IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-商品登録装置、締め方法及びプログラム 図1
  • 特許-商品登録装置、締め方法及びプログラム 図2
  • 特許-商品登録装置、締め方法及びプログラム 図3
  • 特許-商品登録装置、締め方法及びプログラム 図4
  • 特許-商品登録装置、締め方法及びプログラム 図5
  • 特許-商品登録装置、締め方法及びプログラム 図6
  • 特許-商品登録装置、締め方法及びプログラム 図7
  • 特許-商品登録装置、締め方法及びプログラム 図8
  • 特許-商品登録装置、締め方法及びプログラム 図9
  • 特許-商品登録装置、締め方法及びプログラム 図10
  • 特許-商品登録装置、締め方法及びプログラム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】商品登録装置、締め方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20221213BHJP
   G06Q 20/20 20120101ALI20221213BHJP
【FI】
G07G1/12 321H
G07G1/12 341A
G07G1/12 321K
G06Q20/20 310
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021146079
(22)【出願日】2021-09-08
(62)【分割の表示】P 2017173195の分割
【原出願日】2017-09-08
(65)【公開番号】P2021193589
(43)【公開日】2021-12-23
【審査請求日】2021-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】池澤 るみ
(72)【発明者】
【氏名】中村 翔太
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-028748(JP,A)
【文献】特開2017-142752(JP,A)
【文献】特開2015-146066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 5/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の登録を受付ける複数の商品登録装置と、精算情報に基づいて精算する複数の精算装置とを含む精算システムの前記商品登録装置であって、
前記精算装置について、所定の条件を満たすか否かを判定する監視手段と、
前記所定の条件を満たすと判断された前記精算装置に関して、精算された金額の理論値と、前記複数の精算装置の在高とを取得する第1の取得手段と、
自機における在高を取得する第2の取得手段と、
他の前記商品登録装置各々における在高を取得する第3の取得手段と、
前記理論値、前記複数の精算装置の在高、前記自機における在高、及び前記他の前記商品登録装置各々における在高に基づき、複数の前記商品登録装置及び複数の前記精算装置全体での締め処理を実行する締め処理実行手段と、
を有し、
前記所定の条件は、当日に精算処理を少なくとも1回行ったことである商品登録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の商品登録装置において、
前記第1の取得手段は、前記所定の条件を満たさない前記精算装置から、前記理論値と当該精算装置の在高を取得しない商品登録装置。
【請求項3】
商品の登録を受付ける複数の商品登録装置と、精算情報に基づいて精算する複数の精算装置とを含む精算システムの前記商品登録装置が、
前記精算装置について、所定の条件を満たすか否かを判定し、
前記所定の条件を満たすと判断された前記精算装置に関して、精算された金額の理論値と、前記複数の精算装置の在高とを取得し、
自機における在高を取得し、
他の前記商品登録装置各々における在高を取得し、
前記理論値、前記複数の精算装置の在高、前記自機における在高、及び前記他の前記商品登録装置各々における在高に基づき、複数の前記商品登録装置及び複数の前記精算装置全体での締め処理を実行し、
前記所定の条件は、当日に精算処理を少なくとも1回行ったことである
締め方法。
【請求項4】
商品の登録を受付ける複数の商品登録装置と、精算情報に基づいて精算する複数の精算装置とを含む精算システムの前記商品登録装置に、
前記精算装置について、所定の条件を満たすか否かを判定させ、
前記所定の条件を満たすと判断された前記精算装置に関して、精算された金額の理論値と、前記複数の精算装置の在高とを取得させ、
自機における在高を取得させ、
他の前記商品登録装置各々における在高を取得させ、
前記理論値、前記複数の精算装置の在高、前記自機における在高、及び前記他の前記商品登録装置各々における在高に基づき、複数の前記商品登録装置及び複数の前記精算装置全体での締め処理を実行させ、
前記所定の条件は、当日に精算処理を少なくとも1回行ったことであるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品登録装置、締め方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット等の店舗におけるレジスタ端末(以下、レジ端末と呼ぶ)では、(1)精算対象の商品を登録する処理(バーコードの読み取りなど)および(2)登録された商品の精算を行う処理(代金の受け取りや釣銭の返却など)という2つの処理が行われる。
【0003】
このようなレジ端末の機能を2つの装置に分散するという運用方法がある。具体的には、(1)の処理を行う機能を商品登録装置に割り当て、(2)の処理を行う機能を精算装置に割り当てる。
【0004】
特許文献1は、このような商品登録装置と精算装置とが分けられているシステムにおいて、精算装置が保有する金銭の在高情報を、商品登録装置で受信する技術を開示している。
【0005】
特許文献2は、自動釣銭機とPOS端末装置からなるPOSシステムにおいて、自動釣銭装置における取引ごとの入金金種内訳と出金金種内訳が示される入出金履歴情報の出力をPOS端末装置で行えるようにする技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-146066号公報
【文献】特開2013-218374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、複数の商品登録装置と複数の精算装置とを有する精算システムにおける締め処理を効率的に行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、
商品の登録を受付ける複数の商品登録装置と、精算情報に基づいて精算する複数の精算装置とを含む精算システムの前記商品登録装置であって、
前記精算装置について、所定の条件を満たすか否かを判定する監視手段と、
前記所定の条件を満たすと判断された前記精算装置に関して、精算された金額の理論値と、前記複数の精算装置の在高とを取得する第1の取得手段と、
自機における在高を取得する第2の取得手段と、
他の前記商品登録装置各々における在高を取得する第3の取得手段と、
前記理論値、前記複数の精算装置の在高、前記自機における在高、及び前記他の前記商品登録装置各々における在高に基づき、複数の前記商品登録装置及び複数の前記精算装置全体での締め処理を実行する締め処理実行手段と、
を有し、
前記所定の条件は、当日に精算処理を少なくとも1回行ったことである商品登録装置が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、
上記に記載の商品登録装置であって、
前記第1の取得手段は、前記所定の条件を満たさない前記精算装置から、前記理論値と当該精算装置の在高を取得しない商品登録装置が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、
商品の登録を受付ける複数の商品登録装置と、精算情報に基づいて精算する複数の精算装置とを含む精算システムの前記商品登録装置が、
前記精算装置について、所定の条件を満たすか否かを判定し、
前記所定の条件を満たすと判断された前記精算装置に関して、精算された金額の理論値と、前記複数の精算装置の在高とを取得し、
自機における在高を取得し、
他の前記商品登録装置各々における在高を取得し、
前記理論値、前記複数の精算装置の在高、前記自機における在高、及び前記他の前記商品登録装置各々における在高に基づき、複数の前記商品登録装置及び複数の前記精算装置全体での締め処理を実行し、
前記所定の条件は、当日に精算処理を少なくとも1回行ったことである
締め方法が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、
商品の登録を受付ける複数の商品登録装置と、精算情報に基づいて精算する複数の精算装置とを含む精算システムの前記商品登録装置に、
前記精算装置について、所定の条件を満たすか否かを判定させ、
前記所定の条件を満たすと判断された前記精算装置に関して、精算された金額の理論値と、前記複数の精算装置の在高とを取得させ、
自機における在高を取得させ、
他の前記商品登録装置各々における在高を取得させ、
前記理論値、前記複数の精算装置の在高、前記自機における在高、及び前記他の前記商品登録装置各々における在高に基づき、複数の前記商品登録装置及び複数の前記精算装置全体での締め処理を実行させ、
前記所定の条件は、当日に精算処理を少なくとも1回行ったことである
プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の商品登録装置と複数の精算装置とを有する精算システムにおける締め処理を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態の精算システム1の機能ブロック図の一例である。
図2】本実施形態の商品登録装置10及び精算装置20のハードウエア構成の一例を示す図である。
図3】本実施形態の商品登録装置10の機能ブロック図の一例である。
図4】本実施形態の商品登録装置10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】本実施形態の精算装置20の機能ブロック図の一例である。
図6】本実施形態の精算装置20の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】本実施形態の商品登録装置10の機能ブロック図の一例である。
図8】本実施形態の精算装置20の機能ブロック図の一例である。
図9】本実施形態の商品登録装置10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10】本実施形態の精算装置20の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】本実施形態の精算システム1の機能ブロック図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施形態>
まず、図1を用いて本実施形態の精算システム1の全体像及び概要を説明する。図示するように、精算システム1は、複数の商品登録装置10と、複数の精算装置20とを有する。複数の商品登録装置10及び複数の精算装置20は、有線及び/又は無線で互いに通信可能に構成される。
【0015】
商品登録装置10は、精算対象の商品の登録を受付ける(バーコードの読み取り等)。精算装置20は、商品登録装置10において登録された商品を示す精算情報に基づき、精算処理を行う(代金の受け取りや釣銭の返却など)。なお、例えば精算装置20にて受付けることができない方法での支払(例:所定の金券等)等の場合、商品登録装置10が支払いを受付ける。
【0016】
そして、本実施形態の精算システム1では、複数の商品登録装置10の中の1つが、複数の商品登録装置10及び複数の精算装置20全体での締め処理を実行する。以下、複数の商品登録装置10及び複数の精算装置20全体での締め処理を単に「締め処理」という。また、締め処理を実行する商品登録装置10を親機といい、その他の商品登録装置10を子機という。
【0017】
締め処理は、例えば、精算システム1で取り扱った現金、金券および信用支払情報の金額を集計し、違算が無いかチェックする処理である。例えば、親機(商品登録装置10)は、精算システム1で取り扱った現金、金券および信用支払情報等の金額を集計し、集計結果と、精算システム1で受付ける支払いの理論値との間に相違が無いかチェックする。理論値は、精算情報、すなわち商品登録装置10における登録内容に基づき算出される。
【0018】
親機(商品登録装置10)は、複数の精算装置20各々から、複数の精算装置20各々で精算される金額の理論値と、複数の精算装置20各々の在高とを取得する。精算装置20の在高とは、各精算装置20に格納されている紙幣と硬貨(以下、総称して現金と呼ぶ)および金券の合計額である。なお、精算装置20の在高は、クレジットカードなどで支払われた金額の情報を含んでもよい。以下、当該理論値と在高とをまとめて「締め情報」という場合がある。
【0019】
なお、親機(商品登録装置10)は、所定の条件を満たす精算装置20から締め情報を取得し、所定の条件を満たさない精算装置20からは締め情報を取得しない。所定の条件は、「当日に精算処理を少なくとも1回行った」である。
【0020】
また、親機(商品登録装置10)は、自機及び他の商品登録装置10各々における在高を取得する。商品登録装置10各々で精算された金額の在高とは、各商品登録装置10で精算された現金、金券および信用支払情報の少なくとも何れかの合計値である。例えば、店員が各商品登録装置10で精算された金額の在高を親機に入力することによって、親機はこれらを受け付けてもよい。また、店員が各商品登録装置10で精算された金額の在高を各商品登録装置10に入力し、親機は他の商品登録装置10の在高を他の商品登録装置10から取得してもよい。その他、各商品登録装置10が自機の在高を自動集計し、親機は他の商品登録装置10の在高を他の商品登録装置10から取得してもよい。
【0021】
そして、親機(商品登録装置10)は、締め情報、及び、自機及び他の商品登録装置10各々における在高に基づき、締め処理を実行する。
【0022】
このような本実施形態の精算システム1によれば、締め処理に必要な情報を1つの商品登録装置10(親機)に集め、親機(商品登録装置10)にて締め処理を行うことができる。このため、複数の商品登録装置10及び複数の精算装置20各々で締め処理を行い、その結果を統合する場合に比べて、オペレータの手間や、コンピュータの処理負担を軽減できる。
【0023】
また、本実施形態の精算システム1によれば、親機(商品登録装置10)は、当日に精算処理を1回も行っていない精算装置20から締め情報を取得しない。かかる場合、当日に精算処理を1回も行っていない精算装置20は、締め情報を生成する処理や、締め情報を親機(商品登録装置10)に送信する処理を実行しなくてもよい。このため、当日に精算処理を1回も行っていない精算装置20は、不要な処理を回避し、処理負担を軽減できる。また、親機(商品登録装置10)は、精算装置20から取得して情報量を減らすことができるので、その分処理負担を軽減できる。
【0024】
以下、商品登録装置10及び精算装置20の構成を詳細に説明する。まず、商品登録装置10及び精算装置20のハードウエア構成の一例について説明する。本実施形態の商品登録装置10及び精算装置20が備える各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0025】
図2は、本実施形態の商品登録装置10及び精算装置20各々のハードウエア構成を例示するブロック図である。図2に示すように、商品登録装置10及び精算装置20各々は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。なお、商品登録装置10及び精算装置20各々は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。この場合、複数の装置各々が、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有してもよい。
【0026】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPUやGPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置(例:キーボード、マウス、マイク、物理キー、タッチパネルディスプレイ、コードリーダ等)、外部装置、外部サーバ、外部センサ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置(例:ディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等)、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0027】
次に、「精算対象の商品の登録受付・精算処理」及び「締め処理」各々を実現する商品登録装置10及び精算装置20の機能構成を説明する。
【0028】
まず、精算対象の商品の登録受付・精算処理を実現する商品登録装置10及び精算装置20の機能構成の一例を説明する。
【0029】
商品登録装置10は、店員により操作され、精算対象の商品を登録する入力を受付ける手段を有する。例えば、商品登録装置10は、リーダ(例:バーコードリーダ)、タッチパネルディスプレイ、物理ボタン等の入力装置を備え、これらを介して、精算対象の商品を登録する入力を受付ける。登録される情報(以下、「登録情報」)は、精算対象の商品の商品コード、売価情報、販売数量などを含む。商品コードは、各商品を識別するために予め定められた文字、数字、記号などからなる識別子である。なお、商品登録装置10は、登録情報に基づき、各顧客の精算金額を算出してもよい。精算金額は、登録された商品各々の税込価格の合計である。
【0030】
各商品登録装置10が受付けた登録情報の少なくとも一部は、複数の精算装置20の中の1つに入力される。さらに、各商品登録装置10が算出した精算金額が、複数の精算装置20の中の1つに入力されてもよい。なお、各商品登録装置10は精算金額を算出せず、各商品登録装置10から精算装置20に精算金額が入力されない構成とすることもできる。この場合、各商品登録装置10により受付けられた登録情報が精算装置20に入力される。そして、各精算装置20が入力された登録情報に基づき精算金額を算出する。以下、精算装置20に入力されるこれらの情報を精算情報という。
【0031】
例えば、商品登録装置10は、精算情報を示す情報(例:バーコード、二次元コード等)を印字した用紙を出力してもよい。また、精算装置20は当該情報を読みとる手段(例:リーダ)を備えてもよい。そして、オペレータ(例:店員、客)がその用紙に印字された情報をいずれかの精算装置20に読み取らせることで、精算装置20に精算情報が入力されてもよい。その他、有線及び/又は無線の通信ネットワークを介して、商品登録装置10から精算装置20に精算情報が送信されてもよい。
【0032】
精算装置20は、顧客により操作され、入力された精算情報に基づき精算処理を行う。すなわち、精算装置20は、現金、金券、クレジットカード等の挿入を受付ける。現金及び金券の挿入を受付けた場合、挿入合計額を算出し、必要に応じて釣銭を出力する等の処理を行う。一方、クレジットカードの挿入を受付けた場合、クレジットカード会社と通信し、決済処理を行う。
【0033】
次に、締め処理を実現する商品登録装置10の機能構成の一例を説明する。
【0034】
図3に、商品登録装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、商品登録装置10は、第1の取得部11と、第2の取得部12と、締め処理実行部13と、第3の取得部14と、監視部15とを有する。
【0035】
第1の取得部11は、複数の精算装置20各々で精算される金額の理論値と、複数の精算装置20各々の在高とを取得する。当該理論値は、各精算装置20により取得された精算情報に基づき算出される。当該理論値は、各精算装置20で支払いを行った顧客各々の精算金額の合計である。精算金額は、商品登録装置10に登録された商品各々の税込価格の合計である。在高は、各精算装置20で取り扱った現金、金券および信用支払情報等の金額の合計である。換言すれば、在高は、各精算装置20に格納されている紙幣と硬貨(現金)および金券の合計額とクレジットカードなどで支払われた金額(信用支払情報)とを足し合わせた値から、予め釣銭用に各精算装置20に格納していた金額を引いた値である。
【0036】
第1の取得部11は、複数の精算装置20各々から、各精算装置20の締め情報(理論値及び在高)を取得する。なお、第1の取得部11は、所定の条件を満たす精算装置20から締め情報を取得し、所定の条件を満たさない精算装置20から締め情報を取得しない。所定の条件は、「当日に精算処理を少なくとも1回行った」である。
【0037】
本実施形態では、以下で説明する監視部15が、複数の精算装置20各々の動作を監視し、各精算装置20が上記所定の条件を満たすか否か判定する。そして、第1の取得部11は、所定の条件を満たすと判定された精算装置20に締め情報のリクエストを送信し、所定の条件を満たさないと判定された精算装置20に締め情報のリクエストを送信しない。当該リクエストを受信した精算装置20は、リクエストに応じて締め情報を商品登録装置10に返信する。そして、第1の取得部11は、リクエストに応じて各精算装置20から返信されてきた締め情報を取得する。
【0038】
監視部15は、複数の精算装置20各々の動作を監視する。そして、監視部15は、各精算装置20が当日に少なくとも1回精算処理を行ったか否かを判定する。
【0039】
例えば、精算装置20は、精算処理の実行を禁止するロックモードを有してもよい。ロックモードの実行及び解除は、例えばオペレータの入力により設定される。そして、精算装置20は、ロックモードが実行中であることを示す情報を商品登録装置10に送信する。また、精算装置20は、ロックモードが解除された場合に、ロックモードが解除されたことを示す情報を商品登録装置10に送信する。監視部15は、終日ロックモードが解除されたことを示す情報を受け取っていない精算装置20、すなわち終日ロックモードになっていた精算装置20を所定の条件を満たさない精算装置20と判定する。また、監視部15は、その他の精算装置20を所定の条件を満たす精算装置20と判定する。その他、精算装置20は、ロックモードの状態中かロックモードが解除されているかを示す情報を所定時間間隔で商品登録装置10に送信し、商品登録装置10は、各精算装置20から取得した情報に基づき、所定時間間隔で各精算装置20がロックモードになっているか否かを監視する構成とすることもできる。
【0040】
その他、各精算装置20は、当日の1回目の精算処理の完了に応じて、精算処理を実行した旨を示す情報を商品登録装置10に送信してもよい。そして、商品登録装置10は当該情報を不揮発性の記憶装置に記憶し、当該情報に基づき各精算装置20が当日に少なくとも1回精算処理を行ったか否かを判定してもよい。
【0041】
第2の取得部12は、自機(商品登録装置10)における在高を取得する。第3の取得部14は、他の商品登録装置10各々における在高を取得する。
【0042】
例えば、店員が各商品登録装置10で精算された金額の在高を親機(商品登録装置10)に入力してもよい。そして、第2の取得部12は店員により自機(親機)に入力された自機における在高を取得してもよい。また、第3の取得部14は店員により自機(親機)に入力された他の商品登録装置10各々における在高を取得してもよい。
【0043】
その他、店員が各商品登録装置10で精算された金額の在高を各商品登録装置10に入力してもよい。そして、第2の取得部12は店員により自機に入力された自機における在高を取得してもよい。また、第3の取得部14は店員により他の商品登録装置10各々に入力された在高を他の商品登録装置10各々から取得してもよい。
【0044】
その他、各商品登録装置10が自機の在高を自動集計してもよい。そして、第2の取得部12は自機で自動集計された自機における在高を取得してもよい。また、第3の取得部14は他の商品登録装置10各々で自動集計された在高を他の商品登録装置10各々から取得してもよい。
【0045】
本実施形態の精算システム1では、基本的には、精算装置20において支払を受付ける。しかし、商品登録装置10において支払を受付けることもできる。例えば、商品登録装置10は、精算装置20で受付けることができない方法での支払(例:精算装置20に挿入できない種類の金券での支払等)を受付けてもよい。なお、商品登録装置10が登録情報に基づき算出される精算金額の中の一部の支払を受付けた場合、精算装置20に入力される精算情報の中に受付けた額を示す情報が含まれてもよい。そして、精算装置20は、当該精算情報に基づき未だ支払を受付けていない残部を算出し、残部の支払を受付けてもよい。
【0046】
例えば、オペレータ(店員)が各商品登録装置10に格納されている現金や金券の合計額(各商品登録装置10における在高)を集計し、各商品登録装置10に入力する。第2の取得部12は、自機に入力された在高を取得する。第3の取得部14は、他の商品登録装置10と通信し、他の商品登録装置10に入力された在高を他の商品登録装置10から取得する。
【0047】
締め処理実行部13は、第1の取得部11により取得された締め情報(理論値及び在高)、第2の取得部12により取得された自機(商品登録装置10)における在高、及び第3の取得部14により取得された他の商品登録装置10各々における在高に基づき、複数の商品登録装置10及び複数の精算装置20全体での締め処理を実行する。すなわち、締め処理実行部13は、精算システム1全体で取り扱った現金、金券および信用支払情報の金額を集計し、違算が無いかチェックする。例えば、締め処理実行部13は、精算システム1全体で取り扱った現金、金券および信用支払情報等の金額を集計し、集計結果と、精算システム1全体で受付ける支払いの理論値との間に相違が無いかチェックする。集計結果と理論値との間に相違がある場合、違算ありと判定される。
【0048】
なお、図示しないが、商品登録装置10は、締め処理実行部13による判定結果に応じた出力を実行する出力部を有してもよい。例えば、出力部は、締め処理実行部13による判定結果を、ディスプレイ、プリンター、メーラ等の出力装置を介して出力してもよい。また、出力部は、締め処理実行部13による判定結果が「違算あり」である場合、ディスプレイ、プリンター、メーラ、警告ランプ、スピーカ等の出力装置を介して警告を出力してもよい。出力部は、上記集計結果と精算システム1で受付ける支払いの理論値を出力してもよい。出力部はさらにこれらの差を出力してもよい。
【0049】
なお、第1の取得部11、第2の取得部12、締め処理実行部13、第3の取得部14及び監視部15は、親機となった商品登録装置10において機能する。すなわち、商品登録装置10が親機になっていない場合、第1の取得部11、第2の取得部12、締め処理実行部13第3の取得部14及び監視部15は機能しない。「機能する」とは、上述した処理を実行することを意味し、「機能しない」とは、上述した処理を実行しないことを意味する。
【0050】
例えば、各商品登録装置10は、「締め処理」を実行する指示入力を受付けることができてもよい。「締め処理」を実行する指示入力を受付けた商品登録装置10が親機となり、第1の取得部11、第2の取得部12、締め処理実行部13、第3の取得部14及び監視部15が上述した処理を実行する。
【0051】
その他、各商品登録装置10は、上述の通り、各商品登録装置10に格納されている現金や金券の合計額(各商品登録装置10における在高)を入力する操作を受付けることができてもよい。そして、当日に当該操作を最後に受付けた商品登録装置10が親機となり、第1の取得部11、第2の取得部12、締め処理実行部13、第3の取得部14及び監視部15が上述した処理を実行してもよい。
【0052】
自装置(商品登録装置10)が当日に上記操作を最後に受付けたか否かの判定は、サーバからの情報に基づき実現されてもよい。例えば、各商品登録装置10は、上記操作を受付けると、それに応じてその旨をサーバに通知する。サーバは、当該通知に基づき、当日に上記操作を受付けた商品登録装置10と、まだ受付けていない商品登録装置10とを把握する。そして、サーバは、上記通知への返信として、通知してきた商品登録装置10が当日に上記操作を最後に受付けたか否かを示す情報を返信する。なお、サーバを介さず、複数の商品登録装置10間で上記通知を行うことで、各商品登録装置10が当日に上記操作を受付けた商品登録装置10と、まだ受付けていない商品登録装置10とを把握してもよい。
【0053】
次に、締め処理を実現する精算装置20の機能構成の一例を説明する。図5に、精算装置20の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、精算装置20は、受信部21と、返信部22とを有する。
【0054】
受信部21は、商品登録装置10から、各精算装置20で精算される金額の理論値と、各精算装置20の在高のリクエストを受信する。返信部22は、当該リクエストに応じて、上記理論値及び在高を商品登録装置10に返信する。
【0055】
次に、図4のフローチャートを用いて、親機となった商品登録装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0056】
親機となる条件を満たした商品登録装置10は、以下のS10乃至S14の処理を実行する。親機となる条件は、例えば上述した「締め処理を実行する指示入力を受付けた」、又は、「複数の商品登録装置10の中で最後に各商品登録装置10に格納されている現金や金券の合計額(各商品登録装置10における在高)を入力する操作を受付けた」等である。
【0057】
親機(商品登録装置10)の監視部15は、複数の精算装置20各々が所定の条件を満たすか否かを判定する(S10)。所定の条件は、「当日に精算処理を少なくとも1回行った」である。
【0058】
その後、親機(商品登録装置10)の第1の取得部11は、所定の条件を満たす精算装置20に締め情報(理論値及び在高)のリクエストを送信し(S11)、リクエストに応じて精算装置20から返信されてきた締め情報を取得する(S12)。
【0059】
また、親機(商品登録装置10)の第2の取得部12は自機(商品登録装置10)における在高を取得し、第3の取得部14は他の商品登録装置10各々における在高を取得する(S13)。なお、S10乃至S12と、S13との処理順は、図4に示すものに限定されない。
【0060】
その後、親機(商品登録装置10)の締め処理実行部13は、締め情報、自機における在高、及び他の商品登録装置10各々における在高に基づき、複数の商品登録装置10及び複数の精算装置20全体での締め処理を実行する(S14)。そして、親機(商品登録装置10)は締め処理の結果を出力する(S15)。
【0061】
次に、図6のフローチャートを用いて、精算装置20の流れの一例を説明する。精算装置20の受信部21が商品登録装置10から締め情報のリクエストを受信すると(S20)、それに応じて返信部22は締め情報を返信する(S21)。
【0062】
以上説明した本実施形態の精算システム1によれば、締め処理に必要な情報を1つの商品登録装置10(親機)に集め、親機(商品登録装置10)にて締め処理を行うことができる。このため、複数の商品登録装置10及び複数の精算装置20各々で締め処理を行い、その結果を統合して締め処理を行う場合に比べて、オペレータの手間や、コンピュータの処理負担を軽減できる。
【0063】
また、本実施形態の精算システム1によれば、親機(商品登録装置10)は、当日に精算処理を1回も行っていない精算装置20から締め情報を取得しない。かかる場合、当日に精算処理を1回も行っていない精算装置20は、締め情報を生成する処理や、締め情報を親機(商品登録装置10)に送信する処理を実行しなくてもよい。このため、当日に精算処理を1回も行っていない精算装置20は、不要な処理を回避し、処理負担を軽減できる。また、親機(商品登録装置10)は、精算装置20から取得して処理する情報量を減らすことができるので、その分処理負担を軽減できる。
【0064】
また、本実施形態の精算システム1によれば、各精算装置20が所定の条件を満たすか否かの判定を親機(商品登録装置10)が行うことができる。かかる場合、精算装置20の処理負担を軽減できる。
【0065】
<第2の実施形態>
本実施形態の精算システム1は、「各精算装置20が所定の条件を満たすか否かの判定を、各精算装置20が行う点」で、第1の実施形態と異なる。その他の構成は、第1の実施形態の精算システム1と同様である。
【0066】
本実施形態の精算システム1の機能ブロック図は、第1の実施形態同様、図1で示される。また、本実施形態の商品登録装置10及び精算装置20のハードウエア構成の一例は、第1の実施形態同様、図2で示される。
【0067】
図7に、本実施形態の商品登録装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、商品登録装置10は、第1の取得部11と、第2の取得部12と、締め処理実行部13と、第3の取得部14とを有する。すなわち、本実施形態の商品登録装置10は、監視部15を有さない点で、第1の実施形態と異なる。第1の取得部11、第2の取得部12、締め処理実行部13及び第3の取得部14の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0068】
図8に、本実施形態の精算装置20の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、精算装置20は、受信部21と、返信部22と、監視部23とを有する。受信部21の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0069】
監視部23は、自装置(精算装置20)の動作を監視する。そして、監視部23は、自装置(精算装置20)が当日に少なくとも1回精算処理を行った否かを判定する。
【0070】
例えば、精算装置20は、精算処理の実行を禁止するロックモードを有してもよい。ロックモードの実行及び解除は、例えばオペレータの入力により設定される。そして、精算装置20は、ロックモードの状態(実行又は解除)を示す情報を記憶部へ記憶する。監視部23は、記憶部に記憶されたロックモードの状態に基づき、自装置(精算装置20)がロックモードになっているか否かを監視する。そして、監視部23は、自装置(精算装置20)が終日ロックモードになっていた場合、自装置(精算装置20)は所定の条件を満たさないと判定し、その他の場合、自装置(精算装置20)は所定の条件を満たすと判定する。
【0071】
その他、精算装置20は、当日の精算処理の内容を示す履歴を自装置(精算装置20)の不揮発性記憶装置に蓄積してもよい。そして、監視部23は、当該履歴に基づき、自装置(精算装置20)が所定の条件を満たすか否かを判定してもよい。精算処理の履歴は、各取引の時刻、取引された商品、精算金額、客層等を含んでもよい。
【0072】
返信部22は、自装置(精算装置20)が所定の条件を満たす場合、締め情報のリクエストに応じて締め情報を商品登録装置10に返信し、自装置(精算装置20)が所定の条件を満たさない場合、締め情報のリクエストに応じず締め情報を商品登録装置10に返信しない。なお、自装置(精算装置20)が所定の条件を満たさない場合、返信部22はその旨を示す情報を商品登録装置10に返信してもよい。
【0073】
次に、図9のフローチャートを用いて、親機となった商品登録装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0074】
親機(商品登録装置10)の第1の取得部11は、すべての精算装置20に締め情報(理論値及び在高)のリクエストを送信し(S30)、リクエストに応じて精算装置20から返信されてきた締め情報を取得する(S31)。なお、第1の取得部11は、リクエストに応じなかった精算装置20から、締め情報に代えて、所定の条件を満たさない旨の情報を取得してもよい。
【0075】
また、親機(商品登録装置10)の第2の取得部12は自機(商品登録装置10)における在高を取得し、第3の取得部14は他の商品登録装置10各々における在高を取得する(S32)。なお、S30及びS31と、S32との処理順は、図9に示すものに限定されない。
【0076】
その後、親機(商品登録装置10)の締め処理実行部13は、締め情報、自機における在高、及び他の商品登録装置10各々における在高に基づき、複数の商品登録装置10及び複数の精算装置20全体での締め処理を実行する(S33)。そして、親機(商品登録装置10)は締め処理の結果を出力する(S34)。
【0077】
次に、図10のフローチャートを用いて、精算装置20の流れの一例を説明する。精算装置20の受信部21が商品登録装置10から締め情報のリクエストを受信すると(S40)、監視部23は自装置(精算装置20)が所定の条件を満たすか否かを判定する(S41)。所定の条件は、「当日に精算処理を少なくとも1回行った」である。
【0078】
そして、精算装置20の返信部22は、自装置(精算装置20)が所定の条件を満たす場合、締め情報のリクエストに応じて締め情報を返信し、自装置(精算装置20)が所定の条件を満たさない場合、締め情報のリクエストに応じず締め情報を返信しない(S42)。なお、自装置(精算装置20)が所定の条件を満たさない場合、返信部22はその旨を示す情報を返信してもよい。
【0079】
以上説明した本実施形態の精算システム1によれば、第1の実施形態の精算システム1と同様の作用効果を実現できる。また、本実施形態の精算システム1によれば、各精算装置20が所定の条件を満たすか否かの判定を各精算装置20で行わせることができる。このため、親機(商品登録装置10)の処理負担を軽減できる。
【0080】
<第3の実施形態>
本実施形態の精算システム1は、「各精算装置20が所定の条件を満たすか否かの判定を、商品登録装置10及び精算装置20と異なる他の装置(監視装置)が行う点」で、第1及び第2の実施形態と異なる。その他の構成は、第1及び第2の実施形態の精算システム1と同様である。
【0081】
図11に、本実施形態の精算システム1の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、精算システム1は、複数の商品登録装置10と、複数の精算装置20と、監視装置30とを有する。監視装置30は、複数の商品登録装置10及び複数の精算装置20各々と通信可能に構成される。本実施形態の商品登録装置10及び精算装置20のハードウエア構成の一例は、第1及び第2の実施形態同様、図2で示される。また、本実施形態の監視装置30のハードウエア構成の一例は、商品登録装置10及び精算装置20同様、図2で示される。
【0082】
監視装置30は、複数の精算装置20各々の動作を監視している。そして、監視装置30は、各精算装置20が当日に精算処理を少なくとも1回行ったか否かを判定する。
【0083】
例えば、精算装置20は、精算処理の実行を禁止するロックモードを有してもよい。ロックモードの実行及び解除は、例えばオペレータの入力により設定される。そして、精算装置20は、ロックモードの状態(実行又は解除)を示す情報を監視装置30に送信する。監視装置30は、各精算装置20から取得した情報に基づき、各精算装置20がロックモードになっているか否かを監視する。そして、監視装置30は、終日ロックモードになっていた精算装置20を所定の条件を満たさない精算装置20と判定し、その他の精算装置20を所定の条件を満たす精算装置20と判定する。
【0084】
その他、各精算装置20は、精算処理の履歴を監視装置30に送信してもよい。そして、監視装置30は受信した精算処理の履歴を不揮発性の記憶装置に記憶してもよい。監視装置30は、当該精算処理の履歴に基づき、各精算装置20が当日に少なくとも1回精算処理を行ったか否かを判定してもよい。
【0085】
その他、各精算装置20は、当日の1回目の精算処理の完了に応じて、精算処理を実行した旨を示す情報を監視装置30に送信してもよい。そして、監視装置30は当該情報を不揮発性の記憶装置に記憶し、当該情報に基づき各精算装置20が当日に少なくとも1回精算処理を行ったか否かを判定してもよい。
【0086】
監視装置30は、商品登録装置10に、複数の精算装置20各々が所定の条件を満たすか否かを示す情報を送信する。
【0087】
図7に、本実施形態の商品登録装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、商品登録装置10は、第1の取得部11と、第2の取得部12と、締め処理実行部13と、第3の取得部14とを有する。第2の取得部12、締め処理実行部13及び第3の取得部14の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0088】
第1の取得部11は、監視装置30から受信した情報に基づき、複数の精算装置20各々が所定の条件を満たすか否かを把握する。そして、第1の取得部11は、所定の条件を満たす精算装置20に、締め情報のリクエストを送信し、当該リクエストに応じて各精算装置20から返信されてきた締め情報を取得する。
【0089】
図5に、本実施形態の精算装置20の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、精算装置20は、受信部21と、返信部22とを有する。受信部21及び返信部22の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0090】
次に、図4のフローチャートを用いて、親機となった商品登録装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0091】
親機(商品登録装置10)の第1の取得部11は、監視装置30から取得した情報に基づき、複数の精算装置20各々が所定の条件を満たすか否かを判定する(S10)。所定の条件は、「当日に精算処理を少なくとも1回行った」である。
【0092】
その後、親機(商品登録装置10)の第1の取得部11は、所定の条件を満たす精算装置20に締め情報(理論値及び在高)のリクエストを送信し(S11)、リクエストに応じて精算装置20から返信されてきた締め情報を取得する(S12)。
【0093】
また、親機(商品登録装置10)の第2の取得部12は自機(商品登録装置10)における在高を取得し、第3の取得部14は他の商品登録装置10各々における在高を取得する(S13)。なお、S10乃至S12と、S13との処理順は、図4に示すものに限定されない。
【0094】
その後、親機(商品登録装置10)の締め処理実行部13は、締め情報、自機における在高、及び他の商品登録装置10各々における在高に基づき、複数の商品登録装置10及び複数の精算装置20全体での締め処理を実行する(S14)。そして、親機(商品登録装置10)は締め処理の結果を出力する(S15)。
【0095】
次に、図6のフローチャートを用いて、精算装置20の流れの一例を説明する。精算装置20の受信部21が商品登録装置10から締め情報のリクエストを受信すると(S20)、それに応じて返信部22は締め情報を返信する(S21)。
【0096】
以上説明した本実施形態の精算システム1によれば、第1の実施形態の精算システム1と同様の作用効果を実現できる。また、本実施形態の精算システム1によれば、各精算装置20が所定の条件を満たすか否かの判定を、商品登録装置10及び精算装置20と異なる他の装置(監視装置30)で行わせることができる。このため、商品登録装置10や精算装置20の処理負担を軽減できる。
【0097】
以下、参考形態の例を付記する。
1. 商品の登録を受付ける複数の商品登録装置と、前記複数の商品登録装置の各々と通信し、受け取った精算情報に基づいて精算する複数の精算装置と、を含み、
前記商品登録装置は、
前記複数の精算装置で精算される金額の理論値と、前記複数の精算装置の在高とを取得する第1の取得手段と、
自機における在高を取得する第2の取得手段と、
他の前記商品登録装置各々における在高を取得する第3の取得手段と、
前記理論値、前記在高、前記自機における在高、及び前記他の前記商品登録装置各々における在高に基づき、複数の前記商品登録装置及び複数の前記精算装置全体での締め処理を実行する締め処理実行手段と、
を有し、
前記第1の取得手段は、所定の条件を満たす前記精算装置から、前記理論値と前記在高を取得する精算システム。
2. 1に記載の精算システムにおいて、
前記第1の取得手段は、前記所定の条件を満たさない前記精算装置から、前記理論値と前記在高を取得しない精算システム。
3. 1又は2に記載の精算システムにおいて、
前記所定の条件は、当日に精算処理を少なくとも1回行ったことである精算システム。
4. 1から3のいずれかに記載の精算システムにおいて、
複数の前記精算装置各々は、自装置が前記所定の条件を満たすか否か判定し、
前記商品登録装置は、すべての前記精算装置に前記理論値と前記在高のリクエストを送信し、
前記所定の条件を満たす前記精算装置は、前記リクエストに応じて前記理論値と前記在高を返信し、
前記所定の条件を満たさない前記精算装置は、前記リクエストに応じない精算システム。
5. 1から3のいずれかに記載の精算システムにおいて、
前記商品登録装置は、
複数の前記精算装置の動作を監視する監視装置から、複数の前記精算装置各々が前記所定の条件を満たすか否かを示す情報を取得し、
前記所定の条件を満たす前記精算装置に前記理論値と前記在高のリクエストを送信する精算システム。
6. 1から3のいずれかに記載の精算システムにおいて、
前記商品登録装置は、複数の前記精算装置の動作を監視し、前記所定の条件を満たす前記精算装置に前記理論値と前記在高のリクエストを送信する精算システム。
7. 商品の登録を受付ける複数の商品登録装置と、前記複数の商品登録装置の各々と通信し、受け取った精算情報に基づいて精算する複数の精算装置と、を含む精算システムの前記商品登録装置であって、
前記複数の精算装置で精算される金額の理論値と、前記複数の精算装置の在高とを取得する第1の取得手段と、
自機における在高を取得する第2の取得手段と、
他の前記商品登録装置各々における在高を取得する第3の取得手段と、
前記理論値、前記在高、前記自機における在高、及び前記他の前記商品登録装置各々における在高に基づき、複数の前記商品登録装置及び複数の前記精算装置全体での締め処理を実行する締め処理実行手段と、
を有し、
前記第1の取得手段は、所定の条件を満たす前記精算装置から、前記理論値と前記在高を取得する商品登録装置。
8. 商品の登録を受付ける複数の商品登録装置と、前記複数の商品登録装置の各々と通信し、受け取った精算情報に基づいて精算する複数の精算装置と、を含む精算システムの前記精算装置であって、
前記精算装置で精算される金額の理論値と、前記精算装置の在高のリクエストを前記商品登録装置から受信すると受信手段と、
自装置が所定の条件を満たす場合、前記リクエストに応じて前記理論値及び前記在高を返信し、自装置が前記所定の条件を満たさない場合、前記リクエストに応じない返信手段と、
を有する精算装置。
9. 商品の登録を受付ける複数の商品登録装置と、前記複数の商品登録装置の各々と通信し、受け取った精算情報に基づいて精算する複数の精算装置と、を含む精算システムの前記精算装置が、
前記精算装置で精算される金額の理論値と、前記精算装置の在高のリクエストを前記商品登録装置から受信すると、
自装置が所定の条件を満たす場合、前記リクエストに応じて前記理論値及び前記在高を返信し、
自装置が前記所定の条件を満たさない場合、前記リクエストに応じない締め方法。
10. 商品の登録を受付ける複数の商品登録装置と、前記複数の商品登録装置の各々と通信し、受け取った精算情報に基づいて精算する複数の精算装置と、を含む精算システムの前記精算装置に、
前記精算装置で精算される金額の理論値と、前記精算装置の在高のリクエストを前記商品登録装置から受信すると、
自装置が所定の条件を満たす場合、前記リクエストに応じて前記理論値及び前記在高を返信し、
自装置が前記所定の条件を満たさない場合、前記リクエストに応じない処理を実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0098】
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス
1 精算システム
10 商品登録装置
11 第1の取得部
12 第2の取得部
13 締め処理実行部
14 第3の取得部
15 監視部
20 精算装置
21 受信部
22 返信部
23 監視部
30 監視装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11