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  • 特許-筐体、電気接続箱、及びワイヤハーネス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】筐体、電気接続箱、及びワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/14 20060101AFI20221213BHJP
   H02G 3/16 20060101ALI20221213BHJP
   H02G 3/08 20060101ALI20221213BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20221213BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20221213BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
H02G3/14
H02G3/16
H02G3/08 010
H05K5/03 A
H01B7/00 301
B60R16/02 610A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018211956
(22)【出願日】2018-11-12
(65)【公開番号】P2020080588
(43)【公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075959
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 保
(72)【発明者】
【氏名】池田 達彦
(72)【発明者】
【氏名】垣見 孝明
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-164300(JP,U)
【文献】特開2018-093671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/14
H02G 3/16
H02G 3/08
H05K 5/03
H01B 7/00
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縁に上部開口部が形成されるフレーム周壁と、該フレーム周壁に対し別体の部品であり且つ回転移動により前記上部開口部を覆うカバーとを備え、
前記回転移動に係る回転中心の位置に合わせて配置される前記カバーの一側部には、外側に突出する突起が形成され、
前記フレーム周壁の一側部には、前記突起を挿通することで係合状態になる突起係合部が形成され、
前記突起は、この突出先端の位置が基端の位置よりも前記フレーム周壁の側になる傾いた形状の部分に形成され
前記突起係合部は、前記フレーム周壁の前記一側部に設けられた壁部であって前記一側部から上方に突出し且つ前記フレーム周壁の周方向に沿う方向に延びる壁部、に形成され、
前記突起係合部における前記突起が挿通される孔の上側の孔内壁である保持壁の下方を向いた孔内面が、前記フレーム周壁の前記縁と略同一平面上の位置に配置されている
ことを特徴とする筐体。
【請求項2】
請求項1に記載の筐体において、
前記突起の前記突出先端における両端には、テーパ部が形成される
ことを特徴とする筐体。
【請求項3】
複数の電子部品が組み付けられる電子部品ブロックと、該電子部品ブロックを収容するための請求項1又は2に記載の筐体とを備える
ことを特徴とする電気接続箱。
【請求項4】
端末に請求項3に記載の電気接続箱を備えて自動車に配索される
ことを特徴とするワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部を有するフレーム周壁と、回転移動により開口部を覆うカバーとを備える筐体に関する。また、この筐体と、電子部品ブロックとを備える電気接続箱や、ワイヤハーネスにも関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に搭載される電気接続箱は、電子部品ブロックと、この電子部品ブロックを収容する筐体とを備えて構成される(例えば下記特許文献1参照)。筐体は、フレーム周壁を有するフレームと、カバーとを備えて構成される。カバーは、フレーム周壁の縁に囲まれた開口部を覆うような部材に形成される。筐体は、カバーの回転移動により開口部が覆われるとともに、フレーム及びカバーの各ロック部同士が嵌合して組み付けが完了するように構成される。筐体には、カバーの回転移動のために、カバーに突起が形成される。また、フレーム周壁には、カバーの突起が挿通されると係合状態になるような突起係合部が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-143877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術にあっては、カバーを組み付ける際に、先ずカバーを比較的大きな角度に傾けた状態にし、次にカバーの突起をフレーム周壁の突起係合部に差し込み、最後にカバーを回転移動させる、と言う作業を行う。カバーを比較的大きな角度に傾けた状態にすることは、カバーの回転移動に係る作業角度が大きくなることから、作業性が悪いという問題点を有する。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、カバーの組み付け作業性を向上させることが可能な筐体を提供することを課題とする。また、この筐体を構成に含む電気接続箱やワイヤハーネスを提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明の筐体は、縁に上部開口部が形成されるフレーム周壁と、該フレーム周壁に対し別体の部品であり且つ回転移動により前記上部開口部を覆うカバーとを備え、前記回転移動に係る回転中心の位置に合わせて配置される前記カバーの一側部には、外側に突出する突起が形成され、前記フレーム周壁の一側部には、前記突起を挿通することで係合状態になる突起係合部が形成され、前記突起は、この突出先端の位置が基端の位置よりも前記フレーム周壁の側になる傾いた形状の部分に形成され、前記突起係合部は、前記フレーム周壁の前記一側部に設けられた壁部であって前記一側部から上方に突出し且つ前記フレーム周壁の周方向に沿う方向に延びる壁部、に形成され、前記突起係合部における前記突起が挿通される孔の上側の孔内壁である保持壁の下方を向いた孔内面が、前記フレーム周壁の前記縁と略同一平面上の位置に配置されていることを特徴とする。
【0007】
このような請求項1の特徴を有する本発明によれば、カバーの突起が傾いた形状に形成されることから、突起の傾きに応じてカバーの回転移動に係る作業角度を小さくすることができる。従って、カバーの組み付け作業性を向上させることができる。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の筐体において、前記突起の前記突出先端における両端には、テーパ部が形成されることを特徴とする。
【0009】
このような請求項2の特徴を有する本発明によれば、カバーの突起をフレーム周壁の突起係合部に差し込みし易い形状にすることができる。従って、カバーの組み付け作業性の向上に寄与することができる。
【0010】
また、上記課題を解決するためになされた請求項3に記載の本発明の電気接続箱は、複数の電子部品が組み付けられる電子部品ブロックと、該電子部品ブロックを収容するための請求項1又は2に記載の筐体とを備えることを特徴とする。
【0011】
このような請求項3の特徴を有する本発明によれば、上記筐体の効果が得られることから、より良い電気接続箱を提供することができる。
【0012】
また、上記課題を解決するためになされた請求項4に記載の本発明のワイヤハーネスは、端末に請求項3に記載の電気接続箱を備えて自動車に配索されることを特徴とする。
【0013】
このような請求項4の特徴を有する本発明によれば、上記筐体の効果が得られる電気接続箱を備えることから、より良いワイヤハーネスを提供することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の筐体によれば、カバーの回転移動に係る作業角度を従来例よりも小さくすることができる。従って、カバーの組み付け作業性を向上させることができるという効果を奏する。また、本発明の電気接続箱及びワイヤハーネスによれば、上記効果の筐体を有することから、より良いものを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の筐体及び電気接続箱の一実施形態を示す図であり、カバーの突起をフレームの突起係合部に差し込む作業途中の状態を示す側面図である。
図2】フレームの斜視図である。
図3】カバーの斜視図である。
図4】カバーの突起をフレームの突起係合部に差し込む作業途中の状態を示す断面図である。
図5】カバーの突起を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)の矢印A方向から見た斜視図、(c)は(a)の矢印B方向から見た斜視図である。
図6】本発明と従来例とのカバーの回転移動に係る作業角度の差を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
自動車に配索されるワイヤハーネスは、この端末に電気接続箱を備える。電気接続箱は、複数の電子部品が組み付けられる電子部品ブロックと、この電子部品ブロックの組み付け先となる筐体とを備えて構成される。筐体は、フレーム周壁の縁で囲まれた開口部を、別体のカバーが回転移動して覆う構造を有する。筐体は、カバーに突起が形成される。また、フレーム周壁には、突起に対する突起係合部が形成される。突起は、突起係合部に対し挿通状態で係合するように形成される。このような突起は、突出先端の位置が基端の位置よりもフレーム周壁の側になる傾いた形状の部分に形成される。
【実施例
【0017】
以下、図面を参照しながら実施例を説明する。図1は本発明の筐体及び電気接続箱の一実施形態を示す図である。具体的には、カバーの突起をフレームの突起係合部に差し込む作業途中の状態を示す側面図である。また、図2はフレームの斜視図、図3はカバーの斜視図、図4はカバーの突起をフレームの突起係合部に差し込む作業途中の状態を示す断面図、図5(a)~(c)はカバーの突起を示す斜視図、図6は本発明と従来例とのカバーの回転移動に係る作業角度の差を示す図である。尚、図1図4の矢印Pは上下方向、矢印Qは左右方向、矢印Rは前後方向を示すものとする。
【0018】
<電気接続箱1の構成について>
図1において、電気接続箱1は、外部に露出した状態でトラックに搭載される(一例であるものとする)。具体的には、トラックにおけるキャビンと荷台との間に搭載される(一例であるものとする)。このような電気接続箱1は、電子部品ブロック2(図2参照)と、この電子部品ブロック2を収容するための筐体3とを備えて構成される。また、電気接続箱1は、筐体3の内部にワイヤハーネス4(図2参照)が引き込まれるように構成される。ワイヤハーネス4は、この端末等の所定位置に電気接続箱1を備えて自動車に配索される。
【0019】
電気接続箱1は、後述するアッパーカバー7(カバー)の回転移動に係る作業角度を従来例よりも小さくすることができる構造に特徴を有する。
【0020】
<電子部品ブロック2について>
図2において、電子部品ブロック2は、複数の電子部品が組み付けられる部材として備えられる。また、電子部品ブロック2は、上記電子部品が所定回路に接続される部材として備えられる。具体的には、リレーが樹脂製のリレー組み付け部(符号省略)に組み付けられるとともに、ヒューズが樹脂製のヒューズ組み付け部(符号省略)に組み付けられるような部材として備えられる(電子部品ブロック2の構成は一例であるものとする)。以上のような電子部品ブロック2は、カセット式のものであり、後述するフレーム5に対して着脱自在に組み付けられる。電子部品ブロック2に関しては、この名称をカセットブロック2と読み替えてもよいものとする。
【0021】
<筐体3の構成について>
図1において、筐体3は、絶縁性を有する樹脂製の部材の組み合わせであって、具体的には、電子部品ブロック2が着脱自在に組み付けられるフレーム5と、このフレーム5の上部開口部6(開口部。図2参照)を覆うアッパーカバー7(カバー)と、フレーム5の下部開口部を覆うロアカバー8とを備えて構成される。このような筐体3には、固定脚部9が複数形成される。また、筐体3には、ワイヤハーネス4が挿通される(引き込まれる)挿通部10も形成される。尚、上部開口部6(開口部)は、後述するフレーム周壁11を構成する外周壁13の縁16によって囲まれる開口部分であるものとする。また、上部開口部6は、図中の上側となる位置の開口部分であるとともに、アッパーカバー7(カバー)側の開口部分でもあるものとする。
【0022】
<フレーム5の構成及びフレーム周壁11について>
図1図2、及び図4において、フレーム5は、樹脂成形品であって、フレーム周壁11と、このフレーム周壁11の一側部に設けられる固定ベース12と、固定ベース12に設けられる上記固定脚部9とを有して図示形状に形成される。フレーム周壁11は、矢印Pの上下方向にのびて、この高さがある外周壁13と、外周壁13の内側に配設される内周壁14とを有して、上下が開口する枠形状の部分に形成される。フレーム周壁11は、本実施例において、二重壁の構造にて形成される。このようなフレーム周壁11の一側部には、上記の如く固定ベース12が形成される。また、上記一側部の反対側となる他側部には、アッパーカバー7に対する嵌合部分としてのロック部15が複数形成される。内周壁14の内面には、電子部品ブロック2に対する取り付け部(図示省略)が形成される。フレーム周壁11における引用符号16は、外周壁13の縁を示すものとする。縁16は、特許請求の範囲に記載された「縁」に相当するものとする。
【0023】
<固定ベース12及び固定脚部9について>
図2において、固定ベース12は、上記の如くフレーム周壁11の一側部に形成される。固定ベース12は、一側部の上側に配置され、左右方向にのびる形状に形成される。固定ベース12は、アッパーカバー7(カバー)の回転中心RC(図4参照)の位置に合わせて配置される。このような固定ベース12には、固定脚部9の他に、一対の突起係合部17と、これらの間に配置される突起係合部18とが形成される(数は一例であるものとする)。本実施例において、突起係合部18は、固定ベース12における左右方向の中央位置に配置され、一対の突起係合部17は、左端及び右端に配置される。一対の突起係合部17の隣には、固定脚部9が配置される。固定脚部9には、固定用の図示しないボルトが挿通されるボルト挿通孔19が貫通形成される。
【0024】
<複数の突起係合部17、18について>
図2及び図4において、複数の突起係合部17、18は、アッパーカバー7(カバー)の後述する突起26が挿通されて、この突起26が係合状態になるような部分に形成される。このような複数の突起係合部17、18には、孔20と、壁21と、案内壁22と、保持壁23とが形成される。孔20は、固定ベース12を前後方向に貫通する部分に形成される。具体的には、後述する突起26の挿通が可能な大きさに開口する部分に形成される。すなわち、左右の開口幅が突起26の幅に合わせて開口する部分に、また、上下の開口幅が突起26の挿通(差し込み)に合わせて開口する部分に、さらには、アッパーカバー7の後述する回転移動における突起26の動きを許容する大きさに開口する部分に形成される。
【0025】
壁21は、固定ベース12の壁そのものであって、孔20の上側に配置される。壁21は、後述する突起26が挿通される際に、この挿通の向きが合っていないと、突起26の先端が突き当たってしまうような部分に形成される。壁21と孔20との境界部分には、案内壁22が配置される。案内壁22は、壁21の下端に連続して突起26を孔20の奥まで案内するための部分に形成される。案内壁22は、斜め後方に傾斜する形状に形成される。このような案内壁22の端部には、保持壁23が配置される。保持壁23は、後方に真っ直ぐ且つ短くのびる形状の部分に形成される。保持壁26は、アッパーカバー7が例えば上側に押し上げられるような力を受けた場合、アッパーカバー7が当接する部分に形成される。保持壁23の面は、外周壁13の縁16と略同一平面上の位置に配置形成される。
【0026】
<アッパーカバー7(カバー)の構成について>
図1図3、及び図4において、アッパーカバー7は、上記の如くフレーム5の上部開口部6(開口部)を覆うための樹脂成形品であって、天井壁24と、この天井壁24の周縁に連続するカバー周壁25と、カバー周壁25の一側部に設けられる複数の突起26と、一側部の反対側の他側部に設けられる複数のロック部27とを有して図示形状に形成される。アッパーカバー7は、図からも分かるように、フレーム5に対して別体の部材になるものである。尚、天井壁24、カバー周壁25、及び、ロック部27は公知の構造が採用されるものとして、ここでは詳細な説明は省略するものとする。
【0027】
<複数の突起26について>
図3ないし図5において、複数の突起26は、フレーム周壁11の複数の突起係合部17、18(図2参照)の位置に合わせて配置形成される。また、複数の突起26は、アッパーカバー7の後述する回転移動の際の回転中心RCの位置に合わせて配置形成される。複数の突起26は、フレーム周壁11の複数の突起係合部17、18に対しこれを挿通すると、自身が(突起26が)係合状態になるような部分に形成される。複数の突起26は、全て同じ形状に形成される。そのため、以下ではそのうちの1つだけについて説明をする。
【0028】
突起26は、突起基部28(基端)と、この突起基部28に形成される一対の補強リブ29と、突起基部28から突出する突起本体30とを有して図示形状に形成される。突起基部28は、カバー周壁25の上記一側部から外側に若干突出する程度の部分に形成される。一対の補強リブ29は、三角リブ形状に形成される。突起本体30は、突起基部28から外側に突出する部分に形成される。突起本体30は、突起基部28に連続する部分から中間部分まで左右方向の幅が同じになるような部分に形成される。突起本体30の突出先端31における左右両端には、テーパ部32がそれぞれ形成される。突起本体30は、この突出先端31が先細りする形状に形成される。
【0029】
突起26の特徴としては、突出先端31の位置が突起基部28(基端)の位置よりもフレーム周壁11の側になるような傾いた形状の突起本体30を有することである。突起本体30は、突起基部28(基端)が電気接続箱1における前後方向の突出であることから、この突出方向と異なる斜め下方向の突出になるような形状の部分に形成される。突起本体30が斜め下方向に突出する形状であれば、アッパーカバー7(カバー)の後述する回転移動に係る作業角度を従来例よりも小さくすることができる。
【0030】
<アッパーカバー7の組み付け作業について>
図1及び図4を参照しながらアッパーカバー7の組み付け作業について説明をする。先ず、アッパーカバー7を図示のような斜めの状態にし、そして、アッパーカバー7の突起26をフレーム周壁11における固定ベース12の突起係合部17(18)に挿通する作業を行う。突起26は、突起係合部17(18)に挿通されることで係合し、この係合部分の近傍において、アッパーカバー7の回転中心RCが生じるようになる。次に、アッパーカバー7を左回りに回転移動させる作業を行う。そして最後に、フレーム周壁11のロック部15に対しアッパーカバー7のロック部27を嵌合させる作業を行うと、アッパーカバー7の回転移動による組み付け作業が完了する。
【0031】
アッパーカバー7の上記組み付け作業において、アッパーカバー7を斜めの状態にする作業は、外周壁13における縁16の位置を基準にして、アッパーカバー7を図6に示すθ1(=17度)程度の作業角度にする作業のことである。アッパーカバー7の作業角度をθ1程度にできるのは、突起26の形状によるものである。突起26は、突起本体30の突出が斜め下方向になるような形状のものであることから、アッパーカバー7を大きく傾けなくても突起26を突起係合部17(18)の孔20に挿通することができる。尚、図6において仮想線で示す従来カバー33は、傾きのない突起(図示省略)を有するものであり、この場合の作業角度θ2は、θ2=38度程度になる。
【0032】
<筐体3の効果について>
以上、図1ないし図6を参照しながら説明してきたように、本発明の一実施形態である筐体3によれば、アッパーカバー7の回転移動に係る作業角度θ1を従来例の作業角度θ2よりも小さく(θ1<θ2)できることから、結果、アッパーカバー7の組み付け作業性を向上させることができるという効果を奏する。また、本発明の一実施形態である電気接続箱1やワイヤハーネス4によれば、上記効果の筐体3を有することから、より良いものを提供することができるという効果を奏する。
【0033】
本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0034】
1…電気接続箱、 2…電子部品ブロック、 3…筐体、 4…ワイヤハーネス、 5…フレーム、 6…上部開口部(開口部)、 7…アッパーカバー(カバー)、 8…ロアカバー、 9…固定脚部、 10…挿通部、 11…フレーム周壁、 12…固定ベース、 13…外周壁、 14…内周壁、 15…ロック部、 16…縁、 17、18…突起係合部、 19…ボルト挿通孔、 20…孔、 21…壁、 22…案内壁、 23…保持壁、 24…天井壁、 25…カバー周壁、 26…突起、 27…ロック部、 28…突起基部(基端)、 29…補強リブ、 30…突起本体、 31…突出先端、 32…テーパ部、 33…従来カバー、 θ1、θ2…作業角度、 RC…回転中心


図1
図2
図3
図4
図5
図6