(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 1/36 20060101AFI20221213BHJP
B65D 85/50 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
B65D1/36
B65D85/50 140
(21)【出願番号】P 2022504641
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(86)【国際出願番号】 JP2020027118
(87)【国際公開番号】W WO2022009431
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2022-02-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390041058
【氏名又は名称】シーピー化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000707
【氏名又は名称】弁理士法人市澤・川田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】込山 和馬
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-095429(JP,A)
【文献】特許第6403745(JP,B2)
【文献】特開2014-118180(JP,A)
【文献】特開2008-131923(JP,A)
【文献】登録実用新案第3115032(JP,U)
【文献】特開2007-269349(JP,A)
【文献】登録実用新案第3062105(JP,U)
【文献】特開2018-095306(JP,A)
【文献】特開2012-176773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/36
B65D 85/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも容器本体を備えた包装用容器であって、該容器本体の底面部に、区画された水平面状の載置面を複数設け、該載置面を該容器本体の長さ方向に沿って配列し、隣接する該載置面の高さが相違
し、該容器本体の長さ方向における中間の載置面が最も高い位置となる山型状とし、該載置面の各々を該容器本体の周囲に設けた周壁面部の上縁部の最低高さと同等の高さ又はそれよりも上方に位置させ
、該容器本体の長さ方向に沿う周壁面部の上縁部を側面視において中間部が膨らむ凸型とした包装用容器。
【請求項2】
前記載置面は四角形状に区画された請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記載置面を、前記容器本体の幅方向にも並列させた
請求項1又は2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記容器本体の幅方向に並ぶ載置面を面一にした
請求項3に記載の包装用容器。
【請求項5】
前記容器本体の幅方向に並ぶ載置面の高さを相違させた
請求項3に記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、握り寿司などの収容物を購買者の注目を集めるように配列できる包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
百貨店やスーパーマーケットなどの食品売り場では、薄肉のプラスチック容器に収容された握り寿司、いわゆるパック寿司が売られていることがよく見かけられる。
パック寿司に用いられる容器は底面が平らであるものが多く、このような容器に盛り付けられた握り寿司は、ネタが平面状に規則的に並び、視覚的に単調であり、購買者の購買意欲を刺激するとはいえなかった。
一方、ちらし寿司などは、ネタの配列を工夫し、見栄えをよくしたものが見られ、購買者の視覚に訴え、購買意欲を刺激されることもあり、思わず購入してしまうこともある。
パック寿司でも、配列により購買意欲を刺激できれば、売り上げ増に貢献することができると考えられる。
【0003】
そこで、例えば、下記特許文献1には、「寿司を平面視において前後方向に対して所定角度傾斜させた状態で一つずつ個別に載置するための個別載置面が、左右方向に沿って段差部を介して三つ以上並設されており、個別載置面は略長方形状であって、最左の個別載置面は、右側が左側よりも低くなるように個別載置面の短辺方向に沿って傾斜しており、最右の個別載置面は、左側が右側よりも低くなるように個別載置面の短辺方向に沿って傾斜していることを特徴とする寿司用容器」の発明が開示されており、この容器は、各個別載置面に一つずつ個別に載置された寿司の列が立体感に富んだ状態となり、ボリューム感のある盛り付け状態を得ることができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示された容器は、握り寿司を傾いた状態で配列することにより表面側にジグザグ状の凹凸感があるようにしたものであり、従来と比べれば視覚的に異なるものであるが、個々の握り寿司が傾いているように見え、購買者に好印象を与えるといえるかは疑問であった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、特に握り寿司などの直方体状の食料品を収容するのに適し、購買者に訴求力があり、購買意欲を喚起する配列ができる包装用容器を提供することにある。さらに、この容器は握り寿司などの収容物を箸で摘まみ上げやすくすることもできるものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態の包装用容器は、少なくとも容器本体を備えた包装用容器であって、該容器本体の底面部に、区画された水平面状の載置面を複数設け、該載置面を該容器本体の長さ方向に沿って配列し、隣接する該載置面の高さが相違し、該容器本体の長さ方向における中間の載置面が最も高い位置となる山型状とし、該載置面の各々を該容器本体の周囲に設けた周壁面部の上縁部の最低高さと同等の高さ又はそれよりも上方に位置させ、該容器本体の長さ方向に沿う周壁面部の上縁部を側面視において中間部が膨らむ凸型としたことを特徴とする。この載置面は四角形状に区画することができる。
【0008】
このように、底面部を区切って個別の載置面を設け、隣接する載置面の高さを相違させて段状にすることにより、例えば、各載置面に個々の握り寿司を載せれば、各握り寿司の表面高さが相違し、上方に突き出て見えるため、ボリューム感があるように見えるとともに、購買者が思わず注視し、手に取る確率を高めることができる。また、載置した握り寿司が突き出す形になるため、上方のものから箸で摘まみ上げやすくなるという利点もある。
【0009】
上記形態において、複数の載置面を、容器本体の長さ方向における中間の載置面が最も高い位置となる山型状に配列してある。
このような載置面の配列にすることにより、購買者に対する訴求力を高め、購買意欲を喚起することができる。
【0010】
上記形態において、底面部の周囲に周壁面部を設け、容器本体手前側の周壁面部の上縁部を側面視において中間部が膨らむ凸型にしてある。
このようにすることにより、容器本体を手前側(正面側)から視た際に、従来によくある水平状の上縁部と比較して目立ち、購買者の注目を集めやすくなる。特に、周壁面部の上縁部をアーチ型にし、載置面を山型状に配列した場合は、載置面に載置した収容物と周壁面部の上縁部が共に両端縁部から中央に向かい盛り上がるようになるため購買者の注目を集めやすくなる。
【0011】
上記形態において、載置面を、容器本体の幅方向にも並列させることができる。この際、容器本体の幅方向に並ぶ載置面を面一にしたり、高さを相違させたりすることができる。
このようにすることにより、幅方向(奥行き方向)に複数列で収容物を載せることができ、収容量を増やしながらも収容物の高さが相違する様々なバリエーションの配列が可能になり、購買者に対する訴求力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第一実施形態の包装用容器において、容器本体と蓋体とを分離した状態での斜視図である。
【
図4】
図1の容器本体を示し、(A)は長手縁部側(手前側)の側面図、(B)は短手縁部側の側面図である。
【
図5】
図1の容器本体における載置面の配列構造の変形例を簡易的に示し、(A)は山型状の配列、(B)は階段状の配列を示した端面図である。
【
図6-11】
図1の容器本体の各変形例を示し、(A)は平面図、(B)は手前側(X-X線)及び奥側(Y-Y線)の載置面の配列例を簡易的に示した端面図である。
【
図12】本発明の第二実施形態の包装用容器における、容器本体の平面図である。
【
図13】
図12の容器本体を示し、(A)は長手縁部側(手前側)の側面図、(B)は短手縁部側の側面図である。
【
図15】
図12に示した包装用容器の変形例を示し、容器本体の斜視図である。
【
図17】
図15の容器本体を示し、(A)は長手縁部側(手前側)の側面図、(B)は短手縁部側の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の包装用容器の第一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
本発明の第一実施形態の包装用容器1は、
図1に示すように、容器本体2と、蓋体3とを備える。包装用容器1は、少なくとも容器本体2を備えていればよく、蓋体3がない構成としてもよい。包装用容器1は、直方体状、より詳しくは、直方体の長さ方向の中間付近が上方に膨らむアーチ型としてある。
包装用容器1は、例えば、食料品などを収容物として収容することができ、特に握り寿司、軍艦巻き、カットした出汁巻き卵などの直方体状の食料品を収容することに適している。
【0015】
容器本体2は、
図1~
図4に示すように、扁平直方体状、より詳しくは、
図4(A)に示すように、扁平直方体をアーチ型に折り曲げた形状をなす。以下、容器本体2の長手方向を長さ方向、短手方向を幅方向とし、また、容器本体2の一長手縁部側を手前側として説明する。
なお、本実施形態では、容器本体2を平面視長方形状としてあるが、これに限定されるものではなく、平面視正方形状、平面視楕円乃至長円状などとしてもよい。
【0016】
容器本体2は、底面部21と、底面部21を四角形状に区画した複数の載置面22と、底面部21の周囲から立ち上がる周壁面部23と、周壁面部23の上縁部を下方に折り返し、脚部24aも兼ねる袴部24と、を備える。
【0017】
底面部21は、
図2に示すように、平面視長方形状を呈し、各載置面22を段状に配列した載置部21aと、載置部21aの周囲に設けた溝状の凹溝部21bとを備える。
載置部21aは、平面視平行四辺形状に区画された載置面22を容器本体2の長さ方向に四列、幅方向に二列配列して形成してある。
各載置面22は、
図3に示すように、略水平面状とし、個々の握り寿司Sなどの収容物が載るようにしてある。各載置面22の縁部には、若干高さで隆起させた突条状の仕切り部22aを設けてもよく、載置面22に載せた収容物がずれ動きにくくしてある。仕切り部22aは、円錐状に突出するポッチ状に形成してもよい。
本実施形態では、載置面22を平面視平行四辺形状に区画してあるが、これに限定されるものではなく、平面視において三角形状、四角形状、五角形状、六角形状などの多角形状や長円状などに区画することができ、特に、平面視において正方形状、長方形状、平行四辺形状や菱形状など四角形状が好ましく、直方体状の収容物がおきやすい形状に区画するのが好ましい。また、載置面22は、水平面状ではなく、やや傾いた傾斜面としてもよい。載置面22をやや傾いた傾斜面とすれば、握り寿司などの収容物を載置した包装用容器1を陳列した際に、握り寿司のネタの視認性が向上し、消費者の購買意欲を刺激できる。
【0018】
載置面22は、
図2又は
図3に示すように、容器本体2の長さ方向に沿って配列し、隣接する載置面22の高さを相違させた段状になるようにしてある。具体的には、容器本体2の長さ方向の中間の載置面22(手前側では右から二列目、奥側は左から二列目)が、最も高い位置となる山型状に配列してある。また、容器本体2の幅方向に隣接する載置面22は面一になるようにしてある。
【0019】
周壁面部23は、凹溝部21bの周縁から垂直面状に立ち上がり、底面部21を囲うようにしてある。周壁面部23の長手縁部の上縁部は、
図4に示すように、側面視においてアーチ型としてある。これにより、容器本体2を手前側の側面から視た際に、山型状に配列した載置面22と相俟って中央が盛り上がるように見え、購買者の注目を集めやすくなる。周壁面部23の上縁部は、載置部21aよりもやや高い位置になるようにするのが好ましい。
周壁面部23の長手縁部の上縁部は、中間部が膨らむ凸型又は凸部が繰り返す波型にするのが好ましく、中間部が膨らむ凸型としてはアーチ型の他、山型、切妻型などがあり、凸部が繰り返す波型としては、曲線による波型や直線によるジグザグ型などがある。
【0020】
袴部24は、
図3に示すように、周壁面部23の上縁部を下方に折り返して形成し、下方に延びる垂直乃至傾斜面としてある。短手縁部側の下縁部と長手縁部の下縁部の両隅部付近とを、棚などに置いた際に接地する脚部24aにもなるようにしてある。長手縁部側の袴部24の下縁部は、中間付近をアーチ型として接地しないようにしてある。
袴部24には、容器本体2の内側に向かい全周に渡り凹ませた被嵌合部24bが設けてあり、蓋体3を嵌合できるようにしてある。
【0021】
蓋体3は、容器本体2に被せられるように設計してあればどのような形態でもよい。
本実施形態では、蓋体3は、直方体状、より詳しくは、直方体をアーチ型にした形状をなし、天面部31と、その周囲から下方に延びる周壁面部32と、周壁面部32の下縁部から外方に張り出す鍔部33と、鍔部33の外縁部から垂下する垂下面部34と、を備える。
【0022】
天面部31は、平面視長方形状とし、長さ方向の中間付近が上方に膨出したアーチ型としてある。
周壁面部32は、天面部31の周囲から角折れ状に折れ、下方に延びる傾斜面状としてある。周壁面部32の各隅部の下半分は、面取り状に形成してある。
【0023】
鍔部33は、周壁面部32の下縁部から外方に張り出し、一定幅で全周に渡り形成し、蓋体3を容器本体2に被せた状態で周壁面部23の上縁部に載るようにしてある。
垂下面部34は、鍔部33の外縁部から下方に垂直状に延びる垂下面としてある。垂下面部34には、容器本体2側に突き出す嵌合部34aが設けてあり、嵌合部34aが被嵌合部24bに嵌合して蓋体3が容器本体2に外嵌合するようにしてある。嵌合部34aは、周方向に沿い断続的に形成してある。
【0024】
容器本体2及び蓋体3は、特に限定するものではないが、合成樹脂シートを熱成形して製造することができる。合成樹脂シートは、非発泡樹脂シート、発泡樹脂シートのいずれでもよいが、非発泡樹脂シートが好ましい。
非発泡樹脂シートの場合には、いわゆる薄肉樹脂シートを用いるのが好ましく、具体的には、厚みが0.1mm~2.0mmの範囲内、特に0.2mm~1.2mmの範囲内のシートを用いるのが好ましい。
発泡樹脂シートの場合には、厚みが0.5mm~4.0mmの範囲内、特に0.7mm~2.2mmの範囲内のシートを用いるのが好ましい。また、発泡樹脂シートの場合には、発泡倍率を1.05倍~20.0倍、特に1.5倍~15.0倍にするのが好ましい。
【0025】
非発泡樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂シート・ポリプロピレン系樹脂シートなどのポリオレフィン系樹脂シート、ポリスチレン系樹脂シート、ポリエチレンテレフタレート系樹脂シート・耐熱性を付与した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂シートなどのポリエステル系樹脂シートなどの熱可塑性樹脂シートを用いることができる。また、電子レンジの加熱に耐え得るもの、例えば、耐熱性ポリスチレン系樹脂シート、ポリプロピレン系樹脂シート、耐熱性を付与した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂シートを用いてもよい。
【0026】
発泡樹脂シートとしては、例えば、発泡ポリオレフィン系樹脂シート、発泡ポリスチレン系樹脂シート、発泡ポリエチレンテレフタレートなどの発泡ポリエステル系樹脂シートを用いることができる。
合成樹脂シートを積層した積層シートを用いることもでき、積層シートとしては、例えば、非発泡樹脂シート又は発泡樹脂シートに樹脂フィルムを熱ラミネートした積層シート、共押出法による積層シート、押出ラミネート法による積層シートなどを挙げることができる。
【0027】
非発泡樹脂シート、発泡樹脂シート及び積層シートとして、バイオマスプラスチックを用いてもよい。
バイオマスプラスチックとは、原料として再生可能な有機資源由来の物質を含み,化学的又は生物学的に合成することにより得られる高分子材料をいい、バイオマスプラスチックは、石油由来の樹脂と比して、大気中への二酸化炭素の排出量を抑えることができ、環境への負荷を低減できる。
バイオマスプラスチックとしては、例えば、ポリ乳酸樹脂、バイオマスポリエチレン、バイオマスポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
【0028】
熱成形としては、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、熱板成形などを挙げることができる。
【0029】
容器本体2及び蓋体3は、黒色や白色などの有色でもよいが、内部が視認できるように透明乃至半透明であることが好ましく、特に、蓋体3は透明乃至半透明、容器本体2は黒色などの非透明が好ましい。また、蓋体3の表面に、透明乃至半透明の場合は視認性を妨げない程度に、文字、絵柄などの印刷や刻印を施してもよく、補強のためのリブを設けることや滑り止めのためのシボ加工を施してもよい。
容器本体2及び蓋体3に、直方体状などに膨出させたスタック用突起部を設けることもでき、また、容器本体2及び蓋体3をヒンジ部で一体的に連結した、いわゆるフードパックにしてもよい。
【0030】
以下、包装用容器1の使用例を説明する。
容器本体2の各載置面22に、例えば、個々の握り寿司Sを載せ、透明な蓋体3を被せる。
容器本体2に載せた握り寿司Sは、
図3に示すように、容器本体2の長さ方向で各握り寿司Sの表面高さが相違した配列になる。握り寿司Sが上方に突き出て見えるため、ボリューム感があるように見え、購買者が思わず注視し、購買意欲を高めることができる。
また、握り寿司Sが突き出す形になるため、上方のものから順に箸で摘まみ上げやすくなるという効果もある。
【0031】
さらに、容器本体2の長さ方向に沿う周壁面部23の上縁部を側面視においてアーチ型にするとともに、載置面22を山型状に配列することにより、手前側からの側面視において、載置面22に載置した収容物Sと周壁面部23の上縁部が共に両端縁部から中央に向かい盛り上がるように見え、従来によくある水平状の上縁部と比較して目立ちやすく、購買者の注目を集めることになり、購買意欲を刺激することができる。
【0032】
包装用容器1は、載置面22を長手方向に四列、短手方向に二列の配列にしてあるが、これに限定するものではなく、
図5(A)に示すように、載置面22を長手方向に五列の山型状の配列にしてもよい。また、
図5(B)に示すように、載置面22を一端側から他端側に向かい順に上昇又は下降する階段状に配列することもできる。また、図示しないが、載置面22を凹凸が繰り返す配列にした波型にしてもよい。
【0033】
図6から
図9には、包装用容器1の変形例が示されている。以下に、第一実施形態の包装用容器1との相違点を主に説明する。
図6(A)に示した包装用容器1Aの容器本体2Aは、
図6(B)に示すように、載置部21Aの手前側(X-X線)の載置面22A及び奥側(Y-Y線)の載置面22aが共に山型状の配列にしてあるが、奥側の載置面22aが手前側の載置面22Aよりも一段高くしてあり、全ての載置面22A,22aにおいて高さが相違するようにしてある。そのため、購買者が思わず注視し、購買意欲を高めることができる。このように、容器本体2Aの幅方向に並ぶ載置面22A,22aの高さを相違させてもよい。
【0034】
図7(A)に示した包装用容器1Bの容器本体2Bは、
図7(B)に示すように、載置部21Bの手前側(X-X線)の載置面22B及び奥側(Y-Y線)の載置面22bが共に階段状の配列にしてあるが、奥側の載置面22bが手前側の載置面22Bよりも一段高くしてあり、全ての載置面22B,22bにおいて高さを相違させるようにしてある。
【0035】
図8(A)に示した包装用容器1Cの容器本体2Cは、
図8(B)に示すように、載置部21Cの手前側(X-X線)の載置面22Cを山型状の配列とし、奥側(Y-Y線)の載置面22cが階段状の配列とし、奥側の載置面22bが手前側の載置面22Bよりも一段高くなるようにしてあり、全ての載置面22C,22cにおいて高さを相違させるようにしてある。
【0036】
図9(A)に示した包装用容器1Dの容器本体2Dは、
図9(B)に示すように、載置部21Dの手前側(X-X線)の載置面22Dを
図9(B)の右側から左側へと上昇する階段状の配列とし、奥側(Y-Y線)の載置面22dを
図9(B)の左側から右側へと上昇する階段状の配列とし、
図9(B)の右側では、奥側の載置面22dが手前側の載置面22Dよりも一段高くなり、
図9(B)の左側では、手前側の載置面22Dが奥側の載置面22dよりも一段高くなるようにしてある。
【0037】
図10(A)に示した包装用容器1Eの容器本体2Eは、
図10(B)に示すように、載置部21Eの手前側(X-X線)を平坦面状とし、奥側(Y-Y)の載置面22eは山型状の配列とし、奥側の載置面22eのみを段状の配列にしてある。
このように、載置面22eを、容器本体2Eの幅方向の一列のみを段状の配列にしてもよい。
【0038】
図11(A)に示した包装用容器1Fの容器本体2Fは、
図11(B)に示すように、載置部21Fの手前側(X-X線)を平坦面状とし、奥側(Y-Y線)の載置面22fは階段状の配列とし、奥側の載置面22fのみを段状の配列にしてある。
【0039】
また、図示しないが、載置面22を容器本体2の長さ方向の中間部を低くした谷状の配列としてもよい。
【0040】
次に、本発明の包装用容器の第二実施形態を図面に基づいて説明する。上記第一実施形態の包装用容器1と基本的には同様の構成であり、相違点を主に説明する。
【0041】
本発明の第二実施形態の包装用容器4は、
図12に示すように、容器本体5を備える。包装用容器4は、少なくとも容器本体5を備えていればよく、図示しないが蓋体を備えてもよい。
【0042】
容器本体5は、
図12又は
図13に示すように、扁平直方体状をなし、より詳しくは、直方体の長さ方向の中間付近が上方に膨らむアーチ型としてある。以下、容器本体5の一長手縁部側を手前側として説明する。
【0043】
容器本体5は、底面部51と、底面部51を四角形状に区画した複数の載置面52と、底面部51の周囲から立ち上がる周壁面部53と、周壁面部53の上縁部から外側に張り出した鍔部54と、を備える。
【0044】
底面部51は、
図12に示すように、平面視横長長方形状を呈し、平行四辺形状に区画された複数の載置面52からなる載置部51aと、載置部51aの周囲に設けた溝状の凹溝部51bとを備える。凹溝部51bの四隅部付近は、さらに平面視L字状に凹ませて下方に突き出る脚部55としてある。
載置部51aは、載置面52を長さ方向に五列、幅方向に一列配列してある。
各載置面52は、幅方向に対してやや斜めとした平行四辺形状に区画してあり、
図14に示すように、容器本体5の長さ方向の中間の載置面52が、最も高い位置となる山型状に配列してある。また、各載置面52は、略水平面状とし、個々の握り寿司などの収容物が載るようにしてある。載置面52には、
図12又は
図13(B)に示すように、隣接する載置面52に向けて突き出す突部52aを設けてもよく、突部52aを設けることにより、隣り合う収容物の間に適度の隙間ができ、箸で摘み上げやすくなる。
【0045】
周壁面部53は、凹溝部51bの周縁から垂直面状に立ち上がり、底面部51を囲うようにしてある。周壁面部53の上縁部には、外側に張り出した鍔部54が設けてある。
長手方向の周壁面部53の上縁部(鍔部54の上面)は、
図13(A)に示すように、手前側の側面視においてアーチ型としてあり、容器本体5を手前側から視た際に、山型状に配列した載置面52と相俟って中央が盛り上がるように見え、購買者の注目を集めやすくなる。
鍔部54の外縁部は、垂下する垂下面部54aとしてある。
【0046】
包装用容器4は、上記包装用容器1と同様に製造し、使用することができる。例えば、載置面52に握り寿司などを載せて陳列することにより、ボリューム感があるように見え、購買者が思わず注視し、購買意欲を高めることができる。
【0047】
図15から
図17には、包装用容器4の変形例である包装用容器4Aが示してある。
包装用容器4Aは、容器本体5Aの底面部51Aに載置面52Aを窪ませた凹状として形成してあり、
図16に示すように、長方形状の載置面52Aを容器本体5Aの幅方向に対してやや傾かせて配置し、容器本体5Aの長さ方向に五列設けてある。
このような凹状の載置面52Aにしても、載せた握り寿司などがボリューム感のあるように見え、購買者が思わず注視し、購買意欲を高めることができる。また、凹状の載置面52Aにすることにより、収容物がずれ動きにくくなる。
【0048】
上記実施形態の構成態様は、本発明を限定するものとして挙げたものではなく、技術目的を共通にする限り変更は可能であり、本発明はそのような変更を含むものである。