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  • 特許-バスバーユニットおよびモータ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】バスバーユニットおよびモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/50 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
H02K3/50 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019556092
(86)(22)【出願日】2018-07-10
(86)【国際出願番号】 JP2018026055
(87)【国際公開番号】W WO2019102642
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2021-06-15
(31)【優先権主張番号】P 2017227176
(32)【優先日】2017-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(72)【発明者】
【氏名】梅田 智之
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雄策
(72)【発明者】
【氏名】藤原 英雄
【審査官】若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-099175(JP,A)
【文献】特開2014-197951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータに設けられるバスバーユニットであって、
上下方向に延びる中心軸周りに環状に配置されるステータの軸方向一方側に設けられるバスバーホルダと、
複数のバスバーと、を備え、
前記バスバーホルダは、
前記中心軸と直交する平面に沿って延びて前記バスバーを保持し前記中心軸を中心とする中央孔が設けられるホルダ本体部と、
前記中央孔の周縁から軸方向に沿って延びる筒状部と、
前記ホルダ本体部の軸方向を向く面に設けられ前記筒状部から放射状に延びる複数のリブと、を有し、
複数の前記バスバーは、第1バスバー群および第2バスバー群に分類され、
前記第1バスバー群および前記第2バスバー群は、それぞれ複数の前記バスバーを含み、軸方向から見て前記中央孔を挟んで互いに径方向の反対側に配置され、
前記第1バスバー群および前記第2バスバー群にそれぞれ含まれる前記バスバー同士は、径方向に重って配置される、バスバーユニット。
【請求項2】
前記ホルダ本体部には、周方向において前記第1バスバー群と前記第2バスバー群との間にそれぞれ位置し、径方向内側に向かって切り欠かれた一対の切欠部が設けられる、請求項1に記載のバスバーユニット。
【請求項3】
前記筒状部の外周面は、前記バスバーユニットと前記ステータの間に位置するベアリングホルダに設けられた孔部に嵌る、請求項1又は2に記載のバスバーユニット。
【請求項4】
複数の前記バスバーは、少なくとも一部が、前記ホルダ本体部の内部に埋め込まれている、請求項1~3の何れか一項に記載のバスバーユニット。
【請求項5】
前記バスバーは、相用バスバーであり、
前記第1バスバー群および前記第2バスバー群には、それぞれU相用バスバー、V相用バスバーおよびW相バスバーが含まれる、請求項1~の何れか一項に記載のバスバーユニット。
【請求項6】
軸方向に沿って延びる外部接続端子を備え、
前記バスバーには、軸方向に貫通する挿入孔が設けられ、
前記外部接続端子は、前記挿入孔に挿入される、請求項1~の何れか一項に記載のバスバーユニット。
【請求項7】
請求項1~の何れか一項に記載のバスバーユニットを有するモータであって、コイルを有する前記ステータと、
前記ステータと隙間を介して径方向に対向するロータと、を備える、モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスバーユニットおよびモータに関する。
【背景技術】
【0002】
コイルから引き出されたコイル線に接続されるバスバーを備えたモータが知られている。特許文献1には、バスバーを埋め込んだバスバーホルダを備えたバスバーユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-201882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バスバーユニットにおいて、軸方向から見てバスバーを集中させて配置することで、バスバーを保持するバスバーホルダを小型化して軽量化を図ることができる。しかしながら、この場合、バスバーホルダの強度が不足する虞があった。
【0005】
本発明の一態様は、軽量化を図るとともに十分な強度を有するバスバーホルダを備えるバスバーユニットの提供を目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様のバスバーユニットは、モータに設けられるバスバーユニットであって、上下方向に延びる中心軸周りに環状に配置されるステータの軸方向一方側に設けられるバスバーホルダと、複数のバスバーと、を備える。前記バスバーホルダは、前記中心軸と直交する平面に沿って延びて前記バスバーを保持し前記中心軸を中心とする中央孔が設けられるホルダ本体部と、前記中央孔の周縁から軸方向に沿って延びる筒状部と、前記ホルダ本体部の軸方向を向く面に設けられ前記筒状部から放射状に延びる複数のリブと、を有する。複数の前記バスバーは、前記第1バスバー群および前記第2バスバー群に分類される。前記第1バスバー群および前記第2バスバー群は、それぞれ複数の前記バスバーを含み、軸方向から見て前記中央孔を挟んで互いに径方向の反対側に配置される。前記第1バスバー群および前記第2バスバー群にそれぞれ含まれる前記バスバー同士は、径方向に重って配置される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、量化を図るとともに十分な強度を有するバスバーホルダを備えるバスバーユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態のモータの断面模式図である。
図2図2は、一実施形態の相用バスバーユニット(バスバーユニット)の分解図である。
図3図3は、一実施形態の相用バスバー(バスバー)およびバスバーホルダの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るバスバーユニットおよびモータについて説明する。なお、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
【0010】
各図には、適宜Z軸を示す。各図のZ軸方向は、図1に示す中心軸Jと平行な方向とする。また、以下の説明においては、Z軸方向の正の側(+Z側)を「上側」と呼び、Z軸方向の負の側(-Z側)を「下側」と呼ぶ。なお、上側および下側とは、単に説明のために用いられる方向であって、実際の位置関係や方向を限定しない。また、特に断りのない限り、中心軸Jに平行な方向(Z軸方向)を単に「軸方向」又は「上下方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向、すなわち、中心軸Jの軸周りを単に「周方向」と呼ぶ。さらに、以下の説明において、「平面視」とは、軸方向から見た状態を意味する。
【0011】
<モータ>

図1は、モータ1の断面模式図である。 モータ1には、制御装置(外部装置)9が接続される。制御装置9は、制御端子9aを介してモータ1に電源を供給するとともに、モータ1の回転を制御する。
【0012】
モータ1は、ロータ3と、ステータ4と、ハウジング2と、ベアリングホルダ5と、上側ベアリング6Aと、下側ベアリング6Bと、中性点バスバーユニット10と、相用バスバーユニット(バスバーユニット)20と、を備える。
【0013】
ロータ3は、上下方向に延びる中心軸J周りに回転する。ロータ3は、シャフト3aと、ロータコア3bと、ロータマグネット3cと、を有する。シャフト3aは、上下方向(軸方向)に延びる中心軸Jを中心として、中心軸Jに沿って配置される。シャフト3aは、上側ベアリング6Aと下側ベアリング6Bとによって、中心軸Jの軸周りに回転可能に支持される。ロータコア3bは、シャフト3aの外周面に固定される。ロータマグネット3cは、ロータコア3bの外周面に固定される。
【0014】
ハウジング2は、上側(+Z側)に開口する筒状である。ハウジング2は、ロータ3、ステータ4およびベアリングホルダ5を収容する。ハウジング2は、筒部2aと底部2bとを有する。筒部2aは、ステータ4を径方向外側から囲む。底部2bは、筒部2aの下端に位置する。底部2bの平面視中央には、下側ベアリング6Bを保持する下側ベアリング保持部2cが設けられる。
【0015】
ベアリングホルダ5は、ステータ4の上側に位置する。また、ベアリングホルダ5は、軸方向において相用バスバーユニット20と中性点バスバーユニット10との間に位置する。すなわち、ベアリングホルダ5は、相用バスバーユニット20とステータ4の間に位置する。ベアリングホルダ5は、金属製である。ベアリングホルダ5は、ハウジング2の内周面に保持される。ベアリングホルダ5は、上側ベアリング6Aを保持する。
【0016】
ベアリングホルダ5は、上側ベアリング保持部5aを有する。上側ベアリング保持部5aは、上側ベアリング6Aを保持する。上側ベアリング保持部5aは、ベアリングホルダ5の平面視中央に位置する。上側ベアリング保持部5aは、中心軸Jを中心として軸方向に延びる保持筒部5aaと、保持筒部5aaの上端から径方向内側に延びる上端突出部5abと、を有する。上端突出部5abは、上側ベアリング6Aを上下方向に位置決めする。上端突出部5abの平面視中央には、軸方向に貫通する孔部5cが設けられる。孔部5cは、内側にシャフト3aを通過させる。
【0017】
ベアリングホルダ5には、上下方向に貫通するコイル線通過孔5dおよび位置決め孔部5eが設けられる。コイル線通過孔5dは、コイル7から引き出されて相用バスバーユニット20に接続されるコイル線7aを通過させる。位置決め孔部5eには、相用バスバーユニット20から下側に延びる位置決め凸部39が挿入される。
【0018】
ステータ4は、中心軸J周りに環状に配置される。ステータ4は、ロータ3と隙間を介して径方向に対向する。ステータ4は、ロータ3の径方向外側を囲む。ステータ4は、ハウジング2の内周面に固定される。ステータ4は、環状のステータコア4aと、ステータコア4aに上下方向から装着された一対のインシュレータ4bと、インシュレータ4bを介してステータコア4aに巻き回されるコイル7と、を有する。
【0019】
本実施形態の複数のコイル7は、複数系統(本実施形態では2系統)の三相回路を構成する。それぞれの系統において、U相、V相およびW相のコイル7は、Y結線される。本実施形態のステータ4には、12個のコイル7が設けられる。それぞれのコイル7からは、それぞれコイル線7aが延び出る。12本のコイル線7aのうち、6本のコイル線7aは、相用バスバーユニット20の相用バスバー21に接続される。また、他の6本のコイル線7aは、中性点バスバーユニット10の中性点バスバー11に接続される。
【0020】
中性点バスバーユニット10は、ステータ4の上側に位置する。中性点バスバーユニット10は、中性点バスバーホルダ12と、複数(本実施形態では2つ)の中性点バスバー11と、を有する。中性点バスバーホルダ12は、中性点バスバー11を保持する。本実施形態において、中性点バスバーユニット10には、一対の中性点バスバー11が設けられる。
【0021】
中性点バスバーホルダ12は、中心軸Jと直交する平面に沿って延びる。中性点バスバーホルダ12は、脚部12aを有する。脚部12aは、軸方向に沿って下側に延びる。脚部12aの下端は、ステータコア4aの上面に接触する。また、中性点バスバーホルダ12は、サポート部12bを有する。サポート部12bは、軸方向に沿って上側に延びる。サポート部12bは、コイル線7aを囲み、ベアリングホルダ5のコイル線通過孔5dにコイル線7aが接触することを抑制する。
【0022】
中性点バスバー11は、それぞれ3つのコイル線接続部11aを有する。中性点バスバー11は、コイル線接続部11aにおいて、コイル線7aと接続される。中性点バスバー11は、異なるコイル7から延び出るコイル線7a同士を結線して、三相回路の中性点を構成する。
【0023】
(相用バスバーユニット)

相用バスバーユニット20は、ベアリングホルダ5の上側に位置する。相用バスバーユニット20は、ベアリングホルダ5の上側まで引き出されたコイル線7aと制御装置9との間に介在しこれらを電気的に接続するために設けられる。
【0024】
図2は、相用バスバーユニット20の分解図である。 相用バスバーユニット20は、複数(本実施形態では6つ)の相用バスバー(バスバー)21と、複数(本実施形態では6つ)の外部接続端子27と、バスバーホルダ30と、一対のカバー部材41と、一対の端子受け部材45と、を有する。
【0025】
図3は、相用バスバー21およびバスバーホルダ30の平面図である。 相用バスバー21は、バスバー本体部22と、端子接続部23と、コイル線接続部24と、を有する。相用バスバー21は、板状であり、プレス加工によって成形される。相用バスバー21は、バスバー本体部22および端子接続部23において軸方向が板厚方向となるように加工されている。また、相用バスバー21は、コイル線接続部24において軸方向と直交する方向が板厚方向となるように加工されている。
【0026】
相用バスバー21は、バスバー本体部22および端子接続部23においてバスバーホルダ30の内部に埋め込まれる。すなわち、バスバーホルダ30は、相用バスバー21を埋め込むインサート成形によって製造される。
【0027】
バスバー本体部22は、軸方向と直交する平面に沿って線状に延びる。バスバー本体部22の一端には、端子接続部23接続される。また、バスバー本体部22の他端には、コイル線接続部24が接続される。
【0028】
コイル線接続部24は、コイル線7aに接続される。コイル線接続部24は、コイル線7aを把持する。コイル線接続部24の平面視形状は、径方向外側に開口する略U字状である。
【0029】
端子接続部23は、外部接続端子27を保持する。端子接続部23には、軸方向に貫通する挿入孔23aが設けられる。挿入孔23aには、下側から外部接続端子27が圧入される。これにより、相用バスバー21と外部接続端子27とが、機械的および電気的に接続される。
【0030】
複数(本実施形態では6つ)の相用バスバー21は、第1バスバー群28および第2バスバー群29に分類される。第1バスバー群28および第2バスバー群29は、それぞれ複数(本実施形態では3つ)の相用バスバー21を含む。
【0031】
第1バスバー群28および第2バスバー群29に属する相用バスバー21は、それぞれ異なる系統のコイル7に接続される。第1バスバー群28の3つの相用バスバー21に接続される3つのコイルは、1つの系統の三相回路を構成し、第2バスバー群29の3つの相用バスバー21に接続される3つのコイルは、他の系統の三相回路を構成する。第1バスバー群28および第2バスバー群29には、それぞれU相用バスバー、V相用バスバーおよびW相バスバーが含まれる。すなわち、第1バスバー群28および第2バスバー群29の3つの相用バスバー21は、それぞれU相、V相、W相のコイル7に接続される。
【0032】
図3に示すように、第1バスバー群28の相用バスバー21と第2バスバー群29の相用バスバー21とは、中心軸Jを中心として点対象に配置されている。また、第1バスバー群28および第2バスバー群29において、同相の相用バスバー21同士は、同形状である。このため、相用バスバーユニット20において、部品点数を削減することができる。
【0033】
第1バスバー群28および第2バスバー群29にそれぞれ含まれる相用バスバー21同士は、バスバー本体部22において、径方向に重って配置される。すなわち、第1バスバー群28および第2バスバー群29において、3つの相用バスバー21のバスバー本体部22は、径方向に並んで配置される。このため、軸方向から見て、相用バスバー21が配置される領域が、周方向に拡がることを抑制される。これにより、バスバー本体部22の長さを短くすることができ、相用バスバー21に要する材料費を抑え低コスト化を図るとともに、相用バスバーユニット20を軽量化できる。加えて、周方向において、相用バスバー21を集中させて配置することができ、相用バスバー21を保持するバスバーホルダ30を周方向に小型化できる。より具体的には、バスバーホルダ30に、後述する切欠部36を設けることができる。
【0034】
バスバーホルダ30は、樹脂材料から構成される。バスバーホルダ30は、ステータの上側(軸方向一方側)に設けられる。 バスバーホルダ30は、ホルダ本体部31と、筒状部33と、複数のリブ32と、位置決め凸部39と、を有する。
【0035】
ホルダ本体部31は、中心軸Jと直交する平面に沿って延びる。ホルダ本体部31は、上側(軸方向一方側)を向く上面31aと、下側(軸方向他方側)を向く下面31bと、を有する(図2参照)。ホルダ本体部31には、相用バスバー21のバスバー本体部22および端子接続部23が埋め込まれる。これにより、ホルダ本体部31は、相用バスバー21を保持する。
【0036】
ホルダ本体部31には、中心軸Jを中心とする中央孔35が設けられる。中央孔35は、軸方向に貫通する。中央孔35は、軸方向から見て円形である。中央孔35は、内側にシャフト3aを通過させる。
【0037】
図3に示すように、ホルダ本体部31は、中央領域31Aと、一対の本体部埋込領域31Bと、一対の接続部埋込領域31Cと、に区画される。 中央領域31Aは、中央孔35を径方向外側から囲む。言い換えると、中央孔35は、中央領域31Aに位置する。
【0038】
一対の本体部埋込領域31Bには、それぞれ相用バスバー21のバスバー本体部22が埋め込まれる。一対の本体部埋込領域31Bは、中央領域31Aの径方向外側に位置する。一対の本体部埋込領域31Bは、軸方向から見て中央領域31Aを挟んで互いに径方向の反対側に配置される。一対の本体部埋込領域31Bのうち、一方には第1バスバー群28に属する3つの相用バスバー21が埋め込まれ、他方には第2バスバー群29に属する3つの相用バスバー21が埋め込まれる。したがって、第1バスバー群28および第2バスバー群29は、軸方向から見て中央孔35を挟んで互いに径方向の反対側に配置される。
【0039】
一対の接続部埋込領域31Cには、それぞれ相用バスバー21の端子接続部23が埋め込まれる。一対の接続部埋込領域31Cのうち一方は、一方の本体部埋込領域31Bの径方向外側に位置し、第1バスバー群28の3つの端子接続部23を埋め込む。一対の接続部埋込領域31Cのうち他方は、他方の本体部埋込領域31Bの径方向外側に位置し、第2バスバー群29の3つの端子接続部23を埋め込む。接続部埋込領域31Cには、端子接続部23の挿入孔23aおよびその近傍を上下方向に露出させる開口部38が設けられる。
【0040】
本実施形態によれば、一対の本体部埋込領域31Bは、中央領域31Aを挟んで径方向の反対側に配置される。このため、周方向において一対の本体部埋込領域31Bの間には、それぞれ隙間が設けられる。すなわち、ホルダ本体部31には、周方向において、本体部埋込領域31Bが設けられていない部分に、本体部埋込領域31Bの間の隙間に対応する切欠部36が設けられる。上述したように、一対の本体部埋込領域31Bには、それぞれ、第1バスバー群28および第2バスバー群29がそれぞれ埋め込まれる。すなわち、ホルダ本体部31には、周方向において第1バスバー群28と第2バスバー群29との間にそれぞれ位置する一対の切欠部36が設けられる。切欠部36は、径方向内側に向かって切り欠かれる。
【0041】
本実施形態によれば、ホルダ本体部31に一対の切欠部36が設けられるため、バスバーホルダ30に使用される樹脂量を抑制できる。これにより、低コスト化を図ることができるのみならず、相用バスバーユニット20を軽量化することができる。
【0042】
図1に示すように、筒状部33は、中央孔35の周縁から軸方向に沿って延びる。本実施形態において、筒状部33は、下側に延びる。すなわち、筒状部33は、ホルダ本体部31の下面31bから下側に突出する。筒状部33の外周面は、軸方向から見て円形である。また、筒状部33の内周面は、軸方向からみて中央孔35の内周面と一致する。
【0043】
筒状部33の外周面は、ベアリングホルダ5に設けられた孔部5cに嵌る。これにより、相用バスバーユニット20は、径方向に位置決めされる。
【0044】
図1に示すように、リブ32は、ホルダ本体部31の下面(軸方向を向く一方の面)31bに設けられる。したがってリブ32は、ホルダ本体部31の下面31bから下側に突出する。複数のリブ32は、筒状部33から径方向外側に放射状に延びる。
【0045】
図3に示すように、筒状部33およびリブ32は、ホルダ本体部31の中央領域31Aに設けられる。ホルダ本体部31は、本体部埋込領域31Bおよび接続部埋込領域31Cにおいて相用バスバー21が埋め込まれる。相用バスバー21は、金属材料から構成される。このため、相用バスバー21は、本体部埋込領域31Bおよび接続部埋込領域31Cにおいてホルダ本体部31を補強する。一方で、中央領域31Aの内部には、相用バスバー21が埋め込まれていない。このため、中央領域31Aは、本体部埋込領域31Bおよび接続部埋込領域31Cと比較して強度が低い。相用バスバーユニット20は、外部接続端子27を介して制御装置9の制御端子9aに接続される際に、制御端子9aから下側に向かう応力を受ける。このため、バスバーホルダ30に強度が弱い部分が設けられていると、この部分に損傷を生じる虞がある。 また、相用バスバー21は、樹脂材料であるホルダ本体部31と比較して熱伝導特性が高い。このため、ホルダ本体部31は、中央領域31Aにおける冷却効率が他の領域(本体部埋込領域31Bおよび接続部埋込領域31C)と比較して低い。結果として、中央領域31Aにおける成形時の反りが顕著となり易い。特に、中央領域31Aは、相用バスバー21によって補強されていないため、成形時の反りが抑制され難い。 本実施形態によれば、ホルダ本体部31の中央領域31Aに筒状部33およびリブ32が設けられることで、中央領域31Aが補強される。これにより、バスバーホルダ30の中央領域31Aにおける損傷を抑制するとともに、成形時の反りを抑制できる。
【0046】
なお、本実施形態のホルダ本体部31には、相用バスバー21が埋め込まれる。しかしながら、ホルダ本体部31に相用バスバー21が埋め込まれない場合であっても、ホルダ本体部31が、相用バスバー21を保持していれば、相用バスバー21によってホルダ本体部31が補強される。このため、中央領域31Aの強度が、相用バスバー21を保持する他の領域と比較して強度が低くなり、筒状部33およびリブ32を設けて強度を高める必要性が生じる。
【0047】
図1に示すように、位置決め凸部39は、ホルダ本体部31の下面(軸方向を向く一方の面)31bに設けられる。位置決め凸部39は、ホルダ本体部31の下面31bから下側(ベアリングホルダ5側)に突出する。位置決め凸部39は、ベアリングホルダ5の位置決め孔部5eに嵌め合わされる。これにより、相用バスバーユニット20は、周方向に位置決めされる。
【0048】
図2に示すように、外部接続端子27は、軸方向に沿って延びる。外部接続端子27は、相用バスバー21の端子接続部23に設けられた挿入孔23aに挿入される。本実施形態の外部接続端子27には、上端部から下側に向かって延びるスリット27aが設けられる。スリット27aには、制御装置9の制御端子9aが挿入される。これにより、制御装置9が外部接続端子27を介してモータ1に接続される。
【0049】
端子受け部材45は、軸方向と直交する平面に沿って延びる板状である。端子受け部材45は、ホルダ本体部31の下面31bに固定される。一対の端子受け部材45のうち一方は、ホルダ本体部31の一対の接続部埋込領域31Cのうち一方の下側
に位置する。また、一対の端子受け部材45のうち他方は、ホルダ本体部31の一対の接続部埋込領域31Cのうち他方の下側に位置する。
【0050】
端子受け部材45は、上側を向く面であるバックアップ面45aを有する。バックアップ面45aは、外部接続端子27の下端部と接触する。外部接続端子27は、制御装置9に接続される際に、制御装置9の制御端子9aから下側に向かう応力を受ける。端子受け部材45は、バックアップ面45aにおいて、外部接続端子27を支持し、外部接続端子27が相用バスバー21の挿入孔23aから離脱することを抑制する。
【0051】
カバー部材41は、ホルダ本体部31の上面31aに固定される。一対のカバー部材41のうち一方は、ホルダ本体部31の一対の接続部埋込領域31Cのうち一方の上側に位置する。また、一対のカバー部材41のうち他方は、ホルダ本体部31の一対の接続部埋込領域31Cのうち他方の上側に位置する。カバー部材41と端子受け部材45とは、ホルダ本体部31の接続部埋込領域31Cを上下方向から挟み込む。
【0052】
カバー部材41は、3つの角筒部41aを有する。それぞれの角筒部41aの内側には、軸方向に沿って貫通する端子通過孔41bが設けられる。端子通過孔41bは、外部接続端子27を囲む。これにより、角筒部41aは、外部接続端子27を保護する。
【0053】
以上に、本発明の一実施形態を説明したが、一実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0054】
例えば、上述の実施形態では、筒状部33が、ホルダ本体部31の下面31bから下側に延びる場合について例示した。しかしながら、筒状部33は、ホルダ本体部31の上面31aから上側に延びていてもよい。
【0055】
また、上述の実施形態では、相用バスバーユニット20について、本発明を適用する場合について説明した。しかしながら、本発明の構成が適用されるバスバーユニットは、中性点バスバーを有するバスバーユニットであってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…モータ、3…ロータ、4…ステータ、5…ベアリングホルダ、5c…孔部、7…コイル、20…相用バスバーユニット(バスバーユニット)、21…相用バスバー、21…相用バスバー(バスバー)、23a…挿入孔、27…外部接続端子、28…第1バスバー群、29…第2バスバー群、30…バスバーホルダ、31…ホルダ本体部、32…リブ、33…筒状部、35…中央孔、36…切欠部、J…中心軸
図1
図2
図3