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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】搬送設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
B65G1/137 E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019133103
(22)【出願日】2019-07-18
(65)【公開番号】P2021017317
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2021-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】宮本 雅哉
(72)【発明者】
【氏名】中西 剛史
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-207569(JP,A)
【文献】特開2009-084022(JP,A)
【文献】特開2006-021840(JP,A)
【文献】実開平03-125705(JP,U)
【文献】特開2006-192082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御装置と、を備え、
前記搬送装置が、1つの出荷先に出荷する物品群を示す情報であるオーダー情報に従い、当該オーダー情報に示された1つ以上の物品を容器に入れる作業を行うピッキング作業部の下流に設けられている搬送設備であって、
前記容器には、第1容器と第2容器と第3容器とがあり、
前記搬送装置は、前記第1容器を搬送する第1搬送部と、前記第2容器を搬送する第2搬送部と、前記第1搬送部の下流側端部に連なる状態で設置されて前記容器を搬送する第3搬送部と、を備え、
前記第2搬送部の搬送経路上に、搬送されてきた前記第2容器に収容されている物品を前記第3容器に詰め替える詰替作業を行う詰替作業部が設けられ、
前記第3搬送部は、前記詰替作業部から前記第3容器が乗り移る乗り移り部を備え、
前記制御装置は、前記第1容器と前記第2容器とに同じ前記オーダー情報に含まれる物品が収容されている場合には、当該同じオーダー情報に含まれる物品が収容されている前記第1容器及び前記第2容器をそれぞれ対象第1容器及び対象第2容器として、前記対象第1容器を前記第1搬送部の下流側端部に停止させ、前記詰替作業部における前記対象第2容器から前記第3容器の1つである対象第3容器への物品の前記詰替作業が完了した後、前記対象第1容器を前記第1搬送部から前記第3搬送部に搬送し、前記第3搬送部において、前記対象第1容器と前記第2搬送部から前記乗り移り部に乗り移った前記対象第3容器とが連続する状態で搬送されるように、前記搬送装置を制御する、搬送設備。
【請求項2】
前記詰替作業部における前記詰替作業の完了を検知する詰替完了検知部を備え、
前記制御装置は、前記詰替完了検知部によって前記詰替作業の完了が検知されたことに基づいて、前記対象第1容器を前記第1搬送部から前記第3搬送部に搬送するように、前記搬送装置を制御する、請求項1に記載の搬送設備。
【請求項3】
前記詰替完了検知部は、前記詰替作業部から前記乗り移り部に前記対象第3容器が乗り移ったことを前記詰替作業の完了として検知し、
前記制御装置は、前記詰替完了検知部の検知に基づいて前記搬送装置を制御して、前記対象第1容器が前記対象第3容器の上流側に並ぶように前記対象第1容器を前記第1搬送部から前記第3搬送部に搬送する、請求項2に記載の搬送設備。
【請求項4】
前記第2容器は、常温とは異なる温度で管理する必要がある物品が前記ピッキング作業部において入れられる前記容器であり、
前記第3容器は、前記第1容器に比べて保温性が高い容器である、請求項1から3の何れか一項に記載の搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御装置と、を備えた搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
このような搬送設備として、例えば、特開2010-076500号公報(特許文献1)に記載されたものが知られている。以下、背景技術の説明において、かっこ書きの符号又は名称は、先行技術文献における符号又は名称とする。この特許文献1に記載の搬送設備の搬送装置は、第1容器(通常用容器21A)を積付エリア16に搬送する集品ライン31Aと、第2容器(冷凍用容器21B)を移載エリア14に搬送する分岐ライン63と、第3容器(冷凍物搬送用容器26)を移載エリア14から積付エリア16に搬送する容器搬送ライン67と、を備えている。
【0003】
特許文献1の搬送設備では、ピッキング作業部(ピッキングエリア13)で物品が入れられた第1容器は、集品ライン31Aによって直接に積付エリア16に搬送される。また、特許文献1の搬送設備では、ピッキング作業部で物品が入れられた第2容器は、分岐ライン63によって移載エリア14に搬送され、移載エリアにおいて第2容器内の物品を第3容器に詰め替える詰替作業が行われる。そして、この詰替作業によって物品が入れられた第3容器が、容器搬送ライン67によって積付エリア16に搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-076500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した搬送設備では、詰替作業を行っていない第1容器と詰替作業を行った第3容器とは別々のラインで搬送されており、これら第1容器と第3容器とが異なる位置に搬送されるため、第1容器と第3容器とに対して連続して作業を行う場合に、当該作業を行い難い場合がある。
【0006】
そこで、詰替作業を行う容器と詰替作業を行わない容器との双方を搬送する場合に作業の利便性が高い搬送設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑みた、搬送設備の特徴構成は、容器を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御装置と、を備え、前記搬送装置が、1つの出荷先に出荷する物品群を示す情報であるオーダー情報に従い、当該オーダー情報に示された1つ以上の物品を容器に入れる作業を行うピッキング作業部の下流に設けられ、
前記容器には、第1容器と第2容器と第3容器とがあり、前記搬送装置は、前記第1容器を搬送する第1搬送部と、前記第2容器を搬送する第2搬送部と、前記第1搬送部の下流側端部に連なる状態で設置されて前記容器を搬送する第3搬送部と、を備え、前記第2搬送部の搬送経路上に、搬送されてきた前記第2容器に収容されている物品を前記第3容器に詰め替える詰替作業を行う詰替作業部が設けられ、前記第3搬送部は、前記詰替作業部から前記第3容器が乗り移る乗り移り部を備え、前記制御装置は、前記第1容器と前記第2容器とに同じ前記オーダー情報に含まれる物品が収容されている場合には、当該同じオーダー情報に含まれる物品が収容されている前記第1容器及び前記第2容器をそれぞれ対象第1容器及び対象第2容器として、前記対象第1容器を前記第1搬送部の下流側端部に停止させ、前記詰替作業部における前記対象第2容器から前記第3容器の1つである対象第3容器への物品の前記詰替作業が完了した後、前記対象第1容器を前記第1搬送部から前記第3搬送部に搬送し、前記第3搬送部において、前記対象第1容器と前記第2搬送部から前記乗り移り部に乗り移った前記対象第3容器とが連続する状態で搬送されるように、前記搬送装置を制御する点にある。
【0008】
この特徴構成によれば、第1搬送部によって搬送された対象第1容器は、第1搬送部の下流側端部から第3搬送部に搬送され、第2搬送部の搬送経路上に設けられた詰替作業部において詰替作業が行われた対象第3容器は、当該詰替作業部から第3搬送部の乗り移り部に乗り移る。そのため、オーダー情報に含まれる物品が収容されている対象第1容器と対象第3容器とを同じ第3搬送部によって搬送することができる。
そして、制御装置は、第1搬送部の下流側端部に対象第1容器を停止させておき、対象第3容器に対する詰替作業が完了した後に、対象第1容器を第1搬送部から第3搬送部に搬送するように搬送装置を制御することで、対象第1容器と第2搬送部から乗り移り部に乗り移った対象第3容器とが連続する状態で搬送されるようにすることができる。このように対象第1容器を搬送することで、対象第2容器から対象第3容器への詰替作業に要した時間の長短に関わらず、第3搬送部において対象第1容器と対象第3容器とを連続する状態で搬送することができる。そのため、詰替作業を行っていない対象第1容器と詰替作業を行った対象第3容器とに対して連続して作業を行うことが容易となる。従って、詰替作業を行う容器と詰替作業を行わない容器との双方を搬送する場合に作業の利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態におけるピッキング設備の平面図
図2】第1の実施形態における出荷部の平面図
図3】第1の実施形態における制御ブロック図
図4】第1の実施形態における搬送制御のフローチャート
図5】第1の実施形態における物品の搬送動作を示す説明図
図6】第1の実施形態における物品の搬送動作を示す説明図
図7】第1の実施形態における物品の搬送動作を示す説明図
図8】第1の実施形態における物品の搬送動作を示す説明図
図9】第1の実施形態における物品の搬送動作を示す説明図
図10】第1の実施形態における物品の搬送動作を示す説明図
図11】第2の実施形態における物品の搬送動作を示す説明図
図12】第2の実施形態における物品の搬送動作を示す説明図
図13】第2の実施形態における物品の搬送動作を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.第1の実施形態
搬送設備を備えたピッキング設備の第1の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ピッキング設備は、容器1に物品2を入れるピッキング作業を行うピッキング作業部3と、ピッキング作業により物品2が収容された容器1を収納する自動倉庫4と、容器1に収容された物品2を出荷する出荷部5と、容器1がピッキング作業部3を経由するように容器1を搬送する搬送コンベヤ6と、を備えている。
【0011】
本実施形態では、図2に示すように、物品2には、常温で管理する必要がある常温用物品2Aと、常温より低い温度で管理する必要がある低温用の物品2とがある。更に本例では、低温用の物品2として、冷蔵で管理する必要がある冷蔵用物品2Bと、冷凍で管理する必要がある冷凍用物品2Cとがある。本実施形態では、一例として、常温を10℃~30℃、冷蔵を-5℃から5℃、冷凍を-10℃以下としている。尚、物品2は、対応する温度で管理されているエリアにおいて搬送されると共に収納されるが、例えば、搬送コンベヤ6によって容器1に入れられた状態で搬送される場合等において、物品2が対応する温度で管理されているエリア以外で搬送される場合や収納される場合がある。
【0012】
図1及び図2に示すように、容器1には、常温用物品2Aを収容する常温用容器1Aと、冷蔵用物品2Bを収容する冷蔵用容器1Bと、冷凍用物品2Cを収容する冷凍用容器1Cと、がある。図1に示すように、ピッキング作業部3には、常温用物品2Aを常温用容器1Aに入れるピッキング作業を行う常温用ピッキング作業部3Aと、冷蔵用物品2Bを冷蔵用容器1Bに入れるピッキング作業を行う冷蔵用ピッキング作業部3Bと、冷凍用物品2Cを冷凍用容器1Cに入れるピッキング作業を行う冷凍用ピッキング作業部3Cと、がある。自動倉庫4には、常温用容器1Aを収納する常温用自動倉庫4Aと、冷蔵用容器1Bを収納する冷蔵用自動倉庫4Bと、冷凍用容器1Cを収納する冷凍用自動倉庫4Cと、がある。
【0013】
搬送コンベヤ6は、第1主搬送部10と、この第1主搬送部10に接続されている第1副搬送部11、第2副搬送部12、第3副搬送部13、第4副搬送部14、第5副搬送部15、及び第6副搬送部16を備えている。第1主搬送部10は、常温用容器1Aや冷蔵用容器1Bを出荷部5に向けて搬送する搬送部である。第1副搬送部11は、第1主搬送部10から分岐して常温用ピッキング作業部3Aを経由した後に第1主搬送部10に合流するように常温用容器1Aを搬送する搬送部である。第2副搬送部12は、第1主搬送部10から分岐して冷蔵用ピッキング作業部3Bを経由した後に第1主搬送部10に合流するように冷蔵用容器1Bを搬送する搬送部である。第3副搬送部13は、第1主搬送部10から分岐して常温用自動倉庫4Aに向けて常温用容器1Aを搬送する搬送部である。第4副搬送部14は、常温用自動倉庫4Aから出庫された常温用容器1Aを第1主搬送部10に合流させるように搬送する搬送部である。第5副搬送部15は、第1主搬送部10から分岐して冷蔵用自動倉庫4Bに向けて冷蔵用容器1Bを搬送する搬送部である。第6副搬送部16は、冷蔵用自動倉庫4Bから出庫された冷蔵用容器1Bを第1主搬送部10に合流させるように搬送する搬送部である。
【0014】
また、搬送コンベヤ6は、出荷用搬送部17と詰替用搬送部18とを備えている。これら出荷用搬送部17及び詰替用搬送部18は、第1主搬送部10の下流側端部に接続されており、第1主搬送部10によって搬送された常温用容器1Aは、出荷用搬送部17によって出荷部5に搬送され、第1主搬送部10によって搬送された冷蔵用容器1Bは、詰替用搬送部18によって出荷部5に搬送される。
【0015】
更に、搬送コンベヤ6は、冷凍用ピッキング作業部3Cを経由した後に出荷部5に向けて冷凍用容器1Cを搬送する第2主搬送部20と、第2主搬送部20から分岐して冷凍用自動倉庫4Cに向けて冷凍用容器1Cを搬送する第7副搬送部21と、冷凍用自動倉庫4Cから出庫された冷凍用容器1Cを第2主搬送部20に合流させるように搬送する第8副搬送部22と、を備えている。第2主搬送部20の下流側端部は、詰替用搬送部18に接続されており、第2主搬送部20によって搬送された冷凍用容器1Cは、詰替用搬送部18によって出荷部5に搬送される。また、冷凍用ピッキング作業部3Cに対して物品用搬送部23が設けられている。この物品用搬送部23は、冷凍用物品2Cが入っている箱を冷凍用ピッキング作業部3Cに搬送すると共にこの箱を冷凍用ピッキング作業部3Cから搬送する。
【0016】
搬送コンベヤ6は、容器1をピッキング作業部3に搬送する。本実施形態では、搬送コンベヤ6は、常温用容器1Aは常温用ピッキング作業部3Aに搬送し、冷蔵用容器1Bは冷蔵用ピッキング作業部3Bに搬送し、冷凍用容器1Cは冷凍用ピッキング作業部3Cに搬送する。ピッキング作業部3では、1つの出荷先に出荷するオーダー情報に従い、当該オーダー情報に示された1つ以上の物品2を容器1に入れる作業を行う。つまり、常温用ピッキング作業部3Aでは、オーダー情報に示されている物品2のうちの常温用物品2Aを常温用容器1Aに入れる作業を行う。冷蔵用ピッキング作業部3Bでは、オーダー情報に示されている物品2のうちの冷蔵用物品2Bを冷蔵用容器1Bに入れる作業を行う。冷凍用ピッキング作業部3Cでは、オーダー情報に示されている物品2のうちの冷凍用物品2Cを冷凍用容器1Cに入れる作業を行う。
【0017】
そして、搬送コンベヤ6は、ピッキング作業部3において物品2が入れられた容器1を自動倉庫4に搬送する。本実施形態では、搬送コンベヤ6は、常温用ピッキング作業部3Aにおいて常温用物品2Aが入れられた常温用容器1Aを常温用自動倉庫4Aに搬送し、冷蔵用ピッキング作業部3Bにおいて冷蔵用物品2Bが入れられた冷蔵用容器1Bを冷蔵用自動倉庫4Bに搬送し、冷凍用ピッキング作業部3Cにおいて冷凍用物品2Cが入れられた冷凍用容器1Cを冷凍用自動倉庫4Cに搬送する。
【0018】
常温用自動倉庫4A、冷蔵用自動倉庫4B、及び冷凍用自動倉庫4Cは、複数のオーダー情報に基づいて出荷順に容器1を搬出し、出荷部5に備えられている搬送設備7には、出荷順が先の容器1ほど搬送経路の下流側となるように、容器1が出荷順に搬送される。出荷用搬送部17には、常温用容器1Aが出荷順に搬送され、詰替用搬送部18には、冷蔵用容器1Bと冷凍用容器1Cとが出荷順に搬送される。そして、出荷部5では、冷蔵用容器1Bに収容されている冷蔵用物品2Bを保温用容器37に入れ替える入替作業や冷凍用容器1Cに収容されている冷凍用物品2Cを保温用容器37に入れ替える入替作業が行われ、同じオーダー情報に含まれる物品2を収容している常温用容器1Aと保温用容器37とを同じ第1カゴ車26に載せる出荷作業が行われる。
【0019】
次に、搬送設備7について説明する。
搬送設備7は、容器1を搬送する搬送装置30(図2参照)と、搬送装置30を制御する制御装置H(図3参照)と、を備えている。図1に示すように、搬送装置30は、ピッキング作業部3の下流に設けられている。図2に示すように、搬送装置30が搬送する容器1には、第1容器31と第2容器32と第3容器33とがある。そして、搬送装置30は、第1容器31を搬送する第1搬送部34と、第2容器32を搬送する第2搬送部35と、第1搬送部34の下流側端部に連なる状態で設置されて容器1を搬送する第3搬送部36と、を備えている。
【0020】
本実施形態では、搬送装置30は、出荷部5に備えられている出荷用搬送部17と詰替用搬送部18とによって構成されている。そして、出荷用搬送部17によって第1搬送部34及び第3搬送部36が構成され、詰替用搬送部18によって第2搬送部35が構成されている。また、常温用容器1Aが第1容器31に相当し、冷蔵用容器1B及び冷凍用容器1Cが第2容器32に相当し、保温用容器37が第3容器33に相当する。つまり、第1容器31は、常温で管理する物品2(常温用物品2A)がピッキング作業部3で入れられる容器1である。第2容器32は、常温とは異なる温度で管理する必要がある物品2がピッキング作業部3で入れられる容器1である。本実施形態では、第2容器32は、常温より低い温度で管理する必要がある物品2(冷蔵用物品2B又は冷凍用物品2C)がピッキング作業部3で入れられる容器1である。また、第3容器33は、第1容器31や第2容器32に比べて保温性が高い容器である。本実施形態では、第1容器31及び第2容器32として、折り畳み可能なコンテナを用いており、第3容器33として、発泡スチロール製の容器であって蓋付きの容器を用いている。尚、第1容器31と第2容器32と第3容器33とのうち、第1容器31と第2容器32とがピッキング作業部3で物品2が入れられる容器1である。
【0021】
詰替用搬送部18は、容器1を一列に並ぶ状態で搬送する。詰替用搬送部18の搬送経路上に、搬送されてきた第2容器32に収容されている物品2を第3容器33に詰め替える詰替作業を行う詰替作業部38が設けられている。本実施形態では、詰替作業部38では、搬送されてきた冷蔵用容器1Bに収容されている冷蔵用物品2Bを保温用容器37に詰め替える詰替作業と、搬送されてきた冷凍用容器1Cに収容されている冷凍用物品2Cを保温用容器37に収容する詰め替え作業と、が行われる。
【0022】
また、本実施形態では、詰替用搬送部18の下流側端部に、詰替用搬送部18によって搬送されてきた第2容器32が停止する第1停止位置P1が設定されている。また、詰替用搬送部18の下流側端部に対して、その下流側に隣接する位置に保温用容器37を載せる作業台41が設置されている。本実施形態では、詰替作業部38は、詰替用搬送部18の下流側端部と作業台41とを含んでおり、詰替用搬送部18の搬送経路上に詰替作業部38の一部が設けられている。
【0023】
詰替用搬送部18には、第2容器32が第1停止位置P1より下流側に搬送されることを規制する第1受止体42が備えられている。また、搬送設備7には、第1停止位置P1にある第2容器32の存否を検出する検出センサ43と、詰替作業部38における第3容器33に対する詰替作業が完了した場合に、詰替作業を行う詰替作業者M1が操作する完了スイッチ44と、が設けられている。尚、完了スイッチ44は、当該完了スイッチ44が操作されたこと詰替作業の完了として検知するものである。従って、本実施形態では、この完了スイッチ44が、詰替作業部38における詰替作業の完了を検知する詰替完了検知部に相当する。
【0024】
出荷用搬送部17は、容器1を一列に並ぶ状態で搬送する。出荷用搬送部17の下流側端部に、第2停止位置P2が設定されている。また、出荷用搬送部17の搬送経路上における第2停止位置P2より上流側に、第3停止位置P3が設定されている。また、出荷用搬送部17は、詰替作業部38から第3容器33が乗り移る乗り移り部46を備えている。この乗り移り部46は、出荷用搬送部17の搬送経路上において、第2停止位置P2と第3停止位置P3との間に設定されている。本実施形態では、乗り移り部46は、第3停止位置P3に対して下流側に隣接する位置に設けられている。尚、「隣接する」とは、2個所の夫々に容器1がある状態で、これらの容器1の間隔が、搬送経路が沿う方向における容器1の長さの半分より狭くなることを意味している。また、本実施形態では、出荷用搬送部17における第3停止位置P3より下流側の部分が、第3搬送部36に相当し、出荷用搬送部17における乗り移り部46より上流側の部分が、第1搬送部34に相当する。つまり、第3停止位置P3は、第1搬送部34の下流側端部に設定されており、乗り移り部46は、第3搬送部36の上流側端部に設定されており、第3搬送部36に、乗り移り部46が備えられている。
【0025】
出荷用搬送部17には、第1容器31や第3容器33が第2停止位置P2より下流側に搬送されることを規制する第2受止体47と、第1容器31が第3停止位置P3より下流側に搬送されることを規制する第3受止体48と、が備えられている。第3受止体48は、第1容器31が第3停止位置P3から下流側に移動することを規制する規制状態と、第1容器31が第3停止位置P3から下流側に移動することを許容する許容状態とに状態変化するように構成されている。本実施形態では、第3受止体48は、出荷用搬送部17の搬送面より上方に突出する受止位置と、出荷用搬送部17の搬送面より下方に引退する退避位置と、に昇降可能に構成されている。そして、第3受止体48は、受止位置にある状態が上記規制状態でありし、退避位置にある状態が上記許容状態である。
【0026】
出荷用搬送部17の搬送経路が沿う方向に対して上下方向視で直交する方向を幅方向として、乗り移り部46は、作業台41に対して幅方向に隣接する位置に設けられている。本実施形態では、乗り移り部46は、作業台41に載っている第3容器33を詰替作業者M1が乗り移り部46に向けて押すことで、第3容器33を作業台41から乗り移り部46に乗り移らせることが可能に構成されている。尚、図示の例では、出荷用搬送部17と詰替用搬送部18とは、これらの搬送経路が平行状に設置されている。
【0027】
詰替用搬送部18によって第2容器32が第1停止位置P1に搬送された場合は、詰替作業者M1によって第1停止位置P1にある第2容器32から作業台41上にある第3容器33に物品2を詰め替える詰替作業が行われる。詳しくは詰替作業者M1によって第1停止位置P1にある冷蔵用容器1Bから作業台41の保温用容器37に冷蔵用物品2Bを詰め替える詰替作業、及び、詰替作業者M1によって第1停止位置P1にある冷凍用容器1Cから作業台41の保温用容器37に冷凍用物品2Cを詰め替える詰替作業の少なくとも一方が行われる。尚、この詰替作業は、1つの第2容器32(冷蔵用容器1B又は冷凍用容器1C)に収容されている物品2を1つの第3容器33(保温用容器37)に詰め替える場合の他、2つ以上の第2容器32から1つの第3容器33に詰め替える場合がある。そのため、2つ以上の第2容器32に収容されている物品2を第3容器33に入れることが可能なように、第3容器33は、第1容器31や第2容器32に比べて容積が大きい容器が用いられている。なお、詰替作業として、冷蔵用容器1Bに収容されている物品2と冷凍用容器1Cに収容されている物品2とを1つの第3容器33に詰め替える作業が行われる場合もある。
【0028】
完了スイッチ44は、作業台41に載せられている第3容器33に対する詰替作業が終わった場合に、詰替作業者M1により操作される。完了スイッチ44が操作された場合に、第3容器33に収容した物品2と同じオーダー情報に含まれる物品2を収容した第1容器31がある場合は、その第1容器31が第1搬送部34から第3搬送部36に搬送されて乗り移り部46より下流側に搬送される。そこで、詰替作業者M1は、この第1容器31の上流側に第3容器33が位置するように、当該第3容器33を作業台41(詰替作業部38)から乗り移り部46に乗り移らせることができる。
【0029】
また、詰替作業者M1は、詰替作業が完了した後に、第1停止位置P1にある第2容器32を第1停止位置P1から取り除くと共に、新たな空の第3容器33を作業台41に載せる。出荷用搬送部17によって搬送されてきた第1容器31及び乗り移り部46に乗り移った第3容器33は、出荷用搬送部17によって第2停止位置P2まで搬送される。これらの第1容器31及び第3容器33は、出荷作業を行う出荷作業者M2によって第2停止位置P2から降ろされて出荷用の第1カゴ車26に載せられる。尚、空の第3容器33は、第2カゴ車27に載せられる。
【0030】
次に、搬送装置30を制御する制御装置Hについて説明する。制御装置Hは、第1容器31と第2容器32とに同じオーダー情報に含まれる物品2が収容されている場合には、当該同じオーダー情報に含まれる物品2が収容されている第1容器31及び第2容器32をそれぞれ対象第1容器31T及び対象第2容器32Tとして、対象第1容器31Tを第1搬送部34の下流側端部(第3停止位置P3)に停止させ、詰替作業部38における対象第2容器32Tから第3容器33の1つである対象第3容器33Tへの物品2の詰替作業が完了した後、対象第1容器31Tを第1搬送部34から第3搬送部36に搬送し、第3搬送部36において、対象第1容器31Tと第2搬送部35から乗り移り部46に乗り移った対象第3容器33Tとが連続する状態で搬送されるように、搬送装置30を制御する。
【0031】
本実施形態では、制御装置Hは、詰替作業者M1によって完了スイッチ44が操作されたことに基づいて、第1先送り制御を実行する。第1先送り制御では、制御装置Hは、第3停止位置P3にある第1容器31が対象第1容器31Tの場合に、第3受止体48を規制状態から許容状態に状態変化させる。そして、第3停止位置P3にある対象第1容器31Tを、第3停止位置P3から乗り移り部46に搬送すると共にその乗り移り部46から更に下流側に向けて搬送するように、出荷用搬送部17を制御する。尚、対象第1容器31Tが複数ある場合は、制御装置Hは、第1先送り制御の実行によって複数の対象第1容器31Tを順次に第3停止位置P3から乗り移り部46の下流側に向けて搬送する。また、第1先送り制御では、制御装置Hは、出荷用搬送部17にある次の第1容器31を第3停止位置P3に搬送するように出荷用搬送部17を制御する。対象第1容器31Tが上述の如く搬送された後、詰替作業者M1によって対象第3容器33Tが対象第1容器31Tの上流側に連続する状態となるように作業台41から乗り移り部46に乗り移らせられる。これにより、第3搬送部36において対象第1容器31Tとこの対象第3容器33Tとが連続する状態で搬送される。
【0032】
また、制御装置Hは、検出センサ43によって第1停止位置P1の第2容器32を検出しなくなったことに基づいて、第2先送り制御を実行する。第2先送り制御では、制御装置Hは、第2搬送部35にある第2容器32のうちの最も下流側にある第2容器32を第1停止位置P1に搬送するように、詰替用搬送部18を制御する。
【0033】
以上のような制御装置Hによる搬送制御の処理をフローチャートに示すと図4のようになる。すなわち、制御装置Hは、完了スイッチ44が操作されず(S1:No)、検出センサ43が第2容器32を検出している(S3:No)状態では待機する。そして、完了スイッチ44が操作されたこと(S1:Yes)に伴って第1先送り制御を実行する(S2)。また、検出センサ43によって第2容器32が検出されなくなったこと(S3:Yes)に伴って、第2先送り制御を実行する(S4)。
【0034】
次に、図5から図10に基づいて、第1容器31、第2容器32、及び第3容器33の搬送動作について説明する。尚、図5に示す例では、出荷順が最も早いオーダー情報である第1のオーダー情報に含まれる物品2が収容されている容器1として、1つの第1容器31(常温用容器1A)と1つの第2容器32(冷蔵用容器1B)とがあり、出荷順が次のオーダー情報である第2のオーダー情報に含まれる物品2が収容されている容器1として、1つの第1容器31(常温用容器1A)と2つの第2容器32(冷蔵用容器1Bと冷凍用容器1C)とがあり、出荷順が更に次のオーダー情報である第3のオーダー情報に含まれる物品2が収容されている容器1として、1つの第1容器31(常温用容器1A)と1つの第2容器32(冷蔵用容器1B)とがある場合を示している。図5から図10では、第1のオーダー情報に含まれる物品2が収容されている容器1に丸で囲んだ「1」を付し、第2のオーダー情報に含まれる物品2が収容されている容器1に丸で囲んだ「2」を付し、第3のオーダー情報に含まれる物品2が収容されている容器1に丸で囲んだ「3」を付している。
【0035】
図5に示すように、制御装置Hは、まず、第1のオーダー情報に含まれる物品2が収容されている第1容器31及び第2容器32をそれぞれ対象第1容器31T及び対象第2容器32Tとし、作業台41に載せている第3容器33を対象第3容器33Tとする。詰替作業者M1は、対象第2容器32T(冷蔵用容器1B)に収容されている物品2を対象第3容器33Tに詰め替える詰替作業を行う。そして、詰替作業者M1は、対象第3容器33Tに対する詰替作業が完了すると、完了スイッチ44を操作する。また、詰替作業者M1は、当該詰替作業が完了すると、図6に示すように、対象第2容器32Tを第1停止位置P1から取り除く。
【0036】
制御装置Hは、完了スイッチ44が操作されたことに伴って第1先送り制御を実行して、図6に示すように対象第1容器31Tを乗り移り部46より下流側まで搬送すると共に、第2のオーダー情報に含まれる物品2を収容する第1容器31を第3停止位置P3まで搬送するように、出荷用搬送部17を制御する。また、制御装置Hは、検出センサ43によって第1停止位置P1の第2容器32が検出されなくなったことに伴って第2先送り制御を実行して、第2のオーダー情報に含まれる物品2を収容する第2容器32を、第1停止位置P1まで搬送するように、詰替用搬送部18を制御する。
【0037】
そして、図7に示すように、詰替作業者M1は、対象第1容器31Tが乗り移り部46を通過した後、対象第3容器33Tを作業台41から乗り移り部46に乗り移らせる。このように対象第3容器33Tを乗り移らせることで、出荷用搬送部17における第3搬送部36において、対象第1容器31Tと対象第3容器33Tとが搬送経路に沿って連続して並ぶ状態となる。制御装置Hは、このように対象第3容器33Tが乗り移り部46に乗り移った状態で出荷用搬送部17を駆動させることで、第1のオーダー情報に対応する対象第1容器31Tと対象第3容器33Tとを連続する状態で搬送する。
【0038】
以上の動作の後、図8に示すように、制御装置Hは、第2のオーダー情報に含まれる物品2が収容されている第1容器31及び第2容器32(ここでは2個の第2容器32)をそれぞれ対象第1容器31T及び対象第2容器32Tとし、作業台41に載せた新たな第3容器33を対象第3容器33Tとする。詰替作業者M1は、対象第2容器32Tに収容されている物品2を対象第3容器33Tに詰め替える詰替作業を行う。本例では、冷蔵用容器1Bと冷凍用容器1Cとの2つの対象第2容器32Tがあるため、詰替作業者M1は、これら2つの対象第2容器32Tから1つの対象第3容器33Tに物品2を詰め替える。そして、詰替作業者M1は、対象第3容器33Tに対する詰替作業が完了すると、完了スイッチ44を操作する。また、詰替作業者M1は、当該詰替作業が完了すると、図9に示すように、対象第2容器32Tを第1停止位置P1から取り除く。
【0039】
制御装置Hは、完了スイッチ44が操作されたことに伴って第1先送り制御を実行して、図9に示すように対象第1容器31Tを乗り移り部46より下流側まで搬送すると共に、第3のオーダー情報に含まれる物品2を収容する第1容器31を第3停止位置P3まで搬送するように、出荷用搬送部17を制御する。また、制御装置Hは、検出センサ43によって第1停止位置P1の第2容器32が検出されなくなったことに伴って第2先送り制御を実行して、図10に示すように、第3のオーダー情報に含まれる物品2を収容する第2容器32を第1停止位置P1まで搬送するように、詰替用搬送部18を制御する。
【0040】
そして、図10に示すように、詰替作業者M1は、対象第1容器31Tが乗り移り部46を通過した後、対象第3容器33Tを作業台41から乗り移り部46に乗り移らせる。このように対象第3容器33Tを乗り移らせることで、出荷用搬送部17における第3搬送部36において、対象第1容器31Tと対象第3容器33Tとが搬送経路に沿って連続して並ぶ状態となる。制御装置Hは、このように対象第3容器33Tが乗り移り部46に乗り移った状態で出荷用搬送部17を駆動させることで、第2のオーダー情報に対応する対象第1容器31Tと対象第3容器33Tとを連続する状態で搬送する。
【0041】
2.第2の実施形態
次に、搬送設備の第2の実施形態について、図11及び図12を用いて説明する。本実施形態では、詰替完了検知部が、詰替作業部から乗り移り部に対象第3容器が乗り移ったことを詰替作業の完了として検知する点で、上記第1の実施形態とは異なる。以下では、本実施形態に係る構成について、上記第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第1の実施形態と同様とする。
【0042】
図11に示すように、本実施形態では、乗り移り部46に存在する第3容器33を検出する第2検出センサ50が備えられている。この第2検出センサ50が、詰替作業部38から乗り移り部46に対象第3容器33T乗り移ったことを詰替作業の完了として検知する詰替完了検知部に相当する。そして、制御装置Hは、第2検出センサ50の検知結果に基づいて搬送装置30を制御して、対象第1容器31Tが対象第3容器33Tの上流側に並ぶように対象第1容器31Tを第1搬送部34から第3搬送部36に搬送する。これにより、第3搬送部36において対象第1容器31Tとこの対象第3容器33Tとが連続する状態で搬送される。
【0043】
次に、図11から図13に基づいて、第1容器31、第2容器32、及び第3容器33の搬送動作について説明する。尚、図11に示す例では、第1のオーダー情報、第2のオーダー情報、及び第3のオーダー情報のそれぞれに対して、図5と同様の種類及び数の容器1がある場合を示している。
【0044】
図11に示すように、詰替作業者M1は、対象第2容器32T(冷蔵用容器1B)に収容されている物品2を対象第3容器33Tに詰め替える詰替作業を行う。そして、詰替作業者M1は、対象第3容器33Tに対する詰替作業が完了すると、図12に示すように、対象第3容器33Tを作業台41から乗り移り部46に乗り移らせる。また、詰替作業者M1は、当該詰替作業が完了すると、図12に示すように、対象第2容器32Tを第1停止位置P1から取り除く。
【0045】
制御装置Hは、第2検出センサ50によって対象第3容器33Tが乗り移り部46に乗り移ったことが検出されたことに伴って第1先送り制御を実行して、図13に示すように、乗り移り部46にある対象第3容器33Tとともに対象第1容器31Tを乗り移り部46より下流側まで搬送する。またこれと共に、制御装置Hは、第2のオーダー情報に含まれる物品2を収容する第1容器31を第3停止位置P3まで搬送するように、出荷用搬送部17を制御する。また、図12に示すように、制御装置Hは、検出センサ43によって第1停止位置P1の第2容器32が検出されなくなったことに伴って第2先送り制御を実行して、図13に示すように、第2のオーダー情報に含まれる物品2を収容する第2容器32を第1停止位置P1まで搬送するように、詰替用搬送部18を制御する。
【0046】
以上のように、制御装置Hは、対象第3容器33Tが乗り移り部46に乗り移ったことに応じて出荷用搬送部17を駆動させて、第1のオーダー情報に対応する対象第1容器31Tと対象第3容器33Tとが連続する状態で搬送されるように、搬送装置30を制御する。
【0047】
3.その他の実施形態
次に、搬送設備のその他の実施形態について説明する。
【0048】
(1)上記の実施形態では、第2容器32とは別に第3容器33を用意し、第2容器32から第3容器33に物品2を詰め替える詰替作業を行う構成とする例について説明した。しかし、このような構成に限定されない。つまり、第2容器32が複数ある場合に、第2容器32の1つを対象第3容器33Tとして、上記と同様に物品2を詰め替える詰替作業を行う構成であってもよい。
【0049】
(2)上記の実施形態では、第2容器32を、常温より低温で管理する必要がある物品2がピッキング作業部3で入れられる容器1とする構成とされた例について説明した。しかし、このような構成に限定されない。つまり、第2容器32を、常温で管理することが可能な物品2がピッキング作業部3で入れられる容器1としてもよい。或いは、第2容器32を、常温より高温で管理する必要がある物品2がピッキング作業部3で入れられる容器1としてもよい。
【0050】
(3)上記の実施形態では、詰替作業部38が、詰替作業者M1が詰替作業を行う場所として構成とされた例について説明した。しかし、このような構成に限定されない。つまり、詰替作業部38が、詰替作業を行うロボット及び当該ロボットの設置場所として構成されていてもよい。
【0051】
(4)上記の実施形態では、詰替作業部38から乗り移り部46への第3容器33の移動を詰替作業者M1が行う構成とする例について説明した。しかし、このような構成に限定されない。つまり、第3容器33を移動させる移動操作部を備え、この移動操作部によって第3容器33を詰替作業部38から乗り移り部46に移動させる構成としてもよい。例えば、詰替作業者M1により完了スイッチ44が操作されたことに応じて第3容器33を詰替作業部38から乗り移り部46へ移動させる機構を、移動操作部として備えた構成としてもよい。このような移動操作部の機構としては、例えば、コンベヤやプッシャ等を用いることができる。
【0052】
(5)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0053】
4.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した搬送設備の概要について説明する。
【0054】
搬送設備は、容器を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御装置と、を備え、前記搬送装置が、1つの出荷先に出荷する物品群を示す情報であるオーダー情報に従い、当該オーダー情報に示された1つ以上の物品を容器に入れる作業を行うピッキング作業部の下流に設けられ、
前記容器には、第1容器と第2容器と第3容器とがあり、前記搬送装置は、前記第1容器を搬送する第1搬送部と、前記第2容器を搬送する第2搬送部と、前記第1搬送部の下流側端部に連なる状態で設置されて前記容器を搬送する第3搬送部と、を備え、前記第2搬送部の搬送経路上に、搬送されてきた前記第2容器に収容されている物品を前記第3容器に詰め替える詰替作業を行う詰替作業部が設けられ、前記第3搬送部は、前記詰替作業部から前記第3容器が乗り移る乗り移り部を備え、前記制御装置は、前記第1容器と前記第2容器とに同じ前記オーダー情報に含まれる物品が収容されている場合には、当該同じオーダー情報に含まれる物品が収容されている前記第1容器及び前記第2容器をそれぞれ対象第1容器及び対象第2容器として、前記対象第1容器を前記第1搬送部の下流側端部に停止させ、前記詰替作業部における前記対象第2容器から前記第3容器の1つである対象第3容器への物品の前記詰替作業が完了した後、前記対象第1容器を前記第1搬送部から前記第3搬送部に搬送し、前記第3搬送部において、前記対象第1容器と前記第2搬送部から前記乗り移り部に乗り移った前記対象第3容器とが連続する状態で搬送されるように、前記搬送装置を制御する。
【0055】
本構成によれば、第1搬送部によって搬送された対象第1容器は、第1搬送部の下流側端部から第3搬送部に搬送され、第2搬送部の搬送経路上に設けられた詰替作業部において詰替作業が行われた対象第3容器は、当該詰替作業部から第3搬送部の乗り移り部に乗り移る。そのため、オーダー情報に含まれる物品が収容されている対象第1容器と対象第3容器とを同じ第3搬送部によって搬送することができる。
そして、制御装置は、第1搬送部の下流側端部に対象第1容器を停止させておき、対象第3容器に対する詰替作業が完了した後に、対象第1容器を第1搬送部から第3搬送部に搬送するように搬送装置を制御することで、対象第1容器と第2搬送部から乗り移り部に乗り移った対象第3容器とが連続する状態で搬送されるようにすることができる。このように対象第1容器を搬送することで、対象第2容器から対象第3容器への詰替作業に要した時間の長短に関わらず、第3搬送部において対象第1容器と対象第3容器とを連続する状態で搬送することができる。そのため、詰替作業を行っていない対象第1容器と詰替作業を行った対象第3容器とに対して連続して作業を行うことが容易となる。従って、詰替作業を行う容器と詰替作業を行わない容器との双方を搬送する場合に作業の利便性を高めることができる。
【0056】
ここで、前記詰替作業部における前記詰替作業の完了を検知する詰替完了検知部を備え、前記制御装置は、前記詰替完了検知部によって前記詰替作業の完了が検知されたことに基づいて、前記第1容器を前記第1搬送部から前記第3搬送部に搬送するように、前記搬送装置を制御すると好適である。
【0057】
本構成によれば、詰替完了検知部によって詰替作業部における詰替作業の完了が検知されたことに基づいて、対象第1容器が第1搬送部から第3搬送部に搬送されるため、第3搬送部において、詰替作業が完了して乗り移り部に乗り移ってくる対象第3容器と対象第1容器とが連続する状態で搬送されるようにすることができる。
【0058】
また、前記詰替完了検知部は、前記詰替作業部から前記乗り移り部に前記対象第3容器が乗り移ったことを前記詰替作業の完了として検知し、前記制御装置は、前記詰替完了検知部の検知に基づいて前記搬送装置を制御して、前記対象第1容器が前記対象第3容器の上流側に並ぶように前記対象第1容器を前記第1搬送部から前記第3搬送部に搬送すると好適である。
【0059】
本構成によれば、対象第3容器が詰替作業部から乗り移り部に乗り移ったことに基づいて、その対象第3容器の下流側に並ぶように、対象第1容器が第1搬送部から第3搬送部に搬送される。そのため、対象第3容器を詰替作業部から乗り移り部に乗り移らせるタイミングを、対象第1容器の搬送状況に関係なく任意のタイミングに設定することができる。従って、対象第2容器から対象第3容器への詰替作業についての制約を緩和することができる。
【0060】
また、前記第2容器は、常温とは異なる温度で管理する必要がある物品が前記ピッキング作業部において入れられる前記容器であり、前記第3容器は、前記第1容器に比べて保温性が高い容器であると好適である。
【0061】
本構成によれば、詰替作業部において、常温とは異なる温度で管理する必要がある物品を、対象第1容器に比べて保温性の高い対象第3容器に収容することができる。そのため、常温とは異なる温度で管理する必要がある物品を、第3搬送部において適切に温度管理しつつ搬送することが容易となる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本開示に係る技術は、容器を搬送する搬送装置と前記搬送装置を制御する制御装置とを備えた搬送設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0063】
1:容器
2:物品
3:ピッキング作業部
30:搬送装置
31:第1容器
31T:対象第1容器
32:第2容器
32T:対象第2容器
33:第3容器
33T:対象第3容器
34:第1搬送部
35:第2搬送部
36:第3搬送部
38:詰替作業部
44:完了スイッチ(詰替完了検知部)
46:乗り移り部
50:第2検出センサ(詰替完了検知部)
H:制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13