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特許7192945航空機用化粧室ユニットのフラッシュスイッチ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】航空機用化粧室ユニットのフラッシュスイッチ
(51)【国際特許分類】
   B64D 11/02 20060101AFI20221213BHJP
   E03D 5/00 20060101ALI20221213BHJP
   H01H 35/00 20060101ALN20221213BHJP
【FI】
B64D11/02
E03D5/00
H01H35/00 F
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021172518
(22)【出願日】2021-10-21
【審査請求日】2022-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】中尾 和司
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-085631(JP,U)
【文献】特開2018-066256(JP,A)
【文献】特表2018-529866(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0230550(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 11/02
E03D 5/00
H01H 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機用化粧室ユニットの化粧室の壁部に設けられるフラッシュスイッチであって、
前記フラッシュスイッチは、押し釦で作動する接触式の第1フラッシュスイッチと人体センサを有する非接触式の第2フラッシュスイッチとを備え、
それら第1フラッシュスイッチと第2フラッシュスイッチとは単一のベース部材に取り付けられ、単一のカバーで覆われ
前記第1フラッシュスイッチは、水平方向において前記ベース部材のほぼ半部に設けられ、
前記第2フラッシュスイッチは前記ベース部材の残りのほぼ半部に設けられ、
前記カバーは、前記ベース部材に対向し前記押し釦が配置された正面壁と、正面壁の周囲から前記ベース部材側に突出する周壁とを有し、
前記ベース部材に対向する前記正面壁の内面に、前記第1フラッシュスイッチと前記第2フラッシュスイッチとが並べられた方向と直交する方向に延在し前記カバーの内部を前記第1フラッシュスイッチが収容される第1空間と、前記第2フラッシュスイッチが収容される第2空間とに区画する隔壁が設けられ、
正面壁と反対に位置する前記隔壁の端部は、前記ベース部材に当接している、
ことを特徴とする航空機用化粧室ユニットのフラッシュスイッチ。
【請求項2】
前記人体センサは赤外線センサであり、
前記第2フラッシュスイッチは、前記ベース部材の前記残りのほぼ半部に取り付けられ前記赤外線センサを支持するプリント基板を含んで構成され、
上下方向において前記プリント基板を跨ぐ前記ベース部材の箇所から起立する一対の脚部と、前記一対の脚部で支持され前記プリント基板を覆う本体板部を有するブラケットが設けられ、
前記赤外線センサに対向する前記正面壁と前記本体板部の箇所にそれぞれ開口が設けられ、
前記正面壁の前記開口に、前記正面壁の前記内面に赤外線を透過する前記正面壁の前記開口よりも大きい輪郭の透明板が着脱可能に取り付けられ、
前記正面壁の前記開口の外側に位置する前記透明板の周囲に前記本体板部の前記開口の周囲の箇所が当接している、
ことを特徴とする請求項記載の航空機用化粧室ユニットのフラッシュスイッチ。
【請求項3】
前記第1フラッシュスイッチは、プランジャを有するマイクロスイッチを備え、
前記押し釦は、初期位置と押し込み位置との間で前記正面壁と前記ベース部材とが対向する方向に直線移動可能に前記カバーに配置され、
前記第1フラッシュスイッチは、前記押し釦を前記初期位置に付勢するコイルばねと、前記押し釦の前記初期位置から押し込み位置への直線移動により揺動され前記プランジャを押圧するレバーとを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項または記載の航空機用化粧室ユニットのフラッシュスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機用化粧室ユニットのフラッシュスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
不特定多数の人が連続して使用することが多い公共施設や電車、航空機などの化粧室にはフラッシュバルブ式トイレが設置されていることが多い。
フラッシュバルブ式トイレは、便器がフラッシュバルブを介して給水管(水道管)に直接接続され、化粧室の壁面などに設けられたフラッシュスイッチを使用者が操作することによってフラッシュバルブが開弁され水洗水が便器に流されるものである。
従来、フラッシュスイッチとして、使用者が手指で押圧操作する押し釦で作動する接触式のフラッシュスイッチ(特許文献1参照)と、使用者の人体の一部(手指)を非接触で検出する人体センサを用いた非接触式のフラッシュスイッチ(特許文献2参照)とが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-127848号公報
【文献】特開平09-0221806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、航空機用化粧室ユニットにおいては、一般的に前者の接触式フラッシュスイッチが使用されているが、近年、感染症予防の観点から後者の非接触式のフラッシュスイッチの採用が要望されている。
しかしながら、非接触式のフラッシュスイッチを採用した場合、非接触式のフラッシュスイッチが故障すると、便器の水洗機能が損なわれることが懸念される。
そこで、非接触式のフラッシュスイッチと接触式のフラッシュスイッチとの2種類のフラッシュスイッチを化粧室の壁面に設けることで、非接触式のフラッシュスイッチが故障しても接触式のフラッシュスイッチを操作することで便器の水洗機能を確保することが考えられる。
しかしながら、2種類のフラッシュスイッチを航空機用化粧室ユニットの化粧室の壁面の別々の箇所に設けた場合、航空機用化粧室ユニットの部品点数が増加し、それらフラッシュスイッチの組み付け作業効率が低下し、航空機用化粧室ユニットの軽量化を図る上で不利となる。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、2種類のフラッシュスイッチを備える航空機用化粧室ユニットの部品点数を削減し、組み付け作業効率を高め、航空機用化粧室ユニットの軽量化を図る上で有利な航空機用化粧室ユニットのフラッシュスイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明は、航空機用化粧室ユニットの化粧室の壁部に設けられるフラッシュスイッチであって、前記フラッシュスイッチは、押し釦で作動する接触式の第1フラッシュスイッチと人体センサを有する非接触式の第2フラッシュスイッチとを備え、それら第1フラッシュスイッチと第2フラッシュスイッチとは単一のベース部材に取り付けられ、単一のカバーで覆われ、前記第1フラッシュスイッチは、水平方向において前記ベース部材のほぼ半部に設けられ、前記第2フラッシュスイッチは前記ベース部材の残りのほぼ半部に設けられ、前記カバーは、前記ベース部材に対向し前記押し釦が配置された正面壁と、正面壁の周囲から前記ベース部材側に突出する周壁とを有し、前記ベース部材に対向する前記正面壁の内面に、前記第1フラッシュスイッチと前記第2フラッシュスイッチとが並べられた方向と直交する方向に延在し前記カバーの内部を前記第1フラッシュスイッチが収容される第1空間と、前記第2フラッシュスイッチが収容される第2空間とに区画する隔壁が設けられ、正面壁と反対に位置する前記隔壁の端部は、前記ベース部材に当接していることを特徴とする。
また、本発明は、前記人体センサは赤外線センサであり、前記第2フラッシュスイッチは、前記ベース部材の前記残りのほぼ半部に取り付けられ前記赤外線センサを支持するプリント基板を含んで構成され、上下方向において前記プリント基板を跨ぐ前記ベース部材の箇所から起立する一対の脚部と、前記一対の脚部で支持され前記プリント基板を覆う本体板部を有するブラケットが設けられ、前記赤外線センサに対向する前記正面壁と前記本体板部の箇所にそれぞれ開口が設けられ、前記正面壁の前記開口に、前記正面壁の前記内面に赤外線を透過する前記正面壁の前記開口よりも大きい輪郭の透明板が着脱可能に取り付けられ、前記正面壁の前記開口の外側に位置する前記透明板の周囲に前記本体板部の前記開口の周囲の箇所が当接していることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1フラッシュスイッチは、プランジャを有するマイクロスイッチを備え、前記押し釦は、初期位置と押し込み位置との間で前記正面壁と前記ベース部材とが対向する方向に直線移動可能に前記カバーに配置され、前記第1フラッシュスイッチは、前記押し釦を前記初期位置に付勢するコイルばねと、前記押し釦の前記初期位置から押し込み位置への直線移動により揺動され前記プランジャを押圧するレバーとを含んで構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、フラッシュスイッチは、押し釦で作動する接触式の第1フラッシュスイッチと人体センサを有する非接触式の第2フラッシュスイッチとが単一のベース部材に取り付けられ、単一のカバーで覆われている。
したがって、非接触式の第2フラッシュスイッチを用いることができるため、感染症予防を図る上で有利となることは無論のこと、非接触式の第2フラッシュスイッチが故障した場合であっても、接触式の第1フラッシュスイッチを用いることにより、航空機用化粧室ユニットの水洗機能が損なわれる事態を回避することができ、使用者の利便性を確保する上で有利となる。
また、接触式の第1フラッシュスイッチと非接触式の第2フラッシュスイッチとを別々の箇所に設ける場合に比べて航空機用化粧室ユニットの部品点数を削減し、組み付け作業効率を高め、航空機用化粧室ユニットの軽量化を図る上で有利となる。
また、本発明によれば、第1フラッシュスイッチは、水平方向においてベース部材のほぼ半部に設けられ、第2フラッシュスイッチはベース部材の残りのほぼ半部に設けられているので、見栄えが良くフラッシュスイッチの使い勝手の向上を図る上で有利となり、フラッシュスイッチの構成部品のレイアウトを効率良く行なう上で有利となる。
また、本発明によれば、カバーの内部を、第1フラッシュスイッチが収容される第1空間と、第2フラッシュスイッチが収容される第2空間とに区画する隔壁が設けられ、正面壁と反対に位置する隔壁の端部がベース部材に当接しているので、第1空間に侵入した水や塵埃が第1空間を介して第2空間に侵入しようとしても、水や塵埃が隔壁によって遮断されるため、第2フラッシュスイッチの防水性、防塵性を高めことができ、第2フラッシュスイッチの耐久性の向上を図る上で有利となる。
また、隔壁が補強リブとしても機能することから、カバーの強度、剛性を高めることができるので、過大な荷重がカバーに加わった場合であっても、隔壁が補強リブとして機能する。そのため、カバーの破損や変形を防止でき、第1フラッシュスイッチおよび第2フラッシュスイッチを保護できるので、航空機用化粧室ユニットの水洗機能を確保する上で有利となる。
また、本発明によれば、透明板の損傷、あるいは、透明板の経年劣化が生じた際に、透明板のみを簡単に交換すればよく、フラッシュスイッチのメンテナンス性を高める上で有利となる。
また、カバーの開口の外側に位置する透明板の周囲にブラケットの本体板部の開口の周囲の箇所が当接しているため、過大な荷重がカバーに加わった場合であっても、透明板がカバーの開口から脱落することがなく、脱落した透明板によって赤外線センサあるいはプリント基板が損傷することを防止できるため、航空機用化粧室ユニットの水洗機能を確保する上で有利となる。
また、本発明によれば、例えば、既存の単一の接触式のフラッシュスイッチが、直線移動式ではなく揺動式の押し釦を使用している場合であっても、既存のフラッシュスイッチから、第1、第2フラッシュスイッチの双方を備えるフラッシュスイッチに置き換える際に、既存のフラッシュスイッチのマイクロスイッチを流用することが可能となるため、第1、第2フラッシュスイッチを有するフラッシュスイッチへの置き換えに際して、フラッシュスイッチの部品点数の削減化を図れると共に、コストダウンを図る上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態に係るフラッシュスイッチが適用された航空機用化粧室ユニットの斜視図である。
図2】実施の形態に係るフラッシュスイッチの斜視図である。
図3】実施の形態に係るフラッシュスイッチの正面図である。
図4図1のA-A線断面図である。
図5】実施の形態に係るフラッシュスイッチの背面図であり、ベース部材を省略した状態を示す。
図6】実施の形態に係るフラッシュスイッチの背面図であり、ベース部材の背面を示す。
図7】カバーおよびブラケットを取り外したフラッシュスイッチの斜視図である。
図8図7の正面図である。
図9】(A)は図8のA矢視図、(B)は図8のB矢視図、(C)は図8のC矢視図である。
図10】カバーを取り外したフラッシュスイッチの斜視図である。
図11図10の正面図である。
図12】(A)は図10のA矢視図、(B)は図8のB矢視図、(C)は図8のC矢視図である。
図13】押し釦の斜視図である。
図14】(A)は押し釦の正面図、(B)は(A)のB矢視図、(C)は(A)のC矢視図、(D)は(C)のD矢視図、(E)は(A)のE矢視図、(F)は(A)のF矢視図である。
図15】ブラケットの斜視図である。
図16】(A)はブラケットの正面図、(B)は(A)のB矢視図、(C)は(A)のC矢視図、(D)は(C)のD矢視図、(E)は(A)のE矢視図、(F)は(A)のF矢視図である。
図17】カバーの斜視図である。
図18】カバーの正面図である。
図19】カバーの背面図である。
図20図19のA-A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
次に図面を参照して本実施の形態について説明する。
まず、本発明に係るフラッシュスイッチが適用される航空機用化粧室ユニットについて説明する。
図1に示すように、航空機用化粧室ユニット10は躯体フレーム12を備え、躯体フレーム12の内部が化粧室14となっている。
躯体フレーム12は、底壁1202と、底壁1202から起立する正面壁1204と、正面壁1204に対向する背面壁1206と、背面壁1206の両側と正面壁1204の両側を接続する一対の側面壁1208とを備えている。
正面壁1204に、扉により開閉される出入口1210が設けられ、背面壁1206の前方に内壁1212が設けられ、便器16は内壁1212を介して底壁1202上に設けられている。
なお、図1では一対の側面壁1208のうちの一方と、出入口1210を開閉する扉が省略されている。
側面壁1208の高さ方向の中間にカウンターテーブル18が設けられ、カウンターテーブル18の下方は、消火機能付きの不図示のごみ箱装置や化粧室14の備品などが収納される下部収納部20となっており、下部収納部20は複数の扉2002、2004により開閉可能であり、図1において、符号2006はごみ投入口を示している。
カウンターテーブル18の上方は、ティッシュペーパーなどの化粧室14の備品が収納され鏡付きの扉2202により開閉される上部収納部22となっている。
カウンターテーブル18の正面壁1204寄りの箇所にボウル部24が設けられ、ボウル部24の周囲のカウンターテーブル18の箇所に自動水栓26が設けられている。
【0009】
本実施の形態では、本発明に係るフラッシュスイッチ28は、便座に座った状態で使用者が操作できるように便器16の上方に位置する内壁1212の箇所に設けられている。
フラッシュスイッチ28は、使用者が操作することにより、不図示の給水管に接続された不図示のフラッシュバルブ(電磁弁)を作動させて便器16に水洗水を流すものである。
【0010】
図2図7に示すように、フラッシュスイッチ28は、単一のベース部材30と、第1フラッシュスイッチ32と、第2フラッシュスイッチ34と、単一のカバー36とを含んで構成されている。
図3図4図6に示すように、ベース部材30は、金属製であり、平面視長方形状を呈し均一の厚さで形成され、図4に示すように、化粧室14の内壁1212に取り付けられる。
なお、以下では、ベース部材30の長辺方向をベース部材30の長手方向、ベース部材30の短辺方向をベース部材30の幅方向といい、ベース部材30は長手方向に沿った長さと、幅方向に沿った幅を有している。
ベース部材30が化粧室14の内壁1212に取り付けられた状態で、ベース部材30の長手方向は上下方向に延在し、ベース部材30の幅方向は水平方向に延在している。
ベース部材30の一方の面は第1フラッシュスイッチ32、第2フラッシュスイッチ34、カバー36が取り付けられる表面3002であり、他方の面は背面3004である。
図3図6に示すように、ベース部材30の上部には幅方向に間隔をおいて2つのベース部材取り付け用ねじ挿通孔3006A、3006Bが設けられ、ベース部材30の下部の幅方向の中央には1つのベース部材取り付け用ねじ挿通孔3006Cが設けられている。
また、ベース部材30の表面3002で、上部の2つのベース部材取り付け用ねじ挿通孔3006A、3006Bの下方にはベース部材30の幅方向の全長にわたって延在する上部横壁3008が立設されている。
【0011】
図4に示すように、フラッシュスイッチ28が設けられる内壁1212の箇所には、化粧室14側に膨出した平面視矩形枠状の膨出部38が形成されている。
膨出部38は、内壁1212から矩形枠状に起立する起立壁3802と、起立壁3802の上端全周に接続され矩形枠状に延在する上壁3804とを備え、上壁3804の内側がスイッチ配設用開口3806となっている。
本実施の形態では、図4に示すように、ベース部材30は、長手方向を上下方向に平行させ、ベース部材30の上部と下部を内壁1212の外面1212Aに重ね合わせ、ベース部材30の中間部を上壁3804およびスイッチ配設用開口3806に対向させた状態で、ベース部材取り付け用ねじ挿通孔3006A、3006B、3006C(図2図3参照)に挿通された不図示のねじが内壁1212に設けられた不図示のねじ孔に螺合されることで内壁1212に取り付けられる。
【0012】
図2図3に示すように、第1フラッシュスイッチ32と第2フラッシュスイッチ34は、ベース部材30上で水平方向に並べられて設けられている。
すなわち、図3図10図12に示すように、第1フラッシュスイッチ32は、水平方向においてベース部材30の表面3002のほぼ半部に設けられ、第2フラッシュスイッチ34はベース部材30の残りの表面3002のほぼ半部に設けられている。
【0013】
図7図9に示すように、第1フラッシュスイッチ32は押し釦40(図2参照)で作動する接触式のフラッシュスイッチであり、第1フラッシュスイッチ32は、一対のガイド軸42、コイルスプリング44、レバー46、マイクロスイッチ48などを含んで構成されている。
図13図14に示すように、押し釦40は合成樹脂製であり、化粧室14の使用者により押圧される釦本体50と、一対のコイルスプリング収容部52とを備えている。
釦本体50は、上下方向に細長の長方形状を呈する本体壁部5002と、本体壁部5002の全周から起立する周壁部5004と、周壁部5004の先端全周から周壁部5004の外側に突出するフランジ部5006とを備えている。
本体壁部5002の表面には、フラッシュスイッチ28であることを示す文字5010と、便器16から水が流れる表示5012とが形成されている。
一対のコイルスプリング収容部52は、図5に示すコイルスプリング44の一部とガイド軸42の先部が収容される箇所であり、本体壁部5002の背面の幅方向の中央で、背面の長手方向に間隔をおいて突設された一対の円筒壁で形成されている。
なお、図7図9図10図12においてコイルスプリング44は自由長の状態を描いている。
【0014】
図11に示すように、一対のガイド軸42は、水平方向におけるベース部材30の半部(左半部)の表面3002から突設され、コイルスプリング44の内部に挿通され、押し釦40のコイルスプリング収容部52(図5参照)に収容可能に構成されている。
図2図3に示すように、押し釦40は、初期位置と押し込み位置との間で、後述するカバー36の正面壁3602とベース部材30とが対向する方向に直線移動可能にカバー36に配置されている。
押し釦40の初期位置は、押し釦40のフランジ部5006が後述するカバー36の押し釦用開口3610の縁部に当接することで決定される。
図5図7図9に示すように、押し釦40は、一対のコイルスプリング収容部52に収容されたコイルスプリング44によって初期位置に常時付勢されている。
この状態で、コイルスプリング44の長手方向の一部はコイルスプリング収容部52に収容され、コイルスプリング44の両端はコイルスプリング収容部52の底壁とベース部材30の表面3002とに接触し、ガイド軸42の先部はコイルスプリング収容部52の内部に位置し、ガイド軸42の先端はコイルスプリング収容部52の底壁から離れた箇所に位置している。
【0015】
押し釦40の押し込み位置は、例えば、コイルスプリング収容部52の先端がベース部材30の表面3002に当接することで決定される。
この状態で、コイルスプリング44の長手方向の全長はコイルスプリング収容部52に収容され、コイルスプリング44の両端はコイルスプリング収容部52の底壁とベース部材30の表面3002とに接触し、ガイド軸42の全長部分はコイルスプリング収容部52の内部に位置し、この押し釦40の押し込み位置でも、ガイド軸42の先端はコイルスプリング収容部52の底壁から離れた箇所に位置している。
【0016】
図7図9に示すように、レバー46は、押し釦40が初期位置から押し込み位置に直線移動されることによって揺動され、揺動されたレバー46が後述するマイクロスイッチ48のプランジャ4804(図5参照)を突出位置から没入位置に押し込むことでマイクロスイッチ48を作動させるものである。
図7図8図9(C)に示すように、レバー46は、支軸54を支点として揺動可能に支持され、支軸54は、その長手方向の両端が脚部56を介してベース部材30で支持され、ベース部材30の幅方向に延在している。
図5図8に示すように、レバー46は、支軸54を支点として一体的に揺動する4つの三角形状の板部4602を含んで構成され、4つの三角形状の板部4602は、支軸54で支持された箇所から押し釦40側に位置する第1部分4610と、支軸54で支持された箇所からマイクロスイッチ48側に位置する第2部分4612とを有している。
【0017】
押し釦40が初期位置に位置した状態でレバー46も初期位置に位置している。
なお、レバー46を初期位置に付勢する不図示の弦巻コイルスプリングがレバー46と脚部56とにわたって設けられ、レバー46に当接しレバー46を初期位置に位置決めする不図示のストッパが脚部56に設けられている。
レバー46の初期位置では、第1部分4610は押し釦40のフランジ部5006から離間しており、第2部分4612は突出位置に突出されたプランジャ4804(図5参照)の先端に当接可能な位置となっている。
一方、押し釦40が初期位置から押し込み位置に押し込まれると、レバー46は初期位置から揺動位置となる。
レバー46の揺動位置では、第1部分4610がフランジ部5006によって揺動され、第2部分4612はプランジャ4804の先端に当接しプランジャ4804の先端を押し込んでプランジャ4804を突出位置から没入位置に押し込む。
したがって、第1フラッシュスイッチ32は、押し釦40で作動する。
また、この状態で押し釦40から手を離すと、押し釦40がコイルスプリング44の付勢力によって押し込み位置から初期位置に復帰し、これによりレバー46は初期位置に復帰する。
【0018】
図5に示すように、マイクロスイッチ48は、スイッチ本体4802と、プランジャ4804と、3つの接続端子4806A、4806B、4806Cとを備え、本実施の形態では、防水型のマイクロスイッチが用いられている。
図5図7図9に示すように、スイッチ本体4802は、扁平な直方体状を呈し、長辺をベース部材30の幅方向と平行させた状態でレバー46の第2部分4612に近接してベース部材30の表面3002に配置されている。詳細には、背面3004から不図示のねじ挿通孔を挿通したねじN1(図6参照)を介してベース部材30の表面3002に取り付けられている。
プランジャ4804は、スイッチ本体4802の一方の長辺から出没可能に設けられている。
プランジャ4804は、突出位置に付勢されており、レバー46の第2部分4612によって突出位置から没入位置に押し込まれることでマイクロスイッチ48が作動する。
【0019】
図5に示すように、3つの接続端子4806A、4806B、4806Cは、共通端子4806Aと、常開端子4806Bと、常閉端子4806Cとで構成されている。
プランジャ4804が没入位置に押し込まれると、共通端子4806Aと常開端子4806Bとがオン(閉成)され、共通端子4806Aと常閉端子4806Cとがオフ(開成)される。
本実施の形態では、共通端子4806Aと常開端子4806Bとが不図示のケーブルを介して不図示の制御部に接続されている。
制御部は、共通端子4806Aと常開端子4806Bとがオンしたことを検知すると、電磁弁を開弁させて便器16に水洗水を流す。
【0020】
図3図10図12に示すように、第2フラッシュスイッチ34は、水平方向においてベース部材30の幅方向の残りの半部に設けられている。
第2フラッシュスイッチ34は、プリント基板58と、赤外線センサ60と、インジケータLED62と、ブラケット64とを含んで構成されている。
図7図8に示すように、プリント基板58は、ベース部材30の長手方向と沿った長辺を有する長方形状を呈している。
図9(C)に示すように、プリント基板58の長手方向の両端は、一対のスペーサ66とねじN2(図6参照)を介してベース部材30の表面3002から離間した箇所に、ベース部材30と平行して取り付けられ、プリント基板58は、ベース部材30の残りのほぼ半部に設けられている。
【0021】
図7図8に示すように、赤外線センサ60は、プリント基板58の中央の下部寄りの箇所に取り付けられている。
赤外線センサ60は、赤外線からなる検知光をベース部材30と反対方向に向けて照射すると共に、人体の手指に照射された検知光の反射光を検出することで人体の手指の有無を検出する人体センサである。
赤外線センサ60は、人体の手指を検出すると、検出信号を生成しケーブル68を介して前述した制御部に供給する。
制御部は、検出信号を受け付けると、電磁弁を開弁させて便器16に水洗水を流す。
なお、マイクロスイッチ48と制御部を接続するケーブルと、赤外線センサ60と制御部とを接続するケーブル68を独立分離しておくと、マイクロスイッチ48と赤外線センサ60とを別々に交換することができるため、メンテナンス性を高める上で有利となる。
【0022】
図7図8に示すように、インジケータLED62は、赤外線センサ60の上方に隣接してプリント基板58に取り付けられている。
インジケータLED62は、制御部とケーブル68を介して接続されている。
インジケータLED62は、赤外線センサ60による人体の検出状態を化粧室14の使用者に対して報知するものである。
本実施の形態では、制御部は、赤外線センサ60による人体の検出がされていない場合は、インジケータLED62を低輝度で発光させ、赤外線センサ60によって人体が検出された場合は、インジケータLED62を高輝度で発光させる。
インジケータLED62の発光色は例えば青色であるが、発光色は限定されるものではない。
【0023】
図10図12図15図16に示すように、ブラケット64は第2フラッシュスイッチ34が設けられるベース部材30のほぼ半部に設けられている。
ブラケット64は、一対の脚部70A、70Bと、本体板部72とを備えている。
一対の脚部70A、70Bは、上下に間隔をおいてベース部材30から起立する第1脚部70Aと第2脚部70Bとで構成されている。
本体板部72は、一対の脚部70A、70Bで支持されベース部材30に対向しプリント基板58を覆うものである。
本体板部72は、平面視長方形状を呈し、赤外線センサ60およびインジケータLED62に対向する箇所に、矩形状の開口74が形成されている。
本体板部72の開口74の周囲の箇所は、後述するカバー36に取り付けられた透明板76の周囲に当接する箇所となっている。
【0024】
図10図12に示すように、第1脚部70Aは、本体板部72の長手方向の一端からベース部材30側に突設され、その先端はベース部材30の表面3002に当接可能に設けられている。
第2脚部70Bは、本体板部72の長手方向の他端からベース部材30側に突設され、その先端がベース部材30の表面3002に当接している。
図11に示すように、第2脚部70Bは、その延在方向に貫通する一対のねじ孔7002が形成され、それら一対のねじ孔7002に対応してベース部材30に形成された不図示のねじ挿通孔を挿通したねじN3(図6参照)が各ねじ孔7002に螺合することで、ブラケット64がベース部材30に取り付けられ、この状態で第1脚部70Aの先端はベース部材30の表面3002に当接している。
【0025】
図2図4に示すように、カバー36は、第1フラッシュスイッチ32と第2フラッシュスイッチ34とを覆うものである。
図17図19に示すように、カバー36は、正面壁3602と、周壁3604と、フランジ壁3606と、隔壁3608と、透明板76とを含んで構成され、ベース部材30の幅と長さに対応した幅と長さを有している。
正面壁3602は、カバー36の使用状態でほぼ鉛直面上を延在し、正面壁3602は、ベース部材30に対向した箇所に位置している。
正面壁3602には、押し釦用開口3610と、センサ用開口3612とが正面壁3602の幅方向に並べられて設けられている。
押し釦用開口3610は、押し釦40の本体壁部5002を露出させ、押し釦40の押圧操作を可能とする箇所である。
押し釦用開口3610は、押し釦40の輪郭よりも一回り大きい輪郭で形成され、押し釦40を押圧操作しやすいように、押し釦40の初期位置において本体壁部5002の表面が、正面壁3602よりも若干突出する箇所に位置している。
センサ用開口3612は、赤外線センサ60およびインジケータLED62に対応して設けられ、ブラケット64の開口74よりも一回り小さい矩形状を呈している。
図18において、符号78は、第2フラッシュスイッチ34が非接触センサ、言い換えると、手をかざすことで動作するフラッシュスイッチ28であることを示すためにセンサ用開口3612の近傍の正面壁3602の箇所に形成された手の表示を示す。
【0026】
図17図18に示すように、周壁3604は正面壁3602の周囲からベース部材30側に突出し、周壁3604の突出端はベース部材30の表面3002に当接している。
詳細に説明すると、図18に示すように、周壁3604は、上壁3604Aと、下壁3604Bと、一対の側壁3604C、3604Dとを備えている。
上壁3604Aは、正面壁3602の上端からベース部材30側に突設され、下壁3604Bは、正面壁3602の下端からベース部材30側に突設され、一対の側壁3604C、3604Dは、正面壁3602の両側からベース部材30側に突設されている。
図17に示すように、一対の側壁3604C、3604Dのうち、第2フラッシュスイッチ34側の側壁3604Dは、正面壁3602から突出する第1壁部3620と、第1壁部3620の先端から正面壁3602の幅方向に突出する中間壁3622と、中間壁3622の先端からベース部材30方向に突出しベース部材30に当接する第2壁部3624とで構成されている。
第2壁部3624は正面壁3602の長さ方向に延在しており、第2壁部3624はその全長にわたってベース部材30に当接している。
【0027】
図17図18に示すように、フランジ壁3606は、上壁3604Aの先端と、一対の側壁3604C、3604Dのうち第1フラッシュスイッチ32側の側壁3604Cの先端とにわたってそれら先端からカバー36の外側に向かって突設され、フランジ壁3606はその全長にわたってベース部材30の表面3002に当接している。
したがって、上壁3604Aと、第1フラッシュスイッチ32側の側壁3604Cとはフランジ壁3606を介してベース部材30に当接している。
【0028】
下壁3604Bはその先端が全長にわたってベース部材30に当接している。
上壁3604Aの先端に設けられたフランジ壁3606の部分には、フランジ壁3606の延在方向の両端寄りの箇所にねじ挿通孔3630と、雌ねじ部材80(図3参照)とがそれぞれ設けられている。
したがって、図6に示すように、ねじ挿通孔3630に対応するベース部材30の箇所に設けられた不図示のねじ挿通孔を挿通したねじN4が雌ねじ部材80にそれぞれ螺合することでカバー36はベース部材30に取り付けられている。
【0029】
図18図19に示すように、隔壁3608は、正面壁3602の内面から突出して設けられている。
隔壁3608は、第1フラッシュスイッチ32と第2フラッシュスイッチ34とが並べられた方向と直交する方向に延在し、カバー36の内部を、第1フラッシュスイッチ32が収容される第1空間S1と、第2フラッシュスイッチ34が収容される第2空間S2とに区画しており、正面壁3602と反対に位置する隔壁3608の端部はその全長にわたってベース部材30に当接している。
言い換えると、隔壁3608は、互いに対向する周壁3604間(上壁3604A、下壁3604B間)にわたって延在しており、隔壁3608の端部はその全長にわたってベース部材30に当接している。
すなわち、第1空間S1は、正面壁3602の半部と、上壁3604Aの半部と、下壁3604Bの半部と、第1フラッシュスイッチ32側の側壁3604Cと、隔壁3608と、ベース部材30の表面3002とによって囲まれた空間である。
第2空間S2は、正面壁3602の残りの半部と、上壁3604Aの残りの半部と、下壁3604Bの残りの半部と、第2フラッシュスイッチ34側の側壁3604Dと、隔壁3608と、ベース部材30の表面3002とによって囲まれた空間である。
この隔壁3608は、カバー36の正面壁3602を補強するリブとしても機能している。
【0030】
図17図19に示すように、透明板76は、赤外線を透過する透明な合成樹脂材料で形成されている。
透明板76は、センサ用開口3612よりも大きい輪郭の矩形板状を呈し、カバー36の正面壁3602の内面からセンサ用開口3612に着脱可能に取り付けられている。
詳細には、図19に示すように、透明板76は、ほぼ正方形の板状の基板部7602と、基板部7602から膨出しセンサ用開口3612にはめ込まれる膨出部7604とを含んで構成されている。
膨出部7604がセンサ用開口3612にはめ込まれた状態で膨出部7604の先端面と正面壁3602の表面とは同一面上に位置している。
カバー36のセンサ用開口3612の外側に位置する透明板76の周囲の箇所に、詳細には、膨出部7604の外側に位置する基板部7602の箇所にブラケット64の本体板部72の開口74(図15参照)の周囲の箇所が当接している。
また、本実施の形態では、カバー36のセンサ用開口3612に透明板76が取り付けられた状態で、基板部7602の内面は正面壁3602の内面と同一面上に位置している。
【0031】
図4に示すように、フラッシュスイッチ28は、前述したように、ベース部材30の上部および下部を内壁1212の外面1212Aに付き当てて外面1212A側から不図示のねじで締結することで、カバー36の正面壁3602の部分の全域が内壁1212の膨出部38のスイッチ配設用開口3806から化粧室14の内部に露出する。
そのため、第1フラッシュスイッチ32の押し釦40の操作、第2フラッシュスイッチ34の赤外線センサ60による手指の検出を確実に行えるように図られている。
【0032】
なお、図4において、符号3804Aは、カバー36の上壁3604Aの先端から突設されたフランジ壁3606の前方を覆う膨出部38の部分3804を示す。
また、符号3804Bは、カバー36の下壁3604Bの下方から露出するマイクロスイッチ48の部分と、マイクロスイッチ48から引き出された不図示のケーブルの部分と、赤外線センサ60、インジケータLED62から引き出されたケーブル68の部分とを覆う膨出部38の部分3804を示す。
膨出部38の部分3804A、3804Bによって、フランジ壁3606、フランジ壁3606をベース部材30に取り付ける雌ねじ部材80、マイクロスイッチ48の部分、不図示のケーブルおよびケーブル68の部分を隠すことにより、化粧室14の美観が確保されている。
【0033】
また、本実施の形態では、ベース部材30の上部および下部を内壁1212の外面1212Aに付き当てて外面1212A側からねじで締結することで、フラッシュスイッチ28を取り付ける場合について説明したが、ベース部材30の背面3004を航空機用化粧室ユニット10の例えば内壁1212の内面1212Bに当て付けて取り付けるようにしてもよい。
この場合は、ベース部材30に対してマイクロスイッチ48、プリント基板58、ブラケット64、カバー36などの部材を取り付けるための取り付け用のねじN1、N2、N3、N4の頭部が内壁1212の内面1212Bに干渉しないように、それらねじN1、N2、N3、N4の頭部がベース部材30の背面3004から突出しないようにすることが好ましい。
そのため、ベース部材30のねじ挿通孔の背面3004側に座ぐりを設けると共に、各部の取り付け用のねじN1、N2、N3、N4として皿ねじを用いるようにすると、取り付け用のねじN1、N2、N3、N4の頭部が、ベース部材30の背面3004から突出しないので、ベース部材30の背面3004を航空機用化粧室ユニット10の壁面に確実に安定して当て付けることができ、フラッシュスイッチ28の壁面への取り付けを簡単に行なう上で有利となる。
【0034】
次に作用効果について説明する。
本実施の形態によれば、フラッシュスイッチ28は、押し釦40で作動する接触式の第1フラッシュスイッチ32と人体センサを有する非接触式の第2フラッシュスイッチ34とを備え、それら第1フラッシュスイッチ32と第2フラッシュスイッチ34とは単一のベース部材30に取り付けられ、単一のカバー36で覆われている。
したがって、非接触式の第2フラッシュスイッチ34を用いることができるため、感染症予防を図る上で有利となることは無論のこと、非接触式の第2フラッシュスイッチ34が故障した場合であっても、接触式の第1フラッシュスイッチ32を用いることにより、航空機用化粧室ユニット10の便器16の水洗機能が損なわれる事態を回避することができ、使用者の利便性を確保する上で有利となる。
また、接触式の第1フラッシュスイッチ32と非接触式の第2フラッシュスイッチ34との2種類のフラッシュスイッチを別々の箇所に設ける場合に比べて航空機用化粧室ユニット10の部品点数を削減し、組み付け作業効率を高め、航空機用化粧室ユニット10の軽量化を図る上で有利となる。
【0035】
また、本実施の形態では、第1フラッシュスイッチ32は、水平方向においてベース部材30のほぼ半部に設けられ、第2フラッシュスイッチ34はベース部材30の残りのほぼ半部に設けられているので、見栄えが良くフラッシュスイッチ28の使い勝手の向上を図る上で有利となり、フラッシュスイッチ28の構成部品のレイアウトを効率良く行なう上で有利となる。
【0036】
また、本実施の形態では、カバー36は、ベース部材30に対向し押し釦40が配置された正面壁3602と、正面壁3602の周囲からベース部材30側に突出する周壁3604とを有し、ベース部材30に対向する正面壁3602の内面に、第1フラッシュスイッチ32と第2フラッシュスイッチ34とが並べられた方向と直交する方向に延在しカバー36の内部を、第1フラッシュスイッチ32が収容される第1空間S1と、第2フラッシュスイッチ34が収容される第2空間S2とに区画する隔壁3608が設けられ、正面壁3602と反対に位置する隔壁3608の端部は、ベース部材30に当接している。
そのため、カバー36の押し釦用開口3610と押し釦40との間の隙間から第1空間S1に侵入した水や塵埃が第1空間S1を介して第2空間S2に侵入しようとしても、水や塵埃が隔壁3608によって遮断されるため、第2フラッシュスイッチ34の防水性、防塵性を高めことができ、第2フラッシュスイッチ34の耐久性の向上を図る上で有利となる。
特に、航路によっては便器16内で足を洗う乗客もおり、この場合、第2フラッシュスイッチ34の防水性を高めておくと、便器16の水洗機能を確保する上で有利となる。
【0037】
また、隔壁3608が補強リブとしても機能することから、カバー36の強度、剛性を高めることができる。
また、本実施の形態では、隔壁3608は、互いに対向する周壁3604間(上壁3604A、下壁3604B間)にわたって延在しており、隔壁3608の端部はその全長にわたってベース部材30に当接しているので、隔壁3608の補強リブとしての機能を確保する上でより有利となり、カバー36の強度、剛性を高める上でより有利となる。
そのため、エアポケットに航空機が進入した際に激しい振動により航空機用化粧室ユニット10の使用者がよろけてカバー36に当接した場合であってもカバー36の破損や変形を防止でき、第1フラッシュスイッチ32および第2フラッシュスイッチ34を保護できるので、航空機用化粧室ユニット10の便器16の水洗機能を確保する上で有利となる。
また、使用者が靴底で第1フラッシュスイッチ32あるいは第2フラッシュスイッチ34を操作し、過大な荷重がカバー36に加わった場合であっても、上記と同様に隔壁3608が補強リブとして機能することにより、カバー36の破損や変形を防止でき、第1フラッシュスイッチ32および第2フラッシュスイッチ34を保護できるので、航空機用化粧室ユニット10の便器16の水洗機能を確保する上で有利となる。
【0038】
また、本実施の形態では、人体センサは赤外線センサ60であり、第2フラッシュスイッチ34は、ベース部材30のほぼ半部に取り付けられ赤外線センサ60を支持するプリント基板58を含んで構成され、上下方向においてプリント基板58を跨ぐベース部材30の箇所から起立する一対の脚部70A、70Bと、一対の脚部70A、70Bで支持されプリント基板58を覆う本体板部72を有するブラケット64が設けられている。
そして、赤外線センサ60に対向する正面壁3602と本体板部72の箇所にそれぞれセンサ用開口3612と開口74が設けられている。
正面壁3602のセンサ用開口3612に、正面壁3602の内面から着脱可能に赤外線を透過する本体板部72の開口74よりも大きい輪郭の透明板76が取り付けられ、センサ用開口3612の外側に位置する透明板76の周囲に本体板部72の開口74の周囲の箇所が当接している。
したがって、透明板76の損傷、あるいは、透明板76の経年劣化が生じた際に、透明板76のみを簡単に交換すればよく、フラッシュスイッチ28のメンテナンス性を高める上で有利となる。
【0039】
また、カバー36のセンサ用開口3612の外側に位置する透明板76の周囲にブラケット64の本体板部72の開口74の周囲の箇所が当接しているため、エアポケットに航空機が進入した際に激しい振動により航空機用化粧室ユニット10の使用者がよろけて透明板76の部分に当接した場合であっても、透明板76がカバー36のセンサ用開口3612から脱落することがない。
そのため、透明板76が脱落して赤外線センサ60あるいはプリント基板58が損傷することを防止できるため、航空機用化粧室ユニット10の便器16の水洗機能を確保する上で有利となる。
また、使用者が靴底でカバー36の透明板76を押圧し、過大な荷重がカバー36に加わった場合であっても、上記と同様に透明板76がカバー36のセンサ用開口3612から脱落することがなく、脱落した透明板76によって赤外線センサ60あるいはプリント基板58が損傷することを防止できるため、航空機用化粧室ユニット10の便器16の水洗機能を確保する上で有利となる。
【0040】
また、本実施の形態では、第1フラッシュスイッチ32は、プランジャ4804を有するマイクロスイッチ48を備え、押し釦40は、初期位置と押し込み位置との間で正面壁3602とベース部材30とが対向する方向に直線移動可能にカバー36に配置され、第1フラッシュスイッチ32は、押し釦40を初期位置に付勢するコイルスプリング44と、押し釦40の初期位置から押し込み位置への直線移動により揺動されプランジャ4804を押圧するレバー46とを含んで構成されている。
したがって、例えば、既存の単一の接触式のフラッシュスイッチが、本実施の形態のように直線移動式ではなく揺動式の押し釦を使用している場合であっても、既存のフラッシュスイッチから、第1、第2フラッシュスイッチ32、34の双方を備えるフラッシュスイッチ28に置き換える際に、既存のフラッシュスイッチのマイクロスイッチを流用することが可能となる。
そのため、第1、第2フラッシュスイッチ32、34を有するフラッシュスイッチ28への置き換えに際して、フラッシュスイッチ28の部品点数の削減化を図れると共に、コストダウンを図る上で有利となる。
【符号の説明】
【0041】
10 航空機用化粧室ユニット
12 躯体フレーム
1202 底壁
1204 正面壁
1206 背面壁
1208 側面壁
1210 出入口
1212 内壁
1212A 内壁の外面
1212B 内壁の内面
14 化粧室
16 便器
18 カウンターテーブル
20 下部収容部
2002、2004 扉
2006 ごみ投入口
22 上部収容部
2202 扉
24 ボウル部
26 自動水栓
28 フラッシュスイッチ
30 ベース部材
3002 表面
3004 背面
3006A、3006B、3006C ベース部材取り付け用ねじ挿通孔
3008 上部横壁
32 第1フラッシュスイッチ
34 第2フラッシュスイッチ
36 カバー
3602 正面壁
3604 周壁
3604A 上壁
3604B 下壁
3604C、3604D 側壁
3606 フランジ壁
3608 隔壁
3610 押し釦用開口
3612 センサ用開口
3620 第1壁部
3622 中間壁
3624 第2壁部
3630 ねじ挿通孔
76 透明板
38 膨出部
3802 起立壁
3804 上壁
3806 スイッチ配設用開口
40 押し釦
42 ガイド軸
44 コイルスプリング
46 レバー
4602 三角形状の板部
4610 第1部分
4612 第2部分
48 マイクロスイッチ
4802 スイッチ本体
4804 プランジャ
4806A、4806B、4806C 接続端子
50 釦本体
5002 本体壁部
5004 周壁部
5006 フランジ部
5010 文字
5012 表示
52 コイルスプリング収容部
54 支軸
56 脚部
58 プリント基板
60 赤外線センサ
62 インジケータLED
64 ブラケット
66 スペーサ
68 ケーブル
70A、70B 脚部
7002 ねじ孔
72 本体板部
74 開口
76 透明板
7602 基板部
7604 膨出部
78 表示
80 雌ねじ部材
S1 第1空間
S2 第2空間
N1、N2、N3、N4 ねじ
【要約】
【課題】2種類のフラッシュスイッチを備える航空機用化粧室ユニットの部品点数を削減し、組み付け作業効率を高め、航空機用化粧室ユニットの軽量化を図る上で有利な航空機用化粧室ユニットのフラッシュスイッチを提供する。
【解決手段】フラッシュスイッチ28は、押し釦40で作動する接触式の第1フラッシュスイッチ32と人体センサを有する非接触式の第2フラッシュスイッチ34とを備え、それら第1フラッシュスイッチ32と第2フラッシュスイッチ34とは単一のベース部材30に取り付けられ、単一のカバー36で覆われている。非接触式の第2フラッシュスイッチ34を用いることができるため、感染症予防を図る上で有利となり、非接触式の第2フラッシュスイッチ34が故障した場合であっても、接触式の第1フラッシュスイッチ32を用いることにより、使用者の利便性を確保する上で有利となる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20