(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20221213BHJP
F25D 23/08 20060101ALI20221213BHJP
F25D 25/00 20060101ALI20221213BHJP
F25D 11/02 20060101ALI20221213BHJP
F25C 1/25 20180101ALI20221213BHJP
F25D 23/04 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
F25D23/00 302Z
F25D23/08 Y
F25D25/00 G
F25D11/02 J
F25C1/25 305E
F25D23/04 K
(21)【出願番号】P 2018129886
(22)【出願日】2018-07-09
【審査請求日】2021-02-12
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角谷 彰規
【審査官】嶋田 研司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0245079(US,A1)
【文献】特開2016-112205(JP,A)
【文献】特開2014-159896(JP,A)
【文献】特開2018-004213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
F25D 23/04
F25D 23/08
F25D 25/00
F25D 11/02
F25C 1/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネットと、
前記キャビネット内に設けられた貯蔵室と、
前記貯蔵室に設けられた第1電極と、
前記第1電極に交流電流を流す電波発生部と、
前記電波発生部から交流電流を前記第1電極に流して、前記貯蔵室内の食品に電波を照射する制御部と、
前記貯蔵室の底面側に設けられた下容器と、
前記貯蔵室内であって前記下容器の上方において前記下容器に対して引き出し可能に設けられた上容器と、
を有し、
前記第1電極が前記下容器内に向けて電波を照射するように配置され
、
前記第1電極から照射された電波を前記下容器へ反射する反射部材が前記上容器の底部に設けられている、冷蔵庫。
【請求項2】
前記第1電極から照射された電波を受信する第2電極を有し、
前記第1電極が前記下容器に設けられ、前記第2電極が前記上容器に設けられている請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記第1電極は、前記下容器の外側に設けられ、
前記下容器は、電波を透過する、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記キャビネットは、外箱と、内箱と、前記外箱と前記内箱の間の空間に充填された断熱材とを有し、
前記第1電極は前記内箱に設けられている、
請求項
3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記断熱材は、発泡ウレタンであり、
前記第1電極は、前記発泡ウレタン内に埋設されている、
請求項
4に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記貯蔵室は、チルド室であり、
前記チルド室内には、前記上容器と前記下容器がそれぞれ引き出し自在に配され、
前記第1電極は、前記チルド室の側面に設けられると共に、前記上容器の側部と前記下容器の側部に跨がって設けられている、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記チルド室の側方には、製氷装置に水を供給するためのタンクが配され、
前記上容器の側面と前記下容器の側面と、前記タンクの間には縦方向の縦仕切り板が設けられ、
前記縦仕切り板に前記第1電極が設けられている、
請求項
6に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食品に電波を照射することで食品の鮮度を維持できる装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、電波を照射して食品の鮮度を維持する上記装置は、重量、容量及びコストが上昇するなどの観点から、冷蔵庫内に収納した食品に用いることは難しいという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、電波を照射して食品の鮮度を維持できる冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、キャビネットと、前記キャビネット内に設けられた貯蔵室と、前記貯蔵室に設けられた第1電極と、前記第1電極に交流電流を流す電波発生部と、前記電波発生部から交流電流を前記第1電極に流して、前記貯蔵室内の食品に電波を照射する制御部と、前記貯蔵室の底面側に設けられた下容器と、前記貯蔵室内であって前記下容器の上方において前記下容器に対して引き出し可能に設けられた上容器と、を有し、前記第1電極が前記下容器内に向けて電波を照射するように配置され、前記第1電極から照射された電波を前記下容器へ反射する反射部材が前記上容器の底部に設けられている、冷蔵庫である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図8】実施形態2の冷蔵庫の野菜室の正面から見た縦断面図。
【
図9】実施形態3の冷蔵庫のチルド室において右側から見た縦断面図。
【
図11】実施形態4の冷蔵庫のチルド室の正面から見た縦断面図。
【
図12】実施形態5の冷蔵庫のチルド室の正面から見た縦断面図。
【
図13】実施形態6の冷蔵庫のチルド室の正面から見た縦断面図。
【
図14】実施形態7の冷蔵庫の正面から見たチルド室の縦断面図。
【
図15】実施形態8の冷蔵庫のチルド室の正面から見た縦断面図。
【
図16】実施形態9の冷蔵庫のチルド室の正面から見た縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態の鮮度維持装置100を有した冷蔵庫1について図面を参照して説明する。
【実施形態1】
【0009】
実施形態1の鮮度維持装置100を有した冷蔵庫1について
図1~
図7を参照して説明する。
【0010】
(1)冷蔵庫1の構造
冷蔵庫1の構造について
図1~
図3に基づいて説明する。冷蔵庫1のキャビネット12は断熱箱体であって、内箱2と外箱3とより形成され、その間に発泡ウレタンよりなる断熱材4が充填されている。
図1と
図2に示すように、このキャビネット12内は、上から順番に冷蔵室14、野菜室16、小型冷凍室18及び冷凍室20を有し、小型冷凍室18の横には製氷室21が設けられている。野菜室16と小型冷凍室18及び製氷室21の間には水平な断熱仕切体36が設けられている。冷蔵室14と野菜室16とは水平な仕切体38によって仕切られている。
【0011】
図2と
図3に示すように、冷蔵室14内には、複数のガラス製の棚40が水平に設けられ、下部にはチルド室42が設けられている。チルド室42の内部には、上容器70と下容器72が引き出し自在に配されている。
【0012】
図2と
図3に示すように、冷蔵室14の前面開口部には、観音開き式の左右扉14a,14bが設けられている。左扉14aと右扉14bの後面には、複数段のドアポケット44が設けられている。左扉14aの前面には、操作部56が設けられている。この操作部56には、操作スイッチ58が設けられている。
【0013】
左扉14aの下部には静電式のドアスイッチ62が設けられ、このドアスイッチ62が操作されると、キャビネット12の天井部前端部の中央部にあるソレノイド式のドア押圧部64が左扉14aを後方から押して左扉14aが開扉状態となる。右扉14bの下部にも静電式のドアスイッチ62が設けられ、このドアスイッチ62が操作されると、ドア押圧部64が右扉14bの後面を押圧して右扉14bが開扉状態となる。
【0014】
製氷室21内には、製氷皿で製氷を行う製氷装置66が設けられ、冷蔵室14内部であって、チルド室42の横に配されたタンク68から製氷用の水が供給される。
【0015】
野菜室16には引出し式の野菜室扉16aが設けられ、小型冷凍室18、冷凍室20及び製氷室21には、それぞれ引出し式の扉18a、20a、21aが設けられている。野菜室16には、引出し式の野菜容器46が設けられている。
【0016】
冷蔵室14の後面下部から野菜室16の後面において、冷蔵用蒸発器(以下、「Rエバ」という)28が設けられ、その下方には冷蔵用送風機(以下、「Rファン」という)30が設けられている。Rエバ28とRファン30とは、エバカバー48で囲まれた冷却室であるRエバ室27に配されている。
【0017】
Rエバ室27から上方に冷気通路50が冷蔵室14の背面に沿って延び、この冷気通路50には複数の吹き出し口52が設けられ、この吹き出し口52から冷蔵室14に冷気が吹き出される。また、チルド室42の背面にも吹き出し口54が設けられ、冷気がチルド室42内部に吹き出される。さらに、冷蔵室14の背面には、冷蔵室14の庫内温度を検出するRセンサ29が設けられている。
【0018】
小型冷凍室18、製氷室21の後面から冷凍室20の後面にかけてのFエバ室31には、冷凍用蒸発器(以下、「Fエバ」という)32が設けられ、その上方には冷凍用送風機(以下、「Fファン」という)34が設けられている。Fエバ32の下方には、不図示の除霜ヒータが設けられている。冷凍室20の背面には、冷凍室20の庫内温度を検出するFセンサ35が設けられている。
【0019】
キャビネット12の後面底部には、機械室22が設けられ、冷凍サイクルを構成する圧縮機24などが載置されている。この機械室22の後面上部には、制御基板26が設けられている。
【0020】
(2)野菜室16
野菜室16について、図面を参照して説明する。野菜室16は、前面が開口し、その両内側面には、左右一対の固定レール80,80が水平に設けられている。
【0021】
野菜室16の前面開口部を覆う野菜室扉16aの後面からは左右一対の移動レール82が水平に突出し、左右一対の固定レール80と係合し、移動レール82が固定レール80に対しスライド自在となっている。左右一対の移動レール82には、野菜容器46が配されている。
【0022】
野菜容器46は、上面が開口し、前面461、左右両側面462,463、後面464及び底面465から形成され、電波を透過することができる合成樹脂製であって一体に形成されている。前面461、左右両側面462,463には、フランジ部466が形成されている。左右一対の移動レール82は、左右のフランジ部464の下方に位置し、野菜容器46を支持している。
【0023】
野菜室16には、鮮度維持装置100が設けられている。この鮮度維持装置100は、電波発生部102、第1電極104、第2電極106とより構成されている。
【0024】
野菜容器46の左側面462から底面465の左部分には、アルミ箔などの薄い金属板よりなる第1電極104が、折り曲げられて貼り付けられている。第1電極104の上端部は、左側の移動レール82よりも下方に貼り付けられ、固定レール80と移動レール82とは重ならない。
【0025】
野菜容器46の右側面463から底面465の右部分には、アルミ箔などの薄い金属板よりなる第2電極106が、折り曲げられて貼り付けられている。第2電極106の上端部は、右側の移動レール82よりも下方に貼り付けられ、固定レール80と移動レール82とは重ならない。底面465において、第1電極104と第2電極106とは一定の距離を持ち、互いに電気的に絶縁状態である。
【0026】
野菜容器46の後面464には、電波発生部102が設けられ、第1電極104と電気的に接続されている。電波発生部102は、制御部60からの制御により交流電流(高周波電流)を第1電極104に出力し、第1電極104は、電波(例えば150kHz以下の長波)を照射する。そして、この照射された電波を第2電極106で受信する。なお、図面において示した矢印は、第1電極104から第2電極106に向かって照射される電波の方向を示している。
【0027】
野菜容器46に収納された野菜や果物などの食品5は、左右一対の第1電極104と第2電極106の間に収納された状態となっている。そして、この場合に第1電極104が、食品5の左側部と左底部、第2電極106が右側部と右底部を囲むようにして配置されているため、照射された電波が食品5に含まれる水分を微振動させると共に、蒸散作用が抑制され、これにより食品5の鮮度を維持できる。なお、第1電極104と第2電極106は移動レール82よりも野菜容器46側に設けられているため、移動レール82の移動に障害とならない。
【0028】
鮮度維持装置100を動作させるためには、ユーザが左扉14aの前面にある操作部56の操作スイッチ58を操作することにより、制御部60によって開始される。動作の終了は所定時間経過後に自動的に終了するか、ユーザが再び操作スイッチ58を操作して手動で終了させる。また、野菜容器46が野菜室16から引き出されたときは、電波発生部102の電波の発生の照射は中止され、再び野菜容器46が野菜室16内部に収納されたときに電波の照射は再開される。
【0029】
(3)冷蔵庫1の電気的構成
次に、冷蔵庫1の電気的構成について
図7のブロック図を参照して説明する。
【0030】
制御基板26に設けられているマイクロコンピュータよりなる制御部60には、Rセンサ29、Rファン30、Fセンサ35、Fファン34、圧縮機24、製氷装置66、ドアスイッチ62、ドア押圧部64、操作部56、鮮度維持装置100が接続されている。
【0031】
(4)効果
本実施形態によれば、野菜室16の野菜容器46に食品5を収納し、鮮度維持装置100を動作させると、第1電極104と第2電極106に挟まれた食品5の鮮度を維持できる。
【0032】
また、第1電極104から電波が照射され、第2電極106で受信されるときに、左右一対の移動レール82と左右一対の固定レール80とは外れた位置に第1電極104と第2電極106が設けられているため、固定レール80と移動レール82が金属製であっても電波の照射の障害とはならない。
【0033】
また、第1電極104は、左側面462と底面465の左部分に配され、第2電極106は野菜容器46の右側面463と底面465の右部分に配されているため、食品5を下側から覆う配置となり、鮮度をより維持し易くなる。
【0034】
また、第1電極104と第2電極106とは、アルミ箔などよりなる薄い金属板で形成されているため、野菜容器46の重量が重くならず、また、野菜容器46の壁面外側に貼り付けても他の部材に接触しない。
【0035】
また、第1電極104と第2電極106は移動レール82よりも野菜容器46側に設けられているため、移動レール82の移動に障害とならない。
【0036】
(5)変更例
本実施形態では、第1電極104と第2電極106とは、薄い金属板で形成したが、これに代えてフィルム電極を用いてもよい。
【0037】
また、本実施形態では、第1電極104と第2電極106には、薄い金属板を使用しているが、この金属板に円形、又は四角のパンチ孔を複数開口させていてもよい。これにより、第1電極104と第2電極106の重量がさらに少なくなる。
【0038】
また、本実施形態では、第1電極104と第2電極106を設けたが、第2電極106を設けないで第1電極104が電波を照射のみする構成であってもよい。
【実施形態2】
【0039】
次に、実施形態2の冷蔵庫1の鮮度維持装置100について
図8を参照して説明する。
【0040】
実施形態1では、野菜容器46に電波発生部102、第1電極104、第2電極106を設けたが、本実施形態では
図8に示すように、野菜室16に設ける。
【0041】
第1電極104が、野菜室16の左側壁を構成する内箱2と外箱3の間の断熱材4の内部に縦方向に埋設されている。
【0042】
第2電極106が、野菜室16の右側壁を構成する内箱2と外箱3の間の断熱材4の内部に縦方向に埋設されている。
【0043】
電波発生部102が、この第1電極104とは外れた位置における内箱2の庫内側に設けられている。
【0044】
また、本実施形態では、野菜容器46の左右両側面462,463には、冷気が野菜容器46に侵入するように冷気侵入口108がそれぞれ設けられている。この冷気侵入口108は、左右一対の第1電極104と第2電極106に対応した位置に設けられ、第1電極104から第2電極106に照射される電波が通過し易いようにする役割も果たしている。
【0045】
本実施形態であっても、野菜容器46に収納された食品5の左側にある第1電極104から右側にある第2電極106に向かって電波が照射されているため、その間にある食品5の鮮度を確実に維持できる。
【0046】
また、第1電極104と第2電極106に対応した位置には左右一対の冷気侵入口108が設けられているため、この冷気侵入口108が電波を通過させて減衰させない。
【0047】
また、冷気侵入口108に代えて野菜容器46に冷気が通るための切欠きが設けられている場合には、その切欠きの位置を避けて第1電極104と第2電極106を設ける。
【0048】
なお、本実施形態では、第1電極104と第2電極106を設けたが、第2電極106を設けないで第1電極104が電波を照射のみする構成であってもよい。
【実施形態3】
【0049】
次に、実施形態3の冷蔵庫1について
図4、
図9、
図10を参照して説明する。実施形態1では、野菜室16に鮮度維持装置100を設けたが、本実施形態ではチルド室42に設けた場合である。
【0050】
図4において、チルド室42についてさらに詳しく説明する。チルド室42は、冷蔵室14の下部に設けられ、チルド室42の天板74は、冷蔵室14の最下段の棚板の役割も果たしている。
【0051】
チルド室42の右側壁はキャビネット12の右側壁とを兼ねており、左側壁は、タンク68との間を区切る縦仕切り板76によって構成されている。チルド室42の底部は、仕切体38によって構成されている。そして、このチルド室42内部には、上下2段に配された上容器70と下容器72とがそれぞれ独立して引き出し可能に配されている。
【0052】
上容器70は、皿形であって上面が開口し、前面701、左右両側面702,703、後面704、底面705から構成され、合成樹脂製であって一体成形されている。
【0053】
下容器72は、皿形であって上面が開口し、前面721、左右両側面722,723、後面724、底面725から構成され、合成樹脂によって一体成形されている。
【0054】
チルド室42の背面には、冷気吹き出し口54が開口し、Rエバ28で冷却された冷気がチルド室42内部にこの冷気吹き出し口54から吹き出される。
【0055】
図8と
図9に示すように、第1電極104は、下容器72の底面705の外面に貼り付けられ、電波発生部102が後面724に設けられている。
【0056】
第2電極106は、上容器70の底面705の外面に貼り付けられている。
【0057】
これにより、下容器72に収納された食品5が、第1電極104から照射された電波と、上方に位置する第2電極106の間に配される状態となって、その食品5の鮮度の維持を行うことができる。
【0058】
そして、第1電極104と第2電極106は、冷気吹き出し口54とは異なる位置に設けられると共に、冷気の流れを妨げないような位置に設けられているので、チルド室42の冷却を十分に行うことができる。
【0059】
なお、本実施形態では、第1電極104と第2電極106を設けたが、第2電極106を設けないで第1電極104が電波を照射のみする構成であってもよい。
【実施形態4】
【0060】
次に、実施形態4の冷蔵庫1の鮮度維持装置100について
図11を参照して説明する。本実施形態も、チルド室42に鮮度維持装置100を設けたものであり、本実施形態では上容器70と下容器72にそれぞれ鮮度維持装置100が設けられている。
【0061】
上容器70の左側面702の外面から底面705の左部分の外面に第1電極104が貼り付けられている。上容器70の右側面703の外面から底面705の右部分の外面に第2電極106が貼り付けられている。上容器70の後面704に電波発生部102が設けられ、電気的に接続されている。そして、これら第1電極104と第2電極106と電波発生部102によって上容器70の鮮度維持装置100を構成している。
【0062】
下容器72にも、同様に第1電極104と第2電極106と電波発生部102が設けられ、上容器70とは独立した下容器72の鮮度維持装置100が設けられている。
【0063】
本実施形態であると、上容器70と下容器72にそれぞれ収納された食品5に関して、それぞれの鮮度維持装置100によって鮮度を維持させることができる。
【0064】
なお、本実施形態では、第1電極104と第2電極106をそれぞれ設けたが、第2電極106を設けないで第1電極104が電波を照射のみする構成であってもよい。
【実施形態5】
【0065】
次に、実施形態5の冷蔵庫1の鮮度維持装置100について
図12を参照して説明する。本実施形態も、チルド室42に鮮度維持装置100を設けたものであり、実施形態4では、上容器70と下容器72にそれぞれの鮮度維持装置100を設けたが、本実施形態ではこれに代えて下容器72にのみ鮮度維持装置100を設けている。そして、上容器70には、アルミニウム製のトレイ78が載置されている。
【0066】
本実施形態では、下容器72の第1電極104から電波が照射され、第2電極106に受信される。この場合に、上容器70にアルミニウム製のトレイ78が載置されているため、第1電極104から上に照射された電波はトレイ78によって反射され、下容器72に収納されている食品5の上から照射されることとなる。これによりこの食品5の鮮度を維持できる。
【0067】
なお、本実施形態では、第1電極104と第2電極106を設けたが、第2電極106を設けないで第1電極104が電波を照射のみする構成であってもよい。
【実施形態6】
【0068】
次に、実施形態6の冷蔵庫1の鮮度維持装置100について
図13を参照して説明する。本実施形態も、チルド室42に鮮度維持装置100を設けたものであり、本実施形態ではチルド室42の左側面を構成する縦仕切り板76のチルド室42側に第1電極104が貼り付けられ、チルド室42の右側面を構成する内箱2のチルド室42側に第2電極106が貼り付けられている。そして、電波発生部102は、第1電極104が設けられていない縦仕切り板76に設けられている。
【0069】
また、
図13に示すように第1電極104と第2電極106は、上容器70と下容器72の側部に跨がって設けられている。
【0070】
本実施形態では、第1電極104から照射された電波は、上容器70と下容器72にそれぞれ収納された食品5の左側部に照射され、上容器70に収納されている食品5の鮮度を維持できる。
【0071】
また、
図13に示すように第1電極104と第2電極106は、上容器70と下容器72の側部に跨がって設けられているため、上容器70と下容器72に収納されている食品5の鮮度をまとめて維持できる。
【0072】
なお、本実施形態において第2電極106は内箱2のチルド室42側に設けたが、これに代えて内箱2と外箱3の間の断熱材4に第2電極106を埋設させてもよい。
【0073】
また、本実施形態では、第1電極104と第2電極106を設けたが、第2電極106を設けないで第1電極104が電波を照射のみする構成であってもよい。
【実施形態7】
【0074】
次に、実施形態7の冷蔵庫1の鮮度維持装置100について
図14を参照して説明する。本実施形態も、チルド室42に鮮度維持装置100を設けたものであり、実施形態6の変更例である。
【0075】
第1電極104が、縦仕切り板76に設けられていると共に、その上端部が天板74に延び、その下端がチルド室42の底部を構成する仕切体38の左部分に伸びている。
【0076】
第2電極106が、内箱2に設けられていると共に、その上端部が天板74に延び、その下端が仕切体38の右部分に延びている。なお、第1電極104と第2電極106とは絶縁された状態である。
【0077】
本実施形態では、上容器70と下容器72を第1電極104と第2電極106によって囲む形となり、上容器70と下容器72に収納されている食品5に電波を確実に照射でき、その食品5の鮮度を維持できる。
【0078】
なお、本実施形態では、第1電極104と第2電極106を設けたが、第2電極106を設けないで第1電極104が電波を照射のみする構成であってもよい。
【実施形態8】
【0079】
次に、実施形態8の冷蔵庫1の鮮度維持装置100について
図15を参照して説明する。本実施形態も、チルド室42に鮮度維持装置100を設けたものであり、第1電極104が天板74の下面に貼り付けられ、第2電極106がチルド室42の底部にあたる仕切体38の上面に貼り付けられている。電波発生部102は、縦仕切り板76に設けられている。
【0080】
本実施形態では、第1電極104から下に向かって電波が照射され、上容器70と下容器72に収納されている食品5に電波が当たり、その食品5の鮮度の維持ができる。
【0081】
なお、本実施形態では、第1電極104と第2電極106を設けたが、第2電極106を設けないで第1電極104が電波を照射のみする構成であってもよい。
【実施形態9】
【0082】
次に、実施形態9の冷蔵庫1の鮮度維持装置100について
図16を参照して説明する。本実施形態も、チルド室42に鮮度維持装置100を設けたものであり、実施形態8の変更例である。
【0083】
天板74に設けられた第1電極104が、縦仕切り板76の上部と内箱2の上部まで延びている。
【0084】
仕切体38に設けられた第2電極106が、縦仕切り板76の下部と内箱2の下部まで延びている。なお、第1電極104と第2電極106とは絶縁状態となっている。
【0085】
本実施形態では、上容器70と下容器72に収納されている食品5を第1電極104と第2電極106によって上下から囲む形となり、食品5により電波が当たりやすくなり、その食品5の鮮度を維持できる。
【0086】
なお、本実施形態では、第1電極104と第2電極106を設けたが、第2電極106を設けないで第1電極104が電波を照射のみする構成であってもよい。
【変更例】
【0087】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
1・・・冷蔵庫、2・・・内箱、3・・・外箱、4・・・断熱材、12・・・キャビネット、14・・・冷蔵室、16・・・野菜室、42・・・チルド室、46・・・野菜容器、70・・・上容器、72・・・下容器、80・・・固定レール、82・・・移動レール、100・・・鮮度維持装置、102・・・電波発生部、104・・・第1電極、106・・・第2電極