(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】搬送システム
(51)【国際特許分類】
B65G 57/00 20060101AFI20221213BHJP
B65G 57/30 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
B65G57/00 B
B65G57/30
(21)【出願番号】P 2021501587
(86)(22)【出願日】2019-12-03
(86)【国際出願番号】 JP2019047227
(87)【国際公開番号】W WO2020170547
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-05-31
(31)【優先権主張番号】P 2019027502
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】脇阪 道伸
【審査官】田口 傑
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-022219(JP,A)
【文献】実開平05-026926(JP,U)
【文献】特開平09-290918(JP,A)
【文献】特開2016-037327(JP,A)
【文献】国際公開第2005/082751(WO,A1)
【文献】特開平11-228070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 57/00
B65G 57/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大きさの異なる複数種類の丸型の荷物を第1方向に搬送する搬送面を有するコンベヤと、
前記コンベヤによる搬送を制御する制御部と、
前記コンベヤにより搬送される前記荷物の端部を第1方向における第1所定位置に定める第1位置決め部と、
第1方向に対して水平方向に直交する第2方向における前記荷物の端部を第2所定位置に定める第2位置決め部と、
前記荷物の側面を挟持する一対の挟持部と、
を備え
、
前記一対の挟持部は、挟持位置又は前記挟持位置近傍において、前記第1位置決め部により定められた端部側である荷物第1部分と前記第2位置決め部により定められた端部側である荷物第2部分との間の、前記荷物の側面を挟持し、
前記一対の挟持部は、前記荷物を第1方向に対して傾斜した方向に挟持する、搬送システム。
【請求項2】
前記一対の挟持部は、前記荷物第1部分と前記荷物第2部分とを結ぶ直線の中間において、該直線と水平方向に直交する第3方向に挟持する、請求項
1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記コンベヤに設けられており、前記第1位置決め部より搬送方向上流側において前記荷物を第2方向の片側に寄せる幅寄せ部をさらに備え、
前記第1位置決め部は、第2方向に延在しており、
前記第2位置決め部は、前記コンベヤにおける第2方向の片側に設けられ、前記コンベヤの前記搬送面から鉛直方向に突出可能であり、
前記一対の挟持部は、前記荷物第1部分と前記荷物第2部分との間
の前記荷物の側面を、第1方向に対して45度傾く方向に
、挟持する、請求項
2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記第1位置決め部は、前記搬送面から上方に突出する第1位置と、前記第1位置より前記荷物から第1方向において搬送方向下流側に離れた第2位置との間で移動可能である、請求項
3に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記第2位置決め部は、前記荷物に対して第2方向に当接可能な第3位置と、前記第3位置より前記荷物から第2方向において前記搬送面から離れた第4位置との間で移動可能である、請求項
3に記載の搬送システム。
【請求項6】
前記第2位置決め部は、前記荷物に対して第2方向に当接可能な第3位置と、前記第3位置より前記荷物から第2方向において前記搬送面から離れた第4位置との間で移動可能である、請求項
4に記載の搬送システム。
【請求項7】
前記第1位置決め部は、
前記挟持位置又は前記挟持位置近傍に設けられており、第1方向において前記荷物の端部を非接触により検出する第1方向位置検出部を有し、
前記制御部は、前記第1方向位置検出部により前記荷物の端部を検出すると、前記コンベヤによる搬送を停止するように制御し、
前記第2位置決め部は、前記コンベヤにおける第2方向の片側に対して前記荷物の端部の位置決めを行い、
前記一対の挟持部は、前記荷物第1部分と前記荷物第2部分との間
の前記荷物の側面を、第1方向に対して45度傾く方向に
、挟持する、請求項
2に記載の搬送システム。
【請求項8】
前記第2位置決め部は、
前記荷物の第2方向位置を非接触により検出する第2方向位置検出部と、
前記荷物を第1方向に搬送するとともに、第2方向に移動可能な第2方向調整用コンベヤと、
前記第2方向位置検出部からの情報に基づいて、前記荷物を第2方向の所望の位置に位置するように前記第2方向調整用コンベヤを第2方向に移動させる移動機構とを、有する、請求項
7に記載の搬送システム。
【請求項9】
前記一対の挟持部を挟持方向に移動させる挟持駆動部をさらに備え、
前記制御部は、前記挟持駆動部を制御して、前記一対の挟持部の一方が前記荷物に当接又は近接した位置まで移動し、その後に前記一対の挟持部の他方が前記荷物を押
して前記荷物を移動させることなく前記一対の挟持部間に前記荷物を挟ませる、請求項
7に記載の搬送システム。
【請求項10】
前記第2方向位置検出部は、第1方向に沿った光軸を有しており、
前記第2方向位置検出部を第2方向において検出位置と退避位置との間で移動させる検出部移動機構をさらに備えており、
前記退避位置は、前記検出位置よりも第2方向において前記第2方向調整用コンベヤから離れており、
前記検出部移動機構は、前記荷物が前記第2方向調整用コンベヤに搬入及び搬出される際には前記第2方向位置検出部を前記退避位置に配置させ、前記荷物が前記第2方向調整用コンベヤにおいて第2方向に位置決めされる際には前記第2方向位置検出部を前記検出位置に配置させ、
前記第2方向位置検出部が前記検出位置に配置された状態で、前記移動機構が前記第2方向調整用コンベヤを前記第2方向位置検出部に近づくように移動させ、前記第2方向位置検出部が前記荷物を検知すると、前記移動機構が前記第2方向調整用コンベヤの移動を停止することで前記荷物を第2方向に対して位置決めをする、請求項
8に記載の搬送システム。
【請求項11】
昇降装置をさらに備え、
前記昇降装置は、
上下方向において下方に配置される一対の下部部材と、
上下方向において上方に配置される一対の上部部材と、
前記一対の下部部材と前記一対の上部部材とをそれぞれ連結し前記一対の挟持部がそれぞれ固定される一対の連結部材と、
前記一対の下部部材又は前記一対の上部部材を駆動させ、前記一対の挟持部を上方位置と下方位置との間で移動させる駆動部と、を有し、
前記一対の下部部材は、最も高い荷物の上面より高い位置に設けられ、
前記一対の挟持部は、前記下方位置において、前記一対の挟持部の下端が前記一対の下部部材よりも低い位置になるように設けられている、請求項
10に記載の搬送システム。
【請求項12】
前記一対の挟持部の内側下部に設けられた凸部をさらに備えている、請求項
11に記載の搬送システム。
【請求項13】
前記一対の挟持部を挟持方向に移動させる挟持駆動部をさらに備え、
前記制御部は、前記挟持駆動部を制御して、前記一対の挟持部の一方が前記荷物に当接又は近接した位置まで移動し、その後に前記一対の挟持部の他方が前記荷物を押すことで前記一対の挟持部間に前記荷物を挟ませる、請求項
10に記載の搬送システム。
【請求項14】
前記第2位置決め部は、
前記荷物の第2方向位置を非接触により検出する第2方向位置検出部と、
前記荷物を第1方向に搬送するとともに、第2方向に移動可能な第2方向調整用コンベヤと、
前記第2方向位置検出部からの情報に基づいて、前記荷物を第2方向の所望の位置に位置するように前記第2方向調整用コンベヤを第2方向に移動させる移動機構とを、有する、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項15】
前記第2方向位置検出部は、第1方向に沿った光軸を有しており、
前記第2方向位置検出部を第2方向において検出位置と退避位置との間で移動させる検出部移動機構をさらに備えており、
前記退避位置は前記検出位置よりも第2方向において前記第2方向調整用コンベヤから離れており、
前記検出部移動機構は、前記荷物が前記第2方向調整用コンベヤに搬入及び搬出される際には前記第2方向位置検出部を前記退避位置に配置させ、前記荷物が前記第2方向調整用コンベヤにおいて第2方向に位置決めされる際には前記第2方向位置検出部を前記検出位置に配置させ、
前記第2方向位置検出部が前記検出位置に配置された状態で、前記移動機構が前記第2方向調整用コンベヤを前記第2方向位置検出部に近づくように移動させ、前記第2方向位置検出部が前記荷物を検知すると、前記移動機構が前記第2方向調整用コンベヤの移動を停止することで前記荷物を第2方向に対して位置決めをする、請求項
14に記載の搬送システム。
【請求項16】
前記一対の挟持部を挟持方向に移動させる挟持駆動部をさらに備え、
前記制御部は、前記挟持駆動部を制御して、前記一対の挟持部の一方が前記荷物に当接又は近接した位置まで移動し、その後に前記一対の挟持部の他方が前記荷物を押
して前記荷物を移動させることなく前記一対の挟持部間に前記荷物を挟ませる、請求項
15に記載の搬送システム。
【請求項17】
前記第2位置決め部は、
前記荷物の第2方向位置を非接触により検出する第2方向位置検出部と、
前記荷物を第1方向に搬送するとともに、第2方向に移動可能な第2方向調整用コンベヤと、
前記第2方向位置検出部からの情報に基づいて、前記荷物を第2方向の所望の位置に位置するように前記第2方向調整用コンベヤを第2方向に移動させる移動機構とを、有する、請求項
2に記載の搬送システム。
【請求項18】
前記第2方向位置検出部は、第1方向に沿った光軸を有しており、
前記第2方向位置検出部を第2方向において検出位置と退避位置との間で移動させる検出部移動機構をさらに備えており、
前記退避位置は前記検出位置よりも第2方向において前記第2方向調整用コンベヤから離れており、
前記検出部移動機構は、前記荷物が前記第2方向調整用コンベヤに搬入及び搬出される際には前記第2方向位置検出部を前記退避位置に配置させ、前記荷物が前記第2方向調整用コンベヤにおいて第2方向に位置決めされる際には前記第2方向位置検出部を前記検出位置に配置させ、
前記第2方向位置検出部が前記検出位置に配置された状態で、前記移動機構が前記第2方向調整用コンベヤを前記第2方向位置検出部に近づくように移動させ、前記第2方向位置検出部が前記荷物を検知すると、前記移動機構が前記第2方向調整用コンベヤの移動を停止することで前記荷物を第2方向に対して位置決めをする、請求項
17に記載の搬送システム。
【請求項19】
前記一対の挟持部を挟持方向に移動させる挟持駆動部をさらに備え、
前記制御部は、前記挟持駆動部を制御して、前記一対の挟持部の一方が前記荷物に当接又は近接した位置まで移動し、その後に前記一対の挟持部の他方が前記荷物を押
して前記荷物を移動させることなく前記一対の挟持部間に前記荷物を挟ませる、請求項
18に記載の搬送システム。
【請求項20】
昇降装置をさらに備え、
前記昇降装置は、
上下方向において下方に配置される一対の下部部材と、
上下方向において上方に配置される一対の上部部材と、
前記一対の下部部材と前記一対の上部部材とをそれぞれ連結し前記一対の挟持部がそれぞれ固定される一対の連結部材と、
前記一対の下部部材又は前記一対の上部部材を駆動させ、前記一対の挟持部を上方位置と下方位置との間で移動させる駆動部と、を有し、
前記一対の下部部材は、最も高い荷物の上面より高い位置に設けられ、
前記一対の挟持部は、前記下方位置において、前記一対の挟持部の下端が前記一対の下部部材よりも低い位置になるように設けられている、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項21】
前記一対の挟持部の内側下部に設けられた凸部をさらに備えている、請求項
20に記載の搬送システム。
【請求項22】
前記荷物の高さを把握する把握部をさらに備え、
前記制御部は、前記荷物の高さに応じて前記駆動部の駆動量を制御する、請求項
21に記載の搬送システム。
【請求項23】
前記一対の挟持部を挟持方向に移動させる挟持駆動部をさらに備え、
前記制御部は、前記挟持駆動部を制御して、前記一対の挟持部の一方が前記荷物に当接又は近接した位置まで移動し、その後に前記一対の挟持部の他方が前記荷物を押
して前記荷物を移動させることなく前記一対の挟持部間に前記荷物を挟ませる、請求項1に記載の搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送システム、特に、大きさの異なる複数種類の丸型の荷物を搬送する搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タイヤを段積みするためのタイヤ段積み装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1に記載のタイヤ段積み装置は、搬送面を有する搬送手段と、タイヤをセンタリングするセンタリング手段と、タイヤを把持する把持手段と、把持手段を昇降させる昇降手段とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のタイヤ段積み装置の段積み対象は、リム径(内径)が同じタイヤである。
したがって、特許文献1には、リム径が異なるタイヤをセンタリングして段積み可能とする技術については開示されていない。
本発明の目的は、搬送システムにおいて、様々なサイズの丸型の荷物を正確に挟持できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0006】
本発明の一見地に係る搬送システムは、コンベヤと、制御部と、第1位置決め部と、第2位置決め部と、一対の挟持部とを備えている。
制御部は、コンベヤによる搬送を制御する。
コンベヤは、大きさの異なる複数種類の丸型の荷物を第1方向に搬送する搬送面を有する。
第1位置決め部は、コンベヤにより搬送される荷物の端部を第1方向における第1所定位置に定める。
第2位置決め部は、第1方向に対して水平方向に直交する第2方向における荷物の端部を第2所定位置に定める。
一対の挟持部は、挟持位置において、第1位置決め部により定められた端部側である荷物第1部分と前記第2位置決め部により定められた端部側である荷物第2部分との間を通過することで、荷物の側面を挟持する。
【0007】
この搬送システムでは、荷物の端部が第1方向における第1所定位置に定められ、荷物の端部が第2方向における第2所定位置に定められる。荷物は、さらに、一対の挟持部によって、荷物第1部分と荷物第2部分との間を挟持される。このようにして、異なる外径の荷物であっても正確に挟持される。
なお、「荷物の端部」とは、各々、丸型の荷物の外周縁の一箇所である。
なお、第1位置決め部と第2位置決め部はコンベヤ上で近接して設けられていてもよいし、コンベヤの搬送方向に離れて設けられていてもよい。さらに、第1位置決め部と第2位置決め部は、一方のみが当接と退避を行うストッパでもよいし、両方がストッパでもよい。さらに、第1位置決め部と第2位置決め部は、一方のみが荷物を移動させるコンベヤでもよいし、両方が荷物を移動させるコンベヤでもよい。
【0008】
一対の挟持部は、荷物を第1方向に対して傾斜した方向に挟持してもよい。
この搬送システムでは、異なる外径の荷物であっても正確に挟持される。
【0009】
一対の挟持部は、荷物第1部分と荷物第2部分とを結ぶ直線の中間において、該直線と水平方向に直交する第3方向に挟持してもよい。
この搬送システムでは、挟持方向と荷物の中心が一致するので、異なる外径の荷物であっても正確に挟持される。
【0010】
搬送システムは、幅寄せ部をさらに備えていてもよい。幅寄せ部は、コンベヤに設けられており、第1位置決め部より搬送方向上流側において荷物を第2方向の片側に寄せてもよい。
第1位置決め部は、第2方向に延在していてもよい。
第2位置決め部は、コンベヤにおける第2方向の片側に設けられ、コンベヤの搬送面から鉛直方向に突出可能であってもよい。
一対の挟持部は、荷物第1部分と荷物第2部分との間を通過し、第1方向に対して45度傾く方向に荷物を挟持してもよい。
この搬送システムでは、荷物は幅寄せ部によって第2方向の片側に寄せられ、第2位置決め部によって第2方向に位置決めされる。荷物は、その後、搬送方向下流側において、第1位置決め部によって第1方向に位置決めされる。そして、一対の挟持部は、搬送方向である第1方向に対して45度傾いて移動する。したがって、第1位置決め部及び一対の挟持部をコンパクトな構成にできる。
なお、幅寄せ部とは、例えば、転換機、搬送方向が斜めのコンベヤ、荷物を押し付ける押し付け機である。
【0011】
第1位置決め部は、搬送面から上方に突出する第1位置と、第1位置より荷物から第1方向において搬送方向下流側に離れた第2位置との間で移動可能であってもよい。
この搬送システムでは、第1位置決め部は、荷物が当接した後に、第1位置から第2位置に移動する。このとき、第2位置が第1位置より荷物から第1方向に離れた位置にあるので、第1位置決め部から荷物に荷重が作用しにくい。したがって、荷物の位置や向きが変わりにくい。なお、荷物の向きが変わることを避ける理由は、例えば、上流にて荷物に付与されたバーコード等の位置を変えたくないからである。つまり、荷物の向きが変わらなければ、下流側のリーダの位置を固定できる。
【0012】
第2位置決め部は、荷物に対して第2方向に当接可能な第3位置と、第3位置より荷物から第2方向において搬送面から離れた第4位置との間で移動可能であってもよい。
この搬送システムでは、第2位置決め部は、荷物が当接した後に、第3位置から第4位置に移動する。このとき、第4位置が第3位置より荷物から第2方向に離れた位置にあるので、第2位置決め部から荷物に荷重が作用しにくい。したがって、荷物の位置や向きが変わりにくい。
【0013】
第1位置決め部は、第1方向位置検出部を有していてもよい。第1方向位置検出部は、挟持位置又は挟持位置近傍に設けられており、第1方向において荷物の端部を非接触により検出してもよい。
制御部は、第1方向位置検出部により荷物の端部を検出すると、コンベヤによる搬送を停止するように制御してもよい。
第2位置決め部は、コンベヤにおける第2方向の片側に対して荷物の端部の位置決めを行ってもよい。
一対の挟持部は、荷物第1部分と荷物第2部分との間を通過し、第1方向に対して45度傾く方向に荷物を挟持してもよい。
この搬送システムでは、荷物は第2位置決め部によって第2方向の片側に対して荷物の端部の位置決めを行われる。荷物は、さらに、第1方向位置検出部により第1方向において端部を検出されると、コンベヤを停止されることで、荷物の端部が第1方向における第1所定位置に定められる。そして、一対の挟持部は、搬送方向である第1方向に対して45度傾いて移動する。したがって、第1位置決め部及び一対の挟持部をコンパクトな構成にできる。
【0014】
第2位置決め部は、第2方向位置検出部と、第2方向調整用コンベヤとを有していてもよい。
第2方向位置検出部は、荷物の第2方向位置を非接触により検出してもよい。
第2方向調整用コンベヤは、荷物を第1方向に搬送するとともに、第2方向に移動可能でもよい。
移動機構は、第2方向位置検出部からの情報に基づいて、荷物を第2方向の所望の位置に位置するように第2方向調整用コンベヤを第2方向に移動させてもよい。
この搬送システムでは、移動機構が第2方向調整用コンベヤを第2方向に移動させることで、第2方向における荷物の端部が第2所定位置に定められる。この場合、荷物が第2方向調整用コンベヤに対して移動することがないので、荷物の第2方向位置決めが正確に行われる。
【0015】
搬送システムは、昇降装置をさらに備えていてもよい。
昇降装置は、
上下方向において下方に配置される一対の下部部材と、
上下方向において上方に配置される一対の上部部材と、
一対の下部部材と一対の上部部材とをそれぞれ連結し一対の挟持部がそれぞれ固定される一対の連結部材と、
一対の下部部材又は一対の上部部材を駆動させ、一対の挟持部を上方位置と下方位置との間で移動させる駆動部と、を有していてもよい。駆動部は、1つでもよいし、一対の挟持部に対応して2つでもよい。
一対の下部部材は、最も高い荷物の上面より高い位置に設けられていてもよい。
一対の挟持部は、下方位置において、一対の挟持部の下端が一対の下部部材よりも低い位置になるように設けられていてもよい。
この搬送システムでは、一対の下部部材が最も高い荷物の上面より高い位置に設けられているので、一対の下部部材がコンベヤの上に位置していても、一対の下部部材が荷物の搬送を妨げることがない。さらに、一対の挟持部の下端が一対の下部部材よりも低い位置にあるので、一対の挟持部により複数段の荷物の最下部の荷物も挟持可能である。
【0016】
搬送システムは、
荷物の高さを把握する把握部と、
荷物の高さに応じて駆動部の駆動量を制御する制御部と、をさらに備えていてもよい。
この搬送システムでは、一対の挟持部の上昇量を最低限にできるので、動作効率が良くなる。
【0017】
搬送システムは、
一対の挟持部を挟持方向に移動させる挟持駆動部と、
挟持駆動部を制御して、一対の挟持部の一方が荷物に当接又は近接した位置まで移動し、その後に一対の挟持部の他方が荷物を押すことで一対の挟持部間に荷物を挟ませる制御部と、をさらに備えていてもよい。
この搬送システムでは、一対の挟持部の一方を先に荷物に当接又は近接させるので、一対の挟持部の動作制御が簡単になる。
【0018】
第2方向位置検出部は、第1方向に沿った光軸を有していてもよい。
搬送システムは、第2方向位置検出部を第2方向において検出位置と退避位置との間で移動させる検出部移動機構をさらに備えていてもよい。
退避位置は検出位置よりも第2方向において第2方向調整用コンベヤから離れていてもよい。
検出部移動機構は、荷物が第2方向調整用コンベヤに搬入及び搬出される際には第2方向位置検出部を退避位置に配置させ、荷物が第2方向調整用コンベヤにおいて第2方向に位置決めされる際には第2方向位置検出部を検出位置に配置させてもよい。
第2方向位置検出部が前記検出位置に配置された状態で、移動機構が第2方向調整用コンベヤを前記第2方向位置検出部に近づくように移動させ、第2方向位置検出部が前記荷物を検知すると、移動機構が第2方向調整用コンベヤの移動を停止することで前記荷物を第2方向に対して位置決めをしてもよい。
この搬送システムでは、荷物が第2方向調整用コンベヤに搬入及び搬出される際には第2方向位置検出部が退避位置に配置されているので、例えば、第2方向位置検出部がタイヤに干渉しにくい。
【0019】
搬送システムは、一対の挟持部の内側下部に設けられた凸部をさらに備えていてもよい。
この搬送システムでは、凸部によって一対の挟持部の下部の厚みが大きくなることで、例えば最下位の荷物に十分に大きな挟持力を与えられる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る搬送システムでは、様々なサイズの丸型の荷物を正確に挟持できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1実施形態の搬送システムの模式的平面図。
【
図6】段積み装置の挟持動作を説明する模式的部分平面図。
【
図7】段積み装置の挟持動作を説明する模式的部分平面図。
【
図8】段積み装置の挟持動作を説明する模式的部分平面図。
【
図9】段積み装置の挟持動作を説明する模式的部分平面図。
【
図12】段積み動作における一対の挟持部の動作の一状態を示す模式図。
【
図13】段積み動作における一対の挟持部の動作の一状態を示す模式図。
【
図14】段積み動作における一対の挟持部の動作の一状態を示す模式図。
【
図15】段積み動作における一対の挟持部の動作の一状態を示す模式図。
【
図16】段積み動作における一対の挟持部の動作の一状態を示す模式図。
【
図17】段積み動作における一対の挟持部の動作の一状態を示す模式図。
【
図18】段積み動作における一対の挟持部の動作の一状態を示す模式図。
【
図19】段積み動作における一対の挟持部の動作の一状態を示す模式図。
【
図20】段積み動作における一対の挟持部の動作の一状態を示す模式図。
【
図21】段積み動作における一対の挟持部の動作の一状態を示す模式図。
【
図22】段積み動作における一対の挟持部の動作の一状態を示す模式図。
【
図23】段積み動作における一対の挟持部の動作の一状態を示す模式図。
【
図24】段積み動作における一対の挟持部の動作の一状態を示す模式図。
【
図25】第2実施形態の搬送システムの模式的平面図。
【
図27】第2位置決め装置の制御構成を示すブロック図。
【
図28】第2位置決め制御動作を示すフローチャート。
【
図29】第3実施形態の第2位置決め装置の動作を示す模式的平面図。
【
図30】第2位置決め装置の制御構成を示すブロック図。
【
図31】第3実施形態の第2位置決め装置の動作を示す模式的平面図。
【
図32】第3実施形態の第2位置決め装置の動作を示す模式的平面図。
【
図33】第3実施形態の第2位置決め装置の動作を示す模式的平面図。
【
図34】第3実施形態の第2位置決め装置の動作を示す模式的平面図。
【
図35】第4実施形態の第1位置決め装置の制御構成を示すブロック図。
【
図36】第5実施形態の第1挟持部又は第2挟持部の斜視図。
【
図37】第5実施形態の第1挟持部又は第2挟持部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
1.第1実施形態
(1)搬送システム全体
図1を用いて、第1実施形態の搬送システム1を説明する。
図1は、第1実施形態の搬送システムの模式的平面図である。
搬送システム1は、タイヤT(荷物の一例)を1個ずつ搬送し、次に複数のタイヤTを段積みし、さらに段積みされたタイヤTを搬送する機能を有している。
【0023】
(2)コンベヤ装置
搬送システム1は、コンベヤ装置3を有している。コンベヤ装置3は、タイヤTを搬送する装置である。搬送されるタイヤTは、大きさの異なる複数種類がある。
コンベヤ装置3は、主に、第1コンベヤ5と、第2コンベヤ7と、転換機9とを備えている。転換機9は、第1コンベヤ5と第2コンベヤ7との間に配置されている。タイヤTは、第2コンベヤ7、転換機9、第1コンベヤ5の順番で搬送される。
【0024】
第1コンベヤ5と第2コンベヤ7は直交しており、転換機9がタイヤTを第2コンベヤ7から第1コンベヤ5へと搬送方向を変える。
第1コンベヤ5及び第2コンベヤ7は、公知の技術であり、例えばローラコンベヤであり、タイヤTを搬送する搬送面5aを有する。転換機9は、公知の技術であり、例えばローラコンベヤとその間を昇降可能なチェーンコンベヤとからなる。なお、各装置の部材は図の簡略化のため適宜省略されている。
なお、以下、第1コンベヤ5の延びる方向を第1方向(矢印Y)とし、第2コンベヤ7の延びる方向を第2方向(矢印X)とする。
【0025】
(3)センタリング段積み装置
搬送システム1は、センタリング段積み装置11を有している。センタリング段積み装置11は、タイヤTをセンタリングしながら段積みする装置である。段積みされたタイヤTはその後にロボットアーム(図示せず)等を用いて直接ラック(図示せず)に挿入されるが、タイヤT同士が正確にセンタリングされていなければ、ロボットアームが複数のタイヤTを把持するときにタイヤが傾いて崩れてしまうおそれがある。そこで、正確なセンタリングが必要である。センタリング段積み装置11は、上記の問題を解消することを目的としている(後述)。
【0026】
(3-1)第1位置決め装置
センタリング段積み装置11は、第1位置決め装置13(第1位置決め部の一例)を有している。第1位置決め装置13は、第1コンベヤ5により搬送されるタイヤTの端部を第1方向における第1所定位置に定める装置である。
第1位置決め装置13は、第1ストッパ15を有している。第1ストッパ15は、第1コンベヤ5に設けられている。第1ストッパ15は、第1コンベヤ5の搬送面5aの上方に突出して、第1コンベヤ5により搬送されるタイヤTと第1方向に当接可能である。第1ストッパ15は、第2方向に延在している。
【0027】
図2及び
図3を用いて、第1位置決め装置13を具体的に説明する。
図2及び
図3は、第1位置決め装置の模式的側面図である。
第1位置決め装置13は、第1ストッパ15を、搬送面5aから上方に突出する当接位置(
図2、第1位置の一例)と、当接位置よりタイヤTから搬送方向下流側の斜め下方に離れて搬送面5aより下方にある退避位置(
図3、第2位置の一例)との間で移動可能な第1ストッパ駆動部17を有している。第1ストッパ駆動部17は、例えば、エアシリンダである。
この搬送システム1では、第1ストッパ15は、タイヤTが当接した後に、当接位置から退避位置に移動する。このとき、退避位置が当接位置よりタイヤTから第1方向に離れた位置にあるので、第1ストッパ15からタイヤTに荷重が作用しにくい。したがって、タイヤTの位置や向きが変わりにくい。なお、タイヤTの回転やすり減りを考慮しなければ、第1ストッパは上下のみの出退でもよい。
【0028】
(3-2)第2位置決め装置
センタリング段積み装置11は、第2位置決め装置23(第2位置決め部の一例)を有している。第2位置決め装置23は、第2方向におけるタイヤTの端部を第2所定位置に定める装置である。
第2位置決め装置23は、第2ストッパ25を有している。第2ストッパ25は、転換機9において、第2方向の片側(
図1の下側)に設けられている。第2ストッパ25は、転換機9の搬送面5aの上方に突出してタイヤTの一方の側面に当接可能である。
第2位置決め装置23は、第2ストッパ25を、搬送面5aから上方に突出する当接位置(第3位置の一例)と、当接位置よりタイヤTから第2方向に離れた退避位置(第4位置の一例)との間で移動可能な駆動部77(
図10)を有している。駆動部77は、第1位置決め装置13の第1ストッパ駆動部17と同じでもよく、又は、第2ストッパ25を横方向に退避させる構造でもよい。なお、タイヤTの回転を考慮しない場合は、第2ストッパ25は退避しなくてもよい。
【0029】
転換機9は、第1位置決め装置13より搬送方向上流側において、タイヤTを第2方向の片側(
図1の下側であり、第2ストッパ25側)に寄せる。これにより、タイヤTは、第2ストッパ25に当接することで第2方向に位置決めされる。
その後、第2ストッパ25は当接位置から退避位置に移動する。このとき、当接位置が退避位置よりタイヤTから第2方向に離れた位置にあるので、第2ストッパ25からタイヤTに荷重が作用しにくい。したがって、タイヤTの位置や向きが変わりにくい。
さらにその後にタイヤTは第1コンベヤ5上で第1方向において第1位置決め装置13に向かって搬送される。このとき、第1コンベヤ5の第2方向奥側(
図1下側)にはガイドが設けられていないので、タイヤTは第2方向において位置決めされた姿勢や位置が変更されることなく、搬送される。
そして、タイヤTは、段積み位置61(挟持位置)において、第1ストッパ15によって第1方向に位置決めされる。段積み位置61とは、第1ストッパ15の搬送方向上流側において、タイヤTが停止されて占有する位置である。以上より、タイヤTは、第1方向と第2方向にそれぞれ位置決めされた状態で、第1ストッパ15によって第1コンベヤ5上の段積み位置61で停止する。
【0030】
(3-3)段積み装置
図4及び
図5を用いて、段積み装置を説明する。
図4は、段積み装置の模式的斜視図である。
図5は、段積み装置の模式的正面図である。
センタリング段積み装置11は、段積み装置31を有している。段積み装置31は、センタリングされたタイヤTを段積みするための装置である。
段積み装置31は、一対の柱31aと、柱31a同士を上部で連結する天井部31bとを有している。一対の柱31aは第1コンベヤ5の両側で、かつ、第1コンベヤ5の段積み位置61を挟むように配置されている。
【0031】
段積み装置31は、第1挟持部33a及び第2挟持部33bを有している。第1挟持部33a及び第2挟持部33bは、一又は複数のタイヤTを挟み付けるための部材である。第1挟持部33a及び第2挟持部33bは、上下方向に所定の長さを有し、平面視で円弧状の当接面を有している。第1挟持部33a及び第2挟持部33bは、例えば、1個のタイヤT又は段積みされた2~10個のタイヤTを同時に挟んで保持できる。なお、第2方向において、第1挟持部33aは、第2位置決め装置23と同じ側である。
【0032】
段積み装置31は、
図5に示すように、第1挟持部33a及び第2挟持部33bを水平方向に移動させるための第1水平方向駆動装置34a及び第2水平方向駆動装置34bを有している。第1水平方向駆動装置34a及び第2水平方向駆動装置34bは、第1台車35a及び第2台車35bと、第1台車35a及び第2台車35bを水平方向に駆動する第1チェーン36a及び第2チェーン36bと、第1スプロケット37a及び第2スプロケット37bと、第3スプロケット38a及び第4スプロケット38bと、第1挟持モータ39a及び第2挟持モータ39bと、をそれぞれ有している。
【0033】
段積み装置31は、第1昇降装置41a及び第2昇降装置41bを有している。第1昇降装置41a及び第2昇降装置41bは、第1挟持部33a及び第2挟持部33bをそれぞれ昇降する一対の装置である。第1昇降装置41a及び第2昇降装置41bは、第1水平方向駆動装置34a及び第2水平方向駆動装置34bのそれぞれの下部に設けられている。
第1昇降装置41aは、上下方向において下方に配置される第1下部スプロケット42a(下部部材の一例)と、上下方向において上方に配置される第1上部スプロケット43a(上部部材の一例)と、第1下部スプロケット42aと第1上部スプロケット43aを連結する第1チェーン44a(連結部材の一例)とを有している。第1チェーン44aには、第1挟持部33aが固定されている。第1昇降装置41aは、さらに、第1上部スプロケット43aを駆動させ、第1挟持部33aを上方位置と下方位置との間で移動させる第1昇降モータ45aを有している。第1昇降装置41aは、さらに、第1挟持部33aを上下方向にガイドする第1ガイド部46aを有している。
【0034】
第2昇降装置41bは、上下方向において下方に配置される第2下部スプロケット42b(下部部材の一例)と、上下方向において上方に配置される第2上部スプロケット43b(上部部材の一例)と、第2下部スプロケット42bと第2上部スプロケット43bを連結する第2チェーン44b(連結部材の一例)とを有している。第2チェーン44bには、第2挟持部33bが固定されている。第2昇降装置41bは、さらに、第2上部スプロケット43bを駆動させ、第2挟持部33bを上方位置と下方位置との間で移動させる第2昇降モータ45bを有している。第2昇降装置41bは、さらに、第2挟持部33bを上下方向にガイドする第2ガイド部46bを有している。
なお、上記の「第1挟持部33a及び第2挟持部33bの上方位置」は、第1挟持部33a及び第2挟持部33bの下端がタイヤT1つ分と干渉しない高さにあることを意味している。上方位置としては例えば、最も大きいタイヤTの高さに合わせた上方の位置でもよいし、タイヤTの種類に合わせた上方の位置でもよい。
さらに、上記の「第1挟持部33a及び第2挟持部33bの下方位置」は、第1挟持部33a及び第2挟持部33bが第1コンベヤ5上のタイヤTを把持した際に、第1挟持部33a及び第2挟持部33bと第1コンベヤ5が干渉しない高さである。
【0035】
図5に示すように、第1挟持部33a及び第2挟持部33bは、下方位置において、第1挟持部33a及び第2挟持部33bの下端が第1下部スプロケット42a及び第2下部スプロケット42bよりも低い位置になるように設けられている。このため、第1挟持部33a及び第2挟持部33bにより複数段のタイヤTのうち最下部のタイヤTも挟持可能である。
図5に示すように、第1下部スプロケット42a及び第2下部スプロケット42bは、最も高いタイヤTの上面より高い位置に設けられている。そのため、この実施形態では第1下部スプロケット42a及び第2下部スプロケット42bが第1コンベヤ5の上方に配置されているが、第1下部スプロケット42a及び第2下部スプロケット42bがタイヤTの搬送を妨げることがない。
【0036】
段積み装置31は、第1挟持センサ73a及び第2挟持センサ73bを有している(
図6、
図10)。第1挟持センサ73a及び第2挟持センサ73bは、第1挟持部33a及び第2挟持部33bがタイヤTを挟んだことを検出するセンサである。第1挟持センサ73a及び第2挟持センサ73bは、第1挟持部33a及び第2挟持部33bにそれぞれ設けられた光透過型センサである。なお、センサの種類は特に限定されておらず、第1挟持部33a及び第2挟持部33bに設けられタイヤTとの接触を検出するタッチセンサでもよい。
なお、
図6に示すように、第1挟持センサ73a及び第2挟持センサ73bは、各々、第1挟持部33a及び第2挟持部33bの前側当接面の左右両側に配置された投光器と受光器とから構成されている。
【0037】
段積み装置31は、タイヤTの高さを把握するタイヤ高さセンサ74(
図10、把握部の一例)を有している。タイヤ高さセンサ74は、高さ方向に並べられた複数の光透過型又は光反射型センサである。なお、センサの種類は特に限定されず、タイヤTの上方に配置された測距センサでもよい。さらに、センサの位置は特に限定されない。また、タイヤTの高さの把握は、上位コントローラ(図示せず)からのタイヤ情報に含まれていてもよい。
コントローラ71は、タイヤTの高さに応じて第1昇降モータ45a及び第2昇降モータ45bの駆動量を制御する。このため、第1挟持部33a及び第2挟持部33bの上昇量を最低限にできるので、動作効率が良くなる。
段積み装置31は、タイヤTが段積み位置61に到着したことを検出するタイヤ到着センサ75(
図10)を有している。タイヤ到着センサ75は、第1コンベヤ5の両側に設けられた光透過型又は光反射型センサである。なお、センサの種類は特に限定されておらず、第1ストッパ15に設けられてタイヤTとの接触を検出するタッチセンサでもよい。
【0038】
(3-4)第1挟持部及び第2挟持部によるタイヤの挟持動作
図6を用いて、段積み装置31の第1挟持部33a及び第2挟持部33bによるタイヤTの挟持動作を説明する。
図6は、段積み装置の挟持動作を説明する模式的部分平面図である。
図6では、複数の種類のタイヤT1~T5が示されている。いずれのタイヤTも、第1位置決め装置13の第1ストッパ15に当接した後に、第1位置決め装置13により定められた端部側であるタイヤ第1部分t1(荷物第1部分の一例)と、第2位置決め装置23により定められた端部側であるタイヤ第2部分t2(荷物第2部分の一例)とを有している。タイヤ第1部分t1の第1方向位置は、第1ストッパ15によって位置が定まる。タイヤ第2部分t2の第2方向位置は、第2位置決め装置23の第2ストッパ25によって位置が先に定められている。特に、この実施形態では、タイヤTが第1コンベヤ5において回転しないことを想定している。この場合はタイヤTの第2ストッパ25と当接した部分がそのまま段積み位置61におけるタイヤ第2部分t2になっている。なお、
図6では、タイヤT5のタイヤ第1部分t1とタイヤ第2部分t2のみを示している。
【0039】
図7~
図9を用いて、タイヤT1を例に説明する。
図7~
図9は、段積み装置の挟持動作を説明する模式的部分平面図である。なお、タイヤT1は、最もサイズが小さい(つまり、外径が最も短い)タイヤである。
第1挟持部33a及び第2挟持部33bは、タイヤT1のタイヤ第1部分t1とタイヤ第2部分t2との間を通過することで、タイヤTの側面を挟持する。具体的には、第1挟持部33a及び第2挟持部33bは、タイヤ第1部分t1とタイヤ第2部分t2とを結ぶ直線Pの中間において、第1方向に対して斜めに挟持する。より具体的には、第1挟持部33a及び第2挟持部33bは、該直線Pと水平方向に直交する第3方向(直線Qの伸びる方向、クランプ方向)に挟持する。さらに具体的には、第1挟持部33a及び第2挟持部33bは、タイヤ第1部分t1とタイヤ第2部分t2との間(具体的には、直線Pにおけるタイヤ第1部分t1とタイヤ第2部分t2の間)を通過し、第1方向に対して45度傾く方向にタイヤT1を挟持する。このように挟持方向中心とタイヤT1の中心が一致するので、第1挟持部33a及び第2挟持部33bが、異なる外径のタイヤT1を正確に挟持できる。また、第1位置決め装置13と段積み装置31をコンパクトな構成にできる。
この実施形態では、タイヤTの種類に関わらず挟持方向中心とタイヤT1の中心が一致する。なぜなら、タイヤTが円形であるため、2点位置決めを行えば中心を定めることができるからである。
【0040】
次に、タイヤ挟持動作を段階的に説明する。
最初に、
図7に示すように、タイヤT1が第1ストッパ15によって位置決めされる。
次に、
図8に示すように、第1挟持部33aが、タイヤT1の側面に近接又は当接する位置に移動する。
【0041】
最後に、
図9に示すように、第2挟持部33bがタイヤT1の側面に当接する位置に移動し、さらに第1挟持部33a側に移動して、第1挟持部33aとの間にタイヤT1を挟持する。
上記のように第1挟持部33aをクランプ位置(タイヤの大きさに関わらない)に位置させてから第2挟持部33bでタイヤTをクランプすることで、タイヤTが押されることがない。それは、第1挟持部33aが第2方向において第2位置決め装置23と同じ側だからである。実施形態とは異なり第2挟持部33bを基準とすると、タイヤTを引きずることになり、時間効率が悪く、さらにタイヤTが回転するおそれがある。
【0042】
(4)段積み装置の制御構成
図10を用いて、段積み装置31の制御構成を説明する。
図10は、段積み装置の制御構成を示すブロック図である。
段積み装置31は、コントローラ71を有している。コントローラ71は、プロセッサ(例えば、CPU)と、記憶装置(例えば、ROM、RAM、HDD、SSDなど)と、各種インターフェース(例えば、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェースなど)を有するコンピュータシステムである。コントローラ71は、記憶部(記憶装置の記憶領域の一部又は全部に対応)に保存されたプログラムを実行することで、各種制御動作を行う。
【0043】
コントローラ71は、単一のプロセッサで構成されていてもよいが、各制御のために独立した複数のプロセッサから構成されていてもよい。
コントローラ71の各要素の機能は、一部又は全てが、コントローラ71を構成するコンピュータシステムにて実行可能なプログラムとして実現されてもよい。その他、コントローラ71の各要素の機能の一部は、カスタムICにより構成されていてもよい。
【0044】
コントローラ71には、第1ストッパ駆動部17、第1昇降モータ45a、第2昇降モータ45b、第1挟持モータ39a、第2挟持モータ39b、第1挟持センサ73a、第2挟持センサ73b、タイヤ高さセンサ74、タイヤ到着センサ75が接続されている。
コントローラ71には、図示しないが、タイヤTの大きさ、形状及び位置検出するセンサ、各装置の状態を検出するためのセンサ及びスイッチ、並びに情報入力装置が接続されている。
【0045】
(5)段積み制御動作
図11及び
図12~
図24を用いて、段積み制御動作を説明する。
図11は、段積み制御動作を示すフローチャートである。
図12~
図24は、段積み動作における一対の挟持部の動作の一状態を示す模式図である。
以下に説明する制御フローチャートは例示であって、各ステップは必要に応じて省略及び入れ替え可能である。また、複数のステップが同時に実行されたり、一部又は全てが重なって実行されたりしてもよい。
さらに、制御フローチャートの各ステップは、単一の制御動作とは限らず、複数のステップで表現される複数の制御動作に置き換えることができる。
なお、各装置の動作は、コントローラ71から各装置への指令の結果であり、これらはソフトウェア・アプリケーションの各ステップによって表現される。
【0046】
下記に述べる段積み制御動作中の一連の動作時は、同じ大きさ(種類)のタイヤTを段積みし、一連の動作が終了後、異なる大きさ(種類)のタイヤを段積みする。ただし、必ずしも一連の動作毎に大きさ(種類)を変えなくてもよい。
また、下記の動作の前には、タイヤTは、第2位置決め装置23によって第2方向に位置決めがされている。
【0047】
ステップS1では、第1ストッパ15が当接位置に移動する。具体的には、コントローラ71が第1ストッパ駆動部17を制御して上記動作を実行させる。
ステップS2では、タイヤTが段積み位置61に到着するのを待つ。コントローラ71は、タイヤTの到着を、タイヤ到着センサ75からの検出信号に基づいて判断する。
図12~
図13に示すようにタイヤTが到着すると、プロセスはステップS3に移行する。
【0048】
ステップS3では、第1ストッパ15が退避位置に移動する。具体的には、コントローラ71が第1ストッパ駆動部17を制御して上記動作を実行させる。
ステップ
S4では、第1挟持部33a及び第2挟持部33bがタイヤTを挟持する挟み付け動作が実行される。具体的には、
図14に示すように、最初に第1挟持部33aがタイヤTの側面に近接又は当接する位置まで移動する。次に、
図15に示すように、第2挟持部33bがタイヤTの側面に当接する位置まで移動し、さらにタイヤTを第1挟持部33aに押し込むように移動する。具体的には、コントローラ71が、第1挟持モータ39a及び第2挟持モータ39bを制御して上記動作を実行する。
以上に述べたように、コントローラ71は、第1挟持モータ39a及び第2挟持モータ39bを制御して、第1挟持部33aがタイヤTに当接又は近接した位置まで移動し、その後に第2挟持部33bがタイヤ
Tを押すことで第1挟持部33a及び第2挟持部33b間で挟ませる。この場合、第1挟持部33aが先にタイヤTに当接又は近接する所定位置まで移動するので、第1挟持部33a及び第2挟持部33bの動作制御が簡単になる。
【0049】
ステップ
S5では、挟み付け動作が終了するのを待つ。コントローラ71は、挟み付け動作の終了を、例えば、第2挟持センサ73bからの検出信号、上記検出信号を受信してからの第2挟持部33bの移動量又は第2挟持モータ39bのトルクに基づいて判断する。
ステップ
S6では、
図16に示すように、第1挟持部33a及び第2挟持部33bが上昇して、タイヤTを持ち上げる。具体的には、コントローラ71が、第1昇降モータ45a及び第2昇降モータ45bを制御して上記動作を実行する。
【0050】
ステップS7では、第1ストッパ15が当接位置に移動する。
ステップS
8では、次のタイヤTが段積み位置61に到着するのを待つ。コントローラ71は、タイヤTの到着を、タイヤ到着センサ75からの検出信号に基づいて判断する。
図17に示すように次のタイヤTが到着すると、プロセスはステップS
9に移行する。
ステップS9では、第1ストッパ15が退避位置に移動する。
ステップS
10では、
図18に示すように、第1挟持部33a及び第2挟持部33bが下降することで、把持していたタイヤTを下方にあるタイヤTの上に積み下ろす。具体的には、コントローラ71が、第1昇降モータ45a及び第2昇降モータ45bを制御して上記動作を実行する。このとき、いずれのタイヤTもすでに第1位置決め装置13と第2位置決め装置23とによって2点で位置決めされているので、段積みに互いに対して正確にセンタリングされる。
ステップS11では、
図19に示すように、第1挟持部33a及び第2挟持部33bがタイヤTから側方に離れることで、挟み付けを解除する。具体的には、コントローラ71が、第1挟持モータ39a及び第2挟持モータ39bを制御して上記動作を実行する。第1挟持部33a及び第2挟持部33bの移動量はタイマーで制御されてもよい。なお、第1挟持部33a及び第2挟持部33bは、同じ距離、又は異なる距離を離間させられる。
【0051】
ステップS12では、段積み動作が終了したか否かが判断される。終了すればプロセスは終了し、終了しなければプロセスは、ステップS4に戻る。
【0052】
プロセス終了後、第1コンベヤ5が段積みされたタイヤTを搬送方向下流側に搬送する。
ステップS
4~S
11は、所定回数繰り返される。例えば、ステップS
4では、
図20~
図22に示すように、タイヤTの挟み付け動作が実行される。ステップS
6では、
図23に示すようにタイヤTを持ち上げる動作が実行される。ステップS
8では、
図24に示すように、さらに次のタイヤTが到着するのを待つ。以下、説明を省略する。
【0053】
この搬送システム1では、タイヤTは、第1方向の位置が第1位置決め装置13により決められ、第2方向の位置が第2位置決め装置23によって決められる。タイヤTは、さらに、一対の挟持部によって、タイヤ第1部分t1とタイヤ第2部分t2との間を挟持される。このようにして、異なる外径のタイヤTであっても正確に挟持される。
【0054】
タイヤTの段積み後の動作を説明する。
段積み後、例えばタイヤTの内径を支持する搬送装置(下側支持でもよい)により、段積みされたタイヤTがまとめて搬送される。
段積みされたタイヤTは、第2方向において片側に寄っているが、第2方向調整用コンベヤと同じ仕組みにより、タイヤの中心が移載位置に合わせられる。
上記により、搬送装置は定位置でタイヤTを支持できる。
【0055】
2.第2実施形態(第2位置決め装置の変形例)
第1実施形態では第2位置決め装置はタイヤTに当接することでタイヤTの端部を第2方向における第2所定位置に定めていたが、第2位置決め装置は非接触でタイヤTを第2方向に位置決めしてもよい。
図25~
図28を用いて、そのような実施例として、第2実施形態を説明する。
図25は、第2実施形態の搬送システムの模式的平面図である。
図26は、第2方向位置決め装置の模式的平面図である。
図27は、第2方向位置決め装置の制御構成を示すブロック図である。
図28は、第2方向位置決め制御動作を示すフローチャートである。なお、
図27は、第1実施形態の
図10に比べて、下記の説明に必要な構成のみを記載している。
なお、第2実施形態の基本的構成及び動作は第1実施形態と同じであるので、以下は異なる点を中心に説明する。
【0056】
搬送システム1Aは、
図25に示すように、第2位置決め装置81(第2位置決め部の一例)を有している。第2位置決め装置81は、第2方向におけるタイヤTの端部を第2所定位置に定める装置である。
第2位置決め装置81は、荷物を第1方向に搬送する第3コンベヤ83(第2方向調整用コンベヤの一例)を有している。第3コンベヤ83は、第1コンベヤ5において、第1方向において第1位置決め装置13の搬送方向上流側に配置されている。第3コンベヤ83は、第1コンベヤ5と同様のローラコンベヤであり、第1コンベヤ5とは別の駆動源によって駆動される。第3コンベヤ83は、第1コンベヤ5に対して、第2方向に移動可能に設けられている。具体的には、第3コンベヤ83は、例えば、第2方向に延びるレールの上に配置されている。
第2位置決め装置81は、
図27に示すように、荷物の第2方向位置を非接触により検出する第2方向位置検出部85(第2方向位置検出部の一例)を有している。具体的には、第2方向位置検出部85は、第2位置決め装置81において(つまり、第3コンベヤ83において)、タイヤTの第2方向位置を検出する。第2方向位置検出部85は、例えば、光電センサ、カメラ等の撮像装置でもよい。
第2位置決め装置81は、
図27に示すように、コンベヤ移動機構87を有している。コンベヤ移動機構87は、第2方向位置検出部85からの情報に基づいて、タイヤTを第2方向の所望の位置に位置するように
第3コンベヤ83を第2方向に移動させる。具体的には、コンベヤ移動機構87は、図示しないモータや動力伝達機構である。
搬送システム1Aは、
図27に示すように、タイヤTが第2位置決め装置81に到達したことを検出する第1方向位置検出部89を有している。第1方向位置検出部89は、例えば、光電センサである。なお、タイヤTの第1方向の位置決めは、ストッパのように接触によって行われてもよい。
【0057】
図28を用いて、第2方向位置決め制御動作を説明する。タイヤTは、第1コンベヤ5によって第1位置決め装置13に向かって移動させられているものとする。
ステップS21では、タイヤTが第2位置決め装置81に到着するのを待つ。具体的には、コントローラ71は、第1方向位置検出部89からの検出信号に基づいて上記判断を行う。
ステップS22では、第3コンベヤ83の駆動が停止される。具体的には、コントローラ71は、第3コンベヤ83を停止する。これにより、タイヤTは第3コンベヤ83上で停止する。
【0058】
ステップS23では、タイヤTの第2方向位置が検出される。具体的には、コントローラ71は、第2方向位置検出部85からの検出信号に基づいて上記判断を行う。
ステップS24では、タイヤTの第2方向位置が所定の位置にあるか否かが判断される。所定の位置とは、例えば、第2位置決め装置23によって定められた位置であり、又は、第2方向において第2位置決め装置23によって定められるタイヤTの端部と一致する位置である。なお、所定位置は、挟持位置、つまり第1コンベヤ5の第2方向の所定の位置に位置するように定められてもよい。所定の位置にあればプロセスはステップS25に移行し、所定の位置からずれていればプロセスはステップS26に移行する。
【0059】
ステップS25では、第3コンベヤ83の駆動が開始される。具体的には、コントローラ71は、第3コンベヤ83を駆動する。
ステップS26では、コンベヤ移動機構87が第3コンベヤ83を駆動して、
図26に示すように、タイヤTを第2方向のいずれかの側に移動させて、所望の第2方向位置に移動させる。具体的には、コントローラ71がコンベヤ移動機構87を制御して第3コンベヤ83を駆動する。
この搬送システム1Aでは、コンベヤ移動機構87が第3コンベヤ83を第2方向に移動させることで、第2方向におけるタイヤTの端部が第2所定位置に定められる。このようにタイヤTを第2方向に移動させる場合、タイヤTが第3コンベヤ83に対して移動することがないので、タイヤTの第2方向位置決めが正確に行われる。
【0060】
第2実施形態の変形例として、第2位置決め装置23は省略されてもよい。
第2実施形態の変形例として、第3コンベヤは、例えば、第1コンベヤ5のローラー間から出没自在なチェーンコンベアであってもよい。その場合、第3コンベヤは、第1コンベヤ5上を搬送されてきたタイヤTを一旦停止させた後、第1コンベヤ5の搬送面5aより上方に突出させてタイヤTを持ち上げ、その状態で駆動してタイヤTを第2方向に搬送する。その後、第3コンベヤは、第1コンベヤ5の搬送面5aより退入してタイヤTを第1コンベヤ5上に移載する。
【0061】
3.第3実施形態
図29~
図34を用いて、第2実施形態の変形例として、第3実施形態を説明する。
図29、31~34は、第3実施形態の第2位置決め装置の動作を示す模式的平面図である。
図30は、第2位置決め装置の制御構成を示すブロック図である。
【0062】
搬送システム1Aは、
図29に示すように、第2位置決め装置81A(第2位置決め部の一例)を有している。第2位置決め装置81Aは、第2方向におけるタイヤTの端部を第2所定位置に定める装置である。
第2位置決め装置81Aは、タイヤTを第1方向に搬送する第3コンベヤ83A(第2方向調整用コンベヤの一例)を有している。第3コンベヤ83Aは、第1コンベヤ5Aにおいて、第1方向における第1位置決め装置の搬送方向上流側に配置されている。第3コンベヤ83Aは、第1コンベヤ5Aと同様のローラコンベヤであり、第1コンベヤ5Aとは別の駆動源によって駆動される。第3コンベヤ83Aは、第1コンベヤ5Aに対して、第2方向に移動可能に設けられている。具体的には、第3コンベヤ83Aは、例えば、第2方向に延びるレール(図示せず)の上に配置されている。
第2位置決め装置81Aは、
図30に示すように、コンベヤ移動機構87A(移動機構の一例)を有している。コンベヤ移動機構87Aは、タイヤTを第2方向の所望の位置に位置するように第3コンベヤ83Aを第2方向に移動させる。具体的には、コンベヤ移動機構87は、図示しないモータや動力伝達機構である。
【0063】
第2位置決め装置81Aは、
図29に示すように、荷物の第2方向位置を非接触により検出する第2方向位置センサ85A(第2方向位置検出部の一例)を有している。具体的には、第2方向位置センサ85Aは、第2位置決め装置81Aにおいて(つまり、第3コンベヤ83Aにおいて)、タイヤTの第2方向位置を検出する。第2方向位置センサ85Aは、例えば、光電センサである。
具体的には、第2方向位置センサ85Aは、第3コンベヤ83Aの第2方向片側に配置されており、第1方向に延びる光軸を実現する投光素子85A1及び受光素子85A2と、フレーム85A3とを有している。フレーム85A3は、第1方向に延びる第1部分と、その両端から第2方向に延びる一対の第2部分からなる。
【0064】
第2位置決め装置81Aは、
図30に示すように、センサ移動機構88A(検出部移動機構の一例)を有している。センサ移動機構88Aは、第2方向位置センサ85Aを第2方向において退避位置と検出位
置との間で移動させる。具体的には、センサ移動機構88Aは、図示しないモータや動力伝達機構である。
退避位置では、
図29に示すように、第2方向位置センサ85Aは第2方向外側(第3コンベヤ83Aから遠い側)に配置されている。つまり、第3コンベヤ83Aの第2方向位置にかかわらず第3コンベヤ83Aから第2方向に完全に外れている。
検出位置では、
図31に示すように、第2方向位置センサ85Aは第2方向内側(第3コンベヤ83Aに近い側)に配置されている。より具体的には、第2方向位置センサ85Aは第3コンベヤ83Aの搬送方向下流側のコンベヤより第2方向内側に位置している。
なお、検出位置における光軸の位置は、第2実施形態により定められる所定の位置と同じである。また、検出位置は、コンベヤ99Aより第2方向内側である。 搬送システム1Aは、
図30に示すように、タイヤTが第2位置決め装置81Aに到達したことを検出する第1方向位置検出部89Aを有している。第1方向位置検出部89Aは、例えば、光電センサである。なお、タイヤTの第1方向の位置決めは、ストッパのように接触によって行われてもよい。
【0065】
次に、第2方向位置決め制御動作を説明する。タイヤTは、第1コンベヤ5によって第1位置決め装置13に向かって移動させられているものとする。
最初に、タイヤTが第2位置決め装置81Aに到着するのを待つ。具体的には、コントローラ71Aは、第1方向位置検出部89Aからの検出信号に基づいて上記判断を行う。このとき、第2方向位置センサ85Aは退避位置にあるので、タイヤTが第2方向位置センサ85Aに衝突することがない。
次に、
図29に示すように、第3コンベヤ83Aの駆動が停止される。具体的には、コントローラ71Aは、第3コンベヤ83Aを停止する。これにより、タイヤTは第3コンベヤ83A上で停止する。
【0066】
次に、
図31に示すように、第2方向位置センサ85Aが退避位置から検出位置に移動させられる。具体的には、コントローラ71Aは、センサ移動機構88Aを駆動する。
次に、
図32に示すように、第3コンベヤ83Aが第2方向に駆動される。そして、タイヤTの第2方向端が第2方向位置センサ85Aにより検出されると、第3コンベヤ83Aの第2方向への移動が停止される。この結果、タイヤTの第2方向位置が所定の位置に決められる。このとき、タイヤTの第2方向片側端は、搬送方向下流側のコンベヤ99Aの第2方向範囲内に入っている。
【0067】
図33に示すように、第2方向位置センサ85Aが検出位置から退避位置に移動させられる。具体的には、コントローラ71Aは、センサ移動機構88Aを駆動する。
図34に示すように、第3コンベヤ83Aの駆動が開始され、タイヤTが第1方向に移動させられる。具体的には、コントローラ71は、第3コンベヤ83を駆動する。このとき、第2方向位置センサ85Aが退避位置にあるので、タイヤTが第2方向位置センサ85Aに衝突することがない。また、タイヤTの第2方向片側端が搬送方向下流側のコンベヤ99Aの第2方向内側にあるので、タイヤTが搬送方向下流側のコンベヤ99Aに衝突することがない。
【0068】
この搬送システム1Aでは、コンベヤ移動機構87が第3コンベヤ83Aを第2方向に移動させることで、第2方向におけるタイヤTの端部が第2所定位置に定められる。このようにタイヤTを第2方向に移動させる場合、タイヤTが第3コンベヤ83Aに対して移動することがないので、タイヤTの第2方向位置決めが正確に行われる。
【0069】
4.第4実施形態(第1位置決め装置の変形例)
第1実施形態及び第2実施形態では、第1位置決め装置はタイヤTに当接することでコンベヤにより搬送される荷物の端部を第1方向における第1所定位置に定めていたが、第1位置決め装置は非接触でタイヤTを第1方向に位置決めしてもよい。
図35を用いて、そのような実施例を第
4実施形態として説明する。
図35は、第3実施形態の第1位置決め装置の制御構成を示すブロック図ある。なお、
図35は、第1実施形態の
図10に比べて、下記の説明に必要な構成のみを記載している。
なお、第3実施形態の基本的構成及び動作は第1実施形態と同じであるので、以下は異なる点を中心に説明する。
また、この実施形態では、第1実施形態とは異なり、段積み位置61に第1ストッパ15は設けられていない。
【0070】
第1位置決め装置91は、第1方向位置センサ93(第1方向位置検出部の一例)を有している。第1方向位置センサ93は、段積み位置61に設けられており、第1方向においてタイヤTの端部を非接触により検出する。第1方向位置センサ93は、例えば、光電センサである。
コントローラ71は、第1方向位置センサ93によりタイヤTの端部を検出すると、第1コンベヤ5による搬送を停止する。
【0071】
この搬送システムでは、タイヤTは、第1方向位置センサ93により第1方向において端部を検出されると、第1コンベヤ5が停止されることで、タイヤTの端部が第1方向における第1所定位置に定められる。
そして、第1挟持部33a及び第2挟持部33bが、搬送方向である第1方向に対して45度傾いて移動する。したがって、第1位置決め装置91並びに第1挟持部33a及び第2挟持部33bをコンパクトな構成にできる。
【0072】
5.第5実施形態
図36及び
図37を用いて、第5実施形態を説明する。
図36は、第5実施形態の第1挟持部又は第2挟持部の斜視図である。
図37は、第5実施形態の第1挟持部又は第2挟持部の断面図である。
【0073】
第1挟持部33a及び第2挟持部33bの内側下部には、複数の凸部101(凸部の一例)が周方向に並んで設けられている。凸部101は、脱着可能な平板プレートである。これにより、第1挟持部33a及び第2挟持部33bの下部の厚みが他の部分に比べて大きくなっている。
凸部101は、最下位のタイヤTの高さに対応している。そのため複数のタイヤTを挟持するときには、上の段のタイヤTは第1挟持部及び第2挟持部のプレートがない部分に挟まれ、最下位のタイヤTは凸部101によって強く挟まれる。なお、上の段のタイヤTは最下位のタイヤTによって支持されるので、第1挟持部及び第2挟持部によって強く挟持されていなくてもよい。
以上のように、第1挟持部33a及び第2挟持部33bがタイヤTを挟持する際に、最下位のタイヤTを挟持する力を十分に維持できる。
第1挟持部及び第2挟持部の下部はガイドされていないので、垂直性を維持することが難しい。そのため、挟持部が垂直方向に対して斜めになり、第1挟持部及び第2挟持部から最下部のタイヤTに十分な挟持力を付与できない可能性があった。
なお、凸部の形状、数、位置は特に限定されない。
【0074】
6.実施形態の共通事項
前記実施形態は下記のようにも説明できる。
搬送システム(例えば、搬送システム1、搬送システム1A)は、コンベヤ(例えば、第1コンベヤ5)と、制御部(例えば、コントローラ71)と、第1位置決め部(例えば、第1位置決め装置13、第1位置決め装置91)と、第2位置決め部(例えば、第2位置決め装置23、第2位置決め装置81)と、一対の挟持部(例えば、第1挟持部33a及び第2挟持部33b)とを備えている。
コンベヤは、大きさの異なる複数種類の丸型の荷物(例えば、タイヤT)を第1方向に搬送する搬送面を有する。
制御部は、コンベヤによる搬送を制御する。
第1位置決め部は、コンベヤにより搬送される荷物の端部を第1方向における第1所定位置に定める。
第2位置決め部は、第1方向に対して水平方向に直交する第2方向における荷物の端部を第2所定位置に定める。
一対の挟持部は、挟持位置(例えば、段積み位置61)において、第1位置決め部により定められた端部側である荷物第1部分(例えば、タイヤ第1部分t1)と第2位置決め部により定められた端部側である荷物第2部分(例えば、タイヤ第2部分t2)との間を通過することで、荷物の側面を挟持する。
【0075】
この搬送システムでは、荷物の端部が第1方向における第1所定位置に定められ、荷物の端部が第2方向における第2所定位置に定められる。荷物は、さらに、一対の挟持部によって、荷物第1部分と荷物第2部分の間を挟持される。このようにして、異なる外径の荷物であっても正確に挟持される。
【0076】
7.他の実施形態
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
本発明は、段積みだけではなく、段ばらしにも適用できる。例えば、段積みと同じように位置決めを行い、段ばらしを行ってもよい。
第2位置決め装置は、ストッパではなく、非接触のセンサを用いて荷物の第2方向位置決めを行ってもよい。
【0077】
第1ストッパは、第1コンベヤ上で第2方向に斜めに延びて配置されており、第2ストッパは、第1ストッパ下流側近傍において第1コンベヤの側壁面によって構成されていてもよい。この場合も、一対の挟持部による挟持方向は第1方向に対して斜めになる。
第1ストッパ及び第2ストッパは、第1コンベヤ上で第1方向に同じ位置でかつ第2方向に離れて配置された部分的な構造でもよい。この場合、タイヤ第1部分とタイヤ第2部分は第2方向に並んでおり、そのため一対の挟持部による挟持方向は第1方向になる。
【0078】
丸型の荷物はタイヤに限定されない。
第1位置決め装置と第2位置決め装置は、コンベヤ上で近接して設けられていてもよい。
第2ストッパは、退避を行わなくてもよい。
幅寄せ部は、転換機以外に、搬送方向が斜めのコンベヤ、荷物を押し付ける押し付け機であってもよい。
水平方向駆動装置は、自走式の台車を用いてもよい。
タイヤを挟持したことの把握は、挟持モータのトルク検出によって行ってもよい。
【0079】
一対の挟持部が同時に移動してもよい。この場合であっても第1挟持部33aが位置する側にタイヤが位置決めされているので、第1挟持部33aを基準に挟持することができる。また、第1挟持部33aを基準に挟持できるのであれば、第2挟持部33bを第1挟持部33aより先に移動させても構わない。なお、第1挟持部33aが一定値の移動距離を移動する構成であってもよい。
第1ストッパは、タイヤが挟持部に把持されているときは、適宜退避位置に移動してもよい。
【0080】
第2位置決め装置23と第1位置決め装置13との間に、第1コンベヤ5の第2方向奥側にガイドが設けられていてもよい。この場合、タイヤTが回転する可能性があって、その場合はタイヤTが例えば第2ストッパ25に当接した部分が挟持位置におけるタイヤ第2部分t2にならない可能性がある。しかし、第2位置決め装置23において、タイヤTのタイヤ第2部分t2の第2方向の位置は、前記実施形態と同じである。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、大きさの異なる複数種類の丸型の荷物を搬送する搬送システムに広く適用できる。
【符号の説明】
【0082】
1 :搬送システム
3 :コンベヤ装置
5 :第1コンベヤ
7 :第2コンベヤ
9 :転換機
11 :センタリング段積み装置
13 :第1位置決め装置
15 :第1ストッパ
17 :第1ストッパ駆動部
23 :第2位置決め装置
25 :第2ストッパ
31 :段積み装置
31a :柱
31b :天井部
33a :第1挟持部
33b :第2挟持部
34a :第1水平方向駆動装置
34b :第2水平方向駆動装置
35 :昇降装置
35a :第1台車
35b :第2台車
36a :第1チェーン
36b :第2チェーン
37a :第1スプロケット
37b :第2スプロケット
38a :第3スプロケット
38b :第4スプロケット
39a :第1挟持モータ
39b :第2挟持モータ
41a :第1昇降装置
41b :第2昇降装置
42a :第1下部スプロケット
42b :第2下部スプロケット
43a :第1上部スプロケット
43b :第2上部スプロケット
44a :第1チェーン
44b :第2チェーン
45a :第1昇降モータ
45b :第2昇降モータ
61 :段積み位置
71 :コントローラ
73a :第1挟持センサ
73b :第2挟持センサ
74 :タイヤ高さセンサ
75 :タイヤ到着センサ
T :タイヤ
t1 :タイヤ第1部分
t2 :タイヤ第2部分