(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
(21)【出願番号】P 2018131684
(22)【出願日】2018-07-11
【審査請求日】2021-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100186679
【氏名又は名称】矢田 歩
(74)【代理人】
【識別番号】100214226
【氏名又は名称】青木 博文
(72)【発明者】
【氏名】菊地 努
【審査官】進藤 利哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-038794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステッピングモータと、
電圧参照端子を有し、前記電圧参照端子に印加される参照電圧に応じて決定される定電流を用いて前記ステッピングモータを駆動制御するドライバICと、
演出制御基板又は検査用冶具
のいずれか一方から出力される2系統以上の基準信号を入力可能な論理素子、及び、前記論理素子からの出力信号に基づいて駆動状態を切り換え可能なトランジスタを有し、前記トランジスタの駆動状態に応じて生成可能とされる3種類以上の異なる前記参照電圧を前記電圧参照端子に印加する参照電圧生成回路と
を備え、
前記参照電圧生成回路は、
第1のトランジスタを有する第1の配線と、
前記第1の配線と直列に接続され、第2のトランジスタを有する第2の配線と、
前記第2の配線の前記第1の配線側とは逆側において前記第2の配線と直列に接続され、第3のトランジスタを有する第3の配線と、
前記第1の配線の前記第2の配線側とは逆側において前記第1の配線と定電圧電源との間に接続される第4の配線と、
前記第1の配線及び前記第4の配線の合流部と前記電圧参照端子との間に接続される第5の配線とを有し、
入力される前記基準信号の種類に応じて前記第1のトランジスタ、前記第2のトランジスタ及び前記第3のトランジスタの1又は複数を駆動可能とすることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
可動部材を動作させる遊技機が知られている。例えば、可動部材を動作させるステッピングモータを定電流で駆動制御する遊技機が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遊技機の量産時においては、モータのトルクを意図的に低下させた状態で、モータが可動部材を動作させることができるか否かが検査される。この検査の際には、モータに供給する電流の大きさを遊技時よりも小さく変更するための専用の検査用冶具が必要となる。しかしながら、この検査のために専用の検査用冶具を用いることは煩わしく、特に可動部材を動作させるユニットが遊技盤の深部に組み込まれる場合には、組み込み後の検査が困難である。
【0005】
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、ステッピングモータに供給する電流の大きさを容易に変更できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る遊技機は、ステッピングモータと、電圧参照端子を有し、前記電圧参照端子に印加される参照電圧に応じて決定される定電流を用いて前記ステッピングモータを駆動制御するドライバICと、演出制御基板又は検査用冶具から出力される2系統以上の基準信号を入力可能であり、前記基準信号に基づいて生成される参照電圧を前記電圧参照端子に印加する参照電圧生成回路とを備え、前記参照電圧生成回路が、前記基準信号に基づいて3種類以上の異なる前記参照電圧を生成可能である。
【0007】
当該遊技機においては、前記参照電圧生成回路が、前記基準信号を入力可能な論理素子を有し、前記論理素子からの出力信号に基づいて3種類以上の異なる前記参照電圧を生成可能であるとよい。
【0008】
当該遊技機においては、前記参照電圧生成回路が、前記論理素子からの出力信号に基づいて駆動状態を切り換え可能なトランジスタを3以上有し、前記トランジスタの駆動状態に応じて異なる前記参照電圧を生成可能であるとよい。
【0009】
当該遊技機においては、前記参照電圧生成回路が、第1のトランジスタを有する第1の配線と、前記第1の配線と直列に接続され、第2のトランジスタを有する第2の配線と、前記第2の配線の前記第1の配線側とは逆側において前記第2の配線と直列に接続され、第3のトランジスタを有する第3の配線と、前記第1の配線の前記第2の配線側とは逆側において前記第1の配線と定電圧電源との間に接続される第4の配線と、前記第1の配線及び前記第4の配線の合流部と前記電圧参照端子との間に接続される第5の配線とを有し、入力される前記基準信号の種類に応じて前記第1のトランジスタ、前記第2のトランジスタ及び前記第3のトランジスタの1又は複数を駆動可能であるとよい。
【0010】
当該遊技機においては、前記ドライバIC及び前記参照電圧生成回路が、遊技盤面内の基板に設けられるとよい。
【0011】
当該遊技機においては、前記参照電圧生成回路が、前記演出制御基板から出力されるHレベルの基準信号を入力可能であり、前記検査用冶具から出力されるLレベルの基準信号を入力可能であるとよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様に係る遊技機は、ステッピングモータに供給する電流の大きさを容易に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る遊技機を示す模式的正面図である。
【
図2】
図1の遊技機における遊技盤の盤面構成を示す模式的正面図である。
【
図3】
図1の遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1の遊技機の可動部材移動機構の回路構成の第1例を模式的に示す模式的回路図である。
【
図5】
図1の遊技機の可動部材移動機構の回路構成の第2例を模式的に示す模式的回路図である。
【
図6】
図1の遊技機の可動部材移動機構の回路構成の第3例を模式的に示す模式的回路図である。
【
図7】
図1の遊技機の可動部材移動機構の回路構成の第4例を模式的に示す模式的回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係る遊技機について図を参照しつつ詳説する。
【0015】
[遊技機の構成]
遊技機1は、
図1に示すように、正面側に前面枠2を備えている。
図1には図示されていないが、遊技機1は、本体枠と、この本体枠の正面側に配設され、本体枠の側辺において回動可能に軸支される中枠とを備えており、前面枠2は、この中枠の正面側に配設され、中枠における本体枠に軸支される側の側辺で回動可能に軸支されている。前面枠2は、正面視で略長方形に形成されており、中央上部に透明な窓部2aを有している。また、遊技機1は、中枠の正面側に後述する遊技盤10を備えている。そして、前面枠2の窓部2aを通して遊技盤10が視認可能となっている。なお、以下では、遊技機1の正面に向かって左側(図面における左側)を単に左側とし、その逆側を右側としている。
【0016】
前面枠2の中央頂部には、発光により演出を行うためのランプ3が設けられており、このランプ3の左右には、音響により演出を行うための一対の上部スピーカー4aが設けられている。また、前面枠2の下部には、音響により演出を行うための左右一対の下部スピーカー4bが設けられている。
【0017】
前面枠2の窓部2aの下方には、貸し出される遊技球や払い出される遊技球を貯留するための上皿5が設けられており、この上皿5の下方には、上皿5が一杯になった際の余分な遊技球を貯留するための下皿6が設けられている。
【0018】
前面枠2の右下部には、遊技球を遊技盤10内に発射するための発射ハンドル7が設けられている。遊技機1では、遊技者が前面枠2の窓部2aを通して遊技盤10を目視しつつ発射ハンドル7を操作することによって遊技が進行する。また、上皿5の中央正面側の縁部には、演出を実行するための演出操作部8(演出ボタン)が設けられており、遊技機1は、遊技者が遊技中の所定の演出タイミングにおいて演出操作部8を操作すると、所定の演出が実行されるように構成されている。
【0019】
[遊技盤の構成]
遊技盤10は、
図2に示すように、正面側に遊技領域10aとセグメント表示領域10bとを有しており、これらの領域は、前面枠2の窓部2aを通して視認可能に形成されている。遊技領域10aは、遊技盤10の中央の広い範囲に形成される一方、セグメント表示領域10bは、遊技盤10の右下部の狭い範囲に形成されている。
【0020】
遊技盤10は、遊技領域10aの略中央に液晶表示装置11を備えている。液晶表示装置11は、表示画面内に様々な演出画像及び演出映像を表示可能であり、遊技の進行に応じて様々な演出表示を行うように構成されている。また、遊技領域10aにおける液晶表示装置11の周囲は、遊技球の流下領域となっており、遊技球は、この領域に配設される釘等によって移動方向を変化させながら流下する。
【0021】
遊技領域10aの中央下部には、遊技領域10aを流下する遊技球を受入可能な第1始動口12が設けられており、この第1始動口12の内部には、第1始動口12への遊技球の入球(入賞)を検出可能な第1始動口センサー12aが設けられている。遊技機1は、第1始動口12への入球を検出すると、所定数の遊技球を上皿5へ払い出すとともに、第1特図に関する当否判定情報を取得するように構成されている。
【0022】
第1始動口12の下方には、第2始動口13が設けられており、この第2始動口13の内部には、第2始動口13への入球(入賞)を検出可能な第2始動口センサー13aが設けられている。遊技機1は、第2始動口13への入球を検出すると、所定数の遊技球を上皿5へ払い出すとともに、第2特図に関する当否判定情報を取得するように構成されている。
【0023】
遊技盤10は、遊技領域10aの左側を流下する遊技球を第1始動口12へ導きやすく、遊技領域10aの右側を流下する遊技球を第2始動口13へ導きやすいように構成されている。
【0024】
遊技領域10aの中央右部には、遊技領域10aを流下する遊技球が通過可能な作動ゲート14が設けられており、この作動ゲート14の内部には、作動ゲート14を通過する遊技球を検出可能なゲートセンサー14aが設けられている。遊技機1は、作動ゲート14において遊技球の通過を検出すると、普通図柄抽選を行うように構成されている。
【0025】
第1始動口12は、遊技球を常に受入可能に構成されている。一方、第2始動口13は、図示しない開閉部材を備えており、この開閉部材を動作させる始動口ソレノイド13bによって、遊技球を受入困難な閉止状態又は遊技球を受入可能な開放状態のいずれか一方に制御される。通常、第2始動口13は、閉止状態に制御されているが、遊技機1は、作動ゲート14において遊技球の通過を検出すると、普通図柄抽選によって第2始動口13を開放状態に制御するか否かを決定する。
【0026】
遊技領域10aの右下部には、開閉扉を有する大入賞口15が設けられている。通常時には、大入賞口15は、開閉扉を動作させる大入賞口ソレノイド15bにより閉止状態に制御されているが、当否判定情報を用いた当否判定の判定結果に基づいて開放状態に制御される。また、大入賞口15の内部には大入賞口15への入球(入賞)を検出可能な大入賞口センサー15aが設けられている。遊技機1は、大入賞口15への入球を検出すると、所定数の遊技球を上皿5へ払い出すように構成されている。
【0027】
遊技領域10aの下端部には、遊技領域10aを流下した遊技球を遊技機1内へ回収するための左右一対のアウト口16が設けられている。また、遊技領域10aの左部には、発射装置7aにより下側から上側へ向けて発射される遊技球をガイドするための発射レール17が設けられている。また、液晶表示装置11の上方には、遊技機1を彩る装飾部材18が設けられている。
【0028】
装飾部材18の背面側には、液晶表示装置11の正面側で上下方向に移動可能な可動部材19が設けられている。可動部材19は、動作によって演出を盛り上げる部材であり、可動部材移動機構19aにより昇降動作可能に構成されている。可動部材19は、通常時には装飾部材18の背面側に隠れるように位置しているが、遊技中の所定の演出タイミングにおいて液晶表示装置11の正面側を覆うように下方向へ移動し、演出の終了時に上方向へ戻るように昇降動作する。なお、可動部材19を動作させる可動部材移動機構19aについて詳しくは後述する。
【0029】
遊技盤10は、セグメント表示領域10bに遊技に関する情報を表示するためのセグメント表示部20を備えている。セグメント表示部20は複数のLEDを有しており、遊技機1は、これらのLEDによる表示の組み合わせによって、第1特図に関する図柄変動表示、第2特図に関する図柄変動表示、第1特図に関する保留数表示、第2特図に関する保留数表示、大当り遊技時における大当り遊技で実行可能なラウンド数の表示、普通図柄に関する図柄変動表示、普通図柄に関する保留数表示、第2始動口13が開放状態に制御されやすい電サポ状態であるか否かを示す電サポ表示、及び遊技領域10aの右側への遊技球の発射を促すタイミングであることを示す右打ち表示を行うことができる。
【0030】
[電気的構成]
遊技機1は、
図3に示すように、遊技の制御を行う主制御基板100と、遊技球の払い出し制御を行う払出制御基板300と、主制御基板100から送信される各種コマンドに基づいて演出制御を行う演出制御基板200とを備えている。これらの基板は、CPUと記憶部とを備えており、これらのハードウェア資源を用いて所定の機能を実現する。
【0031】
主制御基板100には、演出制御基板200及び払出制御基板300に加えて、第1始動口センサー12a、第2始動口センサー13a、大入賞口センサー15a、ゲートセンサー14a、始動口ソレノイド13b、大入賞口ソレノイド15b及びセグメント表示部20等が接続されている。第1始動口センサー12a、第2始動口センサー13a、大入賞口センサー15a、ゲートセンサー14aにより遊技球が検出されると、検出信号が主制御基板100へ送信される。主制御基板100は、いずれかのセンサーから検出信号を受信すると、遊技の進行に応じた演算によりコマンド又は駆動信号を生成し、演出制御基板200、払出制御基板300、始動口ソレノイド13b、大入賞口ソレノイド15b及びセグメント表示部20等へ生成したコマンド又は駆動信号を送信する。
【0032】
払出制御基板300には、遊技球を発射するための発射装置7a、発射ハンドル7、図示しない遊技機1に併設される台間機、玉貸ボタン、払出装置等が接続されている。また、発射装置7aには、遊技球を発射する発射モーターや遊技者が発射ハンドル7に触れていることを検知するタッチスイッチが接続されている。払出制御基板300は、主制御基板100から送信される払出コマンドに基づく遊技球の払い出し制御や、発射ハンドル7の操作に基づく発射装置7aへの遊技球の発射信号の送信処理等を実行する。
【0033】
演出制御基板200には、液晶表示装置11、ランプ3、スピーカー4(上部スピーカー4a、下部スピーカー4b)、演出操作部8、可動部材移動機構19a等が接続されている。演出制御基板200は、主制御基板100から送信される各種コマンドを受信すると、各種コマンドの内容を解析し、液晶表示装置11、ランプ3、上部スピーカー4a、下部スピーカー4b、演出操作部8、可動部材移動機構19a等を用いてコマンドの内容に応じた演出制御を行う。
【0034】
遊技機1は、遊技中の所定の演出タイミングにおいて可動部材19を液晶表示装置11の正面に出現させる演出を実行する。演出制御基板200は、主制御基板100から送信されたコマンドに基づいて可動部材19による演出の実行を決定すると、可動部材移動機構19aを動作させることにより可動部材19を装飾部材18の背面側に隠れた退避位置から液晶表示装置11の正面側を覆う演出位置へ移動させる。
【0035】
[可動部材移動機構の詳細]
可動部材移動機構19aは、演出制御基板200からの制御信号に基づいて可動部材19を移動制御する機構である。
図4から
図7には、可動部材移動機構19aの回路構成について4つの例がそれぞれ示されている。まず、
図4に基づいて可動部材移動機構19aの回路構成の例を説明した後、
図5から
図7に基づいて可動部材移動機構19aの回路構成の他の例を説明する。
【0036】
可動部材移動機構19aは、
図4に示すように、ステッピングモータ30と、ステッピングモータ30に接続されるモータ制御基板40とを備えている。可動部材移動機構19aは、演出制御基板200からの制御信号をモータ制御基板40へ入力し、モータ制御基板40の駆動制御によりステッピングモータ30を動作させ、ステッピングモータ30の動作により可動部材19を移動させる。なお、演出制御基板200からの制御信号としては、可動部材19を所定の動作パターンで移動させるようにステッピングモータ30を動作制御するためのモータ動作制御信号、ステッピングモータ30へ電源を供給するモータ電源信号、ステッピングモータ30へ入力する電流を調整するための基準信号等が挙げられるが、
図4では基準信号以外の制御信号の図示が省略されている。
【0037】
<ステッピングモータ>
ステッピングモータ30は、バイポーラ型のステッピングモータであり、一対のコイル(ステータ30a及びステータ30b)とロータ30cとを備えている。ステッピングモータ30は、後述するドライバIC41の4つの電流端子41bと接続されており、ステータ30aに対して1から2の電流端子41bより出力される電流を入力し、ステータ30bに対して3から4の電流端子41bより出力される電流を入力するように構成されている。ロータ30cには、図示しない可動部材19が接続されており、ステッピングモータ30は、ステータ30a及びステータ30bへ入力される電流によってロータ30cを回転させ、このロータ30cの回転力により可動部材19を移動させる。
【0038】
<モータ制御基板>
モータ制御基板40は、演出制御基板200からの制御信号に基づいてステッピングモータ30を定電流で駆動制御する基板であり、ステッピングモータ30を駆動制御するドライバIC41と、ドライバIC41に印加する参照電圧を生成する参照電圧生成回路42とを有している。また、モータ制御基板40は、遊技盤10面内に設けられている。
【0039】
(ドライバIC)
ドライバIC41は、電圧参照端子41aを有しており、この電圧参照端子41aに印加される参照電圧に応じて決定される定電流を用いてステッピングモータ30を駆動制御する。具体的には、ドライバIC41は、ステッピングモータ30をバイポーラ駆動するドライバICであって、参照電圧を印加する電圧参照端子41aと定電流を出力する4つの電流端子41bとを有しており、電圧参照端子41aに印加される参照電圧の大きさに応じて出力する定電流の大きさを決定し、2相励磁のシーケンス又は1-2相励磁のシーケンスに基づき4つの電流端子41bから定電流を切り換えながら出力することによってステッピングモータ30を駆動制御する。
【0040】
ところで、遊技機の製造時においては、製造された可動部材移動機構が可動部材を適切に移動できるか否かが検査される。具体的には、製造時の検査において、遊技時よりも小さい電流をモータへ入力してもモータが可動部材を適切に移動させることができるかが検査される。小さい電流をモータへ入力するためには、ドライバICの電圧参照端子へ印加する参照電圧を小さくする必要がある。通常の遊技機では、演出制御基板からの基準信号(Hレベル又はLレベル)が参照電圧としてドライバICの電圧参照端子へ直接印加される。このため、製造時の検査においては、演出制御基板に換わって所望の大きさの参照電圧を生成可能な特別な検査用冶具を用意する必要がある。
【0041】
一方、遊技機1は、演出制御基板200又は検査用冶具から出力される基準信号を入力可能であり、基準信号に基づいて生成される参照電圧を電圧参照端子41aに印加する参照電圧生成回路42を備えている。参照電圧生成回路42は、基準信号に基づいて2種類以上の異なる参照電圧を生成可能に構成されている。このため、遊技機1は、特別な検査用冶具を用意する必要がなく、組み込まれた参照電圧生成回路42をそのまま用いて検査を行うことができるので、検査効率の観点で優れる。以下、ドライバIC41に印加する参照電圧を生成する参照電圧生成回路42について詳しく説明する。
【0042】
(参照電圧生成回路)
参照電圧生成回路42は、
図4に示すように、基準信号EXT1を入力可能な論理素子(2つのNOTゲート50a)を有している。また、参照電圧生成回路42は、第1のトランジスタTr1を有する第1の配線51と、第1の配線51と並列に配設され、第2のトランジスタTr2を有する第2の配線52と、第1の配線51及び第2の配線52の合流部と定電圧電源(+V)との間に接続される第3の配線53と、この合流部と電圧参照端子41aとの間に接続される第4の配線54とを有している。なお、第1の配線51は抵抗R1を有し、第2の配線52は抵抗R2を有し、第3の配線53は抵抗Rを有しており、第1の配線51及び第2の配線52の合流部とは逆側の端部はそれぞれグラウンドに接続されている。また、抵抗R1及び抵抗R2は、抵抗値がそれぞれ異なっている。また、トランジスタとしては、バイポーラトランジスタや電界効果トランジスタ(MOSFET)が用いられる。
【0043】
第1のトランジスタTr1及び第2のトランジスタTr2は、論理素子からの出力信号に基づいて駆動状態を切り換え可能に構成されている。具体的には、基準信号EXT1としてHレベルが入力されると、論理素子から第1のトランジスタTr1への出力信号がHレベルとなることにより第1のトランジスタTr1がONに制御され、論理素子から第2のトランジスタTr2への出力信号がLレベルとなることにより第2のトランジスタTr2がOFFに制御される。一方、基準信号EXT1としてLレベルが入力されると、論理素子から第1のトランジスタTr1への出力信号がLレベルとなることにより第1のトランジスタTr1がOFFに制御され、論理素子から第2のトランジスタTr2への出力信号がHレベルとなることにより第2のトランジスタTr2がONに制御される。つまり、参照電圧生成回路42は、入力される基準信号EXT1の種類(Hレベル又はLレベル)に応じて第1のトランジスタTr1及び第2のトランジスタTr2のいずれか一方を駆動可能である。
【0044】
参照電圧生成回路42は、基準信号EXT1を入力可能な論理素子(2つのNOTゲート50a)と、論理素子からの出力信号に基づいて駆動状態を切り換え可能な第1のトランジスタTr1及び第2のトランジスタTr2とを有しているので、これらのトランジスタの駆動状態に応じて2種類の異なる参照電圧を生成可能である。具体的には、基準信号EXT1としてHレベルが入力される場合には、第4の配線54から電圧参照端子41aに印加される参照電圧が、定電圧電源の電圧V、第1の配線51の抵抗R1及び第3の配線53の抵抗Rにより決定され(Vref1=V×R1/(R1+R))、基準信号EXT1としてLレベルが入力される場合には、第4の配線54から電圧参照端子41aに印加される参照電圧が、定電圧電源の電圧V、第2の配線52の抵抗R2及び第3の配線53の抵抗Rにより決定される(Vref2=V×R2/(R2+R))。なお、遊技時に基準信号EXT1としてHレベルが入力され、検査時に基準信号EXT1としてLレベルが入力される場合には、例えば、Vref2=0.8×Vref1となるように抵抗R1、抵抗R2及び抵抗Rの抵抗値がそれぞれ設定されるとよい。
【0045】
以上のように、参照電圧生成回路42は、基準信号を入力可能な論理素子を有し、論理素子からの出力信号に基づいて2種類の異なる参照電圧を生成可能である。論理素子は、1系統の基準信号(Hレベル又はLレベル)から2種類の出力信号(Hレベル及びLレベル)を生成できるので、参照電圧生成回路42は、1系統の基準信号から2種類の参照電圧を生成できる。遊技機1は、参照電圧生成回路42に基準信号を入力可能な論理素子を設ける構成であるので、論理素子を利用しない場合に比べて参照電圧生成回路42の設計自由度を向上させることができる。また、参照電圧生成回路42は、参照電圧生成回路42への基準信号が1系統のみであっても2種類の異なる参照電圧を生成できる点で特に顕著である。
【0046】
図5は可動部材移動機構19aの回路構成の第2例を示している。
図5に示す回路構成は、
図4に示す回路構成と比べて基準信号の数及び参照電圧生成回路の内容が異なり、他の部分は一致する。
【0047】
参照電圧生成回路43は、
図5に示すように、基準信号EXT1及び基準信号EXTφを入力可能な論理素子(3つのNOTゲート50a)を有している。また、参照電圧生成回路43は、第1のトランジスタTr1を有する第1の配線61と、第1の配線61と並列に配設され、第2のトランジスタTr2を有する第2の配線62と、第1の配線61及び第2の配線62と並列に配設され、第3のトランジスタTr3を有する第3の配線63と、第1の配線61、第2の配線62及び第3の配線63の合流部と定電圧電源(+V)との間に接続される第4の配線64と、この合流部と電圧参照端子41aとの間に接続される第5の配線65とを有している。なお、第1の配線61は抵抗R1を有し、第2の配線62は抵抗R2を有し、第3の配線63は抵抗R3を有し、第4の配線64は抵抗Rを有しており、第1の配線61、第2の配線62及び第3の配線63の合流部とは逆側の端部はそれぞれグラウンドに接続されている。また、抵抗R1、抵抗R2及び抵抗R3は、抵抗値がそれぞれ異なっている。
【0048】
第1のトランジスタTr1及び第2のトランジスタTr2は、論理素子からの出力信号に基づいて駆動状態を切り換え可能に構成されている。具体的には、基準信号EXT1としてHレベルが入力されると、論理素子から第1のトランジスタTr1への出力信号がHレベルとなることにより第1のトランジスタTr1がONに制御され、論理素子から第2のトランジスタTr2への出力信号がLレベルとなることにより第2のトランジスタTr2がOFFに制御される。一方、基準信号EXT1としてLレベルが入力されると、論理素子から第1のトランジスタTr1への出力信号がLレベルとなることにより第1のトランジスタTr1がOFFに制御され、論理素子から第2のトランジスタTr2への出力信号がHレベルとなることにより第2のトランジスタTr2がONに制御される。つまり、参照電圧生成回路43は、入力される基準信号EXT1の種類(Hレベル又はLレベル)に応じて第1のトランジスタTr1及び第2のトランジスタTr2のいずれか一方を駆動可能である。
【0049】
また、第3のトランジスタTr3も、論理素子からの出力信号に基づいて駆動状態を切り換え可能に構成されている。具体的には、基準信号EXTφとしてHレベルが入力されると、論理素子から第3のトランジスタTr3への出力信号がLレベルとなることにより第3のトランジスタTr3がOFFに制御される。一方、基準信号EXTφとしてLレベルが入力されると、論理素子から第3のトランジスタTr3への出力信号がHレベルとなることにより第3のトランジスタTr3がONに制御される。つまり、参照電圧生成回路43は、入力される基準信号EXTφの種類(Hレベル又はLレベル)に応じて第3のトランジスタTr3の駆動状態を切り換え可能である。
【0050】
参照電圧生成回路43は、基準信号EXT1及び基準信号EXTφを入力可能な論理素子(3つのNOTゲート50a)と、論理素子からの出力信号に基づいて駆動状態を切り換え可能な第1のトランジスタTr1、第2のトランジスタTr2及び第3のトランジスタTr3とを有しているので、これらのトランジスタの駆動状態に応じて4種類の異なる参照電圧を生成可能である。具体的には、基準信号EXT1としてHレベルが入力され、基準信号EXTφとしてHレベルが入力される場合には、第5の配線65から電圧参照端子41aに印加される参照電圧が、定電圧電源の電圧V、第1の配線61の抵抗R1及び第4の配線64の抵抗Rにより決定され、基準信号EXT1としてHレベルが入力され、基準信号EXTφとしてLレベルが入力される場合には、第5の配線65から電圧参照端子41aに印加される参照電圧が、定電圧電源の電圧V、第1の配線61の抵抗R1、第3の配線63の抵抗R3及び第4の配線64の抵抗Rにより決定される。また、基準信号EXT1としてLレベルが入力され、基準信号EXTφとしてHレベルが入力される場合には、第5の配線65から電圧参照端子41aに印加される参照電圧が、定電圧電源の電圧V、第2の配線62の抵抗R2及び第4の配線64の抵抗Rにより決定され、基準信号EXT1としてLレベルが入力され、基準信号EXTφとしてLレベルが入力される場合には、第5の配線65から電圧参照端子41aに印加される参照電圧が、定電圧電源の電圧V、第2の配線62の抵抗R2、第3の配線63の抵抗R3及び第4の配線64の抵抗Rにより決定される。
【0051】
以上のように、参照電圧生成回路43は、2系統の基準信号を入力可能な論理素子を有し、論理素子からの出力信号に基づいて4種類の異なる参照電圧を生成可能である。論理素子は、2系統の基準信号から4種類の出力信号を生成できる。遊技機1は、参照電圧生成回路43に基準信号を入力可能な論理素子を設ける構成であるので、論理素子を利用しない場合に比べて参照電圧生成回路43の設計自由度を向上させることができる。また、参照電圧生成回路43は、4種類の異なる参照電圧を生成可能であるので、ドライバIC41がステッピングモータ30へ出力する定電流の大きさを様々に調整可能とする点で特に顕著である。
【0052】
図6は可動部材移動機構19aの回路構成の第3例を示している。
図6に示す回路構成は、
図5に示す回路構成と比べて参照電圧生成回路の内容のみが異なり、他の部分は一致する。
【0053】
参照電圧生成回路44は、
図6に示すように、基準信号EXT1及び基準信号EXTφを入力可能な論理素子(4つのNOTゲート50a、1つのNORゲート50b及び3つのNANDゲート50c)を有している。また、参照電圧生成回路44は、第1のトランジスタTr1を並列に有する第1の配線71と、第1の配線71と直列に接続され、第2のトランジスタTr2を並列に有する第2の配線72と、第2の配線72の第1の配線71側とは逆側において第2の配線72と直列に接続され、第3のトランジスタTr3を並列に有する第3の配線73と、第3の配線73の第2の配線72側とは逆側において第3の配線73と直列に接続され、第4のトランジスタTr4を並列に有する第4の配線74と、第1の配線71の第2の配線72側とは逆側において第1の配線71と定電圧電源と(+V)の間に接続される第5の配線75と、第1の配線71及び第5の配線75の合流部と電圧参照端子41aとの間に接続される第6の配線76とを有している。また、参照電圧生成回路44は、第4の配線74の第3の配線73側とは逆側に第7の配線77を更に有している。なお、第1の配線71は抵抗R1を有し、第2の配線72は抵抗R2を有し、第3の配線73は抵抗R3を有し、第4の配線74は抵抗R4を有し、第5の配線75は抵抗Rを有し、第7の配線77は抵抗R5を有しており、第7の配線77の第4の配線74とは逆側の端部はグラウンドに接続されている。また抵抗R1、抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4及び抵抗R5は、抵抗値がそれぞれ異なっている。
【0054】
第1のトランジスタTr1、第2のトランジスタTr2、第3のトランジスタTr3及び第4のトランジスタTr4は、論理素子からの出力信号に基づいて駆動状態を切り換え可能に構成されている。具体的には、基準信号EXT1としてHレベルが入力され、基準信号EXTφとしてHレベルが入力されると、第1のトランジスタTr1がON、第2のトランジスタTr2がON、第3のトランジスタTr3がON、第4のトランジスタTr4がONにそれぞれ制御される。また、基準信号EXT1としてHレベルが入力され、基準信号EXTφとしてLレベルが入力されると、第1のトランジスタTr1がON、第2のトランジスタTr2がON、第3のトランジスタTr3がOFF、第4のトランジスタTr4がOFFにそれぞれ制御される。また、基準信号EXT1としてLレベルが入力され、基準信号EXTφとしてHレベルが入力されると、第1のトランジスタTr1がON、第2のトランジスタTr2がOFF、第3のトランジスタTr3がON、第4のトランジスタTr4がOFFにそれぞれ制御される。また、基準信号EXT1としてLレベルが入力され、基準信号EXTφとしてLレベルが入力されると、第1のトランジスタTr1がOFF、第2のトランジスタTr2がON、第3のトランジスタTr3がON、第4のトランジスタTr4がOFFにそれぞれ制御される。つまり、参照電圧生成回路44は、入力される基準信号EXT1の種類(Hレベル又はLレベル)及び基準信号EXTφの種類(Hレベル又はLレベル)に応じて第1のトランジスタTr1、第2のトランジスタTr2、第3のトランジスタTr3及び第4のトランジスタTr4を様々な組み合わせで駆動可能である。
【0055】
参照電圧生成回路44は、基準信号EXT1及び基準信号EXTφを入力可能な論理素子(4つのNOTゲート50a、1つのNORゲート50b及び3つのNANDゲート50c)と、論理素子からの出力信号に基づいて駆動状態を切り換え可能な第1のトランジスタTr1、第2のトランジスタTr2、第3のトランジスタTr3及び第4のトランジスタTr4とを有しているので、これらのトランジスタの駆動状態に応じて4種類の異なる参照電圧を生成可能である。具体的には、基準信号EXT1としてHレベルが入力され、基準信号EXTφとしてHレベルが入力される場合には、第6の配線76から電圧参照端子41aに印加される参照電圧が、定電圧電源の電圧V、第5の配線75の抵抗R及び第7の配線77の抵抗R5により決定され、基準信号EXT1としてHレベルが入力され、基準信号EXTφとしてLレベルが入力される場合には、第6の配線76から電圧参照端子41aに印加される参照電圧が、定電圧電源の電圧V、第3の配線73の抵抗R3、第4の配線74の抵抗R4、第5の配線75の抵抗R及び第7の配線77の抵抗R5により決定される。また、基準信号EXT1としてLレベルが入力され、基準信号EXTφとしてHレベルが入力される場合には、第6の配線76から電圧参照端子41aに印加される参照電圧が、定電圧電源の電圧V、第2の配線72の抵抗R2、第4の配線74の抵抗R4、第5の配線75の抵抗R及び第7の配線77の抵抗R5により決定され、基準信号EXT1としてLレベルが入力され、基準信号EXTφとしてLレベルが入力される場合には、第6の配線76から電圧参照端子41aに印加される参照電圧が、定電圧電源の電圧V、第1の配線71の抵抗R1、第4の配線74の抵抗R4、第5の配線75の抵抗R及び第7の配線77の抵抗R5により決定される。
【0056】
以上のように、参照電圧生成回路44は、2系統の基準信号を入力可能な論理素子を有し、論理素子からの出力信号に基づいて4種類の異なる参照電圧を生成可能である。論理素子は、2系統の基準信号から4種類の出力信号を生成できる。遊技機1は、参照電圧生成回路44に基準信号を入力可能な論理素子を設ける構成であるので、論理素子を利用しない場合に比べて参照電圧生成回路44の設計自由度を向上させることができる。また、参照電圧生成回路44は、4種類の異なる参照電圧を生成可能であるので、ドライバIC41がステッピングモータ30へ出力する定電流の大きさを様々に調整可能とする点で特に顕著である。
【0057】
図7は可動部材移動機構19aの回路構成の第4例を示している。
図7に示す回路構成は、
図6に示す回路構成と比べて参照電圧生成回路の内容のみが異なり、他の部分は一致する。
【0058】
参照電圧生成回路45は、
図7に示すように、基準信号EXT1及び基準信号EXTφを入力可能な論理素子(3つのNOTゲート50a、1つのNORゲート50b及び2つのNANDゲート50c)を有している。また、参照電圧生成回路45は、第1のトランジスタTr1を並列に有する第1の配線81と、第1の配線81と直列に接続され、第2のトランジスタTr2を並列に有する第2の配線82と、第2の配線82の第1の配線81側とは逆側において第2の配線82と直列に接続され、第3のトランジスタTr3を並列に有する第3の配線83と、第1の配線81の第2の配線82側とは逆側において第1の配線81と定電圧電源と(+V)の間に接続される第4の配線84と、第1の配線81及び第4の配線84の合流部と電圧参照端子41aとの間に接続される第5の配線85とを有している。また、参照電圧生成回路45は、第3の配線83の第2の配線82側とは逆側に第6の配線86を更に有している。なお、第1の配線81は抵抗R1を有し、第2の配線82は抵抗R2を有し、第3の配線83は抵抗R3を有し、第4の配線84は抵抗Rを有し、第6の配線86は抵抗R4を有しており、第6の配線86の第3の配線83とは逆側の端部はグラウンドに接続されている。また、抵抗R1、抵抗R2、抵抗R3及び抵抗R4は、抵抗値がそれぞれ異なっている。参照電圧生成回路45は、
図6の参照電圧生成回路44から第4の配線74を取り除いた構成である。
【0059】
参照電圧生成回路45の第1のトランジスタTr1、第2のトランジスタTr2及び第3のトランジスタTr3は、
図6の参照電圧生成回路44の第1のトランジスタTr1、第2のトランジスタTr2及び第3のトランジスタTr3と同様に駆動可能である。したがって、参照電圧生成回路45は、これらのトランジスタの駆動状態に応じて4種類の異なる参照電圧を生成可能である。具体的には、基準信号EXT1としてHレベルが入力され、基準信号EXTφとしてHレベルが入力される場合には、第5の配線85から電圧参照端子41aに印加される参照電圧が、定電圧電源の電圧V、第4の配線84の抵抗R及び第6の配線86の抵抗R4により決定され、基準信号EXT1としてHレベルが入力され、基準信号EXTφとしてLレベルが入力される場合には、第5の配線85から電圧参照端子41aに印加される参照電圧が、定電圧電源の電圧V、第3の配線83の抵抗R3、第4の配線84の抵抗R及び第6の配線86の抵抗R4により決定される。また、基準信号EXT1としてLレベルが入力され、基準信号EXTφとしてHレベルが入力される場合には、第5の配線85から電圧参照端子41aに印加される参照電圧が、定電圧電源の電圧V、第2の配線82の抵抗R2、第4の配線84の抵抗R及び第6の配線86の抵抗R4により決定され、基準信号EXT1としてLレベルが入力され、基準信号EXTφとしてLレベルが入力される場合には、第5の配線85から電圧参照端子41aに印加される参照電圧が、定電圧電源の電圧V、第1の配線81の抵抗R1、第4の配線84の抵抗R及び第6の配線86の抵抗R4により決定される。
【0060】
以上のように、参照電圧生成回路45は、2系統の基準信号を入力可能な論理素子を有し、論理素子からの出力信号に基づいて4種類の異なる参照電圧を生成可能である。論理素子は、2系統の基準信号から4種類の出力信号を生成できる。遊技機1は、参照電圧生成回路45に基準信号を入力可能な論理素子を設ける構成であるので、論理素子を利用しない場合に比べて参照電圧生成回路45の設計自由度を向上させることができる。また、参照電圧生成回路45は、4種類の異なる参照電圧を生成可能であるので、ドライバIC41がステッピングモータ30へ出力する定電流の大きさを様々に調整可能とする点で特に顕著である。
【0061】
[その他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されない。
【0062】
上記実施形態では、
図4から
図7に基づいて可動部材移動機構19aの回路構成の例を説明したが、可動部材移動機構19aの参照電圧生成回路は、
図4から
図7に示されるものに限定されない。
図4に示すように、参照電圧生成回路は、1系統の基準信号を入力可能な論理素子を有し、論理素子からの出力信号に基づいて2種類の異なる参照電圧を生成可能であってもよいし、
図5から
図7に示すように、参照電圧生成回路は、2系統の基準信号を入力可能な論理素子を有し、論理素子からの出力信号に基づいて4種類の異なる参照電圧を生成可能であってもよいが、例えば、参照電圧生成回路は、2系統以上の基準信号を入力可能な論理素子を有し、論理素子からの出力信号に基づいて3種類以上の異なる参照電圧を生成可能であってもよい。
【0063】
上記実施形態では、参照電圧生成回路が、2から4のトランジスタを有するものについて説明したが、参照電圧生成回路は、2以上のトランジスタを有していればよい。
【0064】
上記実施形態では、可動部材19が遊技盤10に設けられ、ドライバIC及び参照電圧生成回路を有するモータ制御基板40が遊技盤10面内に設けられているものについて説明したが、これに限定されない。例えば、可動部材19が前面枠2に設けられ、モータ制御基板40が前面枠2内設けられているものであってもよい。
【0065】
上記実施形態では、配線に設けられる抵抗の抵抗値が配線ごとに異なるものについて説明したが、これに限定されない。例えば、配線に設けられる抵抗は、可変抵抗であってもよい。抵抗が可変抵抗であれば、遊技機1にモータ制御基板40が組み込まれる前の任意のタイミングで抵抗の抵抗値を設定できるので、参照電圧生成回路の設計自由度を更に向上させることができる。
【0066】
上記実施形態では、参照電圧生成回路の論理素子として負論理の論理素子のみを採用するものについて説明したが、論理素子は負論理の論理素子に限定されない。例えば、参照電圧生成回路の論理素子として正論理の論理素子が用いられてもよく、正論理の論理素子と負論理の論理素子とが組み合わせて用いられてもよい。
【0067】
上記実施形態では、演出制御基板200からの制御信号に基づいて可動部材19を移動制御する可動部材移動機構19aについて説明したが、可動部材移動機構19aは、演出制御基板200からの制御信号に基づいて可動部材19を移動制御するものに限定されない。例えば、可動部材移動機構は、払出制御基板300からの制御信号に基づいて可動部材を移動制御するものであってもよい。
【0068】
上記実施形態によりサポートされる遊技機について、以下に付記する。
【0069】
[付記0]
ステッピングモータと、電圧参照端子を有し、前記電圧参照端子に印加される参照電圧に応じて決定される定電流を用いて前記ステッピングモータを駆動制御するドライバICと、演出制御基板又は検査用冶具から出力される基準信号を入力可能であり、前記基準信号に基づいて生成される参照電圧を前記電圧参照端子に印加する参照電圧生成回路とを備え、前記参照電圧生成回路が、前記基準信号に基づいて2種類以上の異なる前記参照電圧を生成可能である遊技機。
【0070】
付記0の遊技機は、参照電圧生成回路を備える構成であるので、ステッピングモータに供給する電流の大きさを容易に変更できる。
【0071】
[付記1]
ステッピングモータと、電圧参照端子を有し、前記電圧参照端子に印加される参照電圧に応じて決定される定電流を用いて前記ステッピングモータを駆動制御するドライバICと、演出制御基板又は検査用冶具から出力される基準信号を入力可能であり、前記基準信号に基づいて生成される参照電圧を前記電圧参照端子に印加する参照電圧生成回路とを備え、前記参照電圧生成回路が、前記基準信号を入力可能な論理素子を有し、前記論理素子からの出力信号に基づいて2種類以上の異なる前記参照電圧を生成可能である遊技機。
【0072】
付記1の遊技機は、参照電圧生成回路に基準信号を入力可能な論理素子を設ける構成であるので、ステッピングモータに供給する電流の大きさを変更するための回路である参照電圧生成回路の設計自由度を向上させることができる。
【0073】
[付記2]
前記参照電圧生成回路が、前記論理素子からの出力信号に基づいて駆動状態を切り換え可能なトランジスタを2以上有し、前記トランジスタの駆動状態に応じて異なる前記参照電圧を生成可能である付記1に記載の遊技機。
【0074】
付記2の遊技機は、参照電圧生成回路が、論理素子からの出力信号に基づいてトランジスタの駆動状態を切り換え、トランジスタの駆動状態に応じて異なる参照電圧を生成できる構成であるので、参照電圧生成回路の設計自由度を向上させることができる。
【0075】
[付記3]
前記参照電圧生成回路が、第1のトランジスタを有する第1の配線と、前記第1の配線と並列に配設され、第2のトランジスタを有する第2の配線と、前記第1の配線及び前記第2の配線の合流部と定電圧電源との間に接続される第3の配線と、前記合流部と前記電圧参照端子との間に接続される第4の配線とを有し、入力される前記基準信号の種類に応じて前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタのいずれか一方を駆動可能である付記2に記載の遊技機。
【0076】
付記3の遊技機は、入力される基準信号の種類に応じて第1のトランジスタ及び第2のトランジスタのいずれか一方を駆動できるので、2種類の異なる参照電圧を適切に生成できる。
【0077】
[付記4]
ステッピングモータと、電圧参照端子を有し、前記電圧参照端子に印加される参照電圧に応じて決定される定電流を用いて前記ステッピングモータを駆動制御するドライバICと、演出制御基板又は検査用冶具から出力される2系統以上の基準信号を入力可能であり、前記基準信号に基づいて生成される参照電圧を前記電圧参照端子に印加する参照電圧生成回路とを備え、前記参照電圧生成回路が、前記基準信号を入力可能な論理素子を有し、前記論理素子からの出力信号に基づいて3種類以上の異なる前記参照電圧を生成可能である遊技機。
【0078】
付記4の遊技機は、参照電圧生成回路に2系統以上の基準信号を入力可能な論理素子を設ける構成であるので、ステッピングモータに供給する電流の大きさを変更するための回路である参照電圧生成回路の設計自由度を向上させることができる。
【0079】
[付記5]
前記参照電圧生成回路が、前記論理素子からの出力信号に基づいて駆動状態を切り換え可能なトランジスタを3以上有し、前記トランジスタの駆動状態に応じて異なる前記参照電圧を生成可能である付記4に記載の遊技機。
【0080】
付記5の遊技機は、参照電圧生成回路が、論理素子からの出力信号に基づいて3以上のトランジスタの駆動状態を切り換え、トランジスタの駆動状態に応じて異なる参照電圧を生成できる構成であるので、参照電圧生成回路の設計自由度を向上させることができる。
【0081】
[付記6]
前記参照電圧生成回路が、第1のトランジスタを並列に有する第1の配線と、前記第1の配線と直列に接続され、第2のトランジスタを並列に有する第2の配線と、前記第2の配線の前記第1の配線側とは逆側において前記第2の配線と直列に接続され、第3のトランジスタを並列に有する第3の配線と、前記第1の配線の前記第2の配線側とは逆側において前記第1の配線と定電圧電源との間に接続される第4の配線と、前記第1の配線及び前記第4の配線の合流部と前記電圧参照端子との間に接続される第5の配線とを有し、入力される前記基準信号の種類に応じて前記第1のトランジスタ、前記第2のトランジスタ及び前記第3のトランジスタの1又は複数を駆動可能である付記5に記載の遊技機。
【0082】
付記6の遊技機は、入力される2系統以上の基準信号の種類に応じて第1のトランジスタ第2のトランジスタ及び第3のトランジスタの1又は複数を駆動できるので、3種類以上の異なる参照電圧を適切に生成できる。
【0083】
[付記7]
前記ドライバIC及び前記参照電圧生成回路が、遊技盤面内の基板に設けられる付記1から付記6のいずれか1項に記載の遊技機。
【0084】
付記7の遊技機は、遊技盤面内の基板にドライバIC及び参照電圧生成回路を設けるので、遊技盤において可動部材を動作させる可動部材移動機構を構成することができる。
【0085】
[付記8]
前記参照電圧生成回路が、前記演出制御基板から出力されるHレベルの基準信号を入力可能であり、前記検査用冶具から出力されるLレベルの基準信号を入力可能である付記1から付記7のいずれか1項に記載の遊技機。
【0086】
付記8の遊技機は、遊技時に演出制御基板を参照電圧生成回路に接続し、検査時に検査用冶具を参照電圧生成回路に接続することによって、市場に投入される際に演出制御基板からの基準信号によりステッピングモータを正規のトルクで駆動させ、検査時に検査用冶具からの基準信号によりステッピングモータを正規よりも低いトルクで駆動させることができる。
【符号の説明】
【0087】
1 遊技機
2 前面枠
2a 窓部
3 ランプ
4 スピーカー
4a 上部スピーカー
4b 下部スピーカー
5 上皿
6 下皿
7 発射ハンドル
7a 発射装置
8 演出操作部
10 遊技盤
10a 遊技領域
10b セグメント表示領域
11 液晶表示装置
12 第1始動口
12a 第1始動口センサー
13 第2始動口
13a 第2始動口センサー
13b 始動口ソレノイド
14 作動ゲート
14a ゲートセンサー
15 大入賞口
15a 大入賞口センサー
15b 大入賞口ソレノイド
16 アウト口
17 発射レール
18 装飾部材
19 可動部材
19a 可動部材移動機構
20 セグメント表示部
30 ステッピングモータ
30a,30b ステータ
30c ロータ
40 モータ制御基板
41 ドライバIC
41a 電圧参照端子
41b 電流端子
42~45 参照電圧生成回路
50a NOTゲート
50b NORゲート
50c NANDゲート
51~54,61~65,71~77,81~86 配線
100 主制御基板
200 演出制御基板
300 払出制御基板