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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】軟X線光源
(51)【国際特許分類】
   H01J 35/12 20060101AFI20221213BHJP
   H05G 2/00 20060101ALI20221213BHJP
   H01J 35/00 20060101ALI20221213BHJP
   H05H 1/24 20060101ALN20221213BHJP
【FI】
H01J35/12
H05G2/00 Z
H01J35/00 Z
H05H1/24
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021536731
(86)(22)【出願日】2019-10-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 CN2019113890
(87)【国際公開番号】W WO2020134500
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-08-18
(31)【優先権主張番号】201811640371.0
(32)【優先日】2018-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520481367
【氏名又は名称】レイキャン テクノロジー シーオー., エルティーディー. (スーチョウ)
【氏名又は名称原語表記】RAYCAN TECHNOLOGY CO., LTD. (SUZHOU)
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100182305
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【弁理士】
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100221958
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 真希恵
(74)【代理人】
【識別番号】100192441
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 仁
(72)【発明者】
【氏名】リュウ ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ツェン ルイ
(72)【発明者】
【氏名】シェ チングオ
(72)【発明者】
【氏名】シャオ ペン
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-091095(JP,A)
【文献】特開2003-337200(JP,A)
【文献】特開2006-156577(JP,A)
【文献】特開2007-064973(JP,A)
【文献】米国特許第05459771(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0053487(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101111119(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1728915(CN,A)
【文献】中国実用新案第203775509(CN,U)
【文献】韓国登録特許第10-0651055(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 35/12
H05G 2/00
H01J 35/00
H05H 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空ターゲットチャンバ、冷凍キャビティ、及びそこから液体マイクロ流が流出するノズルを含み、前記冷凍キャビティ及び前記ノズルが前記真空ターゲットチャンバに受容され、前記ノズルが前記冷凍キャビティに配置されている軟X線光源であって、前記真空ターゲットチャンバが、
互いに対向する第1の出口及び第2の出口、並びに前記第1の出口と前記第2の出口との間に位置する第3の出口を有し、前記第1の出口が、冷媒入口パイプ、冷媒出口パイプ、及び作動ガスパイプがそれぞれ貫通して前記冷凍キャビティに接続されている取付け板に接続され、前記第3の出口が真空抜取り装置に接続されている、T分岐管と、
互いに対向する頂部開口及び底部開口、並びに前記頂部開口と前記底部開口との間に位置する複数の側部開口を含み、前記頂部開口が前記第2の出口に緊密に接続され、前記底部開口には真空出口が設けられ、前記ノズルが前記側部開口の位置に対応する位置を有し、前記ノズルの下には前記真空出口に配置されたアダプタによって取り付けられている溝が設けられ、前記溝が前記真空出口と連通している、マルチチャネル管と、
前記側部開口の少なくとも1つに配置されている高エネルギーレーザパルス発生器であって、前記液体マイクロ流に衝撃を与えるために高エネルギーレーザパルスを生じさせ、それにより前記液体マイクロ流をプラズモン化して、その結果軟X線を生じさせるように構成されている、前記高エネルギーレーザパルス発生器
を含むことを特徴とする、
前記軟X線光源。
【請求項2】
冷凍キャビティの下に、ノズルに接続されたアダプタが配置されている、
請求項1に記載の軟X線光源。
【請求項3】
ノズルには温度センサが設けられている、
請求項1に記載の軟X線光源。
【請求項4】
アダプタには、冷凍キャビティに接続された熱伝導ロッドが設けられている、
請求項1に記載の軟X線光源。
【請求項5】
アダプタには、冷凍キャビティと連通する熱伝導管が設けられている、
請求項1に記載の軟X線光源。
【請求項6】
溝が、アダプタに固定的に接続された錐台の頂部に設けられている、
請求項1に記載の軟X線光源。
【請求項7】
ノズルの周囲にヒータが設けられている、
請求項1に記載の軟X線光源。
【請求項8】
取付け板であって、真空ターゲットチャンバの上方に配置され、前記取付け板を貫通する冷媒入口パイプ、冷媒出口パイプ、及び作動ガスパイプを備え、前記冷媒入口パイプ及び前記冷媒出口パイプが冷凍キャビティと連通し、前記作動ガスパイプが前記冷凍キャビティを通過してノズルに接続されている、前記取付け板と、
前記取付け板と前記真空ターゲットチャンバとの間に配置されたベローズであって、前記冷媒入口パイプ、前記冷媒出口パイプ、及び前記作動ガスパイプがすべて前記ベローズを通過する、ベローズと、
前記取付け板と前記真空ターゲットチャンバとの間に配置された三次元変位機構と、
をさらに含む、
請求項1に記載の軟X線光源。
【請求項9】
三次元変位機構が、第1の変位調整器、第2の変位調整器、及び第3の変位調整器を含み、これらが取付け板と真空ターゲットチャンバとの間に配置され、それぞれ、前記取付け板の動きを3つの相互に垂直な方向において制御する、
請求項8に記載の軟X線光源。
【請求項10】
互いに平行に配置されてベローズの周りに嵌められた第1の取付け板、第2の取付け板、及び第3の取付け板をさらに含み、前記第1の取付け板が第3の変位調整器によって取付け板に可動に固定され、前記第2の取付け板が第2の変位調整器によって前記第1の取付け板に可動に固定されるとともに第1の変位調整器によって前記第3の取付け板に可動に固定され、前記第3の取付け板が真空ターゲットチャンバに固定されている、
請求項9に記載の軟X線光源。
【請求項11】
第1の変位調整器が、第3の取付け板に固定された第1のブラケットと、第1の取付け板に固定されて第2の取付け板と位置を合わせた第1のプッシャと、第1の方向において前記第3の取付け板に固定された第1のレールと、前記第2の取付け板の下側に固定されて前記第1のレールと摺動可能に協働する第1のレール溝と、を含む、
請求項10に記載の軟X線光源。
【請求項12】
第2の変位調整器が、第2の取付け板に固定された第2のブラケットと、前記第2の取付け板に固定されて第1の取付け板と位置を合わせた第2のプッシャと、第1の方向に垂直な第2の方向において前記第2の取付け板に固定された第2のレールと、前記第1の取付け板の下側に固定されて前記第2のレールと摺動可能に協働する第2のレール溝と、を含む、
請求項11に記載の軟X線光源。
【請求項13】
第1の変位調整器が、第1の取付け板に固定されて第1の方向及び第2の方向に垂直な第3の方向に均一に配置された複数のネジと、複数のナットと、を含み、取付け板は、前記ナットと前記ネジの係合によって前記ネジに固定されている、
請求項12に記載の軟X線光源。
【請求項14】
第1の変位調整器が、第1の方向及び第2の方向に垂直な第3の方向に配置された複数のステッピング装置を有し、取付け板は、前記ステッピング装置によって第1の取付け板に固定されている、
請求項12に記載の軟X線光源。
【請求項15】
第1のプッシャ又は第2のプッシャがマイクロメータヘッドを有する、
請求項11又は12に記載の軟X線光源。
【請求項16】
作動ガスパイプが、断面積が拡大された凝縮キャビティを形成する部分を有し、前記凝縮キャビティが少なくとも部分的に冷凍キャビティに位置している、
請求項1に記載の軟X線光源。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は軟X線の分野に関し、より具体的には軟X線光源に関する。
【背景技術】
【0002】
X線は、約0.01~100オングストロームの範囲の非常に短い波長の一種の電磁放射であり、紫外線とガンマ線との間にある。X線は高透過能力を示し、可視光に対して不透明な様々な材料を透過することができる。より短い波長のX線はより大きなエネルギーを表し、硬X線としても知られている。より長い波長のX線はより低いエネルギーを表し、軟X線として知られている。一般的に言えば、X線は、0.1オングストローム未満の波長の場合には超硬X線として知られ、0.1~10オングストロームの範囲の波長の場合には硬X線として知られ、10~100オングストロームの範囲の波長の場合には軟X線として知られている。
【0003】
近年、軟X線は多くの科学分野において広く用いられてきた。特に軟X線顕微鏡画像化及び軟X線投影リソグラフィ技術の分野において、破片が少なく、輝度が高く、安定性の高い軟X線がますます必要とされている。加えて、原子分光法、分子分光法、プラズマ物理学又は他の主題において、軟X線光源は通常科学実験に不可欠ものとして要求され、したがって、軟X線光源の応用への需要は急速に増加してきた。
【0004】
早期の段階において、レーザプラズマ軟X線光源は固体の金属ターゲットを採用しており、これにより多くの金属破片が生じることになり、これによりひいては光源に隣接する光学部品が損傷する可能性があり、正常な機能を発揮することが不可能になって、効果が大きく低下し、実験又は機器における光路の正常の動作が不可能になる。技術の発展とともに、したがって、液体マイクロ流体ターゲットが広く用いられ始めてきた。先行技術において、ガス液化は主に、作動ガスが通過するパイプと半導体冷凍装置とを接触させることによって実現される。この種の冷凍装置には2つの欠点がある。第1に、半導体冷凍装置の冷凍能力は、高圧下でも、液化点の低いいくつかの作動ガス(例えば、通常の圧力下で液化点が-196℃の窒素)を液化するレベルに到達することができない。第2に、冷凍装置は、スパイラルガスパイプと半導体冷凍シートの金属熱伝導板との間の接触を用いても高い熱伝達効率を示さないという点で高い効率を示さず、その結果、ガスパイプにおける温度と冷凍シートの温度との間に不一致が生じる。ほとんどの液化点の低い作動ガスでは、液化に成功した後でも、蒸発及び凝縮効果のため窒素の結晶化が起こることになり、低温液体流の安定した噴射を維持することが困難になる。
【0005】
一方、先行技術の解決策においては、液体マイクロ流専用の収集装置がない。代わりに、空のポンプパイプのみが液体流の垂直位置の下のキャビティの底部に接続され、そのため真空ターゲットチャンバ内の真空度を高レベルに維持することができない。軟X線は長波長で空気中の吸収性が強い低エネルギーX線のものであるため、真空ターゲットチャンバ内の真空の不足により、レーザプラズマによって生じた軟X線が部分的に吸収されることになり、したがって光の光強度が弱まることになる。
【0006】
加えて、先行技術の解決策においては、固定された調整不可能な構造の液体マイクロ流体ターゲット装置が提供され、この場合、ノズルの位置は固定され、設置後に調整不可能である。しかしながら、軟X線顕微鏡のような軟X線の様々な用途には、高度な幾何学的対称性の光源が要求される。光源装置の製造誤差又は機器の経年劣化によるノズル位置のずれがあれば、これは機器の適用に直接影響し、適用性能が低下することになる。
【0007】
要するに、先行技術における液体マイクロ流体ターゲットレーザプラズマの軟X線光源には、液体マイクロ流体ターゲットの不十分な冷凍性能、低い液体流安定性、並びにレーザプラズマのサイズ、空間安定性、及び輝度の点で低い性能等の欠点があり、これらは適用要件を満たしていない可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上記の技術的問題のうちの少なくとも1つを解決することができる軟X線光源を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術的課題に対処するため、本開示において、真空ターゲットチャンバ、冷凍キャビティ、及びノズルを含み、冷凍キャビティ及びノズルが真空ターゲットチャンバに受容され、ノズルが冷凍キャビティに配置されている軟X線光源であって、真空ターゲットチャンバがT分岐管とマルチチャネル管とを含む、軟X線光源が提案される。T分岐管は、互いに対向する第1の出口及び第2の出口、並びに第1の出口と第2の出口との間に位置する第3の出口を有し、第1の出口が、冷媒入口パイプ、冷媒出口パイプ、及び作動ガスパイプがそれぞれ貫通して冷凍キャビティに接続されている取付け板に接続され、第3の出口が真空抜取り装置に接続されている。マルチチャネル管は、互いに対向する頂部開口及び底部開口、並びに頂部開口と底部開口との間に位置する複数の側部開口を含み、頂部開口が第2の出口に緊密に接続され、底部開口には真空出口が設けられ、ノズルが側部開口の位置に対応する位置を有し、ノズルの下には真空出口に配置されたアダプタによって取り付けられている溝が設けられ、溝が真空出口と連通している。
【0010】
本願の一実施形態によれば、冷凍キャビティの下に、ノズルに接続されたアダプタが配置されている。
【0011】
本願の一実施形態によれば、ノズルには温度センサが設けられている。
【0012】
本願の一実施形態によれば、アダプタには、冷凍キャビティに接続された熱伝導ロッドが設けられている。
【0013】
本願の一実施形態によれば、アダプタには、冷凍キャビティと連通する熱伝導管が設けられている。
【0014】
本願の一実施形態によれば、溝が、アダプタに固定的に接続された錐台の頂部に設けられている。
【0015】
本願の一実施形態によれば、抵抗線のようなヒータがノズルの周囲に設けられている。
【0016】
本願の一実施形態によれば、軟X線光源は、取付け板、ベローズ、及び三次元変位機構を含む。取付け板は、真空ターゲットチャンバの上方に配置され、取付け板を貫通する冷媒入口パイプ、冷媒出口パイプ、及び作動ガスパイプを備え、冷媒入口パイプ及び冷媒出口パイプが冷凍キャビティと連通し、作動ガスパイプが冷凍キャビティを通過してノズルに接続されている。ベローズは、取付け板と真空ターゲットチャンバとの間に配置され、冷媒入口パイプ、冷媒出口パイプ、及び作動ガスパイプがすべてベローズを通過する。三次元変位機構は、取付け板と真空ターゲットチャンバとの間に配置されている。
【0017】
本開示における一実施形態によれば、三次元変位機構が、第1の変位調整器、第2の変位調整器、及び第3の変位調整器を含み、これらが取付け板と真空ターゲットチャンバとの間に配置され、それぞれ、取付け板の動きを3つの相互に垂直な方向において制御する。
【0018】
本願の一実施形態によれば、軟X線光源は、互いに平行に配置されてベローズの周りに嵌められた第1の取付け板、第2の取付け板、及び第3の取付け板をさらに含み、第1の取付け板が第3の変位調整器によって取付け板に可動に固定され、第2の取付け板が第2の変位調整器によって第1の取付け板に可動に固定されるとともに第1の変位調整器によって第3の取付け板に可動に固定され、第3の取付け板が真空ターゲットチャンバに固定されている。
【0019】
本願の一実施形態によれば、第1の変位調整器が、第3の取付け板に固定された第1のブラケットと、第1の取付け板に固定されて第2の取付け板と位置を合わせた第1のプッシャと、第1の方向において第3の取付け板に固定された第1のレールと、第2の取付け板の下側に固定されて第1のレールと摺動可能に協働する第1のレール溝と、を含む。
【0020】
本願の一実施形態によれば、第2の変位調整器が、第2の取付け板に固定された第2のブラケットと、第2の取付け板に固定されて第1の取付け板と位置を合わせた第2のプッシャと、第1の方向に垂直な第2の方向において第2の取付け板に固定された第2のレールと、第1の取付け板の下側に固定されて第2のレールと摺動可能に協働する第2のレール溝と、を含む。
【0021】
本願の一実施形態によれば、第1の変位調整器が、第1の取付け板に固定されて第1の方向及び第2の方向に垂直な第3の方向に均一に配置された複数のネジと、複数のナットと、を含み、取付け板は、ナットとネジの係合によってネジに固定されている。
【0022】
本願の一実施形態によれば、第1の変位調整器が、第1の方向及び第2の方向に垂直な第3の方向に配置された複数のステッピング装置を有することができ、取付け板は、ステッピング装置によって第1の取付け板に固定されている。
【0023】
本願の一実施形態によれば、第1のプッシャ又は第2のプッシャがマイクロメータヘッドを有することができる。
【0024】
本願の一実施形態によれば、作動ガスパイプが、断面積が拡大された凝縮キャビティを形成する部分を有し、凝縮キャビティが少なくとも部分的に冷凍キャビティ内に位置している。
【0025】
上記の欠点に対処するため、本開示における軟X線光源には、冷却という目的のため、冷凍キャビティ内の冷媒と作動ガスが通過する貫通パイプとの間の直接接触が設けられている。冷凍効果は冷媒の選択時に調整することができ、これは例えば極低温に到達し、したがって、液体窒素のような、比較的低い液化点を有する作動ガスを液化することができる。液体流の安定性を向上させるため、ノズルの周囲の抵抗線によってノズルの出口で加熱が実施される。一方、本開示において、マルチチャネル真空システムが提案されており、このシステムでは、ノズルの下の金属錐台が真空ポンプパイプラインと協働して、真空度を減少させて軟X線の消費を引き起こすことになる流動過程中の低温マイクロ流のさらなる気化を防止する一方、キャビティ内の高度な真空を維持するようにキャビティ内のガスを抜取るため、真空ターゲットチャンバのキャビティの上方にさらなる一組の真空ポンプが配置されている。加えて、この装置には、ノズルの位置をX軸、Y軸、及びZ軸方向に調整するこのような三次元変位機構が設けられ、これによって光源の幾何学的位置の調整を実現している。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示における実施形態及び現状技術を説明するという目的のため、実施形態又は現状技術を参照して添付の図面をこれから説明する。図示するような図面は、本開示に記載するようないくつかの実施形態の単なる例示であることが明らかである。創造的な作業を伴わずに、図示するような図面に対する様々な代替案を理解することができるということが当業者によって理解されるべきである。
図1】本開示における一実施形態による軟X線光源の概略斜視図である。
図2】三次元変位機構を示す、図1による軟X線光源の概略部分拡大斜視図である。
図3図1による軟X線光源の概略部分断面斜視図である。
図4】上部部分のみが示されている、図1による軟X線光源の概略断面図である。
図5】下部部分のみが示されている、図1による軟X線光源の概略断面図である。
図6】ノズル及び加熱装置を示す、図5による軟X線光源の概略部分拡大斜視図である。
図7図1による軟X線光源に接続された外部装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次において、実施形態を参照して本願をこれからさらに説明する。次の実施形態は、限定された目的ではなく例示のためのみのものであることが理解されるべきである。
【0028】
特に、部品又は要素が他の部品又は要素「に配置」されていると記載されるとき、それは他の部品又は要素に直接配置され得る、又はそこに中間の部品又は要素があり得る。部品又は要素が他の部品又は要素に「接続又は結合」されていると記載されるとき、それは他の部品又は要素に直接接続又は結合され得る、又はそこに中間の部品又は要素がある。本明細書で用いられる「接続又は結合」という用語は、電気的接続若しくは結合及び/又は機械的若しくは物理的接続若しくは結合を含むことができる。本明細書で用いられる「~を含む(comprise)又は~を含む(include)」という用語は、特徴、ステップ、部品又は要素の存在を指すが、1又は2以上のさらなる特徴、ステップ、部品、又は要素の存在又は追加を排除するものではない。本明細書で用いられる「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1又は2以上のありとあらゆる組合せを含む。
【0029】
他に指示しない限り、本明細書で用いられるすべての技術及び科学用語は、本開示に関連する技術分野における当業者によって通常に理解されるような一般的な意味を有する。本明細書で用いられる用語は、具体的な実施形態を説明することを目的とするが、本発明を限定するように意図されるものではない。
【0030】
加えて、本明細書で用いられる「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、説明という目的のためのみの、類似の対象を互いに区別するものであり、これらはその順序を表さず、これらは相対的な重要性の指示又は暗示として理解することもできない。加えて、本開示における説明において、他に指定しない限り、「複数の」は2又は3以上を意味する。
【0031】
図1は、本願の一実施形態による軟X線光源の三次元概略図である。図1から、本願において提供される軟X線光源は、三次元変位機構、真空ターゲットチャンバ、冷凍機構、及び光発生機構を含むことが分かり、そのことは図面を参照してこれらを詳細に説明する。
【0032】
図1において、三次元変位装置は、板形状の取付け板10、ベローズ60、第1のフランジ30、第1の変位調整器70、第2の変位調整器80、及び第3の変位調整器14を含む。ベローズ60は円筒形状であり、その軸方向に拡張可能及び折畳み可能であるように構成されている。ベローズ60は、取付け板10の下面に配置された封止された頂部と、第1のフランジ30に緊密に接続された底部部分とを有し、取付け板10、ベローズ60、及び第1のフランジ30が閉じた、実質的に円筒状の空間を形成するようになっている。円筒状の空間は、Z軸方向として定義される、図を示す紙に対して縦の方向である縦中心線と、それぞれX軸及びY軸方向として定義されるZ軸方向に垂直な平面内の2つの相互に垂直な方向と、を有する。第1のフランジ30には、Z軸方向に延在する複数の第1のネジ24が設けられている。第1のネジの頂部には、第1の変位調整器70を備えた環状の第3の取付け板23が配置されている。第3の取付け板23と同じ形状を有してこれに平行な第2の取付け板22が設けられている。第2の取付け板22は、第3の取付け板23の上方に配置され、第1の変位調整器70によって第3の取付け板23に接続されている。第2の取付け板22には第2の変位調整器80が設けられている。第1の取付け板21は、第2の取付け板22と同じ形状を有してこれに平行である。第1の取付け板21は第2の取付け板22の上方に配置され、第2の変位調整器80によって第2の取付け板22に接続されている。第1の取付け板21、第2の取付け板22、及び第3の取付け板23は、実質的に互いに積み重ねられ、それぞれ、同じサイズの貫通孔を有し、ベローズ60が受容されている。第1の取付け板21には、Z軸方向に延在する複数の、例えば3本の、第2のネジ15が設けられ、これに取付け板10が、第3の変位調整器としての調整ナット14によって固定され、これは、取付け板10の位置をZ軸方向において調整するように構成されている。取付け板10には、作動ガスパイプ11、冷媒出口パイプ12、及び冷媒入口パイプ13も設けられ、これらは、外側から取付け板10を貫通し、ベローズ60内へ挿入されている。
【0033】
さらに、図1において、真空ターゲットチャンバは、3つの出口、すなわち、頂部出口、底部出口、及び側部出口を含むT分岐管40、及びマルチチャネル管50を含む。頂部出口と底部出口との間には、Z軸方向に延在する円筒状の空間が設けられ、これと側部出口が連通している。頂部出口には第2のフランジ41が配置され、側部出口には第3のフランジ42が配置され、底部出口には第4のフランジ43が配置されている。第1のフランジ30及び第2のフランジ41は、ガスケット及びボルトによって互いに緊密に接続されている。マルチチャネル管50は、上部開口、下部開口、及び複数の側部開口を含む。上部開口と下部開口との間には、Z軸方向に延在する円筒状の空間が設けられ、これと側部開口が連通している。一方、上部開口には第5のフランジ51が配置され、下部開口には第6のフランジ53が配置され、側部開口にはそれぞれのフランジ52、54などが配置されている。第5のフランジ51及び第4のフランジ31は、ガスケット及びボルトによって互いに緊密に接続されている。第6のフランジ53には、その中央部分に真空排気口511が設けられている。第1のフランジ30が第2のフランジ41に緊密に接続されている場合、第1のフランジ30の上方のベローズ60内の円筒状の空間は、第2のフランジ41の下のT分岐管40内の円筒状の空間と連通していないことが当業者によって留意されるべきである。第4のフランジ43が第5のフランジ51に緊密に接続されている場合、第4のフランジ43の上方のT分岐管40内の円筒状の空間は、第5のフランジ51の下のマルチチャネル管50内の円筒状の空間と連通している。マルチチャネル管50の側面上の複数の側部開口に配置されて、CCDホルダ55、CCDアダプタ56、レーザシールド57、観察窓58、59などがあり得るが、これらは当業者によって通常に用いられ、詳述しない。
【0034】
さらに、図2は、図1による軟X線光源の概略部分拡大斜視図である。図2に示すように、第1のフランジ30及び第2のフランジ41には、円周方向の縁部に隣接して均等に分布したボルト穴が設けられ、これらを通して固定ボルトが挿入されて第1のフランジ30と第2のフランジ41との間に緊密な接続を形成する。複数の第1のネジ24によって、第1のフランジ30は第3の取付け板23に固定的に接続され、後者の2つが互いに対して可動でないようになっている。第1の変位調整器70は、第1のブラケット71、第1のプッシャ72、第1のレール73、及び第1のレール溝74(図4)を含む。第1のブラケット71はL形状の形態であり、一端が第3の取付け板23に固定され、他端が上方に突出し、第3の取付け板23が位置している平面に垂直である。第1のプッシャ72は、第1のブラケット71の他端にX軸方向に配置され、第2の取付け板22と位置を合わせて、第1のプッシャ72の移動が第2の取付け板22を移動させるように駆動するようにする。第3の取付け板23の上面上に配置され、X軸方向に沿って延在する2つの第1のレール73があり、2つの第1のレール73は、ベローズ60に対して対称に配置されて互いに平行である。第2の取付け板22の下面には、第1のレール73と協働するように構成された第1のレール溝74(図4)が設けられている。第1のガイドレール73は第1のガイド溝74に受容され、第1のガイド溝74に沿って摺動可能である。第1のプッシャ72が移動すると、第2の取付け板22は第1のガイドレール73に沿ってX軸方向に摺動する。第2の変位調整器80は、第2のブラケット81、第2のプッシャ82、第2のレール83、及び第2のレール溝を含む。第2のブラケット81はL形状の形態であり、一端が第2の取付け板22に固定され、他端が上方に突出し、第1の取付け板21が位置している平面に垂直である。第2のプッシャ82は、第2のブラケット81の他端にY軸方向に配置され、第1の取付け板21と位置を合わせて、第2のプッシャ82の移動が第1の取付け板21を移動させるように駆動するようにする。第2の取付け板22の上面上に配置され、Y軸方向に沿って延在する2つの第2のレール83があり、2つの第2のレール83は、ベローズ60に対して対称に配置されて互いに平行である。第1の取付け板21の下面には、第2のレール83と協働するように構成された第2のレール溝が設けられている。第2のガイドレール83は、第2のガイド溝に受容され、第2のガイド溝に沿って摺動可能である。第2のプッシャ82が移動すると、第1の取付け板21は第2のガイドレール83に沿ってY軸方向に摺動する。ベローズ60は円筒形状を有し、その軸方向に拡張可能及び折畳み可能であるように構成され、ベローズ60の封止された頂部部分は取付け板10の下面上に配置され、取付け板10は調整ナット14を通じて第2のネジ15に固定され、第1のプッシャ71及び第2のプッシャ82がそれぞれ調整されると、取付け板10がこれに応じてX軸方向及びY軸方向に沿って移動し、第3の変位調整器14が調整されると、取付け板10がこれに応じてZ軸方向に沿って移動するようになっている。
【0035】
さらに、図3は、図1による軟X線光源の概略部分断面斜視図である。図4は、図1による軟X線光源の概略断面図である。図5は、図1による軟X線光源の概略断面図である。図3と組み合わせて図4及び図5を参照すると、取付け板10には、作動ガスパイプ11、冷媒出口パイプ12、及び冷媒入口パイプ13も設けられ、これらは外側から取付け板10を貫通してベローズ60内へ挿入されている。冷凍機構は、円筒形状の形態であることができ、真空ターゲットチャンバに受容される冷凍キャビティ44、冷媒入口パイプ13、及び冷媒出口パイプ12を含む。具体的には、冷凍キャビティ44は、T分岐管40の内側からマルチチャネル管50の内側へ延在し、冷媒入口パイプ13及び冷媒出口パイプ12はそれぞれ、取付け板10の頂部からベローズ60の内側を通り、第1のフランジ30及び第2のフランジ41を通過し、ひいては冷凍キャビティ44の頂部と連通してこれに固定されて、冷媒が冷媒入口パイプ13から冷凍キャビティ44内へ送達されて冷凍キャビティ44内の温度を下げることができるようになる一方、冷凍キャビティ44において生じたガスが、冷凍キャビティ44から冷媒出口パイプ12を通して排出される。作動ガスパイプ11は、取付け板の頂部からベローズ60の内側、第1のフランジ30、第2のフランジ41、及び冷凍キャビティ44を通過し、冷凍キャビティ44を通過した後、作動ガスパイプ11は次いでノズルに接続される。作動ガスパイプ11は、冷凍キャビティ44に少なくとも部分的に位置する拡大断面積を備えた凝縮キャビティ111を形成する中間部分を有する。作動ガスパイプ11の内側部分は、冷凍キャビティ44の内側部分と接触していないことが留意されるべきである。窒素のような作動ガスは、作動ガスパイプ11を通してノズルに送達されてその過程において液化され、作動ガスがノズルから流出するときには液化されているようになっている。作動ガス中の水分は、凝縮キャビティ11を通過するときに凝縮され、進行する作動ガスの純度が維持されて、ノズルが詰まることを防止するようになっている。
【0036】
図6は、図5による軟X線光源の概略部分拡大斜視図である。図3と組み合わせて図6に示すように、光発生機構は、冷凍キャビティ44の下に配置され、アダプタ35によってこれに固定されたノズル36を含む。ノズル36は作動ガスパイプ11と連通し、液体に凝縮された作動ガスがノズル36から流出するようになっている。アダプタ35は通常、迅速かつ正確な温度伝達のための金属アダプタの形態である。アダプタ35の周囲には、ノズル36の周囲の温度変化をリアルタイムで監視するための温度センサ31が配置され、この温度センサは、取付け板10の頂部に設けられたプラグ17の1つによって外部デバイスに接続されている。冷凍キャビティ44の下方には、抵抗線34が配置されている抵抗線ホルダ33を備えた接続片32が配置され、抵抗線の一部分は、ノズル36の側面を包囲するらせん状の形である。抵抗線34は、導電線によって取付け板10の頂部に設けられた他のプラグ17に接続されて、抵抗線への電力供給を容易にしている。抵抗線34の加熱は、冷媒液体の蒸発及び凝縮によって引き起こされる温度低下を補償することができるが、低温液体の周囲環境の高度な真空を破壊することはなく、マイクロ液体流の安定性がさらに向上し、同時に、ノズル36が凝縮によって遮断されると、抵抗線34の加熱により目詰まりの解消が促進されるようになる。ノズルの下方には、実質的に15mmの距離で、金属錐台37が設けられ、これは、ノズル36から流出する残余液体を受容するため、金属錐台37の中空の内部部分と連通する溝をその頂部で有する。金属錐台37は、軟X線の消費を低減するよう、その蒸発により真空度に大きな影響を与える残余液体を適時に排出するように設計されている。金属錐台37の下部は、金属アダプタ513及び金属コネクタ512によって真空排気口511にさらに接続され、真空排気口511を通して上記の残余液体を引き出すことができるようになっている。金属アダプタ513には、Z軸方向に延在して冷凍キャビティ44に接続されて、金属アダプタ513、金属錐台37及びノズル36の温度を熱伝達によって平衡化する熱伝導ロッド38も設けられ、真空ターゲットチャンバ内の真空度を減少させて軟X線の輝度に影響を与えないように、温度変化によって残余液体がその状態を変化させないことが保証されるようになっているということが留意されるべきである。又は、金属アダプタ513には、Z軸方向に延在して冷凍キャビティ44に接続された熱伝導管38が設けられ、真空ターゲットチャンバ内の真空度を減少させて軟X線の消費につながることになる、流動過程中の低温液体マイクロ流のさらなる気化を防止するため、冷凍キャビティ44内の冷媒を金属アダプタ513及び金属錐台37に送達してこれらの温度と冷凍キャビティ44内の温度を平衡化することができるようになっている。
【0037】
ノズル36は冷凍キャビティ44に固定され、これがひいては冷媒入口パイプ13、冷媒出口パイプ12、及び作動ガスパイプ11によって取付け板10に固定されているため、第1の変位調整器70、第2の変位調整器80及び第3の変位調整器14によってノズル36の幾何学的位置の多軸調整を実現することができ、真空ターゲットチャンバ内のノズルを光源の動作中にX、Y、及びZ軸方向に調整することができるようになり、液体マイクロ流の位置を制御し、最終的に、軟X線光源の位置を調整するという目的を実現することができるようになる。
【0038】
図7は、図1による軟X線光源に接続された外部装置の概略図である。図7に示すように、軟X線光源はまた、冷媒の入力を自動的に制御して冷凍キャビティ内の安定した圧力を維持するための低温ソレノイドバルブ3を備えた配送パイプ2を通して冷媒入口パイプ13に接続された冷媒容器1を含む。軟X線光源は、ヒータ7を備えた高温緩衝キャビティ6を備えた真空配送管200を通して冷媒出口パイプ12に接続された分子真空ポンプ4をさらに含む。高温緩衝キャビティ6と分子真空ポンプ4との間には真空ソレノイドバルブ5が配置されている。抜取られた低温冷媒を高温緩衝キャビティ6及びヒータ7によって加熱することによって、過度に低温の冷媒が真空ソレノイドバルブ5及び分子真空ポンプ4を損傷することを防止する。真空ソレノイドバルブ5は、冷凍キャビティ内の圧力が低すぎると閉じられ、冷凍キャビティ内の圧力が高すぎると開かれるよう、真空閾値を設定するように構成することができ、冷凍キャビティ内の温度の制御を実現することができるようになっている。冷凍キャビティ44内の冷媒は、分子真空ポンプ4によって循環させて置き換わることができ、比較的低い冷凍温度をノズルで実現することができ、より高い冷凍効率で正確に調整することができるようになり、窒素のような、液化点が非常に低いいくつかのガスを液化することができ、より長い噴霧距離でより安定した噴霧を達成することができるようになり、そのため軟X線光源がより安定し、様々なタイプのガスターゲットに適用可能である。マルチチャネル管50には、その側面に真空ゲージインターフェース510も設けられ、真空ゲージインターフェース510を通して真空ゲージがマルチチャネル管50に接続されてマルチチャネル管50内の真空度を測定する。光発生機構はまた、マルチチャネル管50の側面上の出口の1つに配置された入口を備えた高エネルギーレーザパルス発生器を含む。出口の上には、高エネルギーレーザパルス100がマルチチャネル管50内のノズル36で集束して液体マイクロ流に衝撃を与えることを可能にするためのレーザ集束レンズ8が配置され、液体マイクロ流がプラズモン化されて軟X線が生じるようになる。マルチチャネル管50及びT分岐管40内の真空度を維持するため、T分岐管40上の第3のフランジ42及びマルチチャネル管50の底部の真空排気口511は真空抜取り装置に接続されている。真空抜取り出口がそれぞれ真空ターゲットチャンバの上端及び下端に配置されていることを考慮すると、それによって、真空ターゲットチャンバ内の真空度を高レベルに維持することができる。
【0039】
本願における技術的解決策において言及される第1の変位調整器及び第2の変位調整器はマイクロメータヘッドとすることができ、第3の変位調整器は他のステッピング装置、すなわち、電気変位テーブルのような、ミクロン精度で線形変位を手動又は自動で調整することができる任意の調整装置に置き換えることができるということが、本発明の範囲内に入ることを当業者によって留意されるべきである。ノズルは耐低温性ガラスノズルで作製することができ、アダプタ部品、アダプタ、及び金属錐台は耐低温性金属材料で作製することができるということが当業者によって留意されるべきである。高エネルギーレーザパルスは、高エネルギーナノ秒パルスレーザ装置によって生じさせることができ、又はフェムト秒パルスレーザ装置などのような他の高エネルギー短パルスレーザ光源によって生じさせることができるが、これはここでは詳述しない。本開示における真空ポンプは、真空ターゲットチャンバ内で高度の真空を達成するよう、イオンポンプ、ルーツポンプなどのいずれかから選択することができる。作動ガスは好ましくは窒素である。しかしながら、窒素はレーザプラズマを生じさせるためのターゲット物質の1つにすぎない。アルコール、キセノン、及び他の物質のような、特定の強度の軟X線を放射するレーザプラズマを生じさせることができる、気体又は液体を含む、任意の他の物質は、本発明の範囲に入ることになる。
【0040】
上で説明してきたものは本開示における好ましい実施形態にすぎず、本発明の範囲を限定するように意図されるものではない。本開示における上記実施形態に対して様々な代替物を作製することができる。この点において、請求項及び説明に従ってなされたいかなる簡単な又は同等の変更又は修正も、請求項に規定されるような本発明の範囲内に入る。本開示において詳細に説明していないものは従来技術である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7