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特許7193280照明システム及び照明システムを使用する投影装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】照明システム及び照明システムを使用する投影装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20221213BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20221213BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20221213BHJP
   F21V 7/30 20180101ALI20221213BHJP
   F21V 7/28 20180101ALI20221213BHJP
   F21V 9/38 20180101ALI20221213BHJP
   F21V 9/20 20180101ALI20221213BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
G03B21/14 A
G03B21/00 D
F21S2/00 311
F21V7/30
F21V7/28 240
F21V9/38
F21V9/20
H04N5/74 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018170142
(22)【出願日】2018-09-12
(65)【公開番号】P2019061237
(43)【公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-01-26
(31)【優先権主張番号】201710879277.X
(32)【優先日】2017-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】500093133
【氏名又は名称】中強光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】楊 ▲徳▼生
(72)【発明者】
【氏名】翁 銘▲つん▼
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-138600(JP,A)
【文献】国際公開第2014/109333(WO,A1)
【文献】特開2013-250285(JP,A)
【文献】特開2014-075221(JP,A)
【文献】特開2012-212129(JP,A)
【文献】特開2014-142588(JP,A)
【文献】国際公開第2018/024000(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第105278226(CN,A)
【文献】中国実用新案第206671745(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 21/14
G03B 21/00
F21S 2/00
F21V 7/30
F21V 7/28
F21V 9/38
F21V 9/20
H04N 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光源組、分色素子、第一レンズ組、蛍光体ホイール、少なくとも1つの反射素子、及び集光素子を含む照明システムであって、
前記励起光源組は、励起光源及び第二レンズ組を含み、前記第二レンズ組に面する前記励起光源の表面は、中心軸を有し、前記第二レンズ組は、第一光軸を有し、前記中心軸及び前記第一光軸は、互いに平行であり、前記励起光源は、第一色光束を提供するために用いられ、
前記分色素子は、前記第一色光束の伝播経路に配置され、前記分色素子は、前記第一色光束を通過させ、
前記第一レンズ組は、前記励起光源組を離れる前記分色素子の一方側に配置され、また、前記分色素子を通過した前記第一色光束を通過させ、前記第一レンズ組は、第二光軸を有し、前記第二光軸及び前記第一光軸は、互に共軸でなく、前記中心軸、前記第一光軸、及び前記第二光軸は、互いに平行であり、
前記蛍光体ホイールは、前記分色素子を離れる前記第一レンズ組の一方側に配置され、前記蛍光体ホイールは、光波長変換部及び反射部を有し、前記光波長変換部は、前記第一レンズ組を通過した前記第一色光束の第一部分を第二色光束に変換し、また、前記第二色光束を前記分色素子へ反射し、前記反射部は、前記第一レンズ組を通過した前記第一色光束の第二部分を前記分色素子へ反射し、前記分色素子は、前記第二色光束を反射し、また、前記第一色光束の前記第二部分を通過させ、
前記少なくとも1つの反射素子は、前記励起光源組に近い前記分色素子の一方側に配置され、また、前記分色素子と距離を隔て、前記少なくとも1つの反射素子は、前記分色素子を通過した前記第一色光束の前記第二部分を反射し、前記第一色光束の前記第二部分を再び前記分色素子を通過させ、
前記集光素子は、前記第一レンズ組に近い前記分色素子の一方側に配置され、前記集光素子は、前記少なくとも1つの反射素子により反射された前記第一色光束の前記第二部分及び前記分色素子により反射された前記第二色光束を通過させ、
前記分色素子は、分色部及び分光部を有し、前記分色部は、前記励起光源組からの前記第一色光束の伝播経路に位置し、前記分光部は、前記蛍光体ホイールにより反射された前記第一色光束の前記第二部分の伝播経路に位置する、照明システム。
【請求項2】
請求項1に記載の照明システムであって、
前記分色素子は、分色鏡であり、前記励起光源組からの前記第一色光束、及び前記蛍光体ホイールにより反射された前記第二色光束、前記第一色光束の前記第二部分は、すべて、前記分色素子に伝播し、前記分色素子は、前記第一色光束を通過させ、また、前記第二色光束を反射する、照明システム。
【請求項3】
請求項2に記載の照明システムであって、
前記照明システムは、さらに第三色光源を含み、前記第三色光源及び前記少なくとも1つの反射素子は、前記分色素子の同じ側に配置され、前記第三色光源は、第三色光束を提供し、前記第三色光束は、前記分色素子を通過して前記集光素子に伝播する、照明システム。
【請求項4】
請求項1に記載の照明システムであって、
前記分色部及び前記分光部は、互に隣接し前記第二色光束は、前記蛍光体ホイールにより前記分色部及び前記分光部へ反射され、前記分色部は、前記第一色光束を通過させ、また、前記第二色光束を反射し、前記分光部は、前記第一色光束の前記第二部分を通過させ、且つ前記少なくとも1つの反射素子に伝播させ、前記分光部は、前記第二色光束を反射して前記集光素子に伝播させる、照明システム。
【請求項5】
請求項1に記載の照明システムであって、
前記照明システムは、さらに第三色光源を含み前記分色部及び前記分光部は、互に隣接し前記第三色光源及び前記少なくとも1つの反射素子は、前記分色素子の同じ側に配置され、前記第三色光源は、前記分光部への第三色光束を提供し、一部の前記第三色光束は、前記分光部を通過して前記集光素子に伝播する、照明システム。
【請求項6】
励起光源組、分色素子、第一レンズ組、蛍光体ホイール、少なくとも1つの反射素子、及び集光素子を含む照明システムであって、
前記励起光源組は、励起光源及び第二レンズ組を含み、前記第二レンズ組に面する前記励起光源の表面は、中心軸を有し、前記第二レンズ組は、第一光軸を有し、前記中心軸及び前記第一光軸は、互いに平行であり、前記励起光源は、第一色光束を提供するために用いられ、
前記分色素子は、前記第一色光束の伝播経路に配置され、前記分色素子は、前記第一色光束を通過させ、
前記第一レンズ組は、前記励起光源組を離れる前記分色素子の一方側に配置され、また、前記分色素子を通過した前記第一色光束を通過させ、前記第一レンズ組は、第二光軸を有し、前記第二光軸及び前記第一光軸は、互に共軸でなく、前記中心軸、前記第一光軸、及び前記第二光軸は、互いに平行であり、
前記蛍光体ホイールは、前記分色素子を離れる前記第一レンズ組の一方側に配置され、前記蛍光体ホイールは、光波長変換部及び反射部を有し、前記光波長変換部は、前記第一レンズ組を通過した前記第一色光束の第一部分を第二色光束に変換し、また、前記第二色光束を前記分色素子へ反射し、前記反射部は、前記第一レンズ組を通過した前記第一色光束の第二部分を前記分色素子へ反射し、前記分色素子は、前記第二色光束を反射し、また、前記第一色光束の前記第二部分を通過させ、
前記少なくとも1つの反射素子は、前記励起光源組に近い前記分色素子の一方側に配置され、また、前記分色素子と距離を隔て、前記少なくとも1つの反射素子は、前記分色素子を通過した前記第一色光束の前記第二部分を反射し、前記第一色光束の前記第二部分を再び前記分色素子を通過させ、
前記集光素子は、前記第一レンズ組に近い前記分色素子の一方側に配置され、前記集光素子は、前記少なくとも1つの反射素子により反射された前記第一色光束の前記第二部分及び前記分色素子により反射された前記第二色光束を通過させ、
前記少なくとも1つの反射素子は、2つの反射鏡を有し、これらの反射鏡は、順に、前記分色素子を通過した前記第一色光束の前記第二部分を反射する、照明システム。
【請求項7】
請求項1に記載の照明システムであって、
前記蛍光体ホイールは、さらに光波長変換層を有し、前記光波長変換層は、前記反射部に配置され、且つ一部の前記反射部を覆い、前記光波長変換層は、前記第一色光束の前記第二部分の一部を第四色光束に変換し、前記第四色光束は、前記蛍光体ホイールにより前記分色素子へ反射され、また、前記分色素子により前記集光素子へ反射される、照明システム。
【請求項8】
請求項1に記載の照明システムであって、
前記照明システムは、さらに光積分ロッド及びフィルターホイールを含み、前記フィルターホイールは、前記光積分ロッドと前記集光素子との間に配置される、照明システム。
【請求項9】
請求項8に記載の照明システムであって、
前記光積分ロッドの中心軸及び前記集光素子の光軸は、互に共軸であり、前記少なくとも1つの反射素子の幾何学中心は、前記光積分ロッドの前記中心軸の延長線に位置する、照明システム。
【請求項10】
請求項9に記載の照明システムであって、
前記フィルターホイールは、少なくとも1つの光フィルタリング部、及び透光部を有し、前記少なくとも1つの光フィルタリング部は、前記第二色光束を通過させ、前記透光部は、前記第一色光束の前記第二部分を通過させ、且つ前記透光部には、マイクロプリズム構造が設けられ、前記マイクロプリズム構造は、前記第一色光束の前記第二部分を屈折する、照明システム。
【請求項11】
請求項1~10の任意の1項に記載の照明システム、ライトバルブ及び投影レンズを含む影装置であって、
前記照明システムは、照明光束を提供し、
前記ライトバルブは、前記照明システムが提供する前記照明光束の伝播経路に位置し、前記照明光束を映像光束に変換するために用いられ、
前記投影レンズは、前記映像光束の伝播経路に配置される、投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源モジュールに関し、特に、照明システム及び照明システムを使用する投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル光源処理(digital light processing、DLP)投影装置が、照明システム、デジタルマイクロミラー素子(digital micro-mirror device、DMD)及び投影レンズを含み、そのうち、照明システムは、照明光束を提供し、デジタルマイクロミラー素子は、照明光束を映像光束に変換し、投影レンズは、映像光束をスクリーンに投影してスクリーン上で映像画面を形成させる。超高圧水銀ランプが、初期の照明システムに良く用いられていた光源であり、それは、白色光を照明光束として提供することができる。照明技術の発展に伴い、発光ダイオード光源やレーザー光源(レーザーダイオード)などの省エネの利点を有する光源も次第に採用されている。
【0003】
図1は、従来のレーザー光源を使用する照明システムを示す図である。図1に示すように、従来の照明システム100では、レーザー光源モジュール110が提供した青色光束112は、コリメート素子122を通過して分色(色分解)片(ダイクロイックミラー(dichroic mirror))130を通過し、そして、レンズ123、124を通過して回転可能な蛍光体(例えば、蛍光粉)ホイール(phosphor wheel)140を照らす(照射する)。この蛍光体ホイール140は、緑色蛍光体領域、黄色蛍光体領域及び光透過領域(transparent zone)などに分けることができ、そのうち、蛍光体ホイール140の緑色蛍光体領域及び黄色蛍光体領域の背面141には、対応して反射素子(図示せず)が設けられる。青色光束112は、順に、緑色蛍光体領域、黄色蛍光体領域及び光透過領域を照射することができ、青色光束112が緑色蛍光体領域及び黄色蛍光体領域を照射する時に、励起により緑色光束113及び黄色光束114を生成させることができ、反射素子は、緑色光束113及び黄色光束114をダイクロイックミラー130へ反射することができ、それから、緑色光束113及び黄色光束114は、ダイクロイックミラー130により反射された後にレンズ125を通過して回転可能なフィルターホイール(filter wheel)150に到着することができる。また、一部の青色光束112は、光透過領域を通過し、そして、順にレンズ126、127、反射素子161、162、レンズ128、反射素子163、レンズ129、ダイクロイックミラー130及びレンズ125を経由してフィルターホイール150に伝播することができる。
【0004】
また、フィルターホイール150は、上述の黄色蛍光体領域の一部に対応する赤色光フィルタリング領域と透明領域、上述の緑色蛍光体領域に対応する緑色光フィルタリング領域、及び上述の光透過領域に対応する拡散領域を有する。フィルターホイール150及び蛍光体ホイール140が互いに合わせて回転するように制御することにより、緑色光束113は、緑色光フィルタリング領域を照射し、黄色光束114は、赤色光フィルタリング領域及び透明領域を照射し、青色光束112は、拡散領域を照射することができる。このように、フィルターホイール150を通過した後に光積分ロッド170(rod)に進入した光束は、カラー映像を形成するための青色光束、緑色光束、及び赤色光束、並びに輝度を向上させるための黄色光束を含むようになる。
【0005】
従来の照明システム100は、構造が複雑であり、多くの光学素子を要するので、コストが比較的高く、体積が大きく、及び発光効率が比較的低いという欠点を有する。
【0006】
なお、この“背景技術”の部分が、本発明の内容への理解を助けるためだけのものであるため、この“背景技術”の部分に開示されている内容は、当業者に知られていない技術を含む可能性がある。よって、この“背景技術”の部分に開示されている内容は、該内容、又は、本発明の1つ又は複数の実施例が解決しようとする課題が本発明出願前に既に当業者に周知されていることを意味しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、複雑な光路を簡略化し、体積を小さくすることができる照明システムを提供することにある。
【0008】
本発明のもう1つの目的は、体積が比較的小さい利点を有する投影装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的及び利点は、本発明に開示されている技術的特徴からさらに理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の1つ又は一部又は全部の目的或いは他の目的を達成するために、本発明の一実施例は、照明システムを提供し、それは、励起光源組、第一レンズ組、蛍光体ホイール、少なくとも1つの反射素子、及び集光素子を含む。励起光源組は、第一光軸を有し、励起光源組は、第一色光束を提供する。分色素子が、第一色光束の伝播経路に配置され、分色素子は、第一色光束を通過させる。第一レンズ組は、励起光源組を離れる分色素子の一方側に配置され、また、分色素子を通過した第一色光束を通過させ、第一レンズ組は、第二光軸を有し、そのうち、第二光軸及び第一光軸は、互いに共軸でない。蛍光体ホイールは、分色素子を離れる第一レンズ組の一方側に配置され、蛍光体ホイールは、光波長変換部及び反射部を有し、光波長変換部は、第一レンズ組を通過した第一色光束の第一部分を第二色光束に変換し、また、第二色光束を分色素子へ反射し、反射部は、第一レンズ組を通過した第一色光束の第二部分を分色素子へ反射し、分色素子は、第二色光束を反射し、また、第一色光束の第二部分を通過させる。少なくとも1つの反射素子は、励起光源組に近い分色素子の一方側に配置され、また、分色素子と距離を隔て、少なくとも1つの反射素子は、分色素子を通過した第一色光束の第二部分を反射して、第一色光束の第二部分を再び分色素子を通過させる。集光素子は、第一レンズ組に近い分色素子の一方側に配置され、集光素子は、少なくとも1つの反射素子により反射された第一色光束の第二部分、及び分色素子により反射された第二色光束を通過させる。
【0011】
上述の1つ又は一部又は全部の目的或いは他の目的を達成するために、本発明の一実施例は、投影装置を提供し、それは、上述の照明システム、ライトバルブ及び投影レンズを含む。照明システムは、照明光束を提供する。ライトバルブは、照明システムが提供する照明光束の伝播経路に配置され、照明光束を映像光束に変換する。投影レンズは、映像光束の伝播経路に配置される。
【0012】
本発明の実施例による照明システムは、第一色光束の伝播経路に分色素子、第一レンズ組及び少なくとも1つの反射素子を設置し、第一レンズ組により、励起光源組が提供した第一色光束を蛍光体ホイールの光波長変換部及び反射部に伝播させるので、光波長変換部により反射された第二色光束及び反射部により反射された第一色光束の第二部分が反射により分色素子に到着した後に、分色素子により、第二色光束を反射し、また、少なくとも1つの反射素子により、分色素子を通過した第一色光束の第二部分を再び分色素子へ反射し、これにより、第一色光束の第二部分及び第二色光束は、同じ経路に沿って集光素子に伝播し、照明光束を形成することができる。従来の技術に比べて言えば、本発明の実施例による照明システムは、使用される光学素子が比較的少ないので、複雑な光路を簡略化し、照明システム及びこの照明システムを使用する投影装置の体積を小さくすることができ。
【0013】
本発明の上述の特徴及び利点をより明らかにするために、以下、実施例を挙げて、添付した図面を参照することにより、詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】従来のレーザー光源を使用する照明システムを示す図である。
図2】本発明の一実施例における照明システムを示す図である。
図3図2の蛍光体ホイールの正面図である。
図4】本発明の他の実施例における照明システムの蛍光体ホイールの側面図である。
図5】本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。
図6】本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。
図7】本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。
図8】本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。
図9】本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。
図10】本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。
図11】本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。
図12】本発明の一実施例における投影装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の上述した及び他の技術的内容、特徴、機能及び効果は、添付した図面に基づく次のような好ましい実施例における詳細な説明により明確になる。なお、次の実施例に言及されている方向についての用語、例えば、上、下、左、右、前又は後などは、添付した図面の方向に過ぎない。よって、使用されている方向の用語は、本発明を説明するためだけのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0016】
図2は、本発明の一実施例における照明システムを示す図である。図3は、図2の蛍光体ホイールの正面図である。図2及び図3に示すように、本実施例における照明システム200は、励起光源組210、分色素子220、第一レンズ組230、蛍光体ホイール240、少なくとも1つの反射素子250(図2では、1つの反射鏡を例とする)、及び集光素子260を含む。励起光源組210は、第一光軸A1を有し、励起光源組210は、第一色光束B1を提供する。分色素子220は、第一色光束B1の伝播経路に配置され、分色素子220は、第一色光束B1を通過させる。第一レンズ組230は、励起光源組210を離れる分色素子220の一方側に配置され、言い換えると、第一レンズ組230及び励起光源組210は、それぞれ、分色素子220の対向する両側に配置され、分色素子220を通過した第一色光束B1を通過させ、第一レンズ組230は、第二光軸A2を有し、そのうち、第二光軸A2及び第一光軸A1は、互いに共軸でなく、ここで、いわゆる光軸は、光学素子の主光線の方向と定義される。蛍光体ホイール240は、分色素子220を離れる第一レンズ組230の一方側に配置され、言い換えると、蛍光体ホイール240及び分色素子220は、それぞれ、第一レンズ組230の対向する両側に配置され、蛍光体ホイール240は、光波長変換部241及び反射部242を有し、光波長変換部241は、第一レンズ組230を通過した第一色光束B1の第一部分B11を第二色光束B2に変換し、また、第二色光束B2を分色素子220へ反射し、反射部242は、第一レンズ組230を通過した第一色光束B1の第二部分B12を分色素子220へ反射し、分色素子220は、さらに、第二色光束B2を反射し、また、第一色光束B1の第二部分B12を通過させる。反射素子250は、励起光源組210に近い分色素子220の一方側に配置され、また、分色素子220と距離D1を隔て、反射素子250は、分色素子220を通過した第一色光束の第二部分B12を反射し、第一色光束の第二部分B12を再び分色素子220を通過させる。集光素子260は、第一レンズ組230に近い分色素子220の一方側に配置され、集光素子260は、反射素子250により反射された第一色光束B1の第二部分B12、及び分色素子220により反射された第二色光束B2を通過させる。
【0017】
本実施例における励起光源組210は、1つの励起光源211及び第二レンズ組212を含むものを例とし、励起光源211は、例えば、複数のレーザー素子(図示せず)を含み、これらのレーザー素子は、例えば、アレー状に配列され、レーザー素子は、例えば、レーザーダイオード(laser diode、LD)である。また、他の実施例では、励起光源211のレーザー素子は、1つであっても良い。また、本発明の励起光源211は、レーザー素子に限定されず、設計のニーズに応じて適切な光源、例えば、発光ダイオード(Light-emitting diode、LED)を選択しても良い。
【0018】
さらに言えば、第二レンズ組212に面する励起光源211の表面2111は、中心軸N1を有し、第二レンズ組212は、第一光軸A1を有し、中心軸N1及び第一光軸A1は、互いに共軸である。第二レンズ組212は、例えば、2つのレンズ2121、2122を含み、レンズ2121は、励起光源211とレンズ2122との間に配置され、且つ励起光源211の中心軸N1及び第一光軸A1は、互に共軸である。なお、本発明は、これに限定されず、励起光源211の中心軸N1及び第一光軸A1は、互に共軸でなくても良く、また、設計のニーズに応じて励起光源211の位置を調整しても良い。一実施例では、励起光源211の中心軸N1は、例えば、第一光軸A1と互いに平行であり、中心軸N1は、例えば、第一光軸A1と距離(図示せず)を有しても(隔ても)良く、この距離は、0.2mmであっても良いが、本発明は、これに限定されない。
【0019】
本実施例における分色素子220は、例えば、分色鏡(Dichroic mirror)であっても良く、少なくとも2種類の異なる波長範囲の光束を分離するために用いられるが、これに限定されず、これにより、各光束は、異なる経路に沿って伝播することができる。具体的に言えば、分色素子220は、励起光源組210からの第一色光束B1を通過させ、また、蛍光体ホイール240からの第二色光束B2を反射する。
【0020】
本実施例における第一レンズ組230は、例えば、2つのレンズ231、232を含み、レンズ231は、分色素子220とレンズ232との間に配置され、そのうち、レンズ231、232は、中心軸を有し、第二光軸A2は、この中心軸である。図2に示すように、第二光軸A2は、例えば、励起光源組210の第一光軸A1と互いに平行であり、そのうち、第二光軸A2は、例えば、第一光軸A1と距離D2を有する(隔てる)。一実施例では、この距離D2は、5.5mmであっても良いが、本発明は、これに限定されない。
【0021】
本実施例における蛍光体ホイール240は、例えば、回転盤243、及び回転盤243が回転するように駆動するモーター(図示せず)を含み、光波長変換部241及び反射部242は、例えば、回転盤243に配置される。回転盤243は、例えば、反射型金属基板又は反射鏡であり、光波長変換部241は、例えば、回転盤243に配置される蛍光体層である。蛍光体(蛍光粉)は、例えば、黄色蛍光体であっても良いが、これに限定されず、他の実施例では、蛍光体層は、励起によって2種類の色を生成させる蛍光体層を含んでも良く、例えば、励起によって黄色光束を生成させる蛍光体及び励起によって緑色光束を生成させる蛍光体を含んでも良い。上述の第一光束B1の第一部分B11とは、光波長変換部241を照射する第一光束B1を指し、第一光束B1の第二部分B12とは、反射部242を照射する第一光束B1を指す。モーターにより、回転盤243が回転するように駆動する時に、励起光源組210が提供した第一色光束B1は、順番に光波長変換部241及び反射部242を照射し、これにより、第一色光束B1の第一部分B11は、蛍光体を励起して第二色光束B2を生成させる。また、第一色光束B1の第二部分B12は、反射部242に到着して分色素子220へ反射される。本実施例では、第一色光束B1は、例えば、青色光束であり、第二色光束B2は、例えば、黄色光束又は緑色光束であるが、これに限定されない。
【0022】
本実施例における反射素子250は、反射鏡を例とし、この反射鏡は、分色素子220を通過した第一色光束B1の第二部分B12を反射する。なお、本発明は、これに限定されず、反射素子250の数量は、複数であっても良い。
【0023】
上述の照明システム200の光路設計構造により、励起光源組210が提供する第一色光束B1は、分色素子220及び第一レンズ組230を通過して蛍光体ホイール240を照らすことができる。第一光軸A1及び第二光軸A2が互に共軸でないので、第一色光束B1は、第一レンズ組230に屈折され、これにより、第一色光束B1は、蛍光体ホイール240に傾斜して入射することができ、そのため、蛍光体ホイール240により反射された後に、入射時と異なる経路に沿って伝播することができる。具体的に言えば、第一色光束B1の第一部分B11は、蛍光体ホイール240の光波長変換部241を照らして励起により第二色光束B2を生成させ、且つ第二色光束B2は、回転盤243により反射され、第二色光束B2は、第一レンズ組230を通過して分色素子220に伝播することができる。第二色光束B2は、分色素子220により反射されて集光素子260に伝播することができる。他方では、第一色光束B1の第二部分B12は、蛍光体ホイール240の反射部242を照らし、また、反射部242により反射されて第一レンズ組230及び分色素子220を通過し、そして、反射素子250に伝播し、これにより、反射素子250により反射されて再び分色素子220を通過して集光素子260に伝播することができる。よって、第一色光束B1の第二部分B12及び第二色光束B2を同じ経路に沿って集光素子260に伝播させることができる。
【0024】
このように、本発明の実施例における照明システム200では、第一色光束B1の伝播経路に分色素子220、第一レンズ組230及び少なくとも1つの反射素子250を設け、第一レンズ組230により、励起光源組210が提供した第一色光束B1を蛍光体ホイール240の光波長変換部241及び反射部242に伝播させるため、光波長変換部241により反射された第二色光束B2及び反射部242により反射された第一色光束B1の第二部分B12が反射により分色素子220に伝播した後に、分色素子220により、第二色光束B2を反射し、また、反射素子250により、分色素子220を通過した第一色光束B1の第二部分B12を再び分色素子220に反射することで、第一色光束B1の第二部分B12及び第二色光束B2は、同じ経路に沿って集光素子260に伝播して照明光束B51を形成することができる。よって、本発明の実施例における照明システム200は、複雑な光路を簡略化し、照明システム全体の体積を小さくすることができる。
【0025】
また、本実施例における照明システム200は、さらに、光積分ロッド270及びフィルターホイール280を含んでも良く、フィルターホイール280は、光積分ロッド270と集光素子260との間に配置される。フィルターホイール280の回転に伴い、第一色光束B1の第二部分B12及び第二色光束B2を複数種類の異なる色のサブ光束、例えば、赤色サブ光束、緑色サブ光束、及び青色サブ光束に分割することができる。
【0026】
上述の照明システム200が投影装置に応用される時に、結像時に第一色光(例えば、青色光)のカラーポイント(point of color)が著しい問題があれば、照明システム200における蛍光体カラーホイール240の設計を変更することにより改善することができる。例えば、図4に示すように、蛍光体ホイール240aは、さらに光波長変換層244を有し、それは、反射部242に配置され、且つ一部の反射部242を覆い、光波長変換層244は、第一色光束B1の第二部分B12を第三色光束に変換し、第三色光束は、蛍光体ホイール240aにより分色素子へ反射され、そして、分色素子により集光素子へ反射される。具体的に言えば、光波長変換層244は、蛍光体(蛍光粉)を有し、蛍光体は、緑色蛍光体であるが、これに限定されない。光波長変換層244は、第一レンズ組を通過した第一色光束の第二部分の一部を第三色光束に変換することができ、且つ第一色光束の波長範囲は、第三色光束の波長範囲を含む。これにより、第一色光(例えば、青色光)のカラーポイントが著しい問題の改善を助けることができる。また、光波長変換層244は、例えば、薄膜であり、蛍光体は、光波長変換層244の中に散布しており、これにより、第一色光束の第二部分の一部の光束は、依然として、分色素子へ反射することができ、他の一部の光束は、第三色光束に変換することができる。
【0027】
また、本発明は、照明システムの光路設計構造を調整することで、第一色光束B1の第二部分B12が光積分ロッド270に伝播した時に、反射素子250により、第一色光束B1の第二部分B12の主光線の方向と光積分ロッド270の中心軸N2との間の夾角が小さくなるようにさせ、これにより、後続の結像時の色彩均一度を向上させることができる。詳細については、後述する。
【0028】
図5は、本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。図5に示すように、本発明の他の実施例における照明システム200aは、前述の実施例における照明システム200に類似したが、主な相違点は、本実施例における照明システム200aの反射素子の数量が2つであり、即ち、反射素子251、252があることにある。反射素子251、252は、例えば、反射鏡であり、順に分色素子220を通過した第一色光束B1の第二部分B12を反射するために用いられ、これにより、第一色光束B1の第二部分B12は、再び分色素子220に到着し、第二色光束B2及び第一色光束B1の第二部分B12は、集光素子260に伝播し、照明光束B52を形成することができる。よって、反射素子251、252は、第一色光束B1の第二部分B12の主光束の方向と光積分ロッド270の中心軸N2との間の夾角が小さくなるように助け、これにより、後続の結像時の色彩均一度を向上させることができる。また、図5における反射素子251、252は、球面の反射面を有するものを例とするが、本発明では、これらの反射素子の数量及びその反射面の形状は、設計のニーズに応じて選択されても良く、例えば、球面の反射面を有する反射素子及び平面の反射面を有する反射素子の任意の数量の組み合わせを選択しても良く、又は、すべて平面の反射面を有する反射素子を選択しても良いが、これに限定されない。
【0029】
図6は、本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。図6に示すように、本実施例における照明システム200bは、前述の実施例における照明システム200に類似したが、主な相違点は、図2に比べ、本実施例における反射素子250の位置が、例えば、右側へ平行移動して分色素子220により近いことにある。光積分ロッド270の中心軸N2は、例えば、集光素子260の光軸A3と互に共軸であり、反射素子250の幾何学中心位置Oは、例えば、中心軸N2の延長線に位置し、これにより、反射素子250により反射された第一色光束B1の第二部分B12は、集光素子260の光軸A3を均一に取り囲むことができる。
【0030】
図7は、本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。図7に示すように、本発明の他の実施例における照明システム200cは、前述の実施例における照明システム200に類似したが、主な相違点は、フィルターホイール280aの構造設計が異なることにある。具体的に言えば、フィルターホイール280aは、少なくとも1つの光フィルタリング部281及び透光部282を有し、少なくとも1つの光フィルタリング部281は、第二色光束B2を通過させ、透光部282は、第一色光束B1の第二部分B12を通過させ、且つ透光部282には、マイクロプリズム構造283が設けられ、それは、第一色光束B1の第二部分B12を屈折するために用いられる。マイクロプリズム構造283は、例えば、平行に配列される複数の傾斜面を有し、各傾斜面を通過した第一色光束B1の第二部分B12の出光経路を変えることで、第二色光束B2と一緒に照明光束B54を形成することができる。よって、第一色光束B1の第二部分B12の光軸と光積分ロッド270の中心軸N2との間の夾角が小さくなるように助け、これにより、後続の結像時の色彩均一度を向上させることができる。なお、本発明は、図7におけるマイクロプリズム構造283の形状に限定されず、設計のニーズに応じて調整されても良い。
【0031】
図8は、本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。図8に示すように、本発明の他の実施例における照明システム200dは、前述の実施例における照明システム200に類似したが、主な相違点は、分色素子220aの構造が異なることにある。具体的に言えば、分色素子220aは、例えば、分色部221a及び分光(光分割)部222aを有し、分色部221a及び分光部222aは、互に隣接し、例えば、貼り合わせの方式で分色部221aと分光部222aを結合することができるが、これに限定されない。分色部221aは、励起光源組210からの第一色光束B1の伝播経路に位置し、分光部222aは、蛍光体ホイール240により反射された第一色光束の第二部分B12の伝播経路に位置し、第二色光束B2は、蛍光体ホイール240により分色部221a及び分光部222aへ反射される。分色部221aは、第一色光束B1を通過させ、また、第二色光束B2を反射する。分光部222aは、一部の第一色光束の第二部分B12を通過させて、少なくとも1つの反射素子250に伝播させ、分光部222aは、他の一部の第一色光束B1の第二部分B12及び第二色光束B2を反射して、集光素子260に伝播させる。少なくとも1つの反射素子250により反射された一部の第一色光束の第二部分B12は、分色部221aを通過して集光素子260に伝播し、分色部221aにより反射された他の一部の第一色光束の第二部分B12及び第二色光束B2と一緒に集光素子260に伝播し、照明光束B55を形成することができる。
【0032】
また、図8では、分色素子220aの分色部221a及び分光部222aは、各側面に対して接続されるものを例とするが、他の実施例では、分光部は、分色部に配置されても良く、これにより、後続の結像時の色彩均一度を向上させることもできる。例えば、図9に示すように、分色素子220bの分光部222bは、分色部221bに配置され、分光部222bは、少なくとも1つの反射素子250と分色部221bとの間に位置する。第一色光束の第二部分B12は、図8における第一色光束の第二部分B12と類似した伝播経路を有するため、ここでは、その詳しい説明を省略する。なお、分光部222bが分色部221bに配置されても良いので、分色部221bは、第二色光束B2をすべて集光素子260へ反射し、第一色光束の第二部分B12と一緒に照明光束B56を形成させても良い。
【0033】
また、本発明の照明システムは、第三色光源を、第三色光束を提供するために増設しても良く、それは、照明システムの第二色光束の一部の波長範囲の光強度を補充し、これにより、照明システムの後続の結像時の色彩均一度の調整を助けることができる。詳細については、後述する。
【0034】
図10は、本発明の他の実施例における照明システムを示す図である。図10に示すように、本発明の他の実施例における照明システム200fは、前述の実施例における照明システム200と類似したが、主な相違点は、照明システム200fがさらに第三色光源290を含むことにある。具体的に言えば、第三色光源290及び少なくとも1つの反射素子250は、分色素子220bの同じ側に配置され、第三色光源290は、第三色光束B3を提供し、それは、分色素子220bを通過して集光素子260に伝播し、そのうち、分色素子220bは、第一色光束B1及び第三色光束B3を通過させ、第二色光束B2を反射することができる。他の実施例では、第二色光束B2は、第一波長範囲及び第二波長範囲を有し、第一波長範囲及び第三色光束B3の波長範囲は、重なり合い、分色素子220bは、第二色光束の第二波長範囲の光束B22を反射し、第二色光束の第一波長範囲の光束B21を通過させて少なくとも1つの反射素子250に伝播させ、第二色光束の第一波長範囲の光束B21は、少なくとも1つの反射素子250により分色素子220bへ反射され、そして、分色素子220bを通過して集光素子260に伝播する。第一色光束の第二部分B12の伝播経路は、図1と類似したので、ここでは、その詳しい説明を省略する。これにより、第一色光束の第二部分B12、第二色光束B2及び第三色光束B3が照明光束B57を形成するようにさせることができる。このように、第三光源290が提供した第三色光束B3により、第二色光束の一部の波長範囲の光強度を補充することで、照明システムの後続の結像時の色彩均一度の調整を助けることができる。また、本実施例における第三色光束B3及び第一波長範囲の光束B21は、赤色光束であり、第二色光束B2は、黄色光束であり、第二波長範囲の光束B22は、緑色光束であり、第一色光束B1は、青色光束であるが、これに限定されない。
【0035】
また、図10の照明システム200fでは、第三色光源290及び分色素子220bの光学設計構造を例とするが、他の実施例では、第三色光源は、図8の照明システムの光学設計構造と組み合わせても良く、即ち、分色素子は、分色部及び分光部を有し、これにより、照明システムの後続の結像時の色彩均一度の調整を助けることができる。
【0036】
例えば、図11に示すように、一実施例では、第三色光源290及び少なくとも1つの反射素子250は、分色素子220cの同じ側に配置され、第三色光源290は、分光部222cへの第三色光束B3を提供し、一部の第三色光束B31は、分光部222cを通過して集光素子260に伝播する。他の一部の第三色光束B32は、分光部222cにより反射されて少なくとも1つの反射素子250に伝播し、また、少なくとも1つの反射素子250の反射により、他の一部の第三色光束B32を分色部221cを通過させ、集光素子260に伝播させる。また、第一色光束の第二部分B12は、図8の伝播経路に類似したので、ここでは、その詳しい説明を省略する。このように、第一色光束の第二部分B12、第二色光束B2及び第三色光束B3が照明光束B58を形成するようにさせることができる。一実施例では、分色素子220cの配置は、図9に類似した設計を採用しても良く、これにより、類似した光補充効果を有する。
【0037】
また、再び図2及び図4を参照する。上述の照明システム200が投影装置に応用される時に、結像時に第一色光(例えば、青色光)のカラーポイントが著しい問題があれば、照明システム200における蛍光体カラーホイール240の設計を変えることで、改善させることができる。例えば、蛍光体ホイール240aは、さらに、光波長変換層244を有し、それは、反射部242に配置され、且つ一部の反射部242を覆い、光波長変換層244は、第一色光束B1の第二部分B12を第四色光束に変換し、第四色光束は、蛍光体ホイール240aにより分色素子へ反射され、また、分色素子により集光素子へ反射される。具体的に言えば、光波長変換層244は、蛍光体(蛍光粉)を有し、蛍光体は、緑色蛍光体であるが、これに限定されない。光波長変換層244は、第一レンズ組を通過した第一色光束の第二部分の一部を第四色光束に変換することができ、且つ第一色光束の波長範囲は、第四色光束の波長範囲を含む。これにより、第一色光(例えば、青色光)のカラーポイントが著しい問題の改善を助けることができる。また、光波長変換層244は、例えば、薄膜であり、蛍光体は、光波長変換層244の中に散布しており、これにより、第一色光束の第二部分の一部の光束は、依然として、分色素子へ反射することができ、他の一部の光束は、第四色光束に変換することができる。
【0038】
図12は、本発明の一実施例における投影装置を示す図である。図11に示すように、本実施例における投影装置300は、ライトバルブ320、投影レンズ330及び照明システム310を含む。ライトバルブ320は、照明システム310が提供する照明光束Biの伝播経路に位置し、これにより、照明光束Biを映像光束Bmに変換することができ、投影レンズ330は、映像光束Bmの伝播経路に配置され、これにより、映像光束Bmをスクリーン(図示せず)に投影して屏幕上で映像画面を形成させることができる。照明システム310は、上述の任意の1つの実施例における照明システム、例えば、照明システム200、200a、200b、200c、200d、200e、200f又は200gであっても良い。また、図12では、1つのライトバルブ320を例とするが、他の実施例では、ライトバルブ320の数量は、複数であっても良い。また、本実施例におけるライトバルブ320は、例えば、反射型ライトバルブ、例えば、DMD、又は、LCoSパネル(Liquid Crystal on Silicon Panel、LCoS Panel)である。照明光束Biの伝播経路には、反射素子311を設置しても良く、これにより、照明光束Biをライトバルブ320に反射することができるが、他の光学素子により、照明光束Biをライトバルブ320に照射することができる。また、他の実施例では、ライトバルブ320は、透過型ライトバルブ(例えば、透過型液晶パネル)を採用しても良いが、この場合、一緒に用いられる光学素子の種類及び設置位置は、適切に調整する必要がある。
【0039】
以上を纏めると、本発明の実施例における照明システムは、第一色光束の伝播経路に分色素子、第一レンズ組及び少なくとも1つの反射素子を設置し、第一レンズ組により、励起光源組が提供した第一色光束を蛍光体ホイールの光波長変換部及び反射部に伝播させるので、光波長変換部により反射された第二色光束は、分色素子により、集光素子へ反射され、反射部により反射された第一色光束の第二部分は、分色素子に反射された後に、分色素子により、少なくとも1つの反射素子に伝播し、少なくとも1つの反射素子により、第一色光束の第二部分を再び分色素子を反射して集光素子に伝播させて照明光束とすることができる。従来技術に比べ、本発明の実施例における照明システムは、用いられる光学素子が比較的少ないため、複雑な光路を簡略化し、照明システム及び該照明システムを使用する投影装置の体積を小さくすることができる。
【0040】
本発明は、前述した好適な実施例に基づいて以上のように開示されたが、前述した好適な実施例は、本発明を限定するためのものでなく、当業者は、本発明の思想と範囲を離脱しない限り、本発明に対して些細な変更と潤色を行うことができるので、本発明の保護範囲は、添付した特許請求の範囲に定まったものを基準とする。また、本発明の何れの実施例又は特許請求の範囲は、本発明に開示された全ての目的又は利点又は特徴を達成する必要がない。また、要約の一部と発明の名称は、文献の検索を助けるためのみのものであり、本発明の権利範囲を限定するものでない。また、本明細書又は特許請求の範囲に言及している「第一」、「第二」などの用語は、要素(element)に名前を付け、または、異なる実施例又は範囲を区別するためのものみであり、要素の数量上での上限又は下限を限定するためのものでない。
【符号の説明】
【0041】
100、200、200a、200b、200c、200d、200e、200f、200g、310:照明システム
110:レーザー光源モジュール
112:青色光束
113:緑色光束
114:黄色光束
122:コリメート素子
123、124、126、127、128、129、2121、2122、231、232:レンズ
130:ダイクロイックミラー
140、240、240a:蛍光体ホイール
141:背面
150、280、280a:フィルターホイール
161、162、163、250、251、252:反射素子
170、270:光積分ロッド
210:励起光源組
211:励起光源
2111:表面
212:第二レンズ組
220、220a、220b、220c:分色素子
221、221a、221b、221c:分色部
222、222a、222b、222c:分光部
230:第一レンズ組
241:光波長変換部
242:反射部
243:回転盤
244:光波長変換層
260:集光素子
281:光フィルタリング部
282:透光部
283:マイクロプリズム構造
290:第三色光源
300:投影装置
320:ライトバルブ
330:投影レンズ
A1:第一光軸
A2:第二光軸
A3:光軸
B1、B11、B12:第一色光束
B2、B21、 B22:第二色光束
B3、B31、B32:第三色光束
B51、B52、B53、B54、B55、B56、B57、B58、Bi:照明光束
Bm:映像光束
D1、D2:距離
N1、N2:中心軸
O:中心位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12