IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ミネベア株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-触覚センサ 図1
  • 特許-触覚センサ 図2
  • 特許-触覚センサ 図3
  • 特許-触覚センサ 図4
  • 特許-触覚センサ 図5
  • 特許-触覚センサ 図6
  • 特許-触覚センサ 図7
  • 特許-触覚センサ 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】触覚センサ
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/00 20060101AFI20221213BHJP
【FI】
G01L5/00 101Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018137451
(22)【出願日】2018-07-23
(65)【公開番号】P2020016444
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-07-07
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】北村 厚
(72)【発明者】
【氏名】足立 重之
(72)【発明者】
【氏名】浅川 寿昭
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 知之
(72)【発明者】
【氏名】山口 真也
(72)【発明者】
【氏名】飯島 啓嗣
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0035603(US,A1)
【文献】特開2004-333273(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0172527(US,A1)
【文献】特開平06-300649(JP,A)
【文献】特開昭63-266328(JP,A)
【文献】特開2011-197001(JP,A)
【文献】特開2008-116319(JP,A)
【文献】特開2014-035239(JP,A)
【文献】特開昭52-144798(JP,A)
【文献】特開昭51-137900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 5/00
G01L 1/20-1/22
G01B 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲面を有する支持部材と、
前記支持部材上に配置されたセンサ本体と、
前記センサ本体を被覆し、物体に接すると前記物体から受けた力を前記センサ本体に伝達する緩衝部材と、を備え、
前記緩衝部材は、ゴム又は高分子材料から形成され、
前記センサ本体は、
絶縁層と、
前記絶縁層の一方の側に長手方向を第1方向に向けて並置された複数の第1抵抗部と、
前記絶縁層の他方の側に長手方向を前記第1方向と交差する第2方向に向けて並置された複数の第2抵抗部と、
各々の前記第1抵抗部及び各々の前記第2抵抗部の両端部に設けられた1対の電極と、を有し、
前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部は、Cr、CrN、及びCr Nを含む膜から形成され、
前記物体から受けた力が前記センサ本体に伝達され、前記第1抵抗部及び/又は前記第2抵抗部が押圧されると、押圧された前記第1抵抗部及び/又は前記第2抵抗部の前記1対の電極間の抵抗値が押圧力の大きさに応じて連続的に変化する触覚センサ。
【請求項2】
曲面を有する支持部材と、
前記支持部材上に配置されたセンサ本体と、
前記センサ本体を被覆し、物体に接すると前記物体から受けた力を前記センサ本体に伝達する緩衝部材と、を備え、
前記センサ本体は、
絶縁層と、
前記絶縁層の一方の側に長手方向を第1方向に向けて並置された複数の第1抵抗部と、
前記絶縁層の他方の側に長手方向を前記第1方向と交差する第2方向に向けて並置された複数の第2抵抗部と、
各々の前記第1抵抗部及び各々の前記第2抵抗部の両端部に設けられた1対の電極と、
前記第1抵抗部を被覆する第1絶縁樹脂層と、
前記第2抵抗部を被覆する第2絶縁樹脂層と、を有し、
前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部は、Cr、CrN、及びCr Nを含む膜から形成され、
前記物体から受けた力が前記センサ本体に伝達され、前記第1抵抗部及び/又は前記第2抵抗部が押圧されると、押圧された前記第1抵抗部及び/又は前記第2抵抗部の前記1対の電極間の抵抗値が押圧力の大きさに応じて連続的に変化する触覚センサ。
【請求項3】
曲面を有する支持部材と、
前記支持部材上に配置されたセンサ本体と、
前記センサ本体を被覆し、物体に接すると前記物体から受けた力を前記センサ本体に伝達する緩衝部材と、を備え、
前記センサ本体は、
絶縁層と、
前記絶縁層の一方の側に長手方向を第1方向に向けて並置された複数の第1抵抗部と、
前記絶縁層の他方の側に長手方向を前記第1方向と交差する第2方向に向けて並置された複数の第2抵抗部と、
各々の前記第1抵抗部及び各々の前記第2抵抗部の両端部に設けられた1対の電極と、を有し、
前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部は、Cr、CrN、及びCrNを含む膜から形成され、
前記物体から受けた力が前記センサ本体に伝達され、前記第1抵抗部及び/又は前記第2抵抗部が押圧されると、押圧された前記第1抵抗部及び/又は前記第2抵抗部の前記1対の電極間の抵抗値が押圧力の大きさに応じて連続的に変化する触覚センサ。
【請求項4】
前記緩衝部材は、シリコーンゴム又はポリウレタンから形成されている、請求項1に記載の触覚センサ。
【請求項5】
前記第1抵抗部を被覆する第1絶縁樹脂層と、前記第2抵抗部を被覆する第2絶縁樹脂層と、を有する、請求項1又は4に記載の触覚センサ。
【請求項6】
前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部は、アルファクロムを主成分とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の触覚センサ。
【請求項7】
前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部は、アルファクロムを80重量%以上含む請求項に記載の触覚センサ。
【請求項8】
前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部は、窒化クロムを含む請求項又はに記載の触覚センサ。
【請求項9】
前記第1抵抗部の抵抗値の変化及び前記第2抵抗部の抵抗値の変化に基づいて、前記第1方向及び前記第2方向の位置検出が可能である請求項1乃至の何れか一項に記載の触覚センサ。
【請求項10】
各々の前記第1抵抗部及び各々の前記第2抵抗部は、前記1対の電極の間に形成されたジグザグのパターンであり、任意の1の前記第1抵抗部は任意の1の前記第2抵抗部と1点のみで交差する請求項1乃至の何れか一項に記載の触覚センサ。
【請求項11】
前記第1抵抗部の下層及び前記第2抵抗部の下層に、金属、合金、又は、金属の化合物から形成された機能層を有する請求項1乃至10の何れか一項に記載の触覚センサ。
【請求項12】
前記機能層は、前記絶縁層の一方の面に直接、金属、合金、又は、金属の化合物から形成された第1機能層と、前記絶縁層の他方の面に直接、金属、合金、又は、金属の化合物から形成された第2機能層と、を含み、
前記第1抵抗部は、前記第1機能層の一方の面に直接形成され、
前記第2抵抗部は、前記第2機能層の他方の面に直接形成され、
前記第1機能層及び前記第2機能層は、前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部の結晶成長を促進する機能を有する請求項11に記載の触覚センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触覚センサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ロボットハンド等に用いる触覚センサの研究開発が行われており、様々な方式の触覚センサが知られている。
【0003】
例えば、プリント基板の端面からみて、プリント基板の一方の面に、所定方向(X軸方向)に所定ピッチで金属箔が形成され、他方の面に金属箔が全面に貼着されたプリント基板を、その厚さ方向(Y軸方向)に絶縁材を挟んで複数積層した触覚センサが挙げられる。
【0004】
この触覚センサでは、積層されたプリント基板の端面に導電性シートを被着している。そして、導電性シートの一部を加圧すると、加圧された部分のX軸に位置する金属箔部分とY軸に位置する金属箔部分とが導電性シートを介して導通することにより、加圧部分の位置を電気的に検出できる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9-14989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の触覚センサでは、XY方向の2次元情報は得られるものの、Z方向も含めた3次元情報を得ることはできなかった。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、3次元情報が得られる触覚センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本触覚センサは、曲面を有する支持部材と、前記支持部材上に配置されたセンサ本体と、前記センサ本体を被覆し、物体に接すると前記物体から受けた力を前記センサ本体に伝達する緩衝部材と、を備え、前記緩衝部材は、ゴム又は高分子材料から形成され、前記センサ本体は、絶縁層と、前記絶縁層の一方の側に長手方向を第1方向に向けて並置された複数の第1抵抗部と、前記絶縁層の他方の側に長手方向を前記第1方向と交差する第2方向に向けて並置された複数の第2抵抗部と、各々の前記第1抵抗部及び各々の前記第2抵抗部の両端部に設けられた1対の電極と、を有し、前記第1抵抗部及び前記第2抵抗部は、Cr、CrN、及びCr Nを含む膜から形成され、前記物体から受けた力が前記センサ本体に伝達され、前記第1抵抗部及び/又は前記第2抵抗部が押圧されると、押圧された前記第1抵抗部及び/又は前記第2抵抗部の前記1対の電極間の抵抗値が押圧力の大きさに応じて連続的に変化する。
【発明の効果】
【0009】
開示の技術によれば、3次元情報が得られる触覚センサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施の形態に係る触覚センサを例示する斜視図である。
図2】第1の実施の形態に係る触覚センサを例示する分解斜視図である。
図3】第1の実施の形態に係る触覚センサのセンサ本体を例示する平面図である。
図4】第1の実施の形態に係る触覚センサのセンサ本体を例示する断面図である。
図5】第1の実施の形態に係る触覚センサモジュールを例示するブロック図である。
図6】第1の実施の形態に係る触覚センサモジュールの制御装置を例示するブロック図である。
図7】触覚センサが物体に触れたときにセンサ本体に伝達される力を模式的に示す図である。
図8】第1の実施の形態の変形例1に係るセンサ本体を例示する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0012】
〈第1の実施の形態〉
図1は、第1の実施の形態に係る触覚センサを例示する斜視図である。図2は、第1の実施の形態に係る触覚センサを例示する分解斜視図である。図1及び図2を参照するに、触覚センサ5は、センサ本体1と、支持部材2と、緩衝部材3とを有している。
【0013】
触覚センサ5において、センサ本体1は、支持部材2上に配置され、緩衝部材3により被覆されている。つまり、センサ本体1は、支持部材2と緩衝部材3に挟持されている。センサ本体1については後述する。
【0014】
支持部材2は、金属や樹脂等から形成された、曲面を有する部材である。支持部材2の形状は、曲面を有する部材であれば特に限定されないが、例えば半球状とすることができる。支持部材2を人間の指先に近い形状(曲面部や偏平部を有する形状)としてもよい。
【0015】
緩衝部材3は、センサ本体1を被覆して機械的に保護すると共に、物体に接すると物体から受けた力をセンサ本体1に伝達する部材である。緩衝部材3は、弾性体から形成することが好ましく、具体的な材料としては、例えば、シリコーンゴム等のゴムや、ポリウレタン等の高分子材料が挙げられる。なお、弾性体とは、力を加えるとひずみが生じるが、力を除去すれば元の形状に戻る物体を指す。
【0016】
図3は、第1の実施の形態に係る触覚センサのセンサ本体を例示する平面図であり、支持部材2に貼り付ける前の状態を示している。図4は、第1の実施の形態に係る触覚センサのセンサ本体を例示する断面図であり、図3のA-A線に沿う断面を示している。
【0017】
図3及び図4を参照するに、センサ本体1は、基材10と、抵抗体30(複数の抵抗部31及び32)と、複数の端子部41及び42とを有している。図3では、便宜上、センサ本体1の平面形状を略正方形としているが、センサ本体1は支持部材2に貼り付けやすいような平面形状に適宜加工することができる。
【0018】
なお、本実施の形態では、便宜上、センサ本体1において、基材10の抵抗部31が設けられている側を上側又は一方の側、抵抗部32が設けられている側を下側又は他方の側とする。又、各部位の抵抗部31が設けられている側の面を一方の面又は上面、抵抗部32が設けられている側の面を他方の面又は下面とする。但し、センサ本体1は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。又、平面視とは対象物を基材10の上面10aの法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物を基材10の上面10aの法線方向から視た形状を指すものとする。
【0019】
基材10は、抵抗体30等を形成するためのベース層となる絶縁性の部材であり、可撓性を有する。基材10の厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、5μm~500μm程度とすることができる。特に、基材10の厚さが5μm~200μmであると、抵抗部31及び32のひずみ感度誤差を少なくすることができる点で好ましい。
【0020】
基材10は、例えば、PI(ポリイミド)樹脂、エポキシ樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、ポリオレフィン樹脂等の絶縁樹脂フィルムから形成することができる。なお、フィルムとは、厚さが500μm以下程度であり、可撓性を有する部材を指す。
【0021】
ここで、『絶縁樹脂フィルムから形成する』とは、基材10が絶縁樹脂フィルム中にフィラーや不純物等を含有することを妨げるものではない。基材10は、例えば、シリカやアルミナ等のフィラーを含有する絶縁樹脂フィルムから形成しても構わない。
【0022】
但し、基材10が可撓性を有する必要がない場合には、基材10に、SiO、ZrO(YSZも含む)、Si、Si、Al(サファイヤも含む)、ZnO、ペロブスカイト系セラミックス(CaTiO、BaTiO)等の材料を用いても構わない。
【0023】
抵抗体30は、基材10上に形成されており、押圧力に応じて連続的に抵抗値が変化する受感部である。抵抗体30は、基材10の上面10a及び下面10bに直接形成されてもよいし、基材10の上面10a及び下面10bに他の層を介して形成されてもよい。
【0024】
抵抗体30は、基材10を介して積層された複数の抵抗部31及び32を含んでいる。すなわち、抵抗体30は、複数の抵抗部31及び32の総称であり、抵抗部31及び32を特に区別する必要がない場合には抵抗体30と称する。なお、図3では、便宜上、抵抗部31及び32を梨地模様で示している。
【0025】
複数の抵抗部31は、基材10の上面10aに、長手方向をX方向に向けて所定間隔でY方向に並置された薄膜である。複数の抵抗部32は、基材10の下面10bに、長手方向をY方向に向けて所定間隔でX方向に並置された薄膜である。但し、複数の抵抗部31と複数の抵抗部32とは平面視で直交している必要はなく、交差していればよい。
【0026】
抵抗体30は、例えば、Cr(クロム)を含む材料、Ni(ニッケル)を含む材料、又はCrとNiの両方を含む材料から形成することができる。すなわち、抵抗体30は、CrとNiの少なくとも一方を含む材料から形成することができる。Crを含む材料としては、例えば、Cr混相膜が挙げられる。Niを含む材料としては、例えば、Cu-Ni(銅ニッケル)が挙げられる。CrとNiの両方を含む材料としては、例えば、Ni-Cr(ニッケルクロム)が挙げられる。
【0027】
ここで、Cr混相膜とは、Cr、CrN、CrN等が混相した膜である。Cr混相膜は、酸化クロム等の不可避不純物を含んでもよい。
【0028】
抵抗体30の厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、0.05μm~2μm程度とすることができる。特に、抵抗体30の厚さが0.1μm以上であると、抵抗体30を構成する結晶の結晶性(例えば、α-Crの結晶性)が向上する点で好ましい。又、抵抗体30の厚さが1μm以下であると、抵抗体30を構成する膜の内部応力に起因する膜のクラックや基材10からの反りを低減できる点で更に好ましい。
【0029】
抵抗体30の幅は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、0.1μm~1000μm程度とすることができる。隣接する抵抗体30のピッチは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、1mm~100mm程度とすることができる。なお、図3及び図4では、抵抗部31を10本、抵抗部32を10本図示しているが、抵抗部31及び32は、実際には数100~数1000本程度設けられる。
【0030】
例えば、抵抗体30がCr混相膜である場合、安定な結晶相であるα-Cr(アルファクロム)を主成分とすることで、抵抗体30の温度係数の安定化や、押圧力に対する抵抗体30の感度の向上を実現できる。ここで、主成分とは、対象物質が抵抗体を構成する全物質の50質量%以上を占めることを意味するが、抵抗体30の温度係数の安定化や、押圧力に対する抵抗体30の感度の向上を実現する観点から、抵抗体30はα-Crを80重量%以上含むことが好ましい。なお、α-Crは、bcc構造(体心立方格子構造)のCrである。
【0031】
端子部41は、基材10の上面10aにおいて、各々の抵抗部31の両端部から延在しており、平面視において、抵抗部31よりも拡幅して略矩形状に形成されている。端子部41は、押圧力により生じる抵抗部31の抵抗値の変化を外部に出力するための1対の電極であり、例えば、外部接続用のフレキシブル基板やリード線等が接合される。端子部41の上面を、端子部41よりもはんだ付け性が良好な金属で被覆してもよい。なお、抵抗部31と端子部41とは便宜上別符号としているが、両者は同一工程において同一材料により一体に形成することができる。
【0032】
端子部42は、基材10の下面10bにおいて、各々の抵抗部32の両端部から延在しており、平面視において、抵抗部32よりも拡幅して略矩形状に形成されている。端子部42は、押圧力により生じる抵抗部32の抵抗値の変化を外部に出力するための1対の電極であり、例えば、外部接続用のフレキシブル基板やリード線等が接合される。端子部42の上面を、端子部42よりもはんだ付け性が良好な金属で被覆してもよい。なお、抵抗部32と端子部42とは便宜上別符号としているが、両者は同一工程において同一材料により一体に形成することができる。
【0033】
なお、基材10を貫通する貫通配線(スルーホール)を設け、端子部41及び42を基材10の上面10a側又は下面10b側に集約してもよい。
【0034】
抵抗部31を被覆し端子部41を露出するように基材10の上面10aにカバー層(絶縁樹脂層)を設けても構わない。又、抵抗部32を被覆し端子部42を露出するように基材10の下面10bにカバー層(絶縁樹脂層)を設けても構わない。カバー層を設けることで、抵抗部31及び32に機械的な損傷等が生じることを防止できる。又、カバー層を設けることで、抵抗部31及び32を湿気等から保護することができる。なお、カバー層は、端子部41及び42を除く部分の全体を覆うように設けてもよい。
【0035】
カバー層は、例えば、PI樹脂、エポキシ樹脂、PEEK樹脂、PEN樹脂、PET樹脂、PPS樹脂、複合樹脂(例えば、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂)等の絶縁樹脂から形成することができる。カバー層は、フィラーや顔料を含有しても構わない。カバー層の厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、2μm~30μm程度とすることができる。
【0036】
センサ本体1を製造するためには、まず、基材10を準備し、基材10の上面10aに図3に示す平面形状の抵抗部31及び端子部41を形成する。抵抗部31及び端子部41の材料や厚さは、前述の通りである。抵抗部31と端子部41とは、同一材料により一体に形成することができる。
【0037】
抵抗部31及び端子部41は、例えば、抵抗部31及び端子部41を形成可能な原料をターゲットとしたマグネトロンスパッタ法により成膜し、フォトリソグラフィによってパターニングすることで形成できる。抵抗部31及び端子部41は、マグネトロンスパッタ法に代えて、反応性スパッタ法や蒸着法、アークイオンプレーティング法、パルスレーザー堆積法等を用いて成膜してもよい。
【0038】
抵抗部31の温度係数の安定化や、押圧力に対する抵抗部31の感度の向上を実現する観点から、抵抗部31及び端子部41を成膜する前に、下地層として膜厚が1nm~100nm程度の機能層を真空成膜することが好ましい。機能層は、例えば、コンベンショナルスパッタ法により成膜できる。なお、機能層は、機能層の上面全体に抵抗部31及び端子部41を形成後、フォトリソグラフィによって抵抗部31及び端子部41と共に図3に示す平面形状にパターニングされる。
【0039】
本願において、機能層とは、少なくとも上層である抵抗部の結晶成長を促進する機能を有する層を指す。機能層は、更に、基材10に含まれる酸素や水分による抵抗部の酸化を防止する機能や、基材10と抵抗部との密着性を向上する機能を備えていることが好ましい。機能層は、更に、他の機能を備えていてもよい。
【0040】
基材10を構成する絶縁樹脂フィルムは酸素や水分を含むため、特に抵抗部がCrを含む場合、Crは自己酸化膜を形成するため、機能層が抵抗部の酸化を防止する機能を備えることは有効である。
【0041】
機能層の材料は、少なくとも上層である抵抗部の結晶成長を促進する機能を有する材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、Cr(クロム)、Ti(チタン)、V(バナジウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、Ni(ニッケル)、Y(イットリウム)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Si(シリコン)、C(炭素)、Zn(亜鉛)、Cu(銅)、Bi(ビスマス)、Fe(鉄)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Re(レニウム)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、Ag(銀)、Au(金)、Co(コバルト)、Mn(マンガン)、Al(アルミニウム)からなる群から選択される1種又は複数種の金属、この群の何れかの金属の合金、又は、この群の何れかの金属の化合物が挙げられる。
【0042】
上記の合金としては、例えば、FeCr、TiAl、FeNi、NiCr、CrCu等が挙げられる。又、上記の化合物としては、例えば、TiN、TaN、Si、TiO、Ta、SiO等が挙げられる。
【0043】
機能層は、例えば、機能層を形成可能な原料をターゲットとし、チャンバ内にAr(アルゴン)ガスを導入したコンベンショナルスパッタ法により真空成膜することができる。コンベンショナルスパッタ法を用いることにより、基材10の上面10aをArでエッチングしながら機能層が成膜されるため、機能層の成膜量を最小限にして密着性改善効果を得ることができる。
【0044】
但し、これは、機能層の成膜方法の一例であり、他の方法により機能層を成膜してもよい。例えば、機能層の成膜の前にAr等を用いたプラズマ処理等により基材10の上面10aを活性化することで密着性改善効果を獲得し、その後マグネトロンスパッタ法により機能層を真空成膜する方法を用いてもよい。
【0045】
機能層の材料と抵抗部31及び端子部41の材料との組み合わせは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。例えば、機能層としてTiを用い、抵抗部31及び端子部41としてα-Cr(アルファクロム)を主成分とするCr混相膜を成膜することが可能である。
【0046】
この場合、例えば、Cr混相膜を形成可能な原料をターゲットとし、チャンバ内にArガスを導入したマグネトロンスパッタ法により、抵抗部31及び端子部41を成膜することができる。或いは、純Crをターゲットとし、チャンバ内にArガスと共に適量の窒素ガスを導入し、反応性スパッタ法により、抵抗部31及び端子部41を成膜してもよい。
【0047】
これらの方法では、Tiからなる機能層がきっかけでCr混相膜の成長面が規定され、安定な結晶構造であるα-Crを主成分とするCr混相膜を成膜できる。又、機能層を構成するTiがCr混相膜中に拡散することにより、抵抗部31の温度係数の安定化や、押圧力に対する抵抗部31の感度の向上を実現できる。なお、機能層がTiから形成されている場合、Cr混相膜にTiやTiN(窒化チタン)が含まれる場合がある。
【0048】
なお、抵抗部31がCr混相膜である場合、Tiからなる機能層は、抵抗部31の結晶成長を促進する機能、基材10に含まれる酸素や水分による抵抗部31の酸化を防止する機能、及び基材10と抵抗部31との密着性を向上する機能の全てを備えている。機能層として、Tiに代えてTa、Si、Al、Feを用いた場合も同様である。
【0049】
このように、抵抗部31の下層に機能層を設けることにより、抵抗部31の結晶成長を促進することが可能となり、安定な結晶相からなる抵抗部31を作製できる。その結果、センサ本体1において、抵抗部31の温度係数の安定化や、押圧力に対する抵抗部31の感度の向上を実現することができる。又、機能層を構成する材料が抵抗部31に拡散することにより、センサ本体1において、抵抗部31の温度係数の安定化や、押圧力に対する抵抗部31の感度の向上を実現することができる。
【0050】
次に、基材10の下面10bに図3に示す平面形状の抵抗部32及び端子部42を形成する。抵抗部32及び端子部42は、抵抗部31及び端子部41と同様の方法で形成することができる。抵抗部32及び端子部42を成膜する前に、下地層として、基材10の下面10bに機能層を成膜することが好ましい点も同様である。
【0051】
抵抗部31及び端子部41並びに抵抗部32及び端子部42を形成後、必要に応じ、基材10の上面10aに抵抗部31を被覆し端子部41を露出するカバー層を、基材10の下面10bに抵抗部32を被覆し端子部42を露出するカバー層を設けてもよい。これにより、センサ本体1が完成する。
【0052】
カバー層は、例えば、基材10の上面10aに抵抗部31を被覆し端子部41を露出するように半硬化状態の熱硬化性の絶縁樹脂フィルムをラミネートし、加熱して硬化させて作製することができる。又、カバー層は、例えば、基材10の下面10bに抵抗部32を被覆し端子部42を露出するように半硬化状態の熱硬化性の絶縁樹脂フィルムをラミネートし、加熱して硬化させて作製することができる。カバー層は、絶縁樹脂フィルムのラミネートに代えて、液状又はペースト状の熱硬化性の絶縁樹脂を塗布し、加熱して硬化させて作製してもよい。
【0053】
図5に示すように、触覚センサ5及び制御装置7により触覚センサモジュール8を実現できる。触覚センサモジュール8において、触覚センサ5は、例えば、ロボットハンドの指先に取り付けられ、制御装置7によりロボットが物体を把持した際の物体との接触個所や把持力等を検出することができる。複数の触覚センサ5をロボットハンドの複数の指先に取り付けてもよい。例えば、ロボットハンドの2本の指先の各々に触覚センサ5を取り付け、ロボットハンドの2本の指先で物体を把持した際に、各々の触覚センサ5の出力に基づいて、制御装置7によりロボットが対象物を把持した際の物体との接触位置や把持力等を検出できる。
【0054】
触覚センサモジュール8において、触覚センサ5におけるセンサ本体1の各々の端子部41及び42は、例えば、フレキシブル基板やリード線等を用いて、制御装置7に接続されている。
【0055】
制御装置7は、センサ本体1の端子部41及び42を介して得られた情報に基づいて、触覚センサ5のセンサ本体1が押圧された位置の座標や押圧力の大きさを検出することができる。例えば、センサ本体1の抵抗部31はX座標の検出に用いることができ、抵抗部32はY座標の検出に用いることができる。
【0056】
図6に示すように、制御装置7は、例えば、アナログフロントエンド部71と、信号処理部72とを含む構成とすることができる。
【0057】
アナログフロントエンド部71は、例えば、入力信号選択スイッチ、ブリッジ回路、増幅器、アナログ/デジタル変換回路(A/D変換回路)等を備えている。アナログフロントエンド部71は、温度補償回路を備えていてもよい。
【0058】
アナログフロントエンド部71では、例えば、センサ本体1の全ての端子部41及び42が入力信号選択スイッチに接続され、入力信号選択スイッチにより1対の電極が選択される。入力信号選択スイッチで選択された1対の電極は、ブリッジ回路に接続される。
【0059】
すなわち、ブリッジ回路の1辺が入力信号選択スイッチで選択された1対の電極間の抵抗部で構成され、他の3辺が固定抵抗で構成される。これにより、ブリッジ回路の出力として、入力信号選択スイッチで選択された1対の電極間の抵抗部の抵抗値に対応した電圧(アナログ信号)を得ることができる。なお、入力信号選択スイッチは、信号処理部72から制御可能に構成されている。
【0060】
ブリッジ回路から出力された電圧は、増幅器で増幅された後、A/D変換回路によりデジタル信号に変換され、信号処理部72に送られる。アナログフロントエンド部71が温度補償回路を備えている場合には、温度補償されたデジタル信号が信号処理部72に送られる。入力信号選択スイッチを高速で切り替えることで、センサ本体1の全ての端子部41及び42の抵抗値に対応するデジタル信号を極短時間で信号処理部72に送ることができる。
【0061】
信号処理部72は、アナログフロントエンド部71から送られた情報に基づいて、センサ本体1が押圧された位置の座標や押圧力の大きさを検出することができる。
【0062】
又、複数の抵抗部31の抵抗値や複数の抵抗部32の抵抗値が変化した場合には、センサ本体1が複数位置で押圧されたことを検出できる。
【0063】
なお、押圧力の大きさが小さい場合等には、抵抗部31及び抵抗部32のうち、押圧される側に近い方の抵抗部のみが押圧され、押圧される側から遠い方の抵抗部は押圧されない場合がある。この場合には、押圧される側に近い方の抵抗部の1対の電極間の抵抗値のみが押圧力の大きさに応じて連続的に変化するが、この場合も、信号処理部72は、押圧される側に近い方の抵抗部の抵抗値の変化の大小に基づいて、押圧力の大きさを検出することができる。
【0064】
つまり、抵抗部31及び/又は抵抗部32が押圧されると、押圧された抵抗部(抵抗部31及び/又は抵抗部32)の1対の電極間の抵抗値が押圧力の大きさに応じて連続的に変化する。そして、信号処理部72は、抵抗部31と抵抗部32の一方が押圧されたか両方が押圧されたかにかかわらず、押圧された抵抗部の抵抗値の変化の大小に基づいて、押圧力の大きさを検出することができる。
【0065】
信号処理部72は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、メインメモリ等を含む構成とすることができる。
【0066】
この場合、信号処理部72の各種機能は、ROM等に記録されたプログラムがメインメモリに読み出されてCPUにより実行されることによって実現できる。但し、信号処理部72の一部又は全部は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。又、信号処理部72は、物理的に複数の装置等により構成されてもよい。
【0067】
図7は、触覚センサが物体に触れたときにセンサ本体に伝達される力を模式的に示す図である。図7(a)は斜視図であり、図7(b)はセンサ本体が力を検出する様子を平面図で模式的に示したものである。
【0068】
図7(a)に示すように、触覚センサ5が物体300に触れると、緩衝部材3が変形してセンサ本体1に力が伝達される。緩衝部材3が変形することで、図7(b)のB部に示すように、センサ本体1において、力を点データではなく面データとして検出できる。これにより、指先のどの位置で、どの程度の力で物体を把持しているかを検出できる。なお、B部では、中心に近いほど力が大きく、周辺に行くに従って力が小さくなる様子を、異なる梨地模様で模式的に示している。
【0069】
又、ロボットハンドの複数の指先の各々に触覚センサ5を取り付け、ロボットハンドの複数の指先で物体を把持した場合、各々の触覚センサ5の出力に基づいて、ロボットが把持した物体の重心を検出できる。
【0070】
このように、触覚センサ5において、緩衝部材3が物体に接すると、緩衝部材3が変形して物体から受けた力をセンサ本体1に伝達し、抵抗部31及び32が押圧される。センサ本体1の抵抗部31及び32が押圧されると、押圧された抵抗部31及び32が押圧力に応じて撓み、押圧された抵抗部31及び32の1対の電極間の抵抗値が押圧力の大きさに応じて連続的に変化する。すなわち、触覚センサ5では、3次元情報(押圧された位置の座標と、押圧力の大きさ)を得ることができる。
【0071】
触覚センサモジュール8において、センサ本体1で得られた3次元情報は制御装置7に送られ、制御装置7はセンサ本体1で得られた3次元情報に基づいて、センサ本体1が押圧された位置の座標と共に、押圧力の大きさを検出することができる。
【0072】
特に、抵抗部31及び32がCr混相膜から形成されている場合は、抵抗部31及び32がCu-NiやNi-Crから形成されている場合と比べ、力に対する抵抗値の感度(同一の押圧力に対する抵抗部31及び32の抵抗値の変化量)が大幅に向上する。抵抗部31及び32がCr混相膜から形成されている場合、力に対する抵抗値の感度は、抵抗部31及び32がCu-NiやNi-Crから形成されている場合と比べ、おおよそ5~10倍程度となる。そのため、抵抗部31及び32をCr混相膜から形成することで、押圧された位置の座標の検出精度を向上できると共に、力を高感度で検出できる。
【0073】
又、力に対する抵抗値の感度が高いことで、力が小であることを検出した場合には所定の動作を行い、力が中であることを検出した場合には他の動作を行い、力が大であることを検出した場合には更に他の動作を行うような制御の実現が可能となる。或いは、力が小又は中であることを検出した場合には動作を行わず、力が大であることを検出した場合にのみ所定の動作を行うような制御の実現が可能となる。
【0074】
又、力に対する抵抗値の感度が高いと、S/Nの高い信号を得ることができる。そのため、アナログフロントエンド部71のA/D変換回路において平均化を行う回数を低減しても精度よく信号検出ができる。A/D変換回路において平均化を行う回数を低減することで、1回のA/D変換に必要な時間を短縮できるため、入力信号選択スイッチを更に高速で切り替えることが可能となる。その結果、触覚センサ5に入力される速い動きも検出することができる。
【0075】
〈第1の実施の形態の変形例1〉
第1の実施の形態の変形例1では、センサ本体の抵抗部をジグザグパターンにする例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例1において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図8は、第1の実施の形態の変形例1に係るセンサ本体を例示する平面図であり、図3に対応する平面を示している。図8を参照するに、センサ本体1Aは、抵抗体30が抵抗体30Aに置換された点が、センサ本体1(図3及び図4参照)と相違する。
【0076】
抵抗体30Aは、抵抗部31A及び32Aを含んでいる。抵抗部31Aは、1対の端子部41の間に形成されたジグザグのパターンである。又、抵抗部32Aは、1対の端子部42の間に形成されたジグザグのパターンである。抵抗部31A及び32Aの材料や厚さは、例えば、抵抗部31及び32の材料や厚さと同様とすることができる。
【0077】
このように、抵抗部31A及び32Aをジグザグパターンにすることで、直線状のパターンにした場合と比べて、1対の端子部41間の抵抗値及び1対の端子部42間の抵抗値を高くできる。その結果、押圧された際の1対の端子部41間の抵抗値の変化量及び1対の端子部42間の抵抗値の変化量が大きくなるため、押圧された位置の座標の検出精度を更に向上できると共に、力を更に高感度で検出できる。
【0078】
又、1対の端子部41間の抵抗値及び1対の端子部42間の抵抗値を高くできるため、センサ本体1Aを低消費電力化することが可能である。
【0079】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0080】
例えば、センサ本体1では、絶縁層である基材10の上面10aに抵抗部31を設け、下面10bに抵抗部32を設ける例を示したが、絶縁層の一方の側に抵抗部32を設け、他方の側に抵抗部32を設ける構造であれば、これには限定されない。例えば、基材10の上面10aに抵抗部31を設け、基材10の上面10aに抵抗部31を被覆する絶縁層を設け、絶縁層上に抵抗部32を設けてもよい。又、抵抗部31を設けた第1基材と、抵抗部32を設けた第2基材を作製し、抵抗部31と抵抗部32を内側に向けて、絶縁層を挟んで抵抗部31を設けた第1基材と抵抗部32を設けた第2基材を貼り合わせてもよい。又、抵抗部31を設けた第1基材と、抵抗部32を設けた第2基材を作製し、抵抗部31を設けた第1基材と抵抗部32を設けた第2基材を同一方向に積層してもよい。センサ本体1Aについても同様である。
【符号の説明】
【0081】
1、1A センサ本体、2 支持部材、3 緩衝部材、5 触覚センサ、7 制御装置、8 触覚センサモジュール、10 基材、10a 基材の上面、10b 基材の下面、30、30A 抵抗体、31、31A、32、32A 抵抗部、41、42 端子部、71 アナログフロントエンド部、72 信号処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8