IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クリスティ デジタル システムズ ユーエスエイ インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】LEDモジュール継ぎ目照明
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20221213BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20221213BHJP
   F21V 7/10 20060101ALI20221213BHJP
   F21V 7/28 20180101ALI20221213BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20221213BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20221213BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20221213BHJP
   G09F 9/40 20060101ALI20221213BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20221213BHJP
   F21Y 105/10 20160101ALN20221213BHJP
   F21Y 107/50 20160101ALN20221213BHJP
   F21Y 107/90 20160101ALN20221213BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20221213BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221213BHJP
【FI】
G09F9/00 336Z
F21V7/00 320
F21V7/00 350
F21V7/00 510
F21V7/00 530
F21V7/10 300
F21V7/28
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V31/00 450
G09F9/33
G09F9/40 301
F21Y103:10
F21Y105:10
F21Y107:50
F21Y107:90
F21Y113:13
F21Y115:10
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018176798
(22)【出願日】2018-09-21
(65)【公開番号】P2019074732
(43)【公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-07-09
(31)【優先権主張番号】15/725,716
(32)【優先日】2017-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508191949
【氏名又は名称】クリスティ デジタル システムズ ユーエスエイ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】アデマ ダニエル ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ヘンフィル ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】レミュー マルク
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-031247(JP,A)
【文献】特開平07-059035(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105044964(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0114971(US,A1)
【文献】特開2016-110131(JP,A)
【文献】特開2002-304135(JP,A)
【文献】国際公開第2016/075196(WO,A2)
【文献】国際公開第2012/036081(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3203324(JP,U)
【文献】特表2012-508955(JP,A)
【文献】中国実用新案第202285170(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S2/00
F21V1/00-15/04
19/00-19/06
23/00-99/00
G09F9/00-9/46
G09G3/00-3/08
3/12
3/16
3/19-3/26
3/30
3/34
3/38
H01L27/32
51/50
H04N5/66-5/74
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDディスプレイシステムであって、
隣接配置でLEDモジュールを固定する結合アセンブリと、
第1のLEDモジュールおよび第2のLEDモジュールであって、画像化方向から視認可能な画像化照明を生成するために配置される画像化画素のセットを有する画像化側を有し、結合アセンブリと結合され、かつその間に継ぎ目を形成するために隣接して配置される、第1のLEDモジュールおよび第2のLEDモジュールと、
前記継ぎ目を通じて継ぎ目照明を生成する前記第1のLEDモジュールおよび前記第2のLEDモジュールの後方に配置される照明画素のセットと、
を備え、
前記第1のLEDモジュールは、その画像化側とは反対の後方側を備え、前記照明画素のセットは、前記後方側に配置され、
前記継ぎ目は、前記第1のLEDモジュールと前記第2のLEDモジュールとの間の平面を規定し、
前記LEDディスプレイシステムは、前記第1のLEDモジュールおよび前記第2のLEDモジュールの後部に配置される反射器をさらに備え、前記反射器は、前記第1のLEDモジュール、前記第2のLEDモジュール、および前記結合アセンブリの1つから前記継ぎ目の前記平面へ向けて延び、前記継ぎ目を通じて前記継ぎ目照明を方向付け、
前記反射器は、一連の凹部を備え、前記一連の凹部は、前記照明画素のセットとピッチで整列される、
LEDディスプレイシステム。
【請求項2】
前記LEDディスプレイシステムは、
メディアソースに従う画像化特性を制御し、前記画像化特性は、前記画像化画素のセットの少なくとも1つの画像化画素の色および強度の少なくとも1つを含み、
照明スキームに従う照明特性を制御し、前記照明特性は、前記照明画素のセットの少なくとも1つの照明画素の色および強度の少なくとも1つを含み、前記照明スキームは、少なくとも前記画像化特性に応じて、前記照明特性を制御することを含む、
ように構成される制御部をさらに備える請求項1に記載のLEDディスプレイシステム。
【請求項3】
前記照明スキームは、前記継ぎ目照明を、前記第1のLEDモジュールの画像化画素のセットの平均強度、前記第2のLEDモジュールの画像化画素のセットの平均強度、および前記画像化画素のセットの平均強度のうちの1つと一致させるために、前記照明画素のセットの強度を制御することを含む、請求項2に記載のLEDディスプレイシステム。
【請求項4】
前記第1のLEDモジュールは、
その画像化側とは反対の後方側を備え、前記照明画素のセットは、前記後方側に配置され、前記照明画素のセットは、前記照明画素のセットの各照明画素が、前記第1のLEDモジュールの前記画像化画素のセットの対応する画像化画素と対応するように、前記第1のLEDモジュールの前記画像化画素のセットとピッチで整列され、
前記照明スキームは、前記照明画素のセットの少なくとも1つの照明画素の色および強度の少なくとも1つを、その対応する画像化画素で追跡することを含む、請求項2に記載のLEDディスプレイシステム。
【請求項5】
前記第1のLEDモジュールの前記後方側は、縁部を有し、前記照明画素のセットは、前記縁部に沿って配置される、請求項1に記載のLEDディスプレイシステム。
【請求項6】
前記第1のLEDモジュールの前記後方側の前記縁部は、面取りされる、請求項5に記載のLEDディスプレイシステム。
【請求項7】
前記第1のLEDモジュールの前記後方側は、周辺部を有し、前記照明画素のセットは、前記周辺部に沿って配置される、請求項1に記載のLEDディスプレイシステム。
【請求項8】
前記第1のLEDモジュールの前記後方側および前記反射器の少なくとも1つは、光学コーティングで処理される、請求項1に記載のLEDディスプレイシステム。
【請求項9】
前記反射器は、前記第1のLEDモジュールの前記後方側に可逆的に取付可能である、請求項1に記載のLEDディスプレイシステム。
【請求項10】
前記結合アセンブリによって結合される第1のLEDタイルおよび第2のLEDタイルをさらに備え、前記第1のLEDモジュールは、前記第1のLEDタイル上に配置され、前記第2のLEDモジュールは、前記第2のLEDタイル上に配置され、前記継ぎ目は、前記第1のLEDタイルと前記第2のLEDタイルとの間に形成される、請求項1に記載のLEDディスプレイシステム。
【請求項11】
記反射器は、前記結合アセンブリから前記継ぎ目の前記平面へ向けて延びる、請求項10に記載のLEDディスプレイシステム。
【請求項12】
前記反射器は、前記第1のLEDモジュールの前記後方側に可逆的に取付可能である、請求項11に記載のLEDディスプレイシステム。
【請求項13】
LEDディスプレイシステムで使用するためのLEDモジュールであって、
画像化照明を生成するための第1の側に配置される画像化画素のセットと、
継ぎ目照明を生成するために、第2の側の縁部に隣接して配置される照明画素のセットであって、前記第2の側は、前記第1の側の反対である、照明画素のセットと、
前記縁部の周囲に前記継ぎ目照明を方向付けるために前記第2の側から延びる反射器と、
を備え、
前記反射器は、一連の凹部を備え、前記一連の凹部は、前記照明画素のセットとピッチで整列される、
LEDモジュール。
【請求項14】
前記第2の側の縁部は、面取りされる、請求項13に記載のLEDモジュール。
【請求項15】
前記第2の側および前記反射器の少なくとも1つは、光学コーティングで処理される、請求項13に記載のLEDモジュール。
【請求項16】
LEDディスプレイシステムで使用するためのLEDタイルであって、
LEDモジュールを固定する結合アセンブリであって、前記結合アセンブリは、少なくとも1つのLEDモジュールが配置されて隣接する縁部を有し、前記少なくとも1つのLEDモジュールは、継ぎ目照明を生成する照明画素のセットを有する、結合アセンブリと、
前記結合アセンブリの前記縁部の周囲の前記継ぎ目照明を方向付けるために、前記結合アセンブリから延びる反射器と、
を備え、
前記反射器は、一連の凹部を備え、前記一連の凹部は、前記照明画素のセットとピッチで整列される、
LEDタイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はLED(light emitting diode)ディスプレイシステムに関し、特に、LEDモジュールを有するタイル状LEDディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
LEDモジュール(LEDモジュール基板とも呼ばれる)を有するタイル状LEDディスプレイシステムの設計における関心事は、隣接するLEDモジュール間の継ぎ目、特に隣接するLEDタイルにわたるLEDモジュール間の継ぎ目における「暗線」欠陥の出現である。暗線欠陥は、隣接するLEDモジュール間の間隔が、隣接するLEDモジュールにとって、1つのLEDモジュールから次のLEDモジュールへの連続画像の印象を作り出すには大きすぎる場合に、観察者にとって時々見える可視暗線を指す。そのような暗線欠陥が知覚される最大モジュール間隔誤差は、典型的にはLEDモジュールの公称画素ピッチの約5%である。例えば、1.2mmの公称画素ピッチは1.2×0.05=0.06mm(60μm)の間隔誤差を生じ、その結果、観察者による暗線欠陥の知覚を回避するために、モジュール境界を横切る1.26mm以下の画素ピッチが必要とされる。
【0003】
したがって、タイル状LEDディスプレイシステムに配置されるLEDモジュールは、暗線欠陥の出現を避けるために、許容可能な間隔誤差を最小限に抑えながら、互いに接近して配置されることが多い。LEDモジュール同士を厳密に離間させるこの要件は、設計、製造、および設置の困難な要件をもたらす。このような要件に従う場合でさえ、暗線欠陥の発生は持続し得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、タイル状直視型LEDディスプレイシステムにおける隣接するLEDモジュール間の継ぎ目から生じる暗線欠陥の低減に関する。本開示は隣接するLEDモジュール間の継ぎ目を照明し、それによって暗線欠陥を低減するための照明画素のセットを含むLEDディスプレイシステムを開示する。
【0005】
本開示の一態様によれば、LEDディスプレイシステムは、隣接配置でLEDモジュールを固定する結合アセンブリと、第1のLEDモジュールおよび第2のLEDモジュールであって、画像化方向から視認可能な画像化照明を生成するために配置される画像化画素のセットを有する画像化側を有し、前記結合アセンブリと結合され、かつその間に継ぎ目を形成するために隣接して配置される、第1のLEDモジュールおよび第2のLEDモジュールと、前記継ぎ目を通じて継ぎ目照明を生成する前記第1のLEDモジュールおよび前記第2のLEDモジュールの後方に配置される照明画素のセットと、を含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、前記LEDディスプレイシステムは、メディアソースに従う画像化特性を制御し、前記画像化特性が、前記画像化画素のセットの少なくとも1つの画像化画素の色および強度の少なくとも1つを含み、照明スキームに従う照明特性を制御し、前記照明特性は、前記照明画素のセットの少なくとも1つの照明画素の色および強度の少なくとも1つを含み、前記照明スキームは、少なくとも前記画像化特性に応じて、前記照明特性を制御することを含む、ように構成される制御部を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記照明スキームは、前記継ぎ目照明を、前記第1のLEDモジュールの画像化画素のセットの平均強度、前記第2のLEDモジュールの画像化画素のセットの平均強度、および前記画像化画素のセットの平均強度のうちの1つと一致させるために、照明画素のセットの強度を制御することを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記第1のLEDモジュールは、その画像化側とは反対の後方側を有し、前記照明画素のセットは、前記後方側に配置され、前記照明画素のセットは、前記照明画素のセットの各照明画素が、前記第1のLEDモジュールの前記画像化画素のセットの対応する画像化画素と対応するように、前記第1のLEDモジュールの前記画像化画素のセットとピッチで整列され、前記照明スキームは、前記照明画素のセットの少なくとも1つの照明画素の色および強度の少なくとも1つを、その対応する画像化画素で追跡することを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記第1のLEDモジュールは、その画像化側とは反対の後方側を有し、前記照明画素のセットは、前記後方側に配置され、前記継ぎ目は、前記第1のLEDモジュールと前記第2のLEDモジュールとの間の平面を規定し、前記LEDディスプレイシステムは、前記第1のLEDモジュールおよび前記第2のLEDモジュールの後部に配置される反射器をさらに備え、前記反射器は、前記第1のLEDモジュール、前記第2のLEDモジュール、および前記結合アセンブリの1つから前記継ぎ目の前記平面へ向けて延び、前記継ぎ目を通じて前記継ぎ目照明を方向付ける。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記第1のLEDモジュールの前記後方側は、縁部を有し、前記照明画素のセットは、前記縁部に沿って配置される。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記第1のLEDモジュールの前記後方側の前記縁部は、面取りされる。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記第1のLEDモジュールの前記後方側は、周辺部を有し、前記照明画素のセットは、前記周辺部に沿って配置される。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記反射器は、一連の凹部を備え、前記一連の凹部は、前記照明画素のセットとピッチで整列される。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記第1のLEDモジュールの前記後方側および前記反射器の少なくとも1つは、光学コーティングで処理される。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記反射器は、前記第1のLEDモジュールの前記後方側に可逆的に取付可能である。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記結合アセンブリによって結合される第1のLEDタイルおよび第2のLEDタイルを含み、前記第1のLEDモジュールは、前記第1のLEDタイル上に配置され、前記第2のLEDモジュールは、前記第2のLEDタイル上に配置され、前記継ぎ目は、前記第1のLEDタイルと前記第2のLEDタイルとの間に形成される。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記第1のLEDモジュールは、その画像化側とは反対の後方側を有し、前記照明画素のセットは、前記後方側に配置され、前記継ぎ目は、前記第1のLEDモジュールと前記第2のLEDモジュールとの間の平面を規定し、前記LEDディスプレイシステムは、前記第1のLEDモジュールおよび前記第2のLEDモジュールの後方に配置される反射器をさらに備え、前記反射器は、前記結合アセンブリから前記継ぎ目の前記平面に向けて延び、前記継ぎ目を通じて前記継ぎ目照明を方向付ける。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記反射器は、前記第1のLEDモジュールの前記後方側に可逆的に取付可能である。
【0019】
本開示の別の態様によれば、LEDディスプレイシステムで使用するためのLEDモジュールは、画像化照明を生成するための第1の側面上に配置される画像化画素のセットと、継ぎ目照明を生成するために、第2の側の縁部に隣接して配置される照明画素のセットであって、前記第2の側は、前記第1の側の反対である、照明画素のセットと、前記縁部の周囲に前記継ぎ目照明を方向付けるために前記第2の側から延びる反射器と、を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記反射器は、一連の凹部を備え、前記一連の凹部は、前記照明画素のセットとピッチで整列される。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記第2の側の縁部は、面取りされる。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記第2の側および前記反射器の少なくとも1つは、光学コーティングで処理される。
【0023】
本開示の別の態様によれば、LEDディスプレイシステムで使用するためのLEDタイルは、LEDモジュールを固定する結合アセンブリであって、前記結合アセンブリは、少なくとも1つのLEDモジュールが配置されて隣接する縁部を有し、前記少なくとも1つのLEDモジュールは、継ぎ目照明を生成する照明画素のセットを有する、結合アセンブリと、前記結合アセンブリの前記縁部の周囲の前記継ぎ目照明を方向付けるために、前記結合アセンブリから延びる反射器と、を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、前記反射器は、一連の凹部を備え、前記一連の凹部は、前記照明画素のセットとピッチで整列される。
【0025】
LEDディスプレイシステムの他の特徴および利点は、以下でより十分に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
ここで、添付の図面を参照して、単なる例として、非限定的な実施形態を説明する。
【0027】
図1図1は、タイル状LEDディスプレイシステムの概略図である。
図2図2は、いくつかの隣接するLEDモジュールを有するLEDタイルの組立図である。
図3図3は、隣接する2つのLEDモジュールの角部とその間の継ぎ目を示す拡大模式図である。
図4図4は、2つの隣接するLEDモジュールの画素強度を示す強度プロットである。
図5A図5Aは、画像化画素のセットをその上に有するLEDモジュールの画像化側の概略図である。
図5B図5Bは、周囲に照明画素のセットを有するLEDモジュールの背面の概略図である。
図6図6はLEDタイル上のLEDモジュールの部分斜視図であり、隣接するLEDタイルのLEDモジュールとLEDモジュールとの間の継ぎ目によって規定される平面を示す。
図7図7は、背面に照明画素を有する2つの隣接するLEDタイルの2つの隣接するLEDモジュールと、2つの隣接するLEDモジュール間の継ぎ目を照明する反射器との部分断面図である。
図8A図8Aは、連続的に湾曲した反射体を有する2つの隣接するLEDタイルの2つの隣接するLEDモジュールの部分断面図である。
図8B図8Bは、直線状角度の反射体を有する2つの隣接するLEDタイルの2つの隣接するLEDモジュールの部分断面図である。
図8C図8Cは、LEDモジュールに一体化された反射体を有する2つの隣接するLEDタイルの2つの隣接するLEDモジュールの部分断面図である。
図8D図8Dは、2つの隣接するLEDタイルの2つの隣接するLEDモジュールの部分断面図である。
図9図9は、一連の凹部を有する反射器を有するLEDタイル上のLEDモジュールの部分斜視図である。
図10図10は、周囲に照明画素のセットを有するLEDモジュールを有するLEDタイルの背面の概略図である。
図11A図11Aは、LEDタイルの側縁に隣接する照明画素のセットを有するLEDモジュールを有するLEDタイルの背面の概略図である。
図11B図11Bは、LEDタイルの側縁に沿って照明画素のセットを有するLEDモジュールを有するLEDタイルの背面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示は、LEDディスプレイシステムにおいて、LEDモジュール基板と呼ばれることもある、隣接するLEDモジュール間の継ぎ目から生じる暗線欠陥の低減に関する。LED表示システム内の隣接するLEDモジュール間の継ぎ目またはギャップが、LED表示システムが1つのLEDモジュールから次のLEDモジュールへの連続画像の印象を作り出すには大きすぎる場合、暗線欠陥が生じ得る。暗線欠陥の発生は、タイル状LEDディスプレイシステムにおける隣接するLEDタイルの隣接するLEDモジュール間で特に明らかである。
【0029】
本開示によれば、LEDディスプレイシステムは、第1のLEDモジュールと、第1のLEDモジュールに隣接する少なくとも1つの第2のLEDモジュールとを含む、隣接するLEDモジュールを固定するための結合アセンブリを有する。結合アセンブリは、第1および第2のLEDモジュールを、LEDタイル内およびLEDタイル間に隣接する配置で固定する。
【0030】
LEDモジュールは、画像化方向から見える画像を生成するために、その画像化側に配置された画像化画素のセットを有する。少なくとも第1のLEDモジュールはまた、隣接するLEDモジュール間の継ぎ目を照明するために、画像化側と反対の後方側に位置する照明画素のセットを有する。いくつかの実施形態では、照明画素は、隣接するLEDタイルを横切る隣接するLEDモジュール間の継ぎ目を照明する。いくつかの実施形態では、照明画素が反射器で反射され、継ぎ目に向けられる照明を提供し、それにより、継ぎ目を照明し、暗線欠陥を低減する。暗線欠陥を低減することは、一般に、LEDディスプレイシステムによって生成される画像の外観を改善し、LEDディスプレイシステムの製造および組立における継ぎ目公差のより大きな柔軟性を可能にする。
【0031】
いくつかの実施形態では、LEDディスプレイシステムは、継ぎ目照明が、画像化画素によって生成される画像と色または強度で混合するように、生成される画像に応答して、画像化画素を制御し、照明画素を制御するための制御ユニットを有してもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、画像化画素および照明画素が同じまたは類似のLEDチップを使用してもよく、照明画素は、画像化画素とピッチで整列されてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、LEDディスプレイシステムまたはLEDモジュールの物理的構成要素は、照明画素から継ぎ目に向かう光結合を改善するように設計することができる。例えば、LEDモジュールの後方側は、光結合を改善するために、継ぎ目に向かって面取りされてもよい。別の例として、反射器は、継ぎ目に向かってより正確に照明を向けるために、各照明画素と位置合わせされた一連の凹部を組み込んでもよい。別の例として、LEDディスプレイシステムまたはLEDモジュールの部分は、所望の光学特性を達成するために、拡散コーティングまたは反射コーティングなどの光学コーティングで処理されてもよい。
【0034】
暗線欠陥を示し得るLEDモジュールを有するLEDディスプレイシステムの非限定的な実施形態が、以下の図1~4に提示される。便宜上、参照番号は、類似の構成要素または特徴を示すために(オフセットの有無にかかわらず)繰り返されることがある。
【0035】
図1は、非限定的な実施形態による、LEDディスプレイシステム100の概略図である。LED表示システム100は、LED表示システム100によって表示される画像フィードまたはビデオフィードなどの入力を提供するメディアソース110を含む。メディアソース110は、コンピューティングデバイス、DVD、CD‐ROM、または他のメディアプレーヤ、カメラ、カムコーダ、またはLEDディスプレイシステム100に画像またはビデオフィードを提供することができる任意の他のメディアデバイスを備えることができる。
【0036】
LEDディスプレイシステム100はさらに、ビデオマトリックススイッチおよびスプライシングビデオプロセッサ112(以下、スイッチおよびプロセッサ112と称する)を備える。スイッチおよびプロセッサ112は、少なくとも1つのメディアソース110から画像フィードまたはビデオフィードを受信する。複数のメディアソース110がLED表示システム100に接続される実施形態では、スイッチおよびプロセッサ112がLED表示システム100による表示のために、単一のメディアソース110を選択するように、または複数のメディアソース110を混合および処理するように構成可能である。
【0037】
LEDディスプレイシステム100は、制御部114、制御コンピュータ116、およびLEDディスプレイ120をさらに含む。制御部114は、スイッチ&プロセッサ112から画像またはビデオフィードを受信し、画像フィードまたはビデオフィード(以下、単に画像と呼ぶ)を表示するようにLEDディスプレイ120を制御するためのソフトウェア、ハードウェア、またはファームウェア命令を含む。制御コンピュータ116は、LEDディスプレイ120の表示を変更するために、追加の計算または制御容量を制御部114に提供するように構成された制御部114と通信するコンピューティングデバイスを備える。
【0038】
LEDディスプレイ120は、隣接して配置されたいくつかのLEDタイル130を含む。図2を参照し、図1を引き続き参照すると、各LEDタイル130が、隣接する配置でいくつかのLEDモジュール200を含むことが分かる。LEDモジュール200は、LEDディスプレイ120によって表示される画像を生成するために、制御部114によって制御されるいくつかの画素を含む。LEDディスプレイシステム100は、LEDタイル130に電力を供給するための電源118をさらに備える。
【0039】
図2は、非限定的な実施形態によるLEDタイル130の組立図である。LEDタイル130は、隣接する配置でいくつかのLEDモジュール200と結合するためのキャリアアセンブリ132を備える。キャリアアセンブリ132は、シャーシ134内に固定される。タイルシャーシ134は、いくつかのLEDタイル130をLEDディスプレイ120内に隣接して取り付け、配置するために使用され得るブロック136を取り付けるための取り付け点を有する。キャリアアセンブリ132は、LEDモジュール200が隣接して配置され得る側端縁137を有する。
【0040】
キャリアアセンブリ132、シャーシ134、および取付ブロック136は、まとめて結合アセンブリ131と呼ぶことができる。しかし、結合アセンブリ131という用語は、これに限定されるものではなく、いくつかのLEDタイル130を隣接する配置で配置するために使用されるいくつかのキャリアアセンブリ132、シャーシ134、および取付ブロック136を指すために使用されてもよい。さらに、結合アセンブリ131という用語は、隣接するLEDモジュール200が関係する個々のキャリアアセンブリ132を指す。要するに、結合アセンブリ131という用語は、LEDタイル130内で、または隣接するLEDタイル130を横切って、LEDモジュール200を隣接する配置で配置するためのLEDディスプレイシステムにおける任意の構造を指すように一般的に使用され得る。
【0041】
図3は、LEDモジュール200‐1および200‐2として示される、2つの隣接するLEDモジュール200の拡大概略図である。各LEDモジュール200‐1、200‐2は、その画像化(前)側202‐1、202‐2から示され、その上に配置された画像化画素210‐1、210‐2のセットを特徴とする。各LEDモジュール200‐1、200‐2は、画像化側202‐1、202‐2の反対側に、後方側204‐1、204‐2(図5Bおよび図6‐11参照)を有する。画像化側202‐1、202‐2において、画像化画素210‐1、210‐2は、共通ピッチ距離212に従って離間される。
【0042】
本実施形態では、画像化画素210‐1、210‐2は、1つの赤色LED、1つの緑色LED、および1つの青色LEDのグループを含む。各赤色、緑色、および青色LEDは、サブ画素と呼ぶことができる。本実施形態では、各サブ画素は、LEDチップを含み、各LEDモジュール200‐1、200‐2は、画像化側202‐1、202‐2上にLEDチップのアレイを有するプリント回路基板(PCB:printed circuit board)を含む。
【0043】
2つのLEDモジュール200‐1、200‐2は、キャリアアセンブリ132‐1、132‐2(図示せず)上に隣接して配置され、継ぎ目220として示される空間、ギャップ、または継ぎ目によって分離される。本実施形態では、LEDモジュール200‐1がLEDタイル130‐1上に配置され、LEDモジュール200‐2は、隣接するLEDタイル130‐2上に配置される。したがって、継ぎ目220は、隣接するLEDタイル130‐1、130‐2の間にある。しかし、他の実施形態では、LEDモジュール200‐1および200‐2は、LEDタイル130内のLEDモジュール200‐1、200‐2の間に継ぎ目220がある状態で、個々のLEDタイル130上に配置することができる。
【0044】
継ぎ目220は、LEDモジュール200‐1、200‐2(図6に最も良く示される)の間の空間にまたがる平面224を規定する。継ぎ目220は、継ぎ目ピッチ距離222として示される、LEDモジュール200‐1、200‐2を横切る有効ピッチ距離をもたらす。通常、LEDタイル130‐1および130‐2の設置は継ぎ目220のサイズが最小になり、継ぎ目ピッチ距離222がピッチ距離212にほぼ等しくなるように制限される。したがって、LEDタイル130‐1上のLEDモジュール200‐1からLEDタイル130‐2上のLEDモジュール200‐2への連続画像の印象は、暗線欠陥なしに生成される。上述のように、そのような暗線欠陥がそれを超えて知覚される最大モジュール間隔誤差は、典型的にはLEDモジュール200‐1、200‐2の公称画素ピッチ、すなわちピッチ距離212の約5%である。このような厳しい公差を達成するために、設計、製造、および設置における厳しい慣行が課されることが多い。しかし、そのような実施が採用される場合でさえ、継ぎ目ピッチ距離222は、ピッチ距離212から著しく変化する可能性があり、図4に示され、以下で論じられるように、暗線欠陥の発生が持続する可能性がある。
【0045】
図4は、非限定的な実施形態による、2つの隣接するLEDモジュール200‐1、200‐2の画素強度を示す強度プロット300である。一例として、プロット300は、グレースケールピーク310‐1および310‐2としてそれぞれ示される、LEDタイル130‐1、130‐2上にそれぞれ位置するLEDモジュール200‐1、200‐2の各画像化画素210‐1、210‐2の強度を示す。ピーク310‐1および310‐2は、共通のピッチ距離212を有し、この例では約0.6mmであることが分かる。プロットの左側ではLEDタイル130‐1上のLEDモジュール200‐1上の画像化画素210‐1が約240グレースケールでピークとなるのに対して、プロットの右側ではLEDタイル130‐2上のLEDモジュール200‐2上の画像化画素210‐2が約255グレースケールでピークとなることが分かる。さらに、平均強度312‐1は約160グレースケールであり、平均強度312‐2は約170グレースケールである。強度の差は、それぞれのLEDタイル130‐1、130‐2によって表示される画像の異なる画像またはセクションを表すことができる。
【0046】
LEDモジュール200‐1のピーク310‐1は、継ぎ目ピッチ距離222だけLEDモジュール200‐2のピーク310‐2から分離され、この例では約1.4mmである。継ぎ目ピッチ距離222は、LEDタイル130‐1、130‐2間の大きなギャップ、すなわち継ぎ目220を表わすように誇張されており、暗線欠陥を生じることがある。継ぎ目強度320として示される継ぎ目220を横切る平均強度は、約30グレースケールであり、大きな継ぎ目ピッチ距離222が与えられると、顕著な暗線欠陥を表す。
【0047】
継ぎ目220を追加の照明で満たすことによって継ぎ目強度320を増加させることは、暗線欠陥を低減することができる。したがって、プロット300はさらに、暗線欠陥の可視性を低減するために継ぎ目強度320を増加させることが望ましい強度レベルの非限定的な例を示している。例えば、いくつかの実施形態では、継ぎ目強度320は、それぞれ強度値330A、330B、および330Cとして示される、LEDモジュール200‐1、200‐2、またはそれらの組み合わせの平均強度の約4分の1、約2分の1、または約4分の3に達することが望ましい場合がある。このような実施形態では、LEDモジュール200‐1または200‐2のいずれか、あるいはそれらの組み合わせを、平均強度(平均強度312‐1または312‐2)の基準点として使用することができる。
【0048】
他の実施形態では、継ぎ目強度320がLEDモジュール200‐1、200‐2の平均強度と一致することが望ましい場合がある。このような実施形態では、上記のように、LEDモジュール200‐1または200‐2のいずれか、またはそれらの組み合わせを、平均強度(平均強度312‐1または312‐2)の基準点として使用することができる。LEDモジュール200‐1、200‐2の組み合わせに適合する継ぎ目強度320は、強度値330Dとして示される。
【0049】
上述したように、近くのLEDモジュール200‐1、200‐2の画素強度に応答して継ぎ目強度320を制御することは、照明スキームと呼ぶことができる。上述の照明スキームでは、継ぎ目220を横切る照明の強度の任意の増加が暗線欠陥を低減することができるので、ここで提示される望ましい強度値は例示的なものにすぎない。
【0050】
暗線欠陥の発生または深刻度を低減することができるLEDモジュール200の非限定的な実施形態を以下の図5~9に示す。便宜上、図1~4に由来するものを含む参照番号は、類似の構成要素または特徴を示すために繰り返されることがある。
【0051】
図5Aは、非限定的な実施形態による、LEDモジュール200の概略図である。LEDモジュール200は、画像化画素のセット210をその上に有する画像化(前)側202を含む。単なる例として、LEDモジュール200は、10×16ピクセルの解像度を有し、規則的なアレイで構成されるように示されているが、画像化画素210の任意の解像度または構成が企図される。
【0052】
図5Bは、LEDモジュール200を後方から見た概略図である。LEDモジュール200は、画像化側202の反対側に、照明画素のセット250が配置された後方側204を含む。
【0053】
後方側204は、縁部207を備える。後方側204は、周辺部を有し、本実施形態では、照明画素250は、周辺部206の周囲に配置される。周辺部206は、後方側204の縁部207に正確に配置される必要はないが、縁部207から画素250を照射するのに十分なクリアランスを提供するために、図示のように縁部207の内側にオフセットされてもよい。
【0054】
本実施形態では、照明画素250は、各照明画素250がLEDモジュール200と隣接するLEDモジュールとの間の継ぎ目220に近接するように、周辺部206の周囲に単一層で配置される。そのような実施形態は、以下で論じるように、LEDモジュール200の後方側204から延びる反射体の包含を容易にするために望ましい場合がある。また、このような実施形態は、継ぎ目220を照射するために単一の画素層のみが必要な場合にも望ましい。しかし、他の実施形態では、複数の照明画素250の層を使用して、追加の継ぎ目照明を提供することができる。
【0055】
本実施形態では、縁部207は、縁部207の周りの光結合を改善するために、周辺部206の周りに、面取り205として示されるように、面取りが付けられており、この特徴は以下でより詳細に論じられる。
【0056】
本実施形態では、後方側204は、さらに、後述するように、キャリアアセンブリ132と結合するための、制御部114への電気的接続を提供するための、または反射器との取り付けを提供するための空間として、内部空間208を提供する。
【0057】
本実施形態では、各照明画素250は、1つの赤色LED、1つの緑色LED、および1つの青色LEDのグループを含む。本実施形態では、各サブ画素は、画像化画素210で使用されるLEDチップと同一または類似のLEDチップを含む。しかし、他の実施形態では、画像化画素210および照明画素250は、異なるLEDチップを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、画素250を照射することはフォームファクタ、電源電圧、色深度、LEDタイプ、または画像化画素210からの他の特性において変化し得ることが望ましい場合がある。
【0058】
図6は、非限定的な実施形態による、LEDモジュール200の部分斜視図である。LEDモジュール200は、画像化側202上の画像化画素のセット210と、後方側204上の照明画素のセット250とを含む。LEDモジュール200は、側面202、204の間にモジュール本体203を含む。モジュール本体203は、画像化画素210、照明画素250、および制御部114との通信のための電気接続を有するプリント回路基板を含む。
【0059】
方向201は、照明画素250が画像化照明を生成する一般的な方向を示す。平面224は、LEDモジュール200と隣接するLEDモジュールとの間の継ぎ目220によって規定される平面を示す。本実施形態では、LEDモジュール200は、LEDタイル130上に配置され、継ぎ目220は、LEDタイル130と隣接するLEDタイル130との間にある。
【0060】
図6はさらに、LEDタイル130の結合されたキャリアアセンブリ132と一体であり、後方側204から後方に延び、図7でより詳細に後述するように、平面224に向かって湾曲する反射器260を示す。
【0061】
本実施形態では、後方側204は、継ぎ目220に向けられた照明の光学的結合を改善するために、面取り205を形成するように約45度で斜面が付けられた縁部207を有するように示されている。しかし、他の実施形態では、継ぎ目220に向かう光結合を改善するために、縁部207に面取りされなくてもよいこと、または面取り205を他の角度に形成してもよく、または湾曲させてもよいことが企図される。
【0062】
図7は、非限定的な実施形態による、2つの隣接するLEDモジュール200‐1および200‐2の部分断面図である。LEDモジュール200‐1、200‐2は、LEDタイル130‐1、130‐2上にそれぞれ配置され、その間に継ぎ目220を有し、この継ぎ目220は、平面224を規定し、継ぎ目ピッチ距離222をもたらす。画像化画素210‐1、210‐2は、画像化側202‐1、202‐2上に位置し、画像化(前方)方向201に画像化照明を生成する。LEDモジュール200‐1、200‐2は、継ぎ目照明270‐1、270‐2を生成するために、その後方側204‐1、204‐2に照明画素250‐1、250‐2を有する。
【0063】
キャリアアセンブリ132‐1、132‐2は、LEDモジュール200‐1、200‐2の後方側204‐1、204‐2から延び、平面224に向かって湾曲する一体型反射器260‐1、260‐2を含む。本実施形態では、各反射器260‐1、260‐2は、その対応するキャリアアセンブリ132‐1、132‐2と一体であり、各反射器260‐1、260‐2は、細長い部分262‐1、262‐2および湾曲部分264‐1、264‐2を備える。細長い部分262‐1、262‐2は、概して、後方側204‐1、204‐2から、画像化方向201と反対の後方方向に延びる。細長い部分262‐1、262‐2は、ほぼ平面224に向かって延びる湾曲部分264‐1、264‐2で終端する。湾曲部分264‐1、264‐2は、継ぎ目220に向かって、継ぎ目220を通して、ほぼ反射し、継ぎ目照明270‐1、270‐2を方向付けるように湾曲している。
【0064】
本実施形態では、湾曲部分264‐1、264‐2は、平面224に到達する前に終端し、少なくとも継ぎ目220と同じ幅の開口266を残すことが分かる。開口266は、LEDタイル130‐1、130‐2の隣接配置と干渉しないように十分に広い。
【0065】
動作中、一般に継ぎ目照明270‐1、270‐2として示される照明画素250からの後方照明は、照明画素250‐1、250‐2によって生成され、反射器260‐1、260‐2、特に湾曲部分264‐1、264‐2から継ぎ目220に向かって反射される。継ぎ目照明270‐1、270‐2は、継ぎ目220を通って全体的に画像化方向201に向けられる。したがって、継ぎ目ピッチ距離222が、LEDモジュール200‐1、200‐2間に暗線欠陥を生じさせるのに十分に大きい場合、暗線欠陥の深刻度を低減することができる。
【0066】
モジュール本体203‐1、203‐2は、それぞれ、画像化画素210‐1、210‐2、照明画素250‐1、250‐2との電気接続を有し、制御部114と通信するプリント回路基板を含む。いくつかの実施形態では、照明画素250‐1、250‐2は、照明スキームに従って制御される。上述したように、照明画素250‐1、250‐2は、照明画素250‐1、250‐2が配置されるLEDモジュール200‐1、200‐2または隣接するLEDモジュール200‐1、200‐2の任意の組み合わせの平均強度の約4分の1、2分の1または約4分の3に近い継ぎ目強度320を発生するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、継ぎ目強度320が照明画素250‐1、250‐2が配置されるLEDモジュール200‐1、200‐2または隣接するLEDモジュール200‐1、200‐2の平均画素強度に近づくか、またはほぼ等しくてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、照明画素250‐1、250‐2の色は、画像化画素210‐1、210‐2の色と一致し得る。
【0067】
上述の照明スキームは、画像化特性(画像化画素210‐1、210‐2の色または強度)に応答した照明特性(照明画素250‐1、250‐2の色または強度)の制御を含むものとして言及され得る。一般に、画像化特性という用語は、画像化画素210‐1、210‐2のセットにおいて少なくとも1つの画素の強度または色を指すために使用することができる。言い換えれば、画像化特性は、生成される画像に寄与する任意の画素の色または強度を指すことができる。同様に、照明特性という用語は、照明画素のセット250‐1、250‐2における少なくとも1つの画素の強度または色を指すために使用することができる。言い換えれば、照明特性は、継ぎ目照明270‐1、270‐2に寄与する任意の画素の色または強度を指すことができる。したがって、照明スキームによれば、継ぎ目220が画像化画素210‐1、210‐2によって生成される画像と混合または一致する照明画素250からの光で満たされるように、照明特性は、画像化特性に応答して、一致するように、または追跡するように制御され得る。
【0068】
画像化画素210‐1、210‐2によって生成される画像が動的であるいくつかの実施形態では、例えば、生成される画像がビデオの一部である場合、照明画素250‐1、250‐2は、変化する画像化特性に応答して、制御ユニット114によって動的に制御され得る。
【0069】
再び図5A、5B、および6を参照すると、いくつかの実施形態では、照明画素250は、画像化画素210とピッチで整列されてもよいことが分かる。このような実施形態では、各照明画素250は、画像化画素210に対応し得る。このような実施形態では、照明スキームは、各照明ピクセル250の照明特性を、その対応する画像化画素210の画像化特性に応答して制御することを含むことができる。したがって、継ぎ目照明270は、照明画素250からの画像化照明と正確に混合するように制御され、画像化画素210によって生成された画像の画素ごとに色および強度を追跡することができる。他の実施形態では、照明画素250が継ぎ目220を通して継ぎ目照明270を提供するならば、照明画素250は、画像化画素210とピッチで整列していなくてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、反射器260、モジュール本体203、面取り205、または他の構造の一部を、拡散コーティングまたは反射コーティングなどの光学コーティングで処理して、所望の光学特性を達成することができる。
【0071】
図8A、8B、8C、および8Dは、LEDモジュール200A、200B、200C、および200Dの非限定的な実施形態をさらに示し、LEDモジュール200および反射器260のいくつかの構成が企図される。
【0072】
図8Aにおいて、LEDモジュール200Aは、後方側202Aから延びる連続的に湾曲した部分262Aを備え、キャリアアセンブリ132Aと一体化した反射器260Aを有する。したがって、反射器260Aの形状はその形状が継ぎ目照明270Aを継ぎ目220Aに導く限り、変化し得ることが分かる。さらに、縁部207Aは、面取りされず、むしろ継ぎ目220Aに向かって直線状縁部にされる。したがって、縁部207を面取りすることが望ましいが、任意であることが分かる。
【0073】
図8Bにおいて、LEDモジュール200Bは、延出部262Bを備える反射器260Bを有し、さらに、キャリアアセンブリ132Bと一体の湾曲部分264の代わりに直線状角度部分264Bを備える。他の実施形態では、LEDモジュール200Bは、様々な角度で位置決めされたいくつかの直線状角度部分262Bを備えることができる。したがって、反射器260の形状は、継ぎ目照明270Bを継ぎ目220Bに向かって反射する限り、変化し得ることが分かる。
【0074】
図8Cでは、LEDモジュール200Cは、キャリアアセンブリ132Cと一体化するのではなく、LEDモジュール200Cと一体化する反射器260Cを備える。したがって、反射器260の位置は、継ぎ目照明270Cを継ぎ目220Cに向かって反射する限り、変化し得ることが分かる。
【0075】
図示しない他の実施形態では、反射器260は、LEDモジュール200、またはキャリアアセンブリ132、シャーシ134、またはLEDディスプレイ120の他の構造に可逆的に着脱可能であってもよい。
【0076】
図8Dにおいて、LEDモジュール200Dは、照明画素250Dが配置される延出部262Dを備える。照明画素250Dは、反射器からの反射なしに、継ぎ目照明270Dを継ぎ目220Dに向けるように角度が付けられている。
【0077】
図9は、別の非限定的な実施形態によるLEDモジュール200Eの部分斜視図である。LEDモジュール200Eは、一連の湾曲部分264Eを備える反射器260Eを有する。いくつかの実施形態では、示されるように、湾曲部分264Eは、画像化方向201Eにおいて湾曲部分264Eの上に位置する照明画素250Eとピッチで整列し得る。したがって、継ぎ目照明270Eは、より正確に継ぎ目220Eに向けられる。さらに、各照明画素250Eが画像化画素210Eに対応するいくつかの実施形態では、照明画素250Eからの継ぎ目照明270Eは、その対応する画像化画素210Eの近くの継ぎ目220Eにより正確に向けられ、強度および色が制御部114によって制御されると、それによって、画像化画素210Eによって生成される画像をより正確に追跡する。
【0078】
本図では、2つの隣接するLEDモジュール200の間に単一の継ぎ目220のみが示されているが、いくつかのLEDモジュール200の配置では、いくつかの継ぎ目220があってもよいことが理解されるのであろう。例えば、図10に示すように、LEDタイル130上のLEDモジュール200は、2つ、3つ、または4つの隣接するLEDモジュール200の間に継ぎ目220を有し、各継ぎ目220が照明される。さらに、LEDモジュール200が他の形状を呈する他の実施形態が存在してもよく、その形状が継ぎ目220を間に挟んで隣接して配置されてもよいことが理解されるのであろう。
【0079】
さらに、関係する継ぎ目220が隣接するLEDタイル130の間にある実施形態では、継ぎ目照明270が図11Aに示されるように、LEDタイル130の側端縁137(図2参照)の周りに向けられる。このような実施形態では、画素250を照明しないLEDモジュール200FをLEDタイル130の内部に使用することができ、照明画素250を有するLEDモジュール200をLEDタイル130の周囲に配置することができる。このような構成は、関係する継ぎ目220がLEDタイル130内の隣接するLEDモジュール200間ではなくLEDタイル130の周囲にある場合に、エネルギーを節約することができる。
【0080】
さらに、関係する継ぎ目220が隣接するLEDタイル130の間にあり、継ぎ目照明270がLEDタイル130の側端縁137の周りに向けられる実施形態では、図11Bに示されるように、LEDタイル130の側端縁137に当接する縁部207に沿った照明画素250を有する修正されたLEDモジュール200を使用することができる。このような実施形態では、角LEDモジュール200G、長辺LEDモジュール200H、および短辺LEDモジュール200J(それぞれ、LEDタイル130の側端縁137に当接する縁部207の周りのみに照明画素250を有する)を使用することができる。このような構成は、問題の継ぎ目220がLEDタイル130内の隣接するLEDモジュール200間ではなくLEDタイル130の周囲にある場合に、エネルギーを節約することができる。図11Aと同様に、画素250を照明しないLEDモジュール200Fは、LEDタイル130の内部で使用することができる。
【0081】
したがって、暗線欠陥を低減するために継ぎ目照明を提供するLEDモジュールを有するLEDディスプレイシステムを提供することができることが分かる。継ぎ目照明は、LEDモジュールの後方側の画素を照明することによって生成され、反射器によって継ぎ目を通して方向付けられ、LEDモジュールによって生成される画像と混合するように色または強度で制御され得る。したがって、設計、製造、および設置要件における継ぎ目公差のより大きな柔軟性が可能になり、暗線欠陥の発生率または深刻度を低減することができ、LEDディスプレイシステムによって生成される画像の外観を改善する。
【0082】
特許請求の範囲は、上記の実施例に記載された実施形態によって限定されるべきではなく、全体としての説明と一致する最も広い解釈が与えられるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11A
図11B