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特許7193314画像形成装置および画像形成装置の設定画面の表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】画像形成装置および画像形成装置の設定画面の表示方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20221213BHJP
   H04N 1/21 20060101ALI20221213BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
H04N1/00 127Z
H04N1/00 127A
H04N1/21
B41J29/38
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018218276
(22)【出願日】2018-11-21
(65)【公開番号】P2020088523
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】大西 敬尚
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-129646(JP,A)
【文献】特開2009-152694(JP,A)
【文献】特開2009-201134(JP,A)
【文献】特開2007-237528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/21
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷画像またはスキャン画像を形成する画像形成部と、
画像形成に係る設定画面を表示する表示部と、
画像形成用のファイルまたはスキャンによって形成されたファイルを記憶する外部記憶装置を接続する外部記憶装置接続部と、
前記ファイルの履歴を記憶する記憶部と、
前記画像形成部、前記表示部、前記外部記憶装置接続部および前記記憶部を制御する制御部とを備え、
前記外部記憶装置接続部に前記外部記憶装置が接続された場合、前記制御部は、前記外部記憶装置に記憶されたファイルの有無を判定し、ファイルが存在しない場合、前記外部記憶装置がスキャン画像の保存先として接続されたものと判断して、スキャン画像の保存先として前記外部記憶装置が設定されたスキャン用の設定画面を前記表示部に表示させ
前記外部記憶装置接続部に前記外部記憶装置が接続された場合、前記制御部は、前記外部記憶装置に記憶されたファイルの有無を判定し、ファイルが存在する場合、前記記憶部に記憶された前記ファイルの履歴の有無を判定し、前記ファイルの履歴が存在しない場合、前記外部記憶装置が前記ファイルの印刷用に接続されたものと判断して、前記ファイルの印刷用の設定画面を前記表示部に表示させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記外部記憶装置接続部に前記外部記憶装置が接続された場合、前記制御部は、前記外部記憶装置に記憶されたファイルの有無を判定し、ファイルが存在する場合、前記記憶部に記憶された前記ファイルの履歴の有無を判定し、前記ファイルの履歴が存在する場合、前記外部記憶装置に記憶されたファイルの更新日時が前記履歴のファイルの更新日時と同じまたは古い場合、前記外部記憶装置がスキャン画像の保存先として接続されたものと判断して、スキャン画像の保存先として前記外部記憶装置が設定されたスキャン用の設定画面を前記表示部に表示させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記外部記憶装置接続部に前記外部記憶装置が接続された場合、前記制御部は、前記外部記憶装置に記憶されたファイルの有無を判定し、ファイルが存在する場合、前記記憶部に記憶された前記ファイルの履歴の有無を判定し、前記ファイルの履歴が存在する場合、前記外部記憶装置に記憶されたファイルの更新日時が前記履歴のファイルの更新日時よりも新しい場合、前記外部記憶装置が前記ファイルの印刷用に接続されたものと判断して、前記ファイルの印刷用の設定画面を前記表示部に表示させる請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
ユーザーからの指令を受け付ける操作部をさらに備え、
前記表示部がスキャン用または印刷用の設定画面を表示した後、
前記操作部が、前記設定画面の設定を変更すべき指令を受け付けた場合、前記制御部は前記設定画面の設定の変更に係る設定変更履歴を前記記憶部に記憶させ、
前記外部記憶装置接続部に前記外部記憶装置が接続された場合、前記制御部は、前記設定変更履歴に基づき、スキャン用または印刷用の設定画面を表示させる請求項1~のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
印刷画像またはスキャン画像の画像形成用のファイルまたはスキャンによって形成されたファイルを記憶する外部記憶装置を接続可能な画像形成装置の設定画面の表示方法であって、
前記外部記憶装置を接続する外部記憶装置接続ステップと、
前記外部記憶装置内のファイルの履歴を記憶する記憶ステップと、
画像形成に係る設定画面を表示する表示ステップと、
前記印刷画像または前記スキャン画像を形成する画像形成ステップとを有し、
前記外部記憶装置接続ステップにおいて、前記外部記憶装置が接続された場合、前記外部記憶装置に記憶されたファイルの有無を判定し、ファイルが存在しない場合、前記外部記憶装置がスキャン画像の保存先として接続されたものと判断して、前記表示ステップにおいて、スキャン画像の保存先として前記外部記憶装置が設定されたスキャン用の設定画面を表示させ
前記外部記憶装置接続ステップにおいて前記外部記憶装置が接続された場合、前記外部記憶装置に記憶されたファイルの有無を判定し、ファイルが存在する場合、前記記憶ステップにおいて記憶された前記ファイルの履歴の有無を判定し、前記ファイルの履歴が存在しない場合、前記外部記憶装置が前記ファイルの印刷用に接続されたものと判断して、前記表示ステップにおいて前記ファイルの印刷用の設定画面を表示させることを特徴とする画像形成装置の設定画面の表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置および画像形成装置の設定画面の表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、USBメモリやサーバー等の外部記憶装置を画像形成装置に接続した場合、当該外部記憶装置にスキャンデータを保存すべきか、または、当該外部記憶装置に保存されたデータを印刷すべきかを、ユーザー自身が選択する必要があった。
また、外部記憶装置に保存されたデータを印刷する場合において、当該外部記憶装置に複数のデータが保存されていた場合、ユーザーは、どのデータを印刷すべきかも選択する必要があった。
【0003】
これに関連して、従来、外部記憶装置と接続される画像形成装置において、接続された前記外部記憶装置に格納された画像データの情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された情報に基づいて、前記画像形成装置における画像形成ジョブ実行時の動作モードを設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された前記動作モードに従って、画像パラメータと画像データを含む画像ファイルを生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された前記画像ファイルを前記外部記憶装置に書き込む書き込み手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置の発明が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-251900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の発明は、外部記憶装置内に画像ファイルが存在しない場合、動作モードを手入力する必要があるため、ユーザーにとって利便性の高いものとはいえなかった。
【0006】
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、外部記憶装置を接続した際に、従来よりも少ない手順で設定を行うことのできる画像形成装置および画像形成装置の設定画面の表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、印刷画像またはスキャン画像を形成する画像形成部と、画像形成に係る設定画面を表示する表示部と、画像形成用のファイルまたは画像形成によって出力されたファイルを記憶する外部記憶装置を接続する外部記憶装置接続部と、前記ファイルの履歴を記憶する記憶部と、前記画像形成部、前記表示部、前記外部記憶装置接続部および前記記憶部を制御する制御部とを備え、前記外部記憶装置接続部に前記外部記憶装置が接続された場合、前記制御部は、前記外部記憶装置に記憶された前記ファイルの有無を判定し、ファイルが存在しない場合、前記外部記憶装置がスキャン画像の保存先として接続されたものと判断して、スキャン画像の保存先として前記外部記憶装置が設定されたスキャン用の設定画面を前記表示部に表示させることを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
また、この発明は、印刷画像またはスキャン画像の画像形成用のファイルまたは前記画像形成によって出力されたファイルを記憶する外部記憶装置を接続可能な画像形成装置の設定画面の表示方法であって、前記外部記憶装置を接続する外部記憶装置接続ステップと、前記外部記憶装置内のファイルの履歴を記憶する記憶ステップと、画像形成に係る設定画面を表示する表示ステップと、前記印刷画像または前記スキャン画像を形成する画像形成ステップとを有し、前記外部記憶装置接続ステップにおいて、前記外部記憶装置が接続された場合、前記外部記憶装置に記憶されたファイルの有無を判定し、ファイルが存在しない場合、前記外部記憶装置がスキャン画像の保存先として接続されたものと判断して、前記表示ステップにおいて、スキャン画像の保存先として前記外部記憶装置が設定されたスキャン用の設定画面を表示させることを特徴とする画像形成装置の設定画面の表示方法を提供するものである。
【0008】
この発明において、「画像形成装置」は、トナーによる像形成に電子写真方式を用いるプリンタなどの複写(コピー)機能を有する複写機や複写以外の機能をも含むMFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)など、画像を形成して出力する装置である。
「画像形成用のファイルまたは画像形成によって出力されたファイル」は、印刷用のファイルやスキャンによって形成されたファイルなどである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、ファイルが保存された外部記憶装置が画像形成装置に接続された場合、自動的にスキャン保存用の設定画面が表示されるため、従来よりも少ない手順で設定を行うことのできる画像形成装置を実現できる。
【0010】
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
(2)前記外部記憶装置接続部に前記外部記憶装置が接続された場合、前記制御部は、前記外部記憶装置に記憶されたファイルの有無を判定し、ファイルが存在する場合、前記記憶部に記憶された前記ファイルの履歴の有無を判定し、前記ファイルの履歴が存在しない場合、前記外部記憶装置が前記ファイルの印刷用に接続されたものと判断して、前記ファイルの印刷用の設定画面を前記表示部に表示させるものであってもよい。
【0011】
このようにすれば、画像形成装置の履歴にないファイルが保存された外部記憶装置が画像形成装置に接続された場合、自動的にファイル印刷用の設定画面が表示されるため、従来よりも少ない手順で設定を行うことができる画像形成装置が実現できる。
【0012】
(3)前記外部記憶装置接続部に前記外部記憶装置が接続された場合、前記制御部は、前記外部記憶装置に記憶されたファイルの有無を判定し、ファイルが存在する場合、前記記憶部に記憶された前記ファイルの履歴の有無を判定し、前記ファイルの履歴が存在する場合、前記外部記憶装置に記憶されたファイルの更新日時が前記履歴のファイルの更新日時と同じまたは古い場合、前記外部記憶装置がスキャン画像の保存先として接続されたものと判断して、スキャン画像の保存先として前記外部記憶装置が設定されたスキャン用の設定画面を前記表示部に表示させるものであってもよい。
【0013】
このようにすれば、画像形成装置の履歴にあるファイルが保存された外部記憶装置が画像形成装置に接続され、当該ファイルの更新日時が履歴の該当ファイルの記録日時と同じかそれよりも古い場合、自動的にスキャン印刷用の設定画面が表示されるため、従来よりも少ない手順で設定を行うことができる画像形成装置が実現できる。
【0014】
(4)前記外部記憶装置接続部に前記外部記憶装置が接続された場合、前記制御部は、前記外部記憶装置に記憶されたファイルの有無を判定し、ファイルが存在する場合、前記記憶部に前記ファイルの履歴の有無を判定し、前記ファイルの履歴が存在する場合、前記外部記憶装置に記憶されたファイルの更新日時が前記履歴のファイルの更新日時よりも新しい場合、前記外部記憶装置が前記ファイルの印刷用に接続されたものと判断して、前記ファイルの印刷用の設定画面を前記表示部に表示させるものであってもよい。
【0015】
このようにすれば、画像形成装置の履歴にあるファイルが保存された外部記憶装置が画像形成装置に接続され、当該ファイルの更新日時が履歴の該当ファイルの記録日時よりも新しい場合、自動的にファイル印刷用の画面が表示されるため、従来よりも少ない手順で設定を行うことができる画像形成装置が実現できる。
【0016】
(5)ユーザーからの指令を受け付ける操作部をさらに備え、前記表示部がスキャン用または印刷用の設定画面を表示した後、前記操作部が、前記設定画面の設定を変更すべき指令を受け付けた場合、前記制御部は前記設定画面の設定の変更に係る設定変更履歴を前記記憶部に記憶させ、前記外部記憶装置接続部に前記外部記憶装置が接続された場合、前記制御部は、前記設定変更履歴に基づき、スキャン用または印刷用の設定画面を表示させるものであってもよい。
【0017】
このようにすれば、外部記憶装置が画像形成装置に接続された場合、過去の印刷またはスキャンの設定変更履歴を反映したファイル印刷用またはスキャン保存用の画面が表示されるため、従来よりも少ない手順で設定を行うことができる画像形成装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】この発明のデジタル複合機の外観を示す説明図である。
図2図1に示すデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
図3図1に示すUSBメモリの概略構成を示すブロック図である。
図4図1に示すサーバーの概略構成を示すブロック図である。
図5図1に示すデジタル複合機に外部記憶装置を接続したときの設定手順を示すフローチャートである
図6図1に示すデジタル複合機にUSBメモリを接続したときの設定画面の例を示す説明図である。
図7図1に示すデジタル複合機にUSBメモリを接続したときの設定画面の例を示す説明図である。
図8図1に示すデジタル複合機にUSBメモリを接続したときの設定画面の例を示す説明図である。
図9図1に示すデジタル複合機にUSBメモリを接続したときの設定画面の例を示す説明図である。
図10図1に示すデジタル複合機にUSBメモリを接続したときの設定画面の例を示す説明図である。
図11】この発明の実施形態2に係るデジタル複合機に外部記憶装置を接続したときの設定手順を示すフローチャートである。
図12】この発明の実施形態3に係るデジタル複合機に外部記憶装置を接続したときの設定手順を示すフローチャートである。
図13】この発明の実施形態4に係るデジタル複合機に外部記憶装置を接続したときの設定手順を示すフローチャートである。
図14】この発明の実施形態5に係るデジタル複合機に外部記憶装置を接続したときの設定手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
【0020】
〔実施形態1〕
<デジタル複合機1の概略構成>
図1および図2に基づき、この発明の画像形成装置の一実施形態であるデジタル複合機1について説明する。
図1は、この発明のデジタル複合機1の外観を示す説明図である。また、図2は、図1に示すデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0021】
デジタル複合機1は、画像データをデジタル処理し、複写機能やスキャナ機能、ファクシミリ機能を有するMFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)などの装置である。
【0022】
図1に示すように、デジタル複合機1は、各種情報を表示するとともに各種操作を行う操作パネル10と、USBメモリ2を接続するUSBポート20と、外部のサーバー3との接続用にLANケーブル4を接続するためのLANポート30とを備える。
【0023】
操作パネル10には、デジタル複合機1を操作するためのボタンや情報が表示され、ユーザーは表示された情報をもとにタッチパネルを操作することにより、デジタル複合機1の機能を使用する。
【0024】
サーバー3は、LANケーブル4を介してデジタル複合機1に接続されたホストサーバー等の装置である。
サーバー3内には、デジタル複合機1によって出力すべき、またはデジタル複合機1によって出力されたファイルが保存される。
また、サーバー3は、クラウド上で構成されるクラウドサーバーであってもよい。
【0025】
図2に示すように、デジタル複合機1は、操作パネル10、原稿読取部11、制御部12、記憶部13、画像処理部14、印刷部15、排紙部16、外部機器接続部17および送受信部18を備える。
【0026】
なお、この発明の「画像形成部」は、印刷部15によって実現される。また、「外部記憶装置接続部」は、外部機器接続部17および送受信部18によって実現される。
【0027】
以下、デジタル複合機1の各構成要素を説明する。
【0028】
操作パネル10は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)を備えたユニットであり、表示部101および操作部102を備える。
【0029】
原稿読取部11は、原稿台に置かれた原稿や原稿トレイから搬送されてきた原稿を検知して読み取り、適正な電気信号に変換して画像データを生成する部分である。
【0030】
表示部101は、各種情報の表示をおこなう部分である。表示部101は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。制御部12は、表示部101を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示をおこなう。
【0031】
操作部102は、デジタル複合機1を操作するためのインターフェースであり、ユーザーからの入力操作(指令)を受け付ける部分である。
デジタル複合機1は、操作部102を介して受付けたユーザーからの指示に基づき、スキャナ、印刷、コピーまたは画像送信等のジョブを実行する。
【0032】
制御部12は、デジタル複合機1の各構成要素の動作を制御する部分であり、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、モーター、クラッチ、操作パネル10等、あらゆる負荷の監視・制御をおこなう。
制御部12は、CPUあるいはマイクロプロセッサ(Microprocessor)を主体とする回路であり、主として、CPU、ROM、RAM、I/Oコントローラ、タイマー等からなるマイクロコンピュータによって実現される。
制御部12は、ROM等に予め格納された制御プログラムに基づいて、各ハードウェアを有機的に動作させて、後述するようなこの発明の外部記憶装置照合、ファイル情報解析および対象機能決定等の機能を実行する。
【0033】
具体的には、制御部12は、外部記憶装置照合部121、ファイル情報解析部122および対象機能決定部123を備える。
【0034】
外部記憶装置照合部121は、USBメモリ2やサーバー3等の外部記憶装置をデジタル複合機1に接続した場合に当該外部記憶装置を照合する部分である。
外部記憶装置照合部121は、デジタル複合機1に接続された外部記憶装置の固有IDを取得し、記憶部13に記憶された接続装置固有ID131と照合することにより、当該外部記憶装置が過去に接続されたことがあるか否かを確認する。
【0035】
ファイル情報解析部122は、デジタル複合機1に接続された外部記憶装置内のファイル情報を解析する部分である。
ファイル情報としては、例えば、ファイル/フォルダ構造、各ファイルのファイル名、更新日時などが保存されている。
【0036】
ファイル情報解析部122は、デジタル複合機1に外部記憶装置が接続された際に当該外部記憶装置が過去に接続されたことがあると外部記憶装置照合部121が判断した場合、当該外部記憶装置の過去の情報と現在の情報を比較して、前回とのファイル情報との差異を確認する。
一方、当該外部記憶装置が過去に接続されたことがないと外部記憶装置照合部121が判断した場合、ファイル情報解析部122は、当該外部記憶装置の現在の情報を解析してファイルの有無などの情報を収集する。
【0037】
対象機能決定部123は、ファイル情報解析部122の解析結果に基づき、対象機能を決定する部分である。
対象機能決定部123は、ファイルの有無・更新ファイルの有無などから、ユーザーが求めていると思われる機能を決定し、当該機能を設定した画面を表示する。
外部記憶装置が接続された際にユーザーが求めうる機能の例としては、例えば、原稿読取部11が原稿を読み込んで取得したデータを当該外部記憶装置に保存する「スキャン保存」や、当該外部記憶装置から特定のファイルを選択して印刷部15が印刷する「ファイル印刷」の機能などがあげられる。
【0038】
記憶部13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD等の記憶媒体が用いられる。
なお、データを保持する領域がハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域がフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0039】
記憶部13は、外部記憶装置接続履歴130を備え、接続装置固有ID131およびファイル情報132等のデータを記憶する。
接続装置固有ID131は、外部記憶装置がUSBメモリ2であればシリアルナンバーであり、外部サーバーであればサーバーへのアドレス(URL)などである。
【0040】
画像処理部14は、原稿読取部11、外部機器接続部17または送受信部18から入力された画像データを、操作部102からの指令に従って拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0041】
印刷部15は、原稿読取部11によって生成され、画像処理部14によって画像処理された画像データを用紙上に印刷出力する部分である。
【0042】
排紙部16は、印刷部15によって印刷出力された用紙を排紙トレイに搬送し、排出する部分である。
【0043】
外部機器接続部17は、USBポート20を介してUSBメモリ2等の外部記憶装置を接続する部分であり、USBポート20を備える。
【0044】
USBポート20は、USBメモリ2を着脱可能に接続する接続端子を備え、接続されたUSBメモリ2を検出して、USBメモリ2内のデータの読み書きを行う部分である。
【0045】
送受信部18は、ネットワーク等を介して、サーバー3などの外部のコンピュータや携帯情報端末、情報処理装置やファクシミリ装置等との通信をおこない、電子メールやFAXなどの種々の情報をこれら外部の通信装置と送受信する部分である。
送受信部18は、LANポート30を備える。
【0046】
LANポート30は、LANケーブル4を接続する接続端子を備え、LANケーブル4を介して外部記憶装置と送受信部18との間でデータを送受信する部分である。
【0047】
<USBメモリ2の概略構成>
次に、図3に基づき、USBメモリ2の概略構成を説明する。
図3は、図1に示すUSBメモリ2の概略構成を示すブロック図である。
【0048】
図3に示されるように、USBメモリ2は、記憶部21、制御部22および接続端子23を備える。
【0049】
なお、記憶部21および制御部22は、それぞれ図2の記憶部13および制御部12と同様の構成を有するため、説明を省略する。
【0050】
接続端子23は、デジタル複合機1のUSBポート20と接続可能な端子である。
接続端子23がUSBポート20に接続されたとき、外部機器接続部17を介してデジタル複合機1とデータの送受信を行う。
【0051】
<サーバー3の概略構成>
次に、図4に基づき、サーバー3の概略構成を説明する。
図4は、図1に示すサーバー3の概略構成を示すブロック図である。
【0052】
図4に示されるように、サーバー3は、記憶部31、画像処理部32、表示部33、制御部34、操作部35および送受信部36を備える。
また、送受信部36は、LANポート360を備える。
【0053】
なお、記憶部31、画像処理部32、表示部33、制御部34、操作部35および送受信部36はそれぞれ、図2の記憶部13、画像処理部14、表示部101、操作部102および送受信部18と同様の構成を有するため、説明を省略する。
【0054】
次に、図5図9に基づき、この発明のデジタル複合機1に外部記憶装置を接続したときの設定処理について説明する。
図5は、図1に示すデジタル複合機1に外部記憶装置を接続したときの設定手順を示すフローチャートである。また、図6図9は、図1に示すデジタル複合機1にUSBメモリ2を接続したときの設定画面の例を示す説明図である。
【0055】
図5のステップS1において、デジタル複合機1が外部記憶装置の接続を検知したとき、制御部12は、続くステップS2において、当該外部記憶装置の固有IDを取得させる(ステップS2)。
【0056】
具体的には、外部機器接続部17がUSBポート20にUSBメモリ2が接続されたことを検知したとき、または、送受信部18がLANポート30を介してサーバー3の記憶部31に接続されたことを検知したとき、制御部12の外部記憶装置照合部121は、外部機器接続部17または送受信部18を介して、当該外部記憶装置の固有IDを取得する。
【0057】
次に、ステップS3において、外部記憶装置照合部121は、当該外部記憶装置の固有IDに対応する固有IDが記憶部13の外部記憶装置接続履歴130内に存在するか否かを、記憶部13に記憶された接続装置固有ID131と照合することによって判定する(ステップS3)。
【0058】
対応する固有IDが記憶部13の外部記憶装置接続履歴130内に存在する場合(ステップS3の判定がYesの場合)、制御部12のファイル情報解析部122は、ステップS4において、外部記憶装置接続履歴130内のファイル情報132および現在のファイル情報を解析し、これらのファイル情報の間の差異を確認する(ステップS4)。
【0059】
続くステップS5において、制御部12は、外部記憶装置内に更新されたファイルまたは新しいファイルが存在するか否かを判定する(ステップS5)。
【0060】
更新されたファイルまたは新しいファイルが存在する場合(ステップS5の判定がYesの場合)、対象機能決定部123は、これらのファイルは、ユーザーが印刷しようとしている可能性が高いファイルであるものと判断する。
この場合、制御部12は、ステップS6において、ファイル印刷用の画面を表示部101に表示させる(ステップS6)。
【0061】
一方、更新されたファイルも新しいファイルも存在しない場合(ステップS5の判定がNoの場合)、対象機能決定部123は、ユーザーがファイル印刷ではなく、スキャン保存を行うために外部記憶装置を接続したものと判断する。
【0062】
なお、更新されたファイルも新しいファイルも存在しない場合には、外部記憶装置内にファイルが1つも存在しない場合と、外部記憶装置内にファイルは存在するが更新されたファイルや新しいファイルが存在しない場合と、が含まれる。
【0063】
外部記憶装置内にファイルは存在するが更新されたファイルや新しいファイルが存在しない場合とは、前回接続時と比較して、新しいファイルは追加されておらず、外部記憶装置内に存在するファイルの更新日が、外部記憶装置接続履歴130内の該当ファイルの更新日と同じかそれよりも古い場合である。
【0064】
対象機能決定部123は、外部記憶装置内に存在はするが前回接続時から更新されていないファイルを印刷済みか、過去に印刷対象とされなかったファイルとみなし、ユーザーがファイル印刷ではなく、スキャン保存を行うために当該外部記憶装置を接続したものと判断する。
【0065】
この場合、制御部12は、ステップS7において、スキャン保存用の画面を表示部101に表示させる(ステップS7)。
【0066】
そして、ステップS6またはS7の処理を行った後、ステップS10において、操作部102は、ユーザーの操作があるまで待機し、ユーザーの操作があった場合は、ユーザーの操作を受け付ける(ステップS10)。
【0067】
一方、ステップS3において、対応する固有IDが記憶部13の外部記憶装置接続履歴130内に存在しない場合(ステップS3の判定がNoの場合)、制御部12は、ステップS8において、当該固有IDを記憶部13の外部記憶装置接続履歴130に記憶させ、USBメモリ2から現在のファイル情報を抽出する(ステップS8)。
【0068】
続いて、ステップS9において、制御部12は、外部記憶装置内にファイルが存在するか否かを判定する(ステップS9)。
【0069】
外部記憶装置内にファイルが存在する場合(ステップS9の判定がYesの場合)、対象機能決定部123は、新たに接続された外部記憶装置に記憶されたファイルは、ユーザーが印刷しようとしている可能性が高いものと判断する。
この場合、制御部12は、ステップS6において、ファイル印刷用の画面を表示部101に表示させる(ステップS6)。
【0070】
一方、USBメモリ2の記憶部21内にファイルが存在しない場合(ステップS9の判定がNoの場合)、制御部12の対象機能決定部123は、ユーザーがファイル印刷ではなく、スキャン保存を行うために外部記憶装置を接続したものと判断する。
この場合、制御部12は、ステップS7において、スキャン保存用の画面を表示部101に表示させる(ステップS7)。
【0071】
次に、図6図9に基づき、外部記憶装置として、USBメモリ2をデジタル複合機1のUSBポート20に接続した場合の具体的な設定処理の例を示す。
【0072】
図6図9において、左側の図(A)は、USBメモリ2の記憶部21の記憶領域におけるファイルの有無およびファイルが存在する場合は、その更新日時を示し、右側の図(B)は、デジタル複合機1の表示部101の設定画面を示す。
【0073】
(1)図6に基づき、USBメモリ2内にファイルが存在しない場合の設定について説明する。
【0074】
図6(A)に示すように、USBメモリ2の記憶部21の記憶領域1にファイルが存在しない場合、印刷対象となるファイルが存在しないことから、対象機能決定部123は、ユーザーがファイル印刷ではなく、スキャン保存を行うためにUSBメモリ2を接続したものと判断する。
この場合、制御部12は、図6(B)に示すように、スキャン保存用の画面を表示部101に表示させる。
【0075】
スキャン保存用の画面には、ジョブ名や予め定められたファイル名、保存先の情報等が表示される。
【0076】
図6(B)の例において、表示部101にジョブ名として「スキャン保存」、ファイル名として「A.jpg」、保存先として「USB1」が表示されている。
また、ユーザーがファイル名の変更や保存先の変更を行うことができるようにしてもよい。
【0077】
また、「戻る」および「スキャン開始」ボタンをあわせて表示部101に表示することで、ユーザーは、元の画面に戻ったり、スキャンジョブを開始したりすることができる。
【0078】
また、USBメモリ2がデジタル複合機1のUSBポート20に初めて接続された場合は、その固有IDが記憶部13の外部記憶装置接続履歴130に記憶される。
【0079】
このようにして、ファイルが保存されていないUSBメモリ2がデジタル複合機1のUSBポート20に接続された場合、自動的にスキャン保存用の画面が表示されるため、従来よりも少ない手順で設定を行うことができるデジタル複合機1が実現できる。
【0080】
(2)次に、図7に基づき、USBメモリ2内にファイルが存在するが、デジタル複合機1の履歴に該当ファイルが存在しない場合の設定について説明する。
【0081】
図7(A)に示すように、USBメモリ2の記憶部21の記憶領域2に2018年2月1日更新のファイルAが存在するが、デジタル複合機1の記憶部13の外部記憶装置接続履歴130に該当するファイルが存在しなかった場合、対象機能決定部123は、今まで存在しなかったファイルは、ユーザーが印刷しようとしている可能性が高いものと判断する。
この場合、制御部12は、図7(B)に示すように、ファイル印刷用の画面を表示部101に表示させる。
【0082】
ファイル印刷用の画面には、ジョブ名やファイル名等の情報が表示される。
【0083】
図7(B)の例において、表示部101にジョブ名として「ファイル印刷」、ファイル名として「ファイルA」が表示されている。
【0084】
また、「戻る」および「印刷開始」ボタンをあわせて表示部101に表示することで、ユーザーは、元の画面に戻ったり、印刷ジョブを開始したりすることができる。
【0085】
なお、ユーザーがスキャン保存を行うためにUSBメモリ2をデジタル複合機1のUSBポート20に接続した場合も考えられる。
その場合の救済措置として、「戻る」および「印刷開始」ボタンの他に、「スキャン保存」ボタンへの切替ボタン等を表示するようにしてもよい。
【0086】
また、USBメモリ2がデジタル複合機1のUSBポート20に初めて接続された場合は、その固有IDが記憶部13の外部記憶装置接続履歴130に記憶される。
【0087】
このようにして、デジタル複合機1の外部記憶装置接続履歴130にないファイルが保存されたUSBメモリ2が、デジタル複合機1のUSBポート20に接続された場合、自動的にファイル印刷用の画面が表示されるため、従来よりも少ない手順で設定を行うことができるデジタル複合機1が実現できる。
【0088】
(3)次に、図8に基づき、USBメモリ2内にファイルが存在し、かつ、デジタル複合機1の履歴に該当ファイルが存在する場合の設定について説明する。
【0089】
図8(A)に示すように、USBメモリ2の記憶部21の記憶領域3にファイルが存在し、かつ、デジタル複合機1の記憶部13の外部記憶装置接続履歴130に該当するファイルが存在する場合、ファイル情報解析部122は、USBメモリ2の記憶部21内のファイルAの更新日を解析する。
【0090】
記憶部21内のファイルAの更新日2018年2月1日が、デジタル複合機1の記憶部13の外部記憶装置接続履歴130内の該当ファイルAの更新日と同じかそれよりも古い場合、対象機能決定部123は、当該ファイルAがすでに印刷済みか、過去に印刷対象とされなかったファイルであり、ユーザーがファイル印刷ではなく、スキャン保存を行うためにUSBメモリ2を接続したものと判断する。
この場合、制御部12は、図8(B)に示すように、スキャン保存用の画面を表示部101に表示させる。
【0091】
図8(B)の例において、表示部101にジョブ名として「スキャン保存」、ファイル名として「B.jpg」、保存先として「USB1」が表示されている。
【0092】
また、「戻る」および「印刷開始」ボタンをあわせて表示部101に表示することで、ユーザーは、元の画面に戻ったり、印刷ジョブを開始したりすることができる。
【0093】
なお、ユーザーがファイル印刷を行うためにUSBメモリ2をデジタル複合機1のUSBポート20に接続した場合も考えられる。
その場合の救済措置として、「戻る」および「印刷開始」ボタンの他に、「ファイル印刷」ボタンへの切替ボタン等を表示するようにしてもよい。
【0094】
その他の点については、図6の説明と同じであるため、省略する。
【0095】
このようにして、デジタル複合機1の外部記憶装置接続履歴130にあるファイルが保存されたUSBメモリ2が、デジタル複合機1のUSBポート20に接続され、当該ファイルの更新日時がデジタル複合機1の履歴内の該当ファイルの更新日時と同じかそれよりも古い場合、自動的にスキャン保存用の画面が表示されるため、従来よりも少ない手順で設定を行うことができるデジタル複合機1が実現できる。
【0096】
(4)次に、図9に基づき、USBメモリ2内に複数のファイルAおよびBが存在するが、デジタル複合機1の履歴にはファイルAのみが存在する場合の設定について説明する。
【0097】
図9(A)に示すように、USBメモリ2の記憶部21の記憶領域2には、2018年2月1日更新のファイルAおよび2018年3月1日更新のファイルBが存在し、デジタル複合機1の記憶部13の外部記憶装置接続履歴130にファイルAのみが存在する場合、ファイル情報解析部122は、USBメモリ2の記憶部21内のファイルAの更新日を解析する。
【0098】
記憶部21内のファイルAの更新日2018年2月1日が、デジタル複合機1の記憶部13の外部記憶装置接続履歴130内の該当ファイルAの更新日と同じかそれよりも古い場合、対象機能決定部123は、当該ファイルAがすでに印刷済みか、過去に印刷対象とされなかったファイルであり、履歴にないファイルBをユーザーが印刷しようとしている可能性が高いものと判断する。
この場合、制御部12は、図9(B)に示すように、ファイル印刷用の画面を表示部101に表示させる。
【0099】
図9(B)の例において、表示部101にジョブ名として「ファイル印刷」、ファイル名として「ファイルA」および「ファイルB」が表示され、ファイルBが印刷対象のファイルであることを示すため、当該ファイルBの前にチェックマークが入れられている。
【0100】
また、「戻る」および「印刷開始」ボタンをあわせて表示部101に表示することで、ユーザーは、元の画面に戻ったり、印刷ジョブを開始したりすることができる。
【0101】
なお、ユーザーがスキャン保存を行うためにUSBメモリ2をデジタル複合機1のUSBポート20に接続した場合も考えられる。
その場合の救済措置として、「戻る」および「印刷開始」ボタンの他に、「スキャン保存」ボタンへの切替ボタン等を表示するようにしてもよい。
【0102】
このようにして、複数のファイルが保存されたUSBメモリ2が、デジタル複合機1のUSBポート20に接続された場合、ファイルごとの接続履歴およびファイルの更新日に基づいて、印刷対象ファイルを表示したファイル印刷用の画面が表示されるため、従来よりも少ない手順で設定を行うことができるデジタル複合機1が実現できる。
【0103】
(5)次に、図10に基づき、USBメモリ2内に複数のファイルAおよびBが存在するが、デジタル複合機1の履歴に該当ファイルが存在しない場合の設定について説明する。
【0104】
図10(A)に示すように、USBメモリ2の記憶部21の記憶領域5には、2018年2月1日更新のファイルAおよび2018年3月1日更新のファイルBが存在し、デジタル複合機1の記憶部13の外部記憶装置接続履歴130に該当するファイルが存在しなかった場合、対象機能決定部123は、今まで存在しなかったファイルは、ユーザーが印刷しようとしている可能性が高いものと判断する。
この場合、制御部12は、図10(B)に示すように、ファイル印刷用の画面を表示部101に表示させる。
【0105】
図10(B)の例において、表示部101にジョブ名として「ファイル印刷」、ファイル名として「ファイルA」および「ファイルB」が表示される。
【0106】
ここで、表示部101に「ファイル印刷すべきファイルを選択してください」というメッセージとともに、ファイル名として「ファイルA」および「ファイルB」が表示され、ファイル名の前には、チェックボックスが表示されている。
【0107】
ユーザーは、「ファイルA」および「ファイルB」のうち、いずれかのファイルのチェックボックスにチェックマークを入れて、印刷対象となるファイルを選択する。
【0108】
また、例えば、最新の更新日のファイルにデフォルトでチェックマークを入れるなど、予め定められた設定に基づいて、少なくとも1つのファイルにチェックマークを入れるようにしてもよい。
【0109】
(変形例1)
実施形態1の変形例1として、一部のユーザーがこの発明の設定機能を望まない場合のことも考慮して、ユーザーごとに設定でこの発明の機能をON・OFFできるようにしてもよい。
また、ユーザーが独自にルールを設定できるようになっていてもよい。
その場合、対象機能決定部123は、ユーザーの設定に基づき、表示部101に表示すべき設定画面を決定するように動作する。
【0110】
(実施形態2)
次に、図11に基づき、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1に外部記憶装置を接続したときの設定の一例を説明する。
図11は、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1に外部記憶装置を接続したときの設定手順を示すフローチャートである。
【0111】
なお、図11のステップS11~S19の処理は、それぞれ図5のステップS1~S9の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、図5に記載のないステップS20およびS21の処理について説明する。
【0112】
ステップS16またはS17の処理を行った後、ステップS20においてユーザーの操作が完了した場合(ステップS20)、制御部12は、ステップS21において、印刷またはスキャンの詳細設定を記憶部13に記憶させる(ステップS21)。
【0113】
そして、次回以降において外部記憶装置がデジタル複合機1に接続され、ファイル印刷画面またはスキャン保存画面を表示部101に表示する場合、記憶部13に記憶した印刷またはスキャンの詳細設定を設定に反映させる。
【0114】
詳細設定の具体例としては、印刷設定の場合、例えば、「モノクロ印刷」か「カラー印刷」、「印刷枚数」や「用紙サイズ」などの設定であり、スキャン設定の場合、「モノクロスキャン」か「カラースキャン」、「保存先」や「出力ファイル名」、「ファイル形式の種類」などの設定である。
【0115】
ユーザーは、予め定められた初期画面に表示された「詳細設定」ボタンを押すことで、詳細設定画面に移動することができる。
また、図6(B)、図7(B)、図8(B)、図9(B)および図10(B)に示す設定画面が表示部101に表示されている場合、ユーザーは、「戻る」ボタンを押して初期画面に戻った後、「詳細設定」ボタンを押すことで、詳細設定画面に移動することができる。
また、当該設定画面に「詳細設定」ボタンを表示させることで、直接、詳細設定画面に移動できるようにしてもよい。
【0116】
また、ファイル情報解析部122が解析したファイル情報(ファイルの種類や名前)ごとに異なる詳細設定を反映させるようにしてもよい。
【0117】
また、更新されたファイルを印刷する場合、更新前の印刷設定を継続して設定に反映させるようにしてもよい。
【0118】
このようにして、ファイルが保存された外部記憶装置がデジタル複合機1に接続された場合、過去の印刷またはスキャンの詳細設定を反映したファイル印刷用またはスキャン保存用の画面が表示されるため、従来よりも少ない手順で設定を行うことができるデジタル複合機1が実現できる。
【0119】
(実施形態3)
次に、図12に基づき、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1に外部記憶装置を接続したときの設定の一例を説明する。
図12は、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1に外部記憶装置を接続したときの設定手順を示すフローチャートである。
【0120】
なお、図12のステップS31~S35,S38,S39およびS42の処理は、それぞれ図5のステップS1~S5およびS8~S10の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、図5に記載のないステップS36,S37,S40およびS41の処理について説明する。
【0121】
ステップS36またはS37の処理を行った後、制御部12は、ステップS40において、ユーザーにより設定が変更されたか否かを判定する(ステップS40)。
【0122】
ユーザーにより設定が変更された場合(ステップS40の判定がYesの場合)、制御部12は、ステップS41において、設定の変更履歴を記憶部13に記憶させる(ステップS41)。
その後、制御部12は、ステップS42の処理を行う(ステップS42)。
【0123】
一方、ユーザーにより設定が変更されなかった場合(ステップS40の判定がNoの場合)、制御部12は、ステップS42の処理を行う(ステップS42)。
【0124】
そして、次回以降において外部記憶装置がデジタル複合機1に接続された場合、ステップS36およびS37において、対象機能決定部123は、設定変更履歴を優先して対象機能を決定する(ステップS36およびS37)。
【0125】
例えば、あるファイルについて、ファイル印刷画面が表示されたにもかかわらず、ユーザーがスキャン保存画面に変更した場合において、対象機能決定部123は、同じファイルが保存された外部記憶装置が接続された場合、設定変更履歴を優先して、スキャン保存画面を表示させる。
【0126】
このようにして、外部記憶装置がデジタル複合機1に接続された場合、ユーザーの設定変更履歴を優先してファイル印刷用またはスキャン保存用の画面が表示されるため、従来よりも少ない手順で設定を行うことができるデジタル複合機1が実現できる。
【0127】
(実施形態4)
次に、図13に基づき、この発明の実施形態4に係るデジタル複合機1に外部記憶装置を接続したときの設定の一例を説明する。
図13は、この発明の実施形態4に係るデジタル複合機1に外部記憶装置を接続したときの設定手順を示すフローチャートである。
【0128】
なお、図13のステップS51~S53,S55,S58,S59およびS62の処理は、それぞれ図5のステップS1~S3およびS5~S10の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、図5に記載のないステップS54,S56,S57,S60およびS61の処理について説明する。
【0129】
ステップS56またはS57の処理を行った後、制御部12は、ステップS60において、ユーザーにより選択解除されたファイルがあるか否かを判定する(ステップS60)。
【0130】
例えば、複数のファイルA,BおよびCが選択されている場合に、ユーザーがファイルAの選択を解除して、ファイルBおよびCのみを印刷した場合などである。
【0131】
ユーザーにより選択解除されたファイルがある場合(ステップS60の判定がYesの場合)、制御部12は、ステップS61において、選択解除履歴を記憶部13に記憶させる(ステップS61)。
その後、制御部12は、ステップS62の処理を行う(ステップS62)。
【0132】
一方、ユーザーにより選択解除されたファイルがない場合(ステップS60の判定がNoの場合)、制御部12は、ステップS62の処理を行う(ステップS62)。
【0133】
そして、次回以降において外部記憶装置がデジタル複合機1に接続された場合、ステップS54において、ファイル情報解析部122は、ファイル情報の差異を確認する際、予め定められた回数以上、選択解除されたファイルを除外する(ステップS54)。
【0134】
このようにして、外部記憶装置がデジタル複合機1に接続された場合、外部記憶装置に入れたまま印刷するつもりのないファイルが設定対象から除外されるため、従来よりも少ない手順で設定を行うことができるデジタル複合機1が実現できる。
【0135】
(実施形態5)
次に、図14に基づき、この発明の実施形態5に係るデジタル複合機1に外部記憶装置を接続したときの設定の一例を説明する。
【0136】
実施形態5では、外部記憶装置内に更新されたファイルまたは新しいファイルが存在する場合に、ファイル印刷画面またはメール送信画面を表示する場合を想定している。
【0137】
図14は、この発明の実施形態5に係るデジタル複合機1に外部記憶装置を接続したときの設定手順を示すフローチャートである。
【0138】
なお、図14のステップS71~S75およびS77~S80の処理は、それぞれ図11のステップS1~S5およびS7~S10の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、図11に記載のないステップS76およびS81の処理について説明する。
【0139】
ステップS76またはS77の処理を行った後、ステップS80においてユーザーの操作が完了した場合(ステップS80)、制御部12は、ステップS81において、ユーザーにより実行された設定の履歴を記憶部13に記憶させる(ステップS81)。
【0140】
そして、次回以降において外部記憶装置がデジタル複合機1に接続された場合、ステップS76において、過去の実行設定履歴も参照して、対象機能決定部123は、ファイルを印刷すべきか、メールを送信すべきかを決定する(ステップS76)。
【0141】
例えば、画像ファイルなどの特定のファイルがメール送信に使われた実行設定履歴がある場合、対象機能決定部123は、当該特定のファイルについてはメール送信を行うものと判断して、メール送信用の画面が表示部101に表示される。
【0142】
このようにして、ファイルが保存された外部記憶装置がデジタル複合機1に接続された場合、過去の実行設定履歴を反映した適切な画面が表示されるため、従来よりも少ない手順で設定を行うことができるデジタル複合機1が実現できる。
【0143】
この発明の好ましい態様は、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含む。
前述した実施形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0144】
1:デジタル複合機、 2:USBメモリ、 3:サーバー、 4:LANケーブル、 10:操作パネル、 11:原稿読取部、 12,22,34:制御部、 13,21,31:記憶部、 14,32:画像処理部、 15:印刷部、 16:排紙部、 17:外部機器接続部、 18:送受信部、 20:USBポート、 23:接続端子、 30:LANポート、 33,101:表示部、 35,102:操作部、 36:送受信部、 121:外部記憶装置照合部、 122:ファイル情報解析部、 123:対象機能決定部、 130:外部記憶装置接続履歴、 131:固有ID、 132:ファイル情報、 360:LANポート、 A,B:ファイル
図1
図2
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図8
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図10
図11
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