(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】基板加工方法および構造体
(51)【国際特許分類】
B23K 26/38 20140101AFI20221213BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20221213BHJP
B23K 26/364 20140101ALI20221213BHJP
【FI】
B23K26/38 Z
H05K3/00 X
H05K3/00 N
B23K26/364
(21)【出願番号】P 2020043006
(22)【出願日】2020-03-12
【審査請求日】2021-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】糟谷 篤志
(72)【発明者】
【氏名】成岡 友彦
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-343747(JP,A)
【文献】特開2014-034397(JP,A)
【文献】国際公開第2017/188168(WO,A1)
【文献】特開2013-021105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 - 26/70
H05K 3/00
H01L 21/78 - 21/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板をレーザ加工する基板加工方法であって、
キャリアシート上に紫外線吸収層を設け、
前記紫外線吸収層上に接着層を設け、
前記接着層上に前記基板を配置し、
前記接着層と接触する表面に対して反対側の前記基板の表面に紫外線レーザ光を照射し、前記基板を貫通する溝を形成
し、
前記基板が、樹脂基板であって、
前記紫外線吸収層が、前記紫外線レーザ光によって硬化する、基板加工方法。
【請求項2】
前記紫外線吸収層が、前記キャリアシートに比べて紫外線の吸収率が高い、請求項1に記載の基板加工方法。
【請求項3】
前記紫外線吸収層が、前記接着層に比べて紫外線の吸収率が高い、請求項1または2に記載の基板加工方法。
【請求項4】
前記キャリアシートが、ポリオレフィン樹脂材料から作製されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の基板加工方法。
【請求項5】
前記紫外線吸収層と前記接着層が、同系の材料から作製されている、請求項1から
4のいずれか一項に記載の基板加工方法。
【請求項6】
前記紫外線吸収層と前記接着層が、アクリル系樹脂材料から作製されている、請求項
5に記載の基板加工方法。
【請求項7】
前記紫外線吸収層が、前記キャリアシートの熱膨張率と前記接着層の熱膨張率との間の熱膨張率を備える材料から作製されている、請求項1から
6のいずれか一項に記載の基板加工方法。
【請求項8】
前記接着層が、感圧接着剤の層である、請求項1から
7のいずれか一項に記載の基板加工方法。
【請求項9】
キャリアシートと、
前記キャリアシート上に設けられた紫外線吸収層と、
前記紫外線吸収層上に設けられた接着層と、
前記接着層上に配置された基板と、を有し、
前記基板を貫通する溝を備え
、
前記基板が、樹脂基板であって、
前記紫外線吸収層が、紫外線レーザ光によって硬化する材料から作製され、
前記紫外線吸収層における前記溝に対応する部分が、硬化している、構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板をレーザ加工する基板加工方法およびその方法によって作製された構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、集合基板をキャリアシート(粘着シート)に貼り付けた状態で、レーザ光の照射によって集合基板を複数の個別基板に分割するレーザ加工方法が開示されている。レーザ光は、キャリアシートを切断することなく、集合基板を切断する。これにより、キャリアシートに複数の個別基板が保持された構造体を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された基板加工方法の場合、キャリアシートの材料によっては、レーザ光によってキャリアシートが熱変形し、個別基板とキャリアシートが部分的に離れる可能性がある。このような状態でキャリアシートを搬送すると、その搬送中に個別基板がキャリアシートから脱落する可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、キャリアシート上で基板をレーザ加工する場合において、レーザ光によるキャリアシートの熱変形を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するために、本発明の一態様によれば、
基板をレーザ加工する基板加工方法であって、
キャリアシート上に紫外線吸収層を設け、
前記紫外線吸収層上に接着層を設け、
前記接着層上に前記基板を配置し、
前記接着層と接触する表面に対して反対側の前記基板の表面に紫外線レーザ光を照射し、前記基板を貫通する溝を形成する、基板加工方法が提供される。
【0007】
本発明の別態様によれば、
キャリアシートと、
前記キャリアシート上に設けられた紫外線吸収層と、
前記紫外線吸収層上に設けられた接着層と、
前記接着層上に配置された基板と、を有し、
前記基板を貫通する溝を備える、構造体が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、キャリアシート上で基板をレーザ加工する場合において、レーザ光によるキャリアシートの熱変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る基板加工方法におけるレーザ加工実行前の集合基板を示す断面図
【
図3】比較例の基板加工方法における、レーザ加工実行後の集合基板の断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一態様の基板加工方法は、基板をレーザ加工する基板加工方法であって、キャリアシート上に紫外線吸収層を設け、前記紫外線吸収層上に接着層を設け、前記接着層上に前記基板を配置し、前記接着層と接触する表面に対して反対側の前記基板の表面に紫外線レーザ光を照射し、前記基板を貫通する溝を形成する。
【0011】
このような態様によれば、キャリアシート上で基板をレーザ加工する場合において、レーザ光によるキャリアシートの熱変形を抑制することができる。
【0012】
例えば、前記紫外線吸収層が、前記キャリアシートに比べて紫外線の吸収率が高い方が好ましい。
【0013】
例えば、前記紫外線吸収層が、前記接着層に比べて紫外線の吸収率が高い方が好ましい。
【0014】
例えば、前記キャリアシートが、ポリオレフィン樹脂材料から作製されてもよい。
【0015】
例えば、前記基板が樹脂基板であってもよく、この場合、前記紫外線吸収層が、前記紫外線レーザ光によって硬化してもよい。
【0016】
例えば、前記紫外線吸収層と前記接着層が、同系の材料から作製されているのが好ましい。
【0017】
例えば、前記紫外線吸収層と前記接着層が、アクリル系樹脂材料から作製されてもよい。
【0018】
例えば、前記紫外線吸収層が、前記キャリアシートの熱膨張率と前記接着層の熱膨張率との間の熱膨張率を備える材料から作製されるのが好ましい。
【0019】
例えば、前記接着層が、感圧接着剤の層であってもよい。
【0020】
本発明の別態様の構造体は、キャリアシートと、前記キャリアシート上に設けられた紫外線吸収層と、前記紫外線吸収層上に設けられた接着層と、前記接着層上に配置された基板と、を有し、前記基板を貫通する溝を備える。
【0021】
このような態様によれば、キャリアシート上で基板をレーザ加工する場合において、レーザ光によるキャリアシートの熱変形を抑制することができる。
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板加工方法におけるレーザ加工実行前の集合基板を示す断面図である。なお、図に示すX-Y-Z直交座標系は本発明の理解を容易にするためのものであって、発明を限定するものではない。また、本明細書では、X軸方向およびY軸方向は集合基板の面方向であって、Z軸方向は集合基板の厚さ方向である。
【0024】
図1に示すように、本実施の形態に係る基板加工方法においては、集合基板10は、キャリアシート12上で紫外線レーザ光によって複数の個別基板に切断される。そのために、集合基板10は、紫外線吸収層14と接着層16とを介して、キャリアシート12に貼り付けられている。すなわち、集合基板10、接着層16、紫外線吸収層14、およびキャリアシート12を順に積層してなる構造体が構成されている。
【0025】
本実施の形態の場合、集合基板10は、樹脂多層基板である。具体的には、集合基板10は、シート状の複数の樹脂基材20A~20Dを積層し、その厚さ方向(Z軸方向)に加熱圧着することより、作製されている。樹脂基材20A~20Dは、例えば液晶ポリマー樹脂から作製されている。また、いくつかの樹脂基材には、後の個別基板それぞれにおける回路を構成する複数の導体パターン22が設けられている。なお、複数の樹脂基材20A~20Dは、加熱圧着ではなく、接着剤を介して互いに接着されてもよい。
【0026】
キャリアシート12は、集合基板10の切断によって作製された複数の個別基板を1つにまとめて搬送するために使用される。また、キャリアシート12は、例えばポリオレフィン樹脂材料から作製され、例えば50μm以上の厚さを備える。
【0027】
紫外線吸収層14は、キャリアシート12の表面上に設けられている。本実施の形態の場合、紫外線吸収層14は、例えば10μmの厚さを備え、紫外線を吸収して硬化するUV硬化フィルムである。UV硬化フィルムは、例えば、UV硬化剤を含んだアクリル系樹脂材料から作製されている。
【0028】
接着層16は、紫外線吸収層14上に設けられている。本実施の形態の場合、集合基板10を切断して作製された個別基板が容易に剥離できるように、接着層16は、例えば10μmの厚さを備える感圧接着剤の層である。集合基板10のレーザ加工実行後において、集合基板-接着層間、接着層-紫外線吸収層間、および紫外線吸収層-キャリアシート間それぞれの接着強度の中、集合基板-接着層間の密着強度が最も弱いので、集合基板10を切断して作製された個別基板を容易に剥離することができる。なお、集合基板10を構成する樹脂基材間の密着強度が、当然ながら、集合基板-接着層間、接着層-紫外線吸収層間、および紫外線吸収層-キャリアシート間それぞれの接着強度に比べて高い。
【0029】
また、接着層16は、紫外線吸収層14との接着性を考慮し、すなわち紫外線吸収層14との熱膨張率の差が小さくなるように、紫外線吸収層14と同系の材料から作製されている。本実施の形態の場合、接着層16は、アクリル系樹脂接着剤である。これにより、熱変形量が異なることによって生じる、キャリアシート12の搬送時の意図しない剥離が抑制される。
【0030】
なお、紫外線吸収層14と接着層16の材料としては、アクリル系以外にも、ウレタン系、シリコーン系、天然ゴム系の材料が挙げられる。透明性、対候性などを考慮すると、アクリル系が好ましい。
【0031】
また、熱膨張率に関して言えば、紫外線吸収層14は、キャリアシート12の熱膨張率と接着層16の熱膨張率との間の熱膨張率を備える材料から作製されるのが好ましい。すなわち、キャリアシート12から接着層16に向かうにしたがい、熱膨張率が段階的に変化するのが好ましい。これにより、キャリアシート12と紫外線吸収層14との間の接着性が高まるとともに、紫外線吸収層14と接着層16との間の接着性も高まる。その結果、個別基板をキャリアシート12から剥離したとときに、紫外線吸収層14と接着層16とがキャリアシート12に残る。
【0032】
図2は、レーザ加工実行後の集合基板を示す断面図である。
【0033】
図2に示すように、集合基板10は、紫外線吸収層14と接着層16とを介して、キャリアシート12に貼り付けられた状態で、UVレーザ装置(図示せず)から出射された紫外線レーザ光Lによって厚さ方向(Z軸方向)に切断される。紫外線レーザ光Lは、接着層16と接触する表面に対して反対側の集合基板10の表面10aに照射される。紫外線レーザ光Lを走査することにより、集合基板10を貫通する溝Gが形成される。この溝Gにより、集合基板10は、複数の個別基板30に分断される。
【0034】
ここからは、紫外線吸収層14を、キャリアシート12と接着層16との間に設ける理由について説明する。
【0035】
図3は、比較例の基板加工方法における、レーザ加工実行後の集合基板の断面図である。
【0036】
集合基板10(個別基板30)をキャリアシート12が保持する目的だけであれば、紫外線吸収層14は必要なく、接着層16で事足りる。紫外線吸収層14を設ける理由は、紫外線レーザ光Lによるキャリアシート12の熱変形を抑制するためである。
【0037】
具体的には、
図2に示すように、紫外線レーザ光Lは、集合基板10を貫通する溝Gを形成するのに最低限必要なエネルギを超えるエネルギで出力される。これにより、集合基板10に、その厚さ方向(Z軸方向)に完全に貫通する溝Gが確実に形成される。ここで、集合基板10に貫通する溝を形成するには余分なエネルギは、接着層16と紫外線吸収層14とに吸収され、そのエネルギを吸収した部分を昇華させる。それにより、集合基板10から紫外線吸収層14までの深さを備える溝Gが形成される。その結果、キャリアシート12に到達した紫外線レーザ光Lrのエネルギは、キャリアシート12を熱変形させない程度まで減衰される。
【0038】
これに対して、
図3に示すように、紫外線吸収層14が存在しない場合、その紫外線吸収層14によってエネルギが吸収されないために、キャリアシート12に到達した紫外線レーザ光Lrのエネルギは、紫外線吸収層14が存在する場合に比べて高い。それにより、キャリアシート12が高温状態になり、その結果、軟化して変形しうる(熱変形しうる)。
【0039】
キャリアシート12が熱変形すると、それにともない、紫外線レーザ光Lによって高温状態の溝G近傍の接着層16の部分も軟化して変形する。それにより、接着層16が集合基板10(個別基板30)から部分的に剥離する。その結果、キャリアシート12の搬送中に、個別基板30が脱落しやすくなる。
【0040】
また、本実施の形態の場合、集合基板10が樹脂多層基板であるので、紫外線レーザ光Lによって高温状態の溝G近傍の集合基板10の部分も軟化し、キャリアシート12や接着層16の変形にならって変形する。変形した状態で紫外線レーザ光Lの出射が停止して時間が経過すると、個別基板30の溝G近傍の部分が、変形したまま硬化する。その結果、個別基板30が接着層16からさらに剥離しやすくなる。
【0041】
このようなキャリアシート12の熱変形を抑制するために、
図2に示すように、紫外線レーザ光Lのエネルギを吸収する紫外線吸収層14が、キャリアシート12と接着層126との間に配置されている。
【0042】
本実施の形態の場合、紫外線吸収層14は、
図2に示すように、紫外線レーザ光Lのエネルギを吸収して硬化する。具体的には、溝G近傍の紫外線吸収層14の部分(クロスハッチングの部分)が硬化する。その硬化した部分が、紫外線レーザ光Lによって高温状態になって軟化した溝G近傍の接着層16の部分を支持する。その結果、接着層16の変形が抑制される。また、本実施の形態の場合、接着層16が硬化した紫外線吸収層14によって支持されることにより、樹脂多層基板である集合基板10(個別基板30)が、同様に、接着層16によって支持され、変形が抑制される。
【0043】
なお、紫外線吸収層14は、キャリアシート12に比べて高い紫外線吸収率を備えるのが好ましい。例えば、紫外線吸収層14の材料が、キャリアシート12の材料に比べて高い紫外線吸収率を備える。また例えば、キャリアシート12の紫外線吸収率に比べて紫外線吸収層14の紫外線吸収率が高くなるように、紫外線吸収層14の材料に、紫外線吸収剤(本実施の形態の場合には、それに加えてまたは代わって紫外線硬化剤)が含有される。これにより、集合基板10と接着層16とで減衰した紫外線レーザ光Lのエネルギの多くが紫外線吸収層14に吸収される。その結果、キャリアシート12に到達した紫外線レーザ光Lrによるキャリアシート12の熱変形が抑制される。
【0044】
また、紫外線吸収層14は、接着層16に比べて高い紫外線吸収率を備えるのが好ましい。例えば、紫外線吸収層14の材料が、接着層16の材料に比べて高い紫外線吸収率を備える。また例えば、接着層16の紫外線吸収率に比べて紫外線吸収層14の紫外線吸収率が高くなるように、紫外線吸収層14の材料に、紫外線吸収剤(本実施の形態の場合には、それに加えてまたは代わって紫外線硬化剤)が含有される。これにより、集合基板10で減衰した紫外線レーザ光Lのエネルギの多くが、紫外線吸収層14に吸収される。これにより、紫外線レーザ光Lによる集合基板10(個別基板30)に対する接着層16の接着力の低下が抑制される。
【0045】
さらに、キャリアシート12は、紫外線レーザ光Lに対する透過性が高い、すなわち紫外線吸収率が低い材料で作製されるのが好ましい。キャリアシート12は、例えば、ポリオレフィン樹脂材料から作製されている。これにより、紫外線レーザ光Lによるキャリアシート12の熱変形がさらに抑制される。
【0046】
以上のような本実施の形態によれば、キャリアシート12上で基板10をレーザ加工する場合において、レーザ光によるキャリアシート12の熱変形を抑制することができる。
【0047】
以上、上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明の実施の形態はこれらに限らない。
【0048】
例えば、上述の実施の形態の場合、キャリアシート12上に紫外線吸収層14と接着層16とを介して貼り付けられる基板10は樹脂多層基板であるが、本発明の実施の形態はこれに限らない。基板は、紫外線レーザ光によって高温状態になっても軟化しにくい材料から作製された基板であってもよい。
【0049】
また、上述の実施の形態の場合、紫外線吸収層14は紫外線レーザ光Lのエネルギを吸収して硬化するが、本発明の実施の形態はこれに限らない。例えば、基板と接着層とが紫外線レーザ光によって高温状態になっても軟化しにくい材料から作製されている場合、紫外線吸収層14は硬化しなくてもよい。
【0050】
さらに、上述の実施の形態の場合、紫外線吸収層14は、紫外線を吸収して硬化するUV硬化フィルムであるが、本発明の実施の形態はこれに限らない。紫外線吸収層14は、紫外線吸収剤および/または紫外線硬化剤を含む接着剤の層であってもよい。
【0051】
さらにまた、上述の実施の形態の場合、紫外線レーザ光は、集合基板10を切断して複数の個別基板30を作製するために、その集合基板10に溝Gを形成する。しがしながら、本発明の実施の形態はこれに限らない。紫外線レーザ光は、基板を複数に分割することなく、溝を形成してもよい。
【0052】
加えて、上述の実施の形態の場合、
図2に示すように、紫外線レーザ光によって形成される溝Gは集合基板10、接着層16、および紫外線吸収層14を貫通するが、本発明の実施の形態はこれに限らない。すなわち、紫外線レーザ光によって形成される溝は、基板は貫通するが、キャリアシートは貫通しない溝であればよい。したがって、例えば、キャリアシートに溝の底部が存在してもよい。
【0053】
すなわち、本発明の実施の形態に係る基板加工方法は、広義には、基板をレーザ加工する基板加工方法であって、キャリアシート上に紫外線吸収層を設け、前記紫外線吸収層上に接着層を設け、前記接着層上に前記基板を配置し、前記接着層と接触する表面に対して反対側の前記基板の表面に紫外線レーザ光を照射し、前記基板を貫通する溝を形成する。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、キャリアシート上で基板をレーザ加工する場合に適用可能である。
【符号の説明】
【0055】
10 基板(集合基板)
10a 表面
12 キャリアシート
14 紫外線吸収層
16 接着層
L レーザ光(紫外線レーザ光)