IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-偏波分離回路及び偏波分離方法 図1
  • 特許-偏波分離回路及び偏波分離方法 図2
  • 特許-偏波分離回路及び偏波分離方法 図3
  • 特許-偏波分離回路及び偏波分離方法 図4
  • 特許-偏波分離回路及び偏波分離方法 図5
  • 特許-偏波分離回路及び偏波分離方法 図6
  • 特許-偏波分離回路及び偏波分離方法 図7
  • 特許-偏波分離回路及び偏波分離方法 図8
  • 特許-偏波分離回路及び偏波分離方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】偏波分離回路及び偏波分離方法
(51)【国際特許分類】
   H04J 14/06 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
H04J14/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021153034
(22)【出願日】2021-09-21
【審査請求日】2021-09-21
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(令和2年度総務省「新たな社会インフラを担う革新的光ネットワーク技術の研究開発(技術課題III「高効率光アクセスメトロ技術」)」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願)
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141955
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100085419
【弁理士】
【氏名又は名称】大垣 孝
(72)【発明者】
【氏名】神田 祥宏
【審査官】浦口 幸宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-158618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 14/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号から生成された、クロック周期ごとに、並列化された1つのブロックを構成するN(Nは2以上の整数)のストークスベクトルの、隣接するストークスベクトルの外積を求める外積演算器と、
前記外積演算器で求められた、k(kは1以上の整数)番目のブロックにおけるN-1個の外積から、長さが最大のものを仮の法線ベクトルtとする外積比較器と、
k番目のブロックの仮の法線ベクトルtと、k-1番目のブロックの仮の法線ベクトルtk-1がなす角度θを求める角度比較器と、
前記角度θがπ/2より大きい場合は、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtに平行な単位ベクトルを単位法線ベクトルとし、前記角度θがπ/2以下の場合は、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtの逆ベクトルに平行な単位ベクトルを単位法線ベクトルとする選択回路と、
前記単位法線ベクトルの方向が、ストークス空間の所定の軸と一致する補償行列Uを生成する補償行列生成回路と、
前記補償行列Uを前記入力信号に乗じる乗算器と
を備える偏波分離回路。
【請求項2】
前記入力信号である、クロック周期ごとに並列化された1つのブロックを構成する、N個のJonesベクトルを、N個のストークスベクトルに変換して、前記外積演算器に送るストークスベクトル演算器を
備える請求項1に記載の偏波分離回路。
【請求項3】
前記角度比較器に代えて、
k番目のブロックの仮の法線ベクトルtと、k-1番目のブロックの仮の法線ベクトルtk-1がなす角度θを求め、
前記k番目のブロックの仮の法線ベクトルtの長さが、所定の閾値より小さい場合に、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtの代わりに、k-1番目のブロックの仮の法線ベクトルtk-1を使用する強度角度比較器
を備える請求項1又は2に記載の偏波分離回路。
【請求項4】
入力信号から生成された、クロック周期ごとに、並列化された1つのブロックを構成するN(Nは2以上の整数)のストークスベクトルの、隣接するストークスベクトルの外積を求める外積演算過程と、
前記外積演算過程で求められた、k(kは1以上の整数)番目のブロックにおけるN-1個の外積から、長さが最大のものを仮の法線ベクトルtとする外積比較過程と、
k番目のブロックの仮の法線ベクトルtと、k-1番目のブロックの仮の法線ベクトルtk-1がなす角度θを求める角度比較過程と、
前記角度θがπ/2より大きい場合は、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtに平
行な単位ベクトルを単位法線ベクトルとし、前記角度θがπ/2以下の場合は、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtの逆ベクトルに平行な単位ベクトルを単位法線ベクトルとする選択過程と、
前記単位法線ベクトルの方向が、ストークス空間の所定の軸と一致する補償行列Uを生成する補償行列生成過程と、
前記補償行列Uを前記入力信号に乗じる乗算過程と
を備える偏波分離方法。
【請求項5】
前記外積演算過程の前に行われる、
前記入力信号である、クロック周期ごとに並列化された1つのブロックを構成する、N個のJonesベクトルを、N個のストークスベクトルに変換するストークスベクトル演算過程を
備える請求項に記載の偏波分離方法。
【請求項6】
前記角度比較過程に代えて、
k番目のブロックの仮の法線ベクトルtと、k-1番目のブロックの仮の法線ベクトルtk-1がなす角度θを求め、
前記仮の法線ベクトルtの長さが、所定の閾値より小さい場合に、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtの代わりに、k-1番目のブロックの仮の法線ベクトルtk-1を使用する強度角度比較過程
を備える請求項4又は5に記載の偏波分離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば偏波多重方式の通信で用いられる、偏波分離回路及び偏波分離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第五世代通信システム(5G)や、その次の世代の通信システム(Beyond 5G)の光配線に、受動型光アクセスネットワーク(PON:Passive Optical Network)を適用するために、PONの大容量化が不可欠である。PONの大容量化のために、基幹ネットワークで適用されているような、ディジタルコヒーレント技術を適用した、偏波多重・多値変調の適用が考えられる。
【0003】
偏波多重方式では、受信側で偏波チャネルを特定し、光ファイバの複屈折の変動を適応的に取り除く必要がある。PONなどの光アクセスネットワークでは、上り方向はバースト的に信号を発生する。従って、特に短時間で、トレーニング信号を用いた処理を完了し、高速に偏波チャネル分離を実現する必要がある。
【0004】
基幹ネットワークで行われる偏波チャネル分離では、CMA(Constant Modulus Algorithm)と呼ばれるアルゴリズムが広く利用されている。これは、多重した2つの偏波チャネルのパワーが等しくなるように、ディジタルフィルタの係数を、受信側で適応的に制御する方法である。
【0005】
また、CMAと比較して高速な方法として、ストークス空間における偏波チャネル分離が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。この方法は、ストークス空間における偏波多重光信号の偏波状態の時間変化の軌跡がレンズ状となることから、このレンズ状の軌跡と最も良く一致する平面を定義し、その平面の法線ベクトルが送信時のものと等しくなるように、ディジタルフィルタを制御する方法である。非特許文献1に記載の通り、ストークス空間における偏波チャネル分離によれば、CMAと比較して高速な偏波分離が可能である。しかしながら、非特許文献1に開示されている技術には、法線ベクトルの算出の演算量が大きいという課題がある。
【0006】
この課題を解決する方法として、法線ベクトルの算出を簡略化した方法が報告されている(例えば、非特許文献2参照)。非特許文献2に開示されている方法は、受信信号のストークスベクトルをサンプルごとに外積演算して平面の法線ベクトルを算出し、ステップサイズパラメータにより重みづけをしたのちに、法線ベクトルが送信時と等しくなるようにファイバ複屈折の逆行列を更新する方法である。この非特許文献2に開示されている方法は、CMAと比較して高速な収束性能をもつので、バースト光通信にとって有力な偏波チャネル分離方法の候補である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【文献】B. Szafraniec, B. Nebendahl, and T. Marshall, “Polarization demultiplexing in Stokes space,” Opt. Exp., vol. 18, no. 17, pp. 17 928-17 939, Aug. 2010.
【文献】Nelson J. Muga, and Armando N. Pinto, “Adaptive 3-D Stokes Space-Based Polarization Demultiplexing Algorithm,” IEEE Journal of Lightwave Tech., Vol. 32, No. 19, October 1, 2014, pp. 3290-3298
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般に、シンボルレートが受信機のディジタル回路のクロック周波数と比較して大きい場合、受信機では並列的処理をしなければ、リアルタイム動作が可能な回路として実装できない。現実的なディジタル回路のクロック周波数は、数百MHz程度であり、これに対し、偏波多重・16値の多値変調を施したとしても、100GBit/s級の伝送レートを得るためには、信号のシンボルレートは、12.5GSymbol/sと大きい。このため、例えば、ディジタル信号処理のクロック周波数が100MHzの場合、受信機では125以上の並列化が必要である。この場合、並列化によって、受信機には、ディジタル回路の1つのクロック周期の経過ごとに、125個のサンプルが1つのブロックとして同時に入力される。
【0009】
非特許文献2には、2重偏波4値位相偏移変調(DP(Dual Polarization)-QPSK(Quadrature Phase Shift Keying))の場合、シンボルごとの法線ベクトルの演算によって、200サンプル程度を利用して補償行列の更新をすれば、偏波チャネルの分離が収束することが開示されている。
【0010】
上述のディジタル回路のクロック周波数が100MHzの例では、1つのクロック周期の経過ごとに125個のサンプルが同時に入力される。従って、法線ベクトルの演算結果を反映できるのは、演算による遅延を無視したとしても、126個目以降のサンプルとなる。さらに、収束に200サンプルの法線ベクトルが必要なことを考慮すると、例え、並列化したとしても、並列化したシンボルが時々刻々と入力されるため、収束に要するサンプル数は膨大な数となると考えられる。
【0011】
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、この発明の目的は、ストークス空間における偏波分離を、ディジタル回路として実装できるように、並列化したブロックごとに法線ベクトルを算出する、偏波分離回路及び偏波分離方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した目的を達成するために、この発明の偏波分離回路は、外積演算器と、外積比較器と、角度比較器と、選択回路と、補償行列生成回路と、乗算器とを備えて構成される。
【0013】
外積演算器は入力信号から生成された、クロック周期ごとに、並列化された1つのブロックを構成するN(Nは2以上の整数)のストークスベクトルの、隣接するストークスベクトルの外積を求める。外積比較器は、外積演算器で求められた、k(kは1以上の整数)番目のブロックにおけるN-1個の外積から、長さが最大のものを仮の法線ベクトルtとする。角度比較器は、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtと、k-1番目のブロックの仮の法線ベクトルtk-1がなす角度θを求める。選択回路は、角度θがπ/2より大きい場合は、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtに平行な単位ベクトルを単位法線ベクトルとし、角度θがπ/2以下の場合は、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtの逆ベクトルに平行な単位ベクトルを単位法線ベクトルとする。補償行列生成回路は、単位法線ベクトルの方向が、ストークス空間の所定の軸と一致する補償行列Uを生成する。乗算器は、補償行列Uを入力信号に乗じる。
【0014】
この発明の偏波分離回路の好適実施形態によれば、入力信号である、クロック周期ごとに並列化された1つのブロックを構成する、N個のJonesベクトルを、N個のストークスベクトルに変換して、外積演算器に送るストークスベクトル演算器を備える。
【0015】
また、この発明の偏波分離回路の他の好適実施形態によれば、同期式2進カウンタを備
える。この場合、角度比較器は、角度θがπ/2より大きい場合は「1」となり、角度θがπ/2以下の場合は「0」となるトリガCを生成して、同期式2進カウンタに送り、同期式2進カウンタは、トリガCが「1」の場合に、状態Qの論理を反転して、選択回路に送り、選択回路は、状態Qが「0」の場合に、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtに平行な単位ベクトルを単位法線ベクトルとし、状態Qが「1」の場合に、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtの逆ベクトルに平行な単位ベクトルを単位法線ベクトルとする。
【0016】
また、角度比較器に代えて、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtと、1つ前のk-1番目のブロックの仮の法線ベクトルtk-1がなす角度θを求め、仮の法線ベクトルtの長さが、所定の閾値より小さい場合に、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtの代わりに、k-1番目のブロックの仮の法線ベクトルtk-1を使用する強度角度比較器を備えてもよい。
【0017】
また、上述した目的を達成するために、この発明の偏波分離方法は、以下の過程を備えて構成される。
【0018】
外積演算過程では、入力信号から生成された、クロック周期ごとに、並列化された1つのブロックを構成するN(Nは2以上の整数)のストークスベクトルの、隣接するストークスベクトルの外積を求める。外積比較過程では、外積演算過程で求められた、k(kは1以上の整数)番目のブロックにおけるN-1個の外積から、長さが最大のものを仮の法線ベクトルtとする。角度比較過程では、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtと、k-1番目のブロックの仮の法線ベクトルtk-1がなす角度θを求める。
【0019】
選択過程では、角度θがπ/2より大きい場合は、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtに平行な単位ベクトルを単位法線ベクトルとし、角度θがπ/2以下の場合は、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtの逆ベクトルに平行な単位ベクトルを単位法線ベクトルとする。補償行列生成過程では、単位法線ベクトルの方向が、ストークス空間の所定の軸と一致する補償行列Uを生成する。乗算過程では、補償行列Uを入力信号に乗じる。
【0020】
この発明の偏波分離方法の好適実施形態によれば、外積演算過程の前に行われる、入力信号である、クロック周期ごとに並列化された1つのブロックを構成する、N個のJonesベクトルを、N個のストークスベクトルに変換するストークスベクトル演算過程を備える。
【0021】
また、この発明の偏波分離方法の他の好適実施形態によれば、角度比較過程と、選択過程の間に行われる、状態維持過程を備える。角度比較過程では、角度θがπ/2より大きい場合は「1」となり、角度θがπ/2以下の場合は「0」となるトリガCを生成し、状態維持過程では、トリガCが「1」の場合に、状態Qの論理を反転し、選択回路では、状態Qが「0」の場合に、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtに平行な単位ベクトルを単位法線ベクトルとし、状態Qが「1」の場合に、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtkの逆ベクトルに平行な単位ベクトルを単位法線ベクトルとする。
【0022】
また、角度比較過程に代えて、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtと、k-1番目のブロックの仮の法線ベクトルtk-1がなす角度θを求め、仮の法線ベクトルtの長さが、所定の閾値より小さい場合に、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtの代わりに、k-1番目のブロックの仮の法線ベクトルtk-1を使用する強度角度比較過程を備えてもよい。
【発明の効果】
【0023】
この発明の偏波分離回路及び偏波分離方法によれば、ストークス空間における偏波分離を、ディジタル回路として実装できるように、並列化したブロックごとに法線ベクトルを算出することが可能となる。また、後述するように、光ファイバの複屈折によるストークス空間における回転が補償される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第1実施形態の偏波分離回路の模式図である。
図2】同期式2進カウンタ50の動作を説明するための模式図である。
図3】第1実施形態の偏波分離回路の入力を示す図である。
図4】第1実施形態の偏波分離回路の出力を示す図である。
図5】第1実施形態の偏波分離回路の入力と出力を比較する図である。
図6】4位相・4振幅のDP-16APSK信号のストークスベクトル先端の配置を示す図である。
図7】第2実施形態の偏波分離回路の入力を示す図である。
図8】第2実施形態の偏波分離回路の出力を示す図である。
図9】第2実施形態の偏波分離回路の入力と出力を比較する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
【0026】
(第1実施形態)
図1を参照して、第1実施形態の偏波分離回路を説明する。図1は、第1実施形態の偏波分離回路の模式図である。
【0027】
偏波分離回路は、ストークスベクトル演算器10、外積演算器20、外積比較器30、角度比較器40、同期式2進カウンタ50、選択回路60、補償行列生成回路70及び乗算器80を備えて構成される。
【0028】
偏波分離回路は、例えば、ディジタル信号処理(DSP:Digital Signal Processing)回路として構成される。偏波分離回路には、前段に配置されたアナログ-ディジタル変換器(ADC:Analog to Digital Converter)において、Fs(Hz)の標本化周波数で離散化されたJonesベクトルが入力される。
【0029】
偏波分離回路には、N個に並列化された信号の、Jonesベクトルが、1つのクロック周期ごとに入力される。ここで、N(Nは2以上の整数)は並列化の数であり、n(1以上N以下の整数)はサンプル番号である。信号のシンボルレートがディジタル信号処理回路の動作クロックと比較して大きい場合、実際の回路実装には並列化が必要である。並列化は、より低いクロック速度で処理できるように、離散化された受信信号はいくつかの並列化モジュールに逆多重されて行われる。並列化の数がN個の場合、1つのクロック周期ごとにN個の離散化された複素光電界ベクトルが偏波分離回路へ同時に入力される。以下の説明では、クロック周期ごとに入力されるN個のサンプルのまとまりをブロックと呼ぶ。ここで、k(kは1以上の整数)番目のブロックの、サンプル番号nのJonesベクトルを |E(n)>と表す。
【0030】
偏波分離回路に入力される、N個のJonesベクトル |E(1)>~ |E(n)>は、それぞれ2分岐され、ストークスベクトル演算器10と乗算器80に入力される。
【0031】
ストークスベクトル演算器10は、N個のJonesベクトル |E(1)>~ |E(n)>を以下の式(1)で表される演算によって、N個のストークスベクトルs(1)~s(N)に同時に変換する。なお、明細書及び図面では、ベクトルを示す矢印を省略することもある。
【0032】
【数1】
【0033】
ここで、σは、パウリのスピンベクトルであり、以下の式(2a)で与えられる。また、σ、σ、σは、それぞれ2×2パウリスピン行列であり、以下の式(2b)で定義される。
【0034】
【数2】
【0035】
これらのN個のストークスベクトルs(1)~s(N)は、外積演算器20に入力される。外積演算器20は、以下の式(3)で与えられるように、隣接したストークスベクトルの外積を求め、1つのブロックで得られる、N-1個の外積s(1)×s(2)~s(N-1)×s(N)を出力する。外積演算器20で得られた、N-1個の外積s(1)×s(2)~s(N-1)×s(N)は、外積比較器30に入力される。
【0036】
【数3】
【0037】
DP-QPSK信号の場合、送信機から出力される信号のストークスベクトルは、データ変調によって4つの状態に不規則に切り替わる。これらの4つの状態は、ストークス空間において、互いに直交する2つのストークスベクトルが張る平面上に配置される。この平面の、原点を通る単位法線ベクトルは平面の裏側と表側の2通りある。ここで、2つの単位法線ベクトルのうち、送信時に方向がS軸と等しいものを、nと定義する。nは、光ファイバの複屈折の効果により、S軸、S軸、S軸を中心として不規則に回転する。偏波分離回路によって、n が常にS軸の方向と等しくなるように制御すれば、複屈折のS軸、S軸の回転の効果が補償される。残留するS軸を中心とした回転の効果は、直交偏波成分に分離後に、xとyの偏光チャネルのそれぞれに対して位相雑音の補償回路を適用することで同時に補償する。
【0038】
ブロック内で隣接したストークスベクトル同士の外積は、3つの種類に分けられる。一つ目は、nが回転した単位法線ベクトル、二つ目はその逆ベクトルの-n、三つ目はゼロベクトル0である。
【0039】
k番目のブロックの単位法線ベクトルnを決定するために、まず隣接したストークスベクトルから求めたN-1個の外積からゼロベクトルを排除し、次にnを決定する。
【0040】
ゼロベクトルの排除のため、外積比較器30は、k番目のブロックで得られる、N-1個の外積から、長さが最大のものを、仮の法線ベクトルtとして出力する。k番目のブロックの仮の法線ベクトルtは、角度比較器40へ入力される。この仮の法線ベクトルtの単位ベクトルは、nまたは-nである。
【0041】
単位法線ベクトルnの決定のため、角度比較器40は、一つ前のブロックであるk-1番目のブロックの仮の法線ベクトルtk-1と、現在のブロックであるk番目のブロックの仮の法線ベクトルtがなす角度θを求める。制御開始時のtは、例えば、トレーニング信号から抽出する。
【0042】
角度比較器40は、例えば、比較回路42を備えて構成される。比較回路には、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtと、k-1番目のブロックの仮の法線ベクトルtk-1が入力される。比較回路42は、以下の式(4a)を用いて、2つの仮の法線ベクトルt、tk-1がなす角度θを求める。比較回路42は、さらに、以下の式(4b)を用いて、角度θに応じてトリガCを出力する。
【0043】
【数4】
【0044】
2つの仮の法線ベクトルt、tk-1がなす角度θが、π/2より大きい場合に、トリガCは「1」となり、角度θがπ/2以下の場合に、トリガCは「0」となる。トリガCは、同期式2進カウンタ50へ入力される。
【0045】
同期式2進カウンタ50は、角度比較器40から出力されるトリガCが「1」の場合に
のみ、状態Qの論理を反転する。同期式2進カウンタ50は、以前の状態を保持する状態機械として動作し、これまでの状態に応じて、状態Qとして「0」又は「1」を出力する。
【0046】
図2を参照して、同期式2進カウンタ50の動作を説明する。図2は、同期式2進カウンタ50の動作を説明するための模式図である。k番目のブロックの仮の法線ベクトルtが、所望の単位法線ベクトルnと逆の場合に、同期式2進カウンタ50は、状態Qとして「1」を出力する。
【0047】
同期式2進カウンタ50の出力は、選択回路60へ入力される。選択回路60へは、同期式2進カウンタ50の出力と、外積比較器30から出力される仮の法線ベクトルtkが同時に入力される。選択回路60は、以下の式(5)に従って動作する。
【0048】
【数5】
【0049】
すなわち、同期式2進カウンタ50の出力が「0」の場合は仮の法線ベクトルtの単位ベクトルt/|t|を、「1」の場合はその逆ベクトルの単位ベクトル-t/|t|を単位法線ベクトルnとして出力する。選択回路60から出力される単位法線ベクトルnは、補償行列生成回路70に入力される。
【0050】
補償行列生成回路70は、単位法線ベクトルnの方向がストークス空間の所定の軸、ここでは、S軸と一致するように制御する補償行列として、2×2Jones行列Uを求める。この2×2Jones行列Uを、偏波分離回路に入力されるJonesベクトル|E(n)>に作用させれば、ファイバ伝送路の複屈折のS軸、S軸の回転の効果が補償される。
【0051】
任意の方向を指す3次元ベクトルの方向がS軸と一致するように制御するためには、S軸、S軸を中心とした回転行列を作用させればよい。ここで、S軸、S軸を中心とした回転行列を、それぞれ、以下の式(6a)及び(6b)で定義する。
【0052】
【数6】
【0053】
ここで、各行列の回転量r、rは、以下の式(7a)及び(7b)によって決定する。
【0054】
【数7】
【0055】
補償行列Uは、U=Uによって決定される。この補償行列Uは、乗算器80に送られる。
【0056】
乗算器80には、補償行列生成回路70から出力される補償行列Uと、偏波分離回路に入力されるN個のJonesベクトル|E(1)>~ |E(n)>が入力される。乗算器80は、k番目のブロックのN個のJonesベクトル|E(1)>~ |E(n)>に、以下の式(8)で示されるように、補償行列Uを作用させることで、複屈折のS軸、S軸方向の回転の効果を補償した|ECk(1)>~|ECk(N)>が得られる。
【0057】
【数8】
【0058】
このように、偏波分離回路は、入力されるJonesベクトルに補償行列Uを同時に乗じて偏波チャネルの変動を補償した信号を出力できる。
【0059】
なお、複屈折のS軸方向の回転は残留する。しかしながら、S軸方向の回転は、偏波分離回路の後段に設けられる位相雑音の補償回路によって、スカラーの回転の効果として補償できる。
【0060】
(第1実施形態の効果)
上述した第1実施形態の偏波分離回路の効果を、シミュレーションによって確かめた。ここでは、独立したデータパターンで変調したQPSK信号を偏波多重し、DP-QPSK信号を数値的に発生させた。シンボルレートを、12.5Gbaudとしたので、信号のデータ転送率は50Gb/sである。
【0061】
このDP-QPSK信号に対し、ファイバ複屈折を模擬したJones行列を作用させた。Jones行列は、偏波回転軸がストークス空間内で互いに直交する3つの回転行列の積である。3つの回転行列の偏波回転軸は、入力に作用する順に、S軸、S軸、S軸である。各偏波回転行列で生じる直交偏光軸間の位相差は、平均値が0、標準偏差が10Mrad/sの正規分布によって与えた。
【0062】
ディジタル回路の水晶発振器のクロック周波数として、100MHzを想定した.並列数は128とし、1つのクロック周期の経過とともに、128シンボルの光複素電界ベクトル(Jonesベクトル)が偏波分離回路へ入力される。また、伝送開始の最初の128シンボルをトレーニング信号とした。
【0063】
図3は、第1実施形態の偏波分離回路の入力を示す図である。入力は、DP-QPSK信号であり、偏波変動を10Mrad/sより大きく設定した。図3(A)及び(B)は
、それぞれ、X偏光チャネル及びY偏光チャネルのコンスタレーションである。図3(C)及び(D)は、それぞれ、X偏光チャネル及びY偏光チャネルの時間波形である。図3(C)及び(D)では、横軸にサンプル番号をとって示し、縦軸に振幅をとって示している。このように、このシミュレーションでは、偏波分離回路には、光ファイバの複屈折の影響を受けた信号が入力される。
【0064】
図4は、第1実施形態の偏波分離回路の出力を示す図である。ここでは、X偏光チャネル及びY偏光チャネルのそれぞれに対し、広く知られている4乗法による位相雑音の補償を適用している。一般に、ファイバ複屈折による偏光状態は、ストークス空間において、S軸、S軸、S軸を中心として不規則に回転する。偏波分離回路では、ファイバ複屈折の変動のうち、ストークス空間におけるS軸、S軸を中心とした回転が補償される。残留するS軸を中心とする回転は、一般的な位相雑音の補償回路によってスカラーの回転の効果として、位相雑音と共に補償できる。
【0065】
図4(A)及び(B)は、それぞれ、X偏光チャネル及びY偏光チャネルのコンスタレーションである。図4(C)及び(D)は、それぞれX偏光チャネル及びY偏光チャネルの時間波形である。図3に示される、ファイバ複屈折の影響を受けた信号に対して、図4の偏波分離回路の出力は、X偏光チャネル及びY偏光チャネルの両者ともに、QPSK信号のコンスタレーションが復元されている。
【0066】
図5は、第1実施形態の偏波分離回路の入力と出力とを比較する図である。図5(A)は、補償前、すなわち、図3に示す偏波分離回路の入力と送信機の出力である送信信号の差である。また、図5(B)は、補償後、すなわち、図4に示す偏波分離回路の出力と送信信号の差である。図5(A)に示すように、補償前の偏波分離回路の入力信号は、ファイバ複屈折の回転の効果により、送信信号と一致しない。一方、図5(B)に示すように、補償後の偏波分離回路の出力信号と送信信号の差は小さく、送信信号が復元されている。また、図5(B)では、サンプル番号の1番から出力信号と送信信号の差が回復しており、128のトレーニングシンボル直後から直ちに、偏波チャネルを分離した結果が得られ、バースト光通信にとって重要な高速な応答が確認できる。
【0067】
(第2実施形態)
この発明の第2実施形態に係る偏波分離回路を説明する。第2実施形態の偏波分離回路は、第1実施形態の偏波分離回路が備える角度比較器40に代えて、強度角度比較器を備える点が第1実施形態と異なっている。他の構成は第1実施形態と同様にできるので、ここでは重複する説明及び図示を省略する。
【0068】
強度角度比較器には、外積比較器30から、一つ前のブロックであるk-1番目のブロックの仮の法線ベクトルtk-1と、現在のブロックであるk番目のブロックの仮の法線ベクトルtが入力される。ここで、仮の法線ベクトルtは、k番目のブロック内のN個のストークスベクトルから求めたN-1個の外積の中で、長さが最大のものである。
【0069】
強度角度比較器は、仮の法線ベクトルtの長さが、閾値tTHより小さい場合のみ、k番目のブロックの仮の法線ベクトルtの代わりに、k-1番目のブロックの仮の法線ベクトルtk-1を使用する。ここで閾値tTHは、例えば、最も大きい振幅の2乗をVとし、2番目に大きい振幅と3番目に大きい振幅の積をVとしたときに、以下の式(9)で与えられる。
【0070】
【数9】
【0071】
その後、強度角度比較器は、第1実施形態の角度比較器と同様に、一つ前のブロックの仮の法線ベクトルtk-1と、現ブロックの仮の法線ベクトルtがなす角度θを求め、θ>π/2の場合に「1」を、それ以外の場合に「0」にトリガCを出力する。以降の処理は、第1実施形態の偏波分離回路と同様なので説明を省略する。
【0072】
第1実施形態では、DP-QPSK信号に対する偏波チャネル分離を説明した。第2実施形態では、4位相・4振幅の16振幅位相シフトキーイング(APSK)に対する偏波チャネル分離を説明する。アクセスネットワークでは、送受信機を安価に構成しなければ普及しない。このため、基幹ネットワークで使用されているような、線幅が100kHz程度の高価な狭線幅レーザを使用できない。そこで、強度変調方式で使用されているような、汎用的な安価な分布帰還型(DFB:Distributed Feedback)レーザを使用することが望ましい。DFBレーザは安価なものの、線幅が10MHz程度であり、位相変調方式にとって、位相雑音耐性への要求が厳しくなる。4位相・4振幅の16APSK方式は、振幅方向への多値数を増やす一方で、位相の多値数を4つに留めることができ、線幅10MHz程度のDFBレーザを使用しても、位相雑音の補償が容易な特長がある.このため、4位相・4振幅の16APSK信号は、アクセスネットワークの通信方式として有力な候補である。
【0073】
(第2実施形態の効果)
図6は、4位相・4振幅のDP-16APSK信号のストークスベクトル先端の配置を示す図である。光波の偏光状態は、直交偏光成分の振幅比と位相差によって決定する。このため、振幅と位相に多値変調を施すと、そのストークスベクトルは、ストークス空間上において複雑な配置となる。このDP-16APSK信号のストークスベクトルの配置において、最も振幅が大きいサンプル同士の外積の方向は、ストークス空間のS軸と一致する。第2実施形態の偏波分離回路では、閾値tTHを用いて、最も振幅が大きいサンプル同士の外積を抽出することで、法線ベクトルを得る。
【0074】
この第2実施形態の効果を、シミュレーションによって確かめた。独立したデータパターンで変調した4位相・4振幅の16APSK信号を偏波多重し、DP-16APSK信号を数値的に発生させた。シンボルレートを、12.5Gbaudとしたので、信号のデータ転送率は100Gb/sである。
【0075】
このDP-16APSK信号に対し、ファイバ複屈折を模擬したJones行列を作用させた。Jones行列は、偏波回転軸がストークス空間内で互いに直交する3つの回転行列の積である。3つの回転行列の偏波回転軸は、入力に作用する順に、S軸、S軸、S軸である。各偏波回転行列で生じる直交偏光軸間の位相差は、平均値が0、標準偏差が10Mrad/sの正規分布によって与えた。
【0076】
ディジタル回路の水晶発振器のクロック周波数は、100MHzを想定した.並列数は128とし、1つのクロック周期の経過とともに、128シンボルの光複素電界ベクトル(Jonesベクトル)が偏波分離回路へ入力される。また、伝送開始の最初の128シンボルをトレーニング信号とした。
【0077】
図7は、第2実施形態の偏波分離回路の入力を示す図である。入力は、DP-16AP
SK信号であり、偏波変動を10Mrad/sより大きく設定した。図7(A)及び(B)は、それぞれ、X偏光チャネル及びY偏光チャネルのコンスタレーションである。図7(C)及び(D)は、それぞれ、X偏光チャネル及びY偏光チャネルの時間波形である。図7(C)及び(D)では、横軸にサンプル番号をとって示し、縦軸に振幅をとって示している。このように、このシミュレーションでは、偏波分離回路には、光ファイバの複屈折の影響を受けた信号が入力される。
【0078】
図8は、第2実施形態の偏波分離回路の出力を示す図である。ここでは、X偏光チャネル及びY偏光チャネルのそれぞれに対し、広く知られている4乗法による位相雑音の補償を適用している。一般に、ファイバ複屈折による偏光状態は、ストークス空間において、S軸、S軸、S軸を中心として不規則に回転する。偏波分離回路では、ファイバ複屈折の変動のうち、ストークス空間におけるS軸、S軸を中心とした回転が補償される。残留するS軸を中心とする回転は、一般的な位相雑音の補償回路によってスカラーの回転の効果として、位相雑音と共に補償できる。
【0079】
図8(A)及び(B)は、それぞれ、X偏光チャネル及びY偏光チャネルのコンスタレーションである。図8(C)及び(D)は、それぞれX偏光チャネル及びY偏光チャネルの時間波形である。図7に示される、ファイバ複屈折の影響を受けた信号に対して、図8の偏波分離回路の出力は、X偏光チャネル及びY偏光チャネルの両者ともに、4位相・4振幅の16APSK信号のコンスタレーションが復元されている。
【0080】
図9は、第2実施形態の偏波分離回路の入力と出力とを比較する図である。図9(A)は、補償前、すなわち、図7に示す偏波チャネル補償回路の入力と送信機の出力である送信信号の差である。また、図9(B)は、補償後、すなわち、図8に示す偏波チャネル補償回路の出力と送信信号の差である。図9(A)に示すように、補償前の偏波チャネル補償回路の入力信号は、ファイバ複屈折の回転の効果により、送信信号と一致しない。一方、図9(B)に示すように、補償後の偏波分離回路の出力信号と送信信号の差は小さく、送信信号が復元されている。また、図9(B)では、サンプル番号の1番から出力信号と送信信号の差が回復しており、128のトレーニングシンボル直後から直ちに、偏波チャネルを分離した結果が得られ、バースト光通信にとって重要な高速な応答が確認できる。
【0081】
(他の実施形態)
第1実施形態としてDP-QPSK信号、第2実施形態として4位相・4振幅のDP-16APSK信号に対する偏波分離回路及び偏波チャネル分離方法を説明した。しかしながら、例えば、スクエア型のDP-16QAM信号のように、最も振幅が大きいストークスベクトル同士の外積が、ストークス空間におけるS軸と一致するような変調方式に対しても適用できる。
【符号の説明】
【0082】
10 ストークスベクトル演算器
20 外積演算器
30 外積比較器
40 角度比較器
42 比較回路
50 同期式2進カウンタ
60 選択回路
70 補償行列生成回路
80 乗算器
【要約】      (修正有)
【課題】ストークス空間における偏波分離を、ディジタル回路として実装できるように、並列化したブロックごとに法線ベクトルを算出する。
【解決手段】外積演算器20は、クロック周期ごとに並列化された1つのブロックを構成するNのストークスベクトルの隣接するストークスベクトルの外積を求める。外積比較器30は、k番目のブロックのN-1個の外積から、長さが最大のものを仮の法線ベクトルtとする。角度比較器40は、tとtk-1がなす角度θを求める。選択回路60は、角度θがπ/2より大きい場合は、k番目の仮の法線ベクトルtに平行な単位ベクトルを単位法線ベクトルとし、それ以外の場合は、仮の法線ベクトルtの逆ベクトルに平行な単位ベクトルを単位法線ベクトルとする。補償行列生成回路70は、単位法線ベクトルの方向が、ストークス空間の所定の軸と一致する補償行列Uを生成する。乗算器80は、補償行列Uを入力信号に乗じる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9