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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】車両用操作システム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/00 20060101AFI20221213BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20221213BHJP
【FI】
G05D1/00 B
G05D1/02 Y
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019139984
(22)【出願日】2019-07-30
(65)【公開番号】P2021022305
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2021-08-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】林田 京子
(72)【発明者】
【氏名】小河 敏成
(72)【発明者】
【氏名】藤本 公介
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 英男
(72)【発明者】
【氏名】松谷 慎太郎
【審査官】今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-271527(JP,A)
【文献】特開2013-115803(JP,A)
【文献】登録実用新案第3170292(JP,U)
【文献】特開2001-328483(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00-1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員が乗車する第1車両と、
前記第1車両に搭載又は牽引可能とされかつ各種作業の支援を行うと共に、前記乗員による前記第1車両の操作インターフェイスを用いた遠隔操作によって操作可能とされた第2車両と、
を有し、
前記第2車両には、当該第2車両の車外を撮影可能な撮影装置が設けられており、
前記第1車両には、前記撮影装置により撮影された映像がフロントウインドシールドガラスに表示可能とされた表示装置が設けられていると共に、
前記第1車両には、前記乗員の視線検知装置が設けられており、
前記表示装置には、前記視線検知装置により検知された前記乗員の視線の位置に対応した映像が表示される
車両用操作システム。
【請求項2】
前記表示装置に表示される前記撮影装置により撮影された映像は、第1車両の車室内からフロントウインドシールドガラス越しに車外を目視する際の視線に合わせて出力されている
請求項記載の車両用操作システム。
【請求項3】
前記撮影装置は、車両上下方向にて前記第1車両における前記フロントウインドシールドガラスに対応した位置に配置可能とされている
請求項記載の車両用操作システム。
【請求項4】
前記表示装置は、前記第1車両のサイドウィンドウガラスに映像を表示可能とされている
請求項~請求項いずれか一項に記載の車両用操作システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、標識装置に関する発明が開示されている。この標識装置は、警告表示面と、駆動手段と、制御手段とを有しており、制御手段による駆動手段の制御により所定の位置まで自走可能とされている。換言すると、自走可能な作業支援車両が標識装置を有している。したがって、道路上の工事現場や交通事故発生現場にて標識を作業員の配置作業によらずに配置できる。このため、標識を安全かつ迅速に配置できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-87419号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された構成の場合、制御手段は超音波センサやGPS受信機により駆動手段を制御する構成のため、刻一刻と変化する道路等の現場の状態に応じて適切に標識装置を有する作業支援車両を配置できない可能性がある。一方、作業員が標識装置を手作業にて配置する場合は、状況に応じて適切に配置させることができるが、高速道路等の特定の場所での作業員の作業には危険が伴うと共に、安全に作業をするためには交通警備を行う人員などの人手が必要となる。したがって、上記先行技術はこれらの点で改良の余地がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、人手をかけることなく、複雑な状況下においても作業支援車両を適切に配置することができる車両用操作システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明に係る車両用操作システムは、乗員が乗車する第1車両と、
前記第1車両に搭載又は牽引可能とされかつ各種作業の支援を行うと共に、前記乗員による前記第1車両の操作インターフェイスを用いた遠隔操作によって操作可能とされた第2車両と、を有し、前記第2車両には、当該第2車両の車外を撮影可能な撮影装置が設けられており、前記第1車両には、前記撮影装置により撮影された映像がフロントウインドシールドガラスに表示可能とされた表示装置が設けられていると共に、前記第1車両には、前記乗員の視線検知装置が設けられており、前記表示装置には、前記視線検知装置により検知された前記乗員の視線の位置に対応した映像が表示される
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、第1車両に搭載又は牽引可能とされた各種作業の支援を行う第2車両は、遠隔操作によって第1車両に乗車した乗員による操作が可能とされている。したがって、作業が必要な現場まで第1車両にて移動後、第1車両の乗員が第1車両から降車することなく現場の状況に応じて第2車両を適宜操作することが容易となる。つまり、乗員が高速道路上等の危険な場所にて降車する必要がない。また、この遠隔操作は、第1車両の操作インターフェイスを用いて行うため、乗員は第1車両から違和感なく第2車両の遠隔操作を行うことができる。したがって、第2車両を適切に操作することができる。
【0009】
また、第2車両には撮影装置が設けられており、この撮影装置は、第2車両の車外が撮影可能とされている。この撮影装置により撮影された映像は、第1車両に設けられている表示装置によって第1車両のフロントウインドシールドガラスに表示可能とされている。したがって、乗員は、第1車両を運転する時と同じ姿勢にて第1車両の操作インターフェイスによる第2車両の遠隔操作を行うことができる。このため、第1車両の運転と第2車両の遠隔操作との連携をスムーズに行うことができる。
さらに、第1車両には、視線検知装置が設けられている。表示装置には、視線検知装置により検知された乗員の視線の位置に対応した映像が表示されることから、第1車両の車室内からフロントウインドシールドガラス越しに車外を目視する際と、映像を目視する際とで視線の位置の違いによる違和感を緩和させることができる。したがって、遠隔操作時の違和感を軽減して第2車両を適切に操作することができる。
【0010】
請求項に記載の発明に係る車両用操作システムは、請求項に記載の発明において、前記表示装置に表示される前記撮影装置により撮影された映像は、第1車両の車室内からフロントウインドシールドガラス越しに車外を目視する際の視線に合わせて出力されている。
【0011】
請求項に記載の発明によれば、第1車両のフロントウインドシールドガラスに第2車両の撮影装置からの映像は、第1車両の車室内からフロントウインドシールドガラス越しに車外を目視する際の視線に合わせて出力されるため、映像表示状態と映像非表示状態とで乗員が受ける違和感を軽減することができる。つまり、第1車両の運転から第2車両の遠隔操作へ切り替わった際の違和感を軽減することができる。
【0012】
請求項に記載の発明に係る車両用操作システムは、請求項に記載の発明において、前記撮影装置は、車両上下方向にて前記第1車両における前記フロントウインドシールドガラスに対応した位置に配置可能とされている。
【0013】
請求項に記載の発明によれば、第2車両に設けられた撮影装置は、車両上下方向にて第1車両におけるフロントウインドシールドガラスに対応した位置に配置可能とされている。したがって、第1車両のフロントウインドシールドガラスに第2車両の撮影装置からの映像が表示される際は、第1車両の車室内からフロントウインドシールドガラス越しに車外を目視する際の視線に合った映像が表示される。このため、遠隔操作時の違和感を軽減することができる。
【0014】
請求項に記載の発明に係る車両用操作システムは、請求項~請求項のいずれか一項に記載の発明において、前記表示装置は、前記第1車両のサイドウィンドウガラスに映像を表示可能とされている。
【0015】
請求項に記載の発明によれば、表示装置は、第1車両のサイドウィンドウガラスに映像を表示可能とされていることから、撮影装置による映像をフロントウインドシールドガラスとサイドウィンドウガラスとに表示させることで、遠隔操作を行う乗員は第2車両の車外の様子をより広く把握することができる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の本発明に係る車両用操作システムは、複複雑な状況下においても作業支援車両を適切に配置することができると共に、作業性を向上させることができるという優れた効果を有する。
【0020】
請求項記載の本発明に係る車両用操作システムは、操作性を向上させることができるという優れた効果を有する。
【0021】
請求項4記載の本発明に係る車両用操作システムは、車外の様子を把握し易くなるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態に係る車両用操作システムの概略を示す概略図である。
図2】第1実施形態に係る車両用操作システムの第2車両の遠隔操作時の状態を示す概略図である。
図3】第1実施形態に係る車両用操作システムの第2車両の遠隔操作時の状態を車外から見た概略図である。
図4】第1実施形態に係る車両用操作システムにおいて第1車両の車内から車外を見た状態を示す概略図である。
図5】第1実施形態に係る車両用操作システムにおいて第2車両の遠隔操作時の表示装置による映像を示す概略図である。
図6】第1実施形態に係る車両用操作システムにおいて第1車両のハードウェア構成を示すブロック図である。
図7】第1実施形態に係る車両用操作システムにおいて第2車両のハードウェア構成を示すブロック図である。
図8】第1実施形態に係る車両用操作システムにおいてサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図9】第1実施形態に係る車両用操作システムの機能構成を示すブロック図である。
図10】第1実施形態に係る車両用操作システムの動作の流れを示すフローチャートである。
図11】第2実施形態に係る車両用操作システムにおいて第1車両の車内から車外を見た状態を示す概略図である。
図12】第2実施形態に係る車両用操作システムの機能構成を示すブロック図である。
図13】第2実施形態に係る車両用操作システムの動作の流れを示すフローチャートである。
図14】第3実施形態に係る車両用操作システムの概略を示す概略図である。
図15】第3実施形態に係る車両用操作システムの機能構成を示すブロック図である。
図16】第3実施形態に係る車両用操作システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1実施形態)
以下、図1図10を用いて、本発明に係る車両用操作システム10の第1実施形態について説明する。
【0024】
(全体構成)
図1は、第1実施形態に係る車両用操作システム10の概略構成を示す図である。
【0025】
図1に示されるように、車両用操作システム10は、第1車両12と、第1車両12に搭載された車載器14と、作業支援車両としての複数の第2車両16と、それぞれの第2車両16に搭載された車載器18と、サーバ20とを含んで構成されている。これらの車載器14、18と、サーバ20とは、ネットワークNを介して通信可能に接続されている。
【0026】
第1車両12は、一例として、荷台22と表示装置24とを有しており、複数の第2車両16を荷台22に搭載可能とされている。この第1車両12は、車室36(図4参照)内に乗車する図示しない乗員による手動運転により操作される。表示装置24の具体的な構成及び作用については、後述する。
【0027】
車載器14は、搭載されている第1車両12の操作情報を車外に設けられているサーバ20へ送信可能とされている。車載器14の具体的な構成及び作用については、後述する。
【0028】
第2車両16は、一例として、標識装置26と撮影装置28とを備えた小型の車両とされており、作業現場までは第1車両12に搭載されていると共に、作業現場に到着した際には第1車両12から降ろされて作業現場にて第1車両12の乗員により遠隔操作が可能とされている。つまり、本実施形態では、第2車両16は、標識機能を有する作業支援車両とされている。標識装置26及び撮影装置28の具体的な構成及び作用については、後述する。
【0029】
車載器18は、搭載されている第2車両16の撮影装置28からの映像をサーバ20へ送信可能とされていると共に、サーバ20からの遠隔操作情報を取得する。車載器18の具体的な構成及び作用については、後述する。なお、上述した操作情報には、第1車両12及び第2車両16のそれぞれを操作するためのステアリングホイールの回転角、アクセルペダル及びブレーキペダルの踏み込み量と共に、第1車両12と第2車両16とのどちらを操作するかを示す車両選択情報と、第2車両16の標識装置26を操作する標識情報とが含まれている。また、この操作情報のうち第2車両16を操作するものを特に遠隔操作情報と称する。
【0030】
(ハードウェア構成)
図6に示されるように、第1車両12は、操作インターフェイス30と、車載器14と、車両駆動装置32と、表示装置24とを有している。各構成は、バス34を介して相互に通信可能に接続されている。
【0031】
操作インターフェイス30は、図4に示されるように、第1車両12の車室36における車両前方側に配置されており、ステアリングホイール38と、アクセルペダル40と、ブレーキペダル42と、標識表示操作装置44とを含んで構成されている。この操作インターフェイス30におけるステアリングホイール38、アクセルペダル40及びブレーキペダル42は、乗員による操作を図示しないセンサとワイヤーハーネスとにより電気信号として必要とする部位へ伝達する所謂ドライブ・バイ・ワイヤ方式とされている。また、標識表示操作装置44は、第2車両16に設けられた標識装置26に表示させることができる複数の標識の映像を選択及び表示させる操作盤を有している。これらの操作インターフェイス30は、車載器14における後述する乗員操作情報取得部46(図9参照)に接続されている。
【0032】
図6に示されるように、車載器14は、CPU(Central Processing Unit)48、ROM(Read Only Memory)50、RAM(Random Access Memory)52、ストレージ54及び通信インターフェイス56を含んで構成されている。各構成は、バス34を介して相互に通信可能に接続されている。
【0033】
CPU48は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU48は、ROM50又はストレージ54からプログラムを読み出し、RAM52を作業領域としてプログラムを実行する。CPU48は、ROM50又はストレージ54に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM50又はストレージ54には、車両操作プログラムが格納されている。
【0034】
ROM50は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM52は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ54は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0035】
通信インターフェイス56は、車載器14がサーバ20と通信するためのインターフェイスであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0036】
車両駆動装置32は、車載器14の制御に基づいて第1車両12の車輪64(図1参照)を駆動させる図示しない原動機を作動させる。
【0037】
表示装置24は、一例として、図4に示されるように、第1車両12のフロントウインドシールドガラス58と左右一対のサイドウィンドウガラスとしてのフロントサイドウィンドウガラス60とのそれぞれの全面に設けられた透明ディスプレイとされており、映像非表示時は透明になると共に、図5に示される映像表示時はフロントウインドシールドガラス58上及びフロントサイドウィンドウガラス60上に映像が表示可能とされている。なお、図5では、図2に示されるように第2車両16が第1車両12から降ろされかつ第1車両12の車両後方側へ向かって走行している状態の撮影装置28による映像が表示された状態を示している。また、図5では、映像が表示されていることをわかり易く示すためにフロントウインドシールドガラス58の車両幅方向両端側及びフロントサイドウィンドウガラス60の前端側に映像を表示していない部位を図示している。
【0038】
図7に示されるように、第2車両16は、車載器18と、車両駆動装置62と、撮影装置28と、標識装置26とが設けられている。図7に示されるように、車載器18は、車載器14と同様に、CPU48、ROM50、RAM52、ストレージ54及び通信インターフェイス56を含んで構成されている。各構成は、バス34を介して相互に通信可能に接続されている。
【0039】
車両駆動装置62は、車載器18の制御に基づいて第2車両16の車輪65(図1参照)を駆動させる図示しない原動機を作動させる。
【0040】
撮影装置28は、図2に示されるように、第2車両16の側壁部に取り付けられたカメラアーム66の先端部68に取り付けられている。このカメラアーム66は、側面視にて略L字状に形成されていると共に、図示しない駆動手段により車両前後方向を軸方向として回動可能とされている。これにより、先端部68が車両上下方向に変位可能とされている。なお、本実施形態の第2車両16は、第1車両12と略同一の平面(道路)上にある状態において、先端部68が第1車両12のフロントウインドシールドガラス58の車両上下方向略中央に対応した位置に配置可能とされている(図中一点鎖線参照)。
【0041】
標識装置26は、第2車両16の側壁部に取り付けられており、一例として、液晶パネルを含んで構成されている。
【0042】
サーバ20は、図8に示されるように、CPU48、ROM50、RAM52、ストレージ54及び通信インターフェイス56を含んで構成されている。各構成は、バス34を介して相互に通信可能に接続されている。
【0043】
(機能構成)
上記の車両操作プログラムを実行する際に、車両用操作システム10は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。車両用操作システム10が実現する機能構成について説明する。
【0044】
図9は、車両用操作システム10の機能構成の例を示すブロック図である。
【0045】
(第1車両の機能構成)
図9に示されるように、車両用操作システム10は、第1車両12における機能構成として、乗員操作情報取得部46と、切替制御部70と、遠隔操作情報制御部72と、車両制御部78と、通信部74と、映像表示部76とを有している。各機能構成は、車載器14のCPU48がROM50又はストレージ54に記憶された車両操作プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0046】
乗員操作情報取得部46は、第1車両12に乗車している乗員による操作インターフェイス30へ入力された操作情報を取得する。
【0047】
切替制御部70は、乗員操作情報取得部46から送信された操作情報を遠隔操作情報制御部72又は車両制御部78のどちらか一方へ選択的に送信する。なお、操作情報の送信先は、乗員が操作を行いたい車両に応じて選択される。本実施形態の場合は、乗員が操作インターフェイス30に設けられた図示しない選択ボタンを操作することで、乗員が第1車両12及び第2車両16のうちどちらの車両を操作したいのかが判別される。そして、乗員が第1車両12を操作する際は、操作情報が車両制御部78へ送られる。一方、乗員が第2車両16を操作する際は、操作情報が遠隔操作情報制御部72へ送られる。なお、本実施形態では、複数の第2車両16のうちさらにどの車両を操作したいのかが選択可能とされており、この選択に合わせて当該車両に操作情報が送られる。
【0048】
車両制御部78は、乗員操作情報取得部46によって取得された各種情報に基づいて、車両駆動装置32の駆動を制御する。
【0049】
遠隔操作情報制御部72は、乗員操作情報取得部46から操作情報を取得し、当該操作情報をサーバ20へ送信するように、通信部74を制御する。
【0050】
通信部74は、他の装置との間で情報を送受信する。
【0051】
映像表示部76は、第2車両16からサーバ20を介して送信された映像を取得するように通信部74を制御すると共に、取得した当該映像を表示装置24に出力する。
【0052】
(第2車両の機能構成)
車両用操作システム10は、第2車両16における機能構成として、通信部80と、遠隔操作情報取得部82と、車両制御部84と、映像処理部86と、表示出力部88とを有している。各機能構成は、車載器18のCPU48がROM50又はストレージ54に記憶された車両操作プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0053】
通信部80は、他の装置との間で情報を送受信する。
【0054】
遠隔操作情報取得部82は、第1車両12からサーバ20を介して送信された操作情報を取得するように通信部80を制御する。第1車両12から送信された操作情報は、第1車両12の乗員によって操作インターフェイス30へ入力された操作情報である。
【0055】
車両制御部84は、遠隔操作情報取得部82によって取得された各種情報に基づいて、車両駆動装置62の駆動を制御する。
【0056】
映像処理部86は、撮影装置28により撮影された第2車両16の周囲映像を第1車両12に設けられた表示装置24に適合した映像処理を行うと共に、当該映像をサーバ20へ送信するように、通信部80を制御する。
【0057】
表示出力部88は、遠隔操作情報取得部82によって取得された各種情報に基づいて、標識装置26の映像出力を行う(図2参照、図2では一例として後続車両に車線変更を促すための矢印を表示している)。
【0058】
(サーバの機能構成)
車両用操作システム10は、サーバ20における機能構成として、サーバ制御部90と、通信部74とを備える。
【0059】
サーバ制御部90は、サーバ20を制御する。例えば、サーバ制御部90は、第1車両12から送信された操作情報を取得し、当該操作情報を第2車両16へ送信するように通信部91を制御する。また、サーバ制御部90は、第2車両16から送信された映像を取得し、当該映像を第1車両12へ送信するように通信部91を制御する。
【0060】
(処理フロー)
次に、車両用操作システム10の作用について説明する。図10は、車両用操作システム10による動作の流れを示すフローチャートである。車載器14、18のそれぞれのCPU48がROM50又はストレージ54から車両操作プログラムを読み出して、RAM52に展開して実行すると共に、サーバ20のCPU48がROM50又はストレージ54から遠隔操作情報配信プログラムを読み出して、RAM52に展開して実行することにより、表示処理が行われる。
【0061】
CPU48は、第1車両12の乗員がどの車両の操作を行いたいのかを示す車両選択情報を取得する(ステップS100)。取得した車両選択情報から、CPU48は、乗員が第1車両12を操作したいのか否かを判定する(ステップS102)。車両選択情報が第1車両12を操作するものである場合(ステップS102:YES)、CPU48は、第1車両12の操作インターフェイス30による操作情報を取得する(ステップS104)。そして、CPU48は、第1車両12の車両制御部78が操作情報を取得するように切替制御部70を作動させる(ステップS106)。そして、CPU48は、第1車両12の車両駆動装置32を制御する(ステップS108)。
【0062】
CPU48は、操作が終了したか否かを判定する(ステップS110)。操作が終了した場合(ステップS110:YES)、CPU48は、車両操作プログラムに基づく処理を終了する。操作が継続している場合(ステップS110:NO)、ステップS100の処理へ戻る。
【0063】
車両選択情報が第1車両12を操作するものではない場合、すなわち第2車両16を操作するものである場合(ステップS102:NO)、CPU48は、複数の第2車両16のうち操作したい第2車両16の撮影装置28により撮影された第2車両16の車外の映像を取得する(ステップS112)と共に、第1車両12の表示装置24に映像を表示させる(図5参照、ステップS114)。これにより、乗員は、第1車両12内にて映像を見ながら操作したい第2車両16の遠隔操作のために第1車両12の操作インターフェイス30にて操作を行うことができる。
【0064】
CPU48は、第1車両12の操作インターフェイス30による操作情報を取得する(ステップS116)。そして、CPU48は、第1車両12の遠隔操作情報制御部72が操作情報を取得するように切替制御部70を作動させる(ステップS118)と共に、この操作情報をサーバ20へ送信する(ステップS120)。その後、CPU48は、サーバ20からの操作情報を操作したい第2車両16の遠隔操作情報取得部82にて取得させる(ステップS122)ことで、第2車両16の車両駆動装置62及び標識装置26を制御する(ステップS124)。そして、CPU48は、ステップS110の処理へ移行する。
【0065】
次に、第1実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0066】
本実施形態では、図1に示されるように、第1車両12に搭載可能とされた第2車両16は、遠隔操作によって第1車両12に乗車した乗員による操作が可能とされている。したがって、作業が必要な現場まで第1車両12にて移動後、第1車両12の乗員が第1車両12から降車することなく現場の状況に応じて第2車両16を適宜操作することが容易となる。つまり、図3に示されるように、乗員が高速道路上等の危険な場所にて降車することなく表示装置24を備えた第2車両16を作業に応じて適切な位置に配置させることができる。また、この遠隔操作は、第1車両12の操作インターフェイス30を用いて行うため、乗員は第1車両12から違和感なく第2車両16の遠隔操作を行うことができる。したがって、第2車両16を適切に操作することができる。これにより、複雑な状況下においても第2車両16を適切に配置することができる
【0067】
また、図2に示されるように、第2車両16には撮影装置28が設けられており、この撮影装置28は、第2車両16の車外が撮影可能とされている。この撮影装置により撮影された映像は、図5に示されるように、第1車両12に設けられている表示装置24によって第1車両12のフロントウインドシールドガラス58に表示可能とされている。したがって、乗員は、第1車両12を運転する時と同じ姿勢にて第1車両12の操作インターフェイス30による第2車両16の遠隔操作を行うことができる。このため、第1車両12の運転と第2車両16の遠隔操作との連携をスムーズに行うことができる。これにより、作業性を向上させることができる。
【0068】
さらに、第1車両12のフロントウインドシールドガラス58に第2車両16の撮影装置28からの映像は、第1車両12の車室36内からフロントウインドシールドガラス58越しに車外を目視する際の視線に合わせて出力される。具体的には、第2車両16に設けられた撮影装置28は、車両上下方向にて第1車両12におけるフロントウインドシールドガラス58に対応した位置に配置可能とされている。したがって、第1車両12のフロントウインドシールドガラス58に第2車両16の撮影装置28からの映像が表示される際は、第1車両12の車室36内からフロントウインドシールドガラス58越しに車外を目視する際の視線の高さと同じ高さから見た状態の映像が表示される。このため、映像表示状態と映像非表示状態とで乗員が受ける違和感を軽減することができる。つまり、第1車両12の運転から第2車両16の遠隔操作へ切り替わった際の違和感を軽減することができる。これにより、操作性を向上させることができる。
【0069】
さらにまた、表示装置24は、第1車両12のフロントサイドウィンドウガラス60に映像を表示可能とされていることから、撮影装置28による映像をフロントウインドシールドガラス58とフロントサイドウィンドウガラス60とに表示させることで、遠隔操作を行う乗員は第2車両16の車外の様子を広く把握することができる(図5参照)。これにより、車外の様子を把握し易くなる。
【0070】
なお、本実施形態では、複数の第2車両16のうち操作をしたい一つの第2車両16を操作する構成とされている。換言すると、複数の第2車両16を個別に操作する構成とされているが、これに限らず、複数の第2車両16のうち一つを位置基準車両として割り当てて当該位置基準車両を第1車両12の乗員が遠隔操作し、その他の第2車両16は位置基準車両とされた第2車両16に追従して自走及び配置される構成としてもよい。
【0071】
また、第2車両16は、第1車両12の荷台22に搭載可能な構成とされているが、これに限らず、牽引により第1車両12と一体的に移動可能な構成としてもよい。
【0072】
(第2実施形態)
次に、図11図13を用いて、本発明の第2実施形態に係る車両用操作システムについて説明する。なお、前述した第1実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0073】
この第2実施形態に係る車両用操作システム100は、基本的な構成は第1実施形態と同様とされ、視線検知装置102が設けられている点に特徴がある。
【0074】
(ハードウェア構成)
すなわち、第1車両104は、操作インターフェイス106と、車載器112と、車両駆動装置32と、表示装置24と、を有している(図6参照)。各構成は、バス34を介して相互に通信可能に接続されている。
【0075】
図11に示されるように、第1車両104の操作インターフェイス106は、第1車両104の車室108における車両前方側に配置されており、ステアリングホイール38と、アクセルペダル40と、ブレーキペダル42と、標識表示操作装置44と、視線検知装置102とを含んで構成されている。視線検知装置102は、第1車両104の図示しない運転席用車両用シートに着座した乗員の頭部に向けられており、当該乗員の視線方向を検知できるように構成されている。そして、操作インターフェイス106は、車載器112における乗員操作情報取得部109(図12参照)に接続されている。
【0076】
車載器112は、CPU48、ROM50、RAM52、ストレージ54及び通信インターフェイス56を含んで構成されている(図6参照)。各構成は、バス34を介して相互に通信可能に接続されている。
【0077】
第2車両105は、車載器113と、車両駆動装置62と、撮影装置28と、標識装置26とが設けられている(図7参照)。車載器113は、車載器112と同様に、CPU48、ROM50、RAM52、ストレージ54及び通信インターフェイス56を含んで構成されている(図7参照)。各構成は、バス34を介して相互に通信可能に接続されている。
【0078】
(第1車両の機能構成)
図12に示されるように、車両用操作システム100は、第1車両104における機能構成として、乗員操作情報取得部109と、切替制御部70と、遠隔操作情報制御部72と、通信部74と、車両制御部78と、映像表示部110とを有している。各機能構成は、車載器112のCPU48がROM50又はストレージ54に記憶された車両操作プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0079】
乗員操作情報取得部109は、第1車両104に乗車している乗員による操作インターフェイス106へ入力された操作情報及び視線方向を取得する。
【0080】
(第2車両の機能構成)
車両用操作システム100は、第2車両105における機能構成として、通信部80と、遠隔操作情報取得部82と、車両制御部84と、映像処理部107と、表示出力部88とを有している。各機能構成は、車載器113のCPU48がROM50又はストレージ54に記憶された車両操作プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0081】
第2車両105に設けられている映像処理部107は、撮影装置28により撮影された第2車両105の周囲映像を、乗員操作情報取得部109により取得された視線方向に対応すると共に第1車両104に設けられた表示装置24に適合するように映像処理を行う。
【0082】
(処理フロー)
次に、車両用操作システム100の作用について説明する。図13は、車両用操作システム100による動作の流れを示すフローチャートである。車載器112、113のそれぞれのCPU48がROM50又はストレージ54から車両操作プログラムを読み出して、RAM52に展開して実行すると共に、サーバ20のCPU48がROM50又はストレージ54から遠隔操作情報配信プログラムを読み出して、RAM52に展開して実行することにより、表示処理が行われる。
【0083】
CPU48は、第1車両104の乗員がどの車両の操作を行いたいのかを示す車両選択情報を取得する(ステップS200)。取得した車両選択情報から、CPU48は、乗員が第1車両104を操作したいのか否かを判定する(ステップS202)。車両選択情報が第1車両104を操作するものである場合(ステップS202:YES)、CPU48は、第1車両104の操作インターフェイス106による操作情報を取得する(ステップS204)。そして、CPU48は、第1車両104の車両制御部78に操作情報を送信するように切替制御部70を作動させることで、第1車両104の車両制御部78が操作情報を取得する(ステップS206)。そして、CPU48は、第1車両104の車両駆動装置32を制御する(ステップS208)。
【0084】
CPU48は、操作が終了したか否かを判定する(ステップS210)。操作が終了した場合(ステップS210:YES)、CPU48は、車両操作プログラムに基づく処理を終了する。操作が継続している場合(ステップS210:NO)、ステップS200の処理へ戻る。
【0085】
車両選択情報が第1車両104を操作するものではない場合、すなわち第2車両105を操作するものである場合(ステップS202:NO)、CPU48は、乗員の視線方向を取得する(ステップS212)と共に、撮影装置28により撮影された第2車両105の車外の映像を取得し(ステップS214)、第1車両104の表示装置24に映像を表示させる(ステップS216)。これにより、乗員は、第1車両104内にて映像を見ながら第2車両105の遠隔操作のために第1車両104の操作インターフェイス106にて操作を行うことができる。
【0086】
CPU48は、第1車両104の操作インターフェイス106による操作情報を取得する(ステップS218)。そして、CPU48は、第1車両104の遠隔操作情報制御部72が操作情報を取得するように切替制御部70を作動させる(ステップS220)と共に、この操作情報をサーバ20へ送信する(ステップS222)。その後、CPU48は、第2車両105の遠隔操作情報取得部82にて操作情報を取得させる(ステップS224)ことで、第2車両105の車両駆動装置62及び標識装置26を制御する(ステップS226)。そして、CPU48は、ステップS210の処理へ移行する。
【0087】
(第2実施形態の作用・効果)
次に、第2実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0088】
上記構成によっても、視線検知装置102が設けられている点以外は第1実施形態の車両用操作システム10と同様に構成されているので、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、第1車両104には、視線検知装置102が設けられている。表示装置24には、視線検知装置102により検知された乗員の視線の位置に対応した映像が表示されることから、第1車両104の車室108内からフロントウインドシールドガラス58越しに車外を目視する際と、映像を目視する際とで視線の位置の違いによる違和感を緩和させることができる。したがって、遠隔操作時の違和感を軽減して第2車両105を適切に操作することができる。これにより、操作性を向上させることができる。
【0089】
(第3実施形態)
次に、図14図16を用いて、本発明の第3実施形態に係る車両用操作システムについて説明する。なお、前述した第1実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0090】
この第3実施形態に係る車両用操作システム140は、基本的な構成は第1実施形態と同様とされ、第2車両142が荷物144を運搬可能な作業車両とされている点に特徴がある。
【0091】
(全体構成)
すなわち、図14に示されるように、車両用操作システム140は、第1車両146と、第1車両146に搭載された車載器148と、複数の第2車両142と、それぞれの第2車両142に搭載された車載器150と、サーバ20とを含んで構成されている。これらの車載器148、150と、サーバ20とは、図示しないネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0092】
(ハードウェア構成)
第1車両146は、一例として、図示しないバスを介して相互に通信可能に接続されている操作インターフェイス30と、車両駆動装置32と、表示装置24とを有している。また、第1車両146は、一例として、荷室を有する宅配業者向けの車両とされており、複数の第2車両142を荷室に搭載可能とされている。この第1車両146は、車室内の図示しない乗員による手動運転により操作され、操作インターフェイス30と、車載器148と、車両駆動装置32と、表示装置24とを有している(図6参照)。各構成は、バス34を介して相互に通信可能に接続されている。
【0093】
車載器148は、搭載されている第1車両146の操作情報を車外に設けられているサーバ20へ送信可能とされている。この車載器148は、CPU48、ROM50、RAM52、ストレージ54及び通信インターフェイス56を含んで構成されている(図6参照)。各構成は、バス34を介して相互に通信可能に接続されている。
【0094】
第2車両142は、一例として、荷物搭載部152と撮影装置28とを備えた小型の車両とされており、第1車両146に搭載されて所定の場所まで移動した後に、第1車両146から降ろされて住宅密集地等の道路幅が比較的狭いエリアにて第1車両146の乗員により遠隔操作が可能とされている。つまり、本実施形態では、第2車両142は、荷物運搬機能を有する作業支援車両とされている。
【0095】
荷物搭載部152は、上面に荷物144が載置可能とされていると共に、図示しない荷物保持機構を備えており、第1車両146からサーバ20を介して受信される操作情報によって荷物144の保持及び非保持が可能とされている。
【0096】
車載器150は、搭載されている第2車両142の撮影装置28からの映像をサーバ20へ送信可能とされていると共に、サーバ20からの遠隔操作情報を取得する。この車載器150は、車載器148と同様に、CPU48、ROM50、RAM52、ストレージ54及び通信インターフェイス56を含んで構成されている(図7参照)。各構成は、バス34を介して相互に通信可能に接続されている。なお、上述した操作情報には、第1車両146及び第2車両142のそれぞれを操作するためのステアリングホイールの回転角、アクセルペダル及びブレーキペダルの踏み込み量と共に、第1車両146と第2車両142とのどちらを操作するかを示す車両選択情報と、第2車両142の荷物保持構造を操作する情報とが含まれている。また、この操作情報のうち第2車両142を操作するものを特に遠隔操作情報と称する。
【0097】
(機能構成)
上記の車両操作プログラムを実行する際に、車両用操作システム140は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。車両用操作システム140が実現する機能構成について説明する。
【0098】
図15は、車両用操作システム140の機能構成の例を示すブロック図である。
【0099】
(第1車両の機能構成)
図15に示されるように、車両用操作システム140は、第1車両146における機能構成として、乗員操作情報取得部46と、切替制御部70と、遠隔操作情報制御部72と、通信部74と、映像表示部76とを有している。各機能構成は、車載器148のCPU48がROM50又はストレージ54に記憶された車両操作プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0100】
(第2車両の機能構成)
車両用操作システム140は、第2車両142における機能構成として、通信部80と、遠隔操作情報取得部82と、車両制御部84と、映像処理部86と、保持機構制御部141とを有している。各機能構成は、車載器150のCPU48がROM50又はストレージ54に記憶された車両操作プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0101】
保持機構制御部141は、第1車両146からサーバ20を介して送信された操作情報に基づいて、第2車両142の荷物搭載部152における荷物保持機構を制御する。
【0102】
(処理フロー)
次に、車両用操作システム140の作用について説明する。図16は、車両用操作システム140による動作の流れを示すフローチャートである。車載器148、150のそれぞれのCPU48がROM50又はストレージ54から車両操作プログラムを読み出して、RAM52に展開して実行すると共に、サーバ20のCPU48がROM50又はストレージ54から遠隔操作情報配信プログラムを読み出して、RAM52に展開して実行することにより、表示処理が行われる。
【0103】
CPU48は、第1車両146の乗員がどの車両の操作を行いたいのかを示す車両選択情報を取得する(ステップS300)。取得した車両選択情報から、CPU48は、乗員が第1車両146を操作したいのか否かを判定する(ステップS302)。車両選択情報が第1車両146を操作するものである場合(ステップS302:YES)、CPU48は、第1車両146の操作インターフェイス30による操作情報を取得する(ステップS304)。そして、CPU48は、第1車両146の車両制御部78が操作情報を取得するように切替制御部70を作動させる(ステップS306)。そして、CPU48は、第1車両146の車両駆動装置32を制御する(ステップS308)。
【0104】
CPU48は、操作が終了したか否かを判定する(ステップS310)。操作が終了した場合(ステップS310:YES)、CPU48は、車両操作プログラムに基づく処理を終了する。操作が継続している場合(ステップS310:NO)、ステップS300の処理へ戻る。
【0105】
車両選択情報が第1車両146を操作するものではない場合、すなわち第2車両142を操作するものである場合(ステップS302:NO)、CPU48は、撮影装置28により撮影された第2車両142の車外の映像を取得する(ステップS312)と共に、第1車両146の表示装置24に映像を表示させる(ステップS314)。これにより、乗員は、第1車両146内にて映像を見ながら第2車両142の遠隔操作のために第1車両146の操作インターフェイス30にて操作を行うことができる。
【0106】
CPU48は、第1車両146の操作インターフェイス30による操作情報を取得する(ステップS316)。そして、CPU48は、第1車両146の遠隔操作情報制御部72が操作情報を取得するように切替制御部70を作動させる(ステップS318)と共に、この操作情報をサーバ20へ送信する(ステップS320)。その後、CPU48は、第2車両142の遠隔操作情報取得部82にて操作情報を取得させる(ステップS322)ことで、第2車両142の車両駆動装置62及び荷物保持機構を制御する(ステップS324)。そして、CPU48は、ステップS310の処理へ移行する。
【0107】
(第3実施形態の作用・効果)
次に、第3実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0108】
上記構成によっても、第2車両142が荷物144を運搬可能な作業車両とされている点以外は第1実施形態の車両用操作システム10と同様に構成されているので、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、第2車両142が荷物144を運搬可能な作業車両とされていることで、住宅密集地等の大型車が入りにくいエリアにおいても、荷物144を所定の場所まで運搬することができる。また、第1車両146の乗員が降車することなく遠隔操作にて第2車両142が荷物を運搬することから、乗員の作業負担を軽減すると共に、自動車専用道路等に比べてイレギュラーな要素が多い生活道路等において高度な自動運転技術を用いることなく適切に第2車両142を走行させることができる。これにより、導入コストの上昇を抑制しながら作業における人手不足を解消することができる。
【0109】
なお、上述した第3実施形態では、第2車両142が荷物144を運搬可能な車両とされているが、これに限らず、ゴミを回収する作業車両等その他の作業を行う車両としてもよい。
【0110】
また、上述した第1~第3実施形態では、撮影装置28は、車両上下方向にて第1車両12、146におけるフロントウインドシールドガラス58に対応した位置に配置可能とされているが、これに限らず、第2車両16、142の本体部に撮影装置を設けて、第1車両12、146の車室内からフロントウインドシールドガラス58越しに車外を目視する際の視線の高さと同じ高さから見た状態の映像となるように撮影装置から出力される映像の一部を抜き出すように映像処理を施して出力する構成としてもよいし、それ以外の構成としてもよい。
【0111】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0112】
10 車両用操作システム
12 第1車両
16 第2車両
24 表示装置
28 撮影装置
30 操作インターフェイス
58 フロントウインドシールドガラス
60 フロントサイドウィンドウガラス(サイドウィンドウガラス)
100 車両用操作システム
102 視線検知装置
104 第1車両
106 操作インターフェイス
140 車両用操作システム
142 第2車両
146 第1車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16