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特許7193116情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/13 20060101AFI20221213BHJP
   G06Q 10/08 20120101ALI20221213BHJP
【FI】
G08G1/13
G06Q10/08 300
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2018167244
(22)【出願日】2018-09-06
(65)【公開番号】P2020042363
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 遼平
(72)【発明者】
【氏名】藤田 時丸
(72)【発明者】
【氏名】木▲崎▼ 力
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-092921(JP,A)
【文献】特許第5842267(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G06Q 10/00 - 10/10
G06Q 30/00 - 30/08
G06Q 50/00 - 50/20
G06Q 50/26 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクターとトレーラーにより構成される配送車両を管理するための情報処理システムであって、
トラクター識別情報およびトレーラー識別情報を含む車両情報、または配送車両の許可ルートを示し、前記許可ルートの有効期限に関する情報を含む許可ルート情報を受け付ける情報受付手段と、
前記車両情報および前記許可ルート情報を対応付けて記憶した配送車両データベースを参照し、前記情報受付手段により受け付けられた前記車両情報および前記許可ルート情報のうち一方の情報をキーとして他方の情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された情報を出力する情報出力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記情報受付手段は、前記車両情報を受け付け、
前記情報取得手段は、前記情報受付手段により受け付けられた前記車両情報に対応する前記許可ルート情報を前記配送車両データベースから取得し、
前記情報出力手段は、前記情報取得手段により取得された前記許可ルート情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報出力手段は、前記情報取得手段により複数の許可ルート情報が取得された場合、両端の地点が同じ複数の許可ルートを集約したルートセットの単位で前記複数の許可ルート情報を出力することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記情報受付手段は、前記許可ルート情報を受け付け、
前記情報取得手段は、前記情報受付手段により受け付けられた前記許可ルート情報に対応する車両情報を取得し、
前記情報出力手段は、前記情報取得手段により取得された前記車両情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記情報受付手段は両端の地点が同じ複数の許可ルートを集約したルートセットの単位で前記許可ルート情報を受け付けることを特徴とする請求項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
登録用の前記車両情報および前記許可ルート情報を受け付ける登録情報受付手段と、
前記受け付けられた前記車両情報および前記許可ルート情報を対応付けて前記配送車両データベースに登録するデータベース登録手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
トラクターとトレーラーにより構成される配送車両を管理するための情報処理システムであって、
トラクター識別情報およびトレーラー識別情報を含む車両情報、または配送車両の許可ルートを示す許可ルート情報を受け付ける情報受付手段と、
前記車両情報および前記許可ルート情報を対応付けて記憶した配送車両データベースを参照し、前記情報受付手段により受け付けられた前記車両情報および前記許可ルート情報のうち一方の情報をキーとして他方の情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された情報を出力する情報出力手段と、
を備え、
前記配送車両の位置情報を取得する位置情報取得手段をさらに備え、
前記情報出力手段は、前記位置情報に基づく走行実績ルートと、前記許可ルートとを地図上に比較可能に表示するための情報を出力することを特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
トラクターとトレーラーにより構成される配送車両を管理するための情報処理システムであって、
トラクター識別情報およびトレーラー識別情報を含む車両情報、または配送車両の許可ルートを示す許可ルート情報を受け付ける情報受付手段と、
前記車両情報および前記許可ルート情報を対応付けて記憶した配送車両データベースを参照し、前記情報受付手段により受け付けられた前記車両情報および前記許可ルート情報のうち一方の情報をキーとして他方の情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された情報を出力する情報出力手段と、
を備え、
前記配送車両を配車するための配車計画情報を作成する配車計画作成手段をさらに備え、
前記情報受付手段は、前記車両情報を受け付け、
前記情報取得手段は、前記情報受付手段により受け付けられた前記車両情報に対応する前記許可ルート情報を前記配送車両データベースから取得し、
前記情報出力手段は、前記情報取得手段により取得された前記許可ルート情報を出力し、
前記情報受付手段は、前記出力された許可ルート情報からユーザが選択した許可ルート情報を受け付け、
前記配車計画作成手段は、前記受け付けられた車両情報と、前記選択された許可ルート情報とに基づいて前記配車計画情報を作成することを特徴とする情報処理システム。
【請求項9】
前記情報出力手段は、前記情報取得手段により複数の許可ルート情報が取得された場合、両端の地点が同じ複数の許可ルートを集約したルートセットを一覧表示するための情報を出力し、
前記情報受付手段は、一覧表示されたルートセットからユーザが選択したルートセットを受け付けることを特徴とする請求項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
トラクターとトレーラーにより構成される配送車両を管理するための情報処理システムであって、
トラクター識別情報およびトレーラー識別情報を含む車両情報、または配送車両の許可ルートを示す許可ルート情報を受け付ける情報受付手段と、
前記車両情報および前記許可ルート情報を対応付けて記憶した配送車両データベースを参照し、前記情報受付手段により受け付けられた前記車両情報および前記許可ルート情報のうち一方の情報をキーとして他方の情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された情報を出力する情報出力手段と、
を備え、
前記配送車両を配車するための配車計画情報を作成する配車計画作成手段をさらに備え、
前記情報受付手段は、前記許可ルート情報を受け付け、
前記情報取得手段は、前記情報受付手段により受け付けられた前記許可ルート情報に対応する車両情報を取得し、
前記情報出力手段は、前記情報取得手段により取得された車両情報を出力し、
前記情報受付手段は、前記出力された車両情報からユーザが選択した車両情報を受け付け、
前記配車計画作成手段は、前記受け付けられた許可ルート情報と、前記選択された車両情報とに基づいて前記配車計画情報を作成することを特徴とする情報処理システム。
【請求項11】
前記情報受付手段は両端の地点が同じ複数の許可ルートを集約したルートセットの単位で前記許可ルート情報を受け付けることを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
サーバと通信可能に接続された端末装置において実行され、トラクターとトレーラーにより構成される配送車両を管理するための情報処理プログラムであって、
前記サーバは、トラクター識別情報およびトレーラー識別情報を含む車両情報と、前記配送車両の許可ルートを示し、前記許可ルートの有効期限に関する情報を含む許可ルート情報とを対応付けて記憶した配送車両データベースを参照し、前記端末装置により受け付けられた前記車両情報および前記許可ルート情報のうち一方の情報をキーとして他方の情報を取得する情報取得手段を有し、
前記情報処理プログラムは、コンピュータを、
前記車両情報または前記許可ルート情報を受け付ける情報受付手段、および
前記情報取得手段により取得された情報を出力する情報出力手段
として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項13】
端末装置と通信可能に接続されたサーバにおいて実行され、トラクターとトレーラーにより構成される配送車両を管理するための情報処理プログラムであって、
コンピュータを、
トラクター識別情報およびトレーラー識別情報を含む車両情報と、前記配送車両の許可ルートを示し、前記許可ルートの有効期限に関する情報を含む許可ルート情報とを対応付けて記憶した配送車両データベースを参照し、前記端末装置により受け付けられた前記車両情報および前記許可ルート情報のうち一方の情報をキーとして他方の情報を取得する情報取得手段
として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項14】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成され、トラクターとトレーラーにより構成される配送車両を管理するための情報処理システムであって、
トラクター識別情報およびトレーラー識別情報を含む車両情報、または前記配送車両の許可ルートを示し、前記許可ルートの有効期限に関する情報を含む許可ルート情報を受け付ける情報受付手段と、
前記車両情報および前記許可ルート情報を対応付けて記憶した配送車両データベースを参照し、前記情報受付手段により受け付けられた前記車両情報および前記許可ルート情報のうち一方の情報をキーとして他方の情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された情報を出力する情報出力手段と、
を備えた情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項15】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって、請求項1~11のいずれかに記載の情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータのうちの1つを請求項1~11のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項16】
コンピュータを、請求項1~11のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項17】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって、
トラクター識別情報およびトレーラー識別情報を含む車両情報、または配送車両の許可ルートを示し、前記許可ルートの有効期限に関する情報を含む許可ルート情報を受け付ける情報受付手段と、
前記車両情報および前記許可ルート情報を対応付けて記憶した配送車両データベースを参照し、前記情報受付手段により受け付けられた前記車両情報および前記許可ルート情報のうち一方の情報をキーとして他方の情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された情報を出力する情報出力手段と、
を備えた情報処理システムを構成するために、
上記手段の少なくとも1つを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項18】
コンピュータを、
トラクター識別情報およびトレーラー識別情報を含む車両情報、または配送車両の許可ルートを示し、前記許可ルートの有効期限に関する情報を含む許可ルート情報を受け付ける情報受付手段、
前記車両情報および前記許可ルート情報を対応付けて記憶した配送車両データベースを参照し、前記情報受付手段により受け付けられた前記車両情報および前記許可ルート情報のうち一方の情報をキーとして他方の情報を取得する情報取得手段、および
前記情報取得手段により取得された情報を出力する情報出力手段
として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項19】
トラクターとトレーラーにより構成される配送車両を管理するための情報処理方法であって、
情報受付手段が、トラクター識別情報およびトレーラー識別情報を含む車両情報、または配送車両の許可ルートを示し、前記許可ルートの有効期限に関する情報を含む許可ルート情報を受け付けるステップと、
情報取得手段が、前記車両情報および前記許可ルート情報を対応付けて記憶した配送車両データベースを参照し、前記情報受付手段により受け付けられた前記車両情報および前記許可ルート情報のうち一方の情報をキーとして他方の情報を取得するステップと、
情報出力手段が、前記情報取得手段により取得された情報を出力するステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路法において特殊車両通行許可制度が規定されており、特殊車両が公道を通行するためには事前に道路管理者に申請し許可を得なければならない。許可申請は、車両ごとに、通行する経路を特定して行われる。なお、許可には有効期間(一般的には2年)があり、その期間を超えて経路を通行する場合は更新する必要がある。
【0003】
許可申請する車両がトラクター(牽引車)とトレーラー(被牽引車)から構成される配送車両の場合、トラクターが同一であってもトレーラーが異なると別の車両とみなされる。このため、トラクターとトレーラーの組み合わせごとに許可申請を行う必要がある。多くのトラクターおよびトレーラーを擁する物流会社は、それらの組み合わせごとに申請され、許可された膨大な数の経路(許可ルート)を管理しなければならない。
【0004】
なお、特許文献1には、通行規制情報や交通情報を考慮した許可ルートの選択を支援することを目的とした走行経路配信システムが記載されている。このシステムでは、車両が許可ルートから逸脱した場合に他の許可ルートが探索される。許可ルートデータベースが記載されているが、トラクターとトレーラーから構成される配送車両を管理するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5842267号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、トラクターおよびトレーラーから構成される配送車両を容易に管理することができる情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る情報処理システムは、
トラクターとトレーラーにより構成される配送車両を管理するための情報処理システムであって、
トラクター識別情報およびトレーラー識別情報を含む車両情報、または配送車両の許可ルートを示す許可ルート情報を受け付ける情報受付手段と、
前記車両情報および前記許可ルート情報を対応付けて記憶した配送車両データベースを参照し、前記情報受付手段により受け付けられた前記車両情報および前記許可ルート情報のうち一方の情報をキーとして他方の情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された情報を出力する情報出力手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、トラクターおよびトレーラーから構成される配送車両を容易に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る情報処理システム全体の概略的構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
図3】トラクターとトレーラーを有する配送車両の一例を示す図である。
図4】配送車両データベースの許可ルート情報テーブルの概略的な構成を示す図である。
図5】配送車両データベースの車両情報テーブルの概略的な構成を示す図である。
図6】配送車両データベースの訪問先テーブルの概略的な構成を示す図である。
図7】配送車両データベースの作業者テーブルの概略的な構成を示す図である。
図8】第1の実施形態に係る情報処理システムの、配送車両データベースの登録に係る処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図9】第1の実施形態に係る情報処理システムの、許可ルート情報の出力に係る処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図10】第1の実施形態に係る端末装置に表示される画面例を示す図である。
図11】第1の実施形態に係る情報処理システムの、車両情報の出力に係る処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図12】第2の実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
図13】第2の実施形態に係る情報処理システムの、配車計画情報の出力に係る処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図14】第2の実施形態に係る端末装置に表示される画面例を示す図である。
図15】第2の実施形態に係る情報処理システムの、配車計画情報の出力に係る処理動作の別の例を示すシーケンス図である。
図16】第2の実施形態に係る端末装置に表示される別の画面例を示す図である。
図17a】第2の実施形態に係る端末装置に表示される画面例を示す図である。
図17b】第2の実施形態に係る端末装置に表示される画面例を示す図である。
図18】第2の実施形態に係る端末装置に表示される画面例(走行予定ルートと他の許可ルート)を示す図である。
図19】第2の実施形態に係る端末装置に表示される画面例(走行実績ルートと許可ルート)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0011】
まず、図1を参照して、本発明の各実施形態に共通する情報処理システムの概略的な構成について説明する。この情報処理システムは、管理者端末2と、ドライバー端末2Aと、サーバ3と、ネットワーク4とを備えている。管理者端末2と、ドライバー端末2Aと、サーバ3とは、インターネット等のネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク4は、有線回線および無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。
【0012】
管理者端末2は、管理者が例えば、車両情報や許可ルート情報をサーバ3のデータベースに登録したり、配送車両の配車計画を作成するための情報処理装置である。この管理者端末2は、例えばノートパソコン、デスクトップ型のパソコンであるが、スマートフォンやタブレット端末等であってもよい。
【0013】
ドライバー端末2Aは、配送車両のドライバーが例えば、配車計画を受信したり、複数提示された許可ルートから実際に走行する経路(配送ルート)を選択するための情報処理装置である。このドライバー端末2Aは、例えば、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末である。
【0014】
なお、管理者端末2、ドライバー端末2Aは1台に限られず、複数台がサーバ3に接続されてもよい。
【0015】
また、管理者端末2とドライバー端末2Aは峻別しなくてもよい。例えば、ドライバー端末2Aで配車計画が作成されてもよいし、管理者端末2で配送ルートが選択されてもよい。以下の説明では、管理者端末2とドライバー端末2Aは、特に区別する必要がない場合を除き、端末装置2,2Aと総称する。
【0016】
(第1の実施形態)
次に、図2を参照して、第1の実施形態に係る情報処理システム1について説明する。
【0017】
本実施形態に係る情報処理システム1は、以下に説明するように、配送車両の情報(車両情報)を許可ルート情報と対応付けてデータベースに登録し、管理可能とするように構成されている。
【0018】
配送車両は、図3に示すように、トラクターとトレーラーにより構成される。図3の例ではトラクターは同じであるが、トレーラーが変更されている。前述のように、各々について通行許可申請を行う必要があるため、異なる車両IDを有するものとしてデータベースに登録され、管理される。
【0019】
なお、本明細書において、トレーラーは、トラクターに牽引され、貨物を運ぶものであれば種類は特に限定されず、例えば、通常の貨物を運ぶトレーラーの他、自動車を運ぶトレーラー、石油などの液体を運ぶトレーラー、海上コンテナを運ぶトレーラー、重機運搬用のトレーラー等であってもよい。
【0020】
また、本明細書において、配送車両は、いわゆるダブル連結トラックのように、複数のトレーラーが牽引されるものであってもよい。
【0021】
本実施形態に係る情報処理システム1について具体的に説明する。
【0022】
図2に示すように、情報処理システム1は、端末装置2,2Aと、サーバ3と、を備えている。
【0023】
まず、端末装置2,2Aについて説明する。
【0024】
端末装置2,2Aは、図2に示すように、通信部21と、制御部22と、測位部23と、操作入力部24と、出力部25とを有する。
【0025】
通信部21は、通信ネットワーク4を介して端末装置2,2Aとサーバ3との間で情報を送受信するためのインターフェースである。
【0026】
制御部22は、情報受付部221と、情報出力部222と、登録情報受付部223とを有する。各部の詳細は後ほど説明する。本実施形態では、制御部22の各部は、端末装置2,2A内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現される。なお、制御部22の各部のうち少なくとも一部がハードウェアにより実現されてもよい。
【0027】
測位部23は、端末装置2,2Aの現在位置を測位して取得するものであり、GPS(Global Positioning System)、WiFi測位等の手段により現在位置を測位する。
【0028】
操作入力部24は、端末装置2,2Aのユーザが情報を入力するためのインターフェースであり、例えばキーボード、マウス、タッチパネル、マイクロフォン(モバイル端末の内蔵マイク等)などの情報入力手段である。
【0029】
出力部25は、端末装置2,2Aからユーザに対して各種情報を出力するインターフェースであり、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の映像表示手段である。出力部25は、音声案内等を行うために音声出力手段(スピーカー)を有してもよい。
【0030】
なお、出力部25がタッチパネルの場合には、出力部25が操作入力部24を兼ねてもよい。また、出力部25は、ユーザに情報を直接提示するものでなくてもよい。例えば、出力部25は、端末装置2,2Aの外部に接続される映像表示手段や音声出力手段に、映像信号や音声信号を出力するものであってもよいし、外部に接続される装置(プロジェクタ、プリンタ、外付けディスプレイ等)にデータを出力するものであってもよいし、端末装置2,2A内もしくは外部の記憶装置にデータを出力して記憶させるものであってもよい。
【0031】
端末装置2,2Aは、上記の構成要素のほか、記憶部(図示せず)を備える。記憶部には、送受信するためのデータや、制御部22による情報処理に必要なプログラム、データ等が記憶される。
【0032】
次に、制御部22の各部の詳細について説明する。
【0033】
情報受付部221は、操作入力部24を介して情報を受け付ける。受け付ける情報は、例えば、配送車両の車両情報や、配送車両の許可ルートを示す許可ルート情報である。
【0034】
ここで、車両情報は、トラクターを識別するためのトラクター識別情報(トラクターID)、およびトレーラーを識別するためのトレーラー識別情報(トレーラーID)を含む。車両情報は、配送車両の識別情報(トラクターとトレーラーの組み合わせに対する識別情報。車両ID)を含んでもよい。
【0035】
車両情報は、トラクターやトレーラーに関する情報として識別情報の他、車体名称、所属グループ(営業所など)、車両サイズ情報、最大積載量などの情報を含んでもよい。
【0036】
許可ルートは、ある配送車両について通行申請して許可された経路である。なお、本発明でいう許可ルートは、道路管理者に申請して許可された経路に限られるものではなく、例えば、業界基準、自社基準等の所定の基準を満たす経路であってもよい。
【0037】
情報出力部222は、端末装置2,2Aのユーザに提示すべき各種情報を出力先に応じた形態で出力する。出力部25が映像表示手段である場合、情報出力部222は、出力すべき情報を映像信号に変換して出力部25に出力する。
【0038】
本実施形態では、情報出力部222は、サーバ3の情報取得部321が配送車両データベース331から取得した車両情報または許可ルート情報等を出力する。
【0039】
登録情報受付部223は、登録用の車両情報および許可ルート情報を受け付ける。例えば、登録情報受付部223は、出力部25に表示された入力画面を介してユーザが入力した車両情報および許可ルート情報を受け付ける。
【0040】
次に、サーバ3について説明する。
【0041】
図2に示すように、サーバ3は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを有する。通信部31は、ネットワーク4を介して端末装置2,2Aとサーバ3との間で情報を送受信するためのインターフェースである。
【0042】
制御部32は、情報取得部321と、情報出力部322と、データベース登録部323と、を有している。制御部32の各部はサーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行される。なお、制御部32の各部のうち少なくとも一部がハードウェアにより実現されてもよい。
【0043】
記憶部33は、配送車両データベース331を有する。この記憶部33は、例えばハードディスク、半導体メモリ(SSD等)などの記憶デバイスにより構成される。なお、記憶部33には、制御部32で実行されるプログラムや、当該プログラムによる処理に必要なデータが記憶されてもよい。
【0044】
ここで、配送車両データベース331について、図4ないし図7を参照して説明する。
【0045】
配送車両データベース331は、車両情報と許可ルート情報とを対応付けて記憶したデータベースである。本実施形態では、配送車両データベース331は、複数のテーブルが組み合わされたものとして構成される。本実施形態では、配送車両データベース331は、許可ルート情報テーブルおよび車両情報テーブルを有する。なお、1つのテーブルで配送車両データベースが構成されてもよい。
【0046】
許可ルート情報テーブルは、許可ルート情報を格納しており、例えば、図4に示す構成を有する。この例では、各レコードは、許可ルートID、許可ルート情報、車両IDおよびルートセットIDを有している。許可ルートIDは、許可ルートを識別するための情報である。許可ルート情報は、許可ルートを特定するための情報であり、出発地、目的地(到着地、訪問先)および経由地点を示す位置情報である。図4の例では、IDがR0001の許可ルートは、出発地がS1、目的地がG1であり、P11,P12およびP13の地点をこの順に経由するルートである。
【0047】
なお、許可ルート情報は、許可ルートの有効期限に関する情報を含んでもよい。例えば、図4に示すように、許可ルート情報は有効期間(配送車両の通行が許可された期間)を含んでもよい。
【0048】
車両IDは、配送車両を識別するための情報であり、図3の例では、上側の配送車両の車両IDはA001であり、下側の配送車両の車両IDはA002である。
【0049】
ルートセットIDは、ルートセットを識別するための情報である。ルートセットとは、両端の地点(例えば出発地および目的地)が同じ複数の許可ルートを集約したものである。例えば、図4の例に示すように、3つの許可ルート(ID:R0001,R0002,R0003)については、経由地点が異なるものの両端の地点が同じであることから、ルートセット(ID:RS001)として集約されている。なお、この例から分かるように、反対方向に向かう経路同士についても同じルートセットに含まれる。
【0050】
車両情報テーブルは、車両情報を格納しており、例えば、図5に示す構成を有する。この例では、各レコードは、車両ID、トラクターID、トレーラーIDを有している。なお、各レコードは、図5に示すように、配送車両のサイズに関する車両サイズ情報を含んでもよい。この車両サイズ情報は、例えば、車高、車幅、車長、車両総重量、最大積載量などの情報のうち少なくともいずれか一つを含む。また、車両情報テーブルは、危険物の積載可否等の、積載可能物に関する情報(積載可能物情報)を含んでいてもよい。
【0051】
上記の許可ルート情報テーブルと車両情報テーブルが車両IDを介して組み合わさることで、車両情報(トラクター識別情報およびトレーラー識別情報)と、許可ルート情報とを対応付ける配送車両データベース331が構成される。
【0052】
なお、配送車両データベース331は、下記の訪問先テーブルや作業者テーブルを有してもよい。
【0053】
訪問先テーブルは、訪問先(目的地、配送先)に関する情報を記憶したテーブルであり、許可ルート情報の出発地または目的地にリンクされる。訪問先テーブルの各レコードは、図6に示すように、訪問先IDおよび訪問先名称を含む。その他、訪問先テーブルは、訪問先の住所や電話番号等の情報を含んでもよい。また、訪問先テーブルは、訪問先の近くにあり、配送車両を駐車可能な駐車場に関する情報(名称、住所等)を含んでもよい。
【0054】
作業者テーブルは、作業者(すなわち、配送車両のドライバー)に関する情報を記憶したテーブルであり、車両IDを介して許可ルート情報テーブル、車両情報テーブルにリンクされる。作業者テーブルの各レコードは、例えば図7に示すように、作業者ID、グループIDおよび車両IDを含む。作業者IDは、ドライバーを識別するための情報であり、氏名や識別番号などである。グループIDは、作業者が所属する営業所の識別情報である。車両IDは、ここでは、ドライバーが乗車可能な車両を示している。その他、作業者テーブルは、作業者の技能に関する情報(保有資格など)やステータス情報(業務中、休憩中、業務外など)を含んでもよい。
【0055】
なお、上述した各テーブルは、本実施形態では記憶部33にまとめて格納されているが、これに限られず、通信ネットワーク4を介してサーバ3と通信可能に接続された別の情報処理装置に任意に分散して配置されてもよい。
【0056】
次に、制御部32の各部の詳細について説明する。
【0057】
情報取得部321は、配送車両データベース331を参照し、端末装置2,2Aの情報受付部221により受け付けられた車両情報および許可ルート情報のうち一方の情報をキーとして他方の情報を取得する。すなわち、情報受付部221が車両情報を受け付けた場合、情報取得部321はその車両情報をキーにして配送車両データベース331から1つまたは複数の許可ルート情報を取得する。一方、情報受付部221が許可ルート情報を受け付けた場合、情報取得部321は、その許可ルート情報をキーにして配送車両データベース331から一つまたは複数の車両情報を取得する。
【0058】
なお、車両情報に基づいて許可ルート情報を取得する際、受け付けられた車両情報に対応する許可ルート情報が複数存在する場合、情報取得部321は、それら複数の許可ルート情報をまとめてルートセットの単位で取得してもよい。
【0059】
情報出力部322は、情報取得部321により取得された情報を出力する。より詳しくは、情報出力部322は、情報取得部321により取得された情報を、通信部31を介して管理者端末2および/またはドライバー端末2Aに出力する。
【0060】
データベース登録部323は、登録情報受付部223で受け付けられた車両情報および許可ルート情報を対応付けて配送車両データベース331に登録する。
【0061】
<情報処理システム1の処理動作>
次に、上記のように構成された情報処理システム1による、配送車両データベース331の登録処理の一例について、図8のフローチャートを参照しつつ以下に詳しく説明する。
【0062】
管理者端末2の登録情報受付部223は、登録用の車両情報および許可ルート情報を受け付ける。そして、受け付けた車両情報および許可ルート情報を、通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS11)。
【0063】
ステップS11での車両情報の受け付けは、例えば、ユーザが、管理者端末2の画面に表示されるプルダウンメニューから、予め登録されたトラクターとトレーラーの中から一つずつ選択し、登録ボタンを押下することにより行われる。なお、本明細書において「押下」とは、クリック、タップ、タッチ、ダブルクリック、スワイプ等の画面操作の他、音声入力による判断など操作入力部24を介して行いうる操作を含む。
【0064】
許可ルート情報の受け付けは、例えば、ユーザがルート両端の2地点を入力し、画面上のルート作成ボタンを押下することにより行われる。ルート作成ボタンの押下により、ユーザが入力した2地点間のルートが経路探索部(図示せず)により探索され、画面に表示される。表示されたルートでよければ、ユーザは画面上の登録完了ボタンを押下する。これにより、当該ルートの情報が許可ルート情報として受け付けられる。なお、ユーザが、2地点およびその間の経由地点を入力することで許可ルート情報の受け付けが行われてもよい。
【0065】
許可ルート情報の受け付けは、車両情報の受け付けより前に行われてもよいし、後に行われてもよい。あるいは、車両情報と許可ルート情報の受け付けが同時に行われてもよい。
【0066】
なお、登録済みの配送車両について許可ルート情報を追加する場合は、登録済みの配送車両の一覧を画面表示させてから配送車両を選択し、その後は上記の方法と同様にして許可ルート情報を登録してもよい。
【0067】
管理者端末2から車両情報および許可ルート情報を受信すると、サーバ3のデータベース登録部323は、受信した車両情報および許可ルート情報を対応付けて配送車両データベース331に登録する(ステップS21)。本実施形態では、データベース登録部323は、許可ルート情報テーブルと車両情報テーブルに新たなレコードを追加し、許可ルート情報および車両情報(トレーラー識別情報、トラクター識別情報など)を当該レコードに書き込む。
【0068】
なお、データベース登録部323は、許可ルート情報の両端の地点が同じものについては、同一のルートセットIDを付与してもよい。例えば、図4のテーブルにおいてNo.3のレコードが新たに追加される場合を考えると、許可ルートIDがR0003のルートは、許可ルートIDがR0001およびR0002のルートと両端の地点が同じであることから、これらのルートセットIDと同じルートセットID(この例ではRS001)が付与される。
【0069】
配送車両データベース331への登録処理が完了すると、サーバ3は、配送車両データベース331の登録完了通知を管理者端末2に送信する(ステップS22)。
【0070】
サーバ3から登録完了通知を受信すると、管理者端末2の情報出力部222は、配送車両データベース331の登録が完了した旨を出力部25に出力する(ステップS12)。
【0071】
上記処理フローによれば、配送車両ごとに、すなわち、トレーラーおよびトラクターの組み合わせごとに許可ルートを登録することができる。
【0072】
なお、上記の処理フローにおいて管理者端末2をドライバー端末2Aとし、ドライバー端末2Aから配送車両データベース331に登録できるようにしてもよい。
【0073】
上記の登録処理により構成される配送車両データベース331を利用することで、所定の配送車両について許可された経路を確認したり、反対に、所定の経路を通行可能な配送車両を確認することができる。以下、このような確認の処理フローについて具体的に説明する。
【0074】
図9のフローチャートを参照しつつ、車両情報に基づいて許可ルート情報を出力する処理動作の一例について説明する。
【0075】
管理者端末2の情報受付部221は、車両情報を受け付け、受け付けた車両情報を、通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS31)。本ステップにおいて情報受付部221は、車両情報として例えばトラクターの識別情報とトレーラーの識別情報を受け付ける。
【0076】
管理者端末2から車両情報を受信すると、サーバ3の情報取得部321は、情報受付部221により受け付けられた車両情報に対応する少なくとも1つの許可ルート情報を配送車両データベース331から取得する(ステップS41)。
【0077】
配送車両データベース331から許可ルート情報が取得されると、サーバ3の情報出力部322は、通信部31を介して、取得された少なくとも1つの許可ルート情報を管理者端末2に送信する(ステップS42)。
【0078】
管理者端末2の情報出力部222は、サーバ3から受信した少なくとも1つの許可ルート情報を出力部25に出力する(ステップS32)。本ステップにおいて、情報出力部222は、情報取得部321により複数の許可ルート情報が取得された場合、ルートセットの単位で当該複数の許可ルート情報を出力してもよい。これにより、表示数が大幅に減少するため、ユーザは、指定した配送車両に対応する許可ルート数が多い場合であっても、配送車両データベース331に登録された許可ルート情報の確認を容易に行うことができる。
【0079】
上記処理フローにより、管理者端末2でユーザが指定した配送車両に対して許可されたルートがユーザに提示される。これにより、ユーザは、指定した配送車両が通行可能な経路を容易に把握することができる。
【0080】
なお、上記の処理フローにおいて管理者端末2をドライバー端末2Aとすることで、ドライバーが配送車両を指定し、指定した配送車両に対応する許可ルート情報を閲覧できるようにしてもよい。
【0081】
図10は、管理者端末2に表示される画面の一例を示している。この例では、画面の左側領域において、配送車両が指定される。より詳しくは、配送車両を指定する際、ユーザはまず、画面上に表示された複数のトラクターから一つのトラクターを選択する。図10では、トラクター“なにわ673あ3100”が選択されている。トラクターが選択されると、当該トレーラーに対応するトレーラーの一覧が表示される。次に、ユーザは表示されたトレーラーから一つのトレーラーを選択する。図10では、トレーラー“ボディ01”が選択されている。
【0082】
上記のようにして配送車両が指定されると(図10では、なにわ673あ3100-ボディ01)、端末装置2,2Aの画面に、ユーザが指定した配送車両が走行可能な経路(許可ルート)の一覧が表示される。図10の例では、ルートセットの一覧が表示される。ユーザが一つのルートセットを選択すると、ルートセットが展開され、当該ルートセットに含まれる許可ルートの一覧が表示される。
【0083】
なお、端末装置2,2Aの情報出力部222は、許可ルート情報としてサーバ3から受信した、許可ルートの有効期限に関する情報を出力してもよい。当該情報は、例えば、許可ルートの有効期限日であってもよいし、有効期間であってもよい。図10の例では、各許可ルートについて有効期間が表示されている。このように、有効期限に関する情報をユーザに提示することにより、ユーザはルートの許可申請を行う時期を把握することができる。
【0084】
また、有効期限が迫ってきた場合、情報出力部222はユーザに対して注意喚起ないし警告を行ってもよい。例えば、情報出力部222は、有効期限に関する情報が特定の色や態様で表示されるようにしてもよいし、音声で警告してもよい。
【0085】
次に、図11のフローチャートを参照しつつ、許可ルート情報に基づいて車両情報を出力する処理動作の一例について説明する。
【0086】
管理者端末2の情報受付部221は、許可ルート情報を受け付け、受け付けた許可ルート情報を、通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS51)。情報受付部221は、許可ルート情報として、例えば、出発地、目的地および経由地に関する情報を受け付ける。
【0087】
管理者端末2から許可ルート情報を受信すると、サーバ3の情報取得部321は、情報受付部221により受け付けられた許可ルート情報に対応する少なくとも1つの車両情報を配送車両データベース331から取得する(ステップS61)。
【0088】
配送車両データベース331から車両情報が取得されると、サーバ3の情報出力部322は、通信部31を介して、少なくとも1つの取得された車両情報を管理者端末2に送信する(ステップS62)。
【0089】
管理者端末2の情報出力部222は、サーバ3から受信した少なくとも1つの車両情報を出力部25に出力する(ステップS52)。
【0090】
上記処理フローにより、管理者端末2でユーザが指定した許可ルートを通行可能な配送車両がユーザに提示される。これにより、配送先がすでに決まっている場合に、ユーザが配送先を目的地とする許可ルートを指定すると、指定した許可ルートに対応する配送車両が提示されるので、ユーザは配送先に配送可能な車両を容易に把握することができる。
【0091】
なお、ステップS51において、情報受付部221は、ルートセットの単位で許可ルート情報を受け付けてもよい。この場合、情報受付部221は、両端の地点を受け付け、その間の経由地は受け付けない。そして、ステップS61において、情報取得部321は、受け付けられたルートセットの両端の地点が一致する許可ルートをすべてピックアップし、ピックアップされた許可ルートに対応付けられた車両情報をすべて取得する。そして、ステップS62において、車両情報と、当該車両情報に対応する許可ルート情報が送信される。これにより、ユーザは、経由地を問題にしない場合に、所望の地点への配送に使用可能な配送車両の情報をもれなく容易に把握することができる。
【0092】
また、ステップS51において、情報受付部221は、許可ルート情報に加えて、配送物に関する情報(配送物情報)を受け付けてもよい。例えば、配送物情報として、配送物の量、種別、配送物が危険物か否か等を示す情報を受け付けてもよい。この場合、サーバ3の情報取得部321は、配送物情報に基づいて、ステップS61で取得した車両情報を絞り込む。例えば、車両情報テーブルの最大積載量や積載可能物情報を参照して、ステップS61で取得された車両情報のうち、ユーザが指定した配送物を配送可能な車両の車両情報を抽出する。そして、サーバ3は抽出された車両情報を管理者端末2に送信し、管理者端末2はステップS52において、サーバ3から受信した車両情報を出力する。この際、車両情報は一覧表示されてもよい。このような処理フローによれば、ユーザは、指定した配送物を配送可能な配送車両のみを容易に把握することができるようになり、より利便性が向上する。上記では2ステップで車両情報を抽出したが、1ステップで行ってもよい。すなわち、ステップS61で車両情報を取得する際に配送物情報を考慮して、ユーザが指定した配送物を配送可能な車両の車両情報のみを取得してもよい。
【0093】
なお、上記の処理フローにおいて管理者端末2をドライバー端末2Aとすることで、ドライバー端末2Aから許可ルートを指定し、指定した許可ルートに対応する車両情報を閲覧できるようにしてもよい。
【0094】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、ユーザは、トラクターとトレーラーから構成される配送車両と、当該配送車両に許可されたルート(許可ルート)とを対応付けて配送車両データベースに登録することができる。また、配送車両データベースにアクセスして、車両情報から許可ルート情報を取得したり、反対に、許可ルート情報から車両情報を取得することができる。これにより、トラクターとトレーラーの組み合わせにより配送車両の数が増加することに伴い、配送車両の許可ルートの数が膨大になった場合でも、配送車両ごとの許可ルート(または許可ルートに対応する配送車両)を容易に確認することができる。
【0095】
よって、本実施形態によれば、トラクターおよびトレーラーから構成される配送車両を容易に管理することができる。
【0096】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態に係る情報処理システムでは、ユーザが指定した車両情報および許可ルート情報に基づいて配送車両の配車計画が作成される。
【0097】
本実施形態に係る情報処理システム1Aは、図12に示すように、端末装置2,2Aと、サーバ3と、を備えている。
【0098】
本実施形態に係る端末装置2,2Aは、第1の実施形態とほぼ同様であるので詳しい説明は省略する。なお、ドライバー端末2Aの制御部22は、測位部23から配送車両の位置情報を取得する位置情報取得部224を有してもよい。
【0099】
本実施形態に係るサーバ3は、第1の実施形態とほぼ同じであるが、制御部32が配車計画作成部324を有する。この配車計画作成部324は、配送車両を配車するための配車計画情報を作成する。
【0100】
<情報処理システム1Aの処理動作>
次に、本実施形態に係る情報処理システム1Aによる処理の一例について、図13のフローチャートを参照しつつ以下に詳しく説明する。
【0101】
図13の処理フローでは、配送車両がすでに決まっている場合に、ユーザが許可ルートを選択することで配車計画が作成される。車両情報を受け付けてから当該車両情報に対応する少なくとも1つの許可ルート情報が出力されるまでの処理フローは、第1の実施形態で説明した処理フロー(すなわち、ステップS31,S32,S41,S42)と同じであるので、ステップS32の次のステップから説明する。
【0102】
管理者端末2の制御部22は、ユーザにより許可ルート情報が選択されたかどうかを判定する(ステップS71)。図14の画面例では、画面左側において配送車両(トラクター:“なにわ673あ3100”、トレーラー:“ボディ01”)が指定されていることが示され、当該配送車両に対応する複数の許可ルートが画面右側に表示されている。この画面例では、許可ルートはルートセットの単位で表示されている。
【0103】
ユーザは、画面右側に表示された複数のルートセットから一つのルートセットを選択する。選択し終えると、ユーザは画面右下の完了ボタンBを押下する。
【0104】
情報出力部222は、情報取得部321により複数の許可ルート情報が取得された場合、ルートセットを一覧表示するための情報を出力する。これにより、許可ルート数が多い場合であっても、表示数が減少するため、ユーザはルート選択を容易に行うことができる。
【0105】
図14の画面では、タブT1の「車両から選ぶ」が選択されており、ユーザは配送車両を先に選択する。これに対し、後述の図16ではタブT2の「ルートセットから選ぶ」が選択されており、ユーザはルートセットを先に選択する。
【0106】
上記のようにしてユーザにより許可ルート情報が選択されると(すなわち、完了ボタンBが押下されると)(S71:Yes)、管理者端末2の情報受付部221は、情報出力部222により出力された許可ルート情報からユーザが選択した許可ルート情報を受け付ける。図14の場合、情報受付部221は、一覧表示されたルートセットからユーザが選択したルートセットを受け付ける。
【0107】
そして、情報受付部221は、受け付けた許可ルート情報を、ステップS31で受け付けた車両情報とともにサーバ3に通信部21を介して送信する(ステップS72)。
【0108】
管理者端末2から送信された車両情報および許可ルート情報を受信すると、サーバ3の配車計画作成部324は、受信した車両情報および許可ルート情報に基づいて配車計画情報を作成する(ステップS81)。配車計画情報では、ステップS31で受け付けられた配送車両がステップS72で受け付けられた許可ルートに割り当てられる。これにより、当該配送車両が当該許可ルートの目的地(配送先)への配送に使用されることとなる。作成された配車計画情報は端末装置2,2Aに送信される。
【0109】
サーバ3から配車計画情報を受信すると、管理者端末2の情報出力部222は、受信した配車計画情報を出力部25に出力する(ステップS73)。
【0110】
上記処理フローによれば、ユーザは、配送車両がすでに決まっている場合に、当該配送車両に対応するルートセットの一覧から訪問先に応じたルートセットを選択することにより、配車計画を容易に作成することができる。
【0111】
上記処理フローとは逆に、配送先がすでに決まっている場合、当該配送先を目的地とするルートセットの一覧から配送車両を選択することも可能である。この場合の処理フローを図15のフローチャートに沿って説明する。
【0112】
許可ルート情報を受け付けてから当該許可ルート情報に対応する車両情報を出力するまでの処理フローは、第1の実施形態で説明した処理フロー(S51,S52,S61,S62)と同じであるので、ステップS52の次のステップから説明する。
【0113】
管理者端末2の制御部22は、ユーザにより車両情報が選択されたかどうかを判定する(ステップS101)。図16の画面例では、画面左側においてルートセット(1つ目の地点:“ナビタイムセンター”、2つ目の地点:“那比倉庫”)が指定されていることが示され、当該ルートセットに対応する複数の配送車両が画面右側に表示されている。この画面例では、許可ルートはルートセットの形式で表示されている。これにより、許可ルート数が多い場合であっても、ユーザはルート選択を容易に行うことができる。この場合、情報受付部221はルートセットの単位で許可ルート情報を受け付ける。
【0114】
ユーザは、画面右側に表示された複数の配送車両から一つの配送車両を選択する。選択し終えると、ユーザは画面右下の完了ボタンBを押下する。なお、ステップS52において、ユーザが指定した配送物を配送可能な車両の車両情報のみが表示されている場合、ユーザは、表示された車両情報のうちのいずれか一つを選択する。
【0115】
ユーザにより車両情報が選択されると(すなわち、完了ボタンBが押下されると)(S101:Yes)、管理者端末2の情報受付部221は、情報出力部222により出力された車両情報からユーザが選択した車両情報を受け付ける。
【0116】
そして、情報受付部221は、受け付けた車両情報を、ステップS51で受け付けた許可ルート情報とともにサーバ3に通信部21を介して送信する(ステップS102)。
【0117】
管理者端末2から送信された車両情報および許可ルート情報を受信すると、サーバ3の配車計画作成部324は、受信した車両情報および許可ルート情報に基づいて配車計画情報を作成する(ステップS111)。配車計画情報では、ステップS102で受け付けられた配送車両がステップS51で受け付けられた許可ルートに割り当てられる。作成された配車計画情報は端末装置2,2Aに送信される。
【0118】
サーバ3から配車計画情報を受信すると、管理者端末2の情報出力部222は、受信した配車計画情報を出力部25に出力する(ステップS103)。
【0119】
上記処理フローによれば、ユーザは、配送先がすでに決まっている場合、当該配送先を目的地とするルートセットに対応する配送車両の一覧から配送車両を選択することにより、配車計画を容易に作成することができる。
【0120】
なお、図15および図16で説明した処理フローにおいて管理者端末2をドライバー端末2Aとし、ドライバー端末2Aから車両情報および許可ルート情報をサーバ3に送信することで配車計画情報が作成されるようにしてもよい。この場合、例えば、ドライバーは、図17aに示すドライバー端末2Aの画面で配送車両を選択し、“次へ”を押下する。その後、図17bに示す画面でルートセットを選択し、“完了”を押下する。選択順序はこの逆であってもよい。このようにドライバー端末2Aから配送車両の割り当てを可能とすることで、例えば、急な予定変更等が発生し、ドライバーに管理者の配車指示を待たずに行動することが求められる状況などに対応することができる。
【0121】
ドライバーが選択した配送車両に対応する許可ルートが複数存在する場合、ドライバー端末2Aは、道路の混雑状況などに基づいて絞り込まれた許可ルートのみを表示してもよい。
【0122】
端末装置2,2Aは、作成された配車計画情報に基づいて、配送車両が走行する予定の経路を表示してもよい。走行予定の経路は、配車計画を作成する際に選択された許可ルート情報に基づいて表示される。このように走行予定ルートを表示することで、ドライバーまたは管理者はこれから走行する配送経路を容易に把握することができる。
【0123】
さらに、端末装置2,2Aは、走行予定経路に基づいて目的地までのナビゲーションを行ってもよい。ナビゲーションの際、音声案内を行ってもよい。例えば、「通行許可ルートを走行します。ルートの逸脱に注意してください。」と音声出力したり、配送車両が右左折する際に、歩行者等の巻き込みに対する注意を行ったり、速度を落とすよう注意喚起を行ってもよい。
【0124】
なお、図18に示すように、端末装置2,2Aは、走行予定ルートとともに、選択された配送車両に許可された他のルートを表示してもよい。図18の画面例では、符号Rが配送車両の走行予定ルートを示し、符号Sが当該配送車両の許可ルートを示している。走行予定ルートRと他の許可ルートSは、ルートを示す線の色や太さ、線種などを変えることで互いに区別可能に表示される。なお、この例では、走行予定ルートRは、一般道r1,r3と、高速道r2から構成され、互いに区別可能に表示される。
【0125】
このように走行予定ルートを他の許可ルートとともに区別可能に表示することで、ドライバーまたは管理者は当該配送車両に許可された全ルートのうちどのルートを走行する予定であるのかを容易に把握することができる。
【0126】
また、図19に示すように、端末装置2,2Aは、走行実績ルートを許可ルートとともに表示してもよい。すなわち、情報出力部222は、位置情報取得部224により取得されたドライバー端末2Aの位置情報に基づく走行実績ルートと、許可ルートとを地図上に比較可能に表示するための情報を出力してもよい。
【0127】
図19の画面例では、符号Vが走行実績ルートを示し、符号Wが許可ルートを示している。このように走行実績ルートを許可ルートとともに表示することで、ドライバーまたは管理者は、許可ルートを逸脱していないかどうかを容易に把握することができる。なお、端末装置2,2Aは、配送車両が目的地に到達する前であっても、走行実績ルートを表示するようにしてもよい。
【0128】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、配送車両や許可ルートの数が多い場合であっても、ユーザは、使用する配送車両や配送先に応じて配送車両および許可ルート(ルートセット)を選択することによって配車計画情報を容易に促成することができる。その結果、スムーズで効率的な物流に寄与することができる。
【0129】
以上、本発明に係る実施形態について説明した。
【0130】
図2図12の構成は一例であり、サーバ3内の構成要素の少なくとも一部がそれぞれ端末装置2,2A内にあってもよい。例えば、配車計画作成部324は、サーバ3の構成要素ではなく、端末装置2,2Aの制御部22に設けられてもよい。また、サーバ3内の記憶部33および制御部32を端末装置2,2A内に設けて、通信をすることなく端末装置2のみで、トラクターとトレーラーから構成される配送車両を容易に管理可能な情報処理装置を構成してもよい。
【0131】
上述した実施形態で説明した情報処理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0132】
また、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0133】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システムを機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システムの少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0134】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0135】
1,1A 情報処理システム
2 管理者端末
2A ドライバー端末
21 通信部
22 制御部
221 情報受付部
222 情報出力部
223 登録情報受付部
224 位置情報取得部
23 測位部
24 操作入力部
25 出力部
3 サーバ
31 通信部
32 制御部
321 情報取得部
322 情報出力部
323 データベース登録部
324 配車計画作成部
33 記憶部
331 配送車両データベース
4 ネットワーク
B 完了ボタン
R 走行予定ルート
S 他の許可ルート
V 走行実績ルート
W 許可ルート
T1,T2 タブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17a
図17b
図18
図19