(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置及び動作方法
(51)【国際特許分類】
E04G 3/28 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
E04G3/28 301G
E04G3/28 304
(21)【出願番号】P 2019572364
(86)(22)【出願日】2018-06-27
(86)【国際出願番号】 ES2018070462
(87)【国際公開番号】W WO2019002654
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-05-28
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(73)【特許権者】
【識別番号】519459584
【氏名又は名称】エイチダブリューエス コンクリート タワーズ,エス.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】アバディア ペレス,マリアノ
(72)【発明者】
【氏名】モンテール フラグエット,ジェサス
(72)【発明者】
【氏名】ソラズ エチャベ,ホセ マニュエル
(72)【発明者】
【氏名】ディアス オチャンディオ,イバン
(72)【発明者】
【氏名】アギロ ポルトゥラス,ボルハ
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-336823(JP,A)
【文献】特表2018-529890(JP,A)
【文献】国際公開第2015/114573(WO,A1)
【文献】特開2002-115393(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 3/28
B66C 23/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置であり、前記コンクリート表面の構築、組立、維持及び/又は修理の際に、様々な種類の関連金属構造物を昇降するために、使用される種類の、セルフクライミング装置であって、該装置は、変位レールとして、垂直方向に配置される主ビーム(8)を備え、円形断面の格子、管、略矩形又は別の構造要素から成る群から選択される、垂直な金属構造物によって形成される本体(1)、及び互いに独立しており、別々に制御可能で、前記本体(1)の前記主ビーム(8)に沿って変位可能な、少なくとも3つの上枠(2a)、中間枠(2b)及び下枠(2c)を含み、
前記上枠(2a)、中間枠(2b)及び下枠(2c)は、
前記本体(1)に対する垂直変位の手段、
前記本体(1)に対する垂直変位の係止手段、
作業壁(3)への取付手段、
前記作業壁(3)に対する水平変位の手段、及び
前記作業壁(3)に対して、水平面において、前記本体を回転する手段
を有する、ことを特徴とする、セルフクライミング装置。
【請求項2】
前記上枠(2a)、中間枠(2b)及び下枠(2c)は、前記主ビーム(8)を部分的に囲む摺動部(9)、該摺動部(9)に対して水平方向に変位可能なシャーシ(10)、及び取付用シャーシ(11)であって、前記取付用シャーシ(11)と前記変位可能なシャーシ(10)との間にある垂直方向に配置されたシャフト(12)を用いて前記変位可能なシャーシ(10)に対して回転能力を有する取付用シャーシ(11)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置。
【請求項3】
前記本体(1)に対する、前記上枠(2a)、中間枠(2b)及び下枠(2c)の前記垂直変位の手段は、1個又は複数のモータ(4)を含み、該モータは、ギアボックス(5)及びピニオン(6)を有し、全ては、前記本体(1)の前記主ビーム(8)に垂直方向に配置された1つ又は複数のラック(7)に接続される前記摺動部(9)上に配置されることを特徴とする、請求項2に記載の垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置。
【請求項4】
前記本体(1)に対する、前記上枠(2a)、中間枠(2b)及び下枠(2c)の前記垂直変位の係止手段は、前記変位可能なシャーシ(10)に位置することを特徴とする、請求項3に記載の垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置。
【請求項5】
前記上枠(2a)、中間枠(2b)及び下枠(2c)の前記作業壁(3)への前記取付手段は、前記取付用シャーシ(11)の突出部(13)を含み、該突出部(13)は、前記作業壁(3)に隣接する面に出現し、前記突出部(13)上で、作動可能で側方に配置される1つ又は複数の係止要素(14)を備えるが、前記突出部(13)は、前記作業壁(3)において、垂直線上に、配置された取付用ハウジング(15)と一致する形状及び寸法のものとし、これらの取付用ハウジング(15)は、前記係止要素(14)と一致する寸法、形状及び位置の係止用ハウジング(16)を有するものとすることを特徴とする、請求項3又は4に記載の垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置。
【請求項6】
前記取付用シャーシ(11)の前記突出部(13)、及び前記作業壁(3)に配置される取付用ハウジング(15)は、角錐台及び円錐台形状から成る群から選択される形状を採用することを特徴とする、請求項5に記載の垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置。
【請求項7】
前記作業壁(3)に対する、前記上枠(2a)、中間枠(2b)及び下枠(2c)の前記水平変位の手段は、少なくとも2つのリニアアクチュエータ(17)を含み、該リニアアクチュエータ(17)は、前記摺動部(9)の両側に配置されるモータ(20)によって作動され、開口部(19)を通り前記変位可能なシャーシ(10)を横断し、前記リニアアクチュエータ(17)の端部で、垂直方向に配置された回転軸(18)を用いて、前記取付用シャーシ(11)と接続されることを特徴とする、請求項3~6のうちいずれか一項に記載の垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置。
【請求項8】
前記モータ(4)、前記モータ(20)及びリニアアクチュエータ(17)は、電気、空圧、油圧又はそれらの組合せから成る群から選択される動力により駆動されることを特徴とする、請求項7に記載の垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置。
【請求項9】
前記作業壁(3)に対する、前記水平面における、前記本体(1)を回転する手段は、前記取付用シャーシ(11)、前記変位可能なシャーシ(10)、両前記シャーシ間で垂直方向に配置される前記シャフト(12)、及び前記モータ(20)を伴う前記リニアアクチュエータ(17)を含むことを特徴とする、請求項7又は8に記載の垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置。
【請求項10】
前記装置は、前記本体(1)にしっかり接合され、クレーン、作業台、足場、型枠、及び支柱から成る群から選択される、関連金属作業構造物を含むことを特徴とする、請求項1~9のうちいずれか一項に記載の垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置。
【請求項11】
請求項1~10のうちいずれか一項に記載の、垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置の動作方法であって、該方法は、作業段階及び上方又は下方移動段階を含むことを特徴する、方法。
【請求項12】
前記作業段階は、前記上枠(2a)、中間枠(2b)及び下枠(2c)の少なくとも2つを、前記作業壁(3)への前記取付手段を用いて、前記作業壁(3)に取付し、前記垂直変位の係止手段を用いて前記本体(1)に対する垂直変位を係止することを含むことを特徴とする、請求項11に記載の垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置の動作方法。
【請求項13】
前記上方移動段階は、以下のステップ、すなわち
ステップ1-前記装置が、少なくとも前記上枠(2a)及び中間枠(2b)が、前記作業壁(3)に取付された状態の、作業段階にあるステップ、
ステップ2-前記下枠(2c)の前記作業壁(3)への取付を解除し、前記作業壁(3)に対する前記水平変位の手段を用いて前記作業壁(3)から分離し、前記装置は、前記上枠(2a)及び中間枠(2b)だけを用いて、前記作業壁(3)に固着される、ステップ、
ステップ3-前記下枠(2c)の前記本体(1)に対する前記垂直変位の係止手段を解除し、前記中間枠(2b)の横に位置するまで、前記本体(1)に対する前記垂直変位の手段によって、上方に摺動するステップ、
ステップ4-前記作業壁(3)に対する前記水平変位の手段によって、前記下枠(2c)が前記作業壁(3)に接近し、前記中間枠(2b)の横にある空いている取付用ハウジング(15)に取付されるステップ、
ステップ5-前記作業壁(3)に固定された前記中間枠(2b)及び下枠(2c)の前記本体(1)に対する前記垂直変位の係止手段を解除し、前記本体(1)に対する前記垂直変位の手段による上方への垂直変位が、前記下枠(2c)が前記本体(1)の下端部にある新たな位置に到達するステップ、
ステップ6-前記下枠(2c)の前記本体(1)に対する前記垂直変位の係止手段を用いて、前記本体(1)を係止するステップ、
ステップ7-前記中間枠(2b)の前記作業壁(3)への取付を解除し、前記作業壁(3)に対する前記水平変位の手段によって、前記作業壁(3)から分離するステップであって、前記装置は、前記上枠(2a)及び下枠(2c)だけを用いて前記作業壁(3)に固着される、ステップ、
ステップ8-前記中間枠(2b)の前記本体(1)に対する前記垂直変位の係止手段を解除し、前記上枠(2a)の隣に位置するまで、前記本体(1)に対する前記垂直変位の手段によって、上方に摺動するステップ、
ステップ9-前記作業壁(3)に対する前記水平変位の手段によって、前記中間枠(2b)を前記作業壁(3)へ接近し、前記上枠(2a)の横にある空いている取付用ハウジング(15)に取付し、前記本体(1)に対する前記中間枠(2b)の前記垂直変位の係止手段を用いて、係止するステップ、
ステップ10-前記上枠(2a)の前記作業壁(3)への取付を解除し、前記作業壁(3)に対する前記水平変位の手段によって前記作業壁(3)から分離するステップであって、前記装置は、前記中間枠(2b)及び下枠(2c)だけを用いて、前記作業壁(3)に固着される、ステップ、
ステップ11-前記上枠(2a)の前記本体(1)に対する前記垂直変位の係止手段を解除し、前記本体(1)の上端部に位置するまで、前記本体(1)に対する前記垂直変位の手段によって、上方に摺動するステップ、及び
ステップ12-前記作業壁(3)に対する水平変位の手段によって、前記上枠(2a)を前記作業壁(3)へ接近し、前記本体(1)の上端部の横にある空いている取付用ハウジング(15)に取付し、前記本体(1)に対する前記上枠(2a)の前記垂直変位の係止手段を用いて、係止し、最初の作業段階に再び留まる、ステップ
を含み、前記ステップ1~12は、所望する作業高さを達成するまで繰り返されるものとすることを特徴とする、請求項11に記載の垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置の動作方法。
【請求項14】
前記下方移動段階は、以下のステップ、すなわち
ステップ1-前記装置は、少なくとも前記中間枠(2b)及び下枠(2c)が、前記作業壁(3)に取付された状態の、作業段階にあるステップ、
ステップ2-前記上枠(2a)の前記作業壁(3)への取付を解除し、前記作業壁(3)に対する前記水平変位の手段を用いて前記作業壁(3)から分離し、前記装置は、前記下枠(2c)及び中間枠(2b)だけを用いて、前記作業壁(3)に固着される、ステップ、
ステップ3-前記上枠(2a)の前記本体(1)に対する前記垂直変位の係止手段を解除し、前記中間枠(2b)の横に位置するまで、前記本体(1)に対する前記垂直変位の手段によって、下方に摺動するステップ、
ステップ4-
前記作業壁(3)に対する前記水平変位の手段によって、前記上枠(2a)が前記作業壁(3)に接近し、前記中間枠(2b)の横にある空いている取付用ハウジング(15)に取付されるステップ、
ステップ5-前記作業壁(3)に固定された前記上枠(2a)及び中間枠(2b)の前記本体(1)に対する前記垂直変位の係止手段を解除し、前記本体(1)に対する前記垂直変位の手段による下方への垂直変位が、前記下枠(2c)が前記本体(1)の上端部にある新たな位置に到達するステップ、
ステップ6-前記上枠(2a)の前記本体(1)に対する前記垂直変位の係止手段を用いて、前記本体(1)を係止するステップ、
ステップ7-前記中間枠(2b)の前記作業壁(3)への取付を解除し、前記作業壁(3)に対する前記水平変位の手段によって、前記作業壁(3)から分離するステップであって、前記装置は、前記上枠(2a)及び下枠(2c)だけを用いて前記作業壁(3)に固着される、ステップ、
ステップ8-前記中間枠(2b)の前記本体(1)に対する前記垂直変位の係止手段を解除し、前記下枠(2c)の隣に位置するまで、前記本体(1)に対する前記垂直変位の手段によって、下方に摺動するステップ、
ステップ9-前記作業壁(3)に対する前記水平変位の手段によって、
前記中間枠(2b)を前記作業壁(3)へ接近し、前記上枠(2a)の横にある空いている取付用ハウジング(15)に取付し、前記本体(1)に対する前記中間枠(2b)の前記垂直変位の係止手段を用いて、係止するステップ、
ステップ10-前記下枠(2c)の前記作業壁(3)への取付を解除し、前記作業壁(3)に対する前記水平変位の手段によって前記作業壁(3)から分離するステップであって、前記装置は、前記中間枠(2b)及び上枠(2a)だけを用いて、前記作業壁(3)に固着される、ステップ、
ステップ11-前記下枠(2c)の前記本体(1)に対する前記垂直変位の係止手段を解除し、前記本体(1)の下端部に位置するまで、前記本体(1)に対する前記垂直変位の手段によって、下方に摺動するステップ、及び
ステップ12-前記作業壁(3)に対する前記水平変位の手段によって、前記下枠(2c)を前記作業壁(3)へ接近し、前記本体(1)の上端部の横にある空いている取付用ハウジング(15)に取付し、前記本体(1)に対する前記下枠(2c)の前記垂直変位の係止手段を用いて、係止し、最初の作業段階に再び留まる、ステップ
を含み、前記ステップ1~12は、所望する作業高さを達成する、又は解体するまで繰り返されるものとすることを特徴とする、請求項11に記載の垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、発明の名称が示すように、垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置、及び該装置の特徴的な動作方法であって、上記コンクリート表面を構築、組立、メンテナンス及び/又は修理する際に、様々な種類の関連金属構造物を、自由な幾何学形状及び様々な傾斜度を有する、垂直及び略垂直両方の、平坦な又は湾曲した表面上で、昇降するために、使用される種類の、上記装置及び動作方法に関する。略垂直な表面は、完全に垂直というわけではなく、垂直に近く、場合によっては、垂直と区別しにくいことがあるほど急な傾斜を有する表面として理解される。本発明は、例えば、クレーン又は作業台等の、任意の構造物、装置又は機械を上昇させる又は登らせることができる。
【0002】
本発明は、既製と原位置で凝固させる両方の、建設に関係するコンクリート表面及び要素のための補助的な組立構造物の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、多数のセルフクライミング装置及び構造物が、建設分野で知られており、その中でも、欧州特許出願公開第2725166号明細書(特許文献1)「Method for establishing concreting sections with the help of a track-guided self-climbing shuttering system」、欧州特許出願公開第1899549号明細書(特許文献2)「Climbing cylinder of a self-climbing shuttering」、国際公開第2009/117986号(特許文献3)「Track-guided self-climbing shuttering system with climbing rail extension pieces」、欧州特許出願公開第2365159号明細書(特許文献4)「Self-climbing perimeter structure for construction works in buildings」、及び国際公開第2008/061922号(特許文献5)「Track-guided self-climbing shuttering system with climbing rail extension pieces」に注目できる。しかしながら、これら装置及び構造物は全て、作業面にしっかりと接合された軌道、ガイド又はレールを必要とし、そうした軌道、ガイド又はレールは、その組立てや後の解体を複雑にし、より高価にしてしまい、加えて、平面にだけ適用可能である。つまり、これらは、多くの場合、例えば、多分割の既製コンクリートタワー等には適用可能ではないという、共通の問題を抱えている。
【0004】
同様に、欧州特許出願公開第2365159号明細書(特許文献6)「Climbing head to lift a self-climbing protection system for construction work in buildings」に記載されている装置等の、別の種類の装置が知られているが、この場合も、表面にしっかり接合された2本のビームを必要とするという短所がある。
【0005】
また一方で、より複雑なプロセスで、タワーの内部を登り、上昇する部分に対して外部レールを引き続き必要とする、国際公開第2013/171359号(特許文献7)「Self-climbing telescopic crane and method for mounting pre-fabricated concrete towers」及びスペイン国特許出願公開第2435211号明細書(特許文献8)「System for assembly of a prefabricated concrete tower comprising a self-climbing telescopic crane」に開示された装置等も使用されている。これらの装置はまた、中空のコンクリートタワーに対してのみ適用可能であり、その適用範囲が限定されるという欠点がある。
【0006】
また、スペイン国特許出願公開第2085196号明細書(特許文献9)「Self-climbing shuttering system and continuous concrete support」に係るシステムも知られており、該システムは、壁に固定するために取付用円錐体を使用するが、自律的に登る構造物ではなく、かなり手動的な方法で、下部から取外され、上部へと上昇させるダム用型枠である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】欧州特許出願公開第2725166号明細書
【文献】欧州特許出願公開第1899549号明細書
【文献】国際公開第2009/117986号
【文献】欧州特許出願公開第2365159号明細書
【文献】国際公開第2008/061922号
【文献】欧州特許出願公開第2365159号明細書
【文献】国際公開第2013/171359号
【文献】スペイン国特許出願公開第2435211号明細書
【文献】スペイン国特許出願公開第2085196号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
コンクリート表面及び要素上で作業構造物を組立及び上昇する際に、現在存在する問題を解決するために、垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置が、考案され、該装置は、変位レールとして、垂直方向に配置される主ビームを備え、円形断面の、格子又は管、略矩形要素又は別の構造要素の形をした、垂直な金属構造物によって形成される本体、及び互いに独立しており、別々に制御可能で、本体の主ビームに沿って変位可能な、少なくとも3つの上、中間及び下自動枠又はトローリーで構成される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上、中間及び下自動枠の、取付け具間の距離(垂直方向の)は、自由であり、従って、システムの其々個別に前進する長さは、明らかに、本体の長さによって限定される。
【0010】
また、本装置は、本体にしっかり接合される、関連金属作業構造物も含む。該金属構造物は、好適には、クレーン、作業台、足場、型枠、及び支柱から成る群から選択されるであろうが、本装置の動作機能に依存するであろう。
【0011】
上、中間及び下自動枠は、順番に、主ビームを部分的に囲む摺動部、該摺動部に対して水平方向に変位可能なシャーシ、及び取付用シャーシであって、変位可能なシャーシと取付用シャーシとの間で垂直方向に配置されたシャフトを用いて変位可能なシャーシに対して回転能力を有する取付用シャーシを含む。
【0012】
上記自動枠は、本体に対する垂直変位の手段を有し、該手段は、1個又は複数のモータを含み、該モータは、ギアボックス及びピニオン又はアタックギアを備え、全ては、本体の主ビームに垂直方向に配置された1つ又は複数のラックに接続される摺動部上に配置される。
【0013】
同様に、自動枠は、変位可能なシャーシに位置する、本体に対する垂直変位の係止手段を有する。これらの係止手段は、ピン、ボルト、くさび又は作動時に両部品間の移動を防ぐ他の既知の技術的解決手段から形成され得る。
【0014】
また、自動枠は、作業壁への取付手段を有し、該取付手段は、取付用シャーシの突出部を含み、該突出部は、作業壁に隣接する面に出現し、上記突出部上で、作動可能で側方に配置される1つ又は複数の係止要素を備えるが、該突出部は、作業壁において、垂直線上に配置された取付用ハウジングと一致する形状及び寸法のものとし、これらの取付用ハウジングは、係止要素と一致する寸法、形状及び位置の係止用ハウジングを有するものとする。
【0015】
取付用シャーシの突出部の形状、及び作業壁に配置された取付用ハウジングの形状は、好適には、角錐台及び円錐台形状から成る群から選択されるであろう。
【0016】
同様に、自動枠は、作業壁に対する水平変位の手段を有し、該手段は、少なくとも2つのリニアアクチュエータを含み、該リニアアクチュエータは、摺動部の両側に配置されるモータによって作動され、開口部を通り変位可能なシャーシを横断し、リニアアクチュエータの端部で、垂直方向に配置された回転軸を用いて、取付用シャーシと接続される。これらの水平変位の手段は、本装置を作業壁に結合及び固定するのに必要な接離を可能にし、且つ、例えば、セグメントによって変化する断面の既製コンクリートタワーの場合のように、本装置と作業壁間の距離が規則的でない場合には、本装置と作業壁間の距離の適合を可能にする。
【0017】
同様に、自動枠は、作業壁に対する、水平面における、本体の回転手段を有し、該回転手段は、取付用シャーシ、変位可能なシャーシ、両シャーシ間で垂直方向に配置されるシャフト、及びモータを伴うリニアアクチュエータを含む。これは、作業壁に対して本装置を回転させる可能性を助長し、特に、既製コンクリートタワーを組立てるために、及びナセルやブレードをタワーの上端部まで収容するために、本装置がクレーンに関連付けられる際に、役に立つ。
【0018】
これら全ての要素では、モータとリニアアクチュエータは、電気、空圧又は油圧式のものが好適だが、現在知られている種類のうち任意のもの、又は数種類の組合せとすることができる。
【0019】
本装置は、作業段階及び昇降移動段階を含む特定の動作方法を伴う。
【0020】
作業段階は、上、中間又は下自動枠のうち少なくとも2つを、対応する作業壁への取付手段を用いて、作業壁に取付すること、及び、本体に対する、上記自動枠の垂直変位を、対応する係止手段を用いて係止することを含む。この段階において、本装置は、本体及び本装置の関連金属作業構造物を、作業壁にしっかり接合する。
【0021】
上方移動段階は、以下のステップ、すなわち
ステップ1-本装置が、少なくとも上及び中間自動枠が作業壁に取付された状態の、作業段階にあるステップ、
ステップ2-下自動枠が、作業壁への取付から解除され、下自動枠が、作業壁に対する水平変位を用いて壁から分離し、その結果、本装置は、上及び中間自動枠だけを用いて、作業壁に固着される、ステップ、
ステップ3-下自動枠が、本体に対する垂直変位の下自動枠の係止手段を解除し、中間自動枠の横に位置するまで、本体に対する垂直変位の手段を作動させて、上方に摺動するステップ、
ステップ4-作業壁に対する水平変位の手段を作動させて、下自動枠が、作業壁に接近し、中間自動枠の横にある空いている取付用ハウジングで、作業壁に取付するステップ、
ステップ5-作業壁に固定された下及び中間自動枠の本体に対する垂直変位の係止手段を解除し、本体に対する垂直変位の手段が作動され、本体が、下自動枠が本体の下端部に存在する新たな位置まで、上方へ垂直変位するステップ、
ステップ6-下自動枠の本体に対する垂直変位の係止手段を作動させ、本体の係止を行うステップ、
ステップ7-中間自動枠が、作業壁への取付から解除され、中間自動枠が、作業壁に対する水平変位の手段を作動させて、壁から分離し、その結果、本装置は、上及び下自動枠だけを用いて、作業壁に固着される、ステップ、
ステップ8-中間自動枠が、本体に対する垂直変位の中間自動枠の係止手段を解除し、上自動枠の横に位置するまで、本体に対する垂直変位の手段を作動させて、上方に摺動するステップ、
ステップ9-作業壁に対する水平変位の手段を作動させて、中間自動枠が、作業壁に接近し、上自動枠の横にある空いている取付用ハウジングで、作業壁に取付し、また本体に対する垂直変位の中間自動枠の係止手段を作動するステップ、
ステップ10-上自動枠が、作業壁への上自動枠の取付から解除され、上自動枠が、作業壁に対する水平変位の手段を作動させて、壁から分離し、その結果、本装置は、中間及び下自動枠だけを用いて、作業壁に固着される、ステップ、
ステップ11-上自動枠は、本体に対する垂直変位の上自動枠の係止手段を解除し、本体の上端部に位置するまで、本体に対する垂直変位の手段を作動させて、上方に摺動するステップ、及び
ステップ12-作業壁に対する水平変位の手段を作動させて、上自動枠が、作業壁に接近し、本体の上端部の横にある空いている取付用ハウジングで、作業壁に取付し、また本体に対する垂直変位の上自動枠の係止手段も作動し、最初の作業段階に再び留まる、ステップ
を含み、これらのステップは、所望する作業高さを達成するまで繰り返されるものとする。
【0022】
下方移動段階は、以下のステップ、すなわち
ステップ1-本装置が、少なくとも中間及び下自動枠が、作業壁に取付された状態の、作業段階にあるステップ、
ステップ2-上自動枠が、作業壁への上自動枠の取付から解除され、上自動枠が、作業壁に対する水平変位の手段を作動させて壁から分離し、その結果、本装置は、下及び中間自動枠だけを用いて、作業壁に固着される、ステップ、
ステップ3-上自動枠が、本体に対する垂直変位の上自動枠の係止手段を解除し、中間自動枠の横に位置するまで、本体に対する垂直変位の手段を作動させて、下方に摺動するステップ、
ステップ4-作業壁に対する水平変位の手段を作動させて、上自動枠が、作業壁に接近し、中間自動枠の横にある空いている取付用ハウジングで、作業壁に取付するステップ、
ステップ5-作業壁に固定された自動枠の本体に対する垂直変位の係止手段を解除し、本体に対する垂直変位の手段が作動され、本体が、上自動枠が上端部に存在する新たな位置まで、下方へ垂直変位するステップ、
ステップ6-上自動枠の本体に対する垂直変位の係止手段を作動させ、本体の係止を行うステップ、
ステップ7-中間自動枠が、作業壁への取付から解除され、中間自動枠が、作業壁に対する水平変位の手段を作動させて、壁から分離し、その結果、本装置は、上及び下自動枠だけを用いて、作業壁に固着される、ステップ、
ステップ8-中間自動枠が、本体に対する垂直変位の中間自動枠の係止手段を解除し、下自動枠の横に位置するまで、本体に対する垂直変位の手段を作動させて、下方に摺動するステップ、
ステップ9-作業壁に対する水平変位の手段を作動させて、中間自動枠が、作業壁に接近し、下自動枠の横にある空いている取付用ハウジングで、作業壁に取付し、また本体に対する垂直変位の中間自動枠の係止手段を作動するステップ、
ステップ10-下自動枠が、作業壁への下自動枠の取付から解除され、下自動枠が、作業壁に対する水平変位の手段を作動させて、壁から分離し、その結果、本装置は、中間及び上自動枠だけを用いて、作業壁に固着される、ステップ、
ステップ11-下自動枠は、本体に対する垂直変位の下自動枠の係止手段を解除し、本体の下端部に位置するまで、本体に対する垂直変位の手段を作動させて、下方に摺動するステップ、及び
ステップ12-作業壁に対する水平変位の手段を作動させて、下自動枠が、作業壁に接近し、本体の下端部の横にある空いている取付用ハウジングで、作業壁に取付し、また本体に対する垂直変位の下自動枠の係止手段も作動し、最初の作業段階に再び留まる、ステップ
を含み、これらのステップは、所望する作業高さを達成する、又は解体のために地面に到達するまで繰り返されるものとする。
【発明の効果】
【0023】
提示されたこの垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置は、現在利用可能な装置より多数の効果を提供し、最も重要な効果は、例えば、クレーン又は作業台等の、任意の構造物、装置又は機械を上昇させる又は登らせることができる点である。
【0024】
本発明の別の効果は、自由な幾何学形状及び様々な傾斜度を有する、垂直及び略垂直両方の、平坦な又は湾曲した表面で、適用可能で、使用可能である点である。
【0025】
自由な幾何学形状の表面上で作業可能となるため、例えば、風力タービンタワー、橋のスタック又はあらゆる種類の構造物の壁及び柱に、特に適用可能である点に、注目することは、重要である。
【0026】
別の重要な効果は、本装置の金銭コストが、同じ高さで作業をするのに、別の種類の同等な要素と比べて大幅に減少されると共に、組立及び動作時間を極めて節約できる点である。
【0027】
本発明の別の効果は、本発明が、解体、輸送及び再利用し易く、最も困難な作業環境へのアクセスにも使用でき、そのため金銭上有利となる点である。
【0028】
同様に、別の効果は、取付ハウジングが容易に被覆できるため、本装置は、一旦除去されると、コンクリート表面上には、視覚的及び構造的な影響が少ない点である。
【0029】
更にまた、取付け具間の距離(垂直方向の)は、自由であり、従って、本システムの其々個別に前進する長さは、明らかに、本体の長さによって限定される。
【0030】
本発明の目的を一層理解するために、添付図では、垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置の好適な実施形態を表した。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】多分割の既成コンクリートタワーの表面上に配置された本装置の図を示している。
【
図2】既製コンクリートタワーの表面上に配置された本装置の図を示している。
【
図3】上、中間又は下自動枠のうちいずれか一つの拡大された構成細部を示している。
【
図4】上、中間又は下自動枠のうちいずれか一つの構成細部を示している。
【
図5】上、中間又は下自動枠のうちいずれか一つの構成細部を示している。
【
図6】上、中間又は下自動枠のうちいずれか一つの構成細部を示している。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の構成及び特徴は、添付図を参照して行われる以下の記載で、一層良く理解できる。
【0033】
図1で観察できるように、垂直方向に配置される主ビーム(8)を変位レールとして備え、円形断面の格子又は管、略矩形要素又は別の構造要素の形をした、垂直な金属構造物によって形成される本装置の本体(1)が、互いに独立しており、別々に制御可能で、本体(1)の主ビーム(8)に沿って変位可能な、少なくとも3つの上(2a)、中間(2b)及び下(2c)自動枠又はトローリーと共に、図説されている。
【0034】
上記本体(1)は、多分割の既製コンクリートタワーの表面に配置された状態で示されており、該タワーでは、タワーの作業壁(3)において、作業段階及び上方又は下方移動段階を含む特定の動作方法に対して設計された、複数の取付用ハウジング(15)を示している。
【0035】
作業段階は、上(2a)、中間(2b)又は下(2c)自動枠のうち少なくとも2つを、作業壁(3)への対応する取付手段(15)を用いて、作業壁(3)に取付すること、及び、本体(1)に対する、上(2a)、中間(2b)又は下(2c)自動枠の垂直変位を、対応する係止手段を用いて係止することを含む。この段階において、本装置は、本体(1)及び本装置の関連金属作業構造物を、作業壁(3)にしっかり接合する。
【0036】
上方移動段階は、12ステップを含み、該12ステップは、所望する作業高さを達成するまで、循環的に繰り返されるものとする。
【0037】
同様に、下方移動段階は、別の12ステップを含み、該12ステップは、所望する作業高さに達成するまで、又は解体のために地面に到達するまで繰り返されるものとする。
【0038】
図2は、本装置の本体(1)を図説しており、変位レールとして、垂直方向に配置された主ビーム(8)、及び作業壁(3)に固定された上(2a)、中間(2b)又は下(2c)自動枠を示し、上(2a)、中間(2b)又は下(2c)自動枠のうちいずれか1つの構成細部の拡大図であることを示している。
【0039】
図3は、上(2a)、中間(2b)又は下(2c)自動枠のうちいずれか1つの構成細部を示しており、順番に、主ビーム(8)を部分的に囲む摺動部(9)、該摺動部(9)に対して水平方向に変位可能なシャーシ(10)、及び取付用シャーシ(11)であって、シャーシ(10)と取付用シャーシ(11)との間で垂直方向に配置されたシャフト(12)を用いて変位可能なシャーシ(10)に対して回転能力を有する取付用シャーシ(11)を含む。
【0040】
上記上(2a)、中間(2b)又は下(2c)自動枠は、本体(1)に対する垂直変位の手段を有し、該手段は、1個又は複数のモータ(4)を含み、該モータは、ギアボックス(5)及びピニオン(6)又はアタックギア(図示せず)を備え、全ては、本体(1)の主ビーム(8)に垂直方向に配置された1つ又は複数のラック(7)に接続される摺動部(9)上に配置される。
【0041】
同様に、上(2a)、中間(2b)又は下(2c)自動枠は、変位可能なシャーシ(10)に位置する、本体(1)に対する垂直変位の係止手段を、示している。これらの係止手段は、ピン、ボルト、くさび又は作動時に両部品間の移動を防ぐ他の既知の技術的解決手段によって、形成できる。
【0042】
同様に、上(2a)、中間(2b)又は下(2c)自動枠は、作業壁(3)に対する水平変位の手段を有し、該手段は、少なくとも2つのリニアアクチュエータ(17)を含み、該リニアアクチュエータ(17)は、摺動部(9)の両側に配置されるモータ(20)によって作動され、開口部(19)を通り変位可能なシャーシ(10)を横断し、リニアアクチュエータ(17)の端部で、垂直方向に配置された回転軸(18)を用いて、取付用シャーシ(11)と接続される。これらの水平変位の手段は、本装置を作業壁(3)に結合及び固定するのに必要な接離を可能にし、且つ、例えば、区分によって変化する切断面の既製コンクリートタワーの場合のように、本装置と作業壁(3)間の距離が規則的でない場合に、本装置と作業壁(3)間の距離の適合を可能にする。
【0043】
上(2a)、中間(2b)又は下(2c)自動枠は、作業壁(3)に対する、水平面における、本体(1)の回転手段を有し、該回転手段は、取付用シャーシ(11)、変位可能なシャーシ(10)、両シャーシ間で垂直方向に配置されるシャフト(12)、及びモータ(20)を伴うリニアアクチュエータ(17)を含む。これは、作業壁に対して本装置を回転させる可能性を助長し、特に、本装置が、既製コンクリートタワーを組立てるために、及びナセルやブレードをタワーの上端部に吊り上げるために、クレーンに関連付けられる際に、役に立つ。
【0044】
図3は、モータ(4)、モータ(20)及びリニアアクチュエータ(17)を示しており、モータ(4)、モータ(20)及びリニアアクチュエータ(17)は、電気式、空圧式又は油圧式のものが好ましいが、現在知られている種類の全てのもの、或いは様々な種類を組合せたものとできる。
【0045】
また、
図3は、作業壁(3)において、垂直線上に配置された取付用ハウジング(15)も示しており、これらの取付用ハウジング(15)は、係止用ハウジング(16)を有する。
【0046】
図4は、上(2a)、中間(2b)又は下(2c)自動枠の一つを、90度回転された位置で、図説しており、摺動部(9)に完全に接着された変位可能なシャーシ(10)を、回転していない状態の、変位可能なシャーシ(10)に平行な取付用シャーシ(11)と共に、示している。
【0047】
図5は、上(2a)、中間(2b)又は下(2c)自動枠の一つを、90度回転された位置で、図説しており、摺動部(9)と分離した変位可能なシャーシ(10)を、回転していない状態の、変位可能なシャーシ(10)に平行な取付用シャーシ(11)と共に、示している。
【0048】
図6は、上(2a)、中間(2b)又は下(2c)自動枠の一つを、90度回転された位置で、図説しており、摺動部(9)に完全に接着された変位可能なシャーシ(10)を、該変位可能なシャーシ(10)に対して回転させた取付用シャーシ(11)と共に、示している。
【0049】
図4、
図5及び
図6は、上(2a)、中間(2b)又は下(2c)自動枠のいずれか一つを示しており、該自動枠は、取付用シャーシ(11)の突出部(13)から構成される作業壁(3)への取付手段を有し、上記突出部(13)上で、作動可能で側方に配置される1つ又は複数の係止要素(14)を備え、上記突出部(13)は、角錐台及び円錐台形状から成る群から好適には選択される外形を有する。
【0050】
また、上記各図は、垂直方向に配置されるシャフト(12)及びリニアアクチュエータ(17)を示しており、該リニアアクチュエータ(17)は、モータ(20)によって作動され、摺動部(9)の両側に配置され、開口部(19)を通り変位可能なシャーシ(10)を横断し、リニアアクチュエータ(17)の端部で、回転軸(18)を用いて、取付用シャーシ(11)と接続される。
【0051】
上記各図は、摺動部(9)上に配置され、垂直変位のために提供されたギアボックス(5)を備えるモータ(4)を示している。