(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】電子部品パッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20221213BHJP
H01L 23/14 20060101ALI20221213BHJP
H01L 23/50 20060101ALI20221213BHJP
H01L 23/28 20060101ALI20221213BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20221213BHJP
H01L 25/04 20140101ALI20221213BHJP
G01R 33/02 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
H01L23/12 K
H01L23/14 M
H01L23/50 X
H01L23/28 A
H01L23/28 E
H01L25/04 Z
G01R33/02 U
(21)【出願番号】P 2019131080
(22)【出願日】2019-07-16
【審査請求日】2020-07-28
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】駒▲崎▼ 洋亮
(72)【発明者】
【氏名】永沼 宙
(72)【発明者】
【氏名】太田 尚城
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-267398(JP,A)
【文献】特開2006-108359(JP,A)
【文献】特開平05-211261(JP,A)
【文献】特開2015-103547(JP,A)
【文献】国際公開第2008/114374(WO,A1)
【文献】特開2005-150647(JP,A)
【文献】特開平03-256353(JP,A)
【文献】特開2009-025047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 23/14
H01L 23/50
H01L 23/28
H01L 25/00-25/18
G01R 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣り合う第1の辺および第2の辺を含む外縁を有する電子部品パッケージであって、
第1の電子部品チップと、
前記第1の電子部品チップと離間して設けられ、前記電子部品パッケージにおいて前記第1の電子部品チップと電気的に絶縁された第2の電子部品チップと、
前記第1の辺
に露出するように前記第1の辺に沿った箇所に配置された1以上の第1の端子
、および前記第2の辺
に露出するように前記第2の辺に沿った箇所に配置された1以上の第2の端子
、を含む複数の端子と、
前記1以上の第1の端子を、前記第2の電子部品チップに接続することなく前記第1の電子部品チップと接続する1以上の第1の導体と、
前記1以上の第2の端子を、前記第2の電子部品チップに接続することなく前記第1の電子部品チップと接続する1以上の第2の導体と、
を備
え、
前記1以上の第1の端子の全てが前記第2の電子部品チップと電気的に絶縁されており、
前記1以上の第2の端子の全てが前記第2の電子部品チップと電気的に絶縁されており、
前記第1の辺に沿った箇所には、前記複数の端子のうちの前記1以上の第1の端子のみが配置されており、
前記第2の辺に沿った箇所には、前記複数の端子のうちの前記1以上の第2の端子のみが配置されている
電子部品パッケージ。
【請求項2】
第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有する基板をさらに備え、
前記第1の電子部品チップおよび前記第2の電子部品チップは、いずれも前記第1の主面に設けられている
請求項
1記載の電子部品パッケージ。
【請求項3】
前記外縁は、前記第1の辺と前記第2の辺とが実質的に直交する、実質的に矩形の平面形状をなし、
前記第1の電子部品チップおよび前記第2の電子部品チップは、前記第1の辺に沿った第1の方向にそれぞれ延在し、前記第2の辺に沿った第2の方向において互いに隣り合っている
請求項
2記載の電子部品パッケージ。
【請求項4】
前記外縁は、前記第1の辺と前記第2の辺とが実質的に直交する、実質的に矩形の平面形状をなし、
前記第1の電子部品チップおよび前記第2の電子部品チップは、前記第1の辺に沿った第1の方向および前記第2の辺に沿った第2の方向の双方と異なる第3の方向にそれぞれ延在し、前記第3の方向と実質的に直交する第4の方向において互いに隣り合っている
請求項
2記載の電子部品パッケージ。
【請求項5】
1以上の第3の導体と、1以上の第4の導体とをさらに備え、
前記複数の端子は、1以上の第3の端子と、1以上の第4の端子とをさらに含み、
前記外縁は、前記第1の辺と対向する第3の辺と、前記第2の辺と対向する第4の辺とをさらに含み、
前記1以上の第3の端子は、
前記第3の辺に露出するように前記第3の辺に沿っ
た箇所に配置され、
前記1以上の第4の端子は、
前記第4の辺に露出するように前記第4の辺に沿っ
た箇所に配置され、
前記1以上の第3の端子は、前記1以上の第3の導体により、前記第1の電子部品チップと接続されることなく前記第2の電子部品チップと接続され、
前記1以上の第4の端子は、前記1以上の第4の導体により、前記第1の電子部品チップと接続されることなく前記第2の電子部品チップと接続されて
おり、
前記第3の端子の全てが前記第1の電子部品チップと電気的に絶縁されており、
前記第4の端子の全てが前記第1の電子部品チップと電気的に絶縁されており、
前記第3の辺に沿った箇所には、前記複数の端子のうちの前記1以上の第3の端子のみが配置されており、
前記第4の辺に沿った箇所には、前記複数の端子のうちの前記1以上の第4の端子のみが配置されている
請求項3または請求項4記載の電子部品パッケージ。
【請求項6】
1以上の第3の導体と、1以上の第4の導体とをさらに備え、
前記複数の端子は、1以上の第3の端子と、1以上の第4の端子とをさらに含み、
前記外縁は、前記第1の辺と対向する第3の辺と、前記第2の辺と対向する第4の辺とをさらに含み、
前記1以上の第3の端子は、
前記第3の辺に露出するように前記第3の辺に沿っ
た箇所に配置され、
前記1以上の第4の端子は、
前記第4の辺に露出するように前記第4の辺に沿っ
た箇所に配置され、
前記1以上の第3の端子は、前記1以上の第3の導体により、前記第
2の電子部品チップと接続されることなく前記第
1の電子部品チップと接続され、
前記1以上の第4の端子は、前記1以上の第4の導体により、前記第1の電子部品チップと接続されることなく前記第2の電子部品チップと接続されて
おり、
前記第3の端子の全てが前記第2の電子部品チップと電気的に絶縁されており、
前記第4の端子の全てが前記第1の電子部品チップと電気的に絶縁されており、
前記第3の辺に沿った箇所には、前記複数の端子のうちの前記1以上の第3の端子のみが配置されており、
前記第4の辺に沿った箇所には、前記複数の端子のうちの前記1以上の第4の端子のみが配置されている
請求項3または請求項4記載の電子部品パッケージ。
【請求項7】
第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有する基板をさらに備え、
前記第1の電子部品チップは前記第1の主面に設けられており、
前記第2の電子部品チップは前記第2の主面に設けられている
請求項
1記載の電子部品パッケージ。
【請求項8】
電子部品パッケージであって、
第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面とをそれぞれ繋ぐ第1から第4の端面とを有する基板と、
前記第1の主面に設けられた第1の電子部品チップと、
前記第2の主面に設けられ、前記電子部品パッケージにおいて前記第1の電子部品チップと電気的に絶縁された第2の電子部品チップと、
前記第1の端面に沿って設けられた1以上の第1の端子と、
前記第2の端面に沿って設けられた1以上の第2の端子と、
前記第3の端面に沿って設けられた1以上の第3の端子と、
前記第4の端面に沿って設けられた1以上の第4の端子と、
前記1以上の第1の端子を、前記第2の電子部品チップと接続することなく前記第1の電子部品チップと接続する1以上の第1の導体と、
前記1以上の第2の端子を、前記第2の電子部品チップと接続することなく前記第1の電子部品チップと接続する1以上の第2の導体と、
前記1以上の第3の端子を、前記第1の電子部品チップと接続することなく前記第2の電子部品チップと接続する1以上の第3の導体
と、
前記1以上の第4の端子を、前記第1の電子部品チップと接続することなく前記第2の電子部品チップと接続する1以上の第4の導体と
を備
え、
前記第1の端子の全てが前記第2の電子部品チップと電気的に絶縁されており、
前記第2の端子の全てが前記第2の電子部品チップと電気的に絶縁されており、
前記第3の端子の全てが前記第1の電子部品チップと電気的に絶縁されており、
前記第4の端子の全てが前記第1の電子部品チップと電気的に絶縁されている
電子部品パッケージ。
【請求項9】
前記基板は、基体と、その基体の少なくとも一部を覆うめっき層とを有し、
前記めっき層は、Ag(銀)よりもイオンマイグレーション現象を生じにくい金属材料を有する
請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の電子部品パッケージ。
【請求項10】
前記金属材料は、Au(金),Pd(パラジウム)およびNi(ニッケル)のうちの少なくとも1種を含む
請求項9に記載の電子部品パッケージ。
【請求項11】
前記第1の電子部品チップと前記第2の電子部品チップとは、実質的に同じ種類である
請求項1から請求項
10のいずれか1項に記載の電子部品パッケージ。
【請求項12】
前記第1の電子部品チップは、第1の特定用途集積回路(ASIC)と、第1のセンサとを含む
請求項1から請求項
11のいずれか1項に記載の電子部品パッケージ。
【請求項13】
前記第1のセンサは磁気センサである
請求項
12に記載の電子部品パッケージ。
【請求項14】
前記第2の電子部品チップは、第2の特定用途集積回路(ASIC)と、第2のセンサとを含む
請求項1から請求項
13のいずれか1項に記載の電子部品パッケージ。
【請求項15】
前記第2のセンサは磁気センサである
請求項
14に記載の電子部品パッケージ。
【請求項16】
前記第1の電子部品チップの少なくとも一部および前記第1の電子部品チップの少なくとも一部を覆うモールドをさらに備え、
前記モールドの一部が前記第1の辺の少なくとも一部および前記第2の辺の少なくとも一部に含まれる
請求項1から請求項
7のいずれか1項に記載の電子部品パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一の基部に2以上の電子部品チップが設けられた電子部品パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器等に搭載されるセンサ装置などの電子部品パッケージにおいて、動作系統の冗長化を図るようにした技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような電子部品パッケージに対しては、その寸法の縮小化と共に動作信頼性のさらなる向上が求められつつある。
【0005】
したがって、小型でありながら、より動作信頼性に優れる電子部品パッケージを提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様としての電子部品パッケージは、互いに隣り合う第1の辺および第2の辺を含む外縁を有する。本発明の一実施態様としての電子部品パッケージは、第1の電子部品チップと、その第1の電子部品チップと離間して設けられた第2の電子部品チップと、第1の辺に沿って配置された1以上の第1の端子と、第2の辺に沿って配置された1以上の第2の端子と、1以上の第1の端子を、第2の電子部品チップと接続することなく第1の電子部品チップと接続する1以上の第1の導体とを備える。
【0007】
本発明の一実施態様としての電子部品パッケージでは、第1の辺に沿って1以上の第1の端子を配置し、第2の辺に沿って1以上の第2の端子を配置するようにしたので、基板の平面積の増大を抑えつつ、より多数の第1の端子および第2の端子が配置される。また、第1の端子および第2の端子の双方が、第1の導体により、第2の電子部品チップと接続されることなく第1の電子部品チップと接続されている。さらに、第1の辺に沿って複数の第1の端子が配置される場合であっても、それら複数の第1の端子は、いずれも、複数の第1の導体により、第2の電子部品チップと接続されることなく第1の電子部品チップとそれぞれ接続される。このため、小型化した場合であっても第1の電子部品チップと第2の電子部品チップとの短絡が生じるリスクが低減される。したがって、第1の電子部品チップと第2の電子部品チップとを近接配置することができ、磁場強度などの位置に依存する物理量を測定する場合であっても、第1の電子部品チップおよび第2の電子部品チップの配置位置に依存する誤差が低減される。
【0008】
本発明の一実施態様としての他の電子部品パッケージは、基板と、第1の電子部品チップと、第2の電子部品チップと、第1の端子および第2の端子と、第1の導体とを備える。基板は、第1の主面と、その第1の主面と反対側の第2の主面と、第1の主面と第2の主面とを繋ぐ端面とを有する。第1の電子部品チップは、第1の主面に設けられている。第2の電子部品チップと、第2の主面に設けられている。第1の端子および第2の端子は、基板の端面に設けられている。第1の導体は、第1の端子と第1の電子部品チップとを繋いでいる。
【0009】
本発明の一実施態様としての他の電子部品パッケージでは、一の基板の第1の主面および第2の主面に第1の電子部品チップおよび第2の電子部品チップが設けられると共に、その基板の端面に第1の端子および第2の端子が設けられている。よって、第1の電子部品チップと第2の電子部品チップとの短絡の発生リスクが低減されるうえ、全体の小型化に有利である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施態様としての電子部品パッケージによれば、小型化を図りつつ、より優れた動作信頼性が得られる。
なお、本発明の効果はこれに限定されるものではなく、本明細書に記載のいずれの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施の形態としてのセンサパッケージの全体構成を表す平面図である。
【
図2】
図1に示したセンサパッケージの断面構成を表す断面図である。
【
図3】
図1に示したセンサパッケージの構成例を表すブロック図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態の第1変形例としてのセンサパッケージの全体構成を表す平面図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態の第2変形例としてのセンサパッケージの全体構成を表す平面図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態の第3変形例としてのセンサパッケージの全体構成を表す平面図である。
【
図7A】本発明の第2の実施の形態としてのセンサパッケージの全体構成を表す第1の平面図である。
【
図7B】本発明の第2の実施の形態としてのセンサパッケージの全体構成を表す第2の平面図である。
【
図8】
図7Aに示したセンサパッケージの断面構成を表す断面図である。
【
図9】第1の参考例としてのセンサパッケージの全体構成を表す平面図である。
【
図10】第2の参考例としてのセンサパッケージの全体構成を表す平面図である。
【
図11】本発明の第4の変形例としてのセンサパッケージの全体構成を表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
基板の片面に2つの電子部品チップを設けるようにしたセンサパッケージの例。
2.第1の実施の形態の第1変形例
3.第1の実施の形態の第2変形例
4.第1の実施の形態の第3変形例
5.第2の実施の形態
基板の両面に電子部品チップを1つずつ設けるようにした電子部品パッケージの例。
6.その他の変形例
【0013】
<1.第1の実施の形態>
[センサパッケージ1の構成]
最初に、
図1および
図2を参照して、本発明における一実施の形態としてのセンサパッケージ1の構成について説明する。
図1および
図2は、センサパッケージ1の全体構成例を表す平面模式図および断面模式図である。
図2は、
図1に示したII-II切断線に沿った矢視方向の断面を表している。このセンサパッケージ1は、例えば磁場の変化を検出する磁気センサであり、本発明の「電子部品パッケージ」に対応する一具体例である。
【0014】
図1に示したように、センサパッケージ1は、モールド7に埋設されたセンサモジュール2と、第1~第4の端子31~34と、第1~第3の細線41~44とを備えている。モールド7は、第1~第4の辺71~74で画定される外縁を有している。センサパッケージ1の外縁は、実質的に矩形の平面形状をなすモールド7の外縁により形成されている。但し、第1~第4の端子31~34は、例えば1つの主面と1つの側面とがモールド7により覆われずに露出した状態となるように設けられている。また、センサモジュール2の裏面、すなわち、後述する基板10のうちの電子部品チップC1,C2(後述)が設けられていない第2主面10S2もまた、モールド7により覆われずに露出した状態となっていてもよい。センサパッケージ1では、例えば第1の辺71および第3の辺73と第2の辺72および第4の辺74とが実質的に直交している。すなわち、第1の辺71と第3の辺73とが実質的に平行であり、第2の辺72と第4の辺74とが実質的に平行である。
【0015】
モールド7は、例えばセンサモジュール2、第1~第4の端子31~34および第1~第4の細線41~44などを保護する保護部材であり、例えば絶縁性樹脂により構成されている。モールド7に適用される絶縁性樹脂としては、例えばマトリックス樹脂としてエポキシ樹脂に、充填材として主にシリカフィラーを分散させた熱硬化性樹脂が挙げられる。なお、絶縁性樹脂からなるモールド7の代わりに、セラミックやガラスを用いてもよい。
【0016】
[センサモジュール2の構成]
図1に示したように、センサモジュール2は、基板10と、絶縁層23と、電子部品チップC1および電子部品チップC2とを有している。
図3に、センサモジュール2の構成例を表すブロック図を示す。
なお、基板10は本発明の「基板」に対応する一具体例であり、電子部品チップC1および電子部品チップC2は、それぞれ本発明の「第1の電子部品チップ」および「第2の電子部品チップ」に対応する一具体例である。
【0017】
(基板10)
基板10は、第1主面10Aと、その第1主面10Aと反対側の第2主面10Bとを有する板状部材であり、電子部品チップC1および電子部品チップC2は、いずれも第1主面10Aに、互いに離間して設けられている。第2主面10Bは、モールド7によって覆われておらず、露出している。基板10の外縁は、第1から第4の辺11~14により画定される、実質的に矩形の平面形状をなす外縁を有している。基板10の第1から第4の辺11~14は、例えばモールド7の第1から第4の辺71~74とそれぞれ実質的に平行である。電子部品チップC1および電子部品チップC2は、第1の辺11および第1の辺71に沿ったX軸方向において互いに隣り合い、第2の辺12および第2の辺72に沿ったY軸方向にそれぞれ延在している。
【0018】
また、基板10は、基体21と、めっき層22との2層構造を有している。基体21は、例えば銅などの導電性材料からなる板部材もしくは箔部材である。めっき層22は、例えば基体21の表面を一体に覆うように形成された、金属材料からなる被膜である。なお、めっき層22は、基体21の一部のみを覆うように形成されていてもよい。
【0019】
めっき層22は、例えばAg(銀)よりもイオンマイグレーション現象を生じにくい金属材料、具体的には、Au(金),Pd(パラジウム)およびNi(ニッケル)のうちの少なくとも1種を含む金属材料を有しているとよい。また、めっき層22は、上記金属材料からなる単層構造を有していてもよいし、複数層が積層されてなる多層構造を有していてもよい。多層構造としては、例えばNi/Auの2層構造、Ni-P(ニッケルリン合金)/Auの2層構造、またはNi/Pd/Auの3層構造などが好ましい。
【0020】
また、めっき層22についてのイオンマイグレーションの評価は、例えばHAST(Highly Accelerated Temperature Humidity Stress Test)と呼ばれる不飽和型の加圧水蒸気試験により行うことができる。具体的な試験条件は、例えばIEC(国際電気標準会議)の規格No.60068-2-66およびNo.60749-4に定められている。本実施の形態でいう、「Ag(銀)よりもイオンマイグレーション現象を生じにくい金属材料」とは、110±2℃の温度範囲および85±5%RHの湿度範囲において192時間に亘ってHASTを実施した場合、120±2℃の温度範囲および85±5%RHの湿度範囲において96時間に亘ってHASTを実施した場合、または130±2℃の温度範囲および85±5%RHの湿度範囲において48時間に亘ってHASTを実施した場合に、Ag(銀)と比較して故障に至るまでの時間が長い、または故障に至らないような金属材料をいう。
【0021】
(絶縁層23)
絶縁層23は、第1主面10Aの上に設けられている。絶縁層23は、例えば絶縁性接着フィルム(DAF:Die Attach Film)である。したがって、絶縁層23は、めっき層22により覆われた基体21に電子部品チップC1および電子部品チップC2をそれぞれ接着固定している。また、電子部品チップC1と電子部品チップC2とは、絶縁層23と、センサモジュール2の全体を封止するモールド7との存在により、相互に電気的に分離されている。なお、電子部品チップC1,C2を基板10に接着可能な物質であれば絶縁層23の代わりに導電性を有する接着層を用いることも可能である。しかしながら、電子部品チップC1と電子部品チップC2との同時故障のリスクを低減するために、絶縁層23のような絶縁性の接着層を採用することが望ましい。
【0022】
(電子部品チップC1および電子部品チップC2)
電子部品チップC1および電子部品チップC2は、例えば実質的に同じ機能もしくは同じ構造を有する同じ種類のデバイスであってもよい。但し、電子部品チップC1および電子部品チップC2は、互いに同じ機能を有するものであっても互いに異なる構造を有するものであってもよい。また、電子部品チップC1の機能および構造と、電子部品チップC2の機能および構造とが異なっているなど、電子部品チップC1および電子部品チップC2は互いに異なる種類のデバイスであってもよい。
【0023】
図1に示したように、電子部品チップC1は、めっき層22上に、絶縁層23を介して設けられている。
図2および
図3に示したように、電子部品チップC1は、特定用途集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)15と、センサ素子17と、複数のパッドP1とを含んでいる。なお、
図1の例では、8つのパッドP1が設けられている。また、図示しないが、センサ素子17とASIC15とは電気的に接続されている。また、
図2に示したように、電子部品チップC2は、めっき層22上に、絶縁層23を介して設けられている。
図2および
図3に示したように、電子部品チップC2は、ASIC16と、センサ素子18と、複数のパッドP2とを含んでいる。なお、
図1の例では、8つのパッドP2が設けられている。また、図示しないが、センサ素子18とASIC16とは電気的に接続されている。センサ素子18とASIC16との電気的な接続は、例えば導電性ワイヤ、導電性バンプ、または導電性薄膜(例えばめっき膜)などを用いてなされている。それらの導電性ワイヤ、導電性バンプ、および導電性薄膜は、例えばAu(金),Al(アルミニウム),Cu(銅)などの金属を有している。さらに、
図3に示したように、センサパッケージ1では、電子部品チップC1に対し電力を供給する電源Vcc1と、電子部品チップC2に対し電力を供給する電源Vcc2とがそれぞれ接続されるようになっている。電源Vcc1は、電子部品チップC1におけるASIC15およびセンサ素子17にそれぞれ接続されている。電源Vcc2は、電子部品チップC2におけるASIC16およびセンサ素子18にそれぞれ接続されている。
【0024】
(センサ素子17およびセンサ素子18)
センサ素子17およびセンサ素子18は、例えば磁性体の変位に伴う外部磁場の変化を検出する磁気センサであり、例えばホール素子、異方性磁気抵抗効果(AMR:Anisotropic Magneto-Resistive effect)素子、巨大磁気抵抗効果(GMR:Giant Magneto-Resistive effect)素子、またはトンネル磁気抵抗効果(TMR:Tunnel Magneto-Resistance effect)素子などを含む。センサ素子17およびセンサ素子18は、それぞれ、外部磁場の変化に伴う検出信号をASIC15およびASIC16に向けて送信するようになっている。
【0025】
(ASIC15およびASIC16)
図3に示したように、ASIC15は、例えばA/D変換部151と、演算部152と、通信部153とを有している。A/D変換部151は、センサ素子17からの検出信号をディジタル変換し、演算部152へ出力するようになっている。演算部152は、ディジタル変換されたセンサ素子17からの検出信号に基づき、例えば磁性体の変位量を演算して求め、その演算結果を通信部153へ出力するようになっている。通信部153は、演算部152からの演算結果に係る出力信号を生成し、パッドP1を介して外部へ出力するようになっている。同様に、ASIC16は、例えばA/D変換部161と、演算部162と、通信部163とを有している。A/D変換部161は、センサ素子18からの検出信号をディジタル変換し、演算部162へ出力するようになっている。演算部162は、ディジタル変換されたセンサ素子18からの検出信号に基づき、例えば磁性体の変位量を演算して求め、その演算結果を通信部163へ出力するようになっている。通信部163は、演算部162からの演算結果に係る出力信号を生成し、パッドP2を介して外部へ出力するようになっている。
【0026】
(第1の端子31および第2の端子32)
第1の端子31および第2の端子32は、それぞれ、電子部品チップC1からの出力信号を外部に引き出すための導電性部材であり、例えばCu(銅)などの高導電性材料からなるコア3Aと、その周囲を覆うように形成されたクラッド3Bとを有している。クラッド3Bは、例えばめっき層22と同じ構造を有するめっき層であり、コア3Aの周囲を全面的に覆うように形成されていてもよいし、コア3Aの周囲の一部のみを覆うように形成されていてもよい。また、クラッド3Bは、はんだ濡れ性のよいSn(錫)を用いためっき層であってもよい。なお、
図1では、第1の辺11(71)に沿って配列された4つの第1の端子31(31A~31D)と、第2の辺12(72)に沿って配列された4つの第2の端子32(32A~32D)とを表している。但し、第1の端子31の数および第2の端子32の数は、それぞれ4つに限定されず、1以上の任意の数を選択可能である。
【0027】
(第1の細線41および第2の細線42)
第1の端子31A~31Dは、それぞれ、モールド7に埋設された第1の細線41(41A~41D)を介して1つのパッドP1と接続されている。同様に、第2の端子32A~32Dは、それぞれ、モールド7に埋設された第2の細線42(42A~42D)を介して1つのパッドP1と接続されている。第1の細線41A~41Dおよび第2の細線42A~42Dは、いずれも、例えば金(Au),銀(Ag),銅(Cu)またはアルミニウム(Al)などからなる、直径数十μm~数百μm程度のいわゆるボンディングワイヤである。
【0028】
図1に示したように、第1の辺11(71)に沿って設けられた第1の端子31A~31Dは、いずれも、第1の細線41A~41Dにより、電子部品チップC2と接続されることなく電子部品チップC1と接続されている。同様に、第2の辺12(72)に沿って設けられた第2の端子32A~32Dは、いずれも、第2の細線42A~42Dにより、電子部品チップC2と接続されることなく電子部品チップC1と接続されている。
【0029】
(第3の端子33および第4の端子34)
第3の端子33および第4の端子34は、それぞれ、電子部品チップC2からの出力信号を外部に引き出すための導電性部材であり、第1の端子31および第2の端子32と同様に、例えばCu(銅)などの高導電性材料からなるコア3Aと、その周囲を覆うように形成されたクラッド3Bとを有している。第3の端子33および第4の端子34においても、クラッド3Bは、コア3Aの周囲を全面的に覆うように形成されていてもよいし、コア3Aの周囲の一部のみを覆うように形成されていてもよい。また、クラッド3Bは、はんだ濡れ性のよいSn(錫)を用いためっき層であってもよい。なお、
図1では、第3の辺73に沿って配列された4つの第3の端子33(33A~33D)と、第4の辺74に沿って配列された4つの第4の端子34(34A~34D)とを表している。但し、第3の端子33の数および第4の端子34の数は、それぞれ4つに限定されず、1以上の任意の数を選択可能である。
【0030】
(第3の細線43および第4の細線44)
第3の端子33A~33Dは、それぞれ、モールド7に埋設された第3の細線43(43A~43D)を介して1つのパッドP2と接続されている。同様に、第4の端子34A~34Dは、それぞれ、モールド7に埋設された第4の細線44(44A~44D)を介して1つのパッドP2と接続されている。第3の細線43A~43Dおよび第4の細線44A~44Dは、いずれも、例えば金(Au),銀(Ag),銅(Cu)またはアルミニウム(Al)などからなる、直径数十μm~数百μm程度のいわゆるボンディングワイヤである。
【0031】
図1に示したように、第3の辺73に沿って設けられた第3の端子33A~33Dは、いずれも、第3の細線43A~43Dにより、電子部品チップC1と接続されることなく電子部品チップC2と接続されている。同様に、第4の辺74に沿って設けられた第4の端子34A~34Dは、いずれも、第4の細線44A~44Dにより、電子部品チップC1と接続されることなく電子部品チップC2と接続されている。
【0032】
[センサパッケージ1の効果]
このセンサパッケージ1は、1つのベース部11に、互いに電気的に絶縁された電子部品チップC1および電子部品チップC2を設けるようにした。さらに、電子部品チップC1および電子部品チップC2のそれぞれに対し異なる電源Vcc1および電源Vcc2から個別に電力供給を行うようにした。このため、例えば磁性体の変位に伴う、センサパッケージ1に及ぶ外部磁場の変化を、電子部品チップC1と電子部品チップC2とで互いに独立して検出することができる。したがって、このセンサパッケージ1では動作系統の冗長化が実現される。すなわち、センサパッケージ1では、例えば通常時には電子部品チップC1のみを稼働させ、電子部品チップC2を予備として待機させることができる。センサパッケージ1では、電子部品チップC1の故障が疑われる場合などには、予備としての電子部品チップC2を稼働させることができる。
【0033】
また、センサパッケージ1は、磁場強度などの位置に依存する物理量を測定する場合であっても、優れた測定精度を発揮することができる。センサパッケージ1においては、電子部品チップC1と電子部品チップC2とを近接して配置することができ、電子部品チップC1による当該物理量の測定値と電子部品チップC2による当該物理量の測定値との配置位置に依存する誤差を低減できるからである。
【0034】
センサパッケージ1では、さらに、同一の辺に沿って設けられた端子は、全て同一の電子部品チップに接続するようにした。具体的には、例えば第1の辺11(71)に沿って配列された第1の端子31A~31Dの全てを、電子部品チップC2と接続することなく電子部品チップC1と接続するようにした。同様に、第2の辺12(72)に沿って配列された第2の端子32A~32Dの全てを、電子部品チップC2と接続することなく電子部品チップC1と接続するようにした。また、第3の辺13(73)に沿って配列された第3の端子33A~33Dの全て、および第4の辺14(74)に沿って配列された第4の端子34A~34Dの全てを、電子部品チップC1と接続することなく電子部品チップC2と接続するようにした。このため、例えば第1の細線41A~41Dの相互間での接触、第2の細線42A~42Dの相互間での接触、第3の細線43A~43Dの相互間での接触、または第4の細線44A~44Dの相互間での接触が仮に生じた場合であっても、電子部品チップC1と電子部品チップC2との短絡が生じるリスクを低減できる。よって、例えば電子部品チップC1と電子部品チップC2とが実質的に同じ機能もしくは同じ構造を有する同じ種類である場合には、電子部品チップC1と電子部品チップC2とが同時に故障するリスクを低減できる。さらに、同一の辺に沿って設けられた端子の全てを同一の電子部品チップに接続することにより、ウィスカの成長や半田のはみ出しによる同時故障のリスクを低減できる。
【0035】
さらに、センサパッケージ1では、基板10の第1の辺11に沿って第1の端子31を配置し、基板10の第2の辺12に沿って第2の端子32を配置し、基板10の第3の辺13に沿って第3の端子33を配置し、基板10の第4の辺14に沿って第4の端子34を配置するようにした。このため、基板10の平面積の増大を抑えつつ、より多数の端子(第1~第4の端子31~34)を配置することができる。
【0036】
これに対し、例えば
図9に示した参考例としてのセンサパッケージ101のように、第1の端子131A,131Bを第1の細線141A,141Bにより電子部品チップC1のパッドP101と接続すると共に同一の第1の辺11(71)に沿って第1の端子131A,131Bと隣り合うように配置された第1の端子131C,131Dを第1の細線141C,141Dにより電子部品チップC2のパッドP102と接続するようにした場合には、第1の細線141Bと第1の細線141Cとの短絡が生じやすい。よって、本発明と比較すると、電子部品チップC1と電子部品チップC2との短絡が生じるリスクが高まる。また、第1の細線141Bと第1の細線141Cとの短絡を回避するには、第1の端子131Bと第1の端子131Cとの間隔を広げる必要があり、平面寸法の増大を招くおそれがある。なお、センサパッケージ101では、第2の辺12(72)に沿って配置された第2の端子132A~132Dは第2の細線142A~142Dにより電子部品チップC1のパッドP101と接続されている。さらに、第4の辺14(74)に沿って配置された第4の端子134A~134Dは第4の細線144A~144Dにより電子部品チップC2のパッドP102と接続されている。
【0037】
また、
図10に示した参考例としての他のセンサパッケージ101Aのように、第1~第4の辺11~14(71~74)のうち、対向する2辺、例えば第2の辺12(72)および第4の辺14(74)のみに沿って第2の端子132A~132Dおよび第4の端子134A~134Dを設け、それぞれ、第2の細線142A~142Dおよび第4の細線144A~144DによりパッドP101およびパッドP102と接続した場合には、電子部品チップC1と電子部品チップC2との短絡は生じにくい。しかしながら、第2の端子132の数や第4の端子134の数をさらに増やそうとした場合、本発明と比較すると、基板10の平面積およびセンサパッケージ101Aの平面積の増大を招いてしまう。
【0038】
また、センサパッケージ1では、基体21の表面を、Ag(銀)よりもイオンマイグレーション現象を生じにくい金属材料を有するめっき層22により覆うようにした。ここで、電子部品チップC1の使用電圧と電子部品チップC2の使用電圧とが異なると、電子部品チップC1のASIC15の電位と電子部品チップC2のASIC16の電位との間に電位差が生じることとなる。そうした状況において、例えばめっき層22がAg(銀)を含む金属材料により形成されている場合、温度条件や湿度条件によっては、イオンマイグレーション現象が発生することが懸念される。すなわち、めっき層22に含まれるAg(銀)が絶縁層23を透過してASIC15またはASIC16へ移動する可能性がある。このようなイオンマイグレーションが発生すると絶縁層23の電気絶縁性が損なわれてリーク電流が発生するので、電子部品チップC1および電子部品チップC2における正常動作が期待できない。これに対し、本実施の形態のセンサパッケージ1では、めっき層22をAg(銀)により形成した場合と比較して、めっき層22を構成する上記金属材料が、絶縁層23へ浸透し、絶縁層23の絶縁性を破壊することが生じにくい。したがって、電子部品チップC1の使用電圧と電子部品チップC2の使用電圧とが異なる場合であっても、電子部品チップC1および電子部品チップC2における正常動作が維持される。よって、センサパッケージ1は、より動作信頼性に優れる。
【0039】
<2.第1の実施の形態の第1変形例>
[センサパッケージ1Aの構成]
図4は、上記第1の実施の形態の第1変形例としてのセンサパッケージ1Aの全体構成例を表す平面図である。本変形例としてのセンサパッケージ1Aは、センサモジュール2の代わりにセンサモジュール2Aを有している。この点を除き、センサパッケージ1Aは、センサパッケージ1と実質的に同じ構成を有する。
【0040】
センサモジュール2Aでは、上記第1の実施の形態におけるセンサモジュール2と比較して、電子部品チップC1および電子部品パッケージC2の配置状態が異なっている。具体的には、電子部品チップC1および電子部品パッケージC2は、第1の辺11(71)に沿ったX軸方向および第2の辺12(72)に沿ったY軸方向の双方と異なる第3の方向XY1にそれぞれ延在し、第3の方向XY1と実質的に直交する第4の方向XY2において互いに隣り合っている。
【0041】
[センサパッケージ1Aの作用効果]
本変形例としてのセンサパッケージ1Aによれば、第1~第4の端子31~34の配列方向に対し、電子部品チップC1および電子部品パッケージC2が斜め方向にそれぞれ延在するように配置されている。このため、第1の細線41および第2の細線42が、電子部品チップC1を中心として第1の端子31および第2の端子32へ向けて放射状に広がるように配設されることとなる。同様に、第3の細線43および第4の細線44が、電子部品チップC2を中心として第3の端子33および第4の端子34へ向けて放射状に広がるように配設されることとなる。このため、
図1に示したセンサパッケージ1と比較して、第1~第4の細線41~44の相互間の接触の可能性をより低減できる。よって、動作信頼性をより向上させることができる。
【0042】
<3.第1の実施の形態の第2変形例>
[センサパッケージ1Bの構成]
図5は、上記第1の実施の形態の第2変形例としてのセンサパッケージ1Bの全体構成例を表す平面図である。本変形例としてのセンサパッケージ1Bは、センサモジュール2の代わりにセンサモジュール2Bを有している。この点を除き、センサパッケージ1Bは、センサパッケージ1と実質的に同じ構成を有する。
【0043】
上記第1の実施の形態のセンサパッケージ1では、第1の端子31A~31Dおよび第2の端子32A~32Dを、電子部品チップC2と接続することなく電子部品チップC1と接続し、第3の端子33A~33Dおよび第4の端子34A~34Dを、電子部品チップC1と接続することなく電子部品チップC2と接続するようにした。しかしながら、本発明では、本変形例のように、第1の端子31A~31D、第2の端子32A~32Dおよび第3の端子33A~33Dを、電子部品チップC2と接続することなく電子部品チップC1と接続し、第4の端子34A~34Dを、電子部品チップC1と接続することなく電子部品チップC2と接続するようにしてもよい。
【0044】
<4.第1の実施の形態の第3変形例>
[センサパッケージ1Cの構成]
図6は、上記第1の実施の形態の第3変形例としてのセンサパッケージ1Cの全体構成例を表す平面図である。本変形例としてのセンサパッケージ1Cでは、第1~第4の端子31~34のうちの一部を電子部品チップC1,C2と接続しないようにしたものである。具体的には、
図6は、第2の細線42Cを設けないことで第2の端子32CをパッドP1と接続せず、第4の細線44Cを設けないことで第4の端子34CをパッドP2と接続しないようにした例である。このように、本発明では、用途に応じて複数の端子のうち一部の端子のみを使用してもよい。
【0045】
<5.第2の実施の形態>
[センサパッケージ8の構成]
図7Aおよび
図7Bは、本発明の第2の実施の形態としてのセンサパッケージ8の全体構成例を表す平面図である。また、
図8は、センサパッケージ8の全体構成例を表す断面図であり、
図7Aに示したVIII-VIII切断線に沿った矢視方向の断面を表している。
【0046】
上記第1の実施の形態のセンサパッケージ1のセンサモジュール2では、電子部品チップC1および電子部品チップC2の双方を基板10の第1主面10Aの上に隣り合うように配置した。これに対し、本実施の形態のセンサパッケージ8は、電子部品チップC1を第1主面10Aに絶縁層23を介して配置すると共に、電子部品チップC2を第2主面10Bに絶縁層24を介して配置するようにしたセンサモジュール9を有する。この点を除き、センサパッケージ8は、センサパッケージ1と実質的に同じ構成を有する。
【0047】
[センサパッケージ8の効果]
このように本実施の形態のセンサパッケージ8では、基板10の両面に、電子部品チップC1および電子部品チップC2をそれぞれ配置するようにした。このため、面内方向の寸法の縮小化に有利となる。
【0048】
また、電子部品チップC1のパッドP1と第1の端子31とを接続する第1の細線41、および電子部品チップC1のパッドP1と第2の端子32とを接続する第2の細線42が第1主面10A側にあり、電子部品チップC2のパッドP2と第3の端子33とを接続する第3の細線43、および電子部品チップC2のパッドP2と第4の端子34とを接続する第4の細線44が第2主面10B側にあるので、第1の細線41および第2の細線42と、第3の細線43および第4の細線44との接触を十分に回避できる。したがって、電子部品チップC1と電子部品チップC2との短絡が生じるリスクが低減され、電子部品チップC1と電子部品チップC2とが同時に故障するリスクが十分に回避できる。
【0049】
<6.その他の変形例>
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態等では、センサ素子としてTMR素子を例示し、磁性体の変位に伴う外部磁場の変化を検出するセンサパッケージについて説明したが、本発明の電子部品パッケージはこれに限定されるものではない。本発明の電子部品パッケージは、例えば、電流検知装置、回転検知装置、相対位置検知装置、磁気コンパスまたは磁気スイッチなどの、他の物理量を検出するセンサデバイスであってもよい。本発明の電子部品パッケージは、さらに、半導体メモリなどの電子部品のほか、コンデンサ、インダクタまたは抵抗などの受動部品を含むパッケージであってもよい。
【0050】
また、
図1などに示したセンサパッケージにおける各構成要素の形状、寸法、および配置位置などは、あくまでも例示であって、それに限定されるものではない。また、
図1などに示したセンサパッケージにおける各構成要素の全てを備えている必要なないし、図示しない他の構成要素を備えていてもよい。
【0051】
また、上記実施の形態等では、電子部品チップを2つ設ける場合を例示したが、3以上の電子部品チップを備えるようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施の形態等のセンサパッケージ1,1A~1Cでは、基板10に電子部品チップC1,C2を設けるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば
図11に示したセンサパッケージ1Dのように、基板10を設けることなく、センサモジュール2をモールド7によって保持するようにした構造であってもよい。
【0053】
さらに、上記実施の形態等では、本発明の「第1~第4の導体」の一具体例として第1~第4の細線41~44を例示したが、本発明の「第1~第4の導体」はそのようなワイヤ状のものに限定されるものではない。本発明の「第1~第4の導体」は、例えばめっきやスパッタ、あるいは印刷などにより形成される導電性の薄膜であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1,1A~1D,8…センサパッケージ、10…基板、10A…第1主面、10B…第2主面、11~14…第1~第4の辺、2,9…センサモジュール、21…基体、22…めっき層、23,24…絶縁層、7…モールド、71~74…第1~第4の辺、31(31A~31D)…第1の端子、32(32A~32D)…第2の端子、33(33A~33D)…第3の端子、34(34A~34D)…第4の端子、41(41A~41D)…第1の細線、42(42A~42D)…第2の細線、43(43A~43D)…第3の細線、44(44A~44D)…第4の細線、C1,C2…電子部品チップ、