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特許7192928Non-3GPP InterWorking Functionノード、UE、Non-3GPP InterWorking Functionノードの方法、及びUEの方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】Non-3GPP InterWorking Functionノード、UE、Non-3GPP InterWorking Functionノードの方法、及びUEの方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/06 20090101AFI20221213BHJP
   H04W 88/16 20090101ALI20221213BHJP
   H04W 92/10 20090101ALI20221213BHJP
   H04W 12/0431 20210101ALI20221213BHJP
【FI】
H04W48/06
H04W88/16
H04W92/10
H04W12/0431
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021130453
(22)【出願日】2021-08-10
(62)【分割の表示】P 2020540652の分割
【原出願日】2019-01-09
(65)【公開番号】P2021180523
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2021-08-10
(31)【優先権主張番号】201811006021
(32)【優先日】2018-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ティワリ クンダン
(72)【発明者】
【氏名】田村 利之
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】3GPP TSG SA,System Architecture for the 5G System; Stage 2(Release15),3GPP TS 23.501 V15.0.0,2017年12月,134-138頁
【文献】3GPP TSG SA,Study on the security aspects of the next generation system (Release 14),3GPP TR 33.899 v1.3.0 (2017-08),2017年08月21日,115-118頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信機と、
送信機とを備え、
前記受信機は、Access-mobility Management Function (AMF)から、NGAP OVERLOAD STARTメッセージを受信するように構成され、
前記NGAP OVERLOAD STARTメッセージは、1つまたは複数の過負荷であるネットワークスライスを識別する1つまたは複数の第1のSingle Network Slicing Selection Assistance Information (S-NSSAI)を含み、
前記受信機は、User Equipment (UE)から、IKE_AUTH_REQメッセージを受信するように構成され、
前記IKE_AUTH_REQメッセージは、1つまたは複数の第2のS-NSSAIを含み、
前記送信機は、前記第2のS-NSSAIが前記第1のS-NSSAIに対応する場合に、前記UEに、IKE_AUTH_RSPメッセージを送信するように構成され、
前記IKE_AUTH_RSPメッセージは、タイマの値を含み、
前記タイマは、前記タイマが満了するまで、前記UEによるNASに関連する手順を制限する
Non-3GPP InterWorking Functionノード。
【請求項2】
前記IKE_AUTH_RSPメッセージは、ネットワークにおける輻輳に関する情報を含む
請求項1に記載のNon-3GPP InterWorking Functionノード。
【請求項3】
User Equipment(UE)であって、
送信機と、
受信機と、
プロセッサとを備え、
前記送信機は、Non-3GPP InterWorking Functionノードに、IKE_AUTH_REQメッセージを送信するように構成され、
前記IKE_AUTH_REQメッセージは、1つまたは複数のSingle Network Slicing Selection Assistance Information (S-NSSAI)を含み、
前記受信機は、前記S-NSSAIが1つまたは複数の過負荷であるネットワークスライスを識別する1つまたは複数のS-NSSAIに対応する場合に、前記Non-3GPP InterWorking Functionノードから、IKE_AUTH_RSPメッセージを受信するように構成され、
前記IKE_AUTH_RSPメッセージは、タイマの値を含み、
前記タイマは、前記タイマが満了するまで、前記UEによるNASに関連する手順を制限し、
前記プロセッサは、前記タイマが満了するまで、前記NASに関連する手順を開始しないように構成される
UE。
【請求項4】
前記IKE_AUTH_RSPメッセージは、ネットワークにおける輻輳に関する情報を含む
請求項3に記載のUE。
【請求項5】
Access-mobility Management Function (AMF)から、NGAP OVERLOAD STARTメッセージを受信し、
前記NGAP OVERLOAD STARTメッセージは、1つまたは複数の過負荷であるネットワークスライスを識別する1つまたは複数の第1のSingle Network Slicing Selection Assistance Information (S-NSSAI)を含み、
User Equipment (UE)から、IKE_AUTH_REQメッセージを受信し、
前記IKE_AUTH_REQメッセージは、1つまたは複数の第2のS-NSSAIを含み、
前記第2のS-NSSAIが前記第1のS-NSSAIに対応する場合に、前記UEに、IKE_AUTH_RSPメッセージを送信し、
前記IKE_AUTH_RSPメッセージは、タイマの値を含み、
前記タイマは、前記タイマが満了するまで、前記UEによるNASに関連する手順を制限する
Non-3GPP InterWorking Functionノードの方法。
【請求項6】
前記IKE_AUTH_RSPメッセージは、ネットワークにおける輻輳に関する情報を含む
請求項5に記載のNon-3GPP InterWorking Functionノードの方法。
【請求項7】
User Equipment(UE)の方法であって、
Non-3GPP InterWorking Functionノードに、IKE_AUTH_REQメッセージを送信し、
前記IKE_AUTH_REQメッセージは、1つまたは複数のSingle Network Slicing Selection Assistance Information (S-NSSAI)を含み、
前記S-NSSAIが1つまたは複数の過負荷であるネットワークスライスを識別する1つまたは複数のS-NSSAIに対応する場合に、前記Non-3GPP InterWorking Functionノードから、IKE_AUTH_RSPメッセージを受信し、
前記IKE_AUTH_RSP メッセージは、タイマの値を含み、
前記タイマは、前記タイマが満了するまで、前記UEによるNASに関連する手順を制限し、
前記UEは、前記タイマが満了するまで、前記NASに関連する手順を開始しないように構成される
UEの方法。
【請求項8】
前記IKE_AUTH_RSPメッセージは、ネットワークにおける輻輳に関する情報を含む
請求項7に記載のUEの方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク輻輳を処理する手順に関する。より具体的には、本発明は、ネットワークがUEに対して異なる種類のネットワーク輻輳を示す手順に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1(TS 23.501 V 15.0 .0)は、5Gシステムアーキテクチャ(図10参照)およびいくつかの過負荷/輻輳制御方法を示す。制御方法の一例として、下記に示すAMF過負荷制御がある。
【0003】
異常な状況下で、AMFが過負荷状態に達した場合、AMFは非特許文献1の5.19.7項に規定されているようにNASレベルの輻輳制御を起動し、ANが過負荷制御をサポートするように構成されている場合、AMFはANノードが生成する負荷を制限する。N2過負荷制御は、AMFがN2接続を有するANノードの全てまたは一部に対してN2過負荷手順 (TS 38.300およびTS 38.413を参照)を起動することによって達成することができる。AMFは、CN部分のネットワークスライスの輻輳を示すために、ANノードに送信されるN2 overload controlメッセージにS-NSSAIを含めてもよい。AMFが低減したい負荷の量を反映するために、AMFは、NGAP OVERLOAD STARTメッセージを送信されるANノードの割合、および過負荷開始手順の内容を調整することができる。
【0004】
AMFは、AMFセット内の複数のAMFが同じサブセットの5G-ANノードからの負荷の低減を要求することを避けるために、過負荷開始手順をトリガする5G-ANノードをランダムに選択すべきである。
【0005】
ANノードは、TS 38.331で規定されるように、あるUEのためのANシグナリング接続確立(AN signaling connection establishment)を拒否することをサポートする。さらに、ANノードは、TS 22.261に記載されているように、UEの拒否(barring)のためのサポートを提供する。これらのメカニズムは、TS 38.331でさらに規定される。
【0006】
過負荷開始手順を使用して、AMFはANノードに次のことを要求できる。
-非緊急および非高優先のmobile originatedサービスに対するANシグナリング接続(3GPPアクセス経由のRRC接続またはN3GPPアクセス経由のUE-N3IWF接続)要求(AN signaling connection request)を拒否する。または
-アップリンクNASシグナリングをAMFに送信するための新しいANシグナリング接続要求を拒否する;
-AS層のRequested NSSAIが、指示されたS-NSSAIだけを含むアップリンクNASシグナリング送信のためのANシグナリング接続を解放する。
-緊急セッション用のANシグナリング接続要求と、そのAMF用のmobile terminatedサービスのみを許可する。または
-高優先のセッションに対するANシグナリング接続要求と、そのAMFに対するmobile terminatedサービスのみを許可する。
【0007】
この章にリストされたANシグナリング接続要求には、RRC-Inactive状態のUEからの要求も含まれる。
【0008】
AMFは、overload startメッセージにおいて、拒否されるシグナリングトラフィックの量を示すパーセント値を提供でき、ANノードはこの値を輻輳制御のために考慮してもよい。
【0009】
過負荷を理由としてANシグナリング接続要求を拒否するとき、ANは、しばらくの間、さらなるANシグナリング接続要求を制限する適切なwaitタイマー値をUEに示す。
【0010】
過負荷状態の間、AMFは緊急サービスとMPSのサポートを維持するように努めるべきである。
【0011】
AMFがリカバリ中の場合、AMFは、5G-ANノードの一部または全部に次のいずれかを実行できる。
-より多くのシグナリングトラフィックの伝送を許可する新しいパーセンテージ値を使用して、過負荷開始手順をトリガする。
-過負荷停止手順をトリガする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【文献】TS 23.501 V 15.0 .0 (2017-12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
一般的な課題の説明
非特許文献1のAMF過負荷制御の記載によれば、AMFは、ANノードに送信される N2 overload controlメッセージにS-NSSAIを含むことができる。しかしながら、現在の手順では、ANノードから送信される情報が不十分であるため、UEは輻輳に関して適切な動作(behaviour)を行うことができない。
【0014】
本発明は、一般的なNASレベル輻輳制御メカニズムおよびネットワークスライス輻輳制御メカニズムに関する以下の5つの課題を解決する。
【0015】
課題の説明1:
waitタイマーが一般的なNASレベルの輻輳もしくはネットワークスライスの輻輳に関連しているかを識別するための情報が、waitタイマーと一緒にUEに送信されない。
【0016】
一般的な過負荷状態では、ネットワークは一般的なNAS輻輳制御メカニズムを適用し、ANシグナリング接続を確立する要求を拒否することをNG-RANに指示するメッセージをNG-RANに送信する。その後、NG-RANはANシグナリング接続を拒否し、AN signallingメッセージを用いてwaitタイマーを送信する。
【0017】
ネットワークスライス過負荷状態で、AMFはANシグナリング接続を拒否するために、輻輳しているネットワークスライスのネットワークスライスid(S-NSSAI(s))を含むメッセージをNG‐RANへ送信する。NG RANはANシグナリング接続を拒否し、ANシグナリング接続でUEにwaitタイムを送信する。
【0018】
したがって、waitタイマーは、AMFが一般的なNASレベルの輻輳制御及びネットワークスライス関連輻輳制御を適用する二つの状況下においてUEへ送信される。UEは、waitタイマーがネットワークスライスの輻輳と一般的なNASレベルの輻輳のどちらに関連しているかを認識しない。したがって、UEがwaitタイマーが一般的なNASレベルの輻輳に関連しているのか、またはネットワークスライスの輻輳に関連しているのかを識別するindicationが無いwaitタイムを受信した際にUEの動作は決定しない。
【0019】
課題の説明2:
wait timerとともに、輻輳しているネットワークスライスのNetwork Slice IdentifierがUEに送信されていない。
【0020】
過負荷制御手順を開始するために、NG‐RANが、輻輳しているネットワークスライスのnetwork slice identifierを含むメッセージを受信したとき、NG‐RANはwaitタイムおよび輻輳しているネットワークのnetwork slice identifierを送信することなく、ANシグナリング接続を解放または拒否している。UEは輻輳しているネットワークスライスに関連した手順(NASまたはAS)を再び開始し、ネットワーク(AMF/SMF/NG-RAN)が再び輻輳する可能性がある。
【0021】
課題の説明3:
UEに関連するネットワークスライスの一部が輻輳しており、UEに関連するネットワークスライスの一部が輻輳していない場合におけるUEのためのシナリオを処理するためのメカニズムがNG-RANで定義されていない。
【0022】
NG-RANはAMFから輻輳しているネットワークスライスのnetwork slice identifierを含むメッセージ(例:NGAP OVERLOAD START) を受信し、ネットワークスライスに関する輻輳制御を開始する。UEは、輻輳しているネットワークスライスに関連して確立されたPDUセッションおよび他のネットワークスライスに関連して確立されたPDUセッションを有する。このシナリオでは、UEに関するNG‐RANの動作は明確でないか、決定しない。NG-RANがすべてのAN接続を解放するのか、輻輳しているネットワークスライスに関連するリソースのみを解放するのかは不明である。
【0023】
課題の説明4:
service request手順 (service request procedure)中にAN接続が確立した場合、service request手順が開始されるS-NSSAIはAN signallingメッセージに含まれない。AN signalling RequestメッセージはANシグナリング確立手順中にRequested NSSAIを含まないので、RANは輻輳しているネットワークスライスに関連するRAN過負荷制御手順を実行できない。多数のUEがPDUセッションを確立するためのservice request手順を開始している場合、ANはAN接続確立を拒否できず、AMFまたはSMFにメッセージを送信すると、AMF/SMFはさらに輻輳状態になる。これにより、重大なネットワーク障害が発生する可能性がある。
【0024】
課題の説明5:
UEが、非3GPPアクセスのために、N3IWFへのS-NSSAIに関連するANシグナリング接続を確立している場合、輻輳しているS-NSSAIおよび対応するwaitタイムを送信する手順は定義されていない。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本開示の第1の態様にかかるNext Generation Radio Access Network (NG-RAN)ノードは、Access-mobility Management Function (AMF)と接続するNGインタフェースと、User Equipment (UE)と通信するように構成されたトランシーバと、1以上の輻輳しているそれぞれのネットワークスライスを示す1以上のSingle Network Slicing Selection Assistance Information (S-NSSAI)を含む第1のS-NSSAIリストを含むNGAP OVERLOAD STARTメッセージを、前記NGインタフェースを介して前記AMFから受信し、1以上のS-NSSAIを含む第2のS-NSSAIリストを含むRadio Resource Control (RRC)メッセージを、前記トランシーバを介して前記UEから受信し、前記第2のS-NSSAIリストの1以上のS-NSSAIが、前記第1のS-NSSAIリストの1以上のS-NSSAIを含むのみである場合、waitタイマーが満了するまで、前記UEによるさらなるRRC接続要求を制限する前記waitタイマーを含むRRC Releaseメッセージを前記トランシーバを介して前記UEへ送信する、ように構成されたプロセッサと、を備える。
【0026】
本開示の第2の態様にかかるUser Equipment (UE)は、Next Generation Radio Access Network (NG-RAN)ノードと通信するように構成されたトランシーバと、1以上のS-NSSAIを含むS-NSSAIリストを含むRadio Resource Control (RRC)メッセージを、前記トランシーバを介して前記NG-RANノードへ送信し、第2のS-NSSAIリストの1以上のS-NSSAIが、それぞれ1以上の輻輳しているネットワークスライスを示すのみである場合、waitタイマーが満了するまで、前記UEによるさらなるRRC接続要求を制限する前記waitタイマーを含むRRC Releaseメッセージを前記トランシーバを介して前記NG-RANノードから受信する、ように構成されたプロセッサと、を備え、前記UEは、前記waitタイマーが満了するまで、前記さらなるRRC接続要求を開始しない。
【0027】
本開示の第3の態様にかかるNext Generation Radio Access Network (NG-RAN)ノードの方法は、1以上の輻輳しているそれぞれのネットワークスライスを示す1以上のSingle Network Slicing Selection Assistance Information (S-NSSAI)を含む第1のS-NSSAIリストを含むNGAP OVERLOAD STARTメッセージを、前記NG-RANノードとAccess-mobility Management Function (AMF)との間のNGインタフェースを介して前記AMFから受信し、1以上のS-NSSAIを含む第2のS-NSSAIリストを含むRadio Resource Control (RRC)メッセージを、前記NG-RANノードに搭載されたトランシーバを介してUser Equipment (UE)から受信し、前記第2のS-NSSAIリストの1以上のS-NSSAIが、前記第1のS-NSSAIリストの1以上のS-NSSAIを含むのみである場合、waitタイマーが満了するまで、前記UEによるさらなるRRC接続要求を制限する前記waitタイマーを含むRRC Releaseメッセージを前記トランシーバを介して前記UEへ送信する。
【0028】
本開示の第4の態様にかかるUEで用いられる判定方法は、S-NSSAIのリスト及び前記リスト内の各S-NSSAIのwaitタイムを含むANメッセージを受信し、ANメッセージに基づいて、ネットワークスライスに関連する輻輳が発生していることを判定する。
本開示の第4の態様にかかるUser Equipment (UE)の方法は、1以上のS-NSSAIを含むS-NSSAIリストを含むRadio Resource Control (RRC)メッセージを、前記UEに搭載されたトランシーバを介してNext Generation Radio Access Network (NG-RAN)ノードへ送信し、第2のS-NSSAIリストの1以上のS-NSSAIが、それぞれ1以上の輻輳しているネットワークスライスを示すのみである場合、waitタイマーが満了するまで、前記UEによるさらなるRRC接続要求を制限する前記waitタイマーを含むRRC Releaseメッセージを前記トランシーバを介して前記NG-RANノードから受信し、前記UEは、前記waitタイマーが満了するまで、前記さらなるRRC接続要求を開始しない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、(R)ANノードとUEにおける輻輳制御の処理に関する手順である。
図2図2は、UEがNASシグナリング接続を確立し、少なくとも1つのPDUセッションを確立した場合のシナリオの手順である。
図3図3は、輻輳しているネットワークスライスのみのネットワークリソースの解放と、輻輳していないスライスのネットワークリソースの保持に関する手順である。
図4図4は、UEに関連する1つのS-NSSAIがAMFで輻輳状態となった場合に、すべてのS-NSSAIに関連するネットワークリソースを解放する手順である。
図5図5は、service request手順中のANノードにおけるネットワークスライス関連輻輳の処理である。
図6図6は、N3IWFによる輻輳制御を処理する手順である。
図7図7はUEの主要構成要素を示すブロック図である。
図8図8は、例示的な(R)ANノードの主要構成要素を示すブロック図である。
図9図9はAMFの主要構成要素を示すブロック図である。
図10図10は5Gシステムアーキテクチャである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本文書の目的上、TR 21.905および以下に示す省略形が適用される。本文書で定義されている略語は、TR 21.905で同じ略語が定義されている場合、その定義よりも優先される。
5GC 5G Core Network
5GS 5G System
5G-AN 5G Access Network
5G-GUTI 5G Globally Unique Temporary Identifier
5G-S-TMSI 5G S-Temporary Mobile Subscription Identifier
5QI 5G QoS Identifier
AF Application Function
AMF Access and Mobility Management Function
AN Access Node
AS Access Stratum
AUSF Authentication Server Function
CP Control Plane
DL Downlink
DN Data Network
DNAI DN Access Identifier
DNN Data Network Name
EDT Early Data Transmission
FQDN Fully Qualified Domain Name
GFBR Guaranteed Flow Bit Rate
GMLC Gateway Mobile Location Centre
GPSI Generic Public Subscription Identifier
GUAMI Globally Unique AMF Identifier
HR Home Routed (roaming)
LADN Local Area Data Network
LBO Local Break Out (roaming)
LMF Location Management Function
LRF Location Retrieval Function
MAC Medium Access Control
MFBR Maximum Flow Bit Rate
MICO Mobile Initiated Connection Only
N3IWF Non-3GPP InterWorking Function
NAI Network Access Identifier
NAS Non-Access Stratum
NEF Network Exposure Function
NF Network Function
NG-RAN Next Generation Radio Access Network
NR New Radio
NRF Network Repository Function
NSI ID Network Slice Instance Identifier
NSSAI Network Slice Selection Assistance Information
NSSF Network Slice Selection Function
NSSP Network Slice Selection Policy
PCF Policy Control Function
PEI Permanent Equipment Identifier
PER Packet Error Rate
PFD Packet Flow Description
PPD Paging Policy Differentiation
PPI Paging Policy Indicator
PSA PDU Session Anchor
QFI QoS Flow Identifier
QoE Quality of Experience
(R)AN (Radio) Access Network
RLC Radio Link Control
RQA Reflective QoS Attribute
RQI Reflective QoS Indication
RRC Radio Resource Control
SA NR Standalone New Radio
SBA Service Based Architecture
SBI Service Based Interface
SD Slice Differentiator
SDAP Service Data Adaptation Protocol
SEAF Security Anchor Functionality
SEPP Security Edge Protection Proxy
SMF Session Management Function
S-NSSAI Single Network Slice Selection Assistance Information
SSC Session and Service Continuity
SST Slice/Service Type
SUCI Subscription Concealed Identifier
SUPI Subscription Permanent Identifier
UDSF Unstructured Data Storage Function
UL Uplink
UL CL Uplink Classifier
UPF User Plane Function
UDR Unified Data Repository
URSP UE Route Selection Policy
【0031】
一般的なNASレベルの輻輳制御とネットワークスライスの輻輳制御の両方を協調して動作させるためには、以下の理由により、waitタイムの存続期間に、UEがS-NSSAIに関連するシグナリングを開始する必要がないように、(R)ANノードが、UEへ、輻輳しているS-NSSAIをwaitタイムとともに送信する手順が必要となる。
(1)NASメッセージによるS-NSSAI及びバックオフタイマー送信は、AMFがNASメッセージを多数のUEに伝送する必要があるので、すでに過負荷状態にあるAMFにさらなる負荷を引き起こす。
(2)1つのAMFに接続しているANの数は、1つのAMFに接続しているUEの数よりも少ない。
(3)したがって、S-NSSAIおよびバックオフタイマー送信に、(ANからUEへの)ANメッセージを使用することによって、AMFは、OverloadメッセージをANに送信するだけでよい。
また、(R)ANノードが輻輳したときに保護することや、RANノードが輻輳しないようにすることもその理由の1つである。
本発明は、5GSにおける過負荷制御に関する以下の技術的態様を開示する。
(1) RANノードは、輻輳しているネットワークスライスのS-NSSAIのリストと、オプションとしてリスト内の各S-NSSAIに対するwaitタイマーを含むN2メッセージ(例:NGAP OVERLOAD START)をAMFから受信する。
(2) RANノードは、ANシグナリング接続を確立するためのS-NSSAIのリストを含むAN signallingメッセージをUEから受信し、S-NSSAIがAMFにおいて輻輳状態であることがN2メッセージに示されると、AN signallingメッセージで、S-NSSAIのリスト及び、リストにある各S-NSSAIのwaitタイマーをUEに送信する。
(3) UEは、S-NSSAIのリスト及びリスト内の各S-NSSAIのwaitタイムを含むANメッセージを受信すると、ネットワークスライスに関連した輻輳が発生したと判定(考慮)する。その後、UEは、S-NSSAIのwaitタイムに示されるタイマー期間、すなわち、waitタイマーが満了するまでの間、リストに含まれるS-NSSAIに関するNASおよびAS手順を開始しない(つまり、NASまたはASメッセージを送信しない。)。言い換えると、UEは、waitタイマーが満了した場合、リストに含まれるS-NSSAIに関連するNASおよびAS手順を開始してもよい(つまり、NASまたはASメッセージを送信する)。
(4) waitタイムのみを含むANメッセージを受信すると、UEは、waitタイムがNAS輻輳やその他の異常なネットワーク状態に関連していると判断する。UEはwaitタイムの間、すなわちwaitタイマーが満了するまで、NASおよびAS手順を開始しない。ANメッセージは、NAS輻輳が進行中であることを示す明示的なindicationを含んでもよい。
(5) あるシナリオでは、S-NSSAIのリストは単一のS-NSSAIを含む。
(6) あるシナリオでは、UEへのANメッセージは、ネットワーク内のS-NSSAI及びwaitタイムのリストとともにネットワークにおける輻輳を示す情報要素(例:AN cause、RRC cause)を含む。UEは、S-NSSAIのリスト及びリスト内の各S-NSSAIのwaitタイムとともにネットワークにおける輻輳を示す情報要素を受信すると、リスト内のS-NSSAIに対応するネットワークスライスが輻輳していると判定(考慮)する。UEは、S-NSSAIのwaitタイムの期間が満了するまで、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはASメッセージを送信しない。S-NSSAIのリストはUEに対するconfigured S-NSSAIのみで構成されてもよい。S-NSSAIのリストはAMFが輻輳していると認識しているすべてのS-NSSAIで構成されてもよい。
(7) あるシナリオでは、UEへのANメッセージは、S-NSSAIのリスト及び、リスト中の各S-NSSAIに対するwaitタイムと共に、ネットワークスライスの輻輳を示す情報要素を含む。UEは、ネットワークスライスの輻輳を示す情報要素を含むANメッセージを受信すると、S-NSSAIのリスト中に存在するS-NSSAIに対応するネットワークスライスにおいて輻輳が発生していると判断(考慮)する。UEは、各S-NSSAIに対応するwaitタイムの期間が満了するまで、受信したS-NSSAIのリスト中に存在するS-NSSAIに関連するNAS手順を開始しない、つまり、NASメッセージもしくはASメッセージを送信しない。
(8) あるシナリオでは、UEへのANメッセージは、S-NSSAIのリストを含まず、ネットワーク内の輻輳を示す情報要素(例:AN cause、RRC cause)を含み、次に、UEは、ネットワーク内のNASレベルの輻輳またはネットワーク内のASレベルの輻輳があると判断(考慮)し、NAS手順を開始しない、すなわち、NASもしくはASメッセージを送信しない。
(9) NAS手順は、Registration Management Procedure (initial registrationまたはmobility registrationに関するRegistration procedure)、Connection Management procedure(Service Request procedure)、session management procedure (PDU Session establishmentまたはPDU session management procedure)である。AS手順は、ANシグナリングコネクション確立手順(例:RRC Connection Establishment procedure)である。
【0032】
図1は、AMFがネットワークスライスに関する輻輳もしくは一般的なNAS輻輳を示している場合の、(R)ANノードとUEでの輻輳制御の処理に関する手順を示す。
【0033】
ネットワーク((R)AN及びAMF)とUEは、図1に示す手順と、次の手順に従う。
【0034】
0. ネットワークスライスで輻輳が発生しているとAMFが判断した場合、AMFは、輻輳しているS-NSSAIのリスト、およびオプションで各S-NSSAIのwaitタイムを含むN2メッセージ(NGAP OVERLOAD START)を送信する。waitタイムの値は、ネットワークスライスに関連するAMF内のローカルな輻輳状況によって決定される。AMFが一般的なNASレベルの輻輳を検出した場合、ネットワークは、NASレベルの輻輳を(R)ANノードに示し、オプションとして、AMF内のネットワーク状態に応じてAMFによって決定されるwaitタイムを含める。
【0035】
1. (R)ANノードは、輻輳しているネットワークスライスのS-NSSAIのリストと、オプションでリスト内の各S-NSSAIに対するwaitタイマーを含むN2メッセージ(S-NSSAI(s)、waitタイム(オプション))(例:NGAP OVERLOAD START)をAMFから受信する。N2メッセージは、非特許文献1(TS23.501)の5.19.5.2項で定義されている手順に従って、N2メッセージにおいて送信されるS-NSSAIのリストに関する過負荷制御を開始することを(R)ANノードに対して要求している。各S-NSSAIのために含まれるwaitタイムは、ネットワークがネットワークスライス関連輻輳(network slice related congestion)を経験しなくなる期間を示す。言い換えれば、waitタイマーの失効は、ネットワークスライス関連輻輳がもはや存在しないことが予測されることを示してもよい。
【0036】
2. (R)ANノードは、UEから、ANシグナリング接続を確立するために、S-NSSAIのリストを含む第1のAN signallingメッセージを受信する。第1のAN signallingメッセージは、(R)ANシグナリング接続確立手順の間にUEによって送信されるRRC Connection RequestメッセージまたはRRC Connection Setup completeメッセージまたは他の既存のRRCメッセージまたは新しいRRCメッセージである。EDT手順が有効になっている場合、RRC Connection Requestメッセージを使用してUEからS-NSSAIのリストが送信されてもよい。
【0037】
3. (R)ANノードは、ステップ2でUEから受信したS-NSSAI(s)が、ステップ0でAMFから受信したS-NSSAIリストに含まれているか否かをチェックする。UE S-NSSAIリストのいずれかのS-NSSAIがAMF S-NSSAIリストに含まれている場合、ステップ4で述べたように、(R)ANは、一致するS-NSSAI及び対応するwaitタイムのリストを含む第2のAN signallingメッセージをUEに送信する。第2のAN signallingメッセージは、(R)AN接続が確立できない場合のエラーケースを処理するために、(R)ANシグナリング接続確立手順の間にUEによって送信される、RRC Connection RejectメッセージまたはRRC Connection Releaseメッセージまたは他の既存のRRCメッセージまたは新しいRRCメッセージである。第1のANメッセージがRRC Connection Requestメッセージであれば、(R)ANノードはRRC Connection Rejectを送信し、または、第1のANメッセージがRRC connection setup completeメッセージであれば、(R)ANはRRC Connection Releaseメッセージを送信する。
【0038】
ステップ3の上記のケースのあるシナリオでは、(R)ANノードは、第2のAN signallingメッセージにおけるS-NSSAIおよびwaitタイムのリストとともに、ANシグナリング接続の確立における失敗の理由を示す追加情報を第1の情報要素(例:AN causeまたはRRC cause)において提供する。RANが一般的なNASレベルの輻輳を検出した場合、情報要素は輻輳を示す値を含み、RANがネットワークスライス内の輻輳を検出した場合、情報要素はネットワークスライス輻輳を示す値含む。
【0039】
NASレベルの輻輳によりANシグナリング接続確立が拒否された場合、ANノードは輻輳を示す値を持つ情報要素を設定し、第1のANメッセージにwaitタイムを含め、S-NSSAI及びそれらのwaitタイムのリストを含めない。あるケースでは、ANノードは、第2のANシグナリング接続におけるwaitタイムだけを含め、S-NSSAI及びそれらのwaitタイムのリストおよび第1の情報要素を含めない。
【0040】
上記の場合のあるシナリオでは、UEに送信される各S-NSSAIのwaitタイムは、AMFによってこのS-NSSAIについて提供されるwaitタイムと同じであってもよく、または、それに基づいていてもよい。
【0041】
上記の場合のあるシナリオにおいて、各S-NSSAIについてUEに送信されるwaitタイムは、waitタイムを導出する際の1つの入力パラメータとして、このS-NSSAIについてANノードから受信されるwaitタイムを考慮することによって、(R)ANノードによって導出される。
【0042】
あるシナリオにおいて、waitタイムがAMFから受信されない場合、(R)ANは、各S-NSSAIのwaitタイムを(R)ANで決定し、またはN2メッセージにおいてAMFによって提供されるいくつかの他のパラメータ上で決定する。
【0043】
4. UEは、第2のAN signallingメッセージ (例:RRC Connection Reject)を受信する。ANシグナリング接続が確立された場合、UEはANシグナリング接続を解放するか、またはANシグナリング接続確立が開始されたときにANシグナリング接続を中断する。
【0044】
5. UEはオプションとして、第3のAN signallingメッセージ(例:第2のAN signallingメッセージがRRC Connection Release Requestの場合、RRC connection Release complete) を送信する。第3のAN signallingメッセージは、第2のAN signallingメッセージに対する肯定応答(acknowledgement)を示し、AN接続が正常に確立されたときに、ANシグナリング接続解放が成功したことを示す。
【0045】
6. 第2のAN signallingメッセージが、ネットワークスライス輻輳または輻輳に設定された情報要素を含み、かつS-NSSAIおよび各S-NSSAIのwaitタイムのリストを含む場合、UEは、waitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはAS手順を開始しない。すなわち、UEは、waitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはASシグナリングを送信しない。UEは、(R) ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNAS手順またはAS手順を開始する。すなわち、UEは、(R) ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNASまたはASメッセージを送信する。
【0046】
第2のAN signallingメッセージがS-NSSAIおよび各S-NSSAIのwaitタイムのリストを含み、かつ第1の情報要素を含まない場合、UEは、waitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはASの手順を開始しない。すなわち、UEは、waitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはASシグナリングを送信しない。UEは、(R)ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNAS手順またはAS手順を開始する。すなわち、UEは、(R)ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNASまたはASメッセージを送信する。waitタイマーが満了した場合に、UEは、(R)ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在するS-NSSAIに関連するNAS手順またはAS手順を、開始してもよい。
【0047】
第2のAN signallingメッセージがwaitタイムを含み、S-NSSAI及びそれらのwaitタイムのリスト、および第1の情報要素を含まない場合、UEはNASまたはAS手順を開始しない。すなわち、UEはASまたはNAS signallingメッセージをネットワークに送信しない。UEはASまたはNASシグナリング接続を確立しない。UEは、一般的なNASレベルの輻輳が原因でANシグナリング接続確立が失敗したと判断する。
【0048】
第2のAN signallingメッセージが、値が輻輳に設定された情報要素とwaitタイムを含むが、S-NSSAIのリストを含まない場合、UEはNASまたはAS手順を開始しない。すなわちUEはASまたはNAS signallingメッセージをネットワークに送信しない。UEはASまたはNASシグナリング接続を確立しない。UEは、ネットワークでの一般的なNASレベルの輻輳が原因でANシグナリング接続確立が失敗したと判断する。
【0049】
別のシナリオでは、AN、UE、およびAMFは、以下のステップを実行してもよい。
【0050】
1. AMFは、AMFにおける過負荷が(完全に/部分的に)回復中であることを示すN2メッセージ(例:OVERLOAD STOPメッセージ)をANに送信するか、またはより多くの信号トラフィックを搬送することを許可する新しいパーセンテージ値で過負荷開始手順をトリガする。
【0051】
2. ANは、ステップ1に応答して、AMF/スライスが回復中であることを示す情報をUEに送信する。AMF/スライスが回復中であることを示す情報は、ANによってブロードキャストされてもよい。
【0052】
3. UEは、AMF/スライスが回復中であることを示す情報を受信すると、次に示すステップ(a)または(b)を実行してもよい。
a. waitタイム(バックオフタイマー)が動作中であっても、AMF/スライスが回復中であることを示す情報を受信したときにANシグナリング接続を開始する。
b. UEがAMF/スライスが回復中であることを示す情報を受信した場合、waitタイム(waitタイマー)が満了することを考慮する。
【0053】
この実施形態では、AMFは、タイマー値を決定し、AMFは、オプションとしてタイマー値を(R)ANノードに送信する。しかしながら、(R)ANノードは、AMFの代わりにタイマー値を決定することができる。(R)ANノードは、AMFからの情報に基づいてタイマー値を決定することができる。情報は、例えば、負荷レベル情報(例、1.very high/high/middle/low 2. 負荷のパーセンテージ)となりえる。(R)ANノードがタイマー値を決定するバリエーションは、本説明の他の実施形態にも適用可能である。
【0054】
図2は、UEでNASシグナリング接続が確立されており、少なくとも1つのPDUセッションが確立されている場合のシナリオの手順を示している。
【0055】
ネットワーク((R)AN及びAMF)とUEとは、図2に示す手順と、以下に示される手順に従う。
【0056】
0. UEは、異なるネットワークスライス(つまり、異なるS-NSSAI)に関連するPDUセッションを確立している。
【0057】
1. ANは、輻輳しているS-NSSAIのリストを含むN2メッセージ(例: NGAP OVERLOAD START)をAMFから受信する。
【0058】
2. ANは、UEのすべてのS-NSSAIが輻輳しているわけではないことを識別する。
【0059】
3. ANは、輻輳しているS-NSSAIのリストを含む第1のAN signallingメッセージを送信し、UEにネットワークリソースを解放するように指示することによって、輻輳しているS-NSSAI(s)に関連するネットワークリソースの選択的解放を開始する。ANは、UEに第1のAN signallingメッセージを送信する。この第1のANメッセージは、S-NSSAIに関連するネットワークリソースを解放することを示す新しい情報要素を含む新しいANメッセージまたは既存のANメッセージである。
【0060】
4. UEは第1のAN signallingメッセージの肯定応答を示すANに第2のAN signallingメッセージを送信する。
【0061】
5. UEが、S-NSSAIのリストを含み、ネットワークリソースを解放することをUEに指示するANからの第1のAN signallingメッセージを受信すると、UEは、リストに存在するS-NSSAIに関連するすべてのネットワークリソースを解放するが、PDUセッションは確立したままにする。ネットワークリソースは、ANリソースおよびCNリソースである。ANおよびCNリソースは、シグナリング(すなわち、コントロールプレーン)リソースおよびユーザプレーンリソースをさらに含む。ANリソースの例は、DRBとSRBであり、CNリソースの例は、GTP-UリソースとQoSフローである。別の観点から、ANリソースは、すべての確立された無線ベアラのためのRLCエンティティ、MAC configuration、および関連するPDCPエンティティのうちの少なくとも1つを含む、すべての無線リソースであってもよい。
【0062】
上記の説明では、AN signallingメッセージが示されている。AN signallingメッセージの例としては、RRC connection releaseがある。
【0063】
また、上記の説明において、ネットワークリソースを解放する例は、S-NSSAIに関するものである。ネットワークリソースは、S-NSSAIだけでなく、現在のPDUセッションIDによっても識別することができる。
【0064】
バックオフタイマーが満了した後、UEがAMFに以下のいずれかのパラメータを含むPDUセッションEstablish Requestを送信する。
-S-NSSAI
-現在の(または古い)PDUセッションID
-新しいPDUセッションID
-上記のパラメータの組み合わせ
【0065】
本実施形態におけるこのリソース識別は、本説明の他の実施形態に適用することができる。
【0066】
図3は、輻輳しているネットワークスライスのネットワークリソースのみを解放し、輻輳していないスライスのネットワークリソースを維持する手順を示している。
【0067】
この手順では、ネットワークリソースは、ANリソースとCNリソースである。ANおよびCNリソースは、シグナリングリソースおよびユーザプレーンリソースをさらに含む。ANリソースの例は、DRBとSRBであり、CNリソースの例は、GTP‐UリソースとQoSフローである。別の観点から、ANリソースは、すべての確立された無線ベアラのためのRLCエンティティ、MAC configuration、および関連するPDCPエンティティのうちの少なくとも1つを含む、すべての無線リソースであってもよい。
【0068】
0. UEは、NASシグナリング接続を確立しており、複数のS-NSSAIに対してPDUセッションを確立している。
【0069】
1. (R)ANノードは、輻輳しているネットワークスライスのS-NSSAIのリストと、オプションとしてリスト中の各S-NSSAIのwaitタイマーを含むN2メッセージ(S-NSSAI(s)、waitタイム(オプション))(例:NGAP OVERLOAD START)をAMFから受信する。N2メッセージは、非特許文献1の5.19.5.2項で定義された手順に従って、(R)ANノードに対して、N2メッセージで送信されたS-NSSAIのリストに関連する過負荷制御を開始することを要求している。各S-NSSAIのために含まれるwaitタイムは、ネットワークがネットワークスライス関連輻輳(network slice related congestion)を経験しなくなる期間を示す。
【0070】
2. UEが第1のN2メッセージで示されたS-NSSAIについてPDUセッションを確立しており、UEがS-NSSAIで示されていないS-NSSAIについてPDUセッションを確立している場合、(R)ANノードは、S-NSSAIのリスト及びリスト内の各S-NSSAIのwaitタイマーを含む第1のAN signallingメッセージを送信し、UEに対して、リストで示されたS-NSSAIに関連するネットワークリソースを解放し、PDUセッションを確立したままにするように要求する。(R)ANノードは、第1のN2メッセージに示されていないS-NSSAIに関連するPDUセッションのためのネットワークリソースを維持する。第1のAN signallingメッセージは新しいメッセージか既存のAN signallingメッセージである。
【0071】
3. UEは、S-NSSAIおよび対応するwaitタイムのリストを含む第1のAN signallingメッセージを受信する。UEは、指示されたS-NSSAIに関連するすべてのネットワークリソースを解放し、PDUセッションを確立したままにする。UEは、第1 AN signallingメッセージに示されていないS-NSSAIに関連するネットワークリソースを解放しない。
【0072】
4. UEは第2のAN signallingメッセージをANに送信する。
【0073】
5. 第1のAN signallingメッセージが、ネットワークスライス輻輳または輻輳に設定された情報要素を含み、S-NSSAIおよび各S-NSSAIのwaitタイムのリストを含む場合、UEは、waitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはAS手順を開始しない。すなわち、UEは、waitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはASシグナリングを送信しない。UEは、(R)ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNAS手順またはAS手順を開始する。すなわち、UEは、(R)ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNASまたはASメッセージを送信する。
【0074】
第1のAN signallingメッセージがS-NSSAI及び各S-NSSAIのwaitタイムのリストを含み、かつ第1の情報要素を含まない場合、UEは、waitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはAS手順を開始しない、すなわち、UEは、waitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはASシグナリングを送信しない。UEは、(R)ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNAS手順またはAS手順を開始する。すなわち、UEは、(R)ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNASまたはASメッセージを送信する。
【0075】
6. ステップ2の後、(R)ANノードは、S-NSSAIおよびUE IDのリストを含む第2のN2メッセージをAMFに送信し、AMFに対して、リスト内に存在するS-NSSAIに対して確立されたPDUセッションに関連するネットワークリソースを解放することを要求する。N2メッセージは新しいN2メッセージである。
【0076】
AMFは、第2のN2メッセージを受信し、関連するSMFにメッセージを送信することによって、リストに存在するS-NSSAIに対応するPDUセッションに関連するネットワークリソース解放手順を開始する。
【0077】
7. N11メッセージを受信したSMFは、UEのS-NSSAIに関連するPDUセッションに関連するネットワークリソースを解放する。SMFは、オプションとして、指示されたS-NSSAIのPDUセッションに関連するネットワークリソースの解放が成功したことを示す応答メッセージをAMFに返送する。
【0078】
8. AMFは第2のN11メッセージを受信する。AMFは、オプションとして、指示されたS-NSSAIのPDUセッションに関連するネットワークリソースの解放が成功したことを認めることを示す第3のN2メッセージを送信する。
【0079】
9. 第3のN2メッセージを受信した(R)ANは、UEに対するネットワークリソース解放手順を完了する。
【0080】
図4は、UEに関連する1つのS-NSSAIがAMFによって輻輳していると示された場合に、すべてのS-NSSAIに関連するネットワークリソースを解放する手順を示す。この手順では、5GSにおける過負荷制御の技術的側面として以下の点が開示されている。
【0081】
(1) UEは、異なるネットワークスライスに対してPDUセッションを確立している。ANは輻輳しているS-NSSAIのリストを含むN2メッセージを受信する。ANは、UEのすべてのS-NSSAIが輻輳しているわけではないことを識別し、AN signallingメッセージを送信してUEのすべてのネットワークリソースの解放を開始する。ANメッセージは、全てのネットワークリソースの解放を示す既存のANメッセージか、UEに全てのネットワークリソースの解放を要求する新規のANメッセージである。
【0082】
(2) UEがすべてのネットワークリソースの解放を要求するANメッセージングを受信すると、UEはUEに割り当てられたすべてのネットワークリソースを解放する。UEはアイドル状態になる。
【0083】
0. UEはNASシグナリング接続を確立しており、複数のS-NSSAIに対してPDUセッションを確立している。
【0084】
1. (R)ANノードは、輻輳しているネットワークスライスのS-NSSAIのリストと、オプションとして、リスト内の各S-NSSAIのwaitタイマーを含むN2メッセージ(S-NSSAI(s)、waitタイム(オプション))(例:NGAP OVERLOAD START)をAMFから受信する。N2メッセージは、非特許文献1の5.19.5.2項で定義された手順に従って、(R)ANノードに対して、N2メッセージで送信されたS-NSSAIのリストに関連する過負荷制御を開始することを要求している。各S-NSSAIのwaitタイムは、ネットワークがネットワークスライス関連輻輳を経験しなくなる期間を示す。
【0085】
2. RANは、UEが第1のN2メッセージに示されるS-NSSAIに対してPDUセッションを確立しているかどうか、及び、UEがS-NSSAIに示されていないS-NSSAIに対してPDUセッションを確立しているかどうかをチェックし、(R)ANノードは、AMFによって示されたUEのS-NSSAI及び対応するwaitタイムのリスト、およびオプションとしてAN接続の解放の原因を示す第1の情報要素を含む第1のANメッセージを送信することによって、ネットワークリソースの解放を開始する。
【0086】
上記のステップ2の場合のあるシナリオでは、(R)ANノードは、第2のAN signallingメッセージにおけるS-NSSAIおよびwaitタイムのリストとともに、ANシグナリング接続の確立を失敗したことの理由を示す追加情報を、第1の情報要素(例:AN causeまたはRRC cause)において提供する。RANが一般的なNASレベルの輻輳を検出した場合、情報要素は輻輳を示す値を含み、RANがネットワークスライスの輻輳を検出した場合、情報要素は、ネットワークスライス輻輳を示す値を含む。
【0087】
NASレベルの輻輳によりANシグナリング接続確立が拒否された場合、ANノードは第1のANメッセージに輻輳を示す値を持つ情報要素を設定し、waitタイムを含め、S-NSSAI及びそれらのwaitタイムのリストを含めない。あるケースでは、それは第2のANシグナリング接続におけるwaitタイムだけを含み、S-NSSAI及びそれらのwaitタイムのリストおよび第1の情報要素を含まない。
【0088】
上記の場合のあるシナリオでは、各S-NSSAIについてUEに送信されるwaitタイムは、AMFによってこのS-NSSAIについて提供されるwaitタイムと同じである。
【0089】
上記の場合のあるシナリオにおいて、各S-NSSAIについてUEに送信されるwaitタイムは、waitタイムを導出する際の1つの入力パラメータとして、このS-NSSAIについてANノードから受信されるwaitタイムを考慮することによって、(R)ANノードによって導出される。
1つのシナリオにおいて、waitタイムがAMFから受信されない場合、(R)ANは、各S-NSSAIのwaitタイムを(R)AN自身で、またはN2メッセージにおいてAMFによって提供されるいくつかの他のパラメータ上で決定する。
【0090】
3. UEは第2のAN signallingメッセージを受信する。ANシグナリング接続が確立された場合、UEはANシグナリング接続を解放するか、またはANシグナリング接続確立が開始されたときにANシグナリング接続を中断する。
【0091】
4. UEはオプションとして、AN接続が正常に確立されたときに、第2のAN signallingメッセージに対する肯定応答であり、ANシグナリング接続の解放が成功したことを示す、第3のAN signallingメッセージ (例:第2のAN signallingメッセージがRRC Connection Release Requestの場合、RRC connection Release complete)を送信する。
【0092】
5. 第2のAN signallingメッセージが、ネットワークスライス輻輳または輻輳に設定された情報要素を含み、かつS-NSSAIおよび各S-NSSAIのwaitタイムのリストを含む場合、UEは、waitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはAS手順を開始しない。すなわち、UEは、waitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはASシグナリングを送信しない。UEは、(R)ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNAS手順またはAS手順を開始する。すなわち、UEは、(R)ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNASまたはASメッセージを送信する。
【0093】
第2のAN signallingメッセージがS-NSSAIおよび各S-NSSAIのwaitタイムのリストを含み、かつ第1の情報要素を含まない場合、UEはwaitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはAS手順を開始しない。すなわち、UEは、waitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはASのシグナリングを送信しない。UEは、(R)ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNAS手順またはAS手順を開始する。すなわち、UEは、(R)ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNASまたはASメッセージを送信する。
【0094】
第2のAN signallingメッセージがwaitタイムを含み、S-NSSAI及びそれらのwaitタイムのリスト、および第1の情報要素を含まない場合、UEはNASまたはAS手順を開始しない。すなわち、UEはASまたはNASシグナリングメッセージをネットワークに送信しない。UEはASまたはNASシグナリング接続を確立しない。
【0095】
第2のAN signallingメッセージが輻輳に設定される情報要素とwaitタイムとを含むが、S-NSSAIリストを含まない場合、UEはNASまたはAS手順を開始しない。すなわちUEはASまたはNASシグナリングメッセージをネットワークに送信しない。UEはASまたはNASシグナリング接続を確立しない。
【0096】
6. 非特許文献1の4.2.6項に定義されているように、(R)ANノードはUE context release手順を開始する。
【0097】
図5は、service request手順中のANノードにおけるネットワークスライス関連輻輳の処理を示している。この手順は、5GSにおける過負荷制御について、以下の技術的側面を開示する。
【0098】
(1) UEは、ANシグナリング接続確立中にAN signallingメッセージに、アクティブ化されるPDUセッションに関連するS-NSSAIを含める。service requestが、複数のPDUセッションをアクティブにするためのトリガとなり、これらのPDUセッションが異なるS-NSSAIに関連している場合、UEは、AN signallingメッセージにすべてのS-NSSAIを含める。
【0099】
(2) RANノードは、S-NSSAIもしくはS-NSSAIのリストを含むAN signallingメッセージを受信するとANシグナリング接続確立を拒否する。RANノードは、ANシグナリング接続確立を拒絶することをRANノードに指示する、当該S-NSSAIもしくはS-NSSAIのリストに関するN2メッセージを受信する。
【0100】
0. UEはPLMNに登録され、アイドル状態にあり、シグナリング接続がない。
【0101】
1. (R) ANノードは、輻輳しているネットワークスライスのS-NSSAIのリスト及びオプションとしてリスト内の各S-NSSAIのwaitタイムを含むN2メッセージ(S-NSSAI(s)、waitタイム (オプション)) (例:NGAP OVERLOAD START)をAMFから受信する。N2メッセージは、非特許文献1の5.19.5.2項で定義された手順に従って、(R)ANノードに対して、N2メッセージで送信されたS-NSSAIのリストに関連する過負荷制御を開始することを要求している。各S-NSSAIのために含まれるwaitタイムは、ネットワークがネットワークスライス関連輻輳を経験しなくなる期間を示す。
【0102】
2. UEはservice request手順を開始するトリガを得る。例えば、PDUセッションを確立するためのトリガ、または確立されたPDUセッションのためのユーザプレーン接続を開始するためのトリガである。
【0103】
3. UEはANシグナリング接続確立手順を開始し、確立されるPDUセッションのS-NSSAIを含む第1のAN signallingメッセージを送信する。第1のANシグナリング接続は、ANシグナリング接続確立手順の間にUEが(R)ANに送信した第1のAN signallingメッセージ(RRC Connection Requestメッセージ)、あるいは、ANシグナリング接続確立の間にUEの第1のANメッセージに応答してUEが(R)ANからAN signallingメッセージを受信した後に、UEが(R) ANノードに送信した第2のAN signallingメッセージ(RRC Connection setup complete)である。
【0104】
4. RANノードは、S-NSSAIと確立原因(establishment cause)を含む第1のAN signaling connection Requestメッセージを受信する。(R)ANノードは、第1のN2シグナリングメッセージにおいてAN signallingメッセージに存在するS-NSSAIが輻輳していると示された場合、ANシグナリング接続確立手順を拒否する。(R)ANノードは、(S-NSSAIおよびwaitタイム、AN cause (オプション))を含む第2のAN signallingメッセージを送信する。
【0105】
上記のステップ4のあるシナリオでは、(R)ANノードは、第2のAN signallingメッセージにおけるS-NSSAIおよびwaitタイムのリストとともに、ANシグナリング接続の確立における失敗の理由を示す追加情報を第1の情報要素(例:AN causeまたはRRC cause)において提供する。RANが一般的なNASレベルの輻輳を検出した場合、情報要素は輻輳を示す値を含み、RANがネットワークスライス内の輻輳を検出した場合、情報要素は、ネットワークスライス輻輳を示す値を含む。
【0106】
NASレベルの輻輳によりANシグナリング接続確立が拒否された場合、ANノードは輻輳の値を持つ情報要素を設定し、第1のANメッセージにwaitタイムを含め、S-NSSAI及びそれらのwaitタイムのリストを含めない。あるケースでは、それは第2のANシグナリング接続におけるwaitタイムだけを含み、S-NSSAI及びそれらのwaitタイムおよび第1の情報要素を含まない。
【0107】
上記の場合のあるシナリオでは、各S-NSSAIについてUEに送信されるwaitタイムは、AMFによってこのS-NSSAIについて提供されるwaitタイムと同じである。
【0108】
上記の場合のあるシナリオでは、各S-NSSAIについてUEに送信されるwaitタイムは、waitタイムを導出する際の1つの入力パラメータとして、このS-NSSAIについてANノードから受信されるwaitタイムを考慮することによって、(R)ANノードによって導出される。
【0109】
あるシナリオにおいて、waitタイムがAMFから受信されない場合、(R)ANは、各S-NSSAIのwaitタイムを(R)AN自身で、またはN2メッセージにおいてAMFによって提供されるいくつかの他のパラメータ上で決定する。
【0110】
5. UEは第2のAN signallingメッセージを受信する。ANシグナリング接続が確立された場合、UEはANシグナリング接続を解放するか、またはANシグナリング接続確立が開始されたときにANシグナリング接続を中断する。
【0111】
6. UEはオプションとして、AN接続が正常に確立されたときに、第2のAN signallingメッセージに対して肯定応答し、ANシグナリング接続の解放が成功したことを示す第3のAN signallingメッセージ(例:第2のAN signallingメッセージがRRC Connection Release Requestの場合、RRC connection Release complete)を送信する。
【0112】
7. 第2のAN signallingメッセージが、ネットワークスライス輻輳または輻輳に設定された情報要素を含み、かつS-NSSAIおよび各S-NSSAIのwaitタイムのリストを含む場合、UEは、waitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはAS手順を開始しない。すなわち、UEは、waitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはASシグナリングを送信しない。UEは、(R)ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNAS手順またはAS手順を開始する。すなわち、UEは、(R)ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNASまたはASメッセージを送信する。
【0113】
第2のAN signallingメッセージがS-NSSAIのリストおよび各S-NSSAIのwaitタイムを含み、かつ第1の情報要素を含まない場合、UEは、waitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはAS手順を開始しない。すなわち、UEは、waitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはASシグナリングを送信しない。UEは、(R)ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNAS手順またはAS手順を開始する。すなわち、UEは、(R)ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNASまたはASメッセージを送信する。
【0114】
第2のAN signallingメッセージがwaitタイムを含み、S-NSSAI及びそれらのwaitタイムのリスト、および第1の情報要素を含まない場合、UEはNASまたはAS手順を開始しない。すなわち、UEはASまたはNASシグナリングメッセージをネットワークに送信しない。UEはASまたはNASシグナリング接続を確立しない。
【0115】
第2のAN signallingメッセージが、値が輻輳に設定される情報要素及びwaitタイムを含むが、S-NSSAIのリストを含まない場合、UEはNASまたはAS手順を開始しない、すなわちUEはASまたはNASシグナリングメッセージをネットワークに送信しない。UEはASまたはNASシグナリング接続を確立しない。
【0116】
図6は、N3IWFによる輻輳制御の処理手順を示している。この手順は、5GSにおける過負荷制御について、以下の技術的側面を開示する。
【0117】
(1) N3IWFが、S-NSSAIのリストを含む5GのEAPメッセージを受信し、N3IWFが、S-NSSAIのリストに存在するS-NSSAIのAN接続確立を拒否するN2メッセージ(例:NGAP OVERLOAD START)を受信すると、N3IWFは、S-NSSAIのリスト及びS-NSSAIリストに存在する各S-NSSAIのwaitタイムを含む5GのEAPメッセージを送信する。N3IWFは、NASレベル輻輳制御を示すN2メッセージ(例:NGAP OVERLOAD START)を受信すると、ANシグナリング接続確立手順を拒否し、waitタイムを送信する。
【0118】
(2) UEがEAP応答でwaitタイムを受信すると、UEはNAS手順を開始しない。すなわちUEは、waitタイムの期間まで関連するNASまたはASメッセージを送信しない。UEが、EAPメッセージにおいてS-NSSAI及び各S-NSSAIのwaitタイムのリストを受信すると、UEは、S-NSSAIのwaitタイムの存続期間に、リスト内に存在するS-NSSAIに関連するNASまたはAS手順を開始しない。
【0119】
0. UEはアイドル状態である。
【0120】
1. ステップ1aまたは1bのいずれかが実行される。
AMFは、NASレベル輻輳制御を検出すると、非特許文献1の5.19.5.2項に従って過負荷制御を実行することをN3IWFに要求する(waitタイム)を含むN2メッセージ (例: NGAP OVERLOAD STARTメッセージ)を送信する。AMFは、スライス関連のネットワーク輻輳を検出した場合、輻輳しているネットワークスライスのS-NSSAIのリストを含み、非特許文献1の5.19.5.2項に従ってUEにAN過負荷制御を実行することを要求するN2メッセージを送信する。ネットワークはまた、リスト内の各S-NSSAIに対するwaitタイムを含む。
【0121】
2. UEはアイドル状態である。
【0122】
3. UEはNAS手順(初期attachまたは移動(mobility)に関する登録手順(Registration procedure)、またはService Request手順)を開始する。UEは、登録手順またはservice request手順において、TS 23.502の4.12.2.2項に定義されているステップ1~5を実行する。
【0123】
4. ステップ4aまたは4bのいずれかが実行される。
UEは、図6のステップ4bで説明したIKE_AUTH_REQメッセージでservice requestを送信し、図6のステップ4aで説明したIKE_AUTH_REQメッセージで登録要求を送信する。
【0124】
ステップ4aにおいては、IKEパラメータまたはEAPパラメータとして、このメッセージがattach要求もしくは登録要求用であることを示すパラメータが含まれてもよい。ステップ4bには、IKEパラメータまたはEAPパラメータとして、このメッセージがservice request用であることを示すパラメータが含まれてもよい。ステップ4bには、IKEパラメータまたはEAPパラメータにUEがPDU接続を確立することを望むS-NSSAIを示すS-NSSAIパラメータが含まれてもよい。
【0125】
5. ステップ5aまたは5bのいずれかが実行される。
N3IWFは、ステップ1aでNASレベル輻輳制御を行うためにN2メッセージを受信すると、waitタイムとNAS輻輳に関する値(例:輻輳)が設定されたオプションの情報要素AN causeを含むIKEメッセージを送信する。
【0126】
N3IWFは、ステップ4aまたは4bで存在し、ステップ1aの第1のN2メッセージで輻輳が示されたS-NSSAIのリストを含むIKEメッセージを送信する。IKEメッセージには、リストに存在する各S-NSSAIのwaitタイムも含む。IKEメッセージは、オプションとして、ネットワークスライス関連輻輳を示す情報要素を含む。
【0127】
ステップ5のメッセージは次のように定義されている。
IKE_AUTH_RSP(EAP-RES/5G-NAS/ [AN-PARAM (S-NSSAI (s) and wait time), AN cause (optional))
IKE_AUTH_RSP(EAP-REQ/5G-NAS/ [AN-PARAM (S-NSSAI (s) and wait time), AN cause (optional))
IKE_AUTH_REQ(EAP-RES/5G-NAS/ [AN-PARAM (S-NSSAI (s) and wait time), AN cause (optional))
IKE_AUTH_REQ(EAP-REQ/5G-NAS/ [AN-PARAM (S-NSSAI (s) and wait time), AN cause (optional))
IKE_AUTH_RSP(EAP-RES/5G-NAS/ [AN-PARAM (wait time), AN cause (optional))
IKE_AUTH_RSP(EAP-REQ/5G-NAS/ [AN-PARAM (wait time), AN cause (optional))
IKE_AUTH_REQ(EAP-RES/5G-NAS/ [AN-PARAM (wait time), AN cause (optional))
IKE_AUTH_REQ(EAP-REQ/5G-NAS/ [AN-PARAM (wait time), AN cause (optional))
【0128】
6. ステップ6aまたは6bのいずれかが、ステップ5に従って実行される。
ステップ5のIKEメッセージが、ネットワークスライス輻輳または輻輳に設定された情報要素を含み、S-NSSAIのリストおよび各S-NSSAIのwaitタイムを含む場合、UEは、waitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはAS手順を開始しない。すなわち、UEは、waitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはASシグナリングを送信しない。UEは、(R)ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNAS手順またはAS手順を開始する。すなわち、UEは、(R)ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNASまたはASメッセージを送信する。
【0129】
ステップ5におけるIKE ANメッセージがS-NSSAIのリストと各S-NSSAIのwaitタイムを含み、かつ第1の情報要素を含まない場合、UEは、waitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはAS手順を開始しない。すなわち、UEは、waitタイムに相当する期間、リストに存在するS-NSSAIに関連するNASまたはASシグナリングを送信しない。UEは、(R)ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNAS手順またはAS手順を開始する。すなわち、UEは、(R)ANノードから受信したS-NSSAIのリストに存在しないS-NSSAIに関連するNASまたはASメッセージを送信する。
【0130】
ステップ5におけるIKEメッセージがwaitタイムを含み、S-NSSAIのリストとそれらのwaitタイム、および第1の情報要素を含まない場合、UEはNASまたはAS手順を開始しない。つまり、UEはASまたはNASシグナリングメッセージをネットワークに送信しない。UEはASまたはNASシグナリング接続を確立しない。
ステップ5におけるIKEメッセージに、値が輻輳と設定されている情報要素とwaitタイムが含まれているが、S-NSSAIのリストが含まれていない場合、UEは、NASまたはAS手順を開始しない。つまり、UEはASまたはNASシグナリングメッセージをネットワークに送信しない。UEはASまたはNASシグナリング接続を確立しない。
【0131】
ユーザ機器 (UE)
図7は、UEの主要構成要素を示すブロック図である。図示のように、UE(100)は、1つ以上のアンテナ(104)を介して、接続されたノードに信号を送信し、かつ、ノードから信号を受信するように動作可能なトランシーバ回路 (103)を含む。必ずしも図7に示されていないが、UEは当然ながら一般的なモバイル装置のすべての通常の機能(ユーザーインターフェース(102)など)を有し、これは、ハードウェア、ソフトウェアおよびファームウェアの任意の1つまたは任意の組み合わせによって適切に提供され得る。ソフトウェアは、例えば、メモリにプリインストールされていてもよく、および/または、電気通信ネットワークを介して、またはremovable data storage device(RMD)からダウンロードされてもよい。
【0132】
コントローラ(101)は、メモリ(105)に記憶されたソフトウェアに従ってUEの動作を制御する。ソフトウェアは、とりわけ、オペレーティングシステムと、少なくともトランシーバ制御モジュール(107)を有する通信制御モジュール(106)とを含む。通信制御モジュール(106)(トランシーバ制御サブモジュールの使用)は、UEと他のノード、例えば基地局/(R)ANノード、AMF (その他のコアネットワークノード)との間のシグナリングおよびアップリンク/ダウンリンクデータパケットの処理 (生成/送信/受信)を担当する。このようなシグナリングは、例えば、接続確立および維持(例えばRRC接続確立および他のRRCメッセージ)、周期的位置更新関連メッセージ (例えば、tracking area update、ページングエリア更新、ロケーションエリア更新、RAN notification area (RNA)更新) などに関連する適切にフォーマットされたシグナリングメッセージを含み得る。
【0133】
(R)ANノード
図8は、例示的な (R)ANノード(200)、例えば、基地局(5Gでは「gNB」)の主要構成要素を示すブロック図である。図示されるように、 (R)ANノード(200)は、1つ以上のアンテナ(204)を介して接続されたUEと信号を送受信し、ネットワークインターフェース(202)を介して他のネットワークノードと信号を(直接的または間接的に)送受信するように動作可能なトランシーバ回路(203)を含む。コントローラ(201)は、メモリ(205)に記憶されたソフトウェアに従って、 (R)ANノードの動作を制御する。ソフトウェアは、例えば、メモリにプリインストールされていてもよく、および/または、電気通信ネットワークを介して、またはremovable data storage device(RMD)からダウンロードされてもよい。ソフトウェアは、とりわけ、オペレーティングシステムと、少なくともトランシーバ制御モジュールを有する通信制御モジュール(206)とを含む。
【0134】
通信制御モジュール (206)(トランシーバ制御サブモジュールの使用) は、 (R)ANノードと、UE、AMF、及びUDM/UDRなどの他のノードとの間の(例えば直接的または間接的な)シグナリングの処理(生成/送信/受信)を担当する。シグナリングは、例えば、無線接続およびロケーション手順(特定のUEに対して)、特に、接続確立および維持(例えば、RRC接続確立および他のRRCメッセージ)、周期的ロケーション更新関連メッセージ (例えば、tracking area update、ページングエリア更新、ロケーションエリア更新、RAN notification area (RNA)更新)、N2メッセージ(例えば、N2接続をアクティブにする、UEからNASメッセージを運ぶ、AMFにRRC Inactive state feature capability support informationを提供する、コアネットワークから関連するN2 request/responseメッセージを提供する)等によるメッセージなどに関連する適切にフォーマットされたシグナリングメッセージを含んでもよい。
【0135】
コントローラはまた、搭載されると、RRC Inactive state optimisation、UE移動推定および/または移動軌道推定などの関連タスクを(ソフトウェアまたはハードウェアによって)処理するように構成される。
【0136】
AMF
図9は、AMF(300)の主要構成要素を示すブロック図である。図示されるように、AMF(300)は、ネットワークインターフェース(302)を介して他のノード(UEを含む)と信号を送受信するように動作可能なトランシーバ回路(303)を含む。コントローラ(301)は、メモリ(304)に記憶されたソフトウェアに従ってAMF(300)の動作を制御する。ソフトウェアは、メモリ(304)にプリインストールされていてもよく、および/または、例えば、電気通信ネットワークを介して、またはremovable data storage device(RMD)からダウンロードされてもよい。ソフトウェアは、とりわけ、オペレーティングシステムと、少なくともトランシーバ制御モジュールを有する通信制御モジュール (305) とを含む。
【0137】
通信制御モジュール(トランシーバ制御サブモジュールの使用)は、AMFと、UE、基地局/(R)ANノード、およびUDM/UDR (直接的または間接的に)などの他のノードとの間のシグナリングの処理(生成/送信/受信)を担当する。そのようなシグナリングは、例えば、本明細書に記載される手順に関連する適切にフォーマットされたシグナリングメッセージ、例えば、N2メッセージ(例えば、(R) ANから、N2接続を起動するため、UEからNASメッセージを伝達するため、AMFへRRC Inactive state feature capability support informationを提供するため、そして、関連するN2 request/responseメッセージを(R) ANに提供するため、搭載される場合、(さらに)RRC Inactive assistance informationを提供するために)、UE subscription enquiriesに関連するシグナリングメッセージなどを含み得る。
【0138】
他の実施形態
AS (アクセス層) は、RRC層、SADP層、PDCP層、RLC層、MAC層およびPHY層を含んでもよい。
【0139】
NG-RANは、5GCおよびgNBに接続されたeNB(evolved Node B)を含んでもよい。
上記の「waitタイム」は「waitタイマー」と表記されてもよい。
上述した下りリンクの「AN signallingメッセージ」は、「RRCConnectionReject」、「RRCConnectionRelease」、または「RRCConnectionReestablishmentReject」であってもよい。
上述のアップリンクにおける 「AN signallingメッセージ」は、「RRCConnectionRequest」 、 「RRCConnectionReestablishmentRequest」、 「RRCConnectionResumeComplete」、「RRCConnectionResumeRequest」または「RRCConnectionSetupComplete」であってもよい。
【0140】
本出願は、2018年2月16日に出願されたインド特許出願第201811006021号に基づく優先権の利益を主張するものであり、その開示の全体を参照により本明細書に援用する。
【符号の説明】
【0141】
100 UE
101コントローラー
102ユーザー・インタフェース
103トランシーバ回路
104アンテナ
105メモリ
106制御モジュール
107トランシーバ制御モジュール
200 (R)ANノード
201コントローラー
202ネットワークインターフェイス
203トランシーバ回路
204アンテナ
205メモリ
206通信制御モジュール
207トランシーバ制御モジュール
300 AMF
301コントローラー
302ネットワークインターフェイス
303トランシーバ回路
304メモリ
305通信制御モジュール
306トランシーバ制御モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10