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特許7192876診断画像システムおよび診断画像表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】診断画像システムおよび診断画像表示方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20221213BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20221213BHJP
【FI】
A61B6/00 360Z
A61B6/00 360B
A61B6/00 370
A61B34/20
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020558115
(86)(22)【出願日】2019-09-13
(86)【国際出願番号】 JP2019036106
(87)【国際公開番号】W WO2020105254
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-04-16
(31)【優先権主張番号】P 2018216295
(32)【優先日】2018-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】加治木 駿介
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/175494(WO,A1)
【文献】特開2013-019682(JP,A)
【文献】特表2016-518148(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0313679(US,A1)
【文献】特開2015-179022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14、5/00-5/01、34/00-90/98
G06H 10/00-80/00
G01N 35/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術中において、検体試料を採取し、採取した前記検体試料の分析を行うとともに、前記検体試料の分析結果を表示する診断画像システムであって、
ホルモンを分泌する臓器から採取される前記検体試料の採取位置が判別可能な被検体の放射線画像を撮影する放射線撮影装置と、
液体クロマトグラフ部および質量分析部を備える、液体クロマトグラフ質量分析計を含み、前記検体試料を分析して、前記臓器から分泌された前記ホルモンであるアルドステロンの濃度の数値データを含む前記分析結果を生成する検体分析装置と、
表示部と、
手術中に取得した前記放射線画像と、前記分析結果と、前記液体クロマトグラフ質量分析計から出力されたクロマトグラムを含む前記分析結果の詳細情報とを取得し、取得した前記放射線画像と前記分析結果とが表示された第1表示領域と、前記第1表示領域とは別画面として前記分析結果の詳細情報が表示された第2表示領域とを前記表示部に表示させる制御を行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記第1表示領域において、前記検体試料の採取場所における前記アルドステロンの濃度の数値データを表示するとともに、前記第2表示領域において、前記アルドステロンの濃度の数値データに対応する前記クロマトグラムを表示するように構成されている、診断画像システム。
【請求項2】
前記検体分析装置は、前記検体試料を測定した測定データと、前記測定データを前記分析結果に変換する参照情報と、に基づいて、前記分析結果を取得するように構成されており、
前記制御部は、前記分析結果の詳細情報として、少なくとも、前記参照情報を取得するとともに、取得した前記参照情報を前記第2表示領域に表示するように構成されている、請求項1に記載の診断画像システム。
【請求項3】
前記参照情報は、前記検体試料に含まれる分析対象の検量線を含む、請求項2に記載の診断画像システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記分析結果の詳細情報として、前記検体試料の分析を行った際の分析条件を取得するとともに、取得した前記分析条件を前記第2表示領域に表示するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の診断画像システム。
【請求項5】
前記検体分析装置は、1つの前記検体試料から、前記検体試料の採取位置の判定に用いる第1分析結果と、前記臓器における疾患の有無の判定に用いる第2分析結果とを取得するように構成されており、
前記第2分析結果は、前記アルドステロンの濃度の数値データであり、
前記制御部は、前記第1分析結果の詳細情報と前記第2分析結果の詳細情報とを取得するとともに、取得した前記第1分析結果の詳細情報および前記第2分析結果の詳細情報を、前記第2表示領域において並べて表示するように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の診断画像システム。
【請求項6】
前記制御部は、手術室に設置されており、前記放射線撮影装置と接続された制御装置に設けられているか、または、前記放射線撮影装置に設けられており、ネットワークを介して前記検体分析装置と接続されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の診断画像システム。
【請求項7】
手術中において、検体試料を採取し、採取した前記検体試料の分析を行うとともに、前記検体試料の分析結果を表示する診断画像表示方法であって、
ホルモンを分泌する臓器から採取される前記検体試料の採取位置が判別可能な被検体の放射線画像を撮影するステップと、
前記検体試料を分析して、前記臓器から分泌された前記ホルモンであるアルドステロンの濃度の数値データを含む前記分析結果を生成するステップと、
手術中に、前記放射線画像と、前記分析結果と、液体クロマトグラフ質量分析計から出力されたクロマトグラムを含む前記分析結果の詳細情報とを取得して、前記放射線画像と前記分析結果とが表示された第1表示領域と、前記分析結果の詳細情報が表示された第2表示領域とを別画面として表示部に表示するステップとを含み、
前記第1表示領域と前記第2表示領域とを別画面として前記表示部に表示するステップにおいて、前記第1表示領域において、前記検体試料の採取場所における前記アルドステロンの濃度の数値データを表示するとともに、前記第2表示領域において、前記アルドステロンの濃度の数値データに対応する前記クロマトグラムを表示する、診断画像表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断画像システムおよび診断画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検体(患者)の体内から血液や組織片などの検体試料を採取することにより、体内、臓器内における腫瘍などにより引き起こされる疾患の診断を行うことが知られている。ここで、従来、医師などが放射線画像診断装置によって被検体の透視画像を確認しながら、検体試料を採取するための採取デバイスを被検体内の採取位置まで送り込み、検体試料が採取されることが知られている。このような診断画像システムは、たとえば、牧田幸三、「原発性アルドステロン症における副腎静脈採血-副腎静脈サンプリング手技を成功させるためのコツ-」、日本インターベンショナルラジオロジー学会雑誌、2013年、Vol.28、No.2、p.204-210(以下、非特許文献1という)に開示されている。
【0003】
上記非特許文献1には、原発性アルドステロン症の診断のため、放射線画像診断装置による被検体のX線透視画像をリアルタイムで確認しながら、副腎の様々な部位の静脈から血液サンプリングを行うことが開示されている。副腎静脈サンプリングによって採取された各位置の血液(検体試料)を検体分析装置によって分析し、分析結果に基づいて確定診断が行われる。分析結果に基づいて確定診断がなされると、採取された試料の採取位置に基づいて病変部が特定され、病変部の部分切除などを行うか否かが決定される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】牧田幸三、「原発性アルドステロン症における副腎静脈採血-副腎静脈サンプリング手技を成功させるためのコツ-」、日本インターベンショナルラジオロジー学会雑誌、2013年、Vol.28、No.2、p.204-210
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記非特許文献1には記載されていないが、検体試料を採取する部屋(手術室)と、検体試料を分析する分析装置が設置された部屋とは、一般的に、異なる部屋であるため、手術中において、医師などが、分析結果などを確認できないという不都合がある。この場合、ネットワークなどを介して分析装置と接続された制御装置を手術室内に設置することにより、医師などは、手術中において、分析結果を確認することができる。しかしながら、上記非特許文献1に記載されたように分析結果に基づいて確定診断を行う際には、分析結果の妥当性を確認することが望まれる。たとえば、分析結果が想定通りの数値であったとしても、分析結果の妥当性が確認できない場合には、分析結果が正しい値であるかの確証を得ることができないという不都合がある。したがって、手術中において、分析結果の妥当性を判断するための情報を確認できないことにより、分析結果が正しいか否かの確証を得ることができないという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、手術中において、分析結果の妥当性を判断するための情報を確認することが可能であるとともに、分析結果が正しいか否かの確証を得ることが可能な診断画像システムおよび診断画像表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における診断画像システムは、手術中において、検体試料を採取し、採取した検体試料の分析を行うとともに、検体試料の分析結果を表示する診断画像システムであって、ホルモンを分泌する臓器から採取される検体試料の採取位置が判別可能な被検体の放射線画像を撮影する放射線撮影装置と、液体クロマトグラフ部および質量分析部を備える、液体クロマトグラフ質量分析計を含み、検体試料を分析して、臓器から分泌されたホルモンであるアルドステロンの濃度の数値データを含む分析結果を生成する検体分析装置と、表示部と、手術中に取得した放射線画像と、分析結果と、液体クロマトグラフ質量分析計から出力されたクロマトグラムを含む分析結果の詳細情報とを取得し、取得した放射線画像と分析結果とが表示された第1表示領域と、第1表示領域とは別画面として分析結果の詳細情報が表示された第2表示領域とを表示部に表示させる制御を行う制御部とを備え、制御部は、第1表示領域において、検体試料の採取場所におけるアルドステロンの濃度の数値データを表示するとともに、第2表示領域において、アルドステロンの濃度の数値データに対応するクロマトグラムを表示するように構成されている。
【0008】
この発明の第1の局面による診断画像システムでは、上記のように、手術中に取得した放射線画像と、臓器から分泌されたホルモンであるアルドステロンの濃度の数値データを含む分析結果と、液体クロマトグラフ質量分析計から出力されたクロマトグラムを含む分析結果の詳細情報とを取得し、取得した放射線画像と分析結果とが表示された第1表示領域と、第1表示領域とは別画面として分析結果の詳細情報が表示された第2表示領域とを表示部に表示させる制御を行う制御部を備え、制御部は、第1表示領域において、検体試料の採取場所におけるアルドステロンの濃度の数値データを表示するとともに、第2表示領域において、アルドステロンの濃度の数値データに対応するクロマトグラムを表示するように構成されている。ここで、分析結果とは、検査対象項目の物質の存在量のことを意味する。また、分析結果の詳細情報とは、分析結果を取得する際に用いる情報であり、分析時に得られる情報のことを意味する。したがって、第1表示領域と第2表示領域とを表示部に表示することにより、手術中において、検体試料の採取位置が判別可能な放射線画像と、分析結果と、分析結果の詳細情報とを表示させることができる。その結果、手術中において、分析結果の妥当性を判断するための情報(分析結果の詳細情報)を確認することが可能であるとともに、分析結果が正しいか否かの確証を得ることができる。また、手術中において、分析結果が正しいか否かの確証を得ることが可能となるので、分析結果が正しくない場合には、手術後に分析結果が正しいか否かを判定する場合と異なり、再手術を行うことなく検体試料の採取を行うことができる。なお、本明細書において、「表示領域」とは、画面上において、X線画像や分析結果などを表示する領域のことである。
【0009】
上記第1の局面による診断画像システムにおいて、好ましくは、検体分析装置は、検体試料を測定した測定データと、測定データを分析結果に変換する参照情報と、に基づいて、分析結果を取得するように構成されており、制御部は、分析結果の詳細情報として、少なくとも、参照情報を取得するとともに、取得した参照情報を第2表示領域に表示するように構成されている。このように構成すれば、医師などは、参照情報を確認することが可能となるので、参照情報が正常であるか否かを把握することができる。その結果、参照情報が正常であった場合には、分析結果が妥当であると判断することができる。また、参照情報が異常であった場合には、分析結果が妥当ではないと判定することが可能であるとともに、分析結果が妥当でない原因が、参照情報であることを把握することができる。なお、本明細書において、「測定データ」とは、検体分析装置によって取得された検体試料のデータであり、検体試料における検査対象項目の物質の分析結果(存在量など)を取得するためのデータである。測定データは、たとえば、クロマトグラムなどを含む。また、本明細書において、「参照情報」とは、濃度が未知の検体試料の分析結果を取得するために、濃度が既知の標準物質の測定データに基づいて取得された情報である。参照情報は、たとえば、グラフや関数などを含む。
【0010】
この場合、好ましくは、参照情報は、検体試料に含まれる分析対象の検量線を含む。このように構成すれば、分析対象の検量線は、分析結果の根拠となる情報であるため、医師などは、検量線を確認することにより、分析結果の妥当性を把握することができる。その結果、医師などは、検量線が異常な場合には、分析結果が異常な値になっている原因が、検量線の異常であると判定することができる。
【0012】
上記第1の局面による診断画像システムにおいて、好ましくは、制御部は、分析結果の詳細情報として、検体試料の分析を行った際の分析条件を取得するとともに、取得した分析条件を第2表示領域に表示するように構成されている。このように構成すれば、医師などは、手術中において、分析結果と併せて検体試料の分析条件を確認することが可能となるので、分析時に設定ミスがあったか否かを確認することができる。その結果、分析結果の妥当性をより詳細に把握することが可能となるので、医師などは、分析結果が正しいか否かの確証をより一層得ることができる。
【0014】
なお、本明細書中において、「別画面として表示する」とは、一方の表示領域が表示されている際は、他方の表示領域は表示されておらず、表示領域の切り替えを行うことにより他方の表示領域を表示する表示態様のことである。たとえば、タブ切替による表示態様や、全画面表示した表示領域を切り替えて表示する表示態様などは、別画面として表示する例に含まれる。また、本明細書中において、一方の表示領域が表示されている際に、他方の表示領域も表示されている表示態様のことを「同一画面上に表示する」と定義する。たとえば、ポップアップ表示による表示態様、複数の表示領域を並べて表示する表示態様、複数の表示領域を重畳して表示する表示態様などは、同一画面上に表示する例に含まれる。
【0015】
上記第1の局面による診断画像システムにおいて、好ましくは、検体分析装置は、1つの検体試料から、検体試料の採取位置の判定に用いる第1分析結果と、臓器における疾患の有無の判定に用いる第2分析結果とを取得するように構成されており、第2分析結果は、アルドステロンの濃度の数値データであり、制御部は、第1分析結果の詳細情報と第2分析結果の詳細情報とを取得するとともに、取得した第1分析結果の詳細情報および第2分析結果の詳細情報を、第2表示領域において並べて表示するように構成されている。このように構成すれば、医師などは、第1分析結果と第2分析結果とを確認することにより診断する場合に、第1分析結果の詳細情報および第2分析結果の詳細情報を一度に確認することができる。その結果、第1分析結果の詳細情報および第2分析結果の詳細情報を別々に確認する場合と比較して、医師などは、効率よく第1分析結果の妥当性および第2分析結果の妥当性を把握することが可能となるので、ユーザビリティ(ユーザの利便性)を向上させることができる。
【0017】
上記第1の局面による診断画像システムにおいて、好ましくは、制御部は、手術室に設置されており、放射線撮影装置と接続された制御装置に設けられているか、または、放射線撮影装置に設けられており、ネットワークを介して検体分析装置と接続されている。このように構成すれば、制御部は、手術室において、ネットワークを介して検体分析装置から検体試料の分析結果および分析結果の詳細情報を取得することができる。その結果、医師などは、検体分析装置が設置されている場所に行くことなく、手術中において、検体試料の分析結果および分析結果の詳細情報を把握することができる。
【0019】
この発明の第2の局面における診断画像表示方法は、手術中において、検体試料を採取し、採取した検体試料の分析を行うとともに、検体試料の分析結果を表示する診断画像表示方法であって、ホルモンを分泌する臓器から採取される検体試料の採取位置が判別可能な被検体の放射線画像を撮影するステップと、検体試料を分析して、臓器から分泌されたホルモンであるアルドステロンの濃度の数値データを含む分析結果を生成するステップと、手術中に、放射線画像と、分析結果と、液体クロマトグラフ質量分析計から出力されたクロマトグラムを含む分析結果の詳細情報とを取得して、放射線画像と分析結果とが表示された第1表示領域と、分析結果の詳細情報が表示された第2表示領域とを別画面として表示部に表示するステップとを含み、第1表示領域と第2表示領域とを別画面として表示部に表示するステップにおいて、第1表示領域において、検体試料の採取場所におけるアルドステロンの濃度の数値データを表示するとともに、第2表示領域において、アルドステロンの濃度の数値データに対応するクロマトグラムを表示する
【0020】
この発明の第2の局面による診断画像表示方法では、上記のように、手術中に、放射線画像と、臓器から分泌されたホルモンであるアルドステロンの濃度の数値データを含む分析結果と、液体クロマトグラフ質量分析計から出力されたクロマトグラムを含む分析結果の詳細情報とを取得して、放射線画像と分析結果とが表示された第1表示領域と、分析結果の詳細情報が表示された第2表示領域とを別画面として表示部に表示するステップを含み、第1表示領域と第2表示領域とを別画面として表示部に表示するステップにおいて、第1表示領域において、検体試料の採取場所におけるアルドステロンの濃度の数値データを表示するとともに、第2表示領域において、アルドステロンの濃度の数値データに対応するクロマトグラムを表示する。これにより、上記第1の局面における診断画像システムと同様に、手術中において、分析結果の妥当性を判断するための情報を確認することが可能であるとともに、分析結果が正しいか否かの確証を得ることが可能な診断画像表示方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、上記のように、手術中において、分析結果の妥当性を判断するための情報を確認することが可能であるとともに、分析結果が正しいか否かの確証を得ることが可能な診断画像システムおよび診断画像表示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態による診断画像システムの全体構成を示したブロック図である。
図2】第1実施形態による診断画像システムのX線撮影装置の構成例を示したブロック図である。
図3】第1実施形態による診断画像システムの検体分析装置の構成例を示したブロック図である。
図4】第1実施形態による診断画像システムにおける、X線画像と分析結果との関連付けを説明するための概念図である。
図5】第1実施形態による診断画像システムにおいて、表示部に表示される第1表示領域を示した模式図である。
図6】第1実施形態による診断画像システムにおいて、表示部に表示される第2表示領域を示した模式図である。
図7】第1実施形態による診断画像システムが診断画像を表示する処理を説明するためのフローチャートである。
図8】第2実施形態による診断画像システムにおいて、表示部に表示される第1表示領域および第2表示領域の表示態様を示した模式図である。
図9】第2実施形態による診断画像システムが診断画像を表示する処理を説明するためのフローチャートである。
図10】第3実施形態による診断画像システムにおいて、第2表示領域に参照情報および測定データを表示した際の模式図である。
図11】第3実施形態による診断画像システムにおいて、第2表示領域に分析条件を表示した際の模式図である。
図12】第2実施形態変形例による診断画像システムにおいて、表示部に表示される第1表示領域および第2表示領域の表示態様を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
[第1実施形態]
図1図8を参照して、第1実施形態による診断画像システム1の構成について説明する。診断画像システム1は、被検体Tの検体試料を採取することによって局所診断を行うように構成されている。具体的には、診断画像システム1では、手術中において、検体試料の採取のためのX線画像撮影を行うとともに、採取された検体試料の分析を行い、検体試料の分析結果RA(図4参照)を表示する。
【0025】
(診断画像システム)
第1実施形態では、診断画像システム1は、原発性アルドステロン症の診断のための副腎静脈サンプリングに用いる例を示す。
【0026】
図1に示すように、診断画像システム1は、被検体TのX線画像G(図2参照)を撮影するX線撮影装置2と、被検体Tから採取される検体試料の分析を行う検体分析装置3とを備えている。ここで、X線撮影装置2および検体分析装置3のそれぞれは、手術室R1および分析室R2に別々に設置されている。また、診断画像システム1は、X線画像Gと分析結果RAとが表示された第1表示領域F1(図5参照)と、分析結果の詳細情報DRA(図4参照)が表示された第2表示領域F2(図6参照)とを表示部42に表示させる制御部41を含むワークステーション4を備えている。図1に示すように、ワークステーション4は、手術室R1に設置されている。また、表示部42は、ワークステーション4に含まれており、ワークステーション4とともに手術室R1に設置されている。なお、X線撮影装置2は、請求の範囲の「放射線撮影装置」の一例である。また、X線画像Gは、請求の範囲の「放射線画像」の一例である。また、ワークステーション4は、請求の範囲の「制御装置」の一例である。
【0027】
診断画像システム1は、被検体T内の検体試料を採取するために、X線撮影装置2によって被検体Tの外部からX線画像Gを撮影する。検体試料を採取する際、検体採取デバイス10が被検体Tの内部に導入され、撮影されたX線画像Gを手がかりに、検体採取を担当する医師が検体採取デバイス10を検体試料の採取位置C(図5参照)まで進入させ、検体試料を採取する。なお、副腎静脈サンプリングでは、検体採取デバイス10にカテーテルが用いられる。
【0028】
第1実施形態では、検体試料は、臓器から取得される。具体的には、臓器は、ホルモンを分泌する副腎AGである。検体試料は、副腎AGの副腎静脈から取得される、副腎静脈血である。
【0029】
採取された検体試料は、検体採取デバイス10に取り込まれ、検体試料を収容するための検体容器Bに収容された後、検体容器Bが検体分析装置3に移送される。検査技師などの操作者が検体容器Bを検体分析装置3にセットすることにより、検体分析装置3が検体試料を受け付ける。検体容器Bは、たとえば採血管である。検体分析装置3は、取得した検体試料の分析を行う。
【0030】
ここで、検体容器Bには、検体試料を特定するための試料特定情報が付されている。試料特定情報は、採取された検体試料を収容するための検体容器Bに付される識別情報Uである。識別情報Uは、たとえば検体容器Bにバーコードや2次元コードの形式で付される検体IDである。識別情報Uは、たとえばバーコードが印字されたラベルの形態で用意され、検体試料が採取される際に、操作者によって検体容器Bに貼付される。
【0031】
(X線撮影装置)
図2に示すように、被検体Tの外側から放射線を照射することによって、被検体T内を画像化するためのX線画像Gを撮影する装置である。なお、第1実施形態では、X線撮影装置2は、副腎AG(図5参照)から採取される検体試料の採取位置Cが判別可能な被検体TのX線画像Gを撮影するように構成されている。なお、副腎AGは、請求の範囲の「臓器」の一例である。
【0032】
X線撮影装置2は、被検体Tに放射線(X線)を照射する照射部21と、被検体Tを透過した放射線を検出する検出部22とを備えている。照射部21と検出部22とは、それぞれ、被検体Tが載置される天板23を挟んで対向するように配置されている。照射部21および検出部22は、移動機構24に移動可能に支持されている。天板23は、天板駆動部25により水平方向に移動可能である。被検体Tの関心領域を撮影できるように、移動機構24および天板駆動部25を介して照射部21、検出部22および天板23が移動される。関心領域は、被検体Tのうちで、検体試料の採取位置Cを含む領域である。X線撮影装置2は、移動機構24および天板駆動部25を制御する制御部26を備えている。
【0033】
照射部21は、放射線源21aを含んでいる。放射線源21aは、たとえば、所定の高電圧が印加されることによりX線を発生させるX線管である。照射部21は、制御部26に接続されている。制御部26は、予め設定された撮影条件に従って照射部21を制御し、放射線源21aからX線を発生させる。
【0034】
検出部22は、照射部21から照射され、被検体Tを透過したX線を検出し、検出したX線強度に応じた検出信号を出力する。検出部22は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)により構成されている。また、X線撮影装置2は、検出部22からX線検出信号を取得して、検出部22の検出信号に基づきX線画像Gを生成する画像処理部27を備えている。検出部22は、X線検出信号を画像処理部27に出力する。
【0035】
画像処理部27は、たとえば、CPU(Central Processing Unit、図示せず)などのプロセッサと、ROM(Read Only Memory、図示せず)およびRAM(Random Access Memory、図示せず)などの記憶部(図示せず)とを含んで構成されるコンピュータであり、画像処理プログラムをプロセッサに実行させることにより画像処理部27として機能する。画像処理部27は、X線画像Gを生成するほか、X線画像Gの視認性を向上するための補正処理や、複数のX線画像Gを合成する合成処理などを行う機能を有している。また、画像処理部27は、生成したX線画像Gのサムネイル画像TH(図5参照)を生成する処理を行う。
【0036】
制御部26は、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)およびRAM(図示せず)などを含んで構成されたコンピュータである。制御部26は、CPUが所定の制御プログラムを実行することにより、X線撮影装置2の各部を制御する制御部26として機能する。制御部26は、照射部21および画像処理部27の制御や、移動機構24および天板駆動部25の駆動制御を行う。
【0037】
X線撮影装置2は、表示部26a、操作部26bおよび記憶部26cを備える。また、X線撮影装置2は、ネットワークNと接続するための通信部26dを備える。また、X線撮影装置2は、ワークステーション4と接続するための接続部26eを備える。表示部26aは、たとえば液晶ディスプレイなどのモニタである。操作部26bは、たとえばキーボードおよびマウス、タッチパネルまたは他のコントローラーなどを含んで構成される。記憶部26cは、たとえばハードディスクドライブなどの記憶装置により構成される。制御部26は、画像処理部27により生成された画像を表示部26aに表示させる制御を行うように構成されている。
【0038】
また、制御部26は、操作部26bを介した入力操作を受け付けるように構成されている。記憶部26cは、X線画像Gのデータ、識別情報Uのデータおよびサムネイル画像THのデータなどを記憶するように構成されている。接続部26eは、ワークステーション4と接続するように構成されている。接続部26eによってワークステーション4と接続されることにより、X線画像Gのデータ、識別情報Uのデータおよびサムネイル画像THのデータなどをワークステーション4に送信することができる。接続部26eは、たとえば、シリアル通信ポートを含む。
【0039】
X線撮影装置2は、図1に示すように、採取された検体試料を収容するための検体容器Bに付される識別情報Uを読み取るための読取部28を備える。読取部28は、たとえば識別情報Uに応じたバーコードリーダー(2次元コードリーダー)であり、それぞれ検体容器Bに付される識別情報Uを読み取ることが可能である。制御部26は、検体試料が採取される際に、読取部28により読み出された識別情報UをX線画像Gに付与するように構成されている。
【0040】
(検体分析装置)
検体分析装置3は、被検体Tから採取された検体試料を取得して、診断に必要な成分の測定や細胞の検出などを行う装置である。第1実施形態では、図3において、検体分析装置3は、液体クロマトグラフ質量分析計である。検体分析装置3は、検体試料に含まれる目的成分の分離を行う液体クロマトグラフ部31(以下、LC部31という)と、分離された目的成分をイオン化し、目的イオンを質量数に応じて分離検出する質量分析部32(以下、MS部32という)とを備える。
【0041】
LC部31は、搬送液を収容する搬送液リザーバ(図示せず)と、搬送液を検体試料とともに送り出す送液ポンプ(図示せず)と、検体試料を導入する試料導入部(図示せず)と、搬送液中の検体試料を成分毎に分離する分離カラム(図示せず)とを主として含む。
【0042】
MS部32は、LC部31の後段に設けられ、LC部31で分離された試料成分をイオン化するイオン化部(図示せず)と、生成されたイオンを質量分離して特定イオンを通過するための質量分離器(図示せず)と、質量分離器を通過したイオンを検出するイオン検出器(図示せず)とを主として含む。MS部32により、LC部31から順次溶出する試料成分について、質量毎の検出信号が出力される。
【0043】
検体分析装置3は、MS部32の検出信号に基づいて成分分析を行うデータ処理部33を備える。第1実施形態では、データ処理部33は、検体試料を測定した測定データMD(図6参照)と、測定データMDを分析結果RAに変換する参照情報RI(図6参照)と、に基づいて、分析結果RAを取得するように構成されている。第1実施形態では、参照情報RIは、検体試料に含まれる分析対象の検量線を含む。第1実施形態では、検体分析装置3は、濃度が既知の標準物質(コントロール)を測定することにより、検量線を取得する。
【0044】
データ処理部33は、質量毎の検出信号からマススペクトルを作成し、検量線と対比することにより、検体試料中の所定成分の定量分析を行う。具体的には、データ処理部33は、マススペクトルのピークの面積値を検量線に当てはめることにより、対応する濃度を取得する。また、第1実施形態では、データ処理部33は、所定成分として、1つの検体試料から、検体試料の採取位置Cの判定に用いる第1分析結果RA1(図5参照)と、副腎AGにおける疾患の有無の判定に用いる第2分析結果RA2(図5参照)とを取得するように構成されている。第1実施形態では、原発性アルドステロン症の診断のための副腎静脈サンプリングを行うため、検体分析装置3が分析する所定成分は、コルチゾールおよびアルドステロンである。
【0045】
検体分析装置3は、図3に示すように、表示部33a、操作部33b、記憶部33cおよび通信部33dを備える。検体分析装置3は、さらに読取部34を備える。データ処理部33は、検体試料が分析される際に、読取部34により読み出された識別情報Uを分析結果RAに付与するように構成されている。これにより、図4に示すように、分析結果RAとX線画像Gとが、共通の識別情報Uを介して相互に対応付けられる。なお、相互に対応付けられるとは、分析結果RAとX線画像Gとが、共通の識別情報Uを介して一対一の関係に対応付けられることを意味する。
【0046】
(ワークステーション)
図1に示すように、ワークステーション4は、制御部41、表示部42、操作部43、記憶部44および接続部45を備える。
【0047】
制御部41は、手術中に取得したX線画像G(図2参照)と、分析結果RA(図3参照)と、分析結果の詳細情報DRA(図3参照)とを取得するように構成されている。また、制御部41は、取得したX線画像Gと分析結果RAとが表示された第1表示領域F1(図5参照)と、分析結果の詳細情報DRAが表示された第2表示領域F2(図6参照)とを表示部42に表示させるように構成されている。制御部41が第1表示領域F1および第2表示領域F2を表示する構成の詳細については後述する。
【0048】
また、制御部41は、操作部43を介した入力操作を受け付けるように構成されている。記憶部44は、X線画像Gのデータ、識別情報Uのデータ、検体試料の分析結果RAのデータ、分析結果の詳細情報DRAのデータなどを記憶するように構成されている。接続部45は、X線撮影装置2と接続されている。また、接続部45は、ネットワークNを介して検体分析装置3と接続されている。
【0049】
また、ワークステーション4は、採取された検体試料を収容するための検体容器Bに付された識別情報Uを読み取るための読取部46を備える。制御部41は、読取部46により識別情報Uを読み取ったことに基づいて、識別情報Uに対応付けられた分析結果RAおよび分析結果の詳細情報DRAを検体分析装置3から取得するように構成されている。
【0050】
具体的には、制御部41は、接続部45を介して、X線撮影装置2から複数のX線画像Gのデータと、複数のX線画像Gのデータのそれぞれに対応する識別情報Uとを取得する。また、制御部41は、接続部45によりネットワークNを介して検体分析装置3から複数の分析結果RAのデータと、複数の分析結果RAのデータのそれぞれに対応する識別情報Uと、複数の分析結果RAのデータのそれぞれに対応する分析結果の詳細情報DRAのデータとを取得する。分析結果の詳細情報DRAは、分析結果RAを取得した際に用いた参照情報RIを含む。また、分析結果の詳細情報DRAは、検体試料の測定データMDを含む。なお、分析結果の詳細情報DRAは、X線画像Gと分析結果RAとを対応付ける識別情報Uによって、分析結果RAと対応付けられている。すなわち、X線画像Gと、分析結果RAと、分析結果の詳細情報DRAとは、それぞれ、共通の識別情報Uによって対応付けられている。
【0051】
また、制御部41は、X線撮影装置2から複数のX線画像Gのそれぞれに対応する複数のサムネイル画像THを取得するように構成されている。具体的には、制御部41は、X線撮影装置2から複数のサムネイル画像THのデータおよび複数のサムネイル画像TH(図5参照)のデータのそれぞれに対応する識別情報Uを取得する。制御部41は、複数の採取位置Cを取得するように構成されている。具体的には、制御部41は、取得された複数のX線画像Gを用いてユーザーにより採取位置Cが指定されたことに基づいて、複数の検体試料のそれぞれに対応する複数の採取位置Cのデータを取得する。
【0052】
(第1表示領域および第2表示領域)
第1実施形態では、制御部41は、副腎AGから採取される検体試料の採取位置Cが判別可能な被検体TのX線画像Gを第1表示領域F1に表示する。検体試料の採取位置Cを詳細に確認したい場合など、撮影倍率を高くしてX線画像Gを撮影した場合、関心領域内の血管を1つのX線画像Gによって撮影することが困難な場合がある。そこで、関心領域内を部分的に造影したX線画像Gを用いることにより、副腎AGから採取される検体試料の採取位置Cを判別可能にする。しかし、複数の検体試料のそれぞれの採取位置Cが、複数のX線画像Gに分かれているため、1つのX線画像Gに複数の検体試料の全ての採取位置CがあるX線画像Gよりも、複数の採取位置Cの情報を整理することが困難になっている。
【0053】
そこで、制御部41は、試料データ、X線画像Gおよびサムネイル画像THのそれぞれの採取位置Cに共通の数字を付すことにより、採取位置Cが特定可能に表示されたX線画像Gを表示部42に表示するように構成されている。以下、図5を参照して、第1表示領域F1に関しての説明を行う。
【0054】
具体的には、第1表示領域F1は、採取位置Cが特定可能に表示されたX線画像Gと、検査情報Eおよび解析情報ANを表示する情報表示領域F1aと、採取位置Cが特定可能に表示された複数のサムネイル画像THを表示するサムネイル表示領域F1bと、X線画像Gを表示するX線画像表示領域F1cとを有している。第1表示領域F1において、情報表示領域F1aは左上に配置され、サムネイル表示領域F1bは右上に配置され、X線画像表示領域F1cは下部に配置されている。
【0055】
検査情報Eは、検査ID、検査日時、患者名、患者ID、年齢および性別といった複数の項目を有している。検査IDは、行なわれている検査特有のIDが登録される項目である。検査日時は、検査が行なわれた日時が登録される項目である。患者名は、検査を受診した患者の名前が登録される項目である。患者IDは、患者名に対応するIDが登録される項目である。年齢および性別は、患者の年齢および性別のそれぞれが登録される項目である。ここで、検査ID、検査日時、患者名、患者ID、年齢および性別といった項目は、病院情報システム(Hospital Information Systems:HIS)に基づいたX線画像Gのタグ(たとえば、DICOMタグ)を読み込むことにより取得される。
【0056】
解析情報ANは、複数の検体試料のそれぞれの採取位置Cを含む複数の情報を有している。解析情報ANは、採取位置C、識別情報U、血管名(BV1、BV2・・・など)、分析結果RA(Data1:xxx、Data2:xxx)およびステータスといった複数の項目を有している。解析情報ANには、複数の検体試料のうちの任意の検体試料における、採取位置C、識別情報U、血管名、分析結果RAおよびステータスといった項目に関する情報が登録される。以下、複数の検体試料のうちの任意の検体試料を、たとえば、1番の数字が付された第1検体試料として、解析情報ANの複数の項目を説明する。なお、第1検体試料は、X線画像Gにおいて1番の数字で示された場所から採取された検体試料である。
【0057】
採取位置項目は、第1検体試料の採取位置Cの番号(1番)が登録される項目である。識別情報項目は、第1検体試料が保存されている検体容器Bに付された識別情報Uが登録される項目である。血管名項目は、第1検体試料の採取位置Cの血管名が登録される項目である。分析結果項目は、第1検体試料を検体分析装置3において分析したことにより取得された分析結果RAが登録される項目である。ステータス項目は、第1表示領域F1中の項目の登録作業の進行状況が登録される項目である。
【0058】
識別情報U、分析結果RAおよびステータスといった項目は、ワークステーション4により、読取部46により識別情報Uを読み取ったことに基づいて取得される分析結果RAに基づいて、自動で登録される。また、採取位置Cおよび血管名といった項目は、ワークステーション4において、ユーザーにより手動で登録される。
【0059】
第1実施形態では、分析結果RAは、被検体Tの副腎AGから取得した検体試料に含まれる検査対象物質の存在量である。具体的には、副腎AGから分泌されるホルモンの存在量である。副腎AGから分泌されるホルモンには、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールと、副腎皮質の球状体から分泌されるアルドステロンとが含まれる。第1実施形態では、分析結果RAは、コルチゾール濃度(図5のData1:xxx)と、アルドステロン濃度(図5のData2:xxx)とを含む。なお、コルチゾール濃度は、請求の範囲の「第1分析結果」の一例である。また、アルドステロン濃度は、請求の範囲の「第2分析結果」の一例である。
【0060】
ここで、原発性アルドステロン症では、副腎皮質の病変(線種など)により血液中のアルドステロン濃度が上昇する。その結果、血圧が上昇するなどの症状が生じる。また、コルチゾールの濃度に基づいて、副腎AGの血管(静脈)からの採血が成功しているか否かの判定を行うことが可能である。
【0061】
また、医師などは、採取した検体試料の分析結果RAに基づいて、副腎AGにおける疾患の有無や、検体試料のサンプリングの成否を判定する。第1実施形態では、図5に示すように、第1表示領域F1に表示される分析結果RAは、コルチゾール濃度およびアルドステロン濃度の数値データである。単に数値データを確認するだけでは、疾患によって分析結果RAの数値データが異常な値となっているのか、分析手法に誤りがあるために、分析結果RAの数値データが異常な値となっているのかを判断することが難しい。そこで、第1実施形態では、制御部41は、副腎AGと副腎AG内の採取位置Cとが撮影されたX線画像Gと、副腎AGから分泌されたホルモンの分析結果RAとを第1表示領域F1に表示し、ホルモンの分析結果の詳細情報DRAを第2表示領域F2に表示するように構成されている。
【0062】
第1実施形態では、制御部41は、分析結果の詳細情報DRAとして、少なくとも、参照情報RIを取得するとともに、取得した参照情報RIを第2表示領域F2に表示するように構成されている。また、第1実施形態では、制御部41は、分析結果の詳細情報DRAとして、測定データMDを取得するとともに、取得した測定データMDを第2表示領域F2に表示するように構成されている。
【0063】
図6に示すグラフG1は、コルチゾールの測定データMD1の例である。図6に示すコルチゾールの測定データMD1の例は、コルチゾールのマスクロマトグラムである。グラフG1の横軸は、時間であり、縦軸は、検出強度である。また、図6に示すグラフG2は、コルチゾールの測定データMD1からコルチゾール濃度を算出するための参照情報RI1の例である。グラフG2の横軸は、濃度であり、縦軸は、検出信号のピークの面積である。
【0064】
また、図6に示すグラフG3は、アルドステロンの測定データMD2の例である。図6に示すアルドステロンの測定データMD2の例は、アルドステロンのマスクロマトグラムである。グラフG3の横軸は、時間であり、縦軸は、検出強度である。また、図6に示すグラフG4は、アルドステロンの測定データMD2からアルドステロン濃度を算出するための参照情報RI2の例である。グラフG4の横軸は、濃度であり、縦軸は、検出信号のピークの面積である。
【0065】
図6に示すように、第1実施形態では、制御部41は、第1分析結果の詳細情報DRA1(コルチゾールの測定データMD1および参照情報RI1)と第2分析結果の詳細情報DRA2(アルドステロンの測定データMD2および参照情報RI2)とを取得するとともに、取得した第1分析結果の詳細情報DRA1および第2分析結果の詳細情報DRA2を、第2表示領域F2において並べて表示するように構成されている。
【0066】
第1実施形態では、制御部41は、第1表示領域F1とは別画面として第2表示領域F2を切替可能に表示するように構成されている。具体的には、制御部41は、第1表示領域F1が表示された画面P1と、第2表示領域F2が表示された画面P2とを、別画面として切り替えて表示するように構成されている。より具体的には、制御部41は、画面P1に表示された第1表示領域F1の解析情報ANに表示されている分析結果RAのうち、医師などによって選択された分析結果RAに対応する分析結果の詳細情報DRAを、第2表示領域F2として画面P2に表示するように構成されている。第1実施形態では、解析情報ANの分析結果項目が入力受付可能となっている。制御部41は、医師などが確認したい分析結果RAをマウスなどで選択(押下)することにより、選択した分析結果RAに対応する分析結果の詳細情報DRAを表示する。
【0067】
次に、図7を参照して、第1実施形態における診断画像システム1が診断画像を表示する処理について説明する。
【0068】
ステップS1において、X線撮影装置2は、検体試料の採取位置Cが判別可能なX線画像Gを取得する。次に、ステップS2において、検体分析装置3は、検体試料を分析して、分析結果RAを生成する。その後、処理は、ステップS3へ進む。
【0069】
ステップS3において、制御部41は、手術中に、X線画像Gと、分析結果RAと、分析結果の詳細情報DRAとを取得して、X線画像Gと分析結果RAとが表示された第1表示領域F1と、分析結果の詳細情報DRAが表示された第2表示領域F2とを別画面として表示部42に表示し、処理を終了する。
【0070】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0071】
第1実施形態では、上記のように、診断画像システム1は、副腎AGから採取される検体試料の採取位置Cが判別可能な被検体TのX線画像Gを撮影するX線撮影装置2と、検体試料を分析して分析結果RAを生成する検体分析装置3と、表示部42と、手術中に取得したX線画像Gと、分析結果RAと、分析結果の詳細情報DRAとを取得し、取得したX線画像Gと分析結果RAとが表示された第1表示領域F1と、分析結果の詳細情報DRAが表示された第2表示領域F2とを表示部42に表示させる制御を行う制御部41とを備える。これにより、手術中において、検体試料の採取位置Cが判別可能なX線画像Gと、分析結果RAと、分析結果の詳細情報DRAとを表示させることができる。その結果、手術中において、分析結果RAの妥当性を判断するための情報(分析結果の詳細情報DRA)を確認することが可能であるとともに、分析結果RAが正しいか否かの確証を得ることができる。また、手術中において、分析結果RAが正しいか否かの確証を得ることが可能となるので、分析結果RAが正しくない場合には、手術後に分析結果RAが正しいか否かを判定する場合と異なり、再手術を行うことなく検体試料の採取を行うことができる。
【0072】
また、第1実施形態では、上記のように、検体分析装置3は、検体試料を測定した測定データMDと、測定データMDを分析結果RAに変換する参照情報RIと、に基づいて、分析結果RAを取得するように構成されており、制御部41は、分析結果の詳細情報DRAとして、少なくとも、参照情報RIを取得するとともに、取得した参照情報RIを第2表示領域F2に表示するように構成されている。これにより、医師などは、参照情報RIを確認することが可能となるので、参照情報RIが正常であるか否かを把握することができる。その結果、参照情報RIが正常であった場合には、分析結果RAが妥当であると判断することができる。また、参照情報RIが異常であった場合には、分析結果RAが妥当ではないと判定することが可能であるとともに、分析結果RAが妥当でない原因が、参照情報RIであることを把握することができる。
【0073】
また、第1実施形態では、上記のように、参照情報RIは、検体試料に含まれる分析対象の検量線を含む。これにより、分析対象の検量線は、分析結果RAの根拠となる情報であるため、医師などは、検量線を確認することにより、分析結果RAの妥当性を把握することができる。その結果、医師などは、検量線が異常な場合には、分析結果RAが妥当でない原因が、検量線の異常であると判定することができる。
【0074】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部41は、分析結果の詳細情報DRAとして、測定データMDを取得するとともに、取得した測定データMDを第2表示領域F2に表示するように構成されている。これにより、医師などは、手術中において、測定データMDを確認することが可能となるので、測定データMDに、分析対象以外の物質が混入していないかなどを把握することができる。その結果、分析結果RAの妥当性を詳細に把握することが可能となるので、医師などは、分析結果RAが正しいか否かの確証をより得ることができる。
【0075】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部41は、第1表示領域F1とは別画面として第2表示領域F2を表示するように構成されている。これにより、それぞれの表示領域を切り替えて表示することが可能となるので、医師などは、確認したい情報が表示されている表示領域に切り替えることにより、確認したい情報の詳細な内容を把握することができる。
【0076】
また、第1実施形態では、上記のように、検体分析装置3は、1つの検体試料から、検体試料の採取位置Cの判定に用いる第1分析結果RA1と、副腎AGにおける疾患の有無の判定に用いる第2分析結果RA2とを取得するように構成されており、制御部41は、第1分析結果の詳細情報DRA1と第2分析結果の詳細情報DRA2とを取得するとともに、取得した第1分析結果の詳細情報DRA1および第2分析結果の詳細情報DRA2を、第2表示領域F2において並べて表示するように構成されている。これにより、医師などは、第1分析結果RA1と第2分析結果RA2とを確認することにより診断する場合に、第1分析結果の詳細情報DRA1および第2分析結果の詳細情報DRA2を一度に確認することができる。その結果、第1分析結果の詳細情報DRA1および第2分析結果の詳細情報DRA2を別々に確認する場合と比較して、医師などは、効率よく第1分析結果RA1の妥当性および第2分析結果RA2の妥当性を把握することが可能となるので、ユーザビリティ(ユーザの利便性)を向上させることができる。
【0077】
また、第1実施形態では、上記のように、臓器は、ホルモンを分泌する副腎AGを含み、制御部41は、副腎AGと副腎AG内の採取位置Cとが撮影されたX線画像Gと副腎AGから分泌されたホルモンの分析結果RAとを第1表示領域F1に表示し、ホルモンの分析結果の詳細情報DRAを第2表示領域F2に表示するように構成されている。ここで、ホルモンを分泌する副腎AG(臓器)において、分析結果RA(ホルモンの濃度など)は、検体試料が採取された位置(部位)が疾患の部位に近いほど、値が大きく(または小さく)なる場合がある。この場合に、上記のように、第1表示領域F1と、第2表示領域F2とを表示することにより、医師などは、検体試料の採取位置Cと、分析結果RAと、分析結果の詳細情報DRAとを確認することができる。その結果、分析結果RAの妥当性を把握することが可能となるので、疾患の部位の判定を行う際に、医師などは、確証を得た状態で判定することができる。
【0078】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部41は、手術室R1に設置されており、X線撮影装置2と接続されたワークステーション4に設けられおり、ネットワークNを介して検体分析装置3と接続されている。これにより、制御部41は、手術室R1において、ネットワークNを介して検体分析装置3から検体試料の分析結果RAおよび分析結果の詳細情報DRAを取得することができる。その結果、医師などは、検体分析装置3が設置されている場所に行くことなく、手術中において、検体試料の分析結果RAおよび分析結果の詳細情報DRAを把握することができる。
【0079】
また、第1実施形態では、上記のように、検体分析装置3は、液体クロマトグラフ部31(LC部31)および質量分析部32(MS部32)を備える、液体クロマトグラフ質量分析計を含む。これにより、医師などは、手術中において、液体クロマトグラフ質量分析計による検体試料の分析結果RAおよび分析結果の詳細情報DRAを把握することができる。
【0080】
また、第1実施形態では、上記のように、診断画像表示方法は、副腎AGから採取される検体試料の採取位置Cが判別可能な被検体TのX線画像Gを撮影するステップS1と、検体試料を分析して分析結果RAを生成するステップS2と、手術中に、X線画像Gと、分析結果RAと、分析結果の詳細情報DRAとを取得して、X線画像Gと分析結果RAとが表示された第1表示領域F1と、分析結果の詳細情報DRAが表示された第2表示領域F2とを別画面として表示部42に表示するステップS3とを含む。これにより、診断画像システム1と同様に、手術中において、分析結果RAの妥当性を判断するための情報(分析結果の詳細情報DRA)を確認することが可能であるとともに、分析結果RAが正しいか否かの確証を得ることが可能な診断画像表示方法を提供することができる。
【0081】
[第2実施形態]
次に、図1および図8を参照して、第2実施形態による診断画像システム100(図1参照)について説明する。制御部41が第1表示領域F1とは別画面として第2表示領域F2を表示する第1実施形態とは異なり、第2実施形態では、診断画像システム100の制御部51は、第1表示領域F1と第2表示領域F2とを表示部42の同一画面上に表示するように構成されている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
【0082】
図8に示すように、第2実施形態では、制御部51は、第1表示領域F1と第2表示領域F2とを表示部42の同一画面P1上に表示するように構成されている。具体的には、制御部51は、表示部42に第1表示領域F1を表示した状態において、第2表示領域F2を、ポップアップ表示するように構成されている。
【0083】
次に、図9を参照して、第2実施形態による診断画像システム100が診断画像を表示する処理について説明する。なお、第1実施形態と同様のステップについては、詳細な説明は省略する。
【0084】
ステップS1およびステップS2において、診断画像システム100は、X線画像Gおよび分析結果RAを取得する。その後、処理は、ステップS4へ進む。
【0085】
ステップS4において、制御部51は、手術中に、X線画像Gと、分析結果RAと、分析結果の詳細情報DRAとを取得して、表示部42に第1表示領域F1が表示された状態で、第2表示領域F2を表示部42にポップアップ表示し、処理を終了する。
【0086】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0087】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0088】
第2実施形態では、上記のように、制御部51は、表示部42に第1表示領域F1を表示した状態において、第2表示領域F2をポップアップ表示するように構成されている。これにより、第1表示領域F1と第2表示領域F2との両方の表示領域を同一の画面P1上において確認することが可能となるので、医師などは、検体試料の採取位置Cと、分析結果RAと、分析結果の詳細情報DRAとを一度に把握することができる。
【0089】
また、第2実施形態では、上記のように、手術中において、検体試料を採取し、採取した検体試料の分析を行うとともに、検体試料の分析結果RAを表示する診断画像表示方法であって、副腎AGから採取される検体試料の採取位置Cが判別可能な被検体TのX線画像Gを撮影するステップS1と、検体試料を分析して分析結果RAを生成するステップS2と、手術中に、X線画像Gと、分析結果RAと、分析結果の詳細情報DRAとを取得して、表示部42に第1表示領域F1を表示した状態において、第2表示領域F2をポップアップ表示するステップS4とを含む。これにより、第1実施形態における診断画像システム1と同様に、手術中において、分析結果RAの妥当性を判断するための情報(分析結果の詳細情報DRA)を確認することが可能であるとともに、分析結果RAが正しいか否かの確証を得ることができる。
【0090】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0091】
[第3実施形態]
次に、図1図10および図11を参照して、第3実施形態における診断画像システム110(図1参照)について説明する。制御部41が第2表示領域F2において、参照情報RIおよび測定データMDを表記する第1実施形態とは異なり、第3実施形態における診断画像システム110の制御部61は、第2表示領域F2において、検体試料の分析条件AC(図11参照)を表示するように構成されている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
【0092】
第3実施形態では、制御部61は、分析結果の詳細情報DRAとして、検体試料の分析を行った際の分析条件ACを取得するとともに、取得した分析条件ACを第2表示領域F2に表示するように構成されている。なお、第3実施形態では、制御部61は、第2表示領域F2において、参照情報RIおよび測定データMDの表示および分析条件ACの表示を切り替えて表示するように構成されている。
【0093】
図10に示すように、第3実施形態では、制御部61は、第2表示領域F2に表示する内容を切り替えるタブTbを表示する。分析結果タブTb1は、第2表示領域F2に分析結果の詳細情報DRAを表示させるためのタブTbである。また、分析条件タブTb2は、第2表示領域F2に分析条件ACを表示させるためのタブTbである。なお、図10に示す例では、便宜上、選択されたタブTbを太枠で囲んで表示している。
【0094】
制御部61は、第2表示領域F2において分析結果の詳細情報DRAが表示されている状態で、医師などによって分析条件タブTb2が選択(押下)されることにより、第2表示領域F2に分析条件ACを表示するように構成されている。
【0095】
図11に示す例では、LC部31およびMS部32によって分析を行った際の分析条件ACを表示している。表示する分析条件ACは、分析装置による分析の際の各種条件である。図11に示す例では、LC部31の分析条件ACとして、たとえば、装置名、カラムの型番、第1移動相、第2移動相、流速、タイムプログラム、オーブン温度、注入量を表示している。また、図11に示す例では、MS部32の分析条件ACとして、装置名、SIM(SIM測定(Selective Ion Monitoring)における選択したイオン)、DL電圧、Q-array DC電圧、データ取得時間、霧化ガス、加熱ガス、インターフェース温度、DL温度、HB温度、乾燥ガスを表示している。表示する分析条件ACは、分析を行った際の条件がわかる情報であれば、どのような情報を表示してもよい。
【0096】
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0097】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0098】
第3実施形態では、上記のように、制御部61は、分析結果の詳細情報DRAとして、検体試料の分析を行った際の分析条件ACを取得するとともに、取得した分析条件ACを第2表示領域F2に表示するように構成されている。これにより、医師などは、手術中において、分析結果RAと併せて検体試料の分析条件ACを確認することが可能となるので、分析時に設定ミスがあったか否かを確認することができる。その結果、分析結果RAの妥当性をより詳細に把握することが可能となるので、医師などは、分析結果RAが正しいか否かの確証をより一層得ることができる。
【0099】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0100】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0101】
たとえば、上記第1~第3実施形態では、制御部41(51、61)が第2表示領域F2において、測定データMDおよび参照情報RIを表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部41(51、61)は、測定データMDおよび参照情報RIのうち、どちらか一方を第2表示領域F2に表示するように構成されていてもよい。
【0102】
また、上記第3実施形態では、制御部61が第2表示領域F2において、測定データMDおよび参照情報RIの表示と、分析条件ACの表示とを、タブTbを用いて切り替える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部61は、第2表示領域F2において、測定データMDおよび参照情報RIと、分析条件ACとを同一画面上に表示するように構成されていてもよい。
【0103】
また、上記第1~第3実施形態では、制御部41(51、61)がワークステーション4に設けられる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部41は、X線撮影装置2に設けられていてもよい。すなわち、X線撮影装置2に設けられた制御部26が、X線画像Gと分析結果RAと分析結果の詳細情報DRAとを取得し、第1表示領域F1と、第2表示領域F2とを表示部26aに表示させるように構成されていてもよい。
【0104】
また、上記第3実施形態では、制御部61が、分析条件ACとして、LC部31およびMS部32による分析時の条件を第2表示領域F2に表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部61は、分析条件ACとして、LC部31による分析時の条件とMS部32による分析時の条件とのうち、どちらか一方を第2表示領域F2に表示するように構成されていてもよい。しかし、分析結果RAの妥当性を確認するためには、分析条件ACとして、LC部31による分析時の条件とMS部32による分析時の条件とを表示する方が好ましい。
【0105】
また、上記第1~第3実施形態では、制御部41(51、61)が、第2表示領域F2に、分析結果の詳細情報DRAとして、第1分析結果の詳細情報DRA1および第2分析結果の詳細情報DRA2を並べて表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部41(51、61)は、第2表示領域F2に、分析結果の詳細情報DRAとして、第1分析結果の詳細情報DRA1および第2分析結果の詳細情報DRA2のうちのどちらか一方を表示するように構成されていてもよい。しかし、分析結果RAの妥当性を確認するためには、第1分析結果の詳細情報DRA1および第2分析結果の詳細情報DRA2を並べて表示する方が好ましい。
【0106】
また、上記第1~第3実施形態では、血管から検体試料が採取される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、臓器内の所定の部位から組織片を採取してもよい。
【0107】
また、上記第1~第3実施形態では、検体分析装置3として、液体クロマトグラフ質量分析計を用いる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、検体分析装置3として、血中成分を分析するための血液分析装置や、血球分類装置、化学分析装置、酵素免疫分析装置などの分析装置を用いてもよい。検体試料の分析を行う際に、測定データMDと参照情報RIとを用いて分析結果RAを取得する構成であれば、どの様な分析装置を用いてもよい。また、検体分析装置3による測定または検出の対象物は、診断の目的となる疾患の種類によって異なるため、疾患の種類に応じて選択される。
【0108】
また、上記第1~第3実施形態では、制御部41(51、61)は、第1表示領域F1の解析情報ANに表示されている分析結果RAのうち、医師などによって選択された分析結果RAに対応する分析結果の詳細情報DRAを第2表示領域F2に表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部41(51、61)は、X線画像G上における採取位置Cの番号が選択されることにより、選択された採取位置Cの番号に対応する分析結果の詳細情報DRAを第2表示領域F2に表示するように構成されていてもよい。
【0109】
また、上記第1~第3実施形態では、X線撮影装置2と、ワークステーション4とが、接続部26eと接続部45とを介して接続される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、X線撮影装置2と、ワークステーション4とは、ネットワークNを介して接続されていてもよい。
【0110】
また、上記第1~第3実施形態では、検査情報Eがユーザーによって手動で登録される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ワークステーション4によって、識別情報Uが読み取られた際に、電子カルテなどから検査情報Eを取得し、登録するように構成されていてもよい。
【0111】
また、上記第2実施形態では、第1表示領域F1と、第2表示領域F2とを、同一画面P1上において表示する例として、制御部51が、画面P1に表示された第1表示領域F1が表示された状態で、第2表示領域F2をポップアップ表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。第1表示領域F1と、第2表示領域F2とを、同一画面P1上において表示する例として、たとえば、制御部51は、図12に示すように、画面P1に第1表示領域F1および第2表示領域F2を表示するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0112】
1、100、110 診断画像システム
2 X線撮影装置(放射線撮影装置)
3 検体分析装置
4 ワークステーション(制御装置)
31 LC部(液体クロマトグラフ部)
32 MS部(質量分析部)
42 表示部
AC 分析条件
AG 副腎(臓器)
N ネットワーク
R1 手術室
RA 分析結果
RA1 第1分析結果
RA2 第2分析結果
DRA 分析結果の詳細情報
DRA1 第1分析結果の詳細情報
DRA2 第2分析結果の詳細情報
T 被検体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12