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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】タンク
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
B41J2/175 141
B41J2/175 119
B41J2/175 169
B41J2/175 133
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021087633
(22)【出願日】2021-05-25
(62)【分割の表示】P 2016073591の分割
【原出願日】2016-03-31
(65)【公開番号】P2021120230
(43)【公開日】2021-08-19
【審査請求日】2021-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】刑部 吉記
(72)【発明者】
【氏名】林 雅洋
(72)【発明者】
【氏名】白野 太一
(72)【発明者】
【氏名】川越 政子
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-094547(JP,A)
【文献】特開2012-144017(JP,A)
【文献】特開2015-080908(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0191023(US,A1)
【文献】中国実用新案第202357594(CN,U)
【文献】特許第6891398(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 - 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体消費部を有する装置に据え置かれて、当該液体消費部と液体を流通可能に接続されており、使用において貯留が許容される液体の最大量が定められているタンクであって、
上記タンクの使用姿勢において第1方向に離れた一対の側壁を構成する筐体は、
液体を貯留する第1貯留室と、
液体を貯留する第2貯留室であって、上記第1貯留室と連通する第2貯留室と、
上記第2貯留室及び上記筐体の外部を連通する液体流路と、
上記第1貯留室に液体を注入するための液体注入口と、
上記第1貯留室及び上記第2貯留室を連通する第1連通口と、
上記タンクの外面に示される第1ラインと、
上記タンクの外面に示される第2ラインであって、上記使用姿勢において上記第1ラインよりも下方に位置する第2ラインと、を具備しており、
上記液体流路は、上記使用姿勢における上記タンク内に液面が上記第1ラインの高さとなる液体が上記第1貯留室及び上記第2貯留室に貯留されているとき、少なくとも当該液面よりも上方に位置する部分を有しており、
上記使用姿勢における上記タンク内に液面が上記第1ラインの高さとなる液体が上記第1貯留室及び上記第2貯留室に貯留されているときに、鉛直方向において上記一対の側壁の一方が上記タンクの上端となる上記タンクの回転姿勢において、上記第1連通口は液体の液面よりも上方に位置するタンク。
【請求項2】
液体消費部を有する装置に据え置かれて、当該液体消費部と液体を流通可能に接続されており、使用において貯留が許容される液体の最大量が定められているタンクであって、
上記タンクの使用姿勢において第1方向に離れた一対の側壁を構成する筐体は、
液体を貯留する第1貯留室と、
液体を貯留する第2貯留室であって、上記第1貯留室と連通する第2貯留室と、
上記第2貯留室及び上記筐体の外部を連通する液体流路と、
上記第1貯留室に液体を注入するための液体注入口と、
上記タンクの外面に示される第1ラインと、
上記タンクの外面に示される第2ラインであって、上記使用姿勢において上記第1ラインよりも下方に位置する第2ラインと、
上記第2貯留室及び上記液体流路を連通する第2連通口と、を具備しており、
上記液体流路は、上記使用姿勢における上記タンク内に液面が上記第1ラインの高さとなる液体が上記第1貯留室及び上記第2貯留室に貯留されているとき、少なくとも当該液面よりも上方に位置する部分を有しており、
上記使用姿勢における上記タンク内に液面が上記第1ラインの高さとなる液体が上記第1貯留室及び上記第2貯留室に貯留されているときに、鉛直方向において上記一対の側壁の一方が上記タンクの上端となる上記タンクの回転姿勢において、上記第2連通口は液体の液面よりも上方に位置するタンク。
【請求項3】
上記筐体は、上記第1貯留室又は上記第2貯留室の少なくとも一方と上記タンクの外部とを連通する大気開放口を更に有する請求項1又は2に記載のタンク。
【請求項4】
上記筐体は、
フレームと、
上記フレームに接着されて上記一対の側壁の少なくとも一部を構成するフィルムと、
上記第2貯留室と上記液体流路との間に介在するバッファ室と、
上記第2貯留室及び上記バッファ室を連通する第3連通口と、を更に具備しており、
上記第2連通口は、上記液体流路と上記バッファ室とを連通するものであって、上記フレームの壁によって全周が区画されたものであり、
上記第3連通口は、全周のうち少なくとも一部が上記フィルムによって区画されたものである請求項に記載のタンク。
【請求項5】
上記第3連通口は、全周のうち少なくとも一部が、上記使用姿勢における上記第2貯留室の底面によって区画されたものである請求項に記載のタンク。
【請求項6】
上記使用姿勢における上記タンク内に液面が上記第1ラインの高さとなる液体が上記第1貯留室及び上記第2貯留室に貯留されているとき、上記回転姿勢において、上記第3連通口は液体の液面よりも上方に位置する請求項4又は5に記載のタンク。
【請求項7】
上記第1ラインは、上記タンクの外面に凸形状で示される請求項1から6のいずれかに記載のタンク。
【請求項8】
上記第2ラインは、上記タンクの外面に凸形状で示される請求項1から7のいずれかに記載のタンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体注入口を通じて液体を補充可能なタンクに関する。
【背景技術】
【0002】
インクを補充可能なタンクと、当該タンクから供給されたインクをノズルから吐出して用紙に画像を記録する記録ヘッドとを有するプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。タンク内のインクが消費されると、使用者はタンクの液体注入口からボトルに貯留されたインクを補充可能である。
【0003】
記録ヘッドは、キャリッジに搭載されて主走査方向へ移動しつつインク滴を画像データに基づいて吐出する。記録ヘッドから吐出されたインク滴がシートなどの被記録媒体に着弾することによって画像記録が行われる。記録ヘッドがインク滴を吐出しないときには、主走査方向の一方の端へキャリッジが移動されて待機状態となる。待機状態において、記録ヘッドのノズルの乾燥を防止する等を目的として、記録ヘッドのノズル面がキャップにより覆われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-51306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プリンタは、輸送や梱包等においては使用姿勢ではなく、例えば左右方向の側壁が上下になるように載置されることがある。また、ユーザによりプリンタが移動されるときに、使用姿勢からプリンタが傾けられることがある。その結果、記録ヘッドのノズル面よりタンクが上方に位置することがある。例えば、記録ヘッドがキャップされておらず、振動などによってノズルのメニスカスが壊れると、重力によって、タンクに貯留されているインクが記録ヘッドから漏れ出すおそれがある。特にユーザのもとでプリンタに故障等が発生した場合、ユーザはタンク内にインクを入れたままプリンタを梱包して輸送をすることがあり、このような場合に記録ヘッドからインクが漏れ出す状況が発生することがある。このようなインク漏れは、できる限り最小とすることが望まれる。特に、大容量のタンクを備えたプリンタにおいて、インクが漏れる量を少なくするという要望が強い。
【0006】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体消費部を通じてタンクから漏れ出す液体の量を少なくできる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明は、液体消費部を有する装置に据え置かれて、当該液体消費部と液体を流通可能に接続されたタンクに関する。上記タンクの使用姿勢において第1方向に離れた一対の側壁を構成する筐体は、液体を貯留する第1貯留室と、液体を貯留する第2貯留室と、上記第2貯留室及び上記筐体の外部を連通する液体流路と、上記第1貯留室に液体を注入するための液体注入口と、上記第1貯留室及び上記第2貯留室を連通する第1連通口と、上記第2貯留室及び上記液体流路を連通する第2連通口と、を具備する。上記使用姿勢における上記タンク内に貯留が許容される最大量の液体が上記第1貯留室及び上記第2貯留室に貯留されているときに、鉛直方向において上記一対の側壁の一方が上記タンクの上端となる上記タンクの回転姿勢において、上記第1連通口は当該最大量の液体の液面よりも上方に位置する。
【0008】
装置が回転されて、或いは傾けられて、筐体の一対の側壁の一方がタンクの上端となる回転姿勢にタンクがなったとしても、使用姿勢におけるタンク内に貯留が許容される最大量の液体の液面よりも第1連通口が上方に位置するので、第1貯留室から第2貯留室へ液体が流出することがない。これにより、回転姿勢のタンクにおいて、第1貯留室に貯留された液体が液体流路を通じてタンクの外部へ流出することが防止される。
【0009】
(2) 好ましくは、上記使用姿勢における上記タンク内に貯留が許容される最大量の液体が上記第1貯留室及び上記第2貯留室に貯留されているとき、上記回転姿勢において、上記第2連通口は当該最大量の液体の液面よりも上方に位置する。
【0010】
装置が回転されて、或いは傾けられて、筐体の一対の側壁の一方がタンクの上端となる回転姿勢にタンクがなったとしても、使用姿勢におけるタンク内に貯留が許容される最大量の液体の液面よりも第2連通口が上方に位置するので、第2貯留室から液体流路へ液体が流出することがない。これにより、回転姿勢のタンクにおいて、第2貯留室に貯留された液体が液体流路を通じてタンクの外部へ流出することが防止される。
【0011】
(3) 好ましくは、上記液体流路は、上記使用姿勢における上記タンク内に貯留が許容される最大量の液体が上記第1貯留室及び上記第2貯留室に貯留されているとき、少なくとも当該最大量の液面よりも上方に位置する部分を有する。
【0012】
装置が傾けられて、液体消費部から液体が流出する状態となっても、使用姿勢におけるに貯留が許容される最大量の液体の液面よりも、液体流路の一部が上方にあることにより、第1貯留室及び第2貯留室から液体がタンクの外部へ流出することがない。
【0013】
(4) 好ましくは、上記タンクは、上記装置の上記第1方向において、上記一対の側壁の一方が位置する方向へオフセットしている。
【0014】
(5) 好ましくは、上記液体消費部は、上記使用姿勢において上記第1方向に沿って移動するものであって、上記回転姿勢において上方となる移動端において液体が流出する開口が密封され、当該移動端より下方において上記開口が開放される。
【0015】
(6) 好ましくは、上記筐体は、上記第1貯留室又は上記第2貯留室の少なくとも一方と上記タンクの外部とを連通する大気開放口を更に有する。
【0016】
(7) 好ましくは、上記筐体は、フレームと、上記フレームに接着されて上記一対の側壁の少なくとも一部を構成するフィルムと、上記筐体は、上記第2貯留室と上記液体流路との間に介在するバッファ室と、上記第2貯留室及び上記バッファ室を連通する第3連通口と、を更に具備しており、上記第2連通口は、上記液体流路と上記バッファ室とを連通するものであって、上記フレームの壁によって全周が区画されたものであり、上記第3連通口は、全周のうち少なくとも一部が上記フィルムによって区画されたものである。
【0017】
第2連通口の全周がフレームの壁によって区画されているので、第2連通口において液体のメニスカスが維持されやすい。これにより、液体流路へ気体が進入することが抑制される。
【0018】
(8) 好ましくは、上記第3連通口は、全周のうち少なくとも一部が、上記使用姿勢における上記第2貯留室の底面によって区画されたものである。
【0019】
上記構成によれば、第2貯留室に貯留されて液体流路へ流出されない液体の量を少なくできる。
【0020】
(9) 好ましくは、上記使用姿勢における上記タンク内に貯留が許容される最大量の液体が上記第1貯留室及び上記第2貯留室に貯留されているとき、上記回転姿勢において、上記第3連通口は当該最大量の液体の液面よりも上方に位置する。
【0021】
装置が回転されて、或いは傾けられて、筐体の一対の側壁の一方がタンクの上端となる回転姿勢にタンクがなったとしても、使用姿勢におけるタンク内に貯留が許容される最大量の液体の液面よりも第3連通口が上方に位置するので、第2貯留室からバッファ室へ液体が流出することがない。これにより、回転姿勢のタンクにおいて、第2貯留室に貯留された液体が液体流路を通じてタンクの外部へ流出することが防止される。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るタンクによれば、液体消費部を通じてタンクから漏れ出す液体の量を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、複合機10の外観斜視図であって、(A)はカバー70が閉位置である状態、(B)はカバー70が開位置である状態を示す。
図2図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
図3図3は、キャリッジ23及びタンクセット99の配置を示す平面図である。
図4図4は、インクタンク100の前方斜視図である。
図5図5は、インクタンク100の後方斜視図である。
図6図6は、インクタンク100の右側面図である。
図7図7は、インクタンク100の左側面図である。
図8図8は、インクタンク100Bの前方斜視図である。
図9図9は、インクタンク100Bの後方斜視図である。
図10図10は、インクタンク100Bの右側面図である。
図11図11は、インクタンク100Bの左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。換言すれば、向きは方向の一成分である。さらに、複合機10及び複合機10に据え付けられたインクタンク100が使用可能に水平面に設置された姿勢(図1の姿勢であって、「使用姿勢」と表記することがある。)を基準として上下方向7が定義され、複合機10の開口13が設けられている面を前面として前後方向8が定義され、複合機10を前面から見て左右方向9(第1方向の一例)が定義される。本実施形態では、使用姿勢において、上下方向7が鉛直方向に相当し、前後方向8及び左右方向9が水平方向に相当する。
【0025】
[複合機10の全体構成]
図1に示されるように、複合機10は、概ね直方体形状である。複合機10は、インクジェット記録方式で用紙12(図2参照)に画像を記録するプリンタ部11を下部に有している。プリンタ部11は、前壁14Aに開口13が形成された筐体14を有している。筐体14の左右方向9の両端には、一対の側壁14B,14Cが設けられている。使用姿勢において、側壁14B,14Cの外面は、上下方向7及び前後方向8に拡がっている。図2に示されるように、筐体14の内部には、給送部15と、給送トレイ20と、排出トレイ21と、搬送ローラ部54と、記録部24と、排出ローラ部55と、プラテン42と、タンクセット99とが配置されている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。プリンタ部11が液体消費部を有する装置の一例である。
【0026】
[給送トレイ20、排出トレイ21]
図1に示されるように、給送トレイ20は、開口13を通じて前後方向8に沿ってユーザによって複合機10に対して挿抜される。開口13は、複合機10の前面で且つ左右方向9の中央部に位置する。給送トレイ20は、積層された複数の用紙12を支持可能である。排出トレイ21は、給送トレイ20の上方に配置されており、給送トレイ20と共に挿抜される。排出トレイ21は、排出ローラ部55によって記録部24とプラテン42との間から排出された用紙12を支持する。
【0027】
[給送部15]
給送部15は、給送トレイ20に支持された用紙12を搬送経路65へ給送する。図2に示されるように、給送部15は、給送ローラ25と、給送アーム26と、軸27とを備える。給送ローラ25は、給送アーム26の先端に回転可能に支持されている。給送ローラ25は、搬送モータ(不図示)の逆転によって、用紙12を搬送向き16に搬送する向きに回転する。以下、給送ローラ25、搬送ローラ60、及び排出ローラ62が、用紙12を搬送向き16に搬送する向きに回転することを、「正回転」と表記する。給送アーム26は、プリンタ部11のフレームに支持された軸27に回動可能に支持されている。給送アーム26は、自重或いはバネ等による弾性力によって給送トレイ20に向かって回動付勢されている。
【0028】
[搬送経路65]
図2に示されるように、搬送経路65は、その一部がプリンタ部11の内部において、所定間隔で対向する外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19によって形成される空間を指す。搬送経路65は、給送トレイ20の後端部から後方に延びる経路である。搬送経路65は、プリンタ部11の後部において上方に延びつつ前方Uターンし、記録部24とプラテン42との間の空間を経て排出トレイ21に至る経路である。図2及び図3に示されるように、搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間における搬送経路65は、左右方向9における複合機10の概ね中央部に設けられており、且つ前後方向8に延びている。搬送経路65内における用紙12の搬送向き16は、図2において一点鎖線の矢印で示されている。
【0029】
[搬送ローラ部54]
図2に示されるように、搬送ローラ部54は、記録部24より搬送向き16の上流に配置されている。搬送ローラ部54は、互いに対向する搬送ローラ60及びピンチローラ61を有する。搬送ローラ60は、搬送モータによって駆動される。ピンチローラ61は、搬送ローラ60の回転に伴って連れ回る。用紙12は、搬送モータの正転によって正回転する搬送ローラ60及びピンチローラ61に挟持されて搬送向き16に搬送される。
【0030】
[排出ローラ部55]
図2に示されるように、排出ローラ部55は、記録部24より搬送向き16の下流に配置されている。排出ローラ部55は、互いに対向する排出ローラ62及び拍車63を有する。排出ローラ62は、搬送モータによって駆動される。拍車63は、排出ローラ62の回転に伴って連れ回る。用紙12は、搬送モータの正転によって正回転する排出ローラ62及び拍車63に挟持されて搬送向き16に搬送される。
【0031】
[記録部24]
図2に示されるように、記録部24は、搬送向き16における搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に配置されている。記録部24は、搬送経路65を挟んでプラテン42と上下方向7に対向配置されている。記録部24は、キャリッジ23と、記録ヘッド39(液体消費部の一例)とを備えている。
【0032】
図3に示されるように、キャリッジ23は、前後方向8に離間する位置において各々が左右方向9に延設されたガイドレール43、44に支持されている。ガイドレール43、44は、プリンタ部11のフレームに支持されている。キャリッジ23は、ガイドレール44に設けられた公知のベルト機構に連結されている。ベルト機構は、キャリッジモータ(不図示)によって駆動される。ベルト機構に連結されたキャリッジ23は、キャリッジモータの駆動によって左右方向9に沿って往復移動する。キャリッジ23の移動範囲は、図3の一点鎖線で示されるように、搬送経路65より右方及び左方にまで及ぶ。
【0033】
キャリッジ23からは、インクチューブ32とフレキシブルフラットケーブル33とが延出されている。
【0034】
インクチューブ32は、タンクセット99及び記録ヘッド39をインクを流通可能に接続するものである。インクチューブ32は、タンクセット99を構成する4つのインクタンク100B、100Y、100C、100M(これらを総称して、「インクタンク100」と表示することがある。)に貯留されたインクを記録ヘッド39に供給する。詳細には、各色(ブラック、マゼンタ、シアン、イエロー)のインクが流通する4本のインクチューブ32B、32Y、32C、32M(これらを総称して、「インクチューブ32」と表記することがある。)が、それぞれインクタンク100B、100Y、100C、100Mから延出され、これらが束ねられた状態でキャリッジ23と接続されている。
【0035】
フレキシブルフラットケーブル33は、制御部(不図示)が実装された制御基板及び記録ヘッド39を電気的に接続するものである。フレキシブルフラットケーブル33は、制御部から出力される制御信号を記録ヘッド39に伝達する。
【0036】
図2に示されるように、キャリッジ23は、記録ヘッド39を搭載している。記録ヘッド39の下面には、複数のノズル40(開口の一例)が配置されている。複数のノズル40の先端は、記録ヘッド39の下面から露出している。以下、ノズル40の先端が露出された面を「ノズル面」と表記することがある。記録ヘッド39は、ノズル40からインクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ23が移動する過程において、プラテン42に支持されている用紙12に向けて記録ヘッド39がインク滴を吐出する。これにより、用紙12に画像が記録される。また、これにより、インクタンクに貯留されたインクが消費される。
【0037】
プリンタ部11は、メンテナンス機構(不図示)を備えている。メンテナンス機構は、記録ヘッド39のメンテナンスを行うものである。詳細には、メンテナンス機構は、ノズル40内のインクや空気を吸引するパージ動作やノズル面に付着した異物等の除去動作を実行する。メンテナンス機構は、記録ヘッド39のノズル40から吸引したインクをチューブ(不図示)を通じて廃インクタンク(不図示)に送り出す。メンテナンス機構は、搬送経路65よりも右方の移動端に位置するキャリッジ23の真下となる位置に配置されている。
【0038】
パージ動作が実行される前に、キャリッジ23はメンテナンス機構の真上に移動する。その後、メンテナンス機構のキャップ(不図示)が上方へ移動してノズル面を覆う。キャップはチューブを介して廃インクタンクに連結している。チューブにはロータリー式のチューブポンプが配置されている。チューブポンプが駆動することによって、チューブが扱かれる。これにより、記録ヘッド39内のインクが吸引される。吸引されたインクは、キャップ及びチューブを通じて廃インクタンクへ排出される。記録ヘッド39がキャップされることによって、記録ヘッド39のノズル40が密封される。記録ヘッド39がキャップされていないとき、ノズル40は開放されている。
【0039】
なお、チューブは、少なくとも一箇所において、ロータリー式のチューブポンプによって塞がれた状態である。
【0040】
[プラテン42]
図2及び図3に示されるように、プラテン42は、搬送向き16における搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に配置されている。プラテン42は、搬送経路65を挟んで記録部24と上下方向7に対向配置されている。プラテン42は、搬送ローラ部54によって搬送される用紙12を下方から支持する。
【0041】
[タンクセット99]
タンクセット99は、記録ヘッド39に供給されるインクを貯留するものである。図1に示されるように、タンクセット99は、4つのインクタンク100B、100Y、100C、100Mを備える。各インクタンク100には、異なる色のインクが貯留される。具体的には、インクタンク100Bにはブラックインクが貯留され、インクタンク100Yにはイエローインクが貯留され、インクタンク100Cにはシアンインクが貯留され、インクタンク100Mにはマゼンタインクが貯留される。但し、インクタンク100の数及びインクの色は上記の例に限定されない。
【0042】
4つのインクタンク100B、100Y、100C、100Mは、左右方向9に沿って一列に並んで配置されている。4つのインクタンク100B、100Y、100C、100Mの中で、インクタンク100Bが最も右に配置され、インクタンク100Mが最も左に配置されている。なお、インクタンク100の配置位置は、前記に限らない。インクタンク100Bは、他のインクタンク100Y、100C、100Mよりもサイズ、特に左右方向9における幅が大きい。なお、インクタンク100のサイズの大小関係は、前記に限らない。インクタンク100Bは、他のインクタンク100Y、100C、100Mよりもインクの許容貯留量が大きい。なお、インクタンク100の許容貯留量の大小関係は、前記に限らない。
【0043】
図1に示されるように、タンクセット99は、筐体14の右前部において、筐体14の内部に据え置かれている。換言すれば、タンクセット99は、複合機10から容易に取り外すことができないように、複合機10に固定されている。なお、「容易に取り外すことができない」とは、例えば、使用者が通常の使用状態における複合機10の筐体14からタンクセット99を容易に取り外すことができないことを意味しており、熟練した修理者が複合機10の筐体14からタンクセット99を修理のために取り外すような場合を除く趣旨である。従って、使用者が通常の使用状態における複合機10の筐体14からタンクセット99を容易に取り外すことができなければよい。タンクセット99の位置は、筐体14の左右方向9において、側壁14Bより側壁14Cに近くなるようにオフセットされている。換言すれば、タンクセット99は、筐体14は、複合機10を正面から(前面に向かって)見たときに、左右方向9の右端近くに位置する。
【0044】
各インクタンク100の前面は、筐体14の前壁14Aの右部に形成された開口22を通じて、複合機10の外部に露出している。開口22は、左右方向9において、開口13と隣接している。筐体14には、カバー70が設けられている。カバー70は、開口22を覆う閉位置(図1(A)に示される位置)と、開口22を露出させる開位置(図1(B)に示される位置)との間を回動可能である。カバー70は、上下方向7の下端近傍において左右方向9に延びる回動軸(不図示)の回動軸線70A周りに回動可能に、筐体14によって支持されている。
【0045】
以下に、インクタンク100の構成が詳細に説明される。インクタンク100Y、100C、100Mは、同構成であるため、以下では、インクタンク100Y、100C、100Mのうちの1つをインクタンク100と称して、それ構成が説明される。また、インクタンク100Bの構成は、インクタンク100Y、100C、100Mの構成と類似しているため、インクタンク100Y、100C、100Mの構成の説明の後で、インクタンク100Y、100C、100Mと異なる部分について、その構成が説明される。この場合、インクタンク100Bと、インクタンク100Y、100C、100Mとの構成において形状が多少異なっていたとしても同様な機能を有する構成には同一の符号が付されている。なお、以下の説明では、特に記載のない限り、複合機10及び複合機10に据え置かれたインクタンク100は使用姿勢である。
【0046】
[インクタンク100]
図4及び図5に示されるように、インクタンク100は、インクタンクの外形を形成する筐体140で構成されている。筐体140は、フレーム141と、2枚のフィルム142、143とを備える。
【0047】
フレーム141は、全体として、左右方向9に沿った寸法が短く、上下方向7及び前後方向8それぞれに沿った寸法が左右方向9に沿った寸法よりも長い扁平の直方体形状である。また、前後方向8の寸法は、上下方向7の寸法よりも長い。つまり、インクタンク100は、前後方向8に沿った第1辺と、当該第1辺よりも短い上下方向7に沿った第2辺と、当該第2辺よりもい短い左右方向9に沿った第3辺とを有する。
【0048】
フレーム141は、後述するインク室111内のインクがインクタンク100の外部から視認可能な程度の透光性を有する樹脂で形成されている。フレーム141は、例えば、ポリプロピレンで形成されている。フレーム141は、例えば、樹脂材料を射出成型することによって一体成型されている。フレーム141の剛性は、フィルム142、143の剛性よりも高い。
【0049】
なお、フレーム141は、樹脂以外で構成されていてもよい。また、フレーム141は、複数の部材が組み合わされた構成であってもよい。例えば、後述する第1インク室131と第2インク室132とが、それぞれ別の2つの筐体で構成されており、これら2つの筐体がチューブなどによって連結されていてもよい。
【0050】
フレーム141は、前壁101と、左壁103と、上壁104と、下壁105と、後壁110と、内壁69、71~79、151~155とを備える。
【0051】
前壁101は、立壁102と傾斜壁106とで構成されている。立壁102は、上下方向7及び左右方向9に拡がっている。傾斜壁106は、立壁102の上端及び上壁104の前端を連結する壁であり、且つ上下方向7及び前後方向8に対して傾斜している。
【0052】
左壁103は、前壁101の左端から後方へ延びる壁である。左壁103の上端は、上壁104の前部と接続されている。左壁103の下端は、下壁105の前部と接続されている。換言すれば、左壁103は、前壁101の左端と、上壁104の前部左端と、下壁105の前部左端と、を連結する壁である。つまり、左壁103は、フレーム141の前部のみに設けられており、フレーム141の後部には設けられていない。
【0053】
上壁104は、前壁101の上端(傾斜壁106の後端)から後方へ延びている。上壁104の前部は、左壁103の上端と接続されている。フレーム141における上壁104の前後方向8の概ね中央部から後部に亘って、上方へ突出した凸部144が形成されている。凸部144は、上壁104の前後方向8の概ね中央部から上方へ突出した前壁144Aと、上壁104の後部から上方へ突出した後壁144Bと、前壁144Aの上端と後壁144Bの上端とを連結する上壁144Cとを備えている。
【0054】
下壁105は、前壁101の下端から後方へ延びる壁である。下壁105は、上壁104から上下方向7における下方に離れて形成されている。上述されたように、下壁105の前部は、左壁103の下端と接続されている。下壁105の左端部は、上方へ屈曲している。屈曲した下壁105の上端は、後述する内壁72の下面に接続している(図5参照)。
【0055】
後壁110は、前壁101から前後方向8における後方に離れて形成されている。上述されたように、後壁110の上端は、上壁104の後端と接続されている。後壁110の下端は、下壁105の後端と接続されている。後壁110の左部は、後壁110の右部よりも前後方向8に長く構成されている。この長く構成された後壁110の左部には、後述するインク流出路114が形成される。
【0056】
図6及び図7に示されるように、内壁71は、上壁104及び凸部144の上壁144Cから下方へ延びている。内壁71は、上下方向7及び前後方向8に拡がる壁である。内壁71は、図6及び図7に示されるハッチングの範囲に設けられている。内壁71は、左右方向9において、フレーム141の右端と左端の間のいずれかの位置に設けられている。例えば、内壁71は、左右方向9において、フレーム141の概ね中央部に設けられている。これにより、内壁71が設けられている箇所において、フレーム141の内部は、左右に分割されている。また、内壁71は、左右方向9において、フレーム141の右端に近い位置やフレーム141の左端に近い位置に設けられていてもよい。なお、内壁71は、後述する連通路の一部を規定するため、フレーム141の右端及び左端を含まない位置が望ましい。
【0057】
図4及び図5に示されるように、内壁72は、上下方向7において、上壁104と下壁105との間における下壁105近傍に設けられている。内壁72は、下壁105の前端部から後端部まで、上方へ傾斜しつつ後方へ延びている。内壁72の前端は、下壁105の前端部側の部位と接続している。内壁72の後端は、後壁110の前方であって後壁110から離れている。
【0058】
内壁73は、上下方向7において、内壁72の後端から、後壁110との間の間隔を一定に維持しつつ、概ね上方へ延びている。内壁73は、凸部144の外形に沿うように屈曲しつつ、凸部144の内部まで延びている。内壁73の上端は、凸部144の上壁1444Cの下方であって上壁144Cから離れている。内壁73の一部(後述する内壁75よりも下方の一部)は、フレーム141の右端から左端に亘って設けられている。一方、内壁73のその他の部分は、フレーム141の右端から内壁71に亘って設けられている。
【0059】
内壁69は、上下方向7及び前後方向8に拡がっている。内壁69は、上下方向7において内壁72と後述する内壁75との間に位置している。内壁69は、内壁73の前方に位置している。内壁69は、左右方向9においてフレーム141の概ね中央部に設けられている。これにより、内壁69が設けられている箇所において、後述する第1インク室131の後インク室138は左右に分割されている。内壁69の下端は、内壁72の後部に接続されている。内壁69の上端は、内壁75の後部に接続されている。内壁69の後端は、内壁73に接続されている。
【0060】
以下に説明する内壁74~77は、内壁71(図6参照)から右方へ延びている。換言すると、内壁74~77は、内壁71からフレーム141の右端に亘って設けられている。
【0061】
図4及び図6に示されるように、内壁74は、上壁104の下面104Aの前部において下方へ延びている。内壁74の左端は左壁103に接続されており、前後方向8における内壁74の後面は、内壁71の前端と接続されている。
【0062】
内壁75は、内壁74の下端から後方へ延びている。内壁75の後端は、内壁73と接続されている。
【0063】
内壁76は、内壁73の上端から前方へ延びている。つまり、内壁76は、内壁75よりも上方に位置する。内壁76の前端は、後述する貫通孔175よりも後方に位置する。
【0064】
内壁77は、凸部144の前壁144Aの下端から後方へ延びている。内壁77の前部は、上下方向7において、凸部144の上壁144Cと内壁75との間に位置しており、上壁104及び内壁75のそれぞれと上下方向7において対向している。内壁77の後部は、内壁76と内壁75との間に位置しており、内壁76及び内壁75のそれぞれと上下方向7において対向している。内壁77の後端は、内壁73の前方であって内壁73から離れている。
【0065】
以下に説明する内壁78、79は、内壁71(図6及び図7参照)から右方及び左方へ延びている。換言すると、内壁78、79は、フレーム141の右端から左端に亘って設けられている。
【0066】
図4及び図5に示されるように、内壁78は、上下方向7及び左右方向9に拡がっている。内壁78は、凸部144の前壁144Aの後方に前壁144Aと離れて設けられている。内壁78は、前後方向8において、貫通孔175を挟んで内壁76と対向している。つまり、内壁78は、前後方向8において、前壁144Aと貫通孔175との間に設けられている。
【0067】
内壁79は、上下方向7及び左右方向9に拡がっている。内壁79は、内壁74よりも後方、且つ内壁69よりも前方に位置している。内壁79の上端は、内壁75と接続されている。内壁79の下端は、内壁72と接続されている。内壁79の左端は、左壁103と接続されている。
【0068】
以下に説明する内壁151、152は、内壁71(図7参照)から左方へ延びている。換言すると、内壁151、152は、内壁71からフレーム141の左端に亘って設けられている。
【0069】
図5及び図7に示されるように、内壁151は、凸部144の前壁144Aの下端と、凸部144の上壁144Cの後部とを結ぶ壁である。内壁151は、前壁144Aの下端から後方へ延びており、次いで上方へ延びており、次いで後方へ延びており、次いで上方へ延びており、上壁144Cへ至る。
【0070】
内壁152は、凸部144の上壁144Cの2箇所を結ぶ壁である。当該2箇所は、上壁144Cの前端部と、上壁144Cの前後方向8の中央部である。内壁152は、上壁144Cの前端部の下面から下方へ延びており、次いで後方へ延びており、次いで上方へ延びており、上壁144Cの前後方向8の中央部の下面へ至る。内壁152は、インクタンク100を左から視た側面視において、上壁144Cと内壁151とによって囲まれている。
【0071】
図4に示されるように、フレーム141の右面は開放されている。前壁101、下壁105、後壁110、上壁104、内壁72~79、凸部144の前壁144A、凸部144の後壁144B、及び凸部144の上壁144Cの右面にフィルム142が溶着されることによって、フレーム141の右面が封止される。フィルム142によって、筐体140の右方の側壁が構成される。
【0072】
図5に示されるように、フレーム141の左面の後部は開放されている。後壁110、上壁104、内壁72、内壁79、内壁151、内壁152、凸部144の前壁144A、凸部144の後壁144B、凸部144の上壁144C、及び後述する隔壁186の左面にフィルム143が溶着されることによって、フレーム141の左面が封止される。フィルム143によって、筐体140の左方の側壁の一部が構成される。
【0073】
図4に示されるように、前壁101の立壁102の外面(前面)は、第1ライン146と第2ライン147とを備える。
【0074】
第1ライン146は、左右方向9に延びている。第1ライン146の上下方向7の位置は、インクタンク100が使用姿勢において、貯留が許容される最大量のインクがインク室111に貯留されたときの、当該インクの液面と同じ高さである。なお、第1ライン146の上下方向7の位置は、当該最大量のインクがインク室111に貯留されたときの、当該インクの液面と同じ高さに限らない。
【0075】
第2ライン147は、左右方向9に延びている。第2ライン147は第1ライン146よりも下方に位置している。詳細には、第2ライン147の上下方向7の位置は、インクタンク100が使用姿勢において、上記最大量よりも少ない量のインクがインク室111に貯留されたときの、当該インクの液面と同じ高さである。本実施形態において、第2ライン147の上下方向7の位置は、インクタンク100が使用姿勢において、インクの補充が必要となる最小貯留量のインクがインク室111に貯留されたときの、当該インクの液面と同じ高さである。
【0076】
[インク室111]
図4及び図5に示されるように、筐体140は、その内部にインク室111を有する。インク室111は、インクタンク100の内部空間であり、インクが貯留される。インク室111は、第1インク室131(第1貯留室の一例)と第2インク室132(第2貯留室の一例)とを備える。
【0077】
第1インク室131は、以下で説明する空間と、当該空間と連通された大気連通路の第1連通路171を備える。第2インク室132は、以下で説明する空間と、当該空間と連通された大気連通路の第2連通路172と、バッファ室148と、インク流出路114(液体流路の一例)とを備える。大気連通路、バッファ室148、及びインク流出路114については、後述する。
【0078】
第1インク室131は、前壁101、左壁103、下壁105、後壁110、内壁72、内壁73、内壁74、内壁75、上壁104、内壁151、凸部144の上壁144C、フィルム142、及びフィルム143によって区画されている。前壁101は、第1インク室131の前面を区画している。下壁105及び内壁72は、第1インク室131の下面を区画している。内壁73は、第1インク室131の後面を区画している。内壁75、内壁74、及び上壁104は、第1インク室131の上面を区画している。フィルム142は、第1インク室131の右面を区画している。左壁103及びフィルム143は、第1インク室131の左面を区画している。
【0079】
第1インク室131は、内壁79によって、前インク室137と後インク室138とに分割されている。内壁79の前面は、前インク室137の後面を区画している。内壁79の後面は、後インク室138の前面を区画している。
【0080】
内壁79の上端部は、右端から左方へ切り欠かれている。これにより、内壁79の上端部には、開口135が形成されている。開口135は、内壁79、内壁75、及びフィルム142によって区画されている。内壁79の下端部は、右端から左方へ切り欠かれている。これにより、内壁79の下端部には、開口136が形成されている。開口136は、内壁79、内壁72、及びフィルム142によって区画されている。前インク室137と後インク室138とは、開口135、136によって連通している。
【0081】
図4及び図6に示されるように、第2インク室132は、第1インク室131の下方及び後方に位置する。第2インク室132は、インクタンク100を左から視た側面視において、概ねL字形状である。第2インク室132は、下インク室51と上インク室52とを備える。下インク室51は、第1インク室131の下方に位置する。上インク室52は、下インク室51の後端部から上方へ延びている。上インク室52は、第1インク室131の後インク室138の後方に位置する。
【0082】
下インク室51は、下壁105、内壁72、及びフィルム142によって区画されている。下壁105は、下インク室51の前面、下面(底面の一例)、及び左面を区画している。内壁72は、下インク室51の上面を区画している。フィルム142は、下インク室51の右面を区画している。下インク室51の後面は開放されている。当該後面において、下インク室51は上インク室52と連通している。
【0083】
内壁72の前端部は、右端から左方へ切り欠かれている。これにより、内壁72の前端部には、開口145(第1連通口の一例)が形成されている。開口145は、内壁72、下壁105、及びフィルム142によって区画されている。第1インク室131の前インク室137と、第2インク室132の下インク室51とは、開口145によって連通している。
【0084】
上インク室52は、後壁110、内壁73、及びフィルム142によって区画されている。後壁110は、上インク室52の後面及び左面を区画している。内壁73は、上インク室52の前面を区画している。フィルム142は、上インク室52の右面を区画している。上インク室52の下面は開放されている。当該下面において、上インク室52は下インク室51と連通している。
【0085】
上インク室52の上面は開放されている。ここで、当該上面は仮想面であり、第1ライン146と同じ高さである。つまり、当該上面は、インクタンク100が使用姿勢において、貯留が許容される最大量のインクがインク室111に貯留されたときの、当該インクの液面と同じ高さである。そして、当該上面において、上インク室52は、後述する大気連通路の第2連通路172と連通している。すなわち、当該上面が、上インク室52と第2連通路172との境界である。なお、当該境界は前述した位置に限らず、例えば第1ライン146よりも上方または下方であってもよい。
【0086】
インクタンク100が使用姿勢において、換言すると上壁104がインクタンク100の上部を構成し且つ下壁105がインクタンク100の下部を構成した状態において、インク室111に貯留が許容される最大量のインクが貯留されているとき、インクの液面は、図6に破線191で示される位置である。つまり、インクの液面は、上述したように、第1ライン146と同じ高さである。
【0087】
このとき、第1インク室131に貯留されたインクの液面と第2インク室132に貯留されたインクの液面とは、鉛直高さ(上下方向7の高さ)で同じである
【0088】
また、このとき、第1インク室131におけるインクの液面と、第2インク室132におけるインクの液面とは、互いに独立して形成されている。具体的には、第1インク室131におけるインクの液面は、前壁101、内壁73、フィルム142、左壁103、及びフィルム143によって囲まれている。一方、第2インク室132におけるインクの液面は、後壁110、内壁73、及びフィルム142によって囲まれている。
【0089】
なお、第1インク室131におけるインクの液面と、第2インク室132におけるインクの液面とが、互いに独立して形成されるのは、インク室111に貯留が許容される最大量のインクが貯留されているときに限らない。例えば、第1インク室131におけるインクの液面と、第2インク室132におけるインクの液面とが、互いに独立して形成されるのは、インク室111に貯留されたインクの液面が第2ライン147と同じ高さであるときのインク量のインクが貯留されているときであってもよい。もちろん、インク室111に貯留が許容される最大量のインクが貯留されているとき、インク室111に貯留されたインクの液面が第2ライン147と同じ高さであるときのインク量のインクが貯留されているとき、及び/または、その他の量のインクが貯留されているときにおいて、第1インク室131におけるインクの液面と、第2インク室132におけるインクの液面とが、互いに独立して形成されていてもよい。
【0090】
また、インクタンク100が使用姿勢でない場合であっても、第1インク室131におけるインクの液面と、第2インク室132におけるインクの液面とは、互いに独立して形成されている。
【0091】
例えば、下壁105がインクタンク100の上部を構成し且つ上壁104がインクタンク100の下部を構成した状態において、インク室111に貯留が許容される最大量のインクが貯留されているとき、インクの液面は、図6に破線192で示される位置である。すなわち、上下方向7において、第1ライン146と第2ライン147との間に示される破線192の位置である。
【0092】
また、例えば、前壁101がインクタンク100の上部を構成し且つ後壁110がインクタンク100の下部を構成した状態において、インク室111に貯留が許容される最大量のインクが貯留されているとき、インクの液面は、図6に一点鎖線193で示される位置である。
【0093】
また、例えば、後壁110がインクタンク100の上部を構成し且つ前壁101がインクタンク100の下部を構成した状態において、インク室111に貯留が許容される最大量のインクが貯留されているとき、インクの液面は、図6に二点鎖線194で示される位置である。
【0094】
[バッファ室148]
図4及び図6に示されるように、筐体140は、その内部にバッファ室148を有する。バッファ室148は、インクタンク100の内部空間であり、第2インク室132と後述するインク流出路114との間に介在している。つまり、第2インク室132に貯留されているインクが、バッファ室148を介して、インク流出路114へ流入する。
【0095】
バッファ室148は、筐体140の右後下部に設けられている。バッファ室148は、内壁153、内壁154、内壁155、下壁105、後壁110、及びフィルム142によって区画されている。
【0096】
内壁153は、後壁110の右下部における前面から前方へ突出し且つ左右方向9へ延びている。内壁153は、バッファ室148の上面を区画している。内壁154は、下壁105の右後部における上面から上方へ突出し且つ左右方向9へ延びている。内壁154は、バッファ室148の前面を区画している。内壁155は、上下方向7及び前後方向8に拡がる壁であって、内壁153、内壁154、後壁110、及び下壁105に囲まれている。内壁155は、バッファ室148の左面を区画している。下壁105は、バッファ室148の下面を区画している。後壁110は、バッファ室148の後面を区画している。フィルム142は、バッファ室148の右面を区画している。
【0097】
内壁154の右下端部は、右端から左方へ切り欠かれている。これにより、内壁154の右下端部には、開口149(第3連通口の一例)が形成されている。開口149は、内壁154、フィルム142、及び下壁105によって区画されている。開口149は、第2インク室132の右後下部とバッファ室148とを連通する。なお、本実施形態において、内壁154は概ね半円状に切り欠かれているが、切り欠きの形状は、半円状に限らず、例えば矩形状であってもよい。
【0098】
内壁155の中央部には、円形の開口150(第2連通口の一例)が形成されている。したがって、開口150は全周が内壁155によって区画されている。開口150は、バッファ室148とインク流出路114とを連通する。開口150には、第2インク室132に貯留されたインクがバッファ室148を介して流入する。換言すれば、開口150は、バッファ室148からインク流出路114へとインクを流入するためのインク流入口(液体流入口の一例)である。なお、開口150の形状は円形に限らず、例えば矩形状などであってもよい。
【0099】
[インク流出路114]
図5及び図7に示されるように、筐体140は、インク流出路114を有する。インク流出路114は、第2インク室132に貯留されているインクをインクタンク100の外部へ流出するための連通路である。つまり、インク流出路114は、第2インク室132と外部とを連通している。なお、本実施形態では、第1インク室131に貯留されているインクは、開口145を介して第2インク室132に移動するため、インク流出路114は、第1インク室131及び第2インク室132に貯留されているインクをインクタンク100の外部へ流出するための連通路とも言える。
【0100】
インク流出路114は、開口150を通じてバッファ室148と連通している。インク流出路114は、開口150から左方へ延びており、次いで上方へ延びており、次いで下方へ延びており、次いで右方へ延びており、開口156へ至る。
【0101】
インク流出路114は、後壁110の左面から右方へ凹んだ溝として形成されている。インク流出路114の右面の一部及び左面を除く部分は、後壁110によって区画されている。インク流出路114の右面における開口156の周囲部分は、内壁155によって区画されている。インク流出路114の左面は、フィルム143によって区画されている。
【0102】
フレーム141は、筒状の突出部157を備えている。突出部157は、後壁110の開口156の周囲部分から後方へ突出している。突出部157の内部空間の前端は、開口156によってインク流出路114と連通している。突出部157の内部空間の後端は、開口158によってインクタンク100の外部と連通している。インクチューブ32が、開口158を通じて突出部157と接続している。
【0103】
以上より、インク流出路114の一端は、バッファ室148を通じて第2インク室132と連通している。また、インク流出路114の他端は、突出部157の内部空間、及びインクチューブ32を通じて記録ヘッド39のノズル40と連通している。つまり、開口158は、開口150から流入したインクを記録ヘッド39に向けて流出する。また、インク流出路114内のインクは、記録ヘッド39からインク滴が吐出されることによってインクが消費されると、記録ヘッド39へ向けて移動可能となる。
【0104】
ここで、インク流出路114は、流路である。流路とは、一端がインク室111と接続された空間であって、他端が閉塞されている場合にインクタンク100の姿勢にかかわらずインク室111に貯留されたインクが流入しない空間である。本実施形態では、インクタンク100は、流路として、インク流出路114のみを備えているが、インク流出路114以外に流路を備えていてもよい。
【0105】
以下に詳述する。上述したように、記録ヘッド39のノズル40を覆うことが可能なメンテナンス機構のキャップから延びたチューブは、ポンプによって塞がれている。よって、ノズル40がキャップに覆われているとき、インク流出路114の他端(突出部157寄りの端)は、突出部157の内部空間、インクチューブ32、記録ヘッド39、及びキャップを通じて、閉塞されたチューブと連通している。つまり、インク流出路114の他端は閉塞している。そして、インク流出路114の断面積は、第2インク室132の断面積に比べて十分に小さく構成されている。そのため、インクタンク100が使用姿勢以外の姿勢に変化されても、つまりインクタンク100の姿勢にかかわらず、第2インク室132に貯留されたインクが、インク流出路114へ流入することはない。なお、ノズル40がキャップに覆われていないとき、ノズル40は開放されている。つまり、インク流出路114の他端は開放されている。そのため、第2インク室132に貯留されたインクは、インク流出路114へ流入可能である。
【0106】
一方、上述した開口145及び後述する大気連通路は、境界である。境界とは、一端または他端の少なくとも一方がインク室111と接続された空間であって、仮に一端または他端が閉塞されている場合であってもインク室111に貯留されたインクが流入可能な空間である。本実施形態では、インクタンク100は、境界として、開口145及び大気連通路のみを備えているが、開口145及び大気連通路以外に境界を備えていてもよい。
【0107】
[大気連通路]
図4図7に示されるように、筐体140は、大気連通路を有する。大気連通路は、インク室111とインクタンク100の外部とを連通するための連通路である。換言すると、大気連通路は、インク室111を大気開放するための連通路である。大気連通路は、図4及び図6に示される第1連通路171及び第2連通路172と、図4図7に示される第3連通路173とを備えている。第1連通路171及び第2連通路172は、内壁71よりも右方に位置している。第3連通路173は、内壁71の右方及び左方の双方に位置している。
【0108】
図4及び図6に示されるように、第1連通路171は、開口174を通じて第1貯留室131の前インク室137と連通している。開口174は、内壁75の右前端部が右端から左方へ切り欠かれることによって形成されている。開口174は、内壁75と内壁74とフィルム142とによって区画されている。
【0109】
第1連通路171は、開口174から後方へ延びており、次いでUターンするように前方へ延びており、貫通孔175(図6及び図7参照)へ至る。貫通孔175は、内壁71に設けられている。貫通孔175は、前後方向8において、凸部144の前後方向8の中央よりも若干前方に設けられている。貫通孔175は、内壁71よりも右方と内壁71よりも左方とを連通している。
【0110】
第1連通路171は、上壁104、内壁73、内壁74、内壁75、内壁76、及び内壁77によって、前後及び上下の面を区画されている。また、第1連通路171は、内壁71によって左面を区画されており、フィルム142によって右面を区画されている。
【0111】
第2連通路172は、その下端において第2インク室132の上インク室52の上面(仮想面)と連通している。第2連通路172は、上インク室52との連通位置から上方へ延びており、次いで前方へ延びており、次いで上方へ延びており、次いで前方へ延びており、貫通孔175へ至る。
【0112】
第2連通路172は、後壁110、上壁104、凸部144の後壁144B、及び凸部144の上壁144Cによって、後面及び上面を区画されている。また、第2連通路172は、内壁73及び内壁76によって、前面及び下面を区画されている。また、第2連通路172は、内壁71によって左面を区画されており、フィルム142によって右面を区画されている。
【0113】
図5及び図7に示されるように、第3連通路173は、左方連通路176と、右方連通路177と、後方連通路178と、ラビリンス179とを備えている。
【0114】
左方連通路176は、貫通孔175(図6及び図7参照)からフレーム141の左端まで左方へ延びている。左方連通路176は、貫通孔175を通じて第1連通路171及び第2連通路172と連通している。左方連通路176は、開口180を通じて右方連通路177と連通している。開口180は、内壁78の左下端部が左端から右方へ切り欠かれることによって形成されている。開口180は、内壁78と内壁152とフィルム143とによって区画されている。
【0115】
左方連通路176は、内壁78によって前面を区画されており、内壁152によって後面及び下面を区画されており、凸部144の上壁144Cによって上面を区画されており、フィルム143によって左面を区画されている。
【0116】
右方連通路177は、開口180からフレーム141の右端まで右方へ延びている。図4図6、及び図7に示されるように、内壁71における右方連通路177が形成された部分には開口181が形成されている。右方連通路177における内壁71よりも左部と内壁71よりも右部とは、開口181によって連通されている。
【0117】
図4に示されるように、内壁71における開口181の周縁から囲壁182が右方へ突出している。囲壁182の下内面182Aは、右端が左端よりも上方に位置するように傾斜している。囲壁182の突出先端面、つまり囲壁182の右面には、半透膜183(図4参照)が貼付される。これにより、右方連通路177は、半透膜183によって閉塞されている。
【0118】
半透膜183は、インクの通過を遮断し且つ気体の通過を許容する微小な孔を有する多孔質膜である。例えば、半透膜183は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体などのフッ素樹脂からなる。
【0119】
図5及び図7に示されるように、右方連通路177の内壁71よりも左部は、内壁152によって前面及び下面を区画されており、内壁78によって後面を区画されており、凸部144の上壁144Cによって上面を区画されており、内壁71(図6参照)によって右面の開口181を除く部分を区画されており、フィルム143によって左面を区画されている。
【0120】
また、図4及び図6に示されるように、右方連通路177の内壁71よりも右部は、凸部144の前壁144Aによって前面を区画されており、内壁77と囲壁182の下内面182Aとによって下面を区画されており、内壁78によって後面を区画されており、凸部144の上壁144Cによって上面を区画されており、内壁71によって左面の開口181を除く部分を区画されており、フィルム142によって右面を区画されている。
【0121】
図5及び図7に示されるように、後方連通路178は、凸部144の前壁144Aと内壁71との間に形成された開口184(図6及び図7参照)を通じて、右方連通路177における内壁71よりも右部と連通している。後方連通路178は、開口184から左方へ延びており、次いで後方へ延びており、内壁151と内壁152との間に形成された開口185を通じてラビリンス179へ至る。
【0122】
後方連通路178は、内壁151及び凸部144の前壁144Aによって下面及び前面を区画されており、内壁152によって後面及び上面を区画されており、内壁71によって右面を区画されており、フィルム143によって左面を区画されている。
【0123】
ラビリンス179は、上下方向7に延びた隔壁186が前後方向8に並んで複数設けられていることによって、上下方向7のUターンを繰り返しつつ前後方向8に沿って延びる連通路である。ラビリンス179の一端(前下端)は、開口185を通じて後方連通路178と連通している。ラビリンス179の他端(後上端)は、大気開放口187(図5参照)と連通している。
【0124】
大気開放口187は、凸部144の上壁144Cを上下方向7に貫通する孔として構成されている。大気開放口187の下端は、ラビリンス179と連通している。大気開放口187の上端は、インクタンク100の外部と連通している。大気開放口187は、インクタンク100が使用姿勢において、貯留が許容される最大量のインクがインク室111に貯留されたときのインクの液面よりも上方に位置する。
【0125】
以上より、大気連通路は、図4に示されるように、開口174においてインク室111の第1インク室131と連通しており、且つ第2連通路172の下端においてインク室111の第2インク室132と連通している。一方、大気連通路は、図5に示されるように、大気開放口187においてインクタンク100の外部と連通している。
【0126】
[インクタンク100B]
以下、図8図11を参照しつつ、インクタンク100Bの構成が説明される。図8及び図9に示されるように、インクタンク100Bは、インクタンク100Y、100C、100M(図4及び図5参照)よりも左右方向9に長い。
【0127】
以下、インクタンク100Bについて、インクタンク100Y、100C、100Mと異なる部分について説明される。なお、インクタンク100Bにおいてインクタンク100Y、100C、100Mと同構成の部分については、図4図7と同じ参照符号が付された上で、その説明が省略される。また、インクタンク100Bにおける所定部分の構成と、インクタンク100Y、100C、100Mの当該所定部分に対応する部分の構成との相違点が、インクタンク100Bにおける所定部分の構成の方が左右方向9に長いという点のみである場合、インクタンク100Bにおける当該所定部分に対応する部分については、図4図7と同じ参照符号が付された上で、その説明が省略される。
【0128】
図8及び図9に示されるように、インクタンク100Bの筐体140は、フレーム141と、3枚のフィルム139、142、143とを備える。
【0129】
図8及び図10に示されるように、インクタンク100Bは、インクタンク100Y、100C、100Mが備えている左壁103(図5参照)を備えておらず、右壁159を備えている。右壁159は、前壁101の右端から後方へ延びる壁である。右壁159の上端は、上壁104の前部と接続されている。右壁159の下端は、下壁105の前部と接続されている。換言すれば、右壁159は、前壁101の右端と、上壁104の前部右端と、下壁105の前部右端と、を連結する壁である。つまり、右壁159は、フレーム141の前部のみに設けられており、フレーム141の後部に設けられていない。
【0130】
図8及び図9に示されるように、上壁104の前部には、凹部162が形成されている。凹部162は、側壁162A、162B、162C及び上壁104によって区画されている。
【0131】
インクタンク100Bは、内壁71(図6参照)を備えていない。インクタンク100Bは、内壁71(図6参照)に対応する壁として、内壁160(図8及び図10参照)及び内壁161(図9及び図11参照)を備えている。
【0132】
内壁160及び内壁161は、上壁104及び凸部144の上壁144Cから下方へ延びている。内壁160及び内壁161は、上下方向7及び前後方向8に拡がる壁である。
【0133】
内壁160は、図10に示されるハッチングの範囲に設けられている。内壁160は、左右方向9において、フレーム141の右端と左端の間のいずれかの位置に設けられている。例えば、内壁160は、左右方向9において、フレーム141の中央よりも右方に設けられている。
【0134】
内壁161は、図11に示されるハッチングの範囲に設けられている。内壁161は、左右方向9において、フレーム141の右端と左端の間であって内壁160よりも左方のいずれかの位置に設けられている。例えば、内壁161は、左右方向9において、フレーム141の中央よりも左方に設けられている。
【0135】
図8及び図10に示されるように、内壁73の内壁75よりも上方の部分、内壁75の内壁73寄りの部分、内壁76、及び内壁77は、内壁160から右方へ延びている。つまり、内壁73の内壁75よりも上方の部分、内壁75の内壁73寄りの部分、内壁76、及び内壁77は、内壁160よりも右方に設けられている。
【0136】
図9及び図11に示されるように、内壁74、及び内壁75の内壁74寄りの部分は、側壁162Aから左方へ延びている。つまり、内壁74、及び内壁75の内壁74寄りの部分は、側壁162Aよりも左方に設けられている。
【0137】
図9及び図11に示されるように、内壁74は、上壁104の左前部から下方へ延びている。内壁74は、内壁160及び内壁161とは接続しておらず、側壁162Aと接続している。
【0138】
内壁75は、内壁74の下端から後方へ延びている。この後方へ延びた部分において、内壁75は、側壁162Aから左方へ延びている。次いで、内壁75は、右方へ延びている。この右方へ延びた部分において、内壁75は、前端が側壁162B(図8参照)と接続し且つ後端が凸部144の前壁144A(図8及び図11参照)と接続している。次いで、図8及び図10に示されるように、内壁75は、後方へ延びている。この後方へ延びた部分において、内壁75は、内壁160から右方へ延びている。
【0139】
内壁79の右端は、右壁159と接続している。
【0140】
内壁151は、凸部144の前壁144Aの下端と、凸部144の後壁144Bとを結ぶ壁である。内壁151は、前壁144Aの下端から後方へ延びており、次いで上方へ延びており、次いで後方へ延びており、次いで上方へ延びており、次いで後方へ延びており、後壁144Bへ至る。
【0141】
図8に示されるように、フレーム141の右面の後部は開放されている。下壁105、後壁110、上壁104、内壁72、73、75~79、凹部162の側壁162B、凸部144の前壁144A、凸部144の後壁144B、及び凸部144の上壁144Cの右面にフィルム142が溶着されることによって、フレーム141の右面が封止される。フィルム142によって、筐体140の右方の側壁の一部が構成される。
【0142】
図9に示されるように、フレーム141の左面は開放されている。後壁110、上壁104、下壁105、内壁72、内壁74、内壁75、内壁78、内壁79、内壁151、内壁152、凸部144の前壁144A、凸部144の後壁144B、凸部144の上壁144C、及び隔壁186の左面にフィルム143が溶着されることによって、フレーム141の左面が封止される。フィルム143によって、筐体140の左方の側壁が構成される。
【0143】
図8及び図9に示されるように、第1インク室131(第1貯留室の一例)は、前壁101、右壁159、下壁105、後壁110、内壁72、内壁73、内壁74、内壁75、上壁104、内壁151、フィルム142、及びフィルム143によって区画されている。右壁159及びフィルム142は、第1インク室131の右面を区画している。
【0144】
図9に示されるように、内壁79の上端部は、左端から右方へ切り欠かれている。これにより、内壁79の上端部には、開口163が形成されている。開口163は、内壁79、内壁75、及びフィルム143によって区画されている。内壁79の下端部は、左端から右方へ切り欠かれている。これにより、内壁79の下端部には、開口164が形成されている。開口164は、内壁79、内壁72、及びフィルム143によって区画されている。前インク室137と後インク室138とは、開口163、164によって連通している。
【0145】
内壁72の前端部は、左端から右方へ切り欠かれている。これにより、内壁72の前端部には、開口165(第1連通口の一例)が形成されている。開口165は、内壁72、下壁105、及びフィルム143によって区画されている。第1インク室131の前インク室137と、第2インク室132の下インク室51とは、開口165によって連通している。
【0146】
図8及び図10に示されるように、第1連通路171及び第2連通路172は、内壁160よりも右方に位置している。図8図11に示されるように、第3連通路173は、内壁160の右方及び内壁161の左方の双方に位置している。
【0147】
図9に示されるように、第1連通路171は、開口166を通じて第1貯留室131の前インク室137と連通している。開口166は、内壁75の左前端部が左端から右方へ切り欠かれることによって形成されている。開口166は、内壁75、内壁74、及びフィルム143によって区画されている。
【0148】
第1連通路171は、開口166から後方へ延びており、次いで右方へ延びている。次いで、図8に示されるように、第1連通路171は後方へ延びており、次いでUターンするように前方へ延びており、貫通孔175(図10参照)へ至る。貫通孔175は、内壁160及び内壁161を左右方向9に貫通する孔であり、第1連通路171及び第2連通路172と第3連通路173とを接続している。
【0149】
図9に示されるように、第1連通路171における開口166から後方へ延びる部分は、上壁104、凹部162の側壁162A、内壁74、内壁75、及びフィルム143によって区画されている。第1連通路171における右方へ延びる部分は、上壁104、凹部162の側壁162B、内壁75、及び凸部144の前壁144Aによって区画されている。図8に示されるように、第1連通路171における内壁71よりも右方の部分は、内壁71、内壁73、内壁75、内壁76、内壁77、及びフィルム142によって区画されている。
【0150】
図9に示されるように、フレーム141は、後壁110から後方へ突出した突出部167を備えている。突出部167は、後述する光学センサ98に光を照射されることによって、使用姿勢のインクタンク100のインク室111に貯留されたインクの液面の高さを検知する。突出部167は、直方体形状である。突出部167は内部空間167Aを有しており、突出部167の前端及び後端は開放されている。突出部167の内部空間167Aの前端は、第2インク室132の上インク室52と連通している。つまり、内部空間167Aは、第2インク室132に設けられている。突出部167の後端は開放されている。開放された突出部167の後端は、フィルム139が貼付されることによって閉塞されている。
【0151】
突出部167の内部空間167Aの上端以下且つ下端以上の高さのインクタンク100の水平断面において、当該水平断面を上方から視た場合の第2インク室132の断面積は、当該水平断面を上方から視た場合の第1インク室131の断面積よりも小さい。そして、突出部167の内部空間167Aは、断面積が小さい第2インク室132と連通している。
【0152】
なお、本実施形態において、突出部167の内部空間167Aは第2インク室132と連通していたが、内部空間167Aは第1インク室131と連通していてもよい。つまり、内部空間167Aは、第1インク室131に設けられていてもよい。この場合、突出部167は、例えば前壁101や左壁103から突出していてもよい。
【0153】
また、本実施形態において、突出部167は、インクタンク100B、100Y、100C、100Mのうち、インクタンク100Bのみに設けられている。しかし、突出部167は、インクタンク100B、100Y、100C、100Mの少なくとも一つに設けられていてもよい。
【0154】
[光学センサ98]
プリンタ部11は、光学センサ98を備えている。光学センサ98は、筐体14に取り付けられている。図9に破線で示されるように、光学センサ98は、タンクセット99が筐体14の内部に据え置かれた状態において、インクタンク100Bのフレーム141の突出部167の右方及び左方に位置している。
【0155】
光学センサ98は、発光部98Aと受光部98Bとを備えている。発光部98Aと受光部98Bとは、左右方向9において突出部167を挟んで配置されている。発光部98Aは、突出部167の右方に位置している。受光部98Bは、突出部167の左方に位置している。なお、発光部98Aと受光部98Bとの配置位置は、左右逆であってもよい。
【0156】
発光部98Aにおける受光部98Bへの光の照射位置と、受光部98Bにおける発光部98Aからの光の受光位置とが、第2ライン147以下の高さとなるように、発光部98Aと受光部98Bの上下方向7の配置位置が決定されている。本実施形態では、図10に示されるように、光学センサ98は、第2ライン147よりも下方に位置する。つまり、突出部167における光学センサ98から照射された光の光路に相当する位置の高さは、図10に示される破線よりも低い位置である。ここで、当該破線は、使用姿勢のインクタンクにインクの補充が必要となる最小貯留量であるインクの液面を示している。以上より、突出部167の上下方向7の位置は、第2ライン147よりも下方の位置を含む。
【0157】
光学センサ98は、電気回路を介して複合機10の制御部(不図示)に電気的に接続されている。
【0158】
発光部98Aから受光部98Bへ向けて光が照射される。照射された光は、突出部167を透過して突出部167の内部空間167Aへ進入する。内部空間167Aに貯留されたインクの液面が光路よりも上方である場合、光は内部空間167Aに貯留されたインクに遮られて受光部98Bへ到達しない。これにより、光学センサ98から制御部へローレベルの信号が出力される。一方、インクの液面が光路よりも下方である場合、光は内部空間167Aにおいて空気中を進む。この場合、光は内部空間167Aを通過して受光部98Bへ到達する。これにより、光学センサ98から制御部へハイレベルの信号が出力される。
【0159】
制御部は、光学センサ98からの信号がローレベルである場合にインク室111に貯留されたインクの液面が第2ライン147よりも高いと判断し、光学センサ98からの信号がハイレベルである場合にインク室111に貯留されたインクの液面が第2ライン147よりも低いと判断する。
【0160】
[注入口112]
図1(B)に示されるように、各インクタンク100B、100Y、100C、100Mの傾斜壁106の各々には、インク室111の第1インク室131にインクを注入するための注入口112B、112Y、112C、112M(これらの総称して「注入口112」と表記することがある。)が設けられている。注入口112(液体注入口の一例)は、傾斜壁106を厚み方向に貫通して、対応する第1インク室131をインクタンク100の外部に連通させる。傾斜壁106の内面は、第1インク室131の前インク室137に面している。傾斜壁106の外面は、インクタンク100の外部に面している。したがって、注入口112は、第1インク室131とインクタンク100の外部とを直接連通させる。つまり、本実施形態において、注入口112は、第1インク室131及び第2インク室132のうち突出部167が設けられていない方の第1インク室131に設けられている。なお、注入口112は、第2インク室132にインクを注入するためのものであってもよい。
【0161】
傾斜壁106及び傾斜壁106に設けられた注入口112は、カバー70を開位置に位置させることによって、開口22を通じて複合機10の外部に露出する。注入口112を通じて第1インク室131にインクが注入される際のインクタンク100の姿勢(注入姿勢)は、使用姿勢である。すなわち、インクタンク100が使用姿勢にあるときに、注入口112を通じて第1インク室131にインクが注入される。なお、注入されるインクは、例えば、注入口112に挿入可能な注ぎ口を有するボトルに貯留されている。ボトルの注ぎ口が注入口112に挿入された状態で、ボトル内のインクが第1インク室131へ流出される。
【0162】
[キャップ113]
図1に示されるように、インクタンク100は、注入口112を閉塞させるように傾斜壁106に対して着脱可能なキャップ113B、113Y、113C、113Mを有する。キャップ113は、インクタンク100の4つの注入口112B,112Y,112C,112Mに対応して4つのキャップ113B、113Y、113C、113Mがある。図1(A)に示されるように、傾斜壁106に取り付けられたキャップ113は、注入口112の周縁を画定する壁面に密着して注入口112を閉塞させる。一方、図1(B)に示されるように、傾斜壁106から取り外されたキャップ113は、注入口112を開放する。キャップ113は、カバー70を開位置に位置させた状態で、傾斜壁106に対して着脱される。また、キャップ113を注入口112から取り外すことによって、注入口112を通じてインク室111にインクが注入可能となる。
【0163】
[カバー70]
図1に示されるように、カバー70は、筐体14の前壁14Aに形成された開口22を開閉可能に設けられている。カバー70は、左右方向9に沿って延びる回動軸70A周りに回動する。カバー70は、開口22に対応した大きさの外形であり、開口22に向かって開口する箱形状である。カバー70は、閉位置において、インクタンク100の前壁101の立壁102及び傾斜壁106を覆う。カバー70は、開位置において、インクタンク100の前壁101の立壁102及び傾斜壁106を筐体14の外部へ露出させる。
【0164】
[複合機10の姿勢とインクの液面]
図1に示されるように、複合機10及び各インクタンク100は、筐体14の前壁14A、側壁14B,14Cのそれぞれが、上下方向7に沿った状態で使用される。この状態の複合機10及び各インクタンク100の姿勢が使用姿勢と称される。また、複合機10がメンテナンスされるときや搬送されるときには、複合機10及び各インクタンク100が、使用姿勢とは異なる姿勢にされることがある。本実施形態では、側壁14Bが載置面に当接され、側壁14Cが側壁14Bより上方となり、前壁14Aが上下方向7に沿った状態の複合機10及び各インクタンク100の姿勢が回転姿勢と称される。
【0165】
図7に示されるように、インクタンク100が使用姿勢において、インク室111に貯留が許容される最大量のインクが貯留されているとき、インクの液面は、図7に破線で示される位置である。つまり、インクの液面は、第1ライン146と同じ高さである。このとき、インク流出路114は、最大量のインクの液面よりも上方に位置する部分を有する。
【0166】
使用姿勢のインクタンク100が回転姿勢へ向かって傾けられると、すなわち使用姿勢と回転姿勢との間の姿勢にされると、記録ヘッド39のノズル40がキャップされていなければ、ノズル40においてインクのメニスカスが壊れて、ノズル40からインクが流出するおそれがある。しかしながら、傾けられた姿勢のインクタンク100において、インク流出路114の一部は、インク室111における最大量のインクの液面より上方に位置するので、インク室111に貯留されているインクの全てがインクタンク100から流出することがない。
【0167】
インクタンク100が回転姿勢にされると、インクタンク100において、フィルム143が鉛直方向の下方となり、且つフィルム142が鉛直方向の上方となる。インク室111に最大量のインクが貯留されているとき、回転姿勢において、フィルム143の全域はインクと接触し、フィルム142の全域は気体と接触する。なお、フィルム142にインク滴や泡などが付着していることは、フィルム142の全域が気体と接触していないこととはみなさない。図4には、インクタンク100が回転姿勢にされたときの最大量のインクの液面の縁が破線195で示されている。
【0168】
図4に示されるように、回転姿勢のインクタンク100において、開口145,149,150(図6参照)は、いずれも最大量のインクの液面より上方に位置する(図4における右方)。回転姿勢の複合機10において、記録ヘッド39のノズル40がキャップされていなければ、ノズル40においてインクのメニスカスが壊れて、ノズル40からインクが流出するおそれがある。仮に、ノズル40からインクが流出したとしても、回転姿勢のインクタンク100において、開口150が最大量のインクの液面、すなわち破線195より上方に位置するので、第2インク室132からバッファ室148を通じてインク流出路114へインクが流れ込むことがない。また、開口149が最大量のインクの液面すなわち破線195より上方に位置するので、第2インク室132からバッファ室148へインクが流れ込むことがない。また、開口145が最大量のインクの液面すなわち破線195より上方に位置するので、第1インク室131から第2インク室132へインクが流れ込むことがない。
【0169】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、回転姿勢のインクタンク100において、第1インク室131に貯留されたインクがインク流出路114を通じてインクタンク100の外部へ流出することが防止される。同様に、回転姿勢のインクタンク100において、第2インク室132に貯留されたインクがインク流出路を通じてインクタンク100の外部へ流出することが防止される。
【0170】
また、バッファ室148とインク流出路114とを連通する開口150の全周がフレーム141の内壁155によって区画されているので、開口150においてインクのメニスカスが維持されやすい。これにより、インク流出路114へ気体が進入することが抑制される。
【0171】
また、第2インク室132とバッファ室148とを連通する開口149は、全周のうちの一部が、フレーム141の下壁105によって区画されているので、第2インク室132に貯留されてインク流路114へ流出されないインクの量、すなわち使用姿勢におけるインク残量を少なくできる。
【0172】
[変形例]
上記実施形態では、注入口112は、各インクタンク100に一つ設けられていたが、二つ以上設けられていてもよい。
【0173】
また、上記実施形態では、大気開放口187は、各インクタンク100に一つ設けられていたが、二つ以上設けられていてもよい。
【0174】
また、上記実施形態では、インク室111内のインクが流出される開口158は、各インクタンク100に一つ設けられていたが、二つ以上設けられていてもよい。
【0175】
また、上記実施形態では、第2インク室132がバッファ室148とインク流出路114とを備えていたが、第1インク室131がバッファ室148とインク流出路114とを備えていてもよい。この場合、バッファ室148は、第1インク室131とインク流出路114との間に介在している。また、第1インク室131及び第2インク室132の双方がバッファ室148とインク流出路114とを備えていてもよい。
【0176】
また、上記実施形態では、インクを液体の一例として説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、インクに代えて、印刷時にインクに先立って記録用紙に吐出される前処理液、或いは記録ヘッド39のノズル40の乾燥を防止するために記録ヘッド39のノズル40近傍に噴霧される水等が、液体の一例であってもよい。
【符号の説明】
【0177】
10・・・複合機
39・・・記録ヘッド(液体消費部)
100・・・インクタンク(タンク)
105・・・下壁(底面)
112・・・注入口(液体注入口)
114・・・インク流出路(液体流路)
131・・・第1インク室(第1貯留室)
132・・・第2インク室(第2貯留室)
141・・・フレーム
142,143・・・フィルム
145・・・開口(第1連通口)
148・・・バッファ室
149・・・開口(第3連通口)
150・・・開口(第2連通口)
155・・・内壁(壁)
187・・・大気開放口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11