P6よりも低い圧力であると判定した場合には(S153:YES)、ECU80は、ステップS154に進む。ステップS154において、ECU80は、主コンプレッサ21Bの出口温度T3をRAMから読み出し、主コンプレッサ21Bの出口温度T3が第1温度閾値TS(例えば、190℃)以上であるか否かを判定する。
【0118】
そして、主コンプレッサ21Bの出口温度T3が第1温度閾値TSよりも低い温度であると判定した場合には(S154:NO)、ECU80は、吸気バイパス弁(ABV)52は閉弁状態であると判定して、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、ステップS28に進む。尚、第1温度閾値TSは、CAE(Computer Aided Engineering)解析、又は、実験により予め取得され、EEPROMに予め記憶されている。
【0119】
一方、主コンプレッサ21Bの出口温度T3が第1温度閾値TS以上の温度であると判定した場合には(S154:YES)、ECU80は、吸気バイパス弁(ABV)52は開固着していると判定して、ステップS155に進む。ステップS155において、ECU80は、EEPROMからABV開固着フラグを読み出し、「ON」に設定して、再度EEPROMに記憶した後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、ステップS28に進む。尚、ECU80の起動時に、ABV開固着フラグは、「OFF」に設定されて、EEPROMに記憶されている。
【0120】
図5に示すように、ステップS28において、ECU80は、EEPROMからABV開固着フラグを読み出し、「ON」に設定されているか否か、つまり、吸気バイパス弁(ABV)52が開固着しているか否かを判定する。そして、ABV開固着フラグが「OFF」に設定されていると判定した場合には(S28:NO)、ECU80は、当該処理を終了する。
【0121】
一方、ABV開固着フラグが「ON」に設定されていると判定した場合には(S28:YES)、ECU80は、吸気バイパス弁(ABV)52が開固着していると判定して、ステップS29に進む。ステップS29において、ECU80は、EEPROMから第1フェイルセーフフラグを読み出し、「ON」に設定して、再度EEPROMに記憶した後、当該処理を終了する。その結果、ECU80は、後述のように、所定時間(例えば、数ミリ秒~数10ミリ秒)経過後に当該故障診断処理を実行した際に、第1フェイルセーフ処理を実行し、二次故障を回避することが可能となる(
図12参照)。
【0122】
他方、上記ステップS23で、ツインターボモードフラグが「OFF」に設定されている、つまり、エンジン10がツインターボモードで動作していないと判定した場合には(S23:NO)、ECU80は、ステップS30に進む。ステップS30において、ECU80は、シングル切替モードフラグをRAMから読み出し、「ON」に設定されているか否か、つまり、エンジン10が「ツインターボモード」から「シングルターボモード」へ切り替える際に経由する「シングル切替モード」で動作しているか否かを判定する。
【0123】
そして、シングル切替モードフラグが「OFF」に設定されている、つまり、エンジン10が始動されていないと判定した場合には(S30:NO)、ECU80は、当該処理を終了する。一方、シングル切替モードフラグが「ON」に設定されている、つまり、エンジン10がシングル切替モードで動作していると判定した場合には(S30:YES)、ECU80は、ステップS31に進む。ステップS31において、ECU80は、吸気切替弁(ACV)51が開固着しているか否かを判定する「ACV開固着判定処理」のサブ処理、つまり、上記ステップS13のサブ処理(
図4、
図7参照)を実行した後、ステップS32に進む。
【0124】
ステップS32において、ECU80は、EEPROMからACV開固着フラグを読み出し、「ON」に設定されているか否か、つまり、吸気切替弁(ACV)51が開固着しているか否かを判定する。そして、ACV開固着フラグが「ON」に設定されていると判定した場合には(S32:YES)、ECU80は、吸気切替弁(ACV)51が開固着していると判定して、ステップS33に進む。
【0125】
ステップS33において、ECU80は、EEPROMから第1フェイルセーフフラグを読み出し、「ON」に設定して、再度EEPROMに記憶した後、当該処理を終了する。その結果、ECU80は、後述のように、所定時間(例えば、数ミリ秒~数10ミリ秒)経過後に当該故障診断処理を実行した際に、第1フェイルセーフ処理を実行し、二次故障を回避することが可能となる(
図12参照)。
【0126】
一方、上記ステップS32で、ACV開固着フラグが「OFF」に設定されていると判定した場合には(S32:NO)、ECU80は、吸気切替弁(ACV)51は閉弁状態であると判定して、ステップS34に進む。
図6に示すように、ステップS34において、ECU80は、排気切替弁(ECV)53が開固着しているか否かを判定する「ECV開固着判定処理」のサブ処理、つまり、上記ステップS16のサブ処理(
図4、
図8参照)を実行した後、ステップS35に進む。
【0127】
ステップS35において、ECU80は、EEPROMからECV開固着フラグを読み出し、「ON」に設定されているか否か、つまり、排気切替弁(ECV)53が開固着しているか否かを判定する。そして、ECV開固着フラグが「OFF」に設定されていると判定した場合には(S35:NO)、ECU80は、当該処理を終了する。
【0128】
一方、ECV開固着フラグが「ON」に設定されていると判定した場合には(S35:YES)、ECU80は、排気切替弁(ECV)53が開固着していると判定して、ステップS36に進む。ステップS36において、ECU80は、EEPROMから第1フェイルセーフフラグを読み出し、「ON」に設定して、再度EEPROMに記憶した後、当該故障診断処理を終了する。その結果、ECU80は、後述のように、所定時間(例えば、数ミリ秒~数10ミリ秒)経過後に当該故障診断処理を実行した際に、第1フェイルセーフ処理を実行し、二次故障を回避することが可能となる(
図12参照)。
【0129】
[フェイルセーフ処理]
次に、上記ステップS11において、ECU80が実行する「フェイルセーフ処理」のサブ処理について
図12~
図15に基づいて説明する。
図12に示すように、先ず、ステップS211において、ECU80は、EEPROMから第1フェイルセーフフラグを読み出し、「ON」に設定されているか否か、つまり、吸気切替弁(ACV)51、吸気バイパス弁(ABV)52、又は、排気切替弁(ECV)53のうちのいずれかが開固着しているか否かを判定する。
【0130】
そして、第1フェイルセーフフラグが「ON」に設定されている、つまり、吸気切替弁(ACV)51、吸気バイパス弁(ABV)52、又は、排気切替弁(ECV)53のうちのいずれかが開固着していると判定された場合には(S211:YES)、ECU80は、ステップS212に進む。ステップS212において、ECU80は、「第1フェイルセーフ処理」のサブ処理を実行した後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、当該故障診断処理を終了する。ここで、「第1フェイルセーフ処理」のサブ処理について
図13に基づいて説明する。
【0131】
図13に示すように、先ず、ステップS311において、ECU80は、エンジン10を「ツインターボモード」で動作するように設定して固定した後、ステップS312に進む。具体的には、ECU80は、排気切替弁(ECV)53と吸気切替弁(ACV)51に開弁の制御信号を出力して、排気切替弁53と吸気切替弁(ACV)51を「開弁状態」に設定して固定する。また、吸気バイパス弁(ABV)52に閉弁の制御信号を出力して、吸気バイパス弁(ABV)52を「閉弁状態」に設定して固定する。
【0132】
続いて、ステップS312において、ECU80は、主可変ノズル機構57の可変ノズル57Aを全開に設定すると共に、副可変ノズル機構58の可変ノズル58Aを全開に設定した後、ステップS313に進む。これにより、
図2において、エンジン回転数及び要求トルク(燃料噴射量)によって定まる動作点がシングルターボモードであっても、各可変ノズル57A、58Aが全開に設定されているため、主タービン21Aと副タービン22Aの過回転による破損や焼き付き等の二次故障を回避することが可能となる。また、エンジン10が低速・中負荷以上で動作しても、動作性能を確保しつつ、サージの発生を防止することができる。
【0133】
そして、ステップS313において、ECU80は、警告ランプ72を点灯させて、不図示のディスプレイに「サービス工場へ行ってください!!」等と表示し、排気切替弁(ECV)53、吸気切替弁(ACV)51、又は、吸気バイパス弁(ABV)52のうちのいずれかに開固着の故障が発生している旨の警告報知を行った後、当該サブ処理を終了する。これにより、ユーザは、排気切替弁(ECV)53、吸気切替弁(ACV)51、又は、吸気バイパス弁(ABV)52のうちのいずれかに開固着の故障が発生している旨を迅速に認識することができる。
【0134】
一方、上記ステップS211で第1フェイルセーフフラグが「OFF」に設定されている、つまり、吸気切替弁(ACV)51、吸気バイパス弁(ABV)52、及び、排気切替弁(ECV)53のいずれも開固着していないと判定された場合には(S211:NO)、ECU80は、ステップS213に進む。ステップS213において、ECU80は、EEPROMから第2フェイルセーフフラグを読み出し、「ON」に設定されているか否か、つまり、吸気切替弁(ACV)51又は排気切替弁(ECV)53のうちのいずれかが閉固着しているか否かを判定する。
【0135】
そして、第2フェイルセーフフラグが「ON」に設定されている、つまり、吸気切替弁(ACV)51又は排気切替弁(ECV)53のうちのいずれかが閉固着していると判定された場合には(S213:YES)、ECU80は、ステップS214に進む。ステップS214において、ECU80は、「第2フェイルセーフ処理」のサブ処理を実行した後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、当該故障診断処理を終了する。ここで、「第2フェイルセーフ処理」のサブ処理について
図14及び
図15に基づいて説明する。
【0136】
図14に示すように、先ず、ステップS321において、ECU80は、エンジン10を「シングルターボモード」で動作するように設定して固定した後、ステップS322に進む。具体的には、ECU80は、排気切替弁(ECV)53と吸気切替弁(ACV)51と吸気バイパス弁(ABV)52に閉弁の制御信号を出力して、排気切替弁53と吸気切替弁(ACV)51と吸気バイパス弁(ABV)52を全て「開弁状態」に設定して固定する。
【0137】
続いて、ステップS322において、ECU80は、主可変ノズル機構57の可変ノズル57Aを全開に設定した後、ステップS323に進む。これにより、
図2において、エンジン回転数及び要求トルク(燃料噴射量)によって定まる動作点がツインターボモードであっても、可変ノズル57Aが全開に設定されているため、高速走行時において、主タービン21Aの過回転による破損や焼き付き等の二次故障を回避することが可能となる。
【0138】
そして、ステップS323において、ECU80は、大気圧センサ75からの検出信号に基づいて、大気圧P1を検出して、RAMに記憶した後、ステップS324に進む。ステップS324において、ECU80は、エンジン回転数検出装置28によってエンジン回転数を検出してRAMに記憶した後、ステップS325に進む。
【0139】
ステップS325において、ECU80は、検出した大気圧P1とエンジン回転数との組み合わせに応じた燃料の噴射量制限値をEEPROMに記憶する出力制御マップから読み出し、EEPROMに記憶する。そして、ECU80は、各燃料噴射装置15L、15Rから噴射する燃料噴射量が噴射量制限値を超える場合には、当該噴射量制限値になるように設定した後、ステップS326に進む。
【0140】
ここで、出力制御マップの一例について
図15に基づいて説明する。
図15に示すように、出力制御マップは、横軸のエンジン回転数と縦軸の大気圧の各組み合わせに対応する燃料の噴射量制限値が記憶されている。出力制御マップにおいて、エンジン回転数が、例えば、2200(rpm)以上の場合には、燃料の噴射量制限値(mm
3/ストローク)が増加しないように設定されている。また、出力制御マップにおいて、大気圧P1が低くなるほど、燃料の噴射量制限値が少なくなるように設定されている。
【0141】
ここで、大気圧P1が低くなるに従って、つまり、高地では、等ゲージ圧でも主コンプレッサ21Bの入口側圧力に対する主コンプレッサ21Bの出口側圧力の圧力比が、平地の場合よりも高くなる。例えば、平地において、主コンプレッサ21Bの入口側圧力が100(kPa)で、出口側圧力が200(kPa)の場合は、圧力比は、200/100=2である。一方、高地において、主コンプレッサ21Bの入口側圧力が70(kPa)で、出口側圧力が170(kPa)の場合は、圧力比は、170/70=2.43である。
【0142】
その結果、大気圧P1が低くなるに従って、燃料の噴射量制限値が少なくなるように制御することによって、等ゲージ圧であっても、主ターボチャージャ21のターボ過回転や、主タービン21Aの入口側排気圧が基準圧力を超えないように出力制限を行うことができる。
【0143】
その後、
図14に示すように、ステップS326において、ECU80は、警告ランプ72を点灯させて、不図示のディスプレイに「サービス工場へ行ってください!!」等と表示し、排気切替弁(ECV)53又は吸気切替弁(ACV)51に閉固着の故障が発生している旨の警告報知を行った後、当該サブ処理を終了する。これにより、ユーザは、排気切替弁(ECV)53又は吸気切替弁(ACV)51に開固着の故障が発生している旨を迅速に認識することができる。
【0144】
ここで、ECU80は、弁切替制御装置、過給圧力取得装置、主コンプレッサ出口圧力取得装置、副コンプレッサ出口圧力取得装置、故障診断装置、第1判定装置、第2判定装置、第3判定装置、第4判定装置、第5判定装置、第6判定装置、第7判定装置、第8判定装置、第9判定装置、第10判定装置、第11判定装置、ノズル制御装置、第1故障判定装置、噴射量制御装置、第2故障判定装置の一例として機能する。
【0145】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る内燃機関の制御システム1では、ECU80は、シングルターボモードと、ツインターボモードと、ツイン切替モードと、シングル切替モードと、の4つの過給モードの状態のそれぞれにおいて、排気切替弁(ECV)53、吸気切替弁(ACV)51、又は、吸気バイパス弁(ABV)52の開固着、又は、閉固着の故障診断を行うことができる。
【0146】
従って、ECU80は、シングルターボモードの状態になるまで待つことなく、他の過給モードにおいても、排気切替弁(ECV)53、吸気切替弁(ACV)51、又は、吸気バイパス弁(ABV)52の開固着、又は、閉固着の故障を迅速に検出し、フェイルセーフ処理を実行して、ターボ過回転等の二次故障を回避することが可能となる。
【0147】
尚、本発明は前記実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形、追加、削除が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。尚、以下の説明において上記
図1~
図15の前記実施形態に係るエンジン10等と同一符号は、前記実施形態に係るエンジン10等と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0148】
(A)例えば、
図1に示すように、主コンプレッサ21Bの出口側に圧力センサ91を配置して、圧力センサ91を介して主コンプレッサ21Bの出口圧力P3を検出するように構成してもよい。これにより、主コンプレッサ21Bの出口圧力P3の精度の向上を図ることができる。
【0149】
(B)例えば、上記ステップS28で、吸気バイパス弁(ABV)52が開固着していると判定された場合には(S28:YES)、上記ステップS29において、ECU80は、EEPROMから第2フェイルセーフフラグを読み出し、「ON」に設定して、再度EEPROMに記憶した後、当該処理を終了するようにしてもよい。これにより、吸気バイパス弁(ABV)52が開固着した場合に、第2フェイルセーフ処理(
図14参照)が実行される。従って、主タービン21Aの過回転による破損や焼き付き等の二次故障を回避しつつ、吸気バイパス弁(ABV)52に開固着の故障が発生している旨の警告報知を行うことができる。
【0150】
(C)前記実施形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。
【符号の説明】
【0151】
1 内燃機関の制御システム
10 エンジン
15L、15R 燃料噴射装置
21 主ターボチャージャ
21A 主タービン
21B 主コンプレッサ
22 副ターボチャージャ
22A 副タービン
22B 副コンプレッサ
23 圧力センサ
27 第3温度検出装置
28 エンジン回転数検出装置
43R 上流側副排気管
51 吸気切替弁(ACV)
52 吸気バイパス弁(ABV)
53 排気切替弁(ECV)
55 過給圧センサ
57 主可変ノズル機構
57A、58A 可変ノズル
58 副可変ノズル機構
75 大気圧センサ
80 制御装置(ECU)