(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】車載照明装置
(51)【国際特許分類】
B60N 3/00 20060101AFI20221213BHJP
B60N 3/12 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
B60N3/00 Z
B60N3/12
(21)【出願番号】P 2018232605
(22)【出願日】2018-12-12
【審査請求日】2021-07-28
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】308013436
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松村 惇也
【審査官】黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-254165(JP,A)
【文献】特開2000-142246(JP,A)
【文献】米国特許第06126221(US,A)
【文献】独国特許出願公開第102011053436(DE,A1)
【文献】特開2010-177077(JP,A)
【文献】特開2015-051749(JP,A)
【文献】特開2006-027304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/00
B60N 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器形状を有する小物入れ部と、
前記小物入れ部を回転自在に収容する外部ケースと、
前記小物入れ部の開口に前記外部ケースが覆い被さる閉・回転位置と、前記小物入れ部が前記外部ケースから引き出され、前記小物入れ部の開口の少なくとも一部が前記外部ケースの外側に現れる開・回転位置との間を回転自在となるように、前記小物入れ部を前記外部ケース内に支持する回転機構と、
前記小物入れ部に設けられた光源と、
前記小物入れ部の回転位置に応じて、前記光源に供給される電力をオンオフする光源スイッチユニットと、
前記小物入れ部に設けられ、前記小物入れ部が前記閉・回転位置にあるときに、前記外部ケースの開口面に板面が揃えられる導光板と、を備え、
前記小物入れ部は、
外側の面が車室側
に向
けられる底壁と、前記底壁の周囲を囲む側壁とを備え、
前記導光板は、
前記底壁の外側の面に取り付けられており、
前記光源は、前記小物入れ部
における外側の位置であって、前記導光板の縁から光を入射する位置に設けられていることを特徴とする車載照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載照明装置において、
2つの前記光源を備え、
2つの前記光源のうちの一方は、前記導光板の左側の縁から光を入射する位置に設けられ、
2つの前記光源のうちの他方は、前記導光板の右側の縁から光を入射する位置に設けられていることを特徴とする車載照明装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の車載照明装置において、
前記小物入れの側壁に固定された基板を備え、
前記光源は、前記基板に実装されていることを特徴とする車載照明装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車載照明装置において、
前記光源スイッチユニットは、前記小物入れ部の回転と共に、前記外部ケースの一部分によって押下または解放されるプッシュスイッチを備え、
前記プッシュスイッチは、前記基板に実装されていることを特徴とする車載照明装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の車載照明装置において、
前記光源スイッチユニットは、前記小物入れ部の回転と共に、前記外部ケースの一部分によって押下または解放されるプッシュスイッチを備えることを特徴とする車載照明装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車載照明装置において、
前記導光板の周囲を囲み、前記光源を前方から覆うアウターフレームを備えることを特徴とする車載照明装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車載照明装置において、
前記外部ケースは、前記小物入れ部が前記外部ケースに収容されたときに、前記光源スイッチユニットに接触する突出部を有し、
前記小物入れ部が前記外部ケースから引き出されたときに、前記光源スイッチユニットは、前記突出部から離れ、前記外部ケース内に位置することを特徴とする車載照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載照明装置に関し、特に、小物入れ部を有する車載照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車室の天井に取り付けられる照明装置には、ランプを収容する筐体の開口にレンズが設けられ、ランプから発せられた光がレンズを介して車室に照射されるものがある。レンズは、ランプから発せられた光を拡散し、車室の広い範囲に光を照射する機能の他、照明装置の美観を高める機能を有している。
【0003】
ランプを収容する筐体内のスペースを有効に活用するため、特許文献1および2に見られるように、容器状の小物入れが筐体内に収容された照明装置がある。特許文献1に記載されている車両用コンソール装置(照明装置)では、ハウジング体(筐体)の凹部に光源が配置されている。収納部(小物入れ)は、ハウジング体内で回転自在となっている。収納部が閉塞しているときは光源から発せられた光が小物入れの壁面をなす導光板の光取り入れ口を照射して、導光板に光を拡散させる。収納部が開放しているときは、光源から発せられた光が収納部内を照射する。特許文献2に記載されている車両用室内照明装置では、ベース(筐体)内にケース部(小物入れ)が回転自在に取り付けられている。ケース部がベースに納められた状態で、LEDが実装されたフレキシブルプリント基板がケース部の表面からベースの開口の縁に亘って取り付けられている。ケース部を回転させると共にフレキシブル基板を屈曲運動させることで、ケース部の一部がベース内から出るように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-540号公報
【文献】特開2008-49826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に見られるように、筐体の凹部に光源が配置されている照明装置では、車室に照射される光が導光板によって弱められてしまう可能性がある。そこで、特許文献2に示されているように、小物入れの表面に光源を配置することも考えられるが、光を拡散させて広い範囲で照明装置が光るようなデザインが好まれる場合もある。
【0006】
本発明は、車載照明装置の光源から発せられる光の減衰を抑制しつつ、意匠性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、容器形状を有する小物入れ部と、前記小物入れ部を回転自在に収容する外部ケースと、前記小物入れ部の開口に前記外部ケースが覆い被さる閉・回転位置と、前記小物入れ部が前記外部ケースから引き出され、前記小物入れ部の開口の少なくとも一部が前記外部ケースの外側に現れる開・回転位置との間を回転自在となるように、前記小物入れ部を前記外部ケース内に支持する回転機構と、前記小物入れ部に設けられた光源と、前記小物入れ部の回転位置に応じて、前記光源に供給される電力をオンオフする光源スイッチユニットと、前記小物入れ部に設けられ、前記小物入れ部が前記閉・回転位置にあるときに、前記外部ケースの開口面に板面が揃えられる導光板と、を備え、前記小物入れ部は、外側の面が車室側に向けられる底壁と、前記底壁の周囲を囲む側壁とを備え、前記導光板は、前記底壁の外側の面に取り付けられており、前記光源は、前記小物入れ部における外側の位置であって、前記導光板の縁から光を入射する位置に設けられていることを特徴とする。望ましくは、2つの前記光源を備え、2つの前記光源のうちの一方は、前記導光板の左側の縁から光を入射する位置に設けられ、2つの前記光源のうちの他方は、前記導光板の右側の縁から光を入射する位置に設けられている。望ましくは、前記小物入れの側壁に固定された基板を備え、前記光源は、前記基板に実装されている。望ましくは、前記光源スイッチユニットは、前記小物入れ部の回転と共に、前記外部ケースの一部分によって押下または解放されるプッシュスイッチを備え、前記プッシュスイッチは、前記基板に実装されている。
【0008】
望ましくは、前記光源スイッチユニットは、前記小物入れ部の回転と共に、前記外部ケースの一部分によって押下または解放されるプッシュスイッチを備える。望ましくは、前記導光板の周囲を囲み、前記光源を前方から覆うアウターフレームを備える。望ましくは、前記外部ケースは、前記小物入れ部が前記外部ケースに収容されたときに、前記光源スイッチユニットに接触する突出部を有し、前記小物入れ部が前記外部ケースから引き出されたときに、前記光源スイッチユニットは、前記突出部から離れ、前記外部ケース内に位置する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車載照明装置の光源から発せられる光の減衰を抑制しつつ、意匠性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】小物入れ部を回転させて引き出した状態を示す図である。
【
図6】外部ケースおよび小物入れ部を光源基板および光源スイッチユニット付近で破断したときの斜視図である。
【
図7】
図3に示されるAA線における断面を示す図である。
【
図8】小物入れ部が引き出されたときのAA線における断面を示す図である。
【
図9】小物入れ部が引き出されたときのAA線における断面を示す図である。
【
図10】電源供給スイッチ回路を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
各図を参照して本発明の実施形態に係る車載照明装置について説明する。本願明細書における上下左右前後の用語は、車載照明装置から車室側を見た方向を示す。また、複数の図面に示された同一の部材については同一の符号を付してその説明を簡略化する。
【0012】
図1には、本発明の実施形態に係る車載照明装置の斜視図が示されている。
図1においては、左方向がx軸正方向として定義されている。また、上方向がy軸正方向として定義され、前方向がz軸正方向として定義されている。
【0013】
車載照明装置は、外部ケース10(筐体)および小物入れ部12を備えている。小物入れ部12は、自らの回転軸38を中心として回転自在となるように外部ケース10内に収容されている。
図1には小物入れ部12が閉じた状態、すなわち、小物入れ部12の前面が外部ケース10の開口に位置する状態が示されている。外部ケース10の前面には、開口を囲む意匠板14が設けられている。小物入れ部12が閉じた状態では、小物入れ部12の前面を構成する導光板16が、意匠板14と同一面上に位置する。車載照明装置は、小物入れ部12の前面が車室側に向けられた姿勢で、車室の天井に取り付けられてよい。
【0014】
図2には、小物入れ部12を回転させて引き出した状態が示されている。小物入れ部12は、小物入れ底壁121と、小物入れ底壁121の周囲を囲む側壁122とを有する。小物入れ底壁121の外側の面には、上記の導光板16が設けられている。小物入れ部12が引き出された状態では、小物入れ部12の開口と、外部ケース10の開口が斜めに向かい合い、小物入れ部12の内部にサングラス等の小物を収納し、小物入れ部12の内部から小物を取り出すことが可能な状態となる。
【0015】
図3には、車載照明装置の前面が示されている。小物入れ部12の前面は、導光板16およびアウターフレーム18を備えている。導光板16は、光を透過するプラスチック樹脂等によって形成されてよい。アウターフレーム18は導光板16の周囲を囲んでいる。導光板16の左右の縁または左右の縁の近傍には、発光ダイオード20Lおよび10Rが設けられている。ただし、発光ダイオード20Lおよび20Rは、アウターフレーム18によって覆われており、小物入れ部12の前面には現れていない。発光ダイオード20Lは、導光板16の左側の縁から導光板16に光を入射する。発光ダイオード20Rは、導光板16の右側の縁から導光板16に光を入射する。
【0016】
外部ケース10の前面には、小物入れ部12の前面を囲む意匠板14が設けられている。外部ケース10には、ドームスイッチ22およびドア連動モードスイッチ24が設けられている。ドームスイッチ22およびドア連動モードスイッチ24は、押しボタン式のスイッチであってもよいし、静電容量センサ型のタッチスイッチであってもよい。これらのスイッチの機能については後述する。
【0017】
図4には、小物入れ部12の分解斜視図が示されている。小物入れ部12は、内部ケース120、光源基板32L、光源基板32R、導光板16およびアウターフレーム18を備えている。内部ケース120は、小物入れ底壁121と側壁122から構成され、略直方体状の容器形状を有している。内部ケース120の前面、すなわち、小物入れ底壁121の外側の面には導光板16が取り付けられる。光源基板32Lには発光ダイオード20Lが実装され、光源基板32Rには発光ダイオード20Rおよび光源スイッチユニット30が実装されている。光源スイッチユニット30は、発光ダイオード20Lおよび20Rに供給される電力をオンオフするプッシュスイッチを含む。発光ダイオード20Lおよび20Rの両者に電力を供給し、光源スイッチユニット30を発光ダイオード20Rのみならず発光ダイオード20Lに対しても用いるため、光源基板32Rと光源基板32Lとの間は電線34によって接続されている。
【0018】
なお、本実施形態では、発光ダイオード20Lおよび20Rの両者に対する光源スイッチユニット30が光源基板32Rに設けられている。このような構成の他、発光ダイオード20Lに対する光源スイッチユニット、および発光ダイオード20Rに対する光源スイッチユニットが、それぞれ、光源基板32Lおよび32Rに個別に設けられてもよい。また、発光ダイオード20Lおよび20Rの両者に対する光源スイッチユニット30が光源基板32Lに設けられてもよい。さらに、発光ダイオードおよび光源基板が、左右のいずれか一方に設けられた構成であってもよい。
【0019】
内部ケース120の左右には、光源基板32Lおよび32Rを固定するための基板固定構造36が形成されている。基板固定構造36は、各光源基板を固定するための空間を有し、前方に開口している。光源基板32Lは内部ケース120の左側の基板固定構造36に固定され、光源基板32Rは、内部ケース120の右側の基板固定構造36に固定される。これによって、発光ダイオード20Lは、導光板16の左側の縁に光を入射する位置に配置され、発光ダイオード20Rは導光板16の右側の縁に光を入射する位置に配置される。
【0020】
導光板16の周囲にはアウターフレーム18が取り付けられる。導光板16の周囲の縁の近傍にはアウターフレーム18と重ねられる重ねしろ領域があり、その重ねしろ領域にアウターフレーム18が重ねられる。また、左右の基板固定構造36の開口は、アウターフレーム18によって覆われる。アウターフレーム18の左右の縁からは回転軸38が突出している。回転軸38は、外部ケース10に形成された軸受け構造40(
図1)に回転自在に取り付けられる。
【0021】
図5には、アウターフレーム18が取り外された状態における内部ケース120の右側の基板固定構造36が示されている。光源基板32Rは基板固定構造36が形成する空間に収容され、前後および上下方向に広がっている。光源基板32Rは、基板固定構造36に形成された突起部361によって支持されている。光源基板32Rの左側の表面には、発光ダイオード20Rが固定されている。光源基板32Rの右側の表面には光源スイッチユニット30が固定されている。
【0022】
図6には、外部ケース10および小物入れ部12を光源基板32Rおよび光源スイッチユニット30付近で破断したときの斜視図が示されている。また、
図7には、
図3に示されるAA線における断面が示されている。
図8および
図9は、小物入れ部12が引き出されたときのAA線における断面が示されている。
図6に示されているように、アウターフレーム18の右側には右方向に突出した回転軸38が形成されている。光源基板32Rは、小物入れ底壁121よりも後方に位置し、前後および上下方向に広がっている。光源基板32Rの右側の表面には光源スイッチユニット30が固定されている。光源スイッチユニット30は、本体部301とレバー302を備えている。レバー302は、本体部301から後方斜め下に延びて、外部ケース10において後方に立設した壁60の縁から上方向に突出する突出部62の表面に滑り自在に接触している。レバー302は、本体部301との接合部分を支点として揺動自在である。レバー302が本体部301に接近することで、本体部301に設けられたプッシュスイッチ303が押下され、レバー302が本体部301から遠ざかることで、プッシュスイッチ303が開放される。プッシュスイッチ303には、押下状態でオンとなり解放状態でオフとなるものが用いられる。なお、各発光ダイオードに電力を供給する電子回路の構成によっては、押下状態でオフとなり解放状態でオンとなるプッシュスイッチが用いられてもよい。
【0023】
図7には、小物入れ部12が外部ケース10に収容された状態が示されている。この状態ではレバー302が突出部62によって押下され、レバー302が本体部301に接近して、プッシュスイッチ303がレバー302によって押下される。
図8には、小物入れ部12が回転し、外部ケース10から引き出される途中の状態が示されている。
図9には、小物入れ部12が外部ケース10から引き出された状態が示されている。
図8および
図9には、小物入れ部12が回転する中心が、十字状に交差した一点鎖線の交点によって示されている。これらの図に示されているように、小物入れ部12が外部ケース10から引き出されることで、レバー302が突出部62から離れ、レバー302が本体部301から遠ざかって、プッシュスイッチ303が解放される。
【0024】
このように、車載照明装置では、小物入れ部12を回転させることで、光源スイッチユニット30の本体部301と外部ケース10の突出部62との間の距離および相対的な姿勢(一方から他方を見た姿勢)が変化してレバー302が揺動する。これによって、プッシュスイッチ303が解放状態から押下状態となり、または、押下状態から解放状態となる。
【0025】
本実施形態においては、プッシュスイッチ303が押下されたときにプッシュスイッチ303がオンになる。小物入れ部12が外部ケース10に収容され、光源スイッチユニット30がオンであるときに、発光ダイオード20Lおよび20Rに電力が供給され得る。小物入れ部12が外部ケース10から引き出され、光源スイッチユニット30がオフであるときに、発光ダイオード20Lおよび20Rに電力が供給されない状態となる。
【0026】
なお、光源スイッチユニット30の本体部301には、プッシュスイッチ303の代わりに、小物入れ部12の状態を検出するその他のセンサ、およびセンサに応じてオンオフするスイッチが用いられてもよい。このようなセンサとしては磁気センサがある。この場合、外部ケース10に永久磁石が取り付けられる。小物入れ部12が回転することで磁気センサと永久磁石との間の距離が変化し、センサは、その距離に応じてスイッチをオンオフする。
【0027】
このように、本実施形態に係る車載照明装置は、容器形状を有する小物入れ部12と、小物入れ部12を回転自在に収容する外部ケース10と、小物入れ部12を外部ケース10内に支持する回転機構とを備えている。回転機構は、小物入れ部12におけるアウターフレーム18から突出した回転軸38と、外部ケース10に形成された軸受け構造40から構成される。回転機構は、閉・回転位置と開・回転位置との間を回転自在となるように、小物入れ部12を外部ケース10内に支持する。閉・回転位置は、小物入れ部12の開口に外部ケース10が覆い被さる回転位置であり、開・回転位置は、小物入れ部12が外部ケース10から引き出され、小物入れ部12の開口の少なくとも一部が外部ケース10の外側に現れる回転位置である。
【0028】
本実施形態に係る車載照明装置は、さらに、小物入れ部12に設けられた光源としての発光ダイオード20Lおよび20Rと、小物入れ部12の回転位置に応じて、発光ダイオード20Lおよび20Rに供給される電力をオンオフする光源スイッチユニット30と、小物入れ部12に設けられ、小物入れ部12が閉・回転位置にあるときに、外部ケース10の開口面に板面が揃えられる導光板16とを備えている。発光ダイオード20Lおよび20Rは、導光板16の縁から光を入射する位置に設けられている。
【0029】
また、光源スイッチユニット30は、小物入れ部12の回転と共に、外部ケース10の一部分、すなわち、外部ケース10に形成された壁60における突出部62によって押下または解放されるプッシュスイッチ303を備えている。
【0030】
図3に戻って車載照明装置の発光動作について説明する。発光ダイオード20Lおよび20Rに電力が供給されているときは、発光ダイオード20Lおよび20Rは、導光板16の左右の縁から導光板16に光を入射する。導光板16に入射した光は、導光板16において拡散され、導光板16の広い範囲に広がる。また、導光板16で拡散された光は車室内の広い範囲を明るく照らす。
【0031】
発光ダイオード20Lおよび20Rが直接的に導光板16の縁に光を入射し、その光が導光板16で拡散されるため、発光ダイオード20Lおよび20Rから発せられる光の減衰が抑制される。また、導光板16にダイヤカット等の凹凸を設けたり、シボ加工を施したりすることで、車載照明装置の意匠性が高まる。
【0032】
上述のように、外部ケース10にはドームスイッチ22およびドア連動モードスイッチ24が設けられている。ドームスイッチ22がオンであるときは、ドア連動モードスイッチ24の状態に関わらず、小物入れ部12の状態に応じて発光ダイオード20Lおよび20Rに電力が供給される。すなわち、ドームスイッチ22がオンであるときは、ドア連動モードスイッチ24の状態に関わらず、小物入れ部12が外部ケース10に収容されて光源スイッチユニット30がオンになった状態で、発光ダイオード20Lおよび20Rが点灯する。そして、小物入れ部12が外部ケース10から引き出され光源スイッチユニット30がオフになることで、発光ダイオード20Lおよび20Rが消灯する。
【0033】
ドームスイッチ22がオフであるときは、原則、光源スイッチユニット30の動作に関わらず、発光ダイオード20Lおよび20Rには電力が供給されない。すなわち、ドームスイッチ22がオフであるときは、原則、小物入れ部12の状態に関わらず、発光ダイオード20Lおよび20Rは点灯しない。ただし、ドア連動モードスイッチ24がオンであるときにドアが開けられ、かつ、光源スイッチユニット30がオンであるときは、ドームスイッチ22がオフであっても発光ダイオード20Lおよび20Rに電力が供給される。すなわち、ドア連動モードスイッチ24がオンであるときには、ドームスイッチ22がオフであっても、小物入れ部12が外部ケース10に収容されている状態でドアが開けられることで、発光ダイオード20Lおよび20Rが点灯する。そして、ドア連動モードスイッチ24がオフであるときは、原則通りの動作となる。
【0034】
図10には、このようなスイッチ動作を実現する電源供給スイッチ回路が例示されている。電源供給スイッチ回路は、直流電源70、ドームスイッチ22、ドア連動モードスイッチ24、ドアスイッチ72、光源スイッチユニット30および出力端子74を備えている。出力端子74からは発光ダイオード20Lおよび20Rに電力が供給される。
【0035】
直流電源70の正極端子と出力端子74との間には、ドームスイッチ22および光源スイッチユニット30が直列に接続されている。また、ドア連動モードスイッチ24とドアスイッチ72が直列接続され、ドア連動モードスイッチ24とドアスイッチ72を直列接続した部分が、ドームスイッチ22に並列接続されている。
【0036】
ドアスイッチ72は、搭載先の自動車のドアの開閉に応じてオンオフするスイッチである。ドアスイッチ72は、ドアが開けられたときにオンとなり、ドアが閉められたときにオフとなる。ドアスイッチ72は、ドア連動モードスイッチ24および光源スイッチユニット30を介して発光ダイオード20Lおよび20Rに供給される電力を、搭載先の自動車のドアの開閉に応じてオンオフする。
【0037】
ドームスイッチ22は、光源スイッチユニット30を介して発光ダイオード20Lおよび20Rに供給される電力をオンオフする。ドームスイッチ22がオンであるときは、ドア連動モードスイッチ24およびドアスイッチ72のオンオフに関わらず、光源スイッチユニット30が、発光ダイオード20Lおよび20Rに供給される電力をオンオフする。ドア連動モードスイッチ24は、ドアスイッチ72に直列に接続されているため、オンであるときにドアスイッチ72のオンオフ動作を有効とし、オフであるときにドアスイッチ72のオンオフ動作を無効とする。
【符号の説明】
【0038】
10 外部ケース、12 小物入れ部、120 内部ケース、121 小物入れ底壁、122 側壁、14 意匠板、16 導光板、18 アウターフレーム、20L,20R 発光ダイオード、22 ドームスイッチ、24 ドア連動モードスイッチ、30 光源スイッチユニット、301 本体部、302 レバー、303 プッシュスイッチ、32L,30R 光源基板、34 電線、36 基板固定構造、38 回転軸(回転機構)、40 軸受け構造(回転機構)、60 壁、62 突出部。