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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/578 20210101AFI20221213BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20221213BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20221213BHJP
   H01M 50/545 20210101ALI20221213BHJP
   H01M 50/56 20210101ALI20221213BHJP
   H01M 50/107 20210101ALI20221213BHJP
   H01M 50/119 20210101ALI20221213BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20221213BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20221213BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALI20221213BHJP
【FI】
H01M50/578
H01M50/586
H01M50/593
H01M50/545
H01M50/56
H01M50/107
H01M50/119
H01M10/04 W
H01M10/052
H01M10/0587
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021516988
(86)(22)【出願日】2019-10-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 KR2019012792
(87)【国際公開番号】W WO2020071719
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-03-30
(31)【優先権主張番号】10-2018-0118868
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、キ ヨウン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジー ホ
(72)【発明者】
【氏名】コ、ミュン フーン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジョン イル
(72)【発明者】
【氏名】リー、ヨン タエ
(72)【発明者】
【氏名】カン、ギュン スー
【審査官】立木 林
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-276814(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0126584(US,A1)
【文献】特開2011-171014(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0130066(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0147616(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0091753(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/00-50/198
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極、分離膜、第2電極が交互に積層され巻き取られた電極組立体と、
前記電極組立体を内部に収容する収容部が形成されたカンであって、互いに向かい合う方向に開口された円筒状に形成される第1カン及び第2カンを含むカンと、
前記第1カンと前記第2カンとの間の重畳部分を絶縁する絶縁体と、
を含み、
前記第1カンは前記第1電極の端部と直接接触されて第1電極端子を形成し、前記第2カンは前記第2電極の端部と直接接触されて第2電極端子を形成前記第1カンと前記第2カンとの間に重畳される区間の長さは、前記第1カン及び前記第2カンの直径よりさらに長い、二次電池。
【請求項2】
前記絶縁体は絶縁性高分子を含む、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記第1カン及び前記第2カンは互いに対応する形態に形成される、請求項1または2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記第1カン及び前記第2カンは円筒状に形成され、
前記第1カンの内周面は、前記第2カンの外周面より大きく形成され、前記第2カンが前記第1カンに挿入される、請求項1に記載の二次電池。
【請求項5】
前記絶縁体は、前記第2カンの外周面にチュービング(Tubing)、ラッピング(Wrapping)又はコーティング(Coating)のうち何れか一つの形態で備えられる、請求項4に記載の二次電池。
【請求項6】
第1電極、分離膜、第2電極が交互に積層され巻き取られた電極組立体と、
前記電極組立体を内部に収容する収容部が形成されたカンであって、互いに向かい合う方向に開口された円筒状に形成される第1カン及び第2カンを含むカンと、
前記第1カンと前記第2カンとの間の重畳部分を絶縁する絶縁体と、
を含み、
前記第1カンは前記第1電極の端部と直接接触されて第1電極端子を形成し、前記第2カンは前記第2電極の端部と直接接触されて第2電極端子を形成し、前記絶縁体は、前記第2カンの外周面にチュービング(Tubing)、ラッピング(Wrapping)又はコーティング(Coating)のうち何れか一つの形態で備えられる、二次電池。
【請求項7】
前記第1カン及び前記第2カンは互いに強引に嵌合して結合された、請求項5または6に記載の二次電池。
【請求項8】
前記第1カンは、他側部に他側方向に開口された第1開口部が形成され、一側部に一側方向に閉鎖された第1接続部が形成され、
前記第2カンは、一側部に一側方向に開口された第2開口部が形成され、他側部に他側方向に閉鎖された第2接続部が形成され、
前記第1電極の一側端部は前記第1接続部に直接接続され、前記第2電極の他側端部は前記第2接続部に直接接続される、請求項4からのいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項9】
前記第1カンはアルミニウムを含んで形成され、
前記第2カンはスチール(Steel)を含んで形成される、請求項4からのいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項10】
前記第1電極は正極からなり、前記第2電極は負極からなる、請求項に記載の二次電池。
【請求項11】
前記第1カンはスチール(Steel)を含んで形成され、
前記第2カンはアルミニウムを含んで形成される、請求項4からのいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項12】
前記第1電極は負極からなり、前記第2電極は正極からなる、請求項1に記載の二次電池。
【請求項13】
前記電極組立体の長さ方向の長さは、前記第2カンの長さ方向の長さよりさらに長い、請求項に記載の二次電池。
【請求項14】
前記第1カンの長さは、前記第2カンの長さの70%以上に形成される、請求項に記載の二次電池。
【請求項15】
前記第1カンと前記第2カンとの間の重畳される区間の長さは、カン全体長さの70%以上100%未満に形成される、請求項14に記載の二次電池。
【請求項16】
第1電極、分離膜、第2電極が交互に積層され巻き取られた電極組立体と、
前記電極組立体を内部に収容する収容部が形成されたカンであって、互いに向かい合う方向に開口された円筒状に形成される第1カン及び第2カンを含むカンと、
前記第1カンと前記第2カンとの間の重畳部分を絶縁する絶縁体と、
を含み、
前記第1カンは前記第1電極の端部と直接接触されて第1電極端子を形成し、前記第2カンは前記第2電極の端部と直接接触されて第2電極端子を形成し、
前記第1カン及び前記第2カンは円筒状に形成され、
前記第1カンの内周面は、前記第2カンの外周面より大きく形成され、前記第2カンが前記第1カンに挿入され、
前記第1カンと前記第2カンとの間の重畳される区間の長さは、カン全体長さの70%以上100%未満に形成される、二次電池。
【請求項17】
前記第1カンと前記第2カンの長さ方向の長さは、それぞれ100mm~250mmの範囲を有し、
前記第1カンと前記第2カンが結合された前記カンの長さ方向の長さも100mm~250mmの範囲を有し、
前記第1カンと前記第2カンの直径は、それぞれ40mm~60mmの範囲を有する、請求項15または16に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2018年10月5日付韓国特許出願第10-2018-0118868号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、二次電池に関する。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、一次電池とは異なり再充電が可能で、また、小型及び大容量化可能性によって近来に多く研究開発されている。モバイル機器に対する技術開発と需要の増加によってエネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加している。
【0004】
二次電池は、電池ケースの形状によって、コインセル、円筒型セル、角形セル、及びパウチ型セルに分類される。二次電池で電池ケースの内部に装着される電極組立体は、電極及び分離膜の積層構造でなる充電・放電が可能な発電素子である。
【0005】
電極組立体は、活物質が塗布されたシート型の正極と負極の間に分離膜を介在し巻き取ったゼリーロール(Jelly-roll)型、多数の正極と負極を分離膜が介在された状態で順次に積層したステック型、及びステック型の単位セルを長い長さの分離フィルムで巻き取ったステック/フォールディング型に大体分類できる。このうちゼリーロ-ル型の電極組立体は、製造が容易でありながらも重量当たりエネルギー密度が高いという長所を有しているため、広く用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一つの観点は、製造工程を減らすとともに気密性等の信頼性を確保できる二次電池を提供するためのものである。
【0007】
本発明の他の観点は、電池内部の圧力が臨界点以上に到達した時、カンと電極組立体との接続が切られる二次電池を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態による二次電池は、第1電極、分離膜、第2電極が交互に積層され巻き取られた電極組立体と、前記電極組立体を内部に収容する収容部が形成されたカンであって、互いに向かい合う方向に開口された円筒状に形成される第1カン及び第2カンを含むカンと、前記第1カンと前記第2カンとの間の重畳部分を絶縁する絶縁体とを含み、前記第1カンは前記第1電極の端部と直接接触されて第1電極端子を形成し、前記第2カンは前記第2電極の端部と直接接触されて第2電極端子を形成できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、2個のカンを強引に嵌合した形態に組み立てて正極及び負極をそれぞれ接続させることで、2個のカンが正極端子及び負極端子となって組み立てが簡略になり、気密性等の信頼性を確保でき、大容量の中大型電池を容易に製造できる。これにより、高い生産性と低い製造コストが発生する効果がある。
【0010】
また、本発明によれば、電池内部圧力が臨界点以上に到達した時、強引に嵌合して結合された2個のカンの結合が解除され、2個のカンに結合された電極組立体の接続が切られる。これにより、追加的な安全装置がなくても二次電池の過充電及び外部短絡等で電池内部の温度及び圧力の急激な増加がある時、強引に嵌合して結合された2個のカンの結合が解除されて電流遮断機能を行う安全装置の機能を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態による二次電池を示した斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による二次電池を示した分解斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による二次電池を示した断面図である。
図4】本発明の他の実施形態による二次電池を示した分解斜視図である。
図5】本発明の他の実施形態による二次電池を示した断面図である。
図6】本発明の一実施形態による二次電池でカンの温度解析を示した図である。
図7】比較例である従来の技術の二次電池でカンの温度解析を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は、図と関連付けられる以下の詳細な説明と好ましい実施形態からさらに明白になる。本明細書で各図の構成要素に参照番号を付加することにおいて、同一の構成要素に限っては、たとえ他の図上に表示されるとしても、出来る限り同一の番号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明は、色々と異なる形態に具現されてよく、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、本発明を説明することにおいて、本発明の要旨を不要に不明確にする関連された公知技術に対する詳細な説明は省略する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態による二次電池を示した斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態による二次電池を示した分解斜視図である。
【0014】
図1から図3を参照すれば、本発明の一実施形態による二次電池100は、電極組立体110と、電極組立体110を内部に収容する第1カン121及び第2カン122を含むカン120、及び第1カン121と第2カン122との間の重畳部分を絶縁する絶縁体123を含む。
【0015】
図3は、本発明の一実施形態による二次電池を示した断面図である。
【0016】
以下では、図1から図3を参照し、本発明の一実施形態である二次電池に対してより詳しく説明する。
【0017】
図2及び図3を参照すれば、電極組立体110は、充電・放電が可能な発電素子であって、電極113と分離膜114が結集されて交互に積層された構造を形成する。ここで、電極組立体110は巻き取られた形態を有してよい。
【0018】
電極113は、第1電極111及び第2電極112を含んでよい。そして、分離膜114は、第1電極111及び第2電極112を分離して電気的に絶縁させる。ここで、第1電極111及び第2電極112は、シート(Sheet)形態に形成されて分離膜114と共に巻き取られ、ゼリーロール(Jelly roll)型に形成されてよい。このとき、電極組立体110は、例えば円柱形態に巻き取られてよい。
【0019】
第1電極111は、第1電極集電体111a及び第1電極集電体111aに塗布された第1電極活物質111bを含んでよい。そして、第1電極111は、第1電極活物質111bがコーティングされていない第1電極非塗布部111cを含んでよい。
【0020】
ここで、第1電極111は、例えば正極からなり、正極集電体(図示省略)及び正極集電体に塗布された正極活物質(図示省略)を含み、正極活物質がコーティングされていない正極無部が形成されてよい。
【0021】
正極集電体は、例えば、アルミニウム材質のホイル(Foil)でなってよく、正極活物質は、例えば、リチウムマンガン酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムリン酸鉄、又はこれらのうち1種以上が含まれた化合物及び混合物等でなってよい。
【0022】
第2電極112は、第2電極集電体112a及び第2電極集電体112aに塗布された第2電極活物質112bを含んでよい。そして、第2電極112は、第2電極活物質112bがコーティングされていない第2電極非塗布部112cを含んでよい。
【0023】
ここで、第2電極112は、例えば負極からなり、負極集電体(図示省略)及び負極集電体に塗布された負極活物質(図示省略)を含み、負極活物質がコーティングされていない負極無部が形成されてよい。
【0024】
負極集電体は、例えば、銅(Cu)又はニッケル(Ni)材質でなるホイル(foil)でなってよい。負極活物質は、例えば、人造黒鉛、リチウム金属、リチウム合金、カーボン、石油コークス、活性化カーボン、グラファイト、シリコン化合物、スズ化合物、チタン化合物又はこれらの合金でなってよい。このとき、負極活物質は、例えば非黒鉛系のSiO(silica、シリカ)又はSiC(silicon carbide、シリコンカーバイド)等がさらに含まれてなり得る。
【0025】
分離膜114は、絶縁材質からなり第1電極111及び第2電極112と交互に積層される。ここで、分離膜114は、第1電極111及び第2電極112の間と、第1電極111及び第2電極112の外側面に位置されてよい。このとき、分離膜114は、電極組立体110の巻取り時の幅方向で最外側にも位置されてよい。
【0026】
また、分離膜114は、軟性の材質でなってよい。このとき、分離膜114は、例えば微多孔性を有するポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂膜で形成されてよい。
【0027】
カン120は、電極組立体110を内部に収容する収容部が形成され、互いに向かい合う方向に開口された円筒状に形成される第1カン121及び第2カン122を含んでよい。
【0028】
ここで、第1カン121は第1電極111と電気的に接続され、第2カン122は第2電極112と電気的に接続されてよい。第1カン121は、第1電極111の端部と直接接触されて第1電極端子を形成し、第2カン122は、第2電極112の端部と直接接触されて第2電極端子を形成してよい。
【0029】
そして、第1カン121及び第2カン122は、互いに対応する形態に形成されてよい。
【0030】
また、第1カン121及び第2カン122は円筒状に形成され、第1カン121の内周面は、第2カン122の外周面より大きく形成され、第2カン122が第1カン121に挿入されてよい。
【0031】
さらに、第1カン121は、一側部121bに一側方向(C1)に閉鎖された第1接続部121aが形成され、他側部121cに他側方向(C2)に開口された第1開口部121dが形成されてよい。第2カン122は、他側部122cに他側方向(C2)に閉鎖された第2接続部122aが形成され、一側部122bに一側方向(C1)に開口された第2開口部(図示省略)が形成されてよい。このとき、第1電極111の一側端部は第1接続部121aに接続され、第2電極112の他側端部は第2接続部122aに接続されてよい。ここで、例えば、第1電極111の第1電極非塗布部111cが第1接続部121aに直接接触され、第2電極112の第2電極非塗布部112cは第2接続部122aに直接接触されてよい。
【0032】
そして、例えば、外側に位置する第1カン121はアルミニウム(Al)を含んで形成され、内側に位置する第2カン122はスチール(Steel)を含んで形成されてよい。このとき、第2カン122は、ニッケル(Ni)がコーティングされたスチールでなってよい。
【0033】
このとき、第1電極111は正極からなり、第2電極112は負極でなってよい。
【0034】
一方、電極組立体110の長さ方向(L)の長さ(L1)は、第2カン122の長さ方向(L)の長さ(L2)よりさらに長く形成されてよい。これにより、第2カン122の末端が第1接続部121aに接しない効果がある。よって、短絡(short)防止が容易に可能であり、第2カン122の末端が第1接続部121aに接することを防止するために絶縁体123が第2カン122の末端を取り囲む必要がなくなる。
【0035】
一方、第1カン121と第2カン122との間に重畳される区間の長さ(V)は、第1カン121の直径(r1)及び第2カン122の直径(r2)より長く形成されてよい。これにより、気密維持等の信頼性を確保できる。
【0036】
また、例えば、第1カン121の長さは第2カン122の長さの70%以上に形成されてよい。ここで、具体的な例として、第1カン121と第2カン122との間の重畳される区間の長さは、カン120全体長さの70%以上100%未満に形成されてよい。
【0037】
このとき、より具体的な例として、第1カン121と第2カン122の長さ方向(L)の長さ(L1、L2)は、それぞれ100mm~250mmの範囲を有し、第1カン121と第2カン122が結合されたカン120の長さ方向(L)の長さ(L3)も100mm~250mmの範囲を有してよい。そして、第1カン121と第2カン122の直径(r1、r2)は、それぞれ40mm~60mmの範囲を有してよい。このような範囲を満たせば、効果的な熱発散を可能にし、気密維持等の信頼性を確保するのが容易になり得る。
【0038】
絶縁体123は、絶縁材質を含み、第1カン121と第2カン122との間の重畳部分を絶縁できる。
【0039】
さらに、絶縁体123は絶縁性高分子を含んでよい。このとき、絶縁性高分子は、例えばポリマー(polymer)であってよい。このとき、ポリマーは、具体的な例としてPE(polyethylene)、PP(polypropylene)及びPET(polyethylene terephthalate)のうち何れか一つでなってよい。
【0040】
そして、絶縁体123は、第2カン122の外周面にチュービング(Tubing)、ラッピング(Wrapping)又はコーティング(Coating)のうち何れか一つの形態で備えられてよい。
【0041】
ここで、例えば、チュービング(Tubing)形態は、絶縁体123をチューブ形態に第2カン122の外周面に備えた形態であってよく、ラッピング(Wrapping)形態は、絶縁体123で第2カン122の外周面を取り囲む形態であってよい。また、コーティング(Coating)は、第2カン122の外周面に絶縁物質をコーティング(Coating)してコーティング層を形成した形態であってよい。
【0042】
このとき、第1カン121及び第2カン122は、互いに強引に嵌合した形態に結合されてよい。すなわち、外周面に絶縁体123が備えられた第2カン122を第1カン121の内周面に強引に嵌合して結合させてよい。
【0043】
前記のような構成を有する本発明の一実施形態による二次電池100は、第1カン121及び第2カン122を強引に嵌合した形態に組み立てて第1電極111及び第2電極112をそれぞれ接続させることで、第1カン121及び第2カン122が第1電極端子及び第2電極端子となって組み立てが簡略になり、気密性等の信頼性を確保でき、大容量の中大型電池を容易に製造できる。これにより、高い生産性と低い製造コストが発生するという効果がある。
【0044】
また、二次電池100の内部圧力が臨界点以上に到達した時、強引に嵌合して結合された第1カン121と第2カン122の結合が解除され、第1カン121及び第2カン122に結合された電極組立体110の接続が切られる。すなわち、電池内部圧力が臨界点以上に到達した時、第1カン121及び第2カン122は互いに離隔される圧力を受け、第1カン121は一側方向(C1)に移動され、第2カン122は他側方向(C2)に移動されて第1カン121及び第2カン122の強引に嵌合した結合が解除され得る。このとき、第1カン121及び第2カン122に直接接触された電極組立体110の第1電極111及び第2電極112の端部と第1カン121又は第2カン122の接触が離れるようになり、電流が遮断され得る。よって、追加的な安全装置がなくても二次電池100の過充電及び外部短絡等で電池内部の温度及び圧力の急激な増加がある時、強引に嵌合して結合された第1カン121と第2カン122の結合が解除されて電流遮断機能を行う安全装置の機能を発揮できる。
【0045】
以下では、他の実施形態による二次電池を説明する。
【0046】
図4は、本発明の他の実施形態による二次電池を示した分解斜視図であり、図5は、本発明の他の実施形態による二次電池を示した断面図である。
【0047】
図4を参照すれば、本発明の他の実施形態による二次電池200は、電極組立体210と、電極組立体210を内部に収容する第1カン221及び第2カン222を含むカン20、及び第1カン221と第2カン222との間の重畳部分を絶縁する絶縁体223を含む。
【0048】
本発明の他の実施形態による二次電池200は、前述した一実施形態による二次電池と比べる時、第1カン221及び第2カン222の材質及びこれと連結される第1電極211及び第2電極212の極性の差がある。よって、本実施形態は、一実施形態と重複する内容は簡略に記述し、差を中心に記述する。
【0049】
より詳しくは、図4及び図5を参照すれば、本発明の他の実施形態による二次電池200において電極組立体210は、電極213と分離膜214が結集されて交互に積層された構造を形成する。ここで、電極組立体210は巻き取られた形態を有してよい。
【0050】
電極213は、第1電極211及び第2電極212を含んでよい。
【0051】
第1電極211は、第1電極集電体211a及び第1電極集電体211aに塗布された第1電極活物質211bを含んでよい。そして、第1電極211は、第1電極活物質211bがコーティングされていない第1電極非塗布部211cを含んでよい。
【0052】
第2電極212は、第2電極集電体212a及び第2電極集電体212aに塗布された第2電極活物質212bを含んでよい。そして、第2電極212は、第2電極活物質212bがコーティングされていない第2電極非塗布部212cを含んでよい。
【0053】
カン220は、電極組立体210を内部に収容する収容部が形成され、互いに向かい合う方向に開口された円筒状に形成される第1カン221及び第2カン222を含んでよい。
【0054】
ここで、第1カン221は第1電極211と電気的に接続され、第2カン222は第2電極212と電気的に接続されてよい。
【0055】
また、第1カン221及び第2カン222は円筒状に形成され、第1カン221の内周面は、第2カン222の外周面より大きく形成され、第2カン222が第1カン221に挿入されてよい。
【0056】
さらに、第1カン221は、一側部221bに一側方向(C1)に閉鎖された第1接続部221aが形成され、他側部221cに他側方向(C2)に開口された第1開口部221dが形成されてよい。第2カン222は、他側部222cに他側方向(C2)に閉鎖された第2接続部222aが形成され、一側部222bに一側方向(C1)に開口された第2開口部(図示省略)が形成されてよい。このとき、第1電極211の一側端部は第1接続部221aに接続され、第2電極212の他側端部は第2接続部222aに接続されてよい。ここで、例えば、第1電極211の第1電極非塗布部211cが第1接続部221aに直接接触され、第2電極212の第2電極非塗布部212cは第2接続部222aに直接接触されてよい。
【0057】
一方、例えば、外側に位置する第1カン221はスチール(Steel)を含んで形成され、内側に位置する第2カン222はアルミニウムを含んで形成されてよい。このとき、第1カン221は、ニッケル(Ni)がコーティングされたスチールでなってよい。
【0058】
このとき、第1電極211は負極からなり、第2電極212は正極でなってよい。
【0059】
絶縁体223は、絶縁材質を含み、第1カン221と第2カン222との間の重畳部分を絶縁できる。
【0060】
<製造例>
図6は、本発明の一実施形態による二次電池においてカンの温度解析を示した図である。
【0061】
図6(a)を参照すれば、互いに向かい合う方向に開口された円筒状に形成される第1カン及び第2カンを含むカンを製造した。ここで、外側に位置する第1カンはアルミニウムを含んで形成され、内側に位置する第2カンはスチール(Steel)を含んで形成された。ここで、第1カンの厚さは0.2t(t=0.1mm)であり、第2カンの厚さは0.2tである。
【0062】
そして、第1カンと前記第2カンとの間の重畳部分を絶縁する絶縁体を含んだ。このとき、絶縁体は、PPポリマー材質からなり、0.1t(t=0.1mm)の厚さで形成した。
【0063】
また、第1カンである外側カンは長さが200mm、第2カンである内側カンは長さが199mm、及び絶縁体の長さは195mmで形成した。図6(a)において、青色が内側カン(第2カン)、紫色が外側カン(第1カン)であり、灰色が絶縁体である。
【0064】
<比較例>
図7は、比較例である従来技術の二次電池においてカンの温度解析を示した図である。
【0065】
図7(a)を参照すれば、外側カンは長さが120mm、内側カンは長さが120mm、及び絶縁体の長さは50mmに形成した点を除いては製造例と同一の方法でカンを製造した。図7(a)において、青色が内側カン、紫色が外側カンであり、灰色が絶縁体である。
【0066】
<実験例>
初期温度を50℃に設定して温度解析を図6(b)及び図7(b)に示した。
【0067】
ここで、外側カンの円周(紫色)にだけ自然対流条件を与えて時間による温度を比較した。
【0068】
実験の結果、3600秒(sec)後に、製造例で提示する構造のカンの最高温度は39℃であったが、比較例のカンの最高温度は43℃であった。これにより、製造例で提示するカン構造が放熱特性の面で優れることが確認できる。
【0069】
以上、本発明を具体的な実施形態を介して詳しく説明したが、これは、本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明による二次電池は、これに限定されない。本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有する者によって多様な実施が可能であると言える。
【0070】
また、発明の具体的な保護の範囲は、特許請求の範囲によって明確になるはずである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7