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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】キャパシター部品
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
H01G4/30 201B
H01G4/30 201J
H01G4/30 513
H01G4/30 515
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2017004719
(22)【出願日】2017-01-13
(65)【公開番号】P2017199895
(43)【公開日】2017-11-02
【審査請求日】2019-12-27
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】10-2016-0051735
(32)【優先日】2016-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヒュン キル
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジョン フワン
【合議体】
【審判長】井上 信一
【審判官】畑中 博幸
【審判官】須原 宏光
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-045103(JP,A)
【文献】特開2008-147581(JP,A)
【文献】特開2009-170873(JP,A)
【文献】特開2009-200168(JP,A)
【文献】特開2014-072515(JP,A)
【文献】特開平1-265509(JP,A)
【文献】特開2001-196263(JP,A)
【文献】特開2012-028502(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/30
H01G 4/232
H01G 4/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の誘電体層の積層構造、及び前記複数の誘電体層を挟んで交互に配置された第1及び第2内部電極を含む本体と、
前記本体において、互いに対向する第1面及び第2面に形成され、前記第1内部電極と連結された第1外部電極と、
前記本体において、前記第1面と第2面とを連結し且つ互いに対向する第3面及び第4面の少なくとも一つに形成され、前記第2内部電極と連結された第2外部電極と、を含み、
前記第1及び第2内部電極により複数の共振周波数が発生し、
前記第1内部電極は、それぞれ複数の領域に分割され、隣接した異なる極性の内部電極と容量を形成し、
前記第1内部電極において、前記複数の領域のそれぞれは、前記第1面及び第2面の両方に露出したリードを介して前記第1外部電極と接続される、
キャパシター部品。
【請求項2】
前記第2内部電極は、それぞれ複数の領域に分割され、隣接した異なる極性の内部電極と容量を形成する、請求項1に記載のキャパシター部品。
【請求項3】
前記第1内部電極において、前記複数の領域の少なくとも一部は互いに異なるサイズを有する、請求項1に記載のキャパシター部品。
【請求項4】
前記第2内部電極において、前記複数の領域の少なくとも一部は互いに異なるサイズを有する、請求項2または3に記載のキャパシター部品。
【請求項5】
前記第2外部電極は前記第3面及び第4面の両方に形成されており、
前記第2内部電極において、前記複数の領域の一つは、前記第3面に露出したリードを介して前記第2外部電極と接続され、他の一つは、前記第4面に露出したリードを介して前記第2外部電極と接続される、請求項2から4のいずれか一項に記載のキャパシター部品。
【請求項6】
前記第1及び第2内部電極は、互いに異なる共振周波数を有する複数のキャパシター部に区分され、
前記第1内部電極は、前記第1面及び第2面に露出したリードを介して前記第1外部電極と接続され、互いに異なるキャパシター部に含まれたもの同士は、前記リードの位置が互いに異なる形態である、請求項1から5のいずれか一項に記載のキャパシター部品。
【請求項7】
前記第2外部電極は前記第3面及び第4面の両方に形成されており、
前記第2内部電極は、前記第3面または第4面に露出したリードを介して前記第2外部電極と接続され、互いに異なるキャパシター部に含まれたもの同士は、前記リードの位置が互いに異なる形態である、請求項6に記載のキャパシター部品。
【請求項8】
前記第1面と前記第3面は互いに垂直に配置される、請求項1から7のいずれか一項に記載のキャパシター部品。
【請求項9】
前記本体には、前記キャパシター部品の実装方向を表示するマーキング部が備えられる、請求項1から8のいずれか一項に記載のキャパシター部品。
【請求項10】
前記マーキング部は、前記本体の他の領域とは異なる材質のセラミックからなる、請求項9に記載のキャパシター部品。
【請求項11】
前記第1及び第2内部電極は前記第3面に垂直に配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載のキャパシター部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャパシター部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
キャパシター部品の一つである積層セラミックキャパシターは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピューター、スマートフォン、及び携帯電話などの種々の電子製品の印刷回路基板に取り付けられ、電気を充電または放電させる役割を担うチップ形態のコンデンサーである。
【0003】
かかる積層セラミックキャパシター(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、小型でありながら高容量が保障され、実装が容易であるという利点を有するため、種々の電子装置の部品として用いられることができる。
【0004】
特に、コンピューターなどの中央処理装置(CPU)のための電源供給装置は、低い電圧を提供する過程で、負荷電流の急激な変化による電圧ノイズが発生するという問題がある。このような電圧ノイズを抑制するためのデカップリングキャパシターの用途に、MLCCが電源供給装置に広く用いられている。デカップリングなどの用途に用いられるMLCCにおいて、広い帯域でインピーダンスを低減しようとする試みが行われてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一目的は、複数の共振周波数を有することで、広い周波数帯域でインピーダンスが効果的に制御されることができるキャパシター部品を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかるキャパシター部品を有することで、部品のサイズなどを減少させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するための方法として、本発明は、一実施形態により新たなキャパシター部品を提案し、具体的に、複数の誘電体層の積層構造、及び上記誘電体層を挟んで交互に配置された第1及び第2内部電極を含む本体と、上記本体において、互いに対向する第1面及び第2面に形成され、上記第1内部電極と連結された第1外部電極と、上記本体において、上記第1面と第2面とを連結し且つ互いに対向する第3面及び第4面の少なくとも一つに形成され、上記第2内部電極と連結された第2外部電極と、を含み、上記第1及び第2内部電極により複数の共振周波数が発生する形態を有する。
【0007】
一実施形態において、上記第1及び第2内部電極は、それぞれ複数の領域に分割され、隣接した異なる極性の内部電極と容量を形成することができる。
【0008】
一実施形態において、上記第1内部電極において、上記複数の領域の少なくとも一部は互いに異なるサイズを有することができる。
【0009】
一実施形態において、上記第2内部電極において、上記複数の領域の少なくとも一部は互いに異なるサイズを有することができる。
【0010】
一実施形態において、上記第1内部電極において、上記複数の領域は、上記第1面及び第2面に露出したリードを介して上記第1外部電極と接続されることができる。
【0011】
一実施形態において、上記第2外部電極は上記第3面及び第4面の両方に形成されており、上記第2内部電極において、上記複数の領域の一つは、上記第3面に露出したリードを介して上記第2外部電極と接続され、他の一つは、上記第4面に露出したリードを介して上記第2外部電極と接続されることができる。
【0012】
一実施形態において、上記第1内部電極は上記複数の領域を4つ以上備えることができる。
【0013】
一実施形態において、上記第1及び第2内部電極は、互いに異なる共振周波数を有する複数のキャパシター部に区分され、上記第1内部電極は、上記第1面及び第2面に露出したリードを介して上記第1外部電極と接続され、互いに異なるキャパシター部に含まれたもの同士は、上記リードの位置が互いに異なる形態であることができる。
【0014】
一実施形態において、上記第2外部電極は上記第3面及び第4面の両方に形成されており、上記第2内部電極は、上記第3面または第4面に露出したリードを介して上記第2外部電極と接続され、互いに異なるキャパシター部に含まれたもの同士は、上記リードの位置が互いに異なる形態であることができる。
【0015】
一実施形態において、上記第1面と上記第3面は互いに垂直に配置されることができる。
【0016】
一実施形態において、上記本体には、上記キャパシター部品の実装方向を表示するマーキング部が備えられることができる。
【0017】
一実施形態において、上記マーキング部は、上記本体の他の領域とは異なる材質のセラミックからなることができる。
【0018】
一実施形態において、上記第1及び第2内部電極は上記第3面に垂直に配置されることができる。
【0019】
一方、本発明の他の実施形態では、複数の誘電体層の積層構造、及び上記誘電体層を挟んで交互に配置された第1及び第2内部電極を含む本体と、上記本体において、互いに対向する第1面及び第2面、及び上記第1面と第2面とを連結し且つ互いに対向する第3面及び第4面に形成され、上記第1内部電極と連結された第1外部電極と、上記第3面及び第4面において、上記第1外部電極の間に形成され、上記第2内部電極と連結された第2外部電極と、を含み、上記第1及び第2内部電極によってそれぞれ複数の領域に分割され、隣接した異なる極性の内部電極と容量を形成するキャパシター部品を提供する。
【0020】
一実施形態において、上記第1内部電極において、上記複数の領域の一つは、上記第3面に露出したリードを介して上記第1外部電極と接続され、他の一つは、上記第4面に露出したリードを介して上記第1外部電極と接続されることができる。
【0021】
一実施形態において、上記第2内部電極において、上記複数の領域の一つは、上記第3面に露出したリードを介して上記第2外部電極と接続され、他の一つは、上記第4面に露出したリードを介して上記第2外部電極と接続されることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の様々な効果の一効果は、広い周波数帯域でノイズを効果的に除去することができる、インピーダンス低減型キャパシター部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態によるキャパシター部品を概略的に示した斜視図である。
図2図1のキャパシター部品における本体の形態を概略的に示した斜視図である。
図3図1のキャパシター部品における第1内部電極の形態を概略的に示した平面図である。
図4図1のキャパシター部品における第2内部電極の形態を概略的に示した平面図である。
図5】本発明により得られたキャパシター部品のインピーダンス特性を示したグラフである。
図6図1の実施形態の変形例によるキャパシター部品及びこれに採用され得る本体、内部電極、外部電極などを示す。
図7】本発明のキャパシター部品が基板に実装された形態を示す。
図8図1の実施形態の変形例によるキャパシター部品及びこれに採用され得る本体、内部電極、外部電極などを示す。
図9図1の実施形態の変形例によるキャパシター部品及びこれに採用され得る本体、内部電極、外部電極などを示す。
図10図1の実施形態の変形例によるキャパシター部品及びこれに採用され得る本体、内部電極、外部電極などを示す。
図11図1の実施形態の変形例によるキャパシター部品及びこれに採用され得る本体、内部電極、外部電極などを示す。
図12図1の実施形態の変形例によるキャパシター部品及びこれに採用され得る本体、内部電極、外部電極などを示す。
図13】本発明の他の実施形態によるキャパシター部品を概略的に示した斜視図である。
図14図13のキャパシター部品における第1内部電極の形態を概略的に示した平面図である。
図15図13のキャパシター部品における第2内部電極の形態を概略的に示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0025】
また、本発明を明確に説明すべく、図面において説明と関係ない部分は省略し、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内において機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に反対である記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0026】
図1は本発明の一実施形態によるキャパシター部品を概略的に示した斜視図である。図2図1のキャパシター部品における本体の形態を概略的に示した斜視図である。図3及び図4はそれぞれ、図1のキャパシター部品における第1及び第2内部電極の形態を概略的に示した平面図である。また、図5は本発明により得られたキャパシター部品のインピーダンス特性を示したグラフである。
【0027】
図1図4を参照すると、本発明の一実施形態によるキャパシター部品100は、本体101と、第1及び第2内部電極120、130と、第1及び第2外部電極140、150と、を含み、第1及び第2内部電極120、130が複数の領域に分割された形態を有することで、複数の共振周波数が発生することができる。この際、第1外部電極140は、本体101において互いに対向する第1面S1及び第2面S2に形成され、第1内部電極120と連結される。この際、第1面S1と第3面S3は互いに垂直に配置されることができる。これにより、本体101は、直方体またはこれと類似の形状を有することができる。
【0028】
第2外部電極150は、本体101において、第1面S1と第2面S2とを連結し且つ互いに対向する第3面S3及び第4面S4に形成され、第2内部電極130と連結される。但し、第2外部電極150は、第3面S3及び第4面S4の何れか一つにのみ形成されてもよい。本実施形態では、第2外部電極150が第3面S3と第4面S4に形成されたことを基準として説明し、それぞれ151と152で示す。
【0029】
本体101は、複数の誘電体層110が積層された積層構造、及び誘電体層110を挟んで交互に配置された第1及び第2内部電極120、130を含む。本体101に含まれた誘電体層110としては、当業界において公知のセラミックなどの誘電物質を用いることができ、例えば、BaTiO(チタン酸バリウム)系セラミック粉末などを含むことができる。ここで、上記BaTiO系セラミック粉末は、例えば、BaTiOにCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶した(Ba1-xCa)TiO、Ba(Ti1-yCa)O、(Ba1-xCa)(Ti1-yZr)OまたはBa(Ti1-yZr)Oなどが挙げられるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0030】
図3及び図4に示された形態のように、第1内部電極120と第2内部電極130はそれぞれ複数の領域に分割され、隣接した異なる極性の内部電極と容量を形成する。これにより、一つのキャパシター部品100で複数(本実施形態では2つ)の共振周波数を実現することができる。具体的に、本実施形態では、第1内部電極120は2つの領域121、122に分けられ、互いに異なるサイズを有することができる。このように互いに異なるサイズを有する領域121、122により互いに異なる容量が実現されることで、2つのキャパシターが並列連結された形態が得られる。ここで、本実施形態では2つの領域121、122のサイズが互いに異なる形態を有しているが、3つ以上の場合には、少なくとも一部の領域(2つ以上)が互いに異なるサイズを有すればよい。同様に、第2内部電極130は2つの領域131、132に分けられ、互いに異なるサイズを有することができる。
【0031】
本実施形態において、第1及び第2内部電極120、130は、外部電極140、150と連結されるリードの方向などが互いに異なる。具体的に、図3に示された形態のように、第1内部電極120において分割された複数の領域121、122は、第1面S1及び第2面S2に露出したリードR1、R2、R3、R4を介して第1外部電極140と接続される。また、図4に示された形態のように、第2内部電極130において、複数の領域131、132の一つ131は、第3面S3に露出したリードR5を介して第2外部電極151と接続され、他の一つ132は、第4面S4に露出したリードR6を介して第2外部電極152と接続される。このように、第1及び第2内部電極120、130のリードR1~R6が互いに異なる方向に配置されることで、2つのキャパシターの並列連結構造が効果的に実現されることができる。
【0032】
すなわち、図5のインピーダンス特性グラフに示されたように、本実施形態によるキャパシター部品100は、単一部品内で互いに異なる共振周波数を有する2種のキャパシターが含まれた構造であって、広い周波数帯域でインピーダンスを低く維持することができる。したがって、かかるキャパシター部品100を用いることで、電源装置や高速MPUなどに用いられるデカップリングキャパシターの数を減少させることができ、デカップリングキャパシターの実装コストや空間を効果的に低減することができる。
【0033】
図6図8図12は、図1の実施形態の変形例によるキャパシター部品及びこれに採用され得る本体、内部電極、外部電極などを示す。図7は本発明のキャパシター部品が基板に実装された形態を示す。図7の実装構造は、図6のキャパシター部品を実装した形態を示しているが、他の実施形態のキャパシター部品も同一の方式で実装することができる。
【0034】
図6の実施形態は、第2外部電極150の形態のみが上述の実施形態と異なる。具体的に、第2外部電極150において、第3面S3に形成された第2外部電極151と第4面S4に形成された第2外部電極152とを連結する連結部153が提供される。連結部153により、信号端子と接地端子との間に形成される電流ループ(current loop)がより容易に形成されることができる。
【0035】
次に、図7のキャパシター部品の実装構造を説明する。実装基板160上には回路パターン161が形成されており、キャパシター部品の実装のために半田162が提供されることができる。この際、キャパシター部品は、垂直実装方式、すなわち、第1及び第2内部電極(図3の120、130)が実装面(第3面に平行な面)に垂直に配置された形態である。このような垂直実装方式により、内部電極120、130のリードが実装面に近く配置されることができるため、等価直列インダクタンス(ESL)とインピーダンスを低減することができる。
【0036】
一方、図8の変形例のように、キャパシター部品の本体101'はキャパシター部品の実装方向を表示するマーキング部Mを備えることができ、このマーキング部Mは、本体101'における他の領域とは異なる材質のセラミックからなることができる。
【0037】
次に、図9及び図10を参照して、変形例に採用され得る内部電極の形態を説明する。この変形例によると、上述の実施形態と異なって、さらに多数の共振周波数(4つ)を実現することができる。そのために、図9に示された形態のように、第1内部電極120は4つ(またはそれより多数)に分割された領域121、122、123、124を備えることができる。この際、第2内部電極130は、第1内部電極と同様に4つ以上に分割されてもよいが、図10に示された形態のように2つに分割された領域131、132を備える場合にも、隣接した第1内部電極と結合して4つの共振周波数を得ることができる。
【0038】
次に、図11及び図12を参照して、さらに他の変形例を説明する。上述の実施形態では、複数の共振周波数を得るために内部電極を複数の領域に分割したが、本実施形態ではこのような分割構造を用いずに複数の共振周波数を実現するようにした。具体的に、本実施形態は、第1内部電極220が、第1面S1に露出したリードR1、R3及び第2面S2に露出したリードR2、R4を介して第1外部電極140と接続されており、互いに異なる層に位置する第1内部電極221、222同士は、そのリードR1、R2、R3、R4の位置が互いに異なる形態である。すなわち、積層方向を基準としたときに、第1内部電極221のリードR1と、第1内部電極222のリードR3とは、互いに重ならないように配列される。同様に、第2面S2に引き出された第1内部電極220のリードR2、R4も、積層方向に互いに重ならないように配列される。
【0039】
第2内部電極230は、互いに異なる層に位置するもののリードR5、R6が互いに異なる方向に引き出される。すなわち、第2内部電極231は、第3面S3に露出したリードR5を介して第2外部電極151と接続され、第2内部電極232は、第4面S4に露出したリードR6を介して第2外部電極152と接続される。
【0040】
第1及び第2内部電極220、230は、図12に示された形態を有するとともに、図11に示された形態のように第1及び第2キャパシター部C1、C2を成し、これらはリードが配置された位置が互いに異なる。すなわち、第1及び第2内部電極220、230は、互いに異なる共振周波数を有する複数のキャパシター部C1、C2に区分され、互いに異なるキャパシター部C1、C2に含まれた内部電極は、同一極性のもののリードが互いに異なる位置に配置される。
【0041】
これについて具体的に説明すると、第1内部電極221と第2内部電極231が交互に配置されて第1キャパシター部C1を成し、この際、第1キャパシター部C1は第2キャパシター部C2と離隔されている。また、第1内部電極222と第2内部電極232が交互に配置されて第2キャパシター部C2を成し、第1キャパシター部C1とは電流経路(current path)が異なる。このような構造により、第1及び第2キャパシター部C1、C2は互いに異なるキャパシターとして機能することができ、一つのキャパシター部品で2つの共振周波数が効果的に実現されることができる。
【0042】
図13~15を参照して、本発明の他の実施形態を説明する。図13は本発明の他の実施形態によるキャパシター部品を概略的に示した斜視図である。図14及び図15はそれぞれ、図13のキャパシター部品における第1及び第2内部電極の形態を概略的に示した平面図である。
【0043】
本実施形態では、キャパシター部品300は、複数の誘電体層310と第1及び第2内部電極320、330を含む本体301と、本体301の外部に形成された第1及び第2外部電極340、350と、を含み、第1及び第2内部電極320、330はそれぞれ複数の領域に分割され、隣接した異なる極性の内部電極と容量を形成する。この際、図13に示された形態のように、第1外部電極340は、本体301において、互いに対向する第1面S1及び第2面S2、及びこれら第1面S1と第2面S2とを連結し且つ互いに対向する第3面S3及び第4面S4に形成される。ここで、第1面S1に形成されたものを第1外部電極341と、第2面S2に形成されたものを第1外部電極342と示す。
【0044】
また、第2外部電極350は、第3面S3及び第4面S4で第1外部電極340の間に形成され、第2内部電極330と連結される。図13では、第2外部電極350が第3面S3に形成された第2外部電極351と第4面S4に形成された第2外部電極352の両方を含む形態であるが、これらのうち一つのみが備えられてもよい。第2外部電極350が第3面S3と第4面S4の両方に形成される場合、上述の実施形態のようにこれらを連結する連結部353が備えられることができる。
【0045】
本実施形態は、複数の共振周波数を実現するために、第1及び第2内部電極320、330がそれぞれ複数の分割領域を含み、リードが引き出された形態が上述の実施形態と異なる。具体的に、図14に示された形態のように、第1内部電極320において、複数の領域のうちの一つの領域321は、第3面S3に露出したリードR1、R2を介して第1外部電極340と接続され、この際、リードR1、R2は2つ備えられることができる。また、第1内部電極320の複数の分割領域のうちの他の一つの領域322は、第4面S4に露出したリードR3、R4を介して第1外部電極340と接続され、リードR3、R4は2つ備えられることができる。
【0046】
そして、図15に示された形態のように、第2内部電極330において、複数の領域のうちの一つの領域331は、第3面S3に露出したリードR5を介して第2外部電極350と接続される。より具体的に、第2外部電極350のうち第3面S3に形成された第2外部電極351と接続される。リードR5は1つ備えられ、第1内部電極320のリードR1、R2の間に配置されることができる。また、第2内部電極330の複数の分割領域のうちの他の一つの領域332は、第4面S4に露出したリードR6を介して第2外部電極350と接続される。より具体的に、第2外部電極350のうち第4面S4に形成された第2外部電極352と接続される。リードR6は1つ備えられ、第1内部電極320のリードR3、R4の間に配置されることができる。
【0047】
本実施形態のような内部電極320、330の分割構造及びリードR1~R6の引き出し方式によっても、複数の共振周波数が効果的に実現されることができる。また、図14及び図15の実施形態は、互いに隣接した内部電極320、330におけるリードR1~R6の間の間隔が減少することにより、ESLが低減することができる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0049】
100、300 キャパシター部品
101、101'、301 本体
110、310 誘電体層
120、130、220、230、320、330 内部電極
121、122、123、124、131、132、321、322、331、332 内部電極の分割領域
140、150、340、350 外部電極
341、342 第1外部電極
151、152、351、352 第2外部電極
153、353 連結部
160 実装基板
161 回路パターン
162 半田
221、222 第1内部電極
231、232 第2内部電極
R1、R2、R3、R4、R5、R6 リード
M マーキング部
S1、S2、S3、S4 第1面、第2面、第3面、第4面
図1
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