(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/40 20180101AFI20221213BHJP
F21S 43/33 20180101ALI20221213BHJP
F21S 43/20 20180101ALI20221213BHJP
F21S 43/15 20180101ALI20221213BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20221213BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20221213BHJP
F21W 102/00 20180101ALN20221213BHJP
F21W 102/30 20180101ALN20221213BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20221213BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20221213BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20221213BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20221213BHJP
F21W 103/45 20180101ALN20221213BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20221213BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20221213BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221213BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20221213BHJP
【FI】
F21S43/40
F21S43/33
F21S43/20
F21S43/15
F21V7/00 570
F21V5/00 610
F21W102:00
F21W102:30
F21W103:00
F21W103:10
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:45
F21W103:55
F21Y103:10
F21Y115:10 500
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2018165805
(22)【出願日】2018-09-05
【審査請求日】2021-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】南 春奈
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06343872(US,B1)
【文献】特開2015-219994(JP,A)
【文献】特開2010-140891(JP,A)
【文献】特開2015-060753(JP,A)
【文献】特開2010-163077(JP,A)
【文献】特開2007-062565(JP,A)
【文献】国際公開第2012/095905(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/046294(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/40
F21S 43/33
F21S 43/20
F21S 43/15
F21V 7/00
F21V 5/00
F21W 102/00
F21W 102/30
F21W 103/00
F21W 103/10
F21W 103/20
F21W 103/35
F21W 103/45
F21W 103/55
F21Y 103/10
F21Y 115/10
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の方向に並んで設けられた複数の光源と、
前記複数の光源の上方に配置されて、前記複数の光源から
上方に向けて出射された光を前方に向けて反射するリフレクタと、
前記リフレクタの前方及び上方を覆うように配置されたレンズ体とを備え、
前記リフレクタは、
前記複数の光源から出射された光の一部を前方に向けて反射し、前記複数の光源から出射された光の一部を透過する半透過部材からなり、
その前方が開放された状態で、前記複数の光源の上方を覆うように配置されると共に、前記複数の光源から出射された光の一部を前方に向けて反射する反射面と、前記複数の光源から出射された光の一部を上方に向けて通過させる開口部
とを有し、
前記レンズ体は、前記リフレクタの前方を覆う前壁部と、前記リフレクタの上方を覆う上壁部と、前記上壁部に入射する光を拡散させる拡散部とを有し、
前記複数の光源から出射された光のうち、前記リフレクタの前記反射面により前方に向けて反射された第1の光が、前記レンズ体の前記前壁部を透過しながら、前方に向けて出射され、
前記リフレクタを透過した第2の光が、前記レンズ体の前記拡散部により拡散されて前記上壁部を透過しながら、上方に向けて出射され、
前記開口部を通過した第3の光が、前記レンズ体の前記拡散部により拡散されて前記上壁部を透過しながら、前記第2の光よりも明るい前記開口部の像として上方に向けて投影されることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記複数の光源の一部は、当該車両用灯具の側方に向けて光を出射し、
前記レンズ体は、前記リフレクタの側方を覆う
側壁部を有し、
前記リフレクタは、
前記側方に向けて光を出射する光源を覆うように配置されると共に、前記側方に向けて出射された光の一部を側方に向けて通過させる開口部を有し、
前記第2の光は、前記上壁部に加えて前記側壁部も透過しながら、側方にも向けて出射され、
前記第3の光は、前記上壁部に加えて前記側壁部も透過しながら、前記第2の光よりも明るい前記開口部の像として側方にも向けて投影されることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記開口部は、前記複数の光源の各間に対応した位置に設けられていることを特徴とする請求項1
又は2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記リフレクタは、
白色の半透過部材からな
ることを特徴とする請求項1~
3の何れか一項に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記拡散部は、前記レンズ体の外面又は内面に、シボ加工又は粗面加工を施すことにより設けられた構成と、前記レンズ体の内部に拡散材を分散して設けた構成と、前記レンズ体の表面に拡散シートを貼り付けた構成の何れかであることを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載される車両用灯具として、光源と、レンズ体とを組み合わせたものが知られている(例えば、下記特許文献1を参照。)。このような車両用灯具では、デザインの多様化によって、様々な形態のものが開発されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、ランプボディと、前記ランプボディの前面開口部を覆い、灯室を形成するカバーと、前記灯室内に設けられる、走行ビームおよび/またはすれ違いビームを照射する第1灯具ユニットと、前記ランプボディと前記第1灯具ユニットの間の隙間領域に設けられる、走行ビームおよびすれ違いビーム以外のビームを照射する第2灯具ユニットと、を備えた車両用前照灯が開示されている。
【0004】
また、前記第2灯具ユニットは、光源と、前記光源から出射された光を反射するメインリフレクタと、前記メインリフレクタの一部に設けられた開口部と、前記開口部の周縁部から延設された、前記開口部を通過した前記光源からの光を反射するサブリフレクタと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した特許文献1に記載の発明では、メインリフレクタで反射された光と、メインリフレクタの一部に設けられた開口部を通過した後、サブリフレクタで反射された光とを、それぞれ前方に向けて投影する構成となっている。
【0007】
このような構成により、メインリフレクタで反射された光を走行ビームおよび/またはすれ違いビームとして利用し、サブリフレクタで反射された光を走行ビームおよびすれ違いビーム以外のビームとして利用するといった機能を持たせている。
【0008】
一方、1つの車両用灯具で前方と、前方とは異なる方向(例えば、上方や側方など。)に向けて光を投影しようとした場合、異なる方向に向けて光源を追加する必要がある。この場合、光源の数が増加したことによるコストアップや、光源を異なる向きに配置したことによる大型化などの問題が発生してしまう。また、前方及び前方とは異なる方向に向けて光を投影する際のデザイン性や見栄えについても考慮する必要がある。
【0009】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、前方及び前方とは異なる方向に向けて光を投影することができ、なお且つ、デザイン性に優れた見栄えの良い発光を可能とした車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 一の方向に並んで設けられた複数の光源と、
前記複数の光源の上方に配置されて、前記複数の光源から上方に向けて出射された光を前方に向けて反射するリフレクタと、
前記リフレクタの前方及び上方を覆うように配置されたレンズ体とを備え、
前記リフレクタは、前記複数の光源から出射された光の一部を前方に向けて反射し、前記複数の光源から出射された光の一部を透過する半透過部材からなり、
その前方が開放された状態で、前記複数の光源の上方を覆うように配置されると共に、前記複数の光源から出射された光の一部を前方に向けて反射する反射面と、前記複数の光源から出射された光の一部を上方に向けて通過させる開口部とを有し、
前記レンズ体は、前記リフレクタの前方を覆う前壁部と、前記リフレクタの上方を覆う上壁部と、前記上壁部に入射する光を拡散させる拡散部とを有し、
前記複数の光源から出射された光のうち、前記リフレクタの前記反射面により前方に向けて反射された第1の光が、前記レンズ体の前記前壁部を透過しながら、前方に向けて出射され、
前記リフレクタを透過した第2の光が、前記レンズ体の前記拡散部により拡散されて前記上壁部を透過しながら、上方に向けて出射され、
前記開口部を通過した第3の光が、前記レンズ体の前記拡散部により拡散されて前記上壁部を透過しながら、前記第2の光よりも明るい前記開口部の像として上方に向けて投影されることを特徴とする車両用灯具。
〔2〕 前記複数の光源の一部は、当該車両用灯具の側方に向けて光を出射し、
前記レンズ体は、前記リフレクタの側方を覆う側壁部を有し、
前記リフレクタは、前記側方に向けて光を出射する光源を覆うように配置されると共に、前記側方に向けて出射された光の一部を側方に向けて通過させる開口部を有し、
前記第2の光は、前記上壁部に加えて前記側壁部も透過しながら、側方にも向けて出射され、
前記第3の光は、前記上壁部に加えて前記側壁部も透過しながら、前記第2の光よりも明るい前記開口部の像として側方にも向けて投影されることを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔3〕 前記開口部は、前記複数の光源の各間に対応した位置に設けられていることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の車両用灯具。
〔4〕 前記リフレクタは、白色の半透過部材からなることを特徴とする前記〔1〕~〔3〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔5〕 前記拡散部は、前記レンズ体の外面又は内面に、シボ加工又は粗面加工を施すことにより設けられた構成と、前記レンズ体の内部に拡散材を分散して設けた構成と、前記レンズ体の表面に拡散シートを貼り付けた構成の何れかであることを特徴とする前記〔1〕~〔4〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、前方及び前方とは異なる方向に向けて光を投影することができ、なお且つ、デザイン性に優れた見栄えの良い発光を可能とした車両用灯具を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る車両用灯具の構成を示す正面図である。
【
図2】
図1中に示す線分Z-Zによる車両用灯具の断面図である。
【
図3】
図1に示す車両用灯具の構成を示す分解斜視図ある。
【
図4】
図1に示す車両用灯具が備える複数の光源及びリフレクタを正面側から見た正面図である。
【
図5】
図1に示す車両用灯具のリフレクタで反射された光及びリフレクタを透過した光の光路を示す断面図である。
【
図6】
図1に示す車両用灯具の開口部を通過した光の光路を示す断面図である。
【
図7】
図1に示す車両用灯具による光の光源像を示す写真である。
【
図8】
図1に示す車両用灯具が備えるレンズ体の変形例を示す断面図である。
【
図9】
図1に示す車両用灯具が備えるリフレクタの開口部の変形例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0014】
本発明の一実施形態として、例えば
図1~
図7に示す車両用灯具1について説明する。
なお、
図1は、車両用灯具1の構成を示す正面図である。
図2は、
図1中に示す線分Z-Zによる車両用灯具1の断面図である。
図3は、車両用灯具1の構成を示す分解斜視図ある。
図4は、車両用灯具1が備える複数の光源2及びリフレクタ3を正面側から見た正面図である。
図5は、車両用灯具1のリフレクタ3で反射された光L1及びリフレクタ3を透過した光L2の光路を示す断面図である。
図6は、車両用灯具1の開口部6を通過した光L3の光路を示す断面図である。
図7は、車両用灯具1による光の光源像を示す写真である。
【0015】
また、以下に示す図面では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向を車両用灯具1の前後方向(長さ方向)、Y軸方向を車両用灯具1の左右方向(幅方向)、Z軸方向を車両用灯具1の上下方向(高さ方向)として、それぞれ示すものとする。
【0016】
本実施形態の車両用灯具1は、例えば、車両(図示せず。)の後端側の両コーナー部(本実施形態では右後端側のコーナー部)に搭載されるテールランプに本発明を適用したものである。
【0017】
なお、以下の説明において、「前」「後」「左」「右」「上」「下」との記載は、特に断りのない限り、車両用灯具1を正面(車両後方)から見たときのそれぞれの方向を意味するものとする。したがって、車両を正面(車両前方)から見たときのそれぞれの方向とは、前後左右を逆にした方向となっている。
【0018】
本実施形態の車両用灯具1は、
図1~
図4に示すように、一の方向(本実施形態では幅方向)に並んで設けられた複数の光源2と、複数2の光源の上方に配置されたリフレクタ3と、リフレクタ3の前方、上方及び側方を覆うように配置されたレンズ体4とを備えている。
【0019】
複数の光源2は、例えば赤色光(以下、単に光という。)を発するLEDからなる。また、LEDには、車両照明用の高出力(高輝度)タイプのもの(例えばSMD LEDなど。)を使用している。光源2は、このLEDを駆動する駆動回路が設けられた回路基板5の面上に実装されている。
【0020】
回路基板5は、車両用灯具1の幅方向に延長されると共に、この幅方向の外側(側方)において斜め下方に向かって屈曲して設けられている。複数の光源2は、この回路基板5の面上に一定の間隔で延長方向に並んで設けられている。これにより、複数の光源2は、回路基板5のそれぞれの実装位置から回路基板5の上方に向けて光を放射状に出射する。
【0021】
なお、本実施形態では、上述した回路基板5上に複数のLED(光源2)が実装された構成となっているが、複数のLEDが実装された基板(実装基板)と、駆動回路が設けられた基板(回路基板)とを別々に配置し、これら実装基板と回路基板とをハーネスと呼ばれる配線コードを介して電気的に接続し、複数のLEDが発する熱から駆動回路を保護する構成としてもよい。
【0022】
リフレクタ3は、白色の半透過部材からなる。リフレクタ3は、前方が開放された状態で、回路基板5の面上に実装された複数の光源2の上方を覆うように配置されている。また、リフレクタ3は、回路基板5の面上に実装された複数の光源2の配置に合わせて、車両用灯具1の幅方向に延長されると共に、この幅方向の外側(側方)において斜め下方に向かって屈曲して設けられている。
【0023】
リフレクタ3の複数の光源2と対向する面(内面)が反射面3aとされている。リフレクタ3の反射面3aは、その前後方向(X軸方向)に沿った断面(X軸断面)において、その基端(後端)側から先端(前端)側に向かって、光源2の中心(発光点)を焦点とする放物線を描くように湾曲して形成されている。これにより、リフレクタ3は、各光源第2から出射された光の一部(以下、第1の光という。)を反射面3aにより前方に向けて平行光線となるように反射する。
【0024】
一方、リフレクタ3は、半透過部材からなるため、上述した第1の光を反射面3aとなる半透過部材の表面により前方に向けて反射すると共に、各光源2から出射された光の一部(以下、第2の光という。)を半透過部材により上方に向けて透過させる。
【0025】
なお、リフレクタ3については、上述した白色の半透過部材からなるものに必ずしも限定されるものではなく、例えば、透明部材の反射面3aにアルミ蒸着膜を設けて、ハーフミラーとした構成であってもよい。
【0026】
また、リフレクタ3は、例えばアルミダイキャストなどの反射部材や、反射面3aにアルミ蒸着膜が設けられた樹脂部材、反射面3aに白塗装が施された不透明樹脂部材などからなる構成であってもよい。この場合、リフレクタ3は、第2の光を上方に向けて透過させずに、第1の光を反射面3aにより前方に向けて反射することになる。
【0027】
リフレクタ3は、複数の光源2から出射された光の一部(以下、第3の光という。)を上方に向けて通過させる開口部6を有している。開口部6は、複数の光源2の各間に対応した位置に設けられている。本実施形態では、リフレクタ3の複数の光源2の各間に対応した位置に、その基端(後端)側から先端(前端)側に向かって、ライン状の開口部6が設けられている。
【0028】
レンズ体4は、車両用灯具1のアウターレンズとして、リフレクタ3の前方を覆う前壁部4aと、リフレクタ3の上方を覆う上壁部4bと、リフレクタ3の側方を覆う側壁部4cとを有している。なお、レンズ体4には、例えばポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂やガラスなど、空気よりも屈折率の高い材質のものを用いることができる。
【0029】
レンズ体4の表面には、当該レンズ体4に入射する光を拡散させる拡散部7が設けられている。拡散部7は、レンズ体4の外面又は内面に、例えばシボ(凹凸)加工や粗面(艶消し)加工を施すことにより設けられている。また、拡散部7は、レンズ体4の内部に拡散材を分散して設けたり、レンズ体4の表面に拡散シートを貼り付けたりした構成としてもよい。
【0030】
本実施形態の車両用灯具1は、その正面(前面)、両側面及び底面(下面)側を構成するベーススタンド8と、その上面、背面(後面)側を構成するバックパネル9とを備えている。車両用灯具1は、レンズ体4の前壁部4a、上壁部4b及び側壁部4cを外部に露出した状態で、ベーススタンド8とバックパネル9との内側に、複数の光源2が実装された回路基板5と、リフレクタ3と、レンズ体4とを配置した構成となっている。
【0031】
以上のような構成を有する本実施形態の車両用灯具1では、
図5に示すように、各光源2から出射された光Lのうち、第1の光L1がリフレクタ3の反射面3aにより前方に向けて反射された後、レンズ体4の前壁部4aを透過しながら、前方に向けて出射される。このとき、レンズ体4の前壁部4aに入射した第1の光L1は、このレンズ体4の拡散部7により拡散されながら、前方に向けて投影される。これにより、主配光として、レンズ体4の前壁部4aを略均一に赤色発光させることができる。
【0032】
また、各光源2から出射された光Lのうち、第2の光L2がリフレクタ(半透過部材)3を透過した後、レンズ体4の上壁部4b及び側壁部4cを透過しながら、前方及び側方に向けて出射される。
【0033】
このとき、レンズ体4の上壁部4b及び側壁部4cに入射した第2の光L2は、このレンズ体4の拡散部7により拡散されながら、上方及び側方に向けて投影される。これにより、副配光として、レンズ体4の上壁部4b及び側壁部4cを略均一に赤色発光させることができる。
【0034】
一方、
図6に示すように、各光源2から出射された光Lのうち、第3の光L3がリフレクタ3の開口部6を通過した後、レンズ体4の上壁部4b及び側壁部4cを透過しながら、前方及び側方に向けて出射される。
【0035】
このとき、レンズ体4の上壁部4b及び側壁部4cに入射した第3の光L3は、このレンズ体4の拡散部7により拡散されながら、上方及び側方に向けて投影される。また、第3の光L3は、第2の光L2よりも明るい光のため、レンズ体4の上壁部4b及び側壁部4cには、開口部6を通過した第3の光L3の像が投影されて、ライン状の発光として映し出される。さらに、開口部6は、複数の光源2の各間に対応した位置に設けられているため、この第3の光L3によるライン状の発光をより強調しながら、レンズ体4の上壁部4b及び側壁部4cに映し出すことが可能である。
【0036】
これにより、本実施形態の車両用灯具1では、
図7に示すように、第1の光L1及び第2の光L2によりレンズ体4の前壁部4a、上壁部4b及び側壁部4cを略均一に発光させながら、第3の光L3により幅方向に並ぶ複数の発光ラインを上壁部4b及び側壁部4cに表示することが可能である。
【0037】
以上のようにして、本実施形態の車両用灯具1では、前方及び前方とは異なる方向(本実施形態では上方及び側方)に向けて光を投影することができ、なお且つ、デザイン性に優れた見栄えの良い発光が可能である。
【0038】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記車両用灯具1では、実際の車両のデザイン等に合わせて、レンズ体4やリフレクタ3の開口部6の形状などを適宜変更することが可能である。
【0039】
具体的に、上記車両用灯具1が備えるレンズ体4の変形例については、
図8に示すような構成を例示することができる。なお、
図8は、車両用灯具1が備えるレンズ体4Aの変形例を示す断面図である。
図8示すレンズ体4Aは、前壁部4aから上壁部4bとの間で湾曲した形状(R形状)を有している。
【0040】
また、上記車両用灯具1が備えるリフレクタ3の変形例については、
図9に示すような構成を例示することができる。なお、
図9は、上記車両用灯具1が備えるリフレクタ3の開口部6aの変形例を示す正面図である。
図9に示すリフレクタ3Aは、複数の開口部6aがライン状に並んで設けられた構成を有しいている。なお、各開口部6aの形状については、矩形状に限らず、ドット状などであってもよい。
【0041】
なお、本発明が適用される車両用灯具については、上述したテールランプのようなリア側の車両用灯具に限らず、フロント側の車両用灯具に本発明を適用することも可能である。
【0042】
例えば、上述したテールランプ以外にも、車幅灯(ポジションランプ)、補助前照灯(サブヘッドランプ)、前部(後部)霧灯(フォグランプ)、昼間点灯用ランプ(DRL)、方向指示器(ウィンカーランプ)、ブレーキランプ(ストップランプ)、バックランプなどの車両用灯具に対して、本発明を幅広く適用することが可能である。
【0043】
また、上記光源2については、光を放射状に出射するものであればよく、上述したLED以外にも、例えばレーザーダイオード(LD)などの発光素子を用いることができる。また、光源が発する光の色については、上述した赤色光に限らず、白色光や橙色光など、その車両用灯具の用途に応じて適宜変更することが可能である。
【0044】
また、上記レンズ体4については、上述した前壁部4aと上壁部4bと側壁部4cとが一体に形成された構成となっているが、これらの一部が別体に形成された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1…車両用灯具 2…光源 3,3A…リフレクタ 4,4A…レンズ体 5…回路基板 6,6a…開口部 7…拡散部 8…ベーススタンド 9…バックパネル